JP3700411B2 - 電池パック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコン、パワーツール、およびパワーアシスト自転車などに用いられる電池パック、特に負荷電流が大きく、電流変動の大きい負荷に対応して電力を供給する電池パックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコン、パワーツール、およびパワーアシスト自転車などに用いられる電池パックには、ユーザーが電池残容量を把握する為の電池残容量表示用基板を備えている。
【0003】
図3に従来の電池パックのブロック図を示す。図3において、1はニッケル−カドミウム蓄電池を複数個組み合わせた電池ブロック、2は電池残容量を演算する為の電流検出用シャント抵抗、3は電池残容量表示用基板で、4は電池残容量表示用基板内で電池残容量表示用ICに安定した電源を供給する為のレギュレータ、5は電池残容量表示用ICである。6は抵抗、7はコンデンサで、電流検出用のノイズフィルターを構成している。9はLED点灯用電流制限抵抗で、10は電池残容量表示用LEDである。
【0004】
以上のような構成の電池パックは、電池ブロック1に流れる充電放電電流で生じるシャント抵抗2の両端の電位差を電池残容量表示用IC5が検出積算し、電池残容量表示を行う。電池残容量表示方法としては、複数個のLED点灯数によるものが一般的である。そこで電池残容量表示の精度向上も去ることながら、パワーアシスト自転車などのように、一時的に大きな負荷電流が流れたり、大きな不特定ノイズが飛び込んで来る可能性があり、いかなる状況でも安定した動作をする電池残容量表示システムを有する電池パックの開発が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電池パックでは、瞬間的に異常に大きな負荷電流が流れると、電池電圧が大きく下がり、電池残容量表示用ICの動作保証範囲外の電池パック電圧まで低下してしまった場合、電池残容量表示用ICはリセットされ今までの電池残容量などのデータが消えてしまい、その時電池残容量表示をLEDの点灯数に比例して表示していたならば、複数個点灯していたLEDが一瞬に1個点灯、あるいは消灯してしまうという現象を起こしてしまい、電池残容量に合ったLED表示になっていないという問題があった。
【0006】
また、ニッケル−水素蓄電池では、電池残容量表示用基板の微少な漏れ電流に対して、復帰特性に問題がある。このため、この電池が放置時(充放電されていない状態)にこの電池と電池残容量ICとを遮断する必要があるが、それを行うと電池残容量ICで記憶されていた電池データが消失してしまうという問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、電池残容量表示用ICに記憶された電池残容量などのデータをいつでも正確に使用出来るようにバックアップして、良好な電池パックを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電池パックは、電池残容量などのデータを記憶する為の、レジスタバックアップ端子を電池残容量表示用ICに持ち、そのレジスタバックアップ端子にバックアップ用電源を接続する構成としたものである。
【0009】
上記構成によって、電池残容量表示用ICに異常な電流が流れても、電池残容量などのデータを、長期に渡り記憶することが出来、良好な電池パックを提供することができる。
【0013】
請求項1記載の発明は、1個または複数個の二次電池と、レギュレータと、電池残容量表示用ICと周辺回路とで構成された電池残容量表示用基板とを備えた電池パックであって、前記二次電池と前記レギュレータとの間にはON/OFFスイッチを設置し、かつ前記電池残容量表示用ICは、レジスタバックアップ端子を備えていて、前記レジスタバックアップ端子にはバックアップ用電源が接続されているものとした。
【0014】
この電池パックは、二次電池とレギュレータとの間に設置されたON/OFFスイッチによって、二次電池が放置された時にスイッチがOFFにされることによって二次電池とICとの遮断が行われ、二次電池に漏れ電流がながれないため、漏れ電流に弱い電池であるニッケル−水素蓄電池を使用することができる。また、この二次電池とICとが遮断されてもレジスタバックアップ端子に接続されたバックアップ電源によってICで記憶されていた電池データが保持されるため電池データが消失されなく、この電池データをいつでも使用できる良好な電池パックを提供できる。
【0015】
さらに、前記バックアップ用電源は、リチウム一次電池やリチウム二次電池などの扁平形電池であると、バックアップ用電源のスペースをとらず、かつその電池の保存特性が優れているため長期的に電池残容量データなどの電池データをバックアップできる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(参考例)
図1は、本発明の参考例となる電池パックの構成を示すブロック図である。図1において、1はニッケル−カドミウム蓄電池を複数個組み合わせた電池ブロック、2は電池残容量を演算するための電流検出用シャント抵抗、3は電池残容量表示用基板で、4は電池残容量表示用基板内で電池残容量表示用ICに安定した電源を供給するためのレギュレータ、5は電池残容量表示用IC、6は抵抗、7はコンデンサで、電流検出用のノイズフィルターを構成している。8は電池残容量表示用ICのレジスタバックアップ端子、9はLED点灯用の電流制限抵抗で、10は電池残容量表示用のLED、11は扁平形リチウム電池でレジスタバックアップ端子に接続されている。
【0018】
図1の電池パック構成図の動作を、以下に詳しく説明する。
【0019】
電池ブロック1に流れる充電放電電流が流れると、シャント抵抗2の両端に電位差が生じ、電池残容量表示用IC5は、その電位差とシャント抵抗2の抵抗値により電流値を検出し、その時間により積算して電池の残容量を演算する。シャント抵抗2の両端に生じた電位差がプラスであれば充電、マイナスであれば放電として演算を行う。その演算した結果をIC5内部のレジスタに保管している。
【0020】
このIC5は、マイコンでは無く、又、周辺回路に不揮発性メモリを持っているものでもないので、IC5に電源が供給されないとレジスタに保管されているデータは初期状態にリセットされてしまう。そこで、IC5にレジスタバックアップ端子8を設けてこのレジスタバックアップ端子8にバックアップ用電源である扁平形リチウム電池11を接続している。このため、電源が供給されなくてもレジスタに保管されているデータがレジスタバックアップ端子に保持されるようになった。
【0021】
なお、このレジスタに保管されているデータを保持するためには、極わずかな電流で良い為、レジスタバックアップ端子に電解コンデンサを接続しても、動作中電解コンデンサに電荷が充電されるので、電源が切れても電解コンデンサに充電された電荷からの電流により、レジスタに保管されているデータを保持することが出来るが、この電解コンデンサでは、数秒から数分間のデータ保持には向かないため、長期に渡るデータ保持をするには、実施例1でしめしたようにレジスタバックアップ端子8に扁平形リチウム電池11を接続するのが好ましい。そうすれば、この電池により、電源が切れたまま長期間放置してもレジスタに保管されているデータを長期に保持することが出来るので好ましい。
【0022】
(実施例)
図2は、本発明の実施例における電池パックの構成を示すブロック図である。図2において、12はニッケル−水素蓄電池を複数個組み合わせた電池ブロック、2は電池残容量を演算するための電流検出用シャント抵抗、3は電池残容量表示用基板で、4は電池残容量表示用基板内で電池残容量表示用ICに安定した電源を供給するためのレギュレータ、13はレギュレータ4と電池ブロック12とを接続または遮断するためのON/OFFスイッチであり、5は電池残容量表示用IC、6は抵抗、7はコンデンサで、電流検出用のノイズフィルターを構成している。8は電池残容量表示用ICのレジスタバックアップ端子に接続した、11は扁平形リチウム電池である。9はLED点灯用の電流制限抵抗で、10は電池残容量表示用のLEDである。
【0023】
この電池パックは、電池ブロック12とレギュレータ4との間に設置されたON/OFFスイッチ13によって、ニッケル−水素蓄電池が放置された時にスイッチがOFFにされることによって電池ブロック12とIC5との遮断が行われ、ニッケル−水素蓄電池に漏れ電流が流れないため、漏れ電流に弱い電池であるニッケル−水素蓄電池を電池パックに使用することができる。また、この電池ブロック12とIC5とが遮断されてもレジスタバックアップ端子8に接続されたバックアップ電源である扁平形リチウム電池11によって、IC5で記憶されていた電池データが保持されるのでその電池データが消失されない。このようにIC5の電池データをいつでも活用できる良好な電池パックを提供できる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の電池パックは、電池残容量などのデータを記憶するための、レジスタバックアップ端子を備えた電池残容量表示用ICを備え、このレジスタバックアップ端子にバックアップ用電源を接続しているので、異常に大きな負荷電流が流れて、電池電圧が大きく下がり、電池残容量表示用ICの動作保証範囲外の電源電圧まで低下してしまった場合でも、安定した動作を実現出来、瞬間的に電池残容量表示用ICの電源電圧が0Vまで下がっても、その時点までの電池残容量などのデータを保持することが出来る。このため、電池残容量表示をLEDの点灯数に比例して表示していた場合、複数個点灯していたLEDが一瞬に1個点灯、あるいは消灯してしまうという現象を起こしてしまうことはなく、良好な電池パックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電池パックの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例2における電池パックの構成を示すブロック図
【図3】従来例における電池パックの構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 電池ブロック
2 シャント抵抗
3 電池残容量表示用基板
4 電源レギュレータ
5 電池残容量表示用IC
6 抵抗
7 コンデンサ
8 レジスタバックアップ端子
9 抵抗
10 LED
11 扁平形リチウム電池
12 電池ブロック
13 ON/OFFスイッチ
Claims (4)
- 1個または複数個の二次電池と、レギュレータと、電池残容量表示用ICと周辺回路とで構成された電池残容量表示用基板とを備えた電池パックであって、前記二次電池と前記レギュレータとの間にはON/OFFスイッチを設置し、かつ前記電池残容量表示用ICは、レジスタバックアップ端子を備えていて、前記レジスタバックアップ端子にはバックアップ用電源が接続されている電池パック。
- 前記バックアップ用電源は、扁平形電池である請求項1記載の電池パック。
- 前記ON/OFFスイッチは、前記二次電池の放置時にOFFである請求項1記載の電池パック。
- 前記二次電池は、ニッケル−水素蓄電池である請求項1記載の電池パック。
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