JP3699916B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置、更に詳しくは、超音波内視鏡の先端位置を検出するための磁場検出コイル部分に特徴のある超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波振動子を有する超音波内視鏡を体腔内に挿入して、上記超音波振動子から超音波を送受波し、そのエコー信号から体内の状態を描画することによって診断を行う超音波画像診断装置が一般的に使用されている。
【0003】
このような超音波画像診断装置における超音波内視鏡は、通常、フレキシブルシャフトの先端に超音波振動子を設け、その外周を円筒状のシースで覆うように構成されている。
【0004】
そして、フレキシブルシャフトを介して超音波振動子を回転させることによって、放射方向に超音波を照射するようにしたラジアルスキャン方式のものや、フレキシブルシャフト及び超音波振動子を挿入軸方向に移動させることで、フレキシブルシャフトの軸方向と直交する方向に超音波を照射するようにしたリニアスキャン方式のもの、上述のラジアルスキャン方式のものとリニアスキャン方式のものを組み合わせたスパイラルスキャン方式(三次元方式)のもの等が種々提案されている。
【0005】
上記スパイラルスキャン方式のものは、ラジアルスキャンを行いながら同時にリニアスキャンを行うようにしたものであるので、連続した複数の超音波断層像を得ることができるようになっている。そして、これによって得られるエコーデータ(画像データ)に対して何らかの処理を施して三次元画像データを得るようにしている。
【0006】
この種の超音波画像診断装置は、通常、被検部位のエコーデータを連続した複数の二次元画像の超音波断層像として取り込み、この取り込まれたエコーデータから被検部位の三次元画像を構築し表示するようにしている。
【0007】
ところが、三次元画像を構築する上記超音波画像診断装置においては、一般に、リニアスキャンは、術者の手にる超音波内視鏡の挿抜によって行われるため、リニアスキャンにおける先端部の位置が不正確となり、正確な三次元画像を構築することができないといった問題がある。
【0008】
そこで、例えば特開平6−261900号公報においては、先端部にコイルからなる磁気ソースを設け、この磁気ソースからの磁場を外部に設けた磁気センサにて検出し、リニアスキャンにおける超音波振動子の軸方向の位置及びラジアルスキャンにおけるスキャン面の向きを算出することで、正確な三次元画像を構築することのできる超音波画像診断装置が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、磁気ソースを単に超音波内視鏡の先端に配置しているので、先端部が長くなり、また配線のための信号線を挿入部に沿わせて配置しなければならず、超音波内視鏡が小型化できず、また操作性が悪くなるといった問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、操作性を悪くすることなく、先端部を小型に形成することのできる超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波診断装置は、磁場を発生する磁場送信手段と、前記磁場送信手段が発生する磁場を検出する磁場受信手段とを具備し、前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記磁場受信手段が検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備えた超音波診断装置において、前記超音波内視鏡の先端には、超音波振動子と、挿入部の先端であって前記超音波振動子の基端側に設けられた硬性な硬性部と、を有し、前記超音波内視鏡の先端に配置される前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方が、前記硬性部内に配置されたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明による超音波診断装置は、超音波振動子が回転自在に連結された状態で内部に配置されるとともに、超音波伝達媒体が充填されたシースと、先端に前記シースを連設し、挿入部の先端に設けられた硬性な硬性部と、を有し、前記硬性部は、前記超音波振動子を前記シース内で回転自在に配置可能とするための軸穴を有するとともに、磁場送信手段及び磁場受信手段のうちいずれかを内蔵する空間を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明による超音波診断装置は、超音波振動子が挿入部を挿通するフレキシブ ルシャフトに回転自在に連結された状態で内部に配置されるとともに、超音波伝達媒体が充填されたシースと、先端に前記シースを連設し、挿入部の先端に設けられた硬性な硬性部と、を有し、前記硬性部は、前記フレキシブルシャフトを挿通するとともに、磁場送信手段及び磁場受信手段のうちいずれかを内蔵する空間を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0014】
図1ないし図3は本発明の一実施の形態に係わり、図1は超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図、図2は図1の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図、図3は図1の超音波内視鏡の先端の変形例の構成を示す断面図である。
【0015】
本実施の形態の超音波内視鏡1は、図1に示すように、挿入部2の先端に硬性な硬性部3を有し、この硬性部3の先端には一体的に連設されたシース4が設けられている。そして、このシース4には超音波振動子5が挿入部2及び硬性部3を挿通しているフレキシブルシャフト6に回転自在に連結された状態で配置され、シース4の内部には超音波伝達媒体7が充填されている。また、硬性部3には例えば直交する2つの軸方向に磁場を発生する磁気ソース8が内蔵されている。
【0016】
そして、超音波診断装置11は、図2に示すように、上記超音波内視鏡1と、この超音波内視鏡1の超音波振動子5及びフレキシブルシャフト6を駆動すると共に、超音波振動子5からのエコーデータを処理し3次元の超音波画像を形成する超音波画像処理装置12と、超音波内視鏡1の挿入部2が体腔内に挿入される患者14が横になるベッド15に設けられた超音波内視鏡1の硬性部3の磁気ソース8が発生した磁場を検出する複数例えば16個のコイルからなる磁気センサ16と、磁気ソース8に電流を供給し磁場を発生させると共に磁気センサ16からの磁場検出信号を入力し磁気ソース8の位置と向きを算出する位置検出装置17と、超音波画像処理装置12より3次元の超音波画像を入力し位置検出装置17により得られた磁気ソース8の位置と配向に基づいた画像をモニタ18に表示するパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す)20とを備えて構成される。
【0017】
本実施の形態の超音波内視鏡1では、上述したように、磁気ソース8を硬性部3の内部に配置し、磁気ソース8の配線を挿入部内部に配置できるため、リニアスキャンや湾曲操作の操作性を阻害することなく、先端部を小型に形成することができる。
【0018】
なお、図1においては磁気ソース8を直交する2つの軸方向に磁場を発生する2つのコイルを分離した状態で構成する例を示したが、、図3に示すように、2個あるいは3個のコイルを互いに直交させて一体的に巻くことで磁気ソース8を形成し、この磁気ソース8を硬性部3の内部に配置しても同様な効果を得ることができる。
【0019】
また、上記実施の形態では超音波内視鏡1の先端に磁場を発生する磁気ソースを設け、それを磁気センサで検出するとしたが、超音波内視鏡1の先端に磁気センサを設け、外部から磁場を発生させる場合においても本実施の形態が適用できることはいうまでもない。
【0020】
[付記1]
(付記項1−1)磁場を発生する送信コイルと、前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルとを具備し、前記送信コイル及び受信コイルのうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記受信コイルが検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備えた超音波診断装置において、
前記超音波内視鏡の先端に配置される前記送信コイル及び受信コイルのうちいずれか一方は、先端部内に設けられることを特徴とする超音波診断装置。
【0021】
(付記項1−2)前記超音波内視鏡の先端に配置される前記送信コイル及び受信コイルのうちいずれか一方は、直交する2つまたは3つの軸方向に磁場を発生する2つまたは3つのコイルを分離した状態で構成されることを特徴とする付記項1−1に記載の超音波診断装置。
【0022】
(付記項1−3)前記超音波内視鏡の先端に配置される前記送信コイル及び受信コイルのうちいずれか一方は、2個あるいは3個のコイルを互いに直交させて一体的に巻いた状態で構成されることを特徴とする付記項1−1に記載の超音波診断装置。
【0023】
ところで、一般に内視鏡においては、先端部に連設して湾曲駒からなる湾曲部が設けられている。この湾曲部は手元側の湾曲操作ノブ等により上下左右に先端部を湾曲させることができる。
【0024】
しかし、先端部に磁気ソース等のコイルを設けた内視鏡においては、このような湾曲操作を行うと磁気ソースへの接続線が断線し磁気ソースが使用できなくなり、このため、超音波内視鏡等の内視鏡そのものも使用できなくなるといった恐れがある。
【0025】
そこで、次に、上記先端部に湾曲部を備えた超音波内視鏡等の内視鏡において、先端部に設けたコイルへの信号線の断線を効果的に防止することのできる内視鏡について説明する。
【0026】
図4ないし図7は、先端部に設けたコイルへの信号線の断線を効果的に防止することのできる内視鏡の一実施の形態に係わり、図4は内視鏡先端部の構成を示す構成図、図5は図4の磁気センサへの断線を回避する内視鏡装置の構成を示す構成図、図6は図5の断線回避装置の作用を示すフローチャート、図7は図4の内視鏡先端部の変形例の構成を示す構成図である。
【0027】
図4に示すように、先端に照明窓51及び観察窓52を備えた内視鏡53の先端部内には、2個あるいは3個のコイルを互いに直交させて一体的に巻くことで形成された磁気センサ54が設けられており、この磁気センサ54からは並列に2本の信号線55,56が接続されている。そして、磁気センサ54は外部からの磁場を検知し内視鏡53の先端部の位置を検出するために磁場の強度信号を2本の信号線55,56により並列に出力するようになっている。
【0028】
内視鏡装置では、図5に示すように、磁気センサ54からの2本の信号線55,56は、スイッチ回路57を介して磁場の強度信号から内視鏡53の先端部の位置を算出する信号処理装置58に接続されている。また、信号処理装置58の磁場の強度信号の入力端には断線検知回路59が接続されており、断線検知回路59は検知結果によりスイッチ回路57を切り替えるようになっている。
【0029】
内視鏡装置では、図6に示すように、断線検知回路59がステップS1でスイッチ回路57をa側にして信号線55が信号処理装置58に接続されるようにする。そして、ステップS2で信号線56の信号を監視し信号が出力されていない場合は断線と判断し、断線していない場合はステップS3で信号処理装置58により位置の算出が行われ、断線している場合はステップS4でスイッチ回路57をb側にして信号線56が信号処理装置58に接続されるようにする。そして、ステップS5で信号線56の信号を監視し信号が出力されていない場合は断線と判断し、断線していない場合はステップS3で信号処理装置58により位置の算出が行われ、断線している場合はステップS6でモニタ等に警告を表示する。
【0030】
このように本実施の形態では、2本の信号線55,56により磁気センサ54の出力を平行に取りだし、断線検知回路59が信号線の信号を監視し断線状態を検知し、一方の信号線が断線した場合にはスイッチ回路57を切り替えて、断線していない信号線に切り替えて、断線していない信号線により磁場の強度信号を信号処理装置58に出力するので、先端部に設けた磁気センサへの信号線の断線を効果的に防止することができる。
【0031】
なお、磁気センサ54からは並列に2本の信号線55,56が接続されているとしたが、3本以上の信号線を並列に接続してもよく、この場合はさらに断線を効果的に防止することができる。
【0032】
また、1つの磁気センサから並列に2本の信号線を引き出すとしたが、これに限らず、図7に示すように、内視鏡53の先端部内に、2個あるいは3個のコイルを互いに直交させて一体的に巻くことで形成された2つあるいはそれ以上の磁気センサ54a,54bを設け、磁気センサ54a,54bよりそれぞれ信号線55,56を引き出し、例えば通常は信号線55を用い磁気センサ54aからの磁場の強度信号を信号処理装置58に出力し、上記と同様に断線検知回路59により信号線55を監視し、信号線55が断線したと判断するとスイッチ回路57を切り替えて信号線56を用いて磁気センサ54bからの磁場の強度信号を信号処理装置58に出力するようにしても同様な作用・効果を得ることができる。
【0033】
[付記2]
(付記項2−1)磁場を発生する送信コイルと、内視鏡の先端に配置された前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルと、前記受信コイルが検出した検出信号により前記内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備えた内視鏡装置において、
前記受信コイルは検出信号を2系統の出力ラインで出力することを特徴とする内視鏡装置。
【0034】
(付記項2−2)前記2系統の出力ラインは、切換手段を介して前記位置算出手段に接続されることを特徴とする付記項2−1に記載の内視鏡装置。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の超音波診断装置によれば、超音波内視鏡の先端に配置される前記送信コイル及び受信コイルのうちいずれか一方を先端部内に設けているので、操作性を悪くすることなく、先端部を小型に形成することのできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図、
【図2】 図1の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図、
【図3】 図1の超音波内視鏡の先端の変形例の構成を示す断面図、
【図4】 先端部に設けたコイルへの信号線の断線を効果的に防止することのできる内視鏡の一実施の形態に係る内視鏡先端部の構成を示す構成図、
【図5】 図4の磁気センサへの断線を回避する内視鏡装置の構成を示す構成図、
【図6】 図5の断線回避装置の作用を示すフローチャート、
【図7】 図4の内視鏡先端部の変形例の構成を示す構成図、
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
2…挿入部
3…硬性部
4…シース
5…超音波振動子
6…フレキシブルシャフト
7…超音波伝達媒体
8…磁気ソース
11…超音波診断装置
16…磁気センサ
17…位置検出装置
Claims (6)
- 磁場を発生する磁場送信手段と、前記磁場送信手段が発生する磁場を検出する磁場受信手段とを具備し、前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記磁場受信手段が検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備えた超音波診断装置において、
前記超音波内視鏡の先端には、
超音波振動子と、
挿入部の先端であって前記超音波振動子の基端側に設けられた硬性な硬性部と、
を有し、
前記超音波内視鏡の先端に配置される前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方が、前記硬性部内に配置されたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波内視鏡の先端に配置される前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方は、複数系統のラインで前記位置算出手段に接続されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 超音波振動子が回転自在に連結された状態で内部に配置されるとともに、超音波伝達媒体が充填されたシースと、
先端に前記シースを連設し、挿入部の先端に設けられた硬性な硬性部と、
を有し、
前記硬性部は、前記超音波振動子を前記シース内で回転自在に配置可能とするための軸穴を有するとともに、磁場送信手段及び磁場受信手段のうちいずれかを内蔵する空間を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記硬性部の前記空間には、前記磁場送信手段または前記磁場受信手段が、直交する2つの軸方向に磁場を発生する複数のコイルを内蔵可能であることを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
- 前記磁場送信手段及び前記磁場受信手段のうちいずれか一方は、前記磁場受信手段が検出した検出信号により前記硬性部の位置を算出する位置算出手段に、複数系統のラインで接続されることを特徴とする請求項3または4に記載の超音波診断装置。
- 超音波振動子が挿入部を挿通するフレキシブルシャフトに回転自在に連結された状態で内部に配置されるとともに、超音波伝達媒体が充填されたシースと、
先端に前記シースを連設し、挿入部の先端に設けられた硬性な硬性部と、
を有し、
前記硬性部は、前記フレキシブルシャフトを挿通するとともに、磁場送信手段及び磁場受信手段のうちいずれかを内蔵する空間を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
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