JP3700662B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システム、特にCO除去器内の水凝縮防止手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の改質装置を備えた燃料電池システムとして、特開平8−106913号公報等が提案されている。この発明における燃料電池システムは、燃料電池に充填された白金触媒等の劣化の原因となる一酸化炭素を除去するためのCO除去器上流に水分除去器を備え、改質反応器内に設けられた変成手段から排出された改質ガス中の余剰水分を水分除去器で除去した後、CO除去器で一酸化炭素を除去し、再度改質ガスを加湿してから燃料電池に供給している。
【0003】
ここでは、水分除去器において改質ガス中の余剰水分を除去するために、改質ガスを冷却して余剰水分を凝縮する方法が採られている。また、熱交換型CO除去器において選択酸化触媒により改質ガス中の一酸化炭素を除去する際にも、活性温度に保つために触媒を冷却するので同時に改質ガスも冷却される。特開平8−106913号公報においては、水分除去器に供給された改質ガスおよびCO除去器に充填した触媒の冷却を、一系統の冷却水循環系を用いて行っている。
【0004】
水分除去器に流入する、変成手段から排出された改質ガスは余剰水蒸気を多量に含んでいるが、CO除去器に導入される前に水分除去器を通過させることで余剰水蒸気を凝縮回収し、CO除去器に用いられている選択酸化触媒の表面を濡らして目詰まりを生じさせ、活性面にガスが接触するのを妨げることを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、このような燃料電池システムにおいては、水分除去器およびCO除去器での改質ガスの圧力調整が、燃料電池の運転圧を調整することによりなされるので、以下のような問題があった。
【0006】
まず、水分除去器およびCO除去器内の改質ガス圧力がほぼ同じであるため、水分除去器と熱交換型CO除去器を1系統の冷却媒体で冷却した場合、CO除去器内で水分の凝縮が起こるという問題がある。水分除去器が十分な容量を持ち、冷却媒体と改質ガスの温度差がほぼなくなるまで改質ガスの温度を低下させて水蒸気量を低下させなければ、CO除去器内でさらに改質ガス温度が低下するので、その結果CO除去器内で水蒸気の凝縮による選択酸化触媒の目詰まりが生じ、一酸化炭素の選択酸化反応が阻害される。
【0007】
また、CO除去器に流入する水分量を水分除去器に流入する冷却水の流量により制御するため、冷却水の循環に要する時間および水分除去器自体の熱容量分だけ応答時間が生じる。一方、燃料電池システムを車輌等の負荷変化の頻繁なシステムの動力源として用いた場合には、燃料電池システム内の圧力は素早く変化する。このため、従来の水分除去装置の応答時間では応答遅れを生じて、CO除去器内で水が凝縮してしまうという問題がある。
【0008】
さらに、固体高分子形燃料電池においては、CO除去器を含めた各改質要素に比べて燃料電池が低温で運転されるので、十分な燃料電池の冷却量を得るためには、燃料電池冷却用冷媒の冷却装置を大型化して十分な放熱量を確保する必要があるという問題がある。
【0009】
そこで本発明はCO除去器における水分の凝縮を回避し、また燃料電池の十分な冷却を行い、効率的に出力を得ることのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
第1の発明は、改質反応により生成した改質ガスを燃料電池に用いて発電を行う改質型燃料電池システムにおいて、改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質反応器により生成された改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化触媒により除去するCO除去器と、前記CO除去器の上流に設置された改質ガス中の水分を凝縮することにより除去する水分除去器と、前記水分除去器と前記CO除去器の間に設置された圧力調整弁と、前記水分除去器および前記CO除去器を冷媒により冷却する改質用冷却システムと、前記圧力調整弁を用いて前記水分除去器内の圧力を調整することにより、前記水分除去器内での水分の凝縮量を制御する制御手段とを備えた。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力を制御する。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力と温度を制御する。
【0013】
第4の発明は、第1から3のいずれか一つの発明において、前記燃料電池システムの運転負荷と、その運転負荷に応じて前記CO除去器より上流側に供給される水分量と、前記改質反応器に供給される空気量とから前記CO除去器に流入する改質ガス中の水分量を推定するモデルを備え、前記モデルによる推定結果に基づいて前記水分除去器内の圧力を制御する。
【0014】
第5の発明は、第1から4のいずれか一つの発明において、前記CO除去器の上流に水分凝縮を検知する検知手段を設け、前記水分除去器の圧力を前記検知手段の検知結果に基づいて制御する。
【0015】
第6の発明は、第1から5のいずれか一つの発明において、前記燃料電池に空気を供給する発電用空気供給装置と、前記改質反応器に空気を供給する改質用空気供給装置と、を備え、前記発電用空気供給装置に対して前記改質用空気供給装置を少容量高圧型にした。
【0016】
第7の発明は、第1から6のいずれか一つの発明において、前記CO除去器から排出されてから前記燃料電池で発電に使用されるまでの間に改質ガスに水分を供給する水供給部と、前記燃料電池を冷却する発電用冷却システムとを備え、前記発電用冷却システムの放熱量が不足する運転条件では、前記水分除去器の圧力を上昇させて前記改質ガス中の水分の凝縮量を増加させることにより、前記改質用冷却システムの放熱量を増加して前記発電用冷却システムにおける放熱量の不足を補う。
【0017】
第8の発明は、第1から7のいずれか一つの発明において、前記燃料電池における改質ガス圧力を制御してから前記水分除去器の圧力を制御する。
【0018】
【作用及び効果】
第1の発明によれば、水分除去器内の水分凝縮量を圧力により制御する制御手段を備えたので、燃料電池の運転条件が変化したときにも応答よく水分凝縮量を増加して、CO除去器での水分凝縮を回避することで、選択酸化触媒の目詰まりを防止できる。
【0019】
第2の発明によれば、CO除去器の圧力と温度に基づき水分除去器内の圧力を調整することで、水分除去器の圧力上昇をCO除去器で水が凝縮しない範囲で抑えることができる。
【0020】
第3の発明によれば、水分除去器の圧力と温度を調整することで、圧力により応答よくCO除去器内での水分凝縮を回避し、温度を調整することにより水分除去器の圧力上昇を抑制することができるので、圧力上昇のためのシステム効率低下を防止することができる。
【0021】
第4の発明によれば、燃料電池の運転条件に応じて圧力調整を行うため、改質ガスに含まれる水分量が少なく、元々水凝縮が起こらない条件では圧力調整を省略して効率を向上させることができる。
【0022】
第5の発明によれば、水分凝縮を検知する手段を備えることで、水分除去器の圧力調整を確実に行うことができる。
【0023】
第6の発明によれば、発電用空気供給装置に対して改質用空気供給装置を少容量高圧型にしたため、空気供給装置の動力の増加を小さく抑えることができる。
【0024】
第7の発明によれば、水分除去器の圧力を上昇させて改質ガス中の水分の凝縮量を増加させることにより改質用冷却システムの放熱量を増加することで、発電用冷却システムにおける放熱量の不足を補うことができる。
【0025】
第8の発明によれば、水分除去器内の圧力を制御する前にまず燃料電池内における改質ガスの圧力を調整することで、要求出力を得るために必要な燃料電池の改質ガス運転圧力を確実に実現することができるので制御性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態における燃料電池システムの構成を図1に示す。
【0027】
内部加湿型の固体高分子形燃料電池2(以下、燃料電池2)の酸素極には発電用空気供給装置であるブロア7より適量の空気が供給され、一方燃料極には後述する燃料改質システムにより水素含有ガスが供給され、電極間を水素イオンが移動することにより化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。このとき、電気エネルギーに変換できなかった分は熱エネルギーとして燃料電池2の温度を上昇させる。そこで、効率的な発電を行うために燃料電池冷媒流路31を循環する冷媒により燃料電池2の冷却を行う。この冷媒の流量および温度は、燃料電池冷媒流路31上に設置した燃料電池冷媒ポンプ32、燃料電池冷却装置30により調整する。
【0028】
燃料電池2からの排ガスは、排空気流路20および排水素ガス流路21を通り、燃焼器1に供給される。排空気流路20および排水素ガス流路21上には、燃料電池2のそれぞれの電極の圧力を調整する圧力調整弁41、42と、コンデンサー22、23を設置する。コンデンサー22、23は後述の燃料改質システムに水を供給する水タンク10に接続されており、燃料電池2からの排ガス中の水分を再び燃料電池システムで利用するために水タンク10に回収する。
【0029】
燃焼器1に供給された排ガスは、燃焼器1内に充填された燃焼触媒により後述する燃料改質システムに必要な熱を生成した後、燃料電池システム外部に排出される。
【0030】
次にこのような燃料電池システムに用いる水素を含有する改質ガスを生成する燃料改質システムについて説明する。
【0031】
燃料タンク11に保有している炭化水素系燃料、たとえばメタノールと、水タンク10に保有している水をそれぞれ燃料ポンプ12、水ポンプ13により、改質反応を行う改質部とシフト反応を行うシフト部を備えた改質反応器4に供給する。改質反応器4では改質用空気供給装置であるコンプレッサ8により加えられた圧力下で改質反応、シフト反応が起こり、水素リッチな改質ガスが生成される。このように生成された改質ガス中には、燃料電池2に充填された白金触媒の劣化の原因となる一酸化炭素が含まれている。そこで、これを除去するために、改質反応器4の下流にCO除去器5を設置する。
【0032】
CO除去器5は選択酸化触媒層と、選択触媒層で発生した酸化熱を除去し触媒の活性温度を維持するための熱交換器とから形成されている。CO除去器5内の温度は後述する冷媒流路33を循環する冷媒により調整され、またCO除去器5内の改質ガスにはコンプレッサ8により圧力が加えられる。
【0033】
ここで、改質反応器4で生成された改質ガスは水蒸気を多量に含んでおり、これをCO除去器5に直接供給すると、CO除去器5に充填された選択酸化触媒層で余剰水蒸気による目詰まりを生じることがある。凝縮による目詰まりが生じると、改質ガスと接する触媒の面積が減少し、反応が十分に行われないことがある。この目詰まりを防ぐために、改質反応器4とCO除去器5の間に水分除去器6を設置する。
【0034】
水分除去器6を、後述する冷媒流路33を循環する冷媒により改質ガスを冷却する熱交換器と、改質ガス中の余剰水分を分離する気水分離器とから形成する。水分除去器6内を流れる冷媒の温度、流量により改質ガス中の水分の凝縮量を調整することができる。
【0035】
このようなCO除去器5および水分除去器6を冷却する冷媒を一系統の冷媒流路33により供給する。冷媒流路33上には冷却装置35およびポンプ34を設置し、温度・流量を調整した冷媒を水分除去器6に供給する。冷媒は水分除去器6内で余剰水分を凝縮した後、CO除去器5で選択酸化触媒層および改質ガスの冷却を行い、再び冷却装置35に供給される。
【0036】
前述のような燃料改質システムにおいては、水分除去器6とCO除去器5に供給される冷媒温度がほぼ同じであるので、改質ガスが水分除去器6内で冷媒温度にまで低下していない場合には、CO除去器5の選択酸化触媒層内で改質ガスがさらに冷却されて水蒸気が凝縮し、その結果、触媒の目詰まりを生じることがある。そこで、本実施形態では水分除去器6とCO除去器5の間に圧力調整弁40を設置する。この圧力調整弁40により、水分除去器6の圧力をCO除去器5の圧力より高くすることで、CO除去器5内の水蒸気の凝縮を回避する。
【0037】
水分除去器6内の改質ガス圧力を調整する際に、始めに燃料電池2の燃料極からの排ガス流路である排水素ガス流路21上に設置した圧力調整弁42により、燃料電池2内の改質ガス圧力を、要求出力を得るために必要な改質ガス圧力に調整する。同時に排空気流路20上に設置した圧力調整弁41を、燃料電池2の空気極が運転条件に応じた圧力となるように調整する。燃料電池2内の改質ガス圧力が所定の圧力に達した後、水分除去器6の下流に設置した圧力調整弁40により水分除去器6内の改質ガス圧力を調整して水分凝縮量を調整する。このように、水分除去器6内の圧力を制御する前に燃料電池2内における改質ガス圧力を制御するので、要求出力を得るために必要な燃料電池2の改質ガス運転圧力を確実に実現することができ、且つ、制御性を向上することができる。
【0038】
次に図2および図3を用いて、水分除去器6の圧力をCO除去器5の圧力よりも高くすることでCO除去器内の水蒸気の凝縮を回避できる点について説明する。図2、図3は、それぞれ従来例と本発明におけるガス温度に対する圧力(全圧および水蒸気分圧)の変化について飽和水蒸気分圧曲線と共に示したものである。図2、図3に共通するものとしてCO除去器5の圧力をPco、水分除去器6に流入するガス温度をTh、水分除去器6により冷却された後のガス温度、すなわちCO除去器5に流入するガス温度をTr、CO除去器内のガス温度をTcoとする。一方、図3では水分除去器6の圧力はPcoより大きいPrとしている。ここで、Trに比べてTcoが低くなっているのは、水分除去器内部で改質ガスの温度は冷媒温度まで低下することはないので、CO除去器には温度Tr以下の冷媒が流入し、CO除去器内の特に反応が活発でない領域で改質ガスの温度が低下するためである。
【0039】
図2において温度Th、水蒸気分圧Paのガスが水分除去器6に流入すると、温度Trに冷却されて水蒸気分圧は飽和水蒸気分圧Psrにまで低下する。ところがさらにCO除去器に流入して前述した理由により温度がTcoになると水蒸気分圧はPscoとなって、PsrとPscoの差圧分の水蒸気がCO除去器内で凝縮してしまう。
【0040】
一方、図3において水分除去器6の圧力PrはCO除去器5の圧力Pcoより高いため、水分除去器6に流入するガスは温度Th、水蒸気分圧Pbとなっている。この時、図2と図3における、水分除去器6に流入するガスに含まれる水蒸気と水蒸気以外のガス成分の分圧比は同一で、図中の記号ではA:B=C:Dの関係が成り立っている。温度Th、水蒸気分圧Pbのガスが水分除去器6に流入すると、温度がTrに冷却されて水蒸気分圧は飽和水蒸気分圧Psrにまで低下する。この後本発明ではCO除去器に流入する前に圧力調整弁40が設けられていて、圧力調整弁40を通過することにより、圧力がCO除去器5の圧力と同じPcoにまで低下すると共に水蒸気分圧もPsrからPcにまで低下する。圧力調整弁40を通過する前のガスと通過した後のガスに含まれる水蒸気と水蒸気以外のガス成分の分圧比は同一なので、図中の記号ではE:F=G:Hの関係が成り立っている。このようにして温度Tr、水蒸気分圧Pcとなったガスが、CO除去器5に流入して温度がTcoになっても、水蒸気分圧Pcは飽和水蒸気分圧Psco以下となるため水の凝縮は起こらない。
【0041】
このような制御を行うために、圧力調整弁40の上流および下流の圧力を測定する圧力センサー50、51、CO除去器5に供給される冷媒の温度を測定する温度センサー70、水分除去器6の温度を測定する温度センサー71を設置する。また、これらの測定結果により圧力調整弁40の開度を制御する制御手段60を設置する。
【0042】
次に圧力制御手段60における燃料電池システムの制御方法を図4に示す。図4に示されるフローは一定間隔で繰返し実行される。まずステップS1においてCO除去器圧力を圧力センサー51により測定する。CO除去器は圧力調整弁40の下流に位置するため、CO除去器圧力は圧力調整弁42により制御される燃料電池2の運転圧力とほぼ等しく、燃料電池2の圧力あるいはその目標値をCO除去器の圧力とすることもできる。ステップS2でCO除去器温度を測定する。本実施形態ではCO除去器に流入する冷媒温度を温度センサー70により測定し、CO除去器の取り得る最低温度として用いることにより水凝縮の発生機会を減少させている。続いてステップS3では、CO除去に流入しても水凝縮を生じない水分量、すなわち許容流入水分量を算出する。この水分量は、CO除去器内で水の凝縮を生じない流入水分割合(=単位流量当たりの流入水分量)の最大値をCO除去器の温度と圧力との関係で示した図5を用いて、ステップS1およびS2で求めた圧力と温度から求めることができる。
【0043】
次にステップS4では水分除去器内温度を温度センサー71により測定する。あるいは水分除去器6から排出されるガス温度を測定して、水分除去器温度と見なすこともできる。ステップS5では水分除去器を通過する水分量が、ステップS3で求めたCO除去器の許容流入水分量となるような水分除去器の圧力を算出する。この圧力は、水分除去器から排出されるガスに含まれる水分量割合(=単位流量当たりの通過水分量)の最大値を水分除去器の圧力と温度との関係で示した図6を用いて、ステップS3で求めたCO除去器の許容流入水分量とステップS4で測定した水分除去器温度により求めることができる。ステップS6では圧力制御弁40の開度を、例えば圧力センサー50で測定される圧力がステップS5で求めた圧力となるよう調節する。圧力制御弁40は、制御性を高める為に動作速度が速い高反応のものを使用するのが望ましい。
【0044】
このように水分除去器内の圧力を制御することにより、CO除去器内での水凝縮を回避しCO除去性能を高く維持することができる。
【0045】
また、燃料電池2にはブロア7から、改質反応器4にはコンプレッサ8から空気を供給しているので、燃料電池2と改質反応器4はそれぞれ独立して圧力を設定することができる。ここでは、改質反応器4には高圧・小流量の空気を供給し、燃料電池2にはそれよりも低圧・大流量の空気を供給する。これにより、水分除去器6での改質ガス圧力上昇に合わせて燃料電池2へ供給する空気の圧力を上昇させる必要がなく、空気供給装置(ブロア7、コンプレッサ8)の動力増加を抑えることができる。
【0046】
さらに、水分除去器6と燃料電池2の冷却系をそれぞれ独立して設置するので、水分除去器6の冷媒は、燃料電池2の冷媒よりも高温(例えば100℃〜150℃)で冷却装置35において冷却されるため、例えば大気に放熱する場合には、大気と冷媒の温度差が燃料電池2の冷媒(例えば60〜80℃)よりも大きくなり、冷却装置35を小型にすることができる。また、冷却装置35における放熱を大きくすることができ、燃料電池2の冷媒の冷却装置30からの放熱量不足を補うことができる。
【0047】
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は図7に示すような構成で、第1の実施形態に対して水分除去器6の冷却系とCO除去器5の冷却系が独立している点が異なる。すなわち水分除去器の冷却系は、冷媒流路33、ポンプ34、および冷却装置35とで構成され、CO除去器の冷却系は、冷媒流路36、ポンプ37、および冷却装置38とで構成される。このような構成とすることで、反応に適したCO除去器の温度に影響を与えることなく水分除去器の温度を制御することができる。
【0048】
今まで説明してきた通り、水分除去器を通過する水分量は水分除去器の圧力と温度に依存する。第1の実施形態では、CO除去器温度を反応に適した温度に維持するために冷却水の流量および温度は決められていたので、水分除去器の温度は制御することができず圧力だけを制御した。圧力を高めるには改質器上流に位置するコンプレッサ8の運転圧力を高めなければならない場合も出てくるが、ところが一般に気体空気を送出するコンプレッサは特に高圧側で液体ポンプに比べて消費する電力が大きい。従って運転圧力を高めた場合にシステム全体の電力総消費量が大きくなってしまい、圧力増加はシステム効率を低下させる。そこで実施形態2では水分除去器6の冷却系をCO除去器5の冷却系と独立させて、水分除去器の温度を下げることによっても通過水分量を減らすことができるようにした。従って、コンプレッサ圧力を高いまま運転を継続する必要がなくなり効率が向上すると共に、冷却水の温度が目標に達しない間は第1の実施形態と同様、圧力を制御することで応答性が高い水凝縮防止を行うことができる。
【0049】
図8に第2の実施形態における制御方法を示す。図8に示されるフローは一定間隔で繰返し実行される。ステップS1からステップS6までは第1実施形態と同一で、新たにステップS7、ステップS8が追加されている。ステップS1からステップS6までの説明は第1実施例と同じなので、ステップS7、ステップS8について説明する。
【0050】
ステップS7では水分除去器6の目標温度を、水分除去器6の目標圧力とCO除去器許容流入水分量とから算出する。圧力制御弁40はできるだけ開いていたほうがコンプレッサ8の出力が小さくて済むので、圧力制御弁40を開いた場合の圧力、すなわちCO除去器5の圧力を水分除去器6の目標圧力とする。従って水分除去器の目標温度は、ステップS1で求めたCO除去器圧力とステップS3で求めたCO除去器許容流入水分量とから、図6の関係を使って求めることができる。ステップS8では水分除去器6の温度を目標温度とするために、予め決められた制御量に基づいてポンプ34あるいは冷却装置35を制御することにより、冷媒の流量あるいは温度を低下させる。
【0051】
このように制御することで、コンプレッサ圧力を高いまま運転を継続する必要がなくなるので、効率向上と応答性が高い水凝縮防止の両立を図ることができる。
【0052】
次に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)あるいは第2の実施形態(図7)と同じである。第3の実施形態ではガスに含まれる水分量を改質反応モデルによって推定し、推定された水分量がCO除去器の許容水分量以下である場合にはCO除去装置の水凝縮防止制御を行わないことに特徴がある。このように制御することで、元々CO除去器に流入する水分量が許容流入水分量よりも少なく水凝縮防止制御が不要である場合に、水分凝縮器の圧力上昇に必要なコンプレッサや温度低下に必要な冷却水ポンプあるいは冷却装置が無駄に動作しないようにして効率を高めることができる。
【0053】
図9に本実施形態の制御フロー図を示す。本フローは一定間隔で繰返し実行される。ステップS1からステップS8までは第2の実施形態(図8)と同一で、新たにステップS9とステップS10が追加されている。ステップS1からステップS8までの説明は第2の実施形態と同じなので、ステップS9およびステップS10について説明する。
【0054】
ステップS9では改質反応モデルを用いて、改質ガスに含まれる水分量Wを算出する。改質ガスに含まれる水分量Wを算出する方法について、図10を用いて説明する。
【0055】
まず改質反応により消費する水分量を算出する。改質反応器4に供給する空気中に含まれる酸素量WO2、また改質反応器4に供給される燃料に含まれる炭素量WCを燃料電池システムに要求される運転条件から算出する。この結果から図11のような改質反応モデルを用いて改質反応で消費する水分量W2を推定する。
【0056】
次に、シフト反応により消費する水分量を算出する。図11において、酸素量WO2と炭素量WCより改質反応において生成される一酸化炭素量WCOを求める。これと、改質反応器運転負荷を用いて、図12のようなシフト反応モデルからシフト反応に必要な水分量W3を推定する。
【0057】
また、改質反応器4に供給する水分量W1およびその他水分除去器6に供給されるまでに供給される水分量W4を燃料電池システムに要求される運転条件から算出し、これらより水分除去器6に供給される改質ガス中に含まれる水分量Wを下式により算出する。
【0058】
【式1】
続いて、ステップS10でガスに含まれる水分量WとCO除去器許容流入水分量を比較する。もしガスに含まれる水分量WがCO除去器許容流入水分量を上回っている場合には、ステップS4以降に進み前述の水凝縮防止制御を継続する。一方、ガスに含まれる水分量WがCO除去器許容流入水分量以下の場合には、水凝縮防止制御を行わない。このようにして水凝縮防止制御が不要な場合を予め判断して、無駄な動作を行わせないようにすることで効率を高めることができる。
【0059】
第4の実施形態における燃料電池システムの構成を図13に示す。
【0060】
圧力調整弁40とCO除去器5の間に、CO除去器5内で水凝縮を発生させる改質ガスの水分濃度よりも低い濃度から水凝縮を検知し始める水分凝縮センサー80を設ける。このセンサー80としては、例えば、CO除去器5より低い温度で管理された改質ガスのバイパス経路において、凝縮水が付着した場合に熱線の抵抗が変化することで、水分凝縮の検知を行う等の方法が考えられる。
【0061】
これにより、水分凝縮センサー80で水分が凝縮する場合を検知できるため、改質反応器4における改質反応やシフト反応を行う触媒の性能が低下した場合においても、CO除去器5で水分が凝縮するのを確実に回避することができる。
【0062】
第5の実施形態における燃料電池システムの構成を図14に示す。
【0063】
第1の実施形態の燃料電池システムにおいて、燃料電池2を冷却する冷媒の温度を検知する温度センサー72を設け、検知した冷媒温度から燃料電池2の運転温度が上限設定を超えているかどうかを判断する。上限設定を超えていると判断した場合には、圧力調整弁40を調整して水分除去器6の改質ガス圧力を増大させ、CO除去器5および燃料電池2に流入する水分量を低減する。燃料電池2へ供給される改質ガスの水分減少により発電効率が低下するが、CO除去器5の下流に改質ガスに水分を供給する手段、たとえば、本実施形態では燃料電池2を内部加湿型とすることで発電効率の低下を抑制できる。
【0064】
このように燃料電池2に流入する水分量を低減することで改質ガスの熱容量が減少し、燃料電池2に流入する熱量が減少するので、燃料電池2の温度を低下させて性能低下を防ぐことができる。このとき、燃料電池冷却装置30による放熱が減少するが、冷媒流路33を循環する冷媒に対する水分除去器6の放熱量が増加し、それに伴い冷却装置35における放熱量も増加するので、冷却装置30における放熱量の減少を補うことができる。また、コンデンサー22、23における水分の回収量も減少するが、同様に水分除去器6で凝縮した水により補うことができる。
【0065】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲以内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図2】従来例における改質ガスの温度と圧力の変化を示した図である。
【図3】第1の実施形態における改質ガスの温度と圧力の変化を示した図である。
【図4】第1の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図5】CO除去器許容流入水分量の割合をCO除去器の圧力と温度との関係で示した図である。
【図6】水分除去器通過水分量の割合を水分除去器の圧力と温度との関係で示した図である。
【図7】第2の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図8】第2の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における改質ガス中の水分量の算出方法を示す
【図11】第3の実施形態における改質反応の反応モデルである。
【図12】第3の実施形態におけるシフト反応の反応モデルである。
【図13】第4の発明における燃料電池システムの構成図である。
【図14】第5の発明における燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
2 燃料電池
4 改質反応器
5 CO除去器
6 水分除去器
7 ブレア(発電用空気供給装置)
8 コンプレッサ(改質用空気供給装置)
30 燃料電池冷却装置(発電用冷却システム)
35 冷却装置(改質用冷却システム)
40 圧力調整弁
60 制御手段
80 水分凝縮センサー(検知手段)
70〜72 温度センサー
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システム、特にCO除去器内の水凝縮防止手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の改質装置を備えた燃料電池システムとして、特開平8−106913号公報等が提案されている。この発明における燃料電池システムは、燃料電池に充填された白金触媒等の劣化の原因となる一酸化炭素を除去するためのCO除去器上流に水分除去器を備え、改質反応器内に設けられた変成手段から排出された改質ガス中の余剰水分を水分除去器で除去した後、CO除去器で一酸化炭素を除去し、再度改質ガスを加湿してから燃料電池に供給している。
【0003】
ここでは、水分除去器において改質ガス中の余剰水分を除去するために、改質ガスを冷却して余剰水分を凝縮する方法が採られている。また、熱交換型CO除去器において選択酸化触媒により改質ガス中の一酸化炭素を除去する際にも、活性温度に保つために触媒を冷却するので同時に改質ガスも冷却される。特開平8−106913号公報においては、水分除去器に供給された改質ガスおよびCO除去器に充填した触媒の冷却を、一系統の冷却水循環系を用いて行っている。
【0004】
水分除去器に流入する、変成手段から排出された改質ガスは余剰水蒸気を多量に含んでいるが、CO除去器に導入される前に水分除去器を通過させることで余剰水蒸気を凝縮回収し、CO除去器に用いられている選択酸化触媒の表面を濡らして目詰まりを生じさせ、活性面にガスが接触するのを妨げることを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、このような燃料電池システムにおいては、水分除去器およびCO除去器での改質ガスの圧力調整が、燃料電池の運転圧を調整することによりなされるので、以下のような問題があった。
【0006】
まず、水分除去器およびCO除去器内の改質ガス圧力がほぼ同じであるため、水分除去器と熱交換型CO除去器を1系統の冷却媒体で冷却した場合、CO除去器内で水分の凝縮が起こるという問題がある。水分除去器が十分な容量を持ち、冷却媒体と改質ガスの温度差がほぼなくなるまで改質ガスの温度を低下させて水蒸気量を低下させなければ、CO除去器内でさらに改質ガス温度が低下するので、その結果CO除去器内で水蒸気の凝縮による選択酸化触媒の目詰まりが生じ、一酸化炭素の選択酸化反応が阻害される。
【0007】
また、CO除去器に流入する水分量を水分除去器に流入する冷却水の流量により制御するため、冷却水の循環に要する時間および水分除去器自体の熱容量分だけ応答時間が生じる。一方、燃料電池システムを車輌等の負荷変化の頻繁なシステムの動力源として用いた場合には、燃料電池システム内の圧力は素早く変化する。このため、従来の水分除去装置の応答時間では応答遅れを生じて、CO除去器内で水が凝縮してしまうという問題がある。
【0008】
さらに、固体高分子形燃料電池においては、CO除去器を含めた各改質要素に比べて燃料電池が低温で運転されるので、十分な燃料電池の冷却量を得るためには、燃料電池冷却用冷媒の冷却装置を大型化して十分な放熱量を確保する必要があるという問題がある。
【0009】
そこで本発明はCO除去器における水分の凝縮を回避し、また燃料電池の十分な冷却を行い、効率的に出力を得ることのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
第1の発明は、改質反応により生成した改質ガスを燃料電池に用いて発電を行う改質型燃料電池システムにおいて、改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質反応器により生成された改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化触媒により除去するCO除去器と、前記CO除去器の上流に設置された改質ガス中の水分を凝縮することにより除去する水分除去器と、前記水分除去器と前記CO除去器の間に設置された圧力調整弁と、前記水分除去器および前記CO除去器を冷媒により冷却する改質用冷却システムと、前記圧力調整弁を用いて前記水分除去器内の圧力を調整することにより、前記水分除去器内での水分の凝縮量を制御する制御手段とを備えた。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力を制御する。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力と温度を制御する。
【0013】
第4の発明は、第1から3のいずれか一つの発明において、前記燃料電池システムの運転負荷と、その運転負荷に応じて前記CO除去器より上流側に供給される水分量と、前記改質反応器に供給される空気量とから前記CO除去器に流入する改質ガス中の水分量を推定するモデルを備え、前記モデルによる推定結果に基づいて前記水分除去器内の圧力を制御する。
【0014】
第5の発明は、第1から4のいずれか一つの発明において、前記CO除去器の上流に水分凝縮を検知する検知手段を設け、前記水分除去器の圧力を前記検知手段の検知結果に基づいて制御する。
【0015】
第6の発明は、第1から5のいずれか一つの発明において、前記燃料電池に空気を供給する発電用空気供給装置と、前記改質反応器に空気を供給する改質用空気供給装置と、を備え、前記発電用空気供給装置に対して前記改質用空気供給装置を少容量高圧型にした。
【0016】
第7の発明は、第1から6のいずれか一つの発明において、前記CO除去器から排出されてから前記燃料電池で発電に使用されるまでの間に改質ガスに水分を供給する水供給部と、前記燃料電池を冷却する発電用冷却システムとを備え、前記発電用冷却システムの放熱量が不足する運転条件では、前記水分除去器の圧力を上昇させて前記改質ガス中の水分の凝縮量を増加させることにより、前記改質用冷却システムの放熱量を増加して前記発電用冷却システムにおける放熱量の不足を補う。
【0017】
第8の発明は、第1から7のいずれか一つの発明において、前記燃料電池における改質ガス圧力を制御してから前記水分除去器の圧力を制御する。
【0018】
【作用及び効果】
第1の発明によれば、水分除去器内の水分凝縮量を圧力により制御する制御手段を備えたので、燃料電池の運転条件が変化したときにも応答よく水分凝縮量を増加して、CO除去器での水分凝縮を回避することで、選択酸化触媒の目詰まりを防止できる。
【0019】
第2の発明によれば、CO除去器の圧力と温度に基づき水分除去器内の圧力を調整することで、水分除去器の圧力上昇をCO除去器で水が凝縮しない範囲で抑えることができる。
【0020】
第3の発明によれば、水分除去器の圧力と温度を調整することで、圧力により応答よくCO除去器内での水分凝縮を回避し、温度を調整することにより水分除去器の圧力上昇を抑制することができるので、圧力上昇のためのシステム効率低下を防止することができる。
【0021】
第4の発明によれば、燃料電池の運転条件に応じて圧力調整を行うため、改質ガスに含まれる水分量が少なく、元々水凝縮が起こらない条件では圧力調整を省略して効率を向上させることができる。
【0022】
第5の発明によれば、水分凝縮を検知する手段を備えることで、水分除去器の圧力調整を確実に行うことができる。
【0023】
第6の発明によれば、発電用空気供給装置に対して改質用空気供給装置を少容量高圧型にしたため、空気供給装置の動力の増加を小さく抑えることができる。
【0024】
第7の発明によれば、水分除去器の圧力を上昇させて改質ガス中の水分の凝縮量を増加させることにより改質用冷却システムの放熱量を増加することで、発電用冷却システムにおける放熱量の不足を補うことができる。
【0025】
第8の発明によれば、水分除去器内の圧力を制御する前にまず燃料電池内における改質ガスの圧力を調整することで、要求出力を得るために必要な燃料電池の改質ガス運転圧力を確実に実現することができるので制御性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態における燃料電池システムの構成を図1に示す。
【0027】
内部加湿型の固体高分子形燃料電池2(以下、燃料電池2)の酸素極には発電用空気供給装置であるブロア7より適量の空気が供給され、一方燃料極には後述する燃料改質システムにより水素含有ガスが供給され、電極間を水素イオンが移動することにより化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。このとき、電気エネルギーに変換できなかった分は熱エネルギーとして燃料電池2の温度を上昇させる。そこで、効率的な発電を行うために燃料電池冷媒流路31を循環する冷媒により燃料電池2の冷却を行う。この冷媒の流量および温度は、燃料電池冷媒流路31上に設置した燃料電池冷媒ポンプ32、燃料電池冷却装置30により調整する。
【0028】
燃料電池2からの排ガスは、排空気流路20および排水素ガス流路21を通り、燃焼器1に供給される。排空気流路20および排水素ガス流路21上には、燃料電池2のそれぞれの電極の圧力を調整する圧力調整弁41、42と、コンデンサー22、23を設置する。コンデンサー22、23は後述の燃料改質システムに水を供給する水タンク10に接続されており、燃料電池2からの排ガス中の水分を再び燃料電池システムで利用するために水タンク10に回収する。
【0029】
燃焼器1に供給された排ガスは、燃焼器1内に充填された燃焼触媒により後述する燃料改質システムに必要な熱を生成した後、燃料電池システム外部に排出される。
【0030】
次にこのような燃料電池システムに用いる水素を含有する改質ガスを生成する燃料改質システムについて説明する。
【0031】
燃料タンク11に保有している炭化水素系燃料、たとえばメタノールと、水タンク10に保有している水をそれぞれ燃料ポンプ12、水ポンプ13により、改質反応を行う改質部とシフト反応を行うシフト部を備えた改質反応器4に供給する。改質反応器4では改質用空気供給装置であるコンプレッサ8により加えられた圧力下で改質反応、シフト反応が起こり、水素リッチな改質ガスが生成される。このように生成された改質ガス中には、燃料電池2に充填された白金触媒の劣化の原因となる一酸化炭素が含まれている。そこで、これを除去するために、改質反応器4の下流にCO除去器5を設置する。
【0032】
CO除去器5は選択酸化触媒層と、選択触媒層で発生した酸化熱を除去し触媒の活性温度を維持するための熱交換器とから形成されている。CO除去器5内の温度は後述する冷媒流路33を循環する冷媒により調整され、またCO除去器5内の改質ガスにはコンプレッサ8により圧力が加えられる。
【0033】
ここで、改質反応器4で生成された改質ガスは水蒸気を多量に含んでおり、これをCO除去器5に直接供給すると、CO除去器5に充填された選択酸化触媒層で余剰水蒸気による目詰まりを生じることがある。凝縮による目詰まりが生じると、改質ガスと接する触媒の面積が減少し、反応が十分に行われないことがある。この目詰まりを防ぐために、改質反応器4とCO除去器5の間に水分除去器6を設置する。
【0034】
水分除去器6を、後述する冷媒流路33を循環する冷媒により改質ガスを冷却する熱交換器と、改質ガス中の余剰水分を分離する気水分離器とから形成する。水分除去器6内を流れる冷媒の温度、流量により改質ガス中の水分の凝縮量を調整することができる。
【0035】
このようなCO除去器5および水分除去器6を冷却する冷媒を一系統の冷媒流路33により供給する。冷媒流路33上には冷却装置35およびポンプ34を設置し、温度・流量を調整した冷媒を水分除去器6に供給する。冷媒は水分除去器6内で余剰水分を凝縮した後、CO除去器5で選択酸化触媒層および改質ガスの冷却を行い、再び冷却装置35に供給される。
【0036】
前述のような燃料改質システムにおいては、水分除去器6とCO除去器5に供給される冷媒温度がほぼ同じであるので、改質ガスが水分除去器6内で冷媒温度にまで低下していない場合には、CO除去器5の選択酸化触媒層内で改質ガスがさらに冷却されて水蒸気が凝縮し、その結果、触媒の目詰まりを生じることがある。そこで、本実施形態では水分除去器6とCO除去器5の間に圧力調整弁40を設置する。この圧力調整弁40により、水分除去器6の圧力をCO除去器5の圧力より高くすることで、CO除去器5内の水蒸気の凝縮を回避する。
【0037】
水分除去器6内の改質ガス圧力を調整する際に、始めに燃料電池2の燃料極からの排ガス流路である排水素ガス流路21上に設置した圧力調整弁42により、燃料電池2内の改質ガス圧力を、要求出力を得るために必要な改質ガス圧力に調整する。同時に排空気流路20上に設置した圧力調整弁41を、燃料電池2の空気極が運転条件に応じた圧力となるように調整する。燃料電池2内の改質ガス圧力が所定の圧力に達した後、水分除去器6の下流に設置した圧力調整弁40により水分除去器6内の改質ガス圧力を調整して水分凝縮量を調整する。このように、水分除去器6内の圧力を制御する前に燃料電池2内における改質ガス圧力を制御するので、要求出力を得るために必要な燃料電池2の改質ガス運転圧力を確実に実現することができ、且つ、制御性を向上することができる。
【0038】
次に図2および図3を用いて、水分除去器6の圧力をCO除去器5の圧力よりも高くすることでCO除去器内の水蒸気の凝縮を回避できる点について説明する。図2、図3は、それぞれ従来例と本発明におけるガス温度に対する圧力(全圧および水蒸気分圧)の変化について飽和水蒸気分圧曲線と共に示したものである。図2、図3に共通するものとしてCO除去器5の圧力をPco、水分除去器6に流入するガス温度をTh、水分除去器6により冷却された後のガス温度、すなわちCO除去器5に流入するガス温度をTr、CO除去器内のガス温度をTcoとする。一方、図3では水分除去器6の圧力はPcoより大きいPrとしている。ここで、Trに比べてTcoが低くなっているのは、水分除去器内部で改質ガスの温度は冷媒温度まで低下することはないので、CO除去器には温度Tr以下の冷媒が流入し、CO除去器内の特に反応が活発でない領域で改質ガスの温度が低下するためである。
【0039】
図2において温度Th、水蒸気分圧Paのガスが水分除去器6に流入すると、温度Trに冷却されて水蒸気分圧は飽和水蒸気分圧Psrにまで低下する。ところがさらにCO除去器に流入して前述した理由により温度がTcoになると水蒸気分圧はPscoとなって、PsrとPscoの差圧分の水蒸気がCO除去器内で凝縮してしまう。
【0040】
一方、図3において水分除去器6の圧力PrはCO除去器5の圧力Pcoより高いため、水分除去器6に流入するガスは温度Th、水蒸気分圧Pbとなっている。この時、図2と図3における、水分除去器6に流入するガスに含まれる水蒸気と水蒸気以外のガス成分の分圧比は同一で、図中の記号ではA:B=C:Dの関係が成り立っている。温度Th、水蒸気分圧Pbのガスが水分除去器6に流入すると、温度がTrに冷却されて水蒸気分圧は飽和水蒸気分圧Psrにまで低下する。この後本発明ではCO除去器に流入する前に圧力調整弁40が設けられていて、圧力調整弁40を通過することにより、圧力がCO除去器5の圧力と同じPcoにまで低下すると共に水蒸気分圧もPsrからPcにまで低下する。圧力調整弁40を通過する前のガスと通過した後のガスに含まれる水蒸気と水蒸気以外のガス成分の分圧比は同一なので、図中の記号ではE:F=G:Hの関係が成り立っている。このようにして温度Tr、水蒸気分圧Pcとなったガスが、CO除去器5に流入して温度がTcoになっても、水蒸気分圧Pcは飽和水蒸気分圧Psco以下となるため水の凝縮は起こらない。
【0041】
このような制御を行うために、圧力調整弁40の上流および下流の圧力を測定する圧力センサー50、51、CO除去器5に供給される冷媒の温度を測定する温度センサー70、水分除去器6の温度を測定する温度センサー71を設置する。また、これらの測定結果により圧力調整弁40の開度を制御する制御手段60を設置する。
【0042】
次に圧力制御手段60における燃料電池システムの制御方法を図4に示す。図4に示されるフローは一定間隔で繰返し実行される。まずステップS1においてCO除去器圧力を圧力センサー51により測定する。CO除去器は圧力調整弁40の下流に位置するため、CO除去器圧力は圧力調整弁42により制御される燃料電池2の運転圧力とほぼ等しく、燃料電池2の圧力あるいはその目標値をCO除去器の圧力とすることもできる。ステップS2でCO除去器温度を測定する。本実施形態ではCO除去器に流入する冷媒温度を温度センサー70により測定し、CO除去器の取り得る最低温度として用いることにより水凝縮の発生機会を減少させている。続いてステップS3では、CO除去に流入しても水凝縮を生じない水分量、すなわち許容流入水分量を算出する。この水分量は、CO除去器内で水の凝縮を生じない流入水分割合(=単位流量当たりの流入水分量)の最大値をCO除去器の温度と圧力との関係で示した図5を用いて、ステップS1およびS2で求めた圧力と温度から求めることができる。
【0043】
次にステップS4では水分除去器内温度を温度センサー71により測定する。あるいは水分除去器6から排出されるガス温度を測定して、水分除去器温度と見なすこともできる。ステップS5では水分除去器を通過する水分量が、ステップS3で求めたCO除去器の許容流入水分量となるような水分除去器の圧力を算出する。この圧力は、水分除去器から排出されるガスに含まれる水分量割合(=単位流量当たりの通過水分量)の最大値を水分除去器の圧力と温度との関係で示した図6を用いて、ステップS3で求めたCO除去器の許容流入水分量とステップS4で測定した水分除去器温度により求めることができる。ステップS6では圧力制御弁40の開度を、例えば圧力センサー50で測定される圧力がステップS5で求めた圧力となるよう調節する。圧力制御弁40は、制御性を高める為に動作速度が速い高反応のものを使用するのが望ましい。
【0044】
このように水分除去器内の圧力を制御することにより、CO除去器内での水凝縮を回避しCO除去性能を高く維持することができる。
【0045】
また、燃料電池2にはブロア7から、改質反応器4にはコンプレッサ8から空気を供給しているので、燃料電池2と改質反応器4はそれぞれ独立して圧力を設定することができる。ここでは、改質反応器4には高圧・小流量の空気を供給し、燃料電池2にはそれよりも低圧・大流量の空気を供給する。これにより、水分除去器6での改質ガス圧力上昇に合わせて燃料電池2へ供給する空気の圧力を上昇させる必要がなく、空気供給装置(ブロア7、コンプレッサ8)の動力増加を抑えることができる。
【0046】
さらに、水分除去器6と燃料電池2の冷却系をそれぞれ独立して設置するので、水分除去器6の冷媒は、燃料電池2の冷媒よりも高温(例えば100℃〜150℃)で冷却装置35において冷却されるため、例えば大気に放熱する場合には、大気と冷媒の温度差が燃料電池2の冷媒(例えば60〜80℃)よりも大きくなり、冷却装置35を小型にすることができる。また、冷却装置35における放熱を大きくすることができ、燃料電池2の冷媒の冷却装置30からの放熱量不足を補うことができる。
【0047】
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は図7に示すような構成で、第1の実施形態に対して水分除去器6の冷却系とCO除去器5の冷却系が独立している点が異なる。すなわち水分除去器の冷却系は、冷媒流路33、ポンプ34、および冷却装置35とで構成され、CO除去器の冷却系は、冷媒流路36、ポンプ37、および冷却装置38とで構成される。このような構成とすることで、反応に適したCO除去器の温度に影響を与えることなく水分除去器の温度を制御することができる。
【0048】
今まで説明してきた通り、水分除去器を通過する水分量は水分除去器の圧力と温度に依存する。第1の実施形態では、CO除去器温度を反応に適した温度に維持するために冷却水の流量および温度は決められていたので、水分除去器の温度は制御することができず圧力だけを制御した。圧力を高めるには改質器上流に位置するコンプレッサ8の運転圧力を高めなければならない場合も出てくるが、ところが一般に気体空気を送出するコンプレッサは特に高圧側で液体ポンプに比べて消費する電力が大きい。従って運転圧力を高めた場合にシステム全体の電力総消費量が大きくなってしまい、圧力増加はシステム効率を低下させる。そこで実施形態2では水分除去器6の冷却系をCO除去器5の冷却系と独立させて、水分除去器の温度を下げることによっても通過水分量を減らすことができるようにした。従って、コンプレッサ圧力を高いまま運転を継続する必要がなくなり効率が向上すると共に、冷却水の温度が目標に達しない間は第1の実施形態と同様、圧力を制御することで応答性が高い水凝縮防止を行うことができる。
【0049】
図8に第2の実施形態における制御方法を示す。図8に示されるフローは一定間隔で繰返し実行される。ステップS1からステップS6までは第1実施形態と同一で、新たにステップS7、ステップS8が追加されている。ステップS1からステップS6までの説明は第1実施例と同じなので、ステップS7、ステップS8について説明する。
【0050】
ステップS7では水分除去器6の目標温度を、水分除去器6の目標圧力とCO除去器許容流入水分量とから算出する。圧力制御弁40はできるだけ開いていたほうがコンプレッサ8の出力が小さくて済むので、圧力制御弁40を開いた場合の圧力、すなわちCO除去器5の圧力を水分除去器6の目標圧力とする。従って水分除去器の目標温度は、ステップS1で求めたCO除去器圧力とステップS3で求めたCO除去器許容流入水分量とから、図6の関係を使って求めることができる。ステップS8では水分除去器6の温度を目標温度とするために、予め決められた制御量に基づいてポンプ34あるいは冷却装置35を制御することにより、冷媒の流量あるいは温度を低下させる。
【0051】
このように制御することで、コンプレッサ圧力を高いまま運転を継続する必要がなくなるので、効率向上と応答性が高い水凝縮防止の両立を図ることができる。
【0052】
次に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)あるいは第2の実施形態(図7)と同じである。第3の実施形態ではガスに含まれる水分量を改質反応モデルによって推定し、推定された水分量がCO除去器の許容水分量以下である場合にはCO除去装置の水凝縮防止制御を行わないことに特徴がある。このように制御することで、元々CO除去器に流入する水分量が許容流入水分量よりも少なく水凝縮防止制御が不要である場合に、水分凝縮器の圧力上昇に必要なコンプレッサや温度低下に必要な冷却水ポンプあるいは冷却装置が無駄に動作しないようにして効率を高めることができる。
【0053】
図9に本実施形態の制御フロー図を示す。本フローは一定間隔で繰返し実行される。ステップS1からステップS8までは第2の実施形態(図8)と同一で、新たにステップS9とステップS10が追加されている。ステップS1からステップS8までの説明は第2の実施形態と同じなので、ステップS9およびステップS10について説明する。
【0054】
ステップS9では改質反応モデルを用いて、改質ガスに含まれる水分量Wを算出する。改質ガスに含まれる水分量Wを算出する方法について、図10を用いて説明する。
【0055】
まず改質反応により消費する水分量を算出する。改質反応器4に供給する空気中に含まれる酸素量WO2、また改質反応器4に供給される燃料に含まれる炭素量WCを燃料電池システムに要求される運転条件から算出する。この結果から図11のような改質反応モデルを用いて改質反応で消費する水分量W2を推定する。
【0056】
次に、シフト反応により消費する水分量を算出する。図11において、酸素量WO2と炭素量WCより改質反応において生成される一酸化炭素量WCOを求める。これと、改質反応器運転負荷を用いて、図12のようなシフト反応モデルからシフト反応に必要な水分量W3を推定する。
【0057】
また、改質反応器4に供給する水分量W1およびその他水分除去器6に供給されるまでに供給される水分量W4を燃料電池システムに要求される運転条件から算出し、これらより水分除去器6に供給される改質ガス中に含まれる水分量Wを下式により算出する。
【0058】
【式1】
続いて、ステップS10でガスに含まれる水分量WとCO除去器許容流入水分量を比較する。もしガスに含まれる水分量WがCO除去器許容流入水分量を上回っている場合には、ステップS4以降に進み前述の水凝縮防止制御を継続する。一方、ガスに含まれる水分量WがCO除去器許容流入水分量以下の場合には、水凝縮防止制御を行わない。このようにして水凝縮防止制御が不要な場合を予め判断して、無駄な動作を行わせないようにすることで効率を高めることができる。
【0059】
第4の実施形態における燃料電池システムの構成を図13に示す。
【0060】
圧力調整弁40とCO除去器5の間に、CO除去器5内で水凝縮を発生させる改質ガスの水分濃度よりも低い濃度から水凝縮を検知し始める水分凝縮センサー80を設ける。このセンサー80としては、例えば、CO除去器5より低い温度で管理された改質ガスのバイパス経路において、凝縮水が付着した場合に熱線の抵抗が変化することで、水分凝縮の検知を行う等の方法が考えられる。
【0061】
これにより、水分凝縮センサー80で水分が凝縮する場合を検知できるため、改質反応器4における改質反応やシフト反応を行う触媒の性能が低下した場合においても、CO除去器5で水分が凝縮するのを確実に回避することができる。
【0062】
第5の実施形態における燃料電池システムの構成を図14に示す。
【0063】
第1の実施形態の燃料電池システムにおいて、燃料電池2を冷却する冷媒の温度を検知する温度センサー72を設け、検知した冷媒温度から燃料電池2の運転温度が上限設定を超えているかどうかを判断する。上限設定を超えていると判断した場合には、圧力調整弁40を調整して水分除去器6の改質ガス圧力を増大させ、CO除去器5および燃料電池2に流入する水分量を低減する。燃料電池2へ供給される改質ガスの水分減少により発電効率が低下するが、CO除去器5の下流に改質ガスに水分を供給する手段、たとえば、本実施形態では燃料電池2を内部加湿型とすることで発電効率の低下を抑制できる。
【0064】
このように燃料電池2に流入する水分量を低減することで改質ガスの熱容量が減少し、燃料電池2に流入する熱量が減少するので、燃料電池2の温度を低下させて性能低下を防ぐことができる。このとき、燃料電池冷却装置30による放熱が減少するが、冷媒流路33を循環する冷媒に対する水分除去器6の放熱量が増加し、それに伴い冷却装置35における放熱量も増加するので、冷却装置30における放熱量の減少を補うことができる。また、コンデンサー22、23における水分の回収量も減少するが、同様に水分除去器6で凝縮した水により補うことができる。
【0065】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲以内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図2】従来例における改質ガスの温度と圧力の変化を示した図である。
【図3】第1の実施形態における改質ガスの温度と圧力の変化を示した図である。
【図4】第1の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図5】CO除去器許容流入水分量の割合をCO除去器の圧力と温度との関係で示した図である。
【図6】水分除去器通過水分量の割合を水分除去器の圧力と温度との関係で示した図である。
【図7】第2の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図8】第2の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態における燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における改質ガス中の水分量の算出方法を示す
【図11】第3の実施形態における改質反応の反応モデルである。
【図12】第3の実施形態におけるシフト反応の反応モデルである。
【図13】第4の発明における燃料電池システムの構成図である。
【図14】第5の発明における燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
2 燃料電池
4 改質反応器
5 CO除去器
6 水分除去器
7 ブレア(発電用空気供給装置)
8 コンプレッサ(改質用空気供給装置)
30 燃料電池冷却装置(発電用冷却システム)
35 冷却装置(改質用冷却システム)
40 圧力調整弁
60 制御手段
80 水分凝縮センサー(検知手段)
70〜72 温度センサー
Claims (8)
- 改質反応により生成した改質ガスを燃料電池に用いて発電を行う改質型燃料電池システムにおいて、
改質ガスを生成する改質反応器と、
前記改質反応器により生成された改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化触媒により除去するCO除去器と、
前記CO除去器の上流に設置された改質ガス中の水分を凝縮することにより除去する水分除去器と、
前記水分除去器と前記CO除去器の間に設置された圧力調整弁と、
前記水分除去器および前記CO除去器を冷媒により冷却する改質用冷却システムと、
前記圧力調整弁を用いて前記水分除去器内の圧力を調整することにより、前記水分除去器内での水分の凝縮量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力を制御する請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記CO除去器の圧力と温度に基づき、前記水分除去器内の圧力と温度を制御する請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池システムの運転負荷と、その運転負荷に応じて前記CO除去器より上流側に供給される水分量と、前記改質反応器に供給される空気量とから前記CO除去器に流入する改質ガス中の水分量を推定するモデルを備え、
前記モデルによる推定結果に基づいて前記水分除去器内の圧力を制御する請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。 - 前記CO除去器の上流に水分凝縮を検知する検知手段を設け、
前記水分除去器の圧力を前記検知手段の検知結果に基づいて制御する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池に空気を供給する発電用空気供給装置と、
前記改質反応器に空気を供給する改質用空気供給装置と、を備え、
前記発電用空気供給装置に対して前記改質用空気供給装置を少容量高圧型にした請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。 - 前記CO除去器から排出されてから前記燃料電池で発電に使用されるまでの間に改質ガスに水分を供給する水供給部と、前記燃料電池を冷却する発電用冷却システムとを備え、前記発電用冷却システムの放熱量が不足する運転条件では、前記水分除去器の圧力を上昇させて前記改質ガス中の水分の凝縮量を増加させることにより、前記改質用冷却システムの放熱量を増加して前記発電用冷却システムにおける放熱量の不足を補う請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池における改質ガス圧力を制御してから前記水分除去器の圧力を制御する請求項1から7のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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