JP3698862B2 - 鉄系焼結材の接合方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種金属材料の接合技術に属し、鉄系焼結材同士、あるいは鉄系焼結材を一方の母材とし、鋼材、鋳鉄のうちいずれかを他方の母材として、アーク溶接する金属材料の接合技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄系焼結材同士を溶接する場合、あるいは鉄系焼結材を一方の母材とし、鋼材、鋳鉄のうちいずれかを他方の母材として溶接する場合に、普通の鋼材同士の溶接と同様に通常の鉄系ワイヤを用いた消耗電極式アーク溶接方法を用いると、溶接温度が高いため鉄系焼結材が溶融する。このとき、鉄系焼結材は多孔質であるため、大きなブローホールが溶接金属内に生じて溶接部の強度を確保できなくなるとともに、割れが発生し、健全な継手が得られない場合がある。そこで、溶加材としてフィラワイヤを継手部に供給することで溶接金属内にブローホールや割れが生じないようにしたレーザ溶接法又はTIG溶接法が多く試みられている。
【0003】
例えば、特願平3−74137号に見られるように、Ni、Cr、Moなどを必須成分として含有するフィラワイヤを供給しながらレーザ溶接する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レーザビーム等の高エネルギ密度ビームあるいはTIGアークに対してフィラワイヤを供給しながら溶接する際には、供給されるフィラワイヤには程度の差こそあれ、巻き癖が残っているため位置ずれを生じ、ビームあるいはアークにフィラワイヤの先端が当たらず、フィラワイヤが溶融されず溶接を中断せざるを得ない状況が発生することがある。また、ビームあるいはアークの入熱量(鉄系焼結材を始めとする母材を溶融するための熱量)とフィラワイヤの供給量が適切でない場合は、ブローホールや割れが発生するため、前記ワイヤの位置ずれの問題と併せて、細かい制御が必要となる。
【0005】
また、接合対象部品の形状によっては、物理的にフィラワイヤが供給できない場合もある。この点では、熱源とフィラワイヤが一体化したかたちの消耗電極式アーク溶接方法、いわゆるMIG溶接方法や、MAG溶接方法では、熱源とフィラワイヤとの位置ずれの問題は生じることはないが、前述のように、従来の方法では母材である鉄系焼結材を溶融することに起因する欠陥の発生は免れない。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、熱源とフィラワイヤが一体化したかたちの、いわゆるMIG溶接を適用することで、熱源とフィラワイヤとの位置ずれの問題を解消するとともに、その使用ワイヤおよび施工条件により溶接欠陥の発生を防止する鉄系焼結材の接合方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
その要旨は、鉄系焼結材同士又は鉄系焼結材と鋼材又は鉄系焼結材と鋳鉄を接合する方法において、銅合金ワイヤを用いたMIG溶接により接合する鉄系焼結材の接合方法である。
【0008】
また、MIG溶接において用いるワイヤの径が 0.6〜1.2mm の範囲である上記の鉄系焼結材の接合方法である。
【0009】
さらに、MIG溶接において用いるワイヤが、Siを 1〜4 質量%、Mnを 0.3〜3 質量%の範囲で含有するSi青銅系である上記の鉄系焼結材の接合方法である。
【0010】
従来の方法において、電子ビーム、レーザビームあるいはTIGアークに対して、特殊な成分のフィラワイヤを供給するのは、鉄系焼結材を溶融することに起因するガス発生や、母材成分の希釈による割れを始めとする欠陥を防止するための対策である。これに対して、本発明によるMIG溶接方法では、ワイヤ組成および溶接施工条件が相まって、溶接時の鉄系焼結材の溶融を極度に抑制できることが特徴である。鉄系焼結材の溶融を抑えることにより、ガス発生および母材成分の希釈が抑制され、溶接欠陥の発生が防止できる。
【0011】
具体的には、銅合金の細径ワイヤを用い、不活性ガスをシールドガスとしたMIG溶接により、比較的低電流条件で溶接することで、アーク熱に対するワイヤの溶融度合いが通常の鉄系ワイヤによるMIG溶接に比べて大きくなる。この効果により、母材、この場合は鉄系焼結材の溶融量が極度に抑制され、いわゆるろう付けのような接合状態が得られる。したがって、鉄系焼結材同士、あるいは鉄系焼結材と鋼材、又は鋳鉄との継手においても、母材組成に影響されることなく健全な継手が得られる。また、前述の熱源とフィラワイヤとの位置ずれの問題についても、MIG溶接を適用することで必然的に解消するとともに、接合対象部品の形状についても、広い範囲のものに適用することが可能となる。
【0012】
本発明による接合方法で用いるワイヤは、融点が1000℃程度の銅合金であれば適用可能でり、JIS Z 3341に規定される各種銅合金ワイヤ、例えば、Si青銅系ワイヤ(YCuSiA 、YCuSiB) 、リン青銅系ワイヤ(YCuSnA 、YCuSnB) 、アルミ青銅系ワイヤ(YCuAl、YCuAlNiA、YCuAlNiB、YCuAlNiC) や、黄銅ろうワイヤ等を挙げることができる。母材とのなじみやすさ、脱酸効果および溶接金属の強度の点で、請求項3に記載した組成範囲のSi青銅系のものがより好ましい。
【0013】
Siは、溶接時、母材から溶接金属に浸入する酸素を脱酸するのに必要な元素であるとともに、溶接金属の強度を上昇させるためにも有効である。さらにSiは溶接金属の流れ性を良くし、母材とのなじみを良好にする。これらの効果を有効に発揮させるために、ワイヤにSiを 1質量%以上含有させる。しかしながら、 4質量%を超えて含有させると溶接金属が脆化して延性が低下する恐れがあるので、Siの含有量は 4質量%以下とすることが望ましい。
【0014】
また、Mnは、溶接時の脱酸に寄与するとともに、溶接金属の強度上昇に有効な元素である。これらの効果を有効に発揮させるために、ワイヤにMnを 0.3質量%以上含有させる。しかしながら、 3質量%を超えて含有させると溶接金属の延性が低下する恐れがあるとともに、溶接金属の流れ性を阻害する恐れがあるので、Mnの含有量は 3質量%以下とすることが望ましい。また、ワイヤ径としては、使用電流およびワイヤ送給性の点から 0.6〜1.2mm径の範囲のものが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態例を、実施例に基づいて説明する。
【0016】
【実施例1】
各種溶接方法による鉄系焼結材のビードオンプレート溶接試験を行った。試験方法は、表1に示す組成の鉄系焼結材、厚み12.5mm×幅12.5mm×長さ90mmの表面に、表2に示す溶接方法および溶接条件で溶接ビードを置き、その後、断面調査により溶接金属中の溶接欠陥の有無を調べた。その結果を表3に、また調査断面の断面マクロ状況の模式図を図1に示す。なお、図1の溶接金属中の線状のものは割れを、円形状のものはブローホールを示す。
【0017】
表3および図1に示すように、比較例であるNo.1〜7 は、いずれも鉄系焼結材の溶融量が多く、これに起因する割れもしくはブローホールが発生し、健全な溶接部が得られていない。一方、本発明例であるNo.8は、鉄系焼結材の溶融量も少なく、健全な溶接部が得られている。
【0018】
【表1】
Figure 0003698862
【0019】
【表2】
Figure 0003698862
【0020】
【表3】
Figure 0003698862
【0021】
【実施例2】
実施例1と同じ鉄系焼結材表面に、表4に示す各種ワイヤと溶接条件でMIG溶接を行い、ビード外観によるワイヤの母材とのなじみの良否、および断面調査により溶接金属中の溶接欠陥の有無を調べた。その結果を表4に併記する。
【0022】
表4に示すように、本発明法による溶接ワイヤ(No.6〜11、No.13 )では、母材とのなじみもよくビード外観に優れ、欠陥のない溶接部が得られている。しかし、ワイヤが青銅系であっても、ワイヤ径が 1.2mmを超えるNo.12 およびワイヤ径が 0.6mm未満であるNo.14 はビード外観が劣っている。
【0023】
【表4】
Figure 0003698862
【0024】
【実施例3】
鉄系焼結材同士、鉄系焼結材と鋼材および鉄系焼結材と鋳鉄の突き合わせMIG溶接を行い、継手部の調査を行った。鉄系焼結材には表1に示す組成の鉄系焼結材、厚み12mm×幅50mm×長さ100mm を、鋼材には鉄系焼結材と同じ寸法の軟鋼板 SM400を、鋳鉄にはダクタイル鋳鉄FCD500を用いた。このときの開先形状を図2に、溶接条件を表5に示す。MIG溶接後、溶接部のX線検査を行うとともに、継手部から図3に示す試験片を採取し、引張試験を行った。X線検査結果および引張試験結果を表6に示す。
【0025】
表6に示すように、いずれの継手ともX線検査における欠陥は認められず、引張試験においても、鉄系焼結材と同等の強度を示し、いずれも鉄系焼結材の母材から破断し、健全な溶接継手が得られていることが確認された。
【0026】
【表5】
Figure 0003698862
【0027】
【表6】
Figure 0003698862
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、鉄系焼結材同士、鉄系焼結材と鋼材および鉄系焼結材と鋳鉄との溶接において、従来問題となっていた溶接金属の割れやブローホール欠陥を発生させることなく、健全な溶接部が得られ、熱源に対するワイヤの位置ずれの問題や、接合対象部品形状の制約も少ない溶接方法を提供することができる。従って、製作コスト的に利点を有する鉄系焼結材の使用範囲を拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における調査断面の断面マクロ状況の模式図である。
【図2】実施例3における開先形状を示す図である。
【図3】実施例3における引張試験片形状を示す図である。
【符号の説明】
1…溶接金属。

Claims (3)

  1. 鉄系焼結材同士又は鉄系焼結材と鋼材又は鉄系焼結材と鋳鉄を接合する方法において、銅合金ワイヤを用いたMIG溶接により接合することを特徴とする鉄系焼結材の接合方法。
  2. MIG溶接において用いるワイヤの径が 0.6〜1.2mm の範囲である請求項1記載の鉄系焼結材の接合方法。
  3. MIG溶接において用いるワイヤが、Siを 1〜4 質量%、Mnを 0.3〜3 質量%の範囲で含有するSi青銅系である請求項1又は2記載の鉄系焼結材の接合方法。
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