JP3700913B2 - 電力ケーブルの端末処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋ポリエチレンケーブル等のプラスチック絶縁電力ケーブルにプレハブ型接続部を設ける際に、ケーブル端部のシースや外部半導電層を段剥ぎして露出したケーブル絶縁体の表面を平滑化するための電力ケーブルの端末処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
架橋ポリエチレンケーブルの中間接続部や終端接続部では、ケーブル端部のシースや外部半導電層を段剥ぎしてケーブル絶縁体を露出させ、その上にプレハブ型接続部を挿入して設ける方法が多く採用されている。その際、良好な電気特性を発揮させるために、露出させたケーブル絶縁体の表面をできるだけ平滑化する必要がある。
【0003】
図4は、従来の電力ケーブルの端末処理方法を示す図である。図4において、1はケーブル導体、2はケーブル絶縁体、3は外部半導電層、4は熱収縮チューブ、8は押えテープ、9は温度センサ、10はヒータ、11は保温層である。
【0004】
ケーブル端部のシース(図示せず)を除去した後、外部半導電層3を段剥ぎし、架橋ポリエチレンよりなるケーブル絶縁体2を露出させる。そして、露出させたケーブル絶縁体2の表面を平滑化するため、ケーブル絶縁体2の上に熱収縮チューブ4を被せ、ドライヤー等を使ってそれを加熱して収縮させる。さらに、その上に、押えテープ8,サーモカップル等の温度センサ9,ヒータ10及び保温層11を順次形成する。
【0005】
その状態で、温度センサ9を使って一定温度になるように制御しながらヒータ10による加熱を所定時間行う。その結果、ケーブル絶縁体2,熱収縮チューブ4等が加熱されて膨張するが、その上を押えテープ8で締め付けているため、押えテープ8により熱収縮チューブ4の平滑な内面が高温状態のケーブル絶縁体2の表面にがケーブル絶縁体2に強く押さえ付けられることになり、ケーブル絶縁体2の表面が平滑化される。
【0006】
その後、ヒータ10をオフにして、冷却時間をおいてから保温層11,ヒータ10,温度センサ9,押えテープ8及び熱収縮チューブ4を除去すると、表面が平滑になったケーブル絶縁体2が現れる。その上にプレハブ型接続部のストレスコーンを挿入して設けると、ストレスコーンとケーブル絶縁体2との界面をボイドなく密着させることができて、良好な絶縁特性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の電力ケーブルの端末処理方法では、作業に手間と時間がかかり過ぎるという問題点があった。すなわち、上記従来の方法では、熱収縮チューブ4を加熱収縮させた後、その上から押えテープ8,温度センサ9,ヒータ10及び保温層11を設ける作業が必要であり、その作業に手間と時間がかかる。また、その後に行われる加熱処理では、所定温度に達するまでの昇温時間,所定温度に達した後の加熱時間及び加熱処理後の冷却時間が長時間必要になる。
【0008】
本発明は、そのような問題点を解決し、ケーブル絶縁体表面の平滑化作業の手間と時間を軽減させて、現地施工時間を短縮化することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の電力ケーブルの端末処理方法は、電力ケーブルの外部半導電層を段剥ぎして露出したケーブル絶縁体の外周に、熱収縮チューブを被せて加熱収縮させた後、ケーブル絶縁体が高温状態にある内に熱収縮チューブの上から布状体によってしごくことを特徴とする。このようにすると、ケーブル絶縁体表面の平滑化作業の手間と時間を軽減させて、現地施工時間を短縮化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の処理説明図である。図1において、符号1〜4は、図4のものに対応しており、5は布テープである。
【0011】
ケーブル端部のシースを除去し、外部半導電層3を段剥ぎした後、ケーブル絶縁体2が露出したケーブルに、熱収縮チューブ4を挿通し、それをドライヤー等を使って加熱収縮させる。そして、熱収縮チューブ4が十分に収縮した後、加熱処理により高温化したケーブル絶縁体2の表面温度が冷却しない内に、熱収縮チューブ4の上から布テープ5によりしごく。
【0012】
すなわち、布テープ5の中央部を熱収縮チューブ4の上に掛けて、両端を引張ながら矢印A方向に往復させ、それを熱収縮チューブ4の全周について行い、さらに、図中矢印Bの方向に移動させながら行う。その結果、高温状態のケーブル絶縁体2の表面は、熱収縮チューブ4の平滑内面が押しつけられて平滑化される。
【0013】
本発明による電力ケーブルの端末処理方法は、図2及び図3に示すようなケースに適用できる。
図2は、モールド半導電層を再形成した上にゴムストレスコーンを設けた状態を示す図である。符号1〜3は、図1のものに対応しており、6はモールド半導電層、7はゴムストレスコーンである。
【0014】
モールド半導電層6は、段剥ぎした外部半導電層3の端部に、半導電性のテープや熱収縮チューブを巻いた後加熱モールドして半導電層を再形成したものある。それにより、外部半導電層3の端部スロープが急峻な場合でも、その上に挿入したゴムストレスコーン7との間に空気によるボイドが生じないようにして、絶縁特性が良好になるようにしている。
【0015】
ゴムストレスコーン7は、絶縁部7aと導電部7bとからなっており、ケーブル端部の電界を緩和するためのものである。プレハブ型接続部では、工場でこのようなゴムストレスコーン7を予めモールド成形しておき、現場では、それをケーブルコア部に挿入するだけで済むため、テープ巻き方式等に比べて作業性が良く、しかも信頼性も高い。
【0016】
この適用例においては、モールド半導電層6の再形成を行う前に、本発明の電力ケーブルの端末処理方法によりケーブル絶縁体2の表面が平滑化される。その結果、ケーブル絶縁体2表面へのモールド半導電層6の突起状の食い込みを防ぐとともに、ケーブル絶縁体2とモールド半導電層6との密着性が良くなって、絶縁特性が向上する。
【0017】
図3は、モールド半導電層を再形成せずにゴムストレスコーンを設けた状態を示す図である。この適用例では、モールド半導電層6の再形成を行わずに、ゴムストレスコーン7を装着する。この適用例のようにモールド半導電層6を再形成しなくても、外部半導電層3を段剥ぎする際に、外部半導電層3端部の傾斜を緩やかに仕上げれば、その上に挿入したゴムストレスコーン7との間に空気によるボイドが生じないようにでき、絶縁特性を良好にすることができる。
【0018】
この場合でも、本発明の電力ケーブルの端末処理方法によりケーブル絶縁体2の表面が平滑化されるため、ケーブル絶縁体2の表面とモールド半導電層6との密着性が良くなって、絶縁特性が向上する。
【0019】
【実施例】
154kV,2000mm2CVケーブルを本発明による方法と従来の方法とでそれぞれ5本ずつ平滑化処理し、作業時間,表面の平滑度及び絶縁性能を測定した。
【0020】
表1は、外部半導電層3を段剥ぎした状態から、ケーブル絶縁体2の表面を平滑化するまでの作業時間を、本発明の方法と従来法とを比較して示している。表1において、「▲4▼加熱」は、昇温に要する時間と所定温度に達した後その状態を一定時間保持する時間とを含んでいる。また、「▲5▼冷却」は、ケーブル絶縁体2の表面が50°になるまでの時間を示している。これらの結果から、本発明の方法では、必要な作業時間が従来法より圧倒的に短いことが分かる。
【0021】
【表1】
【0022】
そのようにして平滑化されたケーブル絶縁体2の表面粗さを1本ずつ表面粗さ計で測定した。その結果、本発明によった場合は、最大2.8μmであったのに対して、従来法によった場合では、最大2.6μmとなり、平滑化の程度はほぼ同レベルであった。
【0023】
さらに、両者の方法によって製作されたケーブルに、図2に示すようなモールド半導電層6を再形成した後、154kV級プレハブ中間接続部を装着して、絶縁性能を確認した。その結果を表2に示す。なお、表2中の数値は、絶縁破壊時の外部半導電層端部の電界で評価した結果である。
【0024】
【表2】
【0025】
表2から明らかなように、絶縁破壊強度は、本発明によるものと従来例とで有意差はない。以上の結果から、本発明の電力ケーブルの端末処理方法によれば、従来の平滑化処理より作業時間を大幅に短縮しながら、従来の方法によったものと同等な平滑化面及び絶縁性能が得られることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、熱収縮チューブを加熱収縮させた直後の高温状態の熱収縮チューブの上から布状体によってしごくことによってケーブル絶縁体の表面を平滑化するようにしたので、ケーブル絶縁体表面の平滑化作業の手間と時間を軽減させて、現地施工時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理説明図である。
【図2】モールド半導電層を再形成した上にゴムストレスコーンを設けた状態を示す図である。
【図3】モールド半導電層を再形成せずにゴムストレスコーンを設けた状態を示す図である。
【図4】従来の電力ケーブルの端末処理方法を示す図である。
【符号の説明】
1…ケーブル導体
2…ケーブル絶縁体
3…外部半導電層
4…熱収縮チューブ
5…布テープ
6…モールド半導電層
7…ゴムストレスコーン
8…押えテープ
9…温度センサ
10…ヒータ
11…保温層
Claims (1)
- 電力ケーブルの外部半導電層を段剥ぎして露出したケーブル絶縁体の外周に、熱収縮チューブを被せて加熱収縮させた後、ケーブル絶縁体が高温状態にある内に熱収縮チューブの上から布状体によってしごくことを特徴とする電力ケーブルの端末処理方法。
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JP32157898A JP3700913B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 電力ケーブルの端末処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32157898A JP3700913B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 電力ケーブルの端末処理方法 |
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JP32157898A Expired - Lifetime JP3700913B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 電力ケーブルの端末処理方法 |
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