JP3699607B2 - 水田用取水装置 - Google Patents
水田用取水装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3699607B2 JP3699607B2 JP05707699A JP5707699A JP3699607B2 JP 3699607 B2 JP3699607 B2 JP 3699607B2 JP 05707699 A JP05707699 A JP 05707699A JP 5707699 A JP5707699 A JP 5707699A JP 3699607 B2 JP3699607 B2 JP 3699607B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chamber
- water intake
- drive shaft
- water
- drive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水田に取水するために使用される水田用取水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、取水口からの取水を弁を介して給水口から圃場に給水する場合、弁を手動操作により開閉動作していた。
【0003】
特開平2−117328 号公報には、水路に設置する弁ケースと、その弁ケースを開閉し、ばねにより閉鎖方向に付勢力を受ける軸支された弁と、その弁に一端部を固着し、他端部にフックを設けた弁操作アームと、通水時間を設定するつまみを備えたタイマーと、そのタイマーの駆動突起から設定時間に達すると、ロック解除の回転力を受ける受動突起を一端部に設け、他端部にはばねから付勢力を受けてフックに掛かる掛止突起を設けたアームロック軸とを備えることを特徴とする貯水量管理器が記載されている。
【0004】
その他の例として特開平10−327687号公報(水田の水位自動管理用の逆こま弁体)あるいは特開平7−308132 号公報(水田の取水方法)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水田管理において、田水温は、品質,収量に大きな影響を与える。特に寒冷地においてはその影響が大きく、種々の改善が行われている。最も効果的な方法として、日昼は太陽熱による蓄熱を図り、田水温より温度の低い用水路から取水しない。深夜から払暁にかけて、田水温が用水温より低下した時間帯に取水する。水田の水温が最高温度を維持すること重要であるので、水田の水温調節のための取水時間は日中と限られるものではなく、夜間あるいは朝方にも及ぶことがある。このような時間に圃場に出掛け、弁を操作することには多大な労力を必要とする。
【0006】
本発明はかかる点に鑑み、
1)取水のための弁機構を簡略して故障の生じにくい構成とすること
2)駆動部が水の影響あるいは天候の影響がない構成として時刻管理による自動運転の取水に支障が生じないようにすること
を達成することのできる水田用の取水装置を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明は、原則として「開水路」に使用する取水装置を対象としたが、地域事情により採用されている「圧送水路(パイプライン)」にも適用できる取水装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、駆動源はシステム内で発電するものとして外部供給を必要としないようにした取水装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取水装置を一体構造として、一体構造体内を上下2領域に区画し、下部は左右2領域に区画し、弁被駆動部を弁部の設けられる領域とは対向する領域側に集中して設けて弁機構を簡略化して取り扱い易いものとした。階層は、二層配置方式を採用し、駆動部を上層に設けることによって水の影響あるいは天候の影響が少ないものとした。
【0010】
本発明は、水田用用水路の脇に設ける屋外設置とするため耐環境性のあるものとし、システム内で発電する太陽光発電を採用できるものとし、操作電力を容易に得ることができるものとした。
【0011】
また、制御装置は、原則として毎日、定時給水開始,定時給水停止を行うことのできる時刻管理制御部を有するものとし、該制御部は、拡大機能として隔日給水運転を行うことができるものとした。
【0012】
本発明は具体的には、次に掲げる装置を提供する。
【0013】
本発明は、上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と操作ハンドルと被駆動軸とを前記駆動部に対して同じ側に配設した水田用取水装置を提供する。
【0014】
本発明は、上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と、操作ハンドルと、被駆動軸と、弁部との組み合わせ構造は、側面からみてコ字状であり、前記駆動軸、被駆動軸及び弁部が水平動作及び前記操作ハンドルが回転動作を有する水田用取水装置を提供する。
【0015】
本発明は、更に前記操作ハンドルが、駆動軸との連結を解放することによって手動操作される水田用取水装置を提供する。
【0016】
本発明は、更に前記上部室と下部室とに亘って前記操作ハンドルが延在し、操作ハンドルの回動を許容して上部室と下部室との間にシール部を設けた水田用取水装置を提供する。
【0017】
本発明は、動力源の太陽光発電とその電力を蓄電するバッテリと前記駆動部を制御する制御装置とを前記上部室に配設した水田用取水装置を提供する。
【0018】
上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルと、前記給水口への給水開始及び給水停止を制御すると共に給水の時刻管理を行う制御装置とを有する水田用取水装置を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例である構成の側面図、図2はその下部の平面図および図3はその上部の平面図である。これらの図において、取水装置は、箱体1を有し、箱体1は上部室2および下部室3の上下2領域に区画され、下部室3は取水側および給水側の左右2領域に区画される。下部室3はその一方側が取水室4とされ、他方側が給水室5とされ、両者は分離壁45によって区画される。取水室4に連接する取水口6,給水室5に連接する給水口7が箱体1に設けてある。図に示すような突出形とした取水口6,給水口7とすることによって、圧送水路にも連結することができる。
【0021】
分離壁45には開口が形成され、この開口には弁座8が設けられ、これを閉鎖する弁部9が取水室4に設けられる。弁部9が開放された状態を鎖線で示す。
【0022】
弁部9には被駆動軸10が連結され、他方側に操作ハンドル14が回動可能にして連結される。被駆動軸10と操作ハンドル14とは連結点21で連結される。被駆動軸10の一部にスプリング部11が設けられ、この内部にスプリング15が配され、衝撃に対する緩衝作用に加え、弁閉鎖の圧力を与え、またその一部に軸受16が設けられる。
【0023】
操作ハンドル14は上方の上部室2にまで延在し、支点19を中心として回動する。支点19は、箱体1の内部に突出するようにして箱体1に設けられるサポート(図示せず)に設けられる。
【0024】
上部室2の右側領域、すなわち給水側には駆動体としてのモータ12が設置され、該モータ12に駆動軸13が設けられて回転される。駆動軸13はおねじになっているので、この回転はめねじ構造の機構部22に推力を与える。機構部22は、操作ハンドル14に連結点20を介して連結される。この実施例では、モータ12を駆動部とし、駆動軸13,機構部22,操作ハンドル14,被駆動軸10および弁部9を弁被駆動部とする。図に示すように駆動軸13,操作ハンドル14,被駆動軸10および弁部9は側方(側面)からみてコ字状に配設とされるが、操作ハンドル14は、鎖線で示す位置まで支点19を中心として回動することができる。
【0025】
操作ハンドル14のこの回動によって弁部9は開閉動作がなされる。
【0026】
前述のように、上部室2と下部室3とに亘って操作ハンドル14が延在し、操作ハンドル14の回動を許容して上部室2と下部室3との間にシール部が設けられる。
【0027】
図3に示すように、箱体1には三つのマンホール31,32,33が設けられ、修理・点検等のために使用される。
【0028】
図4は制御装置を示し、制御装置は、タイマ36,コンピュータ37,スイッチ38およびバッテリ35を有し、これらは箱体40内に配置される。コンピュータ37は、リレー機能を有し、メモリ入出力装置,演算装置等の通常のコンピュータの有する構成を有し、収納されたプログラムによって毎日、定時給水開始,定時給水停止がなされ、拡大機能として隔日給水運転による時刻管理がなされる。これによって、時刻管理方式の自動運転の取水システムを提供することができる。但し、応急時、手動運転が可能である。すなわち、操作ハンドル14は、モータ12の駆動軸13から切り離すことによって手動操作を行うことができる。
【0029】
図5は、太陽光発電41,制御箱40,取水装置の箱体1の配設および水路51,圃場52に対する配置例を示す。太陽光発電41および制御箱40は、水路51の近くに設けたサポートくい50によって支持される。太陽光発電41で得られた電力はバッテリ35に蓄電され、弁部9の駆動のために使用される。このように、操作電力は、システム内発電方式とされ、外部供給を必要としない。
【0030】
以上のように箱体内配設の一体構造体となし、上部室2と下部室3との上下2領域となし、両者をシール部でシールすることによって区画し、給水側に駆動部および弁被駆動部を配設することができる。この配設によって配置は簡単化され、マンホールの配設が可能となって修理・点検を容易に行うことができ、かつモータ12などの電気品に対する水の影響,天候の影響を少なくすることができると共に、操作制御を楽に行うことができる。
【0031】
図6,図7,図8は他の実施例を示し、それぞれ第1実施例の図1,図2,図3にそれぞれ対応する。第1実施例の構成と同一の部品には同一の数字が付してあり、説明を繰り返さない。
【0032】
第1実施例にあっては制御装置を箱体1と分離して配設したが、第2実施例にあっては制御装置を箱体1内に組み入れた。従って、タイマ36,リレー機能を有するコンピュータ37,スイッチ38およびバッテリ35に図示するようにして箱体1内に配設される。この構成によれば制御箱が不要となって取水システムは、より以上にコンパクト化される。また、太陽光発電41は箱体1の上部に搭載できる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、取水のための弁機構が簡略されて故障が生じにくく、駆動部が水の影響,天候の影響がない配置とされて時刻管理による自動運転の取水を支障なく行いうる構造を提供することができる。
【0034】
従って、日中,夜間を問わず、弁開閉操作を任意に行うことができるようになるから取水の操作を極めて楽に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の概略構成の側面図。
【図2】図1の下部の平面図。
【図3】図1の上部の平面図。
【図4】制御装置の構成図。
【図5】取水システムの配置図。
【図6】他の実施例の概略構成の側面図。
【図7】図6の下部の平面図。
【図8】図6の上部の平面図。
【符号の説明】
1…箱体、2…上部室、3…下部室、4…取水室、5…給水室、6…取水口、7…給水口、8…弁座、9…弁部、10…被駆動軸、11…スプリング部、12…モータ、13…駆動軸、14…操作ハンドル、19…支点、20,21…連結点、35…バッテリ、36…タイマ、37…コンピュータ、38…スイッチ、40…制御箱、41…太陽光発電、45…分離壁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水田に取水するために使用される水田用取水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、取水口からの取水を弁を介して給水口から圃場に給水する場合、弁を手動操作により開閉動作していた。
【0003】
特開平2−117328 号公報には、水路に設置する弁ケースと、その弁ケースを開閉し、ばねにより閉鎖方向に付勢力を受ける軸支された弁と、その弁に一端部を固着し、他端部にフックを設けた弁操作アームと、通水時間を設定するつまみを備えたタイマーと、そのタイマーの駆動突起から設定時間に達すると、ロック解除の回転力を受ける受動突起を一端部に設け、他端部にはばねから付勢力を受けてフックに掛かる掛止突起を設けたアームロック軸とを備えることを特徴とする貯水量管理器が記載されている。
【0004】
その他の例として特開平10−327687号公報(水田の水位自動管理用の逆こま弁体)あるいは特開平7−308132 号公報(水田の取水方法)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水田管理において、田水温は、品質,収量に大きな影響を与える。特に寒冷地においてはその影響が大きく、種々の改善が行われている。最も効果的な方法として、日昼は太陽熱による蓄熱を図り、田水温より温度の低い用水路から取水しない。深夜から払暁にかけて、田水温が用水温より低下した時間帯に取水する。水田の水温が最高温度を維持すること重要であるので、水田の水温調節のための取水時間は日中と限られるものではなく、夜間あるいは朝方にも及ぶことがある。このような時間に圃場に出掛け、弁を操作することには多大な労力を必要とする。
【0006】
本発明はかかる点に鑑み、
1)取水のための弁機構を簡略して故障の生じにくい構成とすること
2)駆動部が水の影響あるいは天候の影響がない構成として時刻管理による自動運転の取水に支障が生じないようにすること
を達成することのできる水田用の取水装置を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明は、原則として「開水路」に使用する取水装置を対象としたが、地域事情により採用されている「圧送水路(パイプライン)」にも適用できる取水装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、駆動源はシステム内で発電するものとして外部供給を必要としないようにした取水装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取水装置を一体構造として、一体構造体内を上下2領域に区画し、下部は左右2領域に区画し、弁被駆動部を弁部の設けられる領域とは対向する領域側に集中して設けて弁機構を簡略化して取り扱い易いものとした。階層は、二層配置方式を採用し、駆動部を上層に設けることによって水の影響あるいは天候の影響が少ないものとした。
【0010】
本発明は、水田用用水路の脇に設ける屋外設置とするため耐環境性のあるものとし、システム内で発電する太陽光発電を採用できるものとし、操作電力を容易に得ることができるものとした。
【0011】
また、制御装置は、原則として毎日、定時給水開始,定時給水停止を行うことのできる時刻管理制御部を有するものとし、該制御部は、拡大機能として隔日給水運転を行うことができるものとした。
【0012】
本発明は具体的には、次に掲げる装置を提供する。
【0013】
本発明は、上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と操作ハンドルと被駆動軸とを前記駆動部に対して同じ側に配設した水田用取水装置を提供する。
【0014】
本発明は、上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と、操作ハンドルと、被駆動軸と、弁部との組み合わせ構造は、側面からみてコ字状であり、前記駆動軸、被駆動軸及び弁部が水平動作及び前記操作ハンドルが回転動作を有する水田用取水装置を提供する。
【0015】
本発明は、更に前記操作ハンドルが、駆動軸との連結を解放することによって手動操作される水田用取水装置を提供する。
【0016】
本発明は、更に前記上部室と下部室とに亘って前記操作ハンドルが延在し、操作ハンドルの回動を許容して上部室と下部室との間にシール部を設けた水田用取水装置を提供する。
【0017】
本発明は、動力源の太陽光発電とその電力を蓄電するバッテリと前記駆動部を制御する制御装置とを前記上部室に配設した水田用取水装置を提供する。
【0018】
上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルと、前記給水口への給水開始及び給水停止を制御すると共に給水の時刻管理を行う制御装置とを有する水田用取水装置を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例である構成の側面図、図2はその下部の平面図および図3はその上部の平面図である。これらの図において、取水装置は、箱体1を有し、箱体1は上部室2および下部室3の上下2領域に区画され、下部室3は取水側および給水側の左右2領域に区画される。下部室3はその一方側が取水室4とされ、他方側が給水室5とされ、両者は分離壁45によって区画される。取水室4に連接する取水口6,給水室5に連接する給水口7が箱体1に設けてある。図に示すような突出形とした取水口6,給水口7とすることによって、圧送水路にも連結することができる。
【0021】
分離壁45には開口が形成され、この開口には弁座8が設けられ、これを閉鎖する弁部9が取水室4に設けられる。弁部9が開放された状態を鎖線で示す。
【0022】
弁部9には被駆動軸10が連結され、他方側に操作ハンドル14が回動可能にして連結される。被駆動軸10と操作ハンドル14とは連結点21で連結される。被駆動軸10の一部にスプリング部11が設けられ、この内部にスプリング15が配され、衝撃に対する緩衝作用に加え、弁閉鎖の圧力を与え、またその一部に軸受16が設けられる。
【0023】
操作ハンドル14は上方の上部室2にまで延在し、支点19を中心として回動する。支点19は、箱体1の内部に突出するようにして箱体1に設けられるサポート(図示せず)に設けられる。
【0024】
上部室2の右側領域、すなわち給水側には駆動体としてのモータ12が設置され、該モータ12に駆動軸13が設けられて回転される。駆動軸13はおねじになっているので、この回転はめねじ構造の機構部22に推力を与える。機構部22は、操作ハンドル14に連結点20を介して連結される。この実施例では、モータ12を駆動部とし、駆動軸13,機構部22,操作ハンドル14,被駆動軸10および弁部9を弁被駆動部とする。図に示すように駆動軸13,操作ハンドル14,被駆動軸10および弁部9は側方(側面)からみてコ字状に配設とされるが、操作ハンドル14は、鎖線で示す位置まで支点19を中心として回動することができる。
【0025】
操作ハンドル14のこの回動によって弁部9は開閉動作がなされる。
【0026】
前述のように、上部室2と下部室3とに亘って操作ハンドル14が延在し、操作ハンドル14の回動を許容して上部室2と下部室3との間にシール部が設けられる。
【0027】
図3に示すように、箱体1には三つのマンホール31,32,33が設けられ、修理・点検等のために使用される。
【0028】
図4は制御装置を示し、制御装置は、タイマ36,コンピュータ37,スイッチ38およびバッテリ35を有し、これらは箱体40内に配置される。コンピュータ37は、リレー機能を有し、メモリ入出力装置,演算装置等の通常のコンピュータの有する構成を有し、収納されたプログラムによって毎日、定時給水開始,定時給水停止がなされ、拡大機能として隔日給水運転による時刻管理がなされる。これによって、時刻管理方式の自動運転の取水システムを提供することができる。但し、応急時、手動運転が可能である。すなわち、操作ハンドル14は、モータ12の駆動軸13から切り離すことによって手動操作を行うことができる。
【0029】
図5は、太陽光発電41,制御箱40,取水装置の箱体1の配設および水路51,圃場52に対する配置例を示す。太陽光発電41および制御箱40は、水路51の近くに設けたサポートくい50によって支持される。太陽光発電41で得られた電力はバッテリ35に蓄電され、弁部9の駆動のために使用される。このように、操作電力は、システム内発電方式とされ、外部供給を必要としない。
【0030】
以上のように箱体内配設の一体構造体となし、上部室2と下部室3との上下2領域となし、両者をシール部でシールすることによって区画し、給水側に駆動部および弁被駆動部を配設することができる。この配設によって配置は簡単化され、マンホールの配設が可能となって修理・点検を容易に行うことができ、かつモータ12などの電気品に対する水の影響,天候の影響を少なくすることができると共に、操作制御を楽に行うことができる。
【0031】
図6,図7,図8は他の実施例を示し、それぞれ第1実施例の図1,図2,図3にそれぞれ対応する。第1実施例の構成と同一の部品には同一の数字が付してあり、説明を繰り返さない。
【0032】
第1実施例にあっては制御装置を箱体1と分離して配設したが、第2実施例にあっては制御装置を箱体1内に組み入れた。従って、タイマ36,リレー機能を有するコンピュータ37,スイッチ38およびバッテリ35に図示するようにして箱体1内に配設される。この構成によれば制御箱が不要となって取水システムは、より以上にコンパクト化される。また、太陽光発電41は箱体1の上部に搭載できる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、取水のための弁機構が簡略されて故障が生じにくく、駆動部が水の影響,天候の影響がない配置とされて時刻管理による自動運転の取水を支障なく行いうる構造を提供することができる。
【0034】
従って、日中,夜間を問わず、弁開閉操作を任意に行うことができるようになるから取水の操作を極めて楽に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の概略構成の側面図。
【図2】図1の下部の平面図。
【図3】図1の上部の平面図。
【図4】制御装置の構成図。
【図5】取水システムの配置図。
【図6】他の実施例の概略構成の側面図。
【図7】図6の下部の平面図。
【図8】図6の上部の平面図。
【符号の説明】
1…箱体、2…上部室、3…下部室、4…取水室、5…給水室、6…取水口、7…給水口、8…弁座、9…弁部、10…被駆動軸、11…スプリング部、12…モータ、13…駆動軸、14…操作ハンドル、19…支点、20,21…連結点、35…バッテリ、36…タイマ、37…コンピュータ、38…スイッチ、40…制御箱、41…太陽光発電、45…分離壁。
Claims (6)
- 上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と操作ハンドルと被駆動軸とを前記駆動部に対して同じ側に配設したことを特徴とする水田用取水装置。
- 上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルとを有し、前記駆動軸と、操作ハンドルと、被駆動軸と、弁部との組み合わせ構造は、側面からみてコ字状であり、前記駆動軸、被駆動軸及び弁部が水平動作及び前記操作ハンドルが回転動作を有することを特徴とする水田用取水装置。
- 請求項1又は2において、前記操作ハンドルは、前記駆動軸との連結を解放することによって手動動作できることを特徴とする水田用取水装置。
- 請求項1から3のいずれかにおいて、前記上部室と下部室とに亘って前記操作ハンドルが延在し、前記操作ハンドルの回動を許容して前記上部室と下部室との間にシール部を設けたことを特徴とする水田用取水装置。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、太陽光発電によって得られる電力を蓄電するバッテリと前記駆動部を制御する制御装置とを前記上部室に配設したことを特徴とする水田用取水装置。
- 上部室及び水流方向に分離壁を介して一方が取水口を有する取水室と他方が給水口を有する給水室との2室構造の下部室を備えた箱体と、前記上部室に設けられた駆動部と、該駆動部からの駆動力を伝達する前記上部室に設けられた駆動軸と、前記分離壁に形成された弁座と、該弁座に組み合わされる弁部と、該弁部に連結された被駆動軸と、該被駆動軸及び前記駆動軸に各々連結されて支点を中心として回動する操作ハンドルと、前記給水口への給水開始及び給水停止を制御すると共に給水の時刻管理を行う制御装置とを有することを特徴とする水田用取水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05707699A JP3699607B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 水田用取水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05707699A JP3699607B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 水田用取水装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000245274A JP2000245274A (ja) | 2000-09-12 |
JP3699607B2 true JP3699607B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
ID=13045385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05707699A Expired - Fee Related JP3699607B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 水田用取水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3699607B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4753035B2 (ja) * | 2006-06-26 | 2011-08-17 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 自己給電型給水量管理システム |
JP6684640B2 (ja) * | 2016-04-22 | 2020-04-22 | 株式会社クボタケミックス | 圃場用電動アクチュエータ |
-
1999
- 1999-03-04 JP JP05707699A patent/JP3699607B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000245274A (ja) | 2000-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6000531B2 (ja) | パノラマサンルーフガラスおよびロールブラインドの同時駆動のための単一モータ構造 | |
GR3032329T3 (en) | Waterwheel | |
GB2443041A (en) | Vehicle door latch device with assisted release | |
JP3699607B2 (ja) | 水田用取水装置 | |
KR101209741B1 (ko) | 연료 전지 차량용 냉각수 온도조절밸브 | |
CN111059299B (zh) | 一种高密度液体管道快速调节阀门 | |
JPH0870716A (ja) | 給水栓自動開閉装置及び給水堰自動開閉装置 | |
WO2012131256A1 (fr) | Systeme de cogeneration d'energie pour vehicule automobile electrique | |
CN201723731U (zh) | 双向无堵转齿轮传动的燃气表专用机电阀 | |
CN214118269U (zh) | 一种火电厂用汽动给水泵启动装置 | |
CN108649681A (zh) | 一种大型集风能和太阳能于一体的发电装置 | |
JPH05106753A (ja) | 発電装置内蔵バルブ | |
JP4141241B2 (ja) | バルブ | |
ITRM970753A1 (it) | Dispositivo di riscaldamento/ventilazione e oppure climatizzazione in particolare per l'abitacolo di un autoveicolo | |
KR200180759Y1 (ko) | 실내온도 조절용 난방밸브 구동장치 | |
KR19980026100U (ko) | 에어밴트 덕트 댐퍼 작동장치 | |
JPS62147245A (ja) | 構造物内の換気の方法 | |
CN219862689U (zh) | 一种农田排水渠智能控制闸 | |
CN218845266U (zh) | 一种无线阀门控制器 | |
JPH05332242A (ja) | 両軸発電機のポンプ水車装置 | |
CN214889196U (zh) | 一种高精度双重密封电动执行器 | |
CN214171352U (zh) | 一种新型双法兰蝶阀 | |
CN2628960Y (zh) | 新型可控管道排空阀 | |
CN2534559Y (zh) | 供热计费控制装置 | |
CN115095425A (zh) | 一种带有防水结构的柴油发电机组 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040412 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050621 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050708 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |