JP3699850B2 - 表示装置および液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電界に応じて状態が変化する表示媒体を用いた表示装置に関し、特に該表示媒体として液晶を用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネマティック液晶を用いたセグメント型の液晶表示装置は、たとえば時計の表示部、または電卓の表示部として、従来から広く利用されている。またネマティック液晶を用いたマトリクス型の液晶表示装置は、ワードプロセッサの表示部、コンピュータの表示部、またはナビゲーション装置の表示部として利用されるため、市場をより拡大している。これら液晶表示装置は、他の表示装置、たとえば陰極線管よりも装置の厚みが格段に薄く、該他の表示装置よりも軽量であり、該他の表示装置よりも消費電力が小さく、かつ該他の表示装置よりもフルカラー化が容易である。このために前記液晶表示装置は、前記他の表示装置の利用分野よりも広い分野における需要が広がっている。たとえば前記液晶表示装置は、パーソナルコンピュータの表示部、各種のモニタ装置、携帯型テレビジョン装置、およびカメラの表示部として、利用されている。
【0003】
前記マトリクス型の液晶表示装置は、複数の画素が行列状に配置されて構成される液晶パネルと、該液晶パネルに電気信号を供給するための液晶駆動部とを含む。各画素は、平板状の画素電極と平板状の対向電極との間に液晶が介在されて、それぞれ構成される。前記マトリクス型の液晶表示装置のうち、能動素子をスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置が、特に良く利用されている。前記能動素子は、たとえば、薄膜トランジスタ(以後「TFT」と略称することがある)で実現される。
【0004】
TFTを用いた従来技術のアクティブマトリクス型の液晶表示装置の液晶パネル構造は、以下のとおりである。前記液晶パネルは、前記複数の画素の他に、透光性を有する主基板および対向基板、少なくとも1本の基準信号線、該全画素の数と同数のTFT、複数本の走査信号線、ならびに複数本の階調信号線をさらに含む。前記全画素の対向電極は、前記対向基板の一方面上に行列状に並べられ、かつ基準信号線を介して相互に電気的に接続される。前記全画素の対向電極および基準信号線は一体化されて、前記全画素の画素電極と対向し得る1枚の導電性材料の薄膜、すなわち共通電極を形成している。
【0005】
前記全画素の画素電極は、前記主基板の一方面上に行列状に並べられる。前記各走査信号線は、前記画素電極の周囲を通りかつ画素の配列の行方向にそれぞれ平行に、前記主基板の一方面上に並べられる。前記各階調信号線は、前記画素電極の周囲を通りかつ画素の配列の列方向に平行に、前記主基板の一方面上に並べられる。前記各TFTは前記主基板の一方面上に配置され、該各TFTのドレイン端子は前記各画素電極にそれぞれ接続され、該各TFTのゲート端子はいずれか1本の走査信号線に接続され、該各TFTのソース端子はいずれか1本の階調信号線に接続される。さらに前記液晶表示装置がカラー画像を表示可能である場合、前記主基板または対向基板上に、カラーフィルタがさらに設けられる。前記各走査信号線と前記各階調信号線とは前記主基板上で相互に直交し、かつこれら信号線の交叉部において該2本の信号線が短絡しないように、該信号線は電気的に絶縁されている。以上が前記液晶パネルの構造である。なお本明細書において、上述の構造、すなわち全画素の対向電極が基準信号線に接続されている液晶パネルの構造を、「現行構造」と称する。
【0006】
前記現行構造のアクティブマトリクス型の液晶パネルを含む液晶表示装置の液晶駆動部は、前記各TFTの駆動制御のための走査信号を前記各走査信号線を介して該各TFTに供給する。かつ前記液晶駆動部は、前記各TFTが駆動されている間、すなわち該各TFTのソース端子およびドレイン端子間の電気信号の伝達が可能な間、該各TFTに接続された画素電極を含む画素の表示状態を定めるための表示信号を、前記各階調信号線および該各TFTを介して該画素電極に供給する。さらに前記液晶駆動部は、予め定める基準信号を、前記共通電極に常に供給する。前記走査信号および階調信号は、時間経過に伴い電圧が変化する脈動信号である。前記基準信号は、前記液晶駆動部がいわゆるライン反転駆動を行う場合、前記脈動信号であり、前記液晶駆動部がいわゆるドット反転駆動を行う場合、予め定める電圧を常に保つ定常信号である。この結果前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧に応じて、該電極間の液晶の状態が決定される。
【0007】
このような構成の従来技術のアクティブマトリクス型の液晶表示装置の液晶パネルは、前記走査信号線と前記階調信号線とが前記主基板上で交差する構造になっている。ゆえに前記液晶パネルは、たとえば該信号線の交叉部で該2本の信号線が短絡するような欠陥が、生じ易い。この結果前記従来技術の液晶表示装置の歩留りが他の構成の液晶表示装置よりも低くなり易い
【0008】
上述の問題を解決するために、いわゆる米国特許4694287号公報は、いわゆる対向ソース構造の液晶パネルを開示している。TFTを用いた従来技術の対向ソース構造のアクティブマトリクス型の液晶パネル構造は、以下のとおりである。対向ソース構造の液晶パネルは、前記複数の画素の他に、透光性を有する対向基板および主基板、複数本の階調信号線、該全画素の数と同数のTFT、複数本の走査信号線、ならびに少なくとも1本の基準信号線をさらに含む。
【0009】
前記全画素の対向電極は、前記対向基板の一方面上に行列状に並べられる。前記各階調信号線は、前記対向電極の周囲を通りかつ画素の配列の列方向に平行に、前記対向基板の一方面上に並べられる。前記全画素のうちの画素の配列において任意の1本の列を構成する複数の画素の対向電極は、該列の近傍を通る任意の1本の階調信号線に、電気的に接続される。前記任意の階調信号線と該信号線に接続された全対向電極とは一体化されて、前記複数の画素の画素電極と対向し得る1枚の帯状の導電性材料の薄膜片、すなわち列電極を形成している。この結果複数の列電極が、前記対向基板の一方面上に並べられる。
【0010】
前記全画素の画素電極は、前記主基板の一方面上に行列状に並べられる。前記各走査信号線および各基準信号線は、該画素電極の周囲を通りかつ画素の配列の行方向にそれぞれ平行に、主基板の一方面上に並べられる。前記各TFTは前記主基板の一方面上に配置され、該各TFTのドレイン端子は前記各画素電極にそれぞれ接続され、該各TFTのゲート端子は前記いずれか1本の走査信号線に接続され、該各TFTのソース端子は前記いずれか1本の基準信号線に接続される。前記階調信号線、走査信号線、および基準信号線には、前記階調信号、走査信号、および基準信号が、それぞれ供給される。以上が前記対向ソース構造の液晶パネルの構造である。
【0011】
また特開平4−219735号公報は、前記対向ソース構造の液晶表示装置において、いわゆるDCレベルシフトを防止するための構成を開示している。このために前記公報の液晶表示装置において、基準電位供給バスラインと表示電極との間、すなわち前記基準信号線と前記画素電極との間に、コンデンサが介在されている。さらにまた特開平7−20495号公報は、前記対向ソース構造の液晶表示装置において、対向基板上の列電極と主基板上の基準信号線とによって生じる容量カップリングを無くすための構成を開示している。このために前記公報の液晶表示装置において、複数の画素電極と液晶層を介して対向する透明電極、すなわち前記列電極は、該複数の画素電極とだけそれぞれ対向する複数の第1透明電極と、該複数の第1透明電極同士を接続し、かつ第1透明電極よりも幅が狭い導電層とから構成されている。
【0012】
情報機器の表示部として使用される画像表示装置に関する規制の1つに、高周波のEMI(不要輻射)に関する規格基準がある。前記EMIの規格基準は、従来、無線機器の保護を目的としたものであり、該規格基準は国毎に異なる。近年、高周波のEMIの他に、いわゆる漏洩低周波電磁界の人体への影響が懸念され始めている。このような状況下、漏洩低周波電磁界に関する規制が北欧諸国で設定され、該規制は世界各国に広がりつつある。画像表示装置からの漏洩低周波電磁界に関する規制の1つとして、TCO規格が広く知られている。TCO規格は、SWEDAC(Swedish board for technical accreditation:スウェーデン国立計量・試験評議会)制定のVDC(ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)用測定基準MPR−IIに準拠する規格である。TCO規格における漏洩低周波電磁界の測定は、スウェーデン規格SS436 14 90 ,IEEE 1140-1994に基づいて行われる。
【0013】
このように画像表示装置の漏洩低周波電磁界に関する規格基準が定められているので、情報機器の画像表示装置として使用される液晶表示装置は、漏洩低周波電磁界が該規格基準を満たすように設計される必要がある。このためにたとえば液晶表示装置は、液晶パネル表面に電磁間遮断用のフィルムをさらに貼付けた構造になっている。また特開平5−61019号公報は、交流駆動されるフラットディスプレイ装置の表示パネルからの電界輻射を軽減させるための技術を開示している。前記公報の液晶表示パネルは、該パネルの周辺部に電界輻射軽減用の電極をさらに設け、該パネル内にある共通電極に印加される交番電圧と逆極性の電圧が、前記電界輻射軽減用の電極に印加される。
【0014】
本件出願人は、漏洩低周波電界の軽減処置がなされていない現行構造および対向ソース構造の従来技術の液晶表示装置(以後「未処置LCD」と略称することがある)の漏洩低周波電磁界を、上述の測定基準MPR−IIに基づいて測定し、かつ測定結果をTCO規格と比較した。この結果前記未処置LCDの漏洩低周波電界の一般的な特徴は以下のように予想される。
【0015】
前記測定の結果、現行構造の未処置LCDにおいて、該LCDに入力される信号の周波数がバンドI内にある場合の低周波磁界および低周波電界は、TCO規格の許容範囲内に収まり、かつ入力される信号の周波数がバンドII内のある場合の低周波電界は、TCO規格の許容範囲内に収まることが難しいことが分かっている。これらの測定結果に基づき、かつ液晶パネルに入力される信号の周波数がおおよそ15kHz以上55kHz以下であることを考慮すると、液晶表示装置における漏洩低周波電界の主要因は対向基板上の部品へ入力される信号の電圧変化であると予想される。
【0016】
また前記測定の結果、対向ソース構造の未処置LCDにおいて、基準信号の交流成分の振幅波形が、階調信号の交流成分の振幅波形の逆位相のものになっている場合、前記基準信号の振幅を増大させるほど、漏洩低周波電界が低減することが分かっている。この測定結果に基づき、対向基板上の部品へ入力される信号に対して逆位相の信号が主基板上の部品に入力されている場合、信号のキャンセル効果が起こり、液晶表示装置の漏洩低周波電界が低減されると予想される。さらにまた前記測定の結果、上記2種類の構造の未処置LCDにおいて、漏洩低周波電界はパネルサイズ依存性を有することが分かっている。すなわち前記未処置LCDにおいて、液晶パネルが大型になるほど、漏洩低周波電界が増大する。この測定結果に基づき、対向基板上の信号が入力される部品の面積が増加するほど液晶表示装置の漏洩低周波電界が増大すると予想される。
【0017】
上述の測定結果に基づき、現行構造の従来技術の液晶表示装置は、漏洩低周波電界をTCO規格の許容範囲内に収めるために、ライン反転駆動方式の代わりにドット反転駆動方式を用いることが、提案されている。これは以下の理由からである。ライン反転駆動方式が用いられる場合、対向基板上の部品に供給される基準信号が、主基板上の部品に供給される階調信号をアシストするように電圧が変化する脈動信号になっている。ゆえに前記液晶表示装置は、ライン反転駆動手法を用いる場合、液晶パネルの大型化に伴い、漏洩低周波電界を前記TCO規格の基準値範囲内に収めることが困難になる。ドット反転駆動方式が用いられる場合、前記基準信号は定常信号になっているので、前記対向基板上の部品に供給される基準信号の電圧が変化しないため、ライン反転駆動方式が用いられる場合よりも漏洩低周波電界が低減されると予想される。ゆえ漏洩低周波電界の低減のためにドット反転駆動方式が用いられるのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来技術の液晶表示装置は、漏洩低周波電界を低減させるために、液晶パネルに電磁界遮断用フィルムがさらに貼られていたり、液晶パネルに電界輻射軽減用の電極および該電極での電圧印加部がさらに加えられている。この結果前記液晶表示装置の製造工程は、上述の漏洩低周波電界遮断のための部材および該部材に付随する回路部品を液晶パネルに取付ける工程を含むので、未処置LCDの製造工程よりも工数工程数が増大し、かつ未処置LCDよりも歩留りが低下する。これらの結果前記液晶表示装置の製造コストが未処置LCDよりも増大する。また前記液晶表示装置は、漏洩低周波電界遮断のための部材および該部材に付随する回路部品の追加に起因して、液晶パネルの透過率が、未処置LCDよりも低下することがあるので、表示品位が未処置LCDよりも低下する。
【0019】
また上述したように、現行構造の従来技術の液晶表示装置は、漏洩低周波電界をTCO規格の許容範囲内に収めるために、ドット反転駆動手法を用いている。ドット反転駆動用のドライバは、ライン反転駆動用のドライバよりも、構造が複雑でありかつ製造工程が複雑になるので、ドット反転駆動用ドライバのほうがライン反転駆動用ドライバよりも高価である。ゆえにドット反転駆動手法が用いられる前記現行構造の従来技術の液晶表示装置は、現行構造の未処置LCDよりも、装置コストが増大する。また対向ソース構造の従来技術の液晶表示装置は、対向基板上の部品、すなわち列電極に、階調信号が入力されることになっており、該部品に定常信号を入力することが困難である。ゆえに対向ソース構造の従来技術の液晶表示装置は、駆動手法を改良することによって漏洩低周波電界を抑制することは困難である。
【0020】
本発明の目的は、製造コストの増大および表示品位の低下を防ぎつつ、漏洩低周波電界を低減可能な表示装置および液晶表示装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)一方基板11の予め定める基準平面内に並ぶ複数の画素電極、表示に拘わる状態が電界に応じて変化する表示媒体からなる表示媒体層、および該表示媒体層を挟んで該全画素電極と対向し、他方基板12で表示面21に近いほうに配置される単一の共通電極24を含むパネル部と、
(b)前記各画素電極と前記共通電極との間にある前記表示媒体の状態を制御するための電界を規定するために、時間経過に伴って電圧が変化する階調信号を、前記全ての各画素電極にそれぞれ与え
階調信号は、直流成分の階調信号用基準電圧VDsに、予め定める基準信号と同じ周期でかつ矩形波形の階調信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
階調信号用交流成分の振幅は、予め定める最大電圧差Vsppの半分の値以下の電圧範囲で時間経過に伴い変動する階調信号供給手段と、
(c)前記時間経過に伴って予め定める変化パターンで電圧が変化可能な基準信号を、前記共通電極24に与え
基準信号は、直流成分の基準信号用基準電圧VDbに、階調信号と同じ周期および予め定める振幅を有する基準信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
前記基準信号の最大電圧と該基準信号の最小電圧との差分Vbppが、前記共通電極の面積x[m2]に基づいて定められる第1上限電圧差VMAX
MAX1=0.3578×x-0.6156[V]
以下であり、
基準信号の位相は、階調信号の位相の逆位相になっている基準信号供給手段とを含み、
(d)前記パネル部は、
前記他方基板には、
基準信号供給手段と前記共通電極24との間に介在される基準信号線17が形成され、
前記一方基板には、
前記階調信号供給手段と前記画素電極5との間にそれぞれ介在される複数の階調信号線14と、
前記階調信号線と前記画素電極5との間にそれぞれ介在される複数のスイッチング素子と、
前記各スイッチング素子の開閉状態を制御するための走査信号を、該スイッチング素子にそれぞれ供給するための複数の走査信号線13とが形成されて構成され、
(e)走査信号線13に走査信号を与え、この走査信号は、基準信号の周期の整数倍の周期および基準信号の周期の半分の幅の矩形波形を有し、スイッチング素子を駆動するパルス信号である走査信号供給手段をさらに含むことを特徴とする表示装置である。
【0022】
発明に従えば、図1〜図6に示されるように、表示装置は、上述の構成のパネル部を有し、かつ該表示装置の基準信号供給部から供給される基準信号の電圧差Vbppが上述の範囲内の値に制限されている。ゆえに本発明の表示装置は、前記基準信号の電圧差Vbppを調整するだけで、該装置内のパネル部からの基準信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。
た本発明の表示装置内のパネル部の構造および製造工程は、従来技術のパネル部の構造および製造工程と等しくすることができる。ゆえに本発明の表示装置は、パネル部からの漏洩低周波電界を極めて容易に抑制することができ、かつ、漏洩低周波電界の低減処置に起因する製造コストの増加、パネル部の部品の増加、および歩留りの悪化を、防止することができる。
【0024】
記パネル部は、アクティブマトリクス型のパネル部になる。これによって発明の表示装置は、前記基準信号の電圧差Vbppを調整するだけで、複数の画素から構成される画像を表示可能なパネル部からの基準信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。したがって発明の表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用するのに適している。
【0025】
また本発明は、(a)一方基板11の予め定める基準平面内に並ぶ複数の画素電極5、表示に拘わる状態が電界に応じて変化する表示媒体からなる表示媒体層、前記表示媒体層を介して前記画素電極5とそれぞれ対向し、他方基板12で表示面21に近いほうに配置される複数の対向電極6を含むパネル部と、
(b)時間経過に伴って予め定める変化パターンで電圧が変化する基準信号を、前記全ての画素電極に供給し、
基準信号は、基準信号用直流成分の基準電圧VDbに、予め定める周期および予め定める振幅を有する基準信号用交流成分が重畳された脈動信号である基準信号供給手段と、
(c)相互に対向する前記各画素電極5および各対向電極6間にある前記表示媒体の状態を制御するための電界をそれぞれ規定させるために、時間経過に伴って電圧が変化する階調信号を、該各対向電極6にそれぞれ与え、
階調信号は、階調信号用直流成分の基準電圧VDsに、基準信号と同じ周期でかつ矩形波形の階調信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
階調信号用交流成分の振幅は、予め定める最大電圧差Vsppの半分の値以下の電圧範囲で時間経過に伴って変動し、
前記階調信号の最大電圧と該階調信号の最小電圧との差分Vsppが、前記全ての画素電極が配置され得る予め定める表示領域の面積x[m 2 ]および該表示領域の面積xに対する前記全対向電極の面積の割合yに基づいて定められる第2上限電圧差VMAX2
VMAX2=a×x -b [V]
a= 0.3565×y -0.6829
b=−0.0937y+0.7091
以下であり、
基準信号の位相は、階調信号の位相の逆位相になっている階調信号供給手段とを含み、
(d)前記パネル部は、
前記他方基板には、
前記階調信号供給手段と複数の前記対向電極6との間にそれぞれ介在される複数本の階調信号線14が形成され、
前記一方基板には、
前記基準信号供給手段と複数の前記画素電極との間にそれぞれ介在される複数の基準信号線17と、
前記基準信号線17と前記複数の画素電極5との間にそれぞれ介在される複数のスイッチング素子15と、
前記複数の各スイッチング素子の開閉状態の制御のための走査信号を、該スイッチング素子に供給し、基準信号線17とは交差しない複数の走査信号線13とが形成されて構成され、
前記階調信号線14は、走査信号線13および基準信号線17に対してねじれの位置にあり、
(e)走査信号線13に走査信号を与え、この走査信号は、基準信号の周期の整数倍の周期および基準信号の周期の半分の幅の矩形波形を有し、スイッチング素子を駆動するパルス信号である走査信号供給手段をさらに含むことを特徴とする表示装置である。
【0026】
発明に従えば、図7〜図12に示されるように、表示装置は、上述の構成のパネル部を有する。上述の構造の液晶パネルは、現行構造の液晶パネルよりも、画素電極およびその周辺に配置される部品に関連する部分の構造が簡単であり、かつパネル部の製造コストが現行構造のパネル部よりも低減され、さらにパネル部の製造後の信頼性が向上する。さらに上述の構造のパネル部における漏洩低周波電界の主要因となる電気信号が供給される部品の面積は、現行構造のパネル部における漏洩低周波電界の主要因となる電気信号が供給される部品の面積よりも狭い。ゆえに第3の発明の表示装置は、現行構造のパネル部を有する表示装置よりも、パネル部からの漏洩低周波電界を低減しやすい。
【0027】
調信号供給手段から供給される階調信号の電圧差Vsppは、上述の範囲内の値に制限されている。ゆえに前記表示装置は、前記階調信号の電圧差Vsppを調整するだけで、該装置内のパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。また発明の表示装置内のパネル部の構造および製造工程は、従来技術の上述の構造のパネル部の構造および製造工程と等しくすることができる。ゆえに発明の表示装置は、パネル部からの漏洩低周波電界を極めて容易に抑制することができ、かつ、漏洩低周波電界の低減処置に起因する製造コストの増加、パネル部の部品の増加、および歩留りの悪化を、防止することができる。
前記パネル部は、いわゆるマトリクス型のパネル部になる。また前記パネル部は、任意の1本の階調信号線および該信号線に接続された全対向電極が一体化され、さらに任意の1本の基準信号線および該信号線に接続された全画素電極が一体化されたならば、いわゆる単純マトリクス型のパネル部になる。これによって本発明の表示装置は、前記階調信号の電圧差Vsppまたは前記電界を規定するための電圧の差分Vdynを調整するだけで、複数の画素から構成される画像を表示可能なマトリクス型のパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。したがって本発明の表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用することが適している。
前記パネル部は、いわゆる対向ソース構造のアクティブマトリクス型のパネル部になる。これによって本発明の表示装置は、前記階調信号の電圧差Vsppを調整するだけで、複数の画素から構成される画像を表示可能なパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の基準値以下に確実に抑制することができる。したがって本発明の表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用するのにさらに適している。
【0033】
また本発明は、前記各階調信号線14と該各階調信号線に接続された複数の対向電極6とは一体化されて、導電体部を形成し、
前記導電体部内の前記基準信号線17と対向する第1部分48の単位長さ当たりの面積は、該導電体部の該第1部分48以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さく、
前記導電体部内の前記走査信号線13と対向する第2部分47の単位長さ当たりの面積は、該導電体部内の該第2部分47以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さいことを特徴とする。
【0034】
発明に従えば、図14、図15、図19〜図21に示されるように、該発明の表示装置では、パネル部内の基準信号線と対向する電気的遮蔽物が、前記第1部分および前記残余部分の単位長さ当たりの面積が相互に等しい従来技術のパネル部よりも減少している。この結果発明のパネル部における基準信号に起因する漏洩低周波電界のキャンセル効果が、前記従来技術のパネル部における基準信号の漏洩低周波電界のキャンセル効果よりも、増大する。これによって発明の表示装置のパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界は、前記従来技術のパネル部を含む液晶表示装置の漏洩低周波電界よりも、さらに低減する。
【0035】
またこの結果発明のパネル部内の第1部分のクロス容量が、従来技術の対向ソース構造のパネル部内の第1部分のクロス容量よりも、減少する。この結果発明の表示装置は、前記階調信号および基準信号の信号遅延を、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減させることができる。これらの理由に基づき発明の表示装置は、従来技術の対向ソース構造のパネル部を含む表示装置よりも、表示品位を向上させることができる。
ネル部の導電体部内の第2部分の面積は、従来技術の対向ソース構造のパネル部の導電体部内の第2部分の面積よりも減少している。ゆえに発明の表示装置のパネル部からの漏洩低周波電界は、さらに低減される。
たこの結果発明のパネル部内の第2部分のクロス容量が、従来技術の対向ソース構造のパネル部内の第2部分のクロス容量よりも、減少する。この結果前記発明の表示装置は、前記階調信号および走査信号の信号遅延を、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減させることができる。これによって発明の表示装置は、従来技術の対向ソース構造のパネル部を含む表示装置よりも、表示品位を向上させることができる。
【0042】
また本発明は、前記導電体部は略帯状であり、かつ該導電体部内の前記第1部分には穴が設けられており、
該導電体部内の前記第2部分にも穴が設けられていることを特徴とする。
【0043】
発明に従えば、パネル部内の導電体部内の、第1および第2部分の両側にある残余の部分が、該導電体部の第1および第2部分内に残る複数の膜片を介して接続される。これによって前記第1および第2部分内の複数の膜片のうちのいずれかが断線した場合、残余の膜片によって電気的な接続が保たれる。すなわち導電体層が断線しにくくなるので、好ましい。
【0044】
発明の表示装置は、前述の表示装置を含み、
前記表示媒体が液晶であることを特徴とする液晶表示装置である
【0045】
発明に従えば、前記液晶表示装置は、前述の表示装置と同じ構成を有し、かつ前記表示媒体層が液晶から形成されている。前記液晶表示装置のパネル部は、いわゆる透過型でもよく、いわゆる反射型でもよい。この結果前記液晶表示装置は、他の構成のパネル部、たとえば陰極線管よりも、パネル部が薄型、軽量でかつ消費電力が低減され、さらにパネル部からの漏洩低周波電界をTCO規格の上限基準値以下に低減させることができる。したがって発明の液晶表示装置は、情報機器の表示装置として用いるのに適する。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部1の等価回路図である。図2は、図1のパネル部1の部分斜視図である。図1と図2とを合わせて説明する。前記液晶表示装置は、パネル部1の他に、表示のための電気信号を該パネル部1に供給するための駆動部をさらに含む。パネル部1は、基本的には少なくとも1つの画素3を含む。各画素3は、平板状の画素電極5と平板状の対向電極6との間に液晶層が介在されて、それぞれ構成される。本実施の形態では、パネル部1は複数の画素3を含むものであるとする。本実施の形態のパネル部1は、スイッチング素子として3端子能動素子を用いたアクティブマトリクス型のパネル部であり、かつ現行構造になっている。なお本実施の形態では3端子能動素子として、薄膜トランジスタ(以後「TFT」と略称することがある)が用いられる。
【0047】
ネル部1は、主基板部7と対向基板部8と液晶部とに区分される。主基板部7は、全画素3の画素電極5の他に、主基板11、少なくとも1本の走査信号線13、少なくとも1本の階調信号線14、全画素3と同数のTFT15、全画素3と同数の付加容量部18、および1枚の配向膜を含む。対向基板部8は、全画素3の対向電極6の他に、対向基板12、少なくとも1本の基準信号線17、および1枚の配向膜を含む。本実施の形態では、走査信号線13および階調信号線14はそれぞれ複数本ずつあるとする。前記液晶部は、全画素3内の液晶層が一体化された平板状のものであり、主基板部7と対向基板部8との間に配置される。なお図1では、パネル部1は3行2列の6つの画素3を含むものとし、左上の単一の画素3および該画素3の周辺部品以外の残余の部品に対する参照符は省略している。またなお図2では、前記液晶層は省略しており、かつ対向基板部8の一部分が切欠かれている。
【0048】
少なくとも全画素電極5は、主基板11の一方面19に配置される。少なくとも全対向電極6は、対向基板12の一方面20に配置される。主基板11および対向基板12は、相互に平行に、予め定める間隔を空けて、かつ両基板11,12の一方面19、20を向かい合わせて、配置される。パネル部1は、対向基板部8の前記液晶層に面する側とは反対側が表示面21となるように、用いられる。パネル部1の表示面21の法線方向から見て該表示面21内の全画素3が並べられた領域を、「表示領域」と称することがある。
【0049】
全走査信号線13、全階調信号線14、全画素電極5、および全TFT15は、主基板11の一方面19上に、以下の配列で配置されている。複数本の走査信号線13は、相互に平行に、かつ相互に予め定める間隔を空けて、並ぶ。複数本の階調信号線14は、走査信号線の長手方向と直交する方向とそれぞれ平行に、かつ相互に予め定める間隔を空けて並ぶ。この結果各走査信号線13と各階調信号線14とは、主基板11上で相互に直交する。各走査および各階調信号線13,14は、これら信号線13,14の交叉部において該2本の信号線が相互に短絡しないように、電気的にそれぞれ絶縁されている。前記絶縁のために、たとえば、絶縁層が走査信号線13と階調信号線14との間に介在される。
【0050】
全画素3の画素電極5は、前記表示領域内に、走査信号線13の長手方向および該長手方向と直交する方向にそれぞれ平行に並べられる。結果として画素電極5の配列は行列状になる。本明細書において、行列状に配置された複数の要素のうち、走査信号線13の長手方向Xに平行に並ぶ一群の要素を「行」と総称し、該長手方向Xに直交する方向に平行に並ぶ一群の要素を「列」と総称することがある。画素電極5の行の数は走査信号線13の本数と等しく、画素電極5の列の数は階調信号線14の本数と等しい。すなわち画素電極5の各行は各走査信号線13の隣に配置され、画素電極5の各列は各階調信号線14の隣に配置される。
【0051】
各TFT15は各画素電極5の近傍に配置される。各TFT15のドレイン端子およびソース端子のうちのいずれか一方端子は、該各TFT15近傍の各画素電極5に接続され、該各TFT15のドレイン端子およびソース端子のうちのいずれか他方端子は、該各画素電極5近傍のいずれかの階調信号線14に接続され、該各TFT15のゲート端子は、該画素電極5近傍のいずれかの走査信号線13に接続される。
【0052】
各付加容量部18は、一方および他方電極が絶縁層を介して積層された構造になっており、前記主基板の一方面上の各画素電極5の近傍に配置される。各付加容量部18の一方電極は、各TFT15のドレイン端子およびソース端子のうちのいずれか一方端子に接続される。各付加容量部18の他方電極は、1本の共通信号線23にそれぞれ接続される。共通信号線23は、たとえば主基板11の一方面19上に配置される。
【0053】
各走査信号線13,各階調信号線14,各TFT15,各付加容量部18、および各画素電極5のうちの少なくとも2種類の部品は、該部品間の短絡を防止する処置がほどこされた状態で、相互に重なって配置されていてもよい。前記短絡防止の処置として、前記2種類の部品の間に、絶縁層が介在される。付加容量部18は省略されてもよい。
【0054】
各画素3の対向電極6は、基本的には、対向基板12の一方面20上の該各画素3の画素電極5と対向する位置に、配置される。この結果全対向電極6の配列は、基本的には画素電極5と同じ配列になる。全対向電極6は、基準信号線17を介して相互に電気的に接続されている。なお図1の例では、全対向電極6と基準信号線17とは一体化されて、単一の共通電極24を形成している。共通電極24は略平板状の導電体の薄膜であり、対向基板12の一方面20上に配置される。共通電極24は、たとえば対向基板12の一方面20上の前記表示領域に相当する部分を、全て覆う。共通電極24内の各画素電極5に対向する部分が、該各画素電極5を含む画素内の対向電極6に相当する。以後の説明では、共通電極24内の前記部分を「対向電極6」と称することがある。
【0055】
前記2枚の各配向膜は、主基板部7および対向基板部8の前記液晶部に最近接する位置に、配置される。すなわち主基板部7の配向膜は、主基板11の一方面19の露出した部分および該一方面19上の全部品5,13〜15,18を覆い、対向基板部8の配向膜は、対向基板12の一方面20の露出した部分および該一方面20上の全部品24を覆う。前記配向膜は、画素電極5と対向電極6との間に電圧が印加されていない時点、すなわち電圧無印加時における前記液晶層内の液晶分子の配向状態を、規定する。
【0056】
また前記液晶層がいわゆるネマティック液晶によって形成され、かつパネル部1がいわゆるTN型またはSTN型のものである場合、該パネル部1は2枚の偏光板をさらに含む。2枚の偏向板は、主基板部7と対向基板部8と前記液晶部とから構成されるセル部を挟んで、相互に平行に配置される。パネル部1がいわゆるノーマリホワイト表示のものであるならば、前記2枚の各偏光板の偏向軸は、該各偏向板と前記液晶部との間にある各基板部7、8の配向膜の配向方向と、それぞれ平行である。パネル部1がいわゆるノーマリブラック表示のものであるならば、前記2枚の偏光板のうちのいずれか一方の偏向軸は、該一方の偏向板と液晶部との間にある基板部の配向膜の配向方向と平行であり、かつ該2枚の偏向板のうちのいずれか他方の偏向軸は、該他方の偏向板と液晶部との間にある基板部の配向膜の配向方向と直交する。すなわち前記場合、パネル部1内の任意の画素3は、前述の画素電極5および対向電極6ならびに液晶層の他に、2枚の偏向板内の該画素3内の画素電極5と対向する部分を含む。
【0057】
パネル部1が透過型である場合、少なくとも、主基板11、対向基板12、全画素電極5、全対向電極6、および2枚の配向膜は、透光性を有し、かつパネル部1の表示面21とは反対側の面近傍に、光源がさらに配置される。パネル部1が反射型である場合、少なくとも、対向基板12、全対向電極6、および対向基板部8の配向膜は、透光性を有する。前記場合、パネル部1の表示面21とは反対側の面近傍に反射板がさらに設けられても良く、画素電極5が光を反射可能な導電性材料で形成されて反射板を兼ねても良い。さらに前記液晶表示装置がカラー画像を表示可能である場合、主基板11または対向基板12上に、カラーフィルタがさらに設けられる。以上が現行構造のパネル部1の構造説明である。
【0058】
前記液晶表示装置内の駆動部は、パネル部1をライン反転駆動方式またはドット反転駆動方式で駆動する。前記駆動部の概略的な動作は、以下のとおりである。前記駆動部は、予め定める基準信号を、共通電極24に常に供給する。前記駆動部がライン反転駆動を行う場合、前記基準信号は、時間経過に伴い電圧が変化する脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは、予め定められている。前記駆動部がドット反転駆動を行う場合、前記基準信号は、時間経過に拘わらず電圧が予め定める電圧をほぼ保つ定常信号である。
【0059】
また前記駆動部は、各TFT15の駆動制御のための走査信号を、各走査信号線13を介して該各TFT15に供給する。前記走査信号は、概略的には脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは、予め定められている。前記走査信号は、各TFT15の状態を、ソース端子とドレイン端子との間の信号伝達が可能な駆動状態、および該2つの端子間の信号伝達が禁止された休止状態のいずれか一方に、規定するための信号である。すなわちTFT15はスイッチング素子として働き、前記走査信号によってその開閉状態が制御される。
【0060】
各TFT15は、前記走査信号によって規定される期間だけ駆動状態になる。さらに前記駆動部は、任意のTFT1が駆動状態である間、該TFT15に接続された階調信号線14に、該画素の表示状態を定めるための階調信号を供給する。前記階調信号は、概略的には脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは、画素の表示状態に応じて設定される。この結果前記任意のTFT15に接続された画素電極5と共通電極24との間の電圧が、該画素電極5を含む画素3がとるべき表示状態に応じた電圧に規定される。液晶層の表示に拘わる状態、たとえば液晶層の光学的性質は、該液晶層を挟む一対の電極間の電界に応じて変化し、前記電界は該電極間の電圧によって規定される。前記光学的性質は、たとえば光の旋光性である。この結果、画素3内の液晶層の表示に拘わる状態は、該画素3内の画素電極5と対向電極6との間の電界に応じて、すなわち該画素3の表示電圧に応じて、決定される。
【0061】
前記画素電極5と共通電極24との間の電圧、すなわち画素3の表示電圧は、設定後、該画素電極に接続されたTFT15が休止状態である間、保持される。また前記画素電極5の電位は、該画素電極5と同じTFT15に接続された付加容量部18によって、TFT15が休止状態の間、保持される。すなわち各付加容量部18は、該付加容量部の一方電極と同じTFT15に接続された画素電極5を含む画素3内の液晶層に印加される電圧を、該TFT15が休止状態の間保つために、用いられる。以上が前記駆動部の概略動作説明である。
【0062】
図3は、パネル部1に与えられる上述の4種類の信号の具体的な波形図である。前記ライン反転駆動時の基準信号は、具体的には、図3(A)に示すように、予め定める第1の基準電圧VDbの直流成分に、予め定める周期および予め定める振幅でかつ矩形波形の交流成分が重畳された脈動信号になっている。前記ドット反転駆動時の基準信号は、具体的には、図3(B)に示すように、たとえば第1の基準電圧VDbの直流成分に、予め定める周期および振幅でかつ微分波形の交流成分が重畳された脈動信号になっている。前記走査信号は、具体的には、図3(C)に示すように、前記基準信号の周期の整数倍の周期で、該基準信号の周期の半分の幅の矩形波形のパルスが立上がるパルス信号になっている。前記走査信号が与えられたTFT15は、該信号がハイレベルの間だけ駆動状態になり、該信号がローレベルの間、休止状態になる。
【0063】
前記階調信号は、具体的には、図3(D)に示すように、予め定める第2の基準電圧VDsの直流成分に、前記基準信号と同じ周期でかつ矩形波形の交流成分が重畳された脈動信号になっている。前記階調信号の交流成分の振幅は、0Vより大きくかつ該階調信号の予め定める最大電圧差Vsppの半分の値以下の電圧範囲内で、時間経過に伴い変動している。本実施の形態では、前記基準信号、階調信号、および走査信号は相互に同期し、かつ前記基準信号の位相は前記階調信号の位相の逆位相になっている。前記基準信号は、前記階調信号の振幅をアシストする形になっていることが好ましい。以上が信号説明である。
【0064】
実施の形態の液晶表示装置は、パネル部1からの漏洩低周波電界をTCO規格の漏洩低周波電界の規定範囲内に収めるために、前記駆動部から該パネル部1に与えられる電気信号を調整している。
【0065】
TCO規格は、SWEDAC(Swedish board for technical accreditation:スウェーデン国立計量・試験評議会)制定のVD(Visual Display Units)用測定基準MPR−IIに準拠する規格である。TCO規格の基準内容は、以下の表1に示すように、予め定義された測定箇所における漏洩低周波電磁界の上限基準値が定義され、該上限基準以下の範囲を規定範囲としている。なお試験信号の周波数は、バンドIとバンドIIとの2つの周波数帯域に分割され、各周波数帯域毎に漏洩低周波電磁界の上限基準値が、設定されている。バンドIは、いわゆるELF(Extremely Low Frequency)、すなわち5Hz以上2kHz未満の周波数帯域であり、バンドIIは、いわゆるVLF(Very Low Frequency)、すなわち2kHz以上400kHz未満の周波数帯域である。TCO規格における漏洩低周波電磁界の測定は、スウェーデン規格SS436 14 90,IEEE 1140-1994に基づいて行われ、かつ漏洩低周波電磁界の測定時の測定画面は、画面全体に白色の文字「H」を表示しかつ該画面の背景色を黒にした画面であると規定されている。
【0066】
【表1】
Figure 0003699850
【0067】
本件出願人は、従来技術で説明したように、漏洩低周波電磁界の軽減処置が施されていない現行構造および対向ソース構造の液晶表示装置(以後「未処置LCD」と称することがある)の漏洩低周波電界に関して、以下の特徴があると予想している。前記液晶表示装置における漏洩低周波電界の主要因は、該装置内の電気信号が与えられる部品のうち、該装置の表示面に近いほうの部品へ入力される信号であると予想される。また前記液晶表示装置内の電気信号が与えられる部品のうちの前記表示面に遠いほうの部品へ入力される信号の交流成分の振幅波形が、前記表示面に近いほうの部品へ入力される信号の交流成分の振幅波形の逆位相のものになっている場合、信号のキャンセル効果が起こり、液晶表示装置の漏洩低周波電界が低減されると予想される。前記場合、前記近いほうの部品の面積が減少するほど、漏洩低周波電界の軽減効果が大きくなると予想される。さらにまた前記表示面に近いほうの部品の面積が増加するほど液晶表示装置の漏洩低周波電界が増大する、たとえば該部品の面積に比例して漏洩低周波電界が増大すると、予想される。
【0068】
これらの結果、パネル部1からの漏洩低周波電界をTCO規格の規定範囲内に収めるために、基本的には、パネル部1内の電気信号が与えられる部品のうち表示面21に近いほうの部品に与えられる該電気信号は、該信号の最大電圧差が予め定める許容範囲内に収まるように、設定される。前記電気信号の最大電圧差は、該電気信号が取得る上限電圧と該電気信号が取得る下限電圧との差分であり、該基準信号の交流成分の振幅が時間経過に拘わらず常に等しい場合、該振幅の2倍の値に相当する。
【0069】
ネル部1において、前記表示面21に近いほうの部品は共通電極24であり、かつ該部品に与えられる電気信号は基準信号である。ゆえに基準信号の最大電圧差Vbppは、以下の式1で規定される現行構造の上限電圧差VMAX1以下で、かつ該基準信号の前記最大電圧差Vbppとして許容される最小の電圧差以上である許容範囲内の値になっている。前記基準信号の最大電圧差Vbppは、液晶の閾値に依存する値である。なお以下の式において、「x」は、前記表示面21に近いほうの部品の表面積の総和、すなわち共通電極24の表面積の総和(以後「パネル面積」と略称することがある)であり、単位は平方メートル[m2 ]である。本実施の形態では、共通電極24の面積は前記表示領域の面積と等しい。
【0070】
VMAX1=0.3578×x-0.6156 …(1)
前記基準信号の最大電圧差Vbppとして許容される最小の電圧差は、0Vである。これは、パネル部1がライン反転駆動方式で駆動される場合、前記基準信号は脈動信号なので前記最小の電圧差は0Vに極めて近い値になり、かつパネル部1がドット反転駆動方式で駆動される場合、前記基準信号は定常信号なので該最小の電圧差は0Vになるからである。ゆえに基準信号の最大電圧差Vbppの具体的な許容範囲は、式2に示すように、0V以上かつ上限電圧差VMAX1以下になる。
【0071】
0≦Vbpp≦VMAX1 …(2)
第1の実施の形態の液晶表示装置のパネル部1、すなわち現行構造のパネル部1における基準信号の最大電圧差Vbppの上限電圧差VMAX1は、以下の第1の実験に基づいて定められた。前記第1実験のために、パネル面積xだけが相互に異なる2種類の現行構造の実パネルと、パネル面積xだけが相互に異なる5種類の模擬パネルとが、用意された。現行構造の実パネルの構造は、図1で説明した現行構造のパネル部1と等しい。模擬パネルは、該模擬パネルが模すパネル部の表示領域と合同な形状の段ボール紙の一方面全体に、アルミ箔を張付けたものである。本実施の形態では、実パネルおよび模擬パネルのサイズを該パネルの表示領域の対角線の長さで示す。2種類の現行構造の実パネルの表示領域の対角線の長さは、それぞれ13.3inchおよび15.0inchであり、5種類の模擬パネルの表示領域の対角線の長さは、それぞれ8.0inch,13.3inch,15.0inch,18.1inch,21.0inchである。
【0072】
またこれらパネルに入力するべき試験信号として、最大電圧差Vbppが相互に異なる5種類の脈動信号が用意された。前記5種類の試験信号は、黒表示電圧の上限値が相互に異なる5種類の現行構造のパネル部において、該パネル部の表示面21全体が黒になっている状態(以後「黒表示画面時」と称する)、すなわち該表示面21内の全画素が黒表示状態がなっている状況下の基準信号に相当する。前述の試験信号は、漏洩低周波電磁界の測定に本来用いるべき試験信号、すなわちスウェーデン規格SS436 14 90,IEEE1140-1994に基づいた信号、つまり、測定対象の現行構造のパネル部において該パネル部の表示面21全体に背景色を黒にしつつ白色の「H」を表示する状態(以後「H画面時」と称する)の基準信号と等しい。ゆえに上述の黒表示画面時の基準信号を試験信号として用いた場合の実験およびその結果は、H画面時の基準信号を試験信号として用いた場合の実験およびその結果と同様に扱うことができるので、両者の場合の実験はそのまま相互に比較可能である。5種類の試験信号の最大電圧差Vbppは,それぞれ5V,4V,3V,2V,1Vである。また5種類の試験信号の周波数は、TCO規格のバンドII内の周波数、すなわち2kHz以上400kHz以下であり、本実施の形態では約25kHzであるとする。
【0073】
図4は、本実施の形態の実験において、パネル部1からの漏洩低周波電磁界を測定するための実験設備の構成を示すブロック図である。前記漏洩低周波電磁界の測定は、スウェーデン規格SS436 14 90,IEEE1140-1994に基づいた測定法に従って行われた。前記実験設備において、測定対象となるパネル部1は、該パネル部に前記試験信号を入力するための信号発生機に接続され、かつ接地される。前記信号発生機には、電源が接続される。パネル部の表示面21から30cmの距離だけ離れた位置に、漏洩低周波電界を測定するための測定器が配置される。測定器は、本実施の形態の実験では、東陽テクニカ製のEFM100(商品名)が用いられる。
【0074】
【表2】
Figure 0003699850
【0075】
表2は、13.3inchならびに15.0inchの実パネルおよび模擬パネルに、最大電圧差Vbppが5Vの試験信号をそれぞれ入力した状態で測定された漏洩低周波電界を示す。表2の測定結果に基づき、前記試験信号が入力された状態で測定された或る模擬パネルの漏洩低周波電界は、該模擬パネルが模す実パネルに該試験信号を入力した状態の該実パネルからの漏洩低周波電界に、実験データとして置換えが可能な程度に近似または一致することが分かる。ゆえに本実験では、上述の構成の模擬パネルにおける測定結果である漏洩低周波電界を、該模擬パネルが模す実パネルの漏洩低周波電界として用いた。
【0076】
【表3】
Figure 0003699850
【0077】
表3は、前記5種類の各試験信号が入力された状態における、前記5種類の模擬パネルが模す実パネルからの漏洩低周波電界の測定結果を示す。なお5種類の実パネルからの漏洩低周波電界は、実際には、前記5種類の各試験信号が前記5種類の模擬パネルのアルミ箔にそれぞれ入力された状態で、該模擬パネルからの漏洩低周波電界を測定した測定結果である。図5は、前記5種類の各実パネルの漏洩低周波電界Eと前記試験信号の最大電圧差Vbppとの関係を示すグラフである。なお図5内の5本の近似グラフL1〜L5は、前記試験信号の最大電圧差Vbppに対する8.0inch,13.3inch,15.0inch,18.0inch,21.0inchの各実パネルの漏洩低周波電界Eを示すグラフに相当する。各実パネルの近似グラフL1〜L5は、表3に示す該各実パネルの測定された漏洩低周波電界と、前記試験信号の最大電圧差Vbppとをパラメータとして、最小二乗法を用いて求められた。図5の近似グラフL1〜L5は、以下の式3〜7によって定義される。「E」は漏洩低周波電界であり単位は[V/m]、「Vbpp」は試験信号の最大電圧差であり単位は[V]である。
【0078】
L1:E=0.2518×Vbpp−0.0423 …(3)
L2:E=0.559×Vbpp−0.139 …(4)
L3:E=0.657×Vbpp−0.169 …(5)
L4:E=0.823×Vbpp−0.213 …(6)
L5:E=1.006×Vbpp−0.28 …(7)
また表の右端の1列は、前記測定結果から推測される前記各5種類の模擬パネルの漏洩低周波電界Eが1V/mになる場合の最大電圧差Vbpp(以後「境界電圧差」と称することがある)を示す。各模擬パネルの境界電圧差は、図の各模擬パネルの近似グラフL1〜L5と、TCO規格のバンドIIの漏洩低周波電界の基準値、すなわち1.0V/mを示す基準線L6との交点における該各近似グラフL1〜L5上の漏洩低周波電界に相当し、図5のグラフに基づき求められた。
6は、前記5種類の実パネルのパネル面積と、該5種類の実パネルの境界最大電圧差Vbppとの対応関係を示すグラフである。なお図6内の近似グラフL7は、パネル面積xの変化に対する境界電圧差の変化を示すグラフに相当する。図6の近似グラフL7は、表に示す前記各実パネルのパネル面積と、該各実パネルの境界電圧差とをパラメータとして、最小二乗法を用いて求められた。この結果図6の近似グラフL7は、以下の式8によって定義される。式8において、「x」はパネル面積であり単位は[m2 ]、「Vlim」は境界電圧差であり単位は[V]である。
【0079】
L7:Vlim=0.3578×x-0.6156 …(8)
前述したように、現行構造のパネル部1からの漏洩低周波電界の主要因は共通電極24に供給される電気信号であり、該共通電極24の面積が大きいほど該漏洩低周波電界が増大することが分かっている。図5に基づき、或るパネル部1の共通電極24に与えられる基準信号の最大電圧差Vbppが小さいほど、該パネル部の漏洩低周波電界Eが小さくなることが分かる。ゆえにパネル部1が現行構造のものであり該パネル1のパネル面積xが決定されたならば、該パネル面積xと式8とによって、該パネル部1の漏洩低周波電界がTCO規格のバンドIIの上限基準値と一致する場合の基準信号の最大電圧差Vbppが規定される。この結果、前記基準信号の最大電圧差Vbppが前記場合に規定される最大電圧差Vbpp以下であるならば、パネル部1からの漏洩低周波電界はTCO規格のバンドIIの上限基準値以下に確実に抑制される。ゆえに前記基準信号の最大電圧差Vbppの上限電圧差VMAX1は、式1で規定されるのである。以上が第1実験の説明である。
【0080】
このように、前記基準信号の最大電圧差Vbppが、式1,2によって規定される許容範囲内の値である場合、本発明の現行構造のパネル部1からの漏洩低周波電界が、TCO規格の規定範囲内に確実に収まる。また上述した本実施の形態のパネル部1の構造は、従来技術の現行構造のパネル部と等しい。これらの結果本実施の形態の液晶表示装置は、前記基準信号の最大電圧差Vbppを調整するだけで、パネル部1の構造を変えることなく、パネル部1からの漏洩低周波電界を前記TCO規格の規定範囲内に確実に抑制することができる。また前記基準信号の最大電圧差の上限電圧差VMAX1はパネル面積xをパラメータとして規定されるので、前記液晶表示装置は、該装置内のパネル部1の大きさおよび該装置内の共通信号の面積に拘わらず、漏洩低周波電界をTCO規格の上限基準値以下に常に低減させることができる。
【0081】
またパネル部1の構造は従来技術の現行構造のパネル部と等しいので、従来技術のパネル部の構造および製造工程と比較して、漏洩低周波電界の抑制のためにパネル部1の構造および該パネル部1の製造工程を変える必要がない。この結果本実施の形態の液晶表示装置は、パネル部1からの漏洩低周波電界を極めて容易に抑制することができる。またパネル部の構造および製造工程が漏洩低周波電界の低減処置のために変更されていないので、該処置に起因するパネル部の製造コストの増加、該処置に起因するパネル部1の透過率の低下、該処置に起因するパネル部1の歩留りの悪化が、防止される。
【0082】
また本実施の形態の液晶表示装置の駆動部は、パネル部1をライン反転駆動方式に基づいて駆動することが好ましい。これは以下の理由からである。ライン反転駆動方式用の駆動部の構成は、一般的に、ドット反転駆動方式用の駆動部よりも簡単であり、かつライン反転駆動用の駆動部の製造コストは、ドット反転駆動方式用の駆動部よりも安い。ゆえにパネル部1がライン反転駆動方式に基づいて駆動される場合、前記液晶表示装置の製造コストが、ドット反転駆動方式が用いられた液晶表示装置よりも低減される。ゆえにライン反転駆動方式が用いられることが好ましいのである。
【0084】
図7は、本発明の第2の実施の形態である液晶表示装置内のパネル部31の概略構造を示す斜視図である。第2の実施の形態の液晶表示装置(以後「第2液晶表示装置」と称することがある)の構成は、第1の実施の形態の液晶表示装置(以後「第1液晶表示装置」と称することがある)と比較して、以下に説明する点だけが異なり、他は等しい。なお前記第2液晶表示装置内の部品のうち、前記第1液晶表示装置内の部品と等しいものは、該第1液晶表示装置内の部品と同じ参照符を用いて示し、詳細な説明は省略することがある。
【0085】
前記第2液晶表示装置は、パネル部31の他に、表示のための電気信号をパネル部31に供給するための駆動部をさらに含む。パネル部31は、基本的には少なくとも1つの画素3を含み、本実施の形態では複数の画素3を含む。本実施の形態のパネル部31は、スイッチング素子として3端子能動素子を用いたアクティブマトリクス型のパネル部であり、対向ソース構造になっている。なお本実施の形態では3端子能動素子としてTFTが用いられる。
【0086】
パネル部31は、概略的には、主基板部33と対向基板部34と液晶部とに区分される。主基板部33は、少なくとも1本の走査信号線13、主基板11、全画素3の画素電極5、該全画素電極5と同数のTFT15、少なくとも1本の基準信号線17、および1枚の配向膜を含む。対向基板部34は、全画素3の対向電極6、少なくとも1本の階調信号線14、対向基板12、および1枚の配向膜を含む。本実施の形態では、走査信号線13および階調信号線14はそれぞれ複数本あり、基準信号線17は1本である。前記液晶部は、全画素3内の液晶層が一体化された平板状のものであり、主基板部33と対向基板部34との間に配置される。なお図7において、対向基板部34の一部分が切欠かれており、かつ液晶部および両基板部33,34の配向膜が省略されている。パネル部31は、対向基板部34の前記液晶部と反対側、すなわち対向基板11の他方面を、表示面21として用いる。
【0087】
全走査信号線13、全画素電極5、全TFT15、および基準信号線17は、主基板11の一方面19上に、以下のように配置される。全走査信号線13、全画素電極5、および全TFT15の配列は、第1の実施の形態と等しい。基準信号線17は、画素電極5の行数と同数の直線状の第1部分35と該直線状の部分を相互に接続する第2部分36とを含み、各第1部分35は各走査信号線13の隣に、該各走査信号線13と平行に並べられる。各TFT15のドレイン端子は該TFT近傍の各画素電極5にそれぞれ接続され、該各TFT15のゲート端子は該画素電極5近傍のいずれかの走査信号線13に接続され、該各TFT15のソース端子は基準信号線17に接続される。
【0088】
全対向電極6および全階調信号線14は、対向基板12の一方面20上に、以下のように配置される。全対向電極6は、第1の実施の形態と同様に、行列状に並べられる。複数本の各階調信号線14は、対向電極6の各列の隣に、該列と平行に並べられる。各階調信号線14は、該信号線の隣の列内の全対向電極6に、それぞれ電気的に接続される。階調信号線14は、走査信号線13および基準信号線17から見て、ねじれの位置にある。
【0089】
本実施の形態では、各階調信号線14と該信号線14に接続される対向電極6とが一体化されて、階調信号線14と同数の列電極37になっている。各列電極37は、帯状の導電体の膜片である。この結果対向基板12の一方面20上には、実際には、全列電極37が、その長手方向を階調信号線14の長手方向と平行にし、かつ相互に間隔を空けて、並ぶ。各列電極37内の各画素電極5に対向する部分が、該各画素電極5を含む画素内の対向電極6に相当する。各列電極37内の前記部分を「対向電極6」と称することがある。列電極37は、走査信号線13および基準信号線17から見て、ねじれの位置にある。
【0090】
主基板部33および対向基板部34の配向膜は、第1の実施の形態の主基板部および対向基板部の配向膜と等しい。また前記液晶部がネマティック液晶で形成され、かつパネル部1がTN型またはSTN型である場合、パネル部31は2枚の偏向板をさらに備える。前記2枚の偏向板の配置は、第1の実施の形態の2枚の偏向板の配置と等しい。さらに前記液晶表示装置がカラー画像を表示可能である場合、主基板11または対向基板12上に、カラーフィルタがさらに設けられる。さらにまた主基板部33は、画素3の数と同数の付加容量部18をさらに含んでもよい。主基板11、対向基板12、画素電極5、対向電極6、3種類の各信号線13,14,17、TFT15、および2枚の配向膜の光学的性質は、第1の実施の形態と等しい。また対向電極6と階調信号線14とが一体化されているならば、列電極37は、パネル部31が反射型および透過型のどちらであっても透光性を有する。パネル31が透過型および反射型である場合、光源および反射板の配置は、第1の実施の形態と等しい。以上が対向ソース構造のパネル部31の構造説明である。
【0091】
本実施の形態の液晶表示装置内の駆動部の概略的な動作は、以下のとおりである。前記駆動部は、各TFT15の駆動制御のための走査信号を、各走査信号線13を介して該各TFT15に供給する。この結果各TFT15は、前記走査信号によって規定される期間だけ駆動状態になる。前記走査信号は、概略的には脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは予め定められている。また前記駆動部は、予め定める基準信号を、基準信号線17に常に供給する。前記駆動部がライン反転駆動を行う場合、前記基準信号は脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは、予め定められている。前記駆動部がドット反転駆動を行う場合、前記基準信号は定常信号である。この結果任意のTFT15が駆動状態である間、該TFTに接続された画素電極5に前記基準信号が供給される。
【0092】
さらに前記駆動部は、前記任意のTFTが駆動状態である間、該TFTに接続された画素電極5と対向する列電極37に、該画素の表示状態を定めるための階調信号を供給する。前記階調信号は脈動信号であり、かつ該信号の電圧の変化パターンは、画素の表示状態に応じて設定される。この結果前記任意のTFT15に接続された画素電極5と、該画素電極5と対向する列電極37との間の表示電圧が、該画素電極5を含む画素3がとるべき表示状態に応じた電圧に規定される。前記表示電圧は、設定後、画素電極5に接続されたTFT15が休止状態である間、保持される。以上の結果画素電極5と列電極37内の対向電極6との間の電圧に応じて、該電極5,6間の液晶の状態が決定される。以上が駆動部の概略動作説明である。
【0093】
図8は、パネル部1に与えられる3種類の信号の波形図である。図8(A)に示す走査信号は、図3(C)に示す第1の実施の形態の走査信号と等しい。図8(B)に示すライン反転駆動時の基準信号は、図3(A)に示す第1の実施の形態のライン反転駆動時の基準信号と比較して、最大電圧差Vbppが第1の実施の形態で説明した許容範囲内の値であってもよく、または該許容範囲外の値であってもよい点が異なり、他は等しい。図8(C)に示す階調信号は、図3(D)に示す第1の実施の形態の階調信号と比較して、最大電圧差Vsppが後述する許容範囲内の値である点だけが異なり、他は等しい。また第1の実施の形態で説明した理由に基づき、前記基準信号の位相は、階調信号の位相の逆位相になっていることが好ましい。
【0094】
第1の実施の形態で説明したように、漏洩低周波電界の主要因はパネル部31内の電気信号が与えられる全部品のうちの表示面21に近いほうの部品に供給される電気信号であり、該部品の面積が大きいほど漏洩低周波電界が増大することが分かっている。第2の実施の形態の液晶表示装置において、前記表示面21に近いほうの部品は列電極37であり、該信号に与えられる電気信号は前記階調信号である。ゆえにパネル部31からの漏洩低周波電界をTCO規格のバンドIIの許容範囲内に収めるために、前記階調信号の最大電圧差Vsppは、以下の式9〜式11で規定される対向ソース構造の上限電圧差VMAX2以下であり、かつ該階調信号の前記最大電圧差Vsppとして許容される最小の電圧差以上の許容範囲内の値に設定される。
【0095】
VMAX2=a×x-b …(9)
a=0.3565×y-0.6829 …(10)
b=−0.0937y+0.7091 …(11)
前記階調信号の最大電圧差Vsppは、該階調信号が取得る最大電圧と該階調信号が取得る最小電圧との差分である。なお式9〜11において、「x」はパネル面積、すなわちパネル部31の表示領域の面積であって単位は平方メートル[m2 ]である。また式9〜式11において、「y」は、パネル面積xに対する、前記表示面21に近いほうの部品の表示領域内の部分の面積の割合である。以後前記割合yを、「階調電極比率」と称する。前記最小の電圧差は、たとえば0Vに極めて近い値であり、この場合最大電圧差Vsppは、式12に示すように、0Vより大きくかつ前記上限電圧差VMAX2以下である。
【0096】
0<Vspp≦VMAX2 …(12)
本実施の形態では対向電極6と階調信号線14とが一体化されているので、前記表示面21に近いほうの部品の面積は全列電極34の面積である。対向電極6と階調信号線14とが一体化されていない状況下では、前記部品の面積は、少なくとも全対向電極6の面積である。また前記状況下で、階調信号線14の面積が漏洩低周波電界に影響を及ぼす程度に大きい場合、該全対向電極6の面積と全階調信号線14の面積の総和を前記部品の面積とすることが好ましい。さらに前記状況下で対向基板12上に階調信号が与えられる他の部品があり、該部品の面積が漏洩低周波電界に影響を及ぼす程度に大きい場合、上述の面積の総和に加えて該部品の面積を加えた値を、前記部品の面積とすることが好ましい。
【0097】
第2の実施の形態の液晶表示装置の階調信号の最大電圧差Vsppの上限電圧差VMAX2は、以下の第2の実験に基づいて定められた。前記第2実験のために、第1の実施の形態で説明した5種類の現行構造の実パネル(以後「第1実パネル」と称することがある)およびその模擬パネルと、パネル面積xだけが相互に異なる2種類の対向ソース構造の実パネル(以後「第2実パネル」と称することがある)とが、用意された。前記第2実パネルの構造は、図7で説明した対向ソース構造のパネル部31と等しく、該第2実パネルの階調面積比率は0.7であるとする。2種類の第2実パネルの表示領域の対角線の長さは、それぞれ13.3inchおよび15.0inchである。
【0098】
またこれらパネルに入力するべき信号として、第1の実施の形態の実験で説明した5種類の試験信号(以後第1試験信号と称することがある)と、2種類の第2試験信号とが用意された。前記2種類の第2試験信号は、たとえば、液晶のダイナミックレンジが相互に異なる2種類の対向ソース構造のパネル部における黒表示画面時の階調信号に相当する。2種類の各第2試験信号の最大電圧差Vsppは,それぞれ5V,4.5Vである。また2種類の第2試験信号の周波数は、TCO規格のバンドIIとして規定される周波数範囲、すなわち2kHz以上400kHz以下であり、本実施の形態では約25kVであるとする。
【0099】
【表4】
Figure 0003699850
【0100】
表4は、15.0inchおよび13.3inchの第2実パネルに、最大電圧差Vsppが5Vの第2試験信号および最大電圧差Vsppが4.5Vの第2試験信号をそれぞれ入力した状態で測定された漏洩低周波電界と、第1の実施の形態の実験の15.0inchおよび13.3inchの模擬パネルの漏洩低周波電界の測定結果から推測された該状態の第2実パネルの漏洩低周波電界(以後「推測電界」と略称することがある)との関係を示す。或る第2試験信号が入力された状態における或る実パネルの推測電界は、該実パネルの模擬パネルに該第2試験信号と同じ最大電圧差の第1試験信号が入力された状態で測定された該模擬パネルの漏洩低周波電界と、該模擬パネルが模す実パネルの階調電極比率との積である。表4の結果に基づき、前記第2実パネルの推測電界は、該第2実パネルに該第2試験信号を実際に入力した状態の該第2実パネルの漏洩低周波電界に、実験データとして置換えが可能な程度に近似または一致することが分かる。ゆえに本実験では、表3に示す模擬パネルの測定された漏洩低周波電界に基づいて、該模擬パネルが模す第2実パネルの推測電界を求め、該推測電界を該第2実パネルの漏洩低周波電界として用いる。
【0101】
対向ソース構造のパネル部における黒表示画面時の階調信号を第2試験信号として用いるのは、以下の理由からである。本実験で用いられる模擬パネル内の前記試験信号が与えられる部品の形状は、現行構造のパネル部内の共通電極、すなわちいわゆる全面電極と等しい。ゆえに前記模擬パネルにH画面時の階調信号を入力することは困難である。また黒表示画面時およびH画面時の対向ソース構造の実パネルの漏洩低周波電界をそれぞれ測定した結果、黒表示画面時の該実パネルの漏洩低周波電界よりも、H画面時の該実パネルの漏洩低周波電界のほうが若干小さいことが分かっている。この結果、黒表示画面時の対向ソース構造の実パネルの漏洩低周波電界がTCO規格のバンドIIの規定範囲内に収まるならば、H画面時の該実パネルの漏洩低周波電界、すなわちスウェーデン規格SS436 14 90 IEEE1140-1994に基づいて測定された該実パネルの漏洩低周波電界は、該規定範囲内に必ず収まることが分かる。これらの理由に基づき、漏洩低周波電界が最も大きい状況下における対向ソース構造のパネル部の漏洩低周波電界が前記規定範囲に収まる条件を調べるために、前記第2試験信号を用いたのである。
【0102】
【表5】
Figure 0003699850
【0103】
表5は、第2実パネルの階調電極比率が0.70であると仮定した場合、5種類の模擬パネルが模す5種類の第2実パネルの漏洩低周波電界を示す。前記第2実パネルの漏洩低周波電界は、実際には、表3内の該第2実パネルの模擬パネルの測定結果と該第2実パネルの階調電極比率との積、すなわち推測電界である。図9は、前記5種類の各第2実パネルの推測された漏洩低周波電界Eと前記第2試験信号の最大電圧差Vsppとの関係を示すグラフである。なお図9内の5本の近似グラフL11〜L17は、前記第2試験信号の最大電圧差Vsppに対する8.0inch,13.3inch,15.0inch,18.0inch,21.0inchの各第2実パネルの推測電界を示すグラフに相当する。各第2実パネルの近似グラフL11〜L15は、表5に示す該各第2実パネルの推測電界と前記第2試験信号の最大電圧差Vsppとをパラメータとして、最小二乗法を用いて求められた。図9の近似グラフL11〜L15は、以下の式13〜17によって定義される。「E」は漏洩低周波電界であり単位は[V/m]、「Vspp」は最大電圧差であっての単位は[V]である。
【0104】
L11:E=0.1763×Vspp−0.0296 …(13)
L12:E=0.3913×Vspp−0.0973 …(14)
L13:E=0.4599×Vspp−0.1183 …(15)
L14:E=0.5761×Vspp−0.1491 …(16)
L15:E=0.7042×Vspp−0.196 …(17)
また表5の右端の1列は、前記各5種類の第2実パネルの漏洩低周波電界Eが1V/mになる場合の最大電圧差Vspp(以後「境界電圧差」と称することがある)を示す。各第2パネルの境界電圧差は、図9の各第2実パネルの近似グラフL11〜L15と、TCO規格のバンドIIの漏洩低周波電界の基準値と示す基準線L7との交点における該各近似グラフL11〜L15上の漏洩低周波電界に相当し、図9のグラフに基づき求められた。図10は、階調電極比率が0.70でありかつ前記模擬パネルが模す第2実パネルのパネル面積xと、該第2実パネルの境界電圧差との対応関係を示すグラフである。なお図10内の近似グラフL17は、パネル面積の変化に対する境界最大電圧差Vsppの変化を示すグラフに相当する。図10の近似グラフL17は、表5に示す前記各第2実パネルのパネル面積と、該各第2実パネルの境界電圧差とをパラメータとして、最小二乗法を用いて求められた。図10の近似グラフL17は、以下の式18によって定義される。「x」はパネル面積であり単位は[m2 ]、「Vlim」は境界電圧差であり単位は[V]である。
【0105】
L17:Vlim=0.4535×x-0.6433 …(18)
【0106】
【表6】
Figure 0003699850
【0107】
【表7】
Figure 0003699850
【0108】
表6,7は、第2実パネルの階調電極比率が0.80および0.60であると仮定した場合、5種類の模擬パネルが模す5種類の第2実パネルの漏洩低周波電界を示す。前記表6,7の第2実パネルの漏洩低周波電界は、実際には、表3内の該第2実パネルの模擬パネルの測定結果と該第2実パネルの階調電極比率との積、すなわち推測電界である。また表6,7の右端の1列は、前記各5種類の第2実パネルの境界電圧差を示す。階調電極比率が上述のものである場合の境界電圧差の算出手法は、表5で説明した手法と等しい。
【0109】
図11は、階調電極比率が1.00,0.80,0.70,0.60である第2実パネルのパネル面積xと該各第2実パネルの境界電圧差との対応関係を示すグラフである。図11内の近似グラフL7,L17は、図6,図10で示されるものであり、図11内の近似グラフL18,L19は、階調電極比率が0.80,0.60の第2実パネルの前記対応関係を示す。なお図11内の近似グラフL7,L17〜L19は、パネル面積の変化に対する境界電圧差の変化を示すグラフにそれぞれ相当する。近似グラフL18,L19の算出手法は、図10の近似グラフL17の算出手法と比較して、パラメータが表6,7のデータに変更されている点だけが異なり、他は等しい。図11の近似グラフL7,L17〜L19は、以下の式8,18〜20によって定義される。「x」はパネル面積であり単位は[m2 ]、「Vlim」は境界電圧差であり単位は[V]である。
L 7:Vlim=0.3578×x-0.6156 …(8)
L18:Vlim=0.4131×x-0.6341 …(19)
L17:Vlim=0.4535×x-0.6433 …(18)
L19:Vlim=0.5074×x-0.6532 …(20)
表5〜7および図9〜図11に基づき、第2実パネル、すなわち対向ソース構造のパネル部31の漏洩低周波電界は、パネル面積xと階調電極比率yと階調信号の最大電圧差Vsppによって規定されることが分かる。すなわちパネル面積xおよび階調電極比率yが定められているならば、漏洩低周波電界Eは階調信号の最大電圧差Vsppに比例して増加する。階調電極比率yおよび階調信号の最大電圧差Vsppが定められているならば、パネル面積xが増加するほど漏洩低周波電界Eが大きくなる。またパネル面積xが定められているならば、階調電極比率yが増加するほど、境界電圧差が小さくなる。この結果対向ソース構造のパネル部における境界電圧差とパネル面積xとの対応関係は、パネル部31の階調電極比率yに応じて変化することが分かる。
【0110】
【表8】
Figure 0003699850
【0111】
表8は、図11に示す対向ソース構造のパネル部における境界電圧差とパネル面積xとの対応関係を示すグラフの式が式21に示す指数関数であると定義した場合における該式の定数aおよび乗数bと、パネル部の階調電極比率yとの関係を示す。すなわち前記グラフの式は、前述の式8,18〜20である。図12は、前記場合における定数aおよび乗数bの階調電極比率yの依存性を示すグラフである。なお図12内の近似グラフL21,L22は、階調電極比率yの変化に対する前記式の定数aおよび該式の乗数bの変化を示すグラフに相当する。図12の近似グラフL21,L22は、表8に示す前記各第2実パネルの階調電極比率yと、該各第2実パネルの前記式の定数aおよび乗数yをパラメータとして、最小二乗法を用いて求められた。図12の近似グラフL21,L22は、以下の式22,23によって定義される。
【0112】
Vlim=a×x-b …(21)
L21:a=0.3565×y-0.6829 …(22)
L22:b=−0.0937y+0.7091 …(23)
前述したように、対向ソース構造のパネル部31からの漏洩低周波電界の主要因は階調信号であり、全列電極37の面積が大きいほど漏洩低周波電界が増大することが分かっている。またパネル面積xと階調電極比率yとが規定されている場合、階調信号の最大電圧差Vsppが小さいほど、該パネル部の漏洩低周波電界が小さくなることが分かっている。ゆえにパネル部31が対向ソース構造のものであり該パネル31のパネル面積xおよび階調電極比率yが決定されたならば、該パネル面積xおよび比率yと式21〜23とによって、該パネル部31の漏洩低周波電界がTCO規格のバンドIIの基準値となる場合の最大電圧差Vsppが規定される。この結果、パネル部31の列電極37に供給される階調信号の最大電圧差Vsppが規定された前記場合の最大電圧差Vspp以下であるならば、該パネル部31からの漏洩低周波電界はTCO規格のバンドIIの基準値以下に確実に抑制される。ゆえに前記階調信号の最大電圧差Vbppの上限電圧差VMAX2は、式9〜12で規定されるのである。以上が実験説明である。
【0113】
図7で説明したように、対向ソース構造のパネル部31は、主基板11の一方面19上に配置される2種類の信号線、すなわち走査信号線13と基準信号線17とが、該一方面上で相互に交差しないので、現行構造のパネル部よりも主基板部33の構造が簡単になる。また上記2種類の信号線13,17が配置される基板と階調信号線14が配置される基板とが相互に異なるので、該2種類の信号線13,17の形成工程と、階調信号線14,すなわち列電極37の形成工程とが、それぞれ独立した工程になり、かつこれら2つの形成工程が連続して行われない。この結果これら信号線13,14,17の断線不良の発生回数が、現行構造のパネル部におけるこれら信号線13,14,17の断線不良の発生回数よりも、格段に減少する。この結果対向ソース構造のパネル部31の製造コストが現行構造のパネル部よりも低減され、かつパネル部の製造後の信頼性が向上する。
【0114】
また図7の対向ソース構造のパネル部31は、パネル部31の2つの基板部のうちの表示面21に近いほうの基板部内の電気信号が供給される部品の面積の総和が、図1の現行構造のパネル部1内の該部品の面積の総和よりも狭い。すなわち図7の対向ソース構造のパネル部31内の全列電極37の面積の総和が、図1の現行構造のパネル部1の共通電極24の面積よりも狭い。前述したように、パネル部内の前記表示面21に近いほうの基板部内の電気信号が与えられる部品の面積が大きいほど、該パネル部からの漏洩低周波電磁界が増加する。これらの理由に基づき、たとえば図7の対向ソース構造のパネル部31の漏洩低周波電界は、図1の現行構造のパネル部1の漏洩低周波電界の60%以上80%以下に、低減されている。
【0115】
また上述したように、前記階調信号の最大電圧差Vsppが、式9〜式12によって規定される許容範囲内の値である場合、本実施の形態の対向ソース構造のパネル部31からの漏洩低周波電界が、TCO規格の基準範囲内に確実に収まる。上述した本実施の形態のパネル部31の構造は、従来技術の対向ソース構造のパネル部と等しい。ゆえに本実施の形態の液晶表示装置は、前記階調信号の最大電圧差Vsppを調整するだけで、パネル31の構造を変えることなく、パネル部31からの漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の基準値以下に確実に抑制することができる。また階調信号の最大電圧差の上限電圧差VMAX2は、パネル面積xと階調電極比率yとをパラメータにしているので、パネル部31の大きさおよび列電極37の形状の変化に拘わらず、常に容易に上限電極VMAX2を得ることができるため、階調信号の調整が容易である。
【0116】
またパネル部31の構造が従来技術の対向ソース構造のパネル部と等しいので、従来技術のパネル部の構造および製造工程と比較して、漏洩低周波電界の抑制のためにパネル部31の構造および該パネル部31の製造工程を変える必要がない。ゆえに第2の実施の形態の液晶表示装置は、第1液晶表示装置と同じ理由に基づき、パネル部31からの漏洩低周波電界を極めて容易に抑制することができ、かつ、漏洩低周波電界の低減処置に起因する製造コストの増加、パネル部1の透過率の低下、および歩留りの悪化が、防止される。
【0117】
本発明の前提となる液晶表示装置(以後「第3液晶表示装置」と称することがある)について、以下に説明する。第3液晶表示装置の構成は、第2の実施の形態の液晶表示装置(以後「第2液晶表示装置」と称することがある)と比較して、以下に説明する点だけが異なり、他は等しい。なお前記第3液晶表示装置内の部品のうち、前記第2液晶表示装置内の部品と等しいものは、該第1液晶表示装置内の部品と同じ参照符を用いて示し、詳細な説明は省略することがある。
【0118】
前記第3液晶表示装置は、対向ソース構造のパネル部と駆動部とを含む。第3液晶表示装置のパネル部の構成は、第2液晶表示装置のパネル部31の構成と比較して、該パネル内の液晶のダイナミックレンジVdynが後述の許容範囲内になるように設計されている点が異なり、他は等しい。第3液晶表示装置の駆動部の挙動は、第2液晶表示装置の駆動部の挙動と比較して、階調信号の最大電圧差Vsppが上述の液晶のダイナミックレンジVdynに基づいて設定されている点が異なり、他は等しい。
【0119】
第3液晶表示装置のパネル部の液晶のダイナミックレンジVdynは、該パネル部からの漏洩低周波電界をTCO規格のバンドIIの許容範囲内に収めるために、以下の式24〜式26で規定される対向ソース構造の上限電圧差VMAX3以下であり、かつ該ダイナミックレンジVdynとして許容される最小の電圧差以上に設定される。前記最小の電圧差は、たとえば、0Vに極めて近くかつ0Vよりも大きい値である。ゆえに液晶のダイナミックレンジVdynの許容範囲は、式27で示すように、上限電圧差VMAX3以下であり、かつ0Vよりも大きい。液晶のダイナミックレンジVdynの上限電圧差VMAX3の規定式24〜26は、第2の実施の形態で説明した階調信号の最大電圧差Vsppの上限電圧差VMAX2の規定式9〜11で規定されると同じ考え方で求められる。
【0120】
VMAX3=a×x-b …(24)
a=0.3565×y-0.6829 …(25)
b=−0.0937y+0.7091 …(26)
0<Vdyn≦VMAX3 …(27)
前記階調信号の最大電圧差Vsppの代わりにパネル部31の液晶のダイナミックレンジVdynを式24〜式27に示すように制限するのは、以下の理由からである。前記階調信号の最大電圧差Vsppは、前記液晶のダイナミックレンジVdynに依存する値である。液晶のダイナミックレンジVdynは、黒表示電圧値と白表示電圧値との差分である。黒表示および白表示電圧値は、任意の画素が黒表示状態および白表示状態である場合の画素の表示電圧であり、黒表示状態の画素の透過率は0%であり、白表示状態の画素の透過率は100%である。前記黒表示電圧値は、前記液晶表示装置の画素の透過率−電圧特性に基づき、画素の透過率が確実に0%になる電圧値に選ばれ、前記白表示電圧値は、該特性に基づき、画素の透過率が確実に100%になる電圧値に選ばれる。画素の透過率−電圧特性は、画素の構成および画素内の液晶の構成に基づいて決定される。
【0121】
図13は、本発明の前提となる液晶表示装置がいわゆるノーマリホワイト(Normaly White)表示の場合における、該装置内のパネル部内の画素の透過率−電圧特性を示すグラフである。前記画素の透過率−電圧特性は、前記パネル部内の該画素の表示電圧と、該画素内の液晶層の透過率との関係を示すものである。前記画素の表示電圧は、該画素内の画素電極5と該画素電極に対向する列電極37の対向電極6との間の電圧である。前記場合、画素の表示電圧が0V以上でかつ予め定める第1の閾電圧未満の第1電圧範囲内の値である間、画素の透過率は該表示電圧に拘わらずほぼ100%である。前記場合、前記第1の閾電圧以上でかつ予め定める第2の閾電圧未満の第2電圧範囲において、画素の表示電圧が増加するほど画素の透過率は減少する。さらに前記場合、画素の表示電圧が前記第2の閾電圧以上の第3電圧範囲内の値であるならば、画素の透過率は該表示電圧に拘わらずほぼ0%である。
【0122】
ゆえに前記場合、黒表示電圧値は前記第1電圧範囲内の値に設定され、白表示電圧値は前記第3電圧範囲内の値に設定される。この結果前記液晶表示装置がノーマリホワイト表示の場合、黒表示電圧値は白表示電圧値よりも高い。このように設定された黒表示電圧値および白表示電圧値の差分が、液晶のダイナミックレンジである。前記液晶表示装置がいわゆるノーマリブラック表示の場合、液晶のダイナミックレンジVdynは、該装置がノーマリブラック表示の場合のパネル部内の画素の透過率−電圧特性に基づき、該装置がノーマリホワイト表示の場合と同じ考え方に従って決定される。
【0123】
任意の画素3の表示電圧は、前記階調信号の電圧と前記基準信号の電圧との差差分である。ゆえに前記基準信号が予め定められているならば、前記階調信号の任意の時点の電圧は、前記任意の画素3が該時点で取るべき透過率と、該時点の該基準信号の電圧と、前記液晶のダイナミックレンジとに基づき、該階調信号の該時点の電圧と該基準信号の該時点の電圧との差分が、該透過率と前記液晶のダイナミックレンジとによって規定される表示電圧になるように、設定される。ゆえに液晶のダイナミックレンジVdynが小さいほど、前記階調信号の最大電圧差Vsppが小さくなる。ゆえに液晶のダイナミックレンジが前記式24〜27で規定される許容範囲内の値であれば、前記階調信号の最大電圧差Vsppも該許容範囲内の値になる。ゆえに前記液晶のダイナミックレンジが上述の範囲の値であることが好ましいのである。
【0124】
図14は、本発明の第の実施の形態である液晶表示装置内のパネル部41の概略構造を示す斜視図である。図15は、図14のパネル部41の具体的構造を示す斜視図である。図14と図15とを合わせて説明する。第の実施の形態の液晶表示装置(以後「第4液晶表示装置」と称することがある)の構成は、第2の実施の形態の液晶表示装置(以後「第2液晶表示装置」と称することがある)と比較して、以下に説明する点だけが異なり、他は等しい。なお前記第4液晶表示装置内の部品のうち、前記第2液晶表示装置内の部品と等しいものは、該第2液晶表示装置内の部品と同じ参照符を用いて示し、詳細な説明は省略することがある。
【0125】
パネル部41は、基本的には少なくとも1つの画素3を含み、本実施の形態では複数の画素3を含むものとする。本実施の形態のパネル部41は、スイッチング素子として3端子能動素子を用いたアクティブマトリクス型のパネル部であり、対向ソース構造になっている。なお本実施の形態では3端子能動素子としてTFTが用いられる。パネル部41は、概略的には、主基板部33と対向基板部42と液晶部とに区分される主基板部33と前記液晶部とは、第2液晶表示装置の主基板部33および液晶部と等しい。なお図14,15において、対向基板部42の一部分が切欠かれており、かつ液晶部および両基板部33,42の配向膜が省略されている。
【0126】
対向基板部42は、基本的には、全画素3の対向電極6、少なくとも1本の階調信号線14、対向基板12、および配向膜を含む。本実施の形態では、階調信号線14は複数あるとする。全対向電極6および全階調信号線14は、対向基板12の一方面20上に、第2の実施の形態と同様に配置される。対向基板部42の配向膜は、第1の実施の形態の対向基板部の配向膜と等しい。また各階調信号線14と該信号線14に接続される対向電極6とが一体化されて、階調信号線14と同数の列電極44になっている。全列電極44の配列は、第2の実施の形態の列電極37の配列と等しい。各列電極44内の各画素電極5に対向する部分が、該各画素電極5を含む画素内の対向電極6に相当する。各列電極37内の前記部分を「対向電極6」と称することがある。列電極44は、走査信号線13および基準信号線17から見て、ねじれの位置にある。
【0127】
各列電極44は、略帯状の導電体の薄膜片である。列電極44内の前記液晶部を介して走査信号線13の一部分と対向する部分(以後「走査線対向部」と称することがある)47、および列電極44内の前記液晶層を介して基準信号線17の一部分と対向する部分(以後「基準線対向部」と称することがある)48のうちの少なくとも一方部分の単位長さ当たりの平均面積は、該列電極44内の該一方部分以外の残余の部分の単位長さ当たりの平均面積よりも、小さい。列電極44の具体的形状は、後述する。
【0128】
また前記液晶部がネマティック液晶で形成され、かつパネル部1がTN型またはSTN型である場合、パネル部31は2枚の偏向板をさらに備える。前記2枚の偏向板の配置は、第1の実施の形態の2枚の偏向板の配置と等しい。さらに前記液晶表示装置がカラー画像を表示可能である場合、主基板11または対向基板12上に、カラーフィルタがさらに設けられる。さらにまた主基板部33は、画素3の数と同数の付加容量部18をさらに含んでもよい。主基板11、対向基板12、画素電極5、対向電極6、3種類の各信号線13,14,17、TFT15、および2枚の配向膜の光学的性質は、第1の実施の形態と等しい。また対向電極6と階調信号線14とが一体化されているならば、列電極44は、パネル部31が反射型および透過型のどちらであっても透光性を有する。パネル31が透過型および反射型である場合、光源および反射板の配置は、第1の実施の形態と等しい。以上が対向ソース構造のパネル部41の構造説明である。
【0129】
列電極44の具体的な構造を、以下に説明する。前述したように、列電極44内の前記走査線対向部47および基準線対向部48のうちの少なくとも一方部分の単位長さ当たりの平均面積は、該列電極44内の該一方部分以外の残余の部分の単位長さ当たりの平均面積、たとえば該列電極44内の対向電極6の単位長さ当たりの平均面積よりも、小さい。このために列電極44は、該列電極内の対向電極6と同じ幅の帯状の導電性の膜片から、該膜片内の走査信号線13と対向する位置および該膜片内の基準信号線17の一部分と対向する位置のうちの少なくとも一方にある部分が除去された形状になっている。列電極44内の除去された部分を、欠落部49と称することがある。列電極44に欠落部49が設けられる場合、列電極44の面積は、従来技術の対向ソース構造のパネル部、すなわち列電極が帯状で欠落部49のないパネル部内の列電極の面積よりも、減少している。この結果本実施の形態のパネル部41は、漏洩低周波電界を、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減することができる。
【0130】
列電極44は、欠落部49が、少なくとも基準線対向部48に設けられていることが好ましい。図16〜図18は、本発明の前提となる構成を示し、列電極44内の基準線対向部48の単位長さ当たりの平均面積だけが該列電極44内の前記残余の部分の単位長さ当たりの平均面積よりも小さい場合、列電極44の具体的な構造を説明するためのパネル部41の拡大部分平面図である。なお図16〜図18は、パネル部41内の隣合う2つの画素を拡大して示すものであり、かつ前記液晶部、主基板11、対向基板12,および偏向板は省略している。前記場合、列電極44は、たとえば図16,17に示すように、基準線対向部48でくびれた構造であってもよく、図18に示すように、該基準線対向部48に穴があいている構造でもよい。基準線対向部48がくびれている場合、具体的には、図16に示すように、基準線対向部48内の該列電極の幅方向の一方端部が切欠かれていてもよく、図17に示すように、基準線対向部48内の該列電極の幅方向の両端部がそれぞれ切欠かれていてもよい。
【0131】
列電極44が図16〜図18の構造である場合、本実施の形態のパネル部41内の基準信号線17と対向する電気的遮蔽物が、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも減少している。この結果本実施の形態のパネル部41における基準信号線17に与えられる基準信号に起因する低周波電界のキャンセル効果が、従来技術の対向ソース構造のパネル部における基準信号の低周波電界のキャンセル効果よりも、増大する。これによって本実施の形態のパネル部41の漏洩低周波電界は、従来技術の対向ソース構造のパネル部を含む液晶表示装置の漏洩低周波電界よりも、さらに低減する。
【0132】
さらにまた列電極44が図16〜図18の構造である場合、本実施の形態のパネル部41の列電極44の基準線対向部48の面積が、従来技術の対向ソース構造のパネル部の基準線対向部の面積よりも減少している。この結果本実施の形態のパネル部41内の基準線交差部のクロス容量が、従来技術の対向ソース構造のパネル部内の基準線交差部のクロス容量よりも、減少する。基準線交差部とは、パネル部内の基準信号線17と列電極44とが前記液晶部を介して対向している部分を指す。前記クロス容量は、列電極44および基準信号線17の両方に影響する容量であり、列電極44および基準信号線17に与えられる信号の遅延の原因になる。本実施の形態のパネル部41は、前記クロス容量が減少されているので、前記階調信号および基準信号の信号遅延を、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減させることができる。これによって本実施の形態の液晶表示装置は、従来技術の対向ソース構造のパネル部を含む液晶表示装置よりも、表示品位を向上させることができる。
【0133】
図19〜図21は、列電極44内の走査線対向部47および基準線対向部48の単位長さ当たりの平均面積が該列電極44内の前記残余の部分の単位長さ当たりの平均面積よりも小さい場合、列電極44の具体的な構造を説明するためのパネル部41の拡大部分平面図である。なお図19〜図21は、パネル部41内の隣合う2つの画素を拡大して示すものであり、かつ前記液晶部、前記主基板、対向基板38,および偏向板は省略している。前記場合、列電極44は、たとえば図19,20に示すように、前記2つの対向部47,48でくびれた構造であってもよく、図21に示すように、該2つの対向部47,48に孔があいている構造でもよい。前記2つの対向部47,48がくびれている場合、具体的には、図19に示すように、該対向部47,48内の該列電極の幅方向の一方端部が切欠かれていてもよく、図20に示すように、該対向部47,48内の該列電極の幅方向の両端部がそれぞれ切欠かれていてもよい。
【0134】
このように走査線対向部47および基準線対向部48の両方に欠落部49が設けられる場合、列電極の面積は図16〜図18の構造の列電極よりもさらに減少する。この結果列電極44が図19〜図21の構造である場合、本実施の形態のパネル部41の漏洩低周波電界を、さらに低減させることができる。また前記場合、本実施の形態のパネル部41内の基準線交差部のクロス容量だけでなく、該パネル部41内の走査線交差部のクロス容量が、従来技術の対向ソース構造のパネル部内の走査線交差部のクロス容量よりも、減少する。走査線交差部とは、パネル部内の走査信号線13と列電極44とが前記液晶部を介して対向している部分を指す。この結果本実施の形態のパネル部41は、前記階調信号および基準信号だけでなく走査信号の信号遅延を、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減させることができる。これによって前記場合、本実施の形態の液晶表示装置の表示品位がさらに向上する。
【0135】
図18,21で示すように、走査線対向部47および基準線対向部48のうちの少なくとも一方対向部内の欠落部49が孔である場合、該一方対向部の両側にある2つの対向電極6が、列電極44内に残る複数の部分を介して接続される。この結果前記複数の部分のうちのいずれかが断線した場合、残余の部分によって2つの対向電極が電気的に接続される。すなわち前記場合、列電極44が走査線対向部47および基準線対向部48で断線しにくくなるので、好ましい。さらにまた図18,21で示すように、欠落部49として穴が設けられる場合、穴は1つに限らず、複数形成されていてもよい。さらに1カ所の対向部内の欠落部49として、端部の切欠きと少なくとも1つの穴とが共に設けられても良い。さらにまた図16〜図21で示す欠落部49は矩形であるが、欠落部49の形状は矩形に限らず他の形状、たとえば多角形、円形、または楕円形でもよい。
【0136】
また列電極44の構造は、図16〜図21の構造に限らず、他の構造、たとえば欠落部49が走査線向部47だけに設けられる構造でも良い。この場合、少なくとも列電極44の面積が従来技術の対向ソース構造のパネル部内の列電極の面積よりも減少するので、本実施の形態のパネル部41の漏洩低周波電界が、従来技術の対向ソース構造のパネル部よりも低減する。なお図19〜図21の例では、列電極44の欠落部49は、2つの対向部47,48だけでなく、これら対向部47,48の間の部分にわたっているが、これに限らず、2つの対向部47,48それぞれに欠落部49が設けられても良い。列電極44の欠落部49が図19〜図21に示す構造になっている場合、2つの対向部47,48それぞれに欠落部49が設けられる場合よりも、列電極44の面積が減少する。ゆえに前者の場合のほうが後者の場合よりも漏洩低周波電界が低減されるので、好ましい。以上が列電極44の構造説明である。
【0137】
前記第4液晶表示装置は、パネル部41の他に、該パネル部を駆動するための駆動部をさらに含む。前記駆動部の動作は、第2液晶表示装置の駆動部と等しい。またパネル部41に階調信号の最大電圧差Vsppは、従来技術の対向ソース構造の液晶表示装置における該階調信号の電圧差と等しくてもよく、式9〜12で規定された許容範囲内の値であってもよい。階調信号の最大電圧差Vsppが前記許容範囲内の値である場合、上述した列電極44の形状に起因する効果に加えて、第2の実施の形態で説明した効果が得られるので、漏洩低周波電界をさらに効果的に低減させることができ、かつ第4液晶表示装置の表示品位をさらに向上させることができる。またパネル部41の液晶のダイナミックレンジVdynは、従来技術の対向ソース構造の液晶表示装置におけるダイナミックレンジと等しくてもよく、式24〜27で規定された許容範囲内の値であってもよい。ダイナミックレンジVdynが前記許容範囲内の値である場合、上述した列電極44の形状に起因する効果に加えて、図13の構成で説明した効果が得られるので、漏洩低周波電界をさらに効果的に低減させることができ、かつ第4液晶表示装置の表示品位をさらに向上させることができる。
【0138】
第1〜第の実施の形態の液晶表示装置は、本発明の表示装置の例示であり、主要な構成が等しければ、他の様々な形で実施することができる。たとえばパネル部内の部品の詳細な構成、たとえば形状および配置は、該部品の特徴が等しければ、上述の構成に限らず他の構成によって実現されてもよい。またたとえば前記液晶表示装置内の画素3の液晶層を、画素3内の2つの電極5,6間の電圧に応じて表示に拘わる状態が変化する表示媒体、たとえばEL発光層に置換えても良い。EL発光層は、前記電圧に応じてEL発光の光量を変化させる。この結果前記表示媒体を用いかつライン駆動方式で駆動される本発明の表示装置は、従来技術の表示装置よりも、漏洩低周波電界を低減させることができる。さらにまたたとえばTFTで実現される3端子能動素子の代わりに、2端子能動素子、たとえばMIM素子が用いられても良い。
【0139】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、表示装置は、複数の画素電極が表示媒体層を介して単一の共通電極と対向する構成のパネル部を有し、かつ該共通電極に与えられる基準信号の電圧差Vbppが0.3578×x-0.6156(xは共通電極の面積[m2 ])[V]でかつ0V以上の範囲内の値に制限されている。これによって前記表示装置は、前記基準信号の電圧差Vbppを調整するだけで、前記パネル部からの基準信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。
また、前記表示装置のパネル部は、アクティブマトリクス型のパネル部になっている。したがって前記表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用するのに適している。
【0140】
さらにまた表示装置は、複数の画素電極が表示媒体層を介して少なくとも1つの対向電極とそれぞれ対向する構成のパネル部を有し、かつ該各対向電極に与えられる階調信号の電圧差Vsppがa×x-b[V]{a= 0.3565×y-0.6829,b=−0.0937y+0.7091,xは表示領域の面積、yは表示領域の面積に対する全対向電極の面積の比率}以下でかつ0Vより大きい範囲内の値に制限されている。
前記表示装置のパネル部は、マトリクス型のパネル部になっている。したがって前記表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用するのに適している。
れによって前記表示装置は、前記階調信号の電圧差Vsppを規定するためのパネル部の構成を調整するだけで、前記パネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界を、前記TCO規格の漏洩低周波電界の上限基準値以下に確実に抑制することができる。
【0141】
また前記パネル部内の複数本の各階調信号線と該各階調信号線に接続された複数の対向電極とは一体化されて、導電体部を形成しており、該導電体部内の基準信号線と対向する第1部分の単位長さ当たりの面積は、該導電体部の該第1部分以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さい。この結果前記表示装置のパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界がさらに低減され、かつ該パネル部の表示品位が向上される。
らにまた前記導電体部内の走査信号線と対向する第2部分の単位長さ当たりの面積は、該導電体部内の該第2部分以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さい。この結果前記表示装置のパネル部からの階調信号に起因する漏洩低周波電界がさらに低減される。
らにまた前記導電体部は略帯状であり、導電体部内の前記第1部分には穴が設けられている。この結果前記導電体部が断線しにくくなる。
らにまた導電体部内の前記第2部分には穴が設けられている。この結果前記導電体部が断線しにくくなる。
【0142】
記表示装置のパネル部は、対向ソース構造のアクティブマトリクス型のパネル部になっている。この結果前記表示装置は、情報機器の画像の表示装置として使用するのにさらに適している。
【0143】
また以上のように発明によれば、前記表示装置の前記表示媒体層は、液晶から形成されている。この結果前記液晶表示装置は、前記パネル部が薄型、軽量でかつ消費電力が低減され、さらにパネル部からの漏洩低周波電界をTCO規格の上限基準値以下に低減させることができる。したがって前記表示装置は、情報機器の表示装置として用いるのにさらに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である液晶表示装置内のパネル部1の等価回路図である。
【図2】第1の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部1の具体的構成構成を示す部分拡大斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の液晶表示装置におけるライン反転駆動時の基準信号、ドット反転駆動時の基準信号、走査信号、および階調信号の波形図である。
【図4】パネル部1の漏洩低周波電界を測定するための実験設備を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部1における基準信号の最大電圧差Vbppと漏洩低周波電界との関係を示すグラフである。
【図6】第1の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部1におけるパネル面積xと基準信号の最大電圧差Vbppとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態である液晶表示装置内のパネル部31の概略構成を示す部分拡大斜視図である。
【図8】第2の実施の形態の液晶表示装置における基準信号、走査信号、および階調信号の波形図である。
【図9】階調電極比率yが0.70の場合の第2の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部31における階調信号の最大電圧差Vsppと漏洩低周波電界との関係を示すグラフである。
【図10】階調電極比率yが0.70の場合の第2の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部31におけるパネル面積xと階調信号の最大電圧差Vsppとの関係を示すグラフである。
【図11】階調電極比率yが1.00,0.80,0.70,0.60の場合の第2の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部31におけるパネル面積xと階調信号の最大電圧差Vsppとの関係を示すグラフである。
【図12】漏洩低周波電界がTCO規格の基準値と等しい状況下の対向ソース構造のパネル部の階調信号の最大電圧差Vsppとパネル面積xとの関係式がax-bである場合における階調電界比率と前記関係式の定数aおよび乗数bとの関係を示すグラフである。
【図13】 本発明の前提となる液晶表示装置内のパネル部における画素の電圧−透過率特性のグラフである。
【図14】 本発明の第の実施の形態である液晶表示装置内のパネル部41の概略構成を示す部分拡大斜視図である。
【図15】 第の実施の形態の液晶表示装置内のパネル部41の具体的構成を示す部分拡大斜視図である。
【図16】 ネル部41内にある列電極44の本発明の前提となる第1の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【図17】 ネル部41内にある列電極44の本発明の前提となる第2の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【図18】 ネル部41内にある列電極44の本発明の前提となる第3の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【図19】 第の実施の形態のパネル部41内にある列電極44の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【図20】 第の実施の形態のパネル部41内にある列電極44の他の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【図21】 第の実施の形態のパネル部41内にある列電極44のさらに他の具体的形状を示す拡大部分平面図である。
【符号の説明】
3 画素
5 画素電極
6 対向電極
11 主基板
12 対向基板
13 走査信号線
14 階調信号線
15 TFT
17 基準信号線
37,44 列電極

Claims (5)

  1. (a)一方基板(11)の予め定める基準平面内に並ぶ複数の画素電極(5)、表示に拘わる状態が電界に応じて変化する表示媒体からなる表示媒体層、および該表示媒体層を挟んで該全画素電極と対向し、他方基板(12)で表示面(21)に近いほうに配置される単一の共通電極(24)を含むパネル部と、
    (b)前記各画素電極(5)と前記共通電極との間にある前記表示媒体の状態を制御するための電界を規定するために、時間経過に伴って電圧が変化する階調信号を、前記全ての各画素電極にそれぞれ与え、
    階調信号は、直流成分の階調信号用基準電圧VDsに、予め定める周期でかつ矩形波形の階調信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
    階調信号用交流成分の振幅は、予め定める最大電圧差Vsppの半分の値以下の電圧範囲で時間経過に伴い変動する階調信号供給手段と、
    (c)前記時間経過に伴って予め定める変化パターンで電圧が変化可能な基準信号を、前記共通電極(24)に与え、
    基準信号は、直流成分の基準信号用基準電圧VDbに、階調信号と同じ周期および予め定める振幅を有する基準信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
    前記基準信号の最大電圧と該基準信号の最小電圧との差分Vbppが、前記共通電極の面積x[m2]に基づいて定められる第1上限電圧差VMAX1
    VMAX1=0.3578×x-0.6156[V]
    以下であり、
    基準信号の位相は、階調信号の位相の逆位相になっている基準信号供給手段とを含み、
    (d)前記パネル部は、
    前記他方基板(12)には、
    前記基準信号供給手段と前記共通電極(24)との間に介在される基準信号線(17)が形成され、
    前記一方基板(11)には、
    前記階調信号供給手段と前記画素電極(5)との間にそれぞれ介在される複数の階調信号線(14)と、
    前記階調信号線(14)と前記画素電極(5)との間にそれぞれ介在される複数のス
    イッチング素子と、
    前記各スイッチング素子の開閉状態を制御するための走査信号を、該スイッチング素子にそれぞれ供給するための複数の走査信号線(13)とが形成されて構成され、
    (e)走査信号線(13)に走査信号を与え、この走査信号は、基準信号の周期の整数倍の周期および基準信号の周期の半分の幅の矩形波形を有し、スイッチング素子を駆動するパルス信号である走査信号供給手段をさらに含むことを特徴とする表示装置。
  2. (a)一方基板(11)の予め定める基準平面内に並ぶ複数の画素電極(5)、表示に拘わる状態が電界に応じて変化する表示媒体からなる表示媒体層、および前記表示媒体層を介して前記画素電極(5)とそれぞれ対向し、他方基板(12)で表示面(21)に近いほうに配置される複数の対向電極(6)を含むパネル部と、
    (b)時間経過に伴って予め定める変化パターンで電圧が変化する基準信号を、前記全ての画素電極に供給し、
    基準信号は、基準信号用直流成分の基準電圧VDbに、予め定める周期および予め定める振幅を有する基準信号用交流成分が重畳された脈動信号である基準信号供給手段と、
    (c)相互に対向する前記各画素電極(5)および各対向電極(6)間にある前記表示媒体の状態を制御するための電界をそれぞれ規定させるために、時間経過に伴って電圧が変化する階調信号を、該各対向電極(6)にそれぞれ与え、
    階調信号は、階調信号用直流成分の基準電圧VDsに、基準信号と同じ周期でかつ矩形波形の階調信号用交流成分が重畳された脈動信号であり、
    階調信号用交流成分の振幅は、予め定める最大電圧差Vsppの半分の値以下の電圧範囲で時間経過に伴って変動し、
    前記階調信号の最大電圧と該階調信号の最小電圧との差分Vsppが、前記全ての画素電極が配置され得る予め定める表示領域の面積x[m2]および該表示領域の面積xに対する前記全対向電極の面積の割合yに基づいて定められる第2上限電圧差VMAX2
    VMAX2=a×x-b[V]
    a= 0.3565×y-0.6829
    b=−0.0937y+0.7091
    以下であり、
    基準信号の位相は、階調信号の位相の逆位相になっている階調信号供給手段とを含み、
    (d)前記パネル部は、
    前記他方基板には、
    前記階調信号供給手段と複数の前記対向電極(6)との間にそれぞれ介在される複数本の階調信号線(14)が形成され、
    前記一方基板には、
    前記基準信号供給手段と複数の前記画素電極との間にそれぞれ介在される複数の基準信号線(17)と、
    前記基準信号線(17)と前記複数の画素電極(5)との間にそれぞれ介在される複数のスイッチング素子(15)と、
    前記複数の各スイッチング素子の開閉状態の制御のための走査信号を、該スイッチング素子に供給し、基準信号線(17)とは交差しない複数の走査信号線(13)とが形成されて構成され、
    前記階調信号線(14)は、走査信号線(13)および基準信号線(17)に対してねじれの位置にあり、
    (e)走査信号線(13)に走査信号を与え、この走査信号は、基準信号の周期の整数倍の周期および基準信号の周期の半分の幅の矩形波形を有し、スイッチング素子を駆動するパルス信号である走査信号供給手段をさらに含むことを特徴とする表示装置。
  3. 前記各階調信号線(14)と該各階調信号線に接続された複数の対向電極(6)とは一体化されて、導電体部を形成し、
    前記導電体部内の前記基準信号線(17)と対向する第1部分(48)の単位長さ当たりの面積は、該導電体部の該第1部分(48)以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さく、
    前記導電体部内の前記走査信号線(13)と対向する第2部分(47)の単位長さ当たりの面積は、該導電体部内の該第2部分(47)以外の残余部分の単位長さ当たりの面積よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
  4. 前記導電体部は略帯状であり、かつ該導電体部内の前記第1部分には穴が設けられており、
    該導電体部内の前記第2部分にも穴が設けられていることを特徴とする請求項記載の表示装置。
  5. 請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の表示装置を含み、
    前記表示媒体が液晶であることを特徴とする液晶表示装置。
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