JP3698353B2 - ネットワーク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は衛星回線の受信機能を有するネットワーク装置に係り、特に装置内時計の時刻補正を自動的に行うネットワーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信システムを構成するネットワーク装置には、装置内で時刻を刻む時計が組み込まれている。装置内に組み込まれた時計は月差1分程度のものが多く、通信システム内の各ネットワーク装置の時刻を統一させるためには、各装置内時計の時刻を定期的に補正する必要がある。この装置内時計の時刻補正は、従来から、各装置ごとに手動で行う方法、あるいはインターネットにおいてはNTP(Network Time Protocol)にて各ネットワーク装置が定期的に通信システム内に存在する時刻サーバへアクセスして行う方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように、時刻補正を手動で行う方法を用いる場合には、時刻合わせに誤差が生じやすく、また、時刻補正のための操作時間が長くなるという問題があった。また、時刻サーバにアクセスする方法を用いる場合には、時刻サーバとネットワーク装置との距離(ホップ数)により遅延が生じ、通信システム内の各装置間の時刻にかなりのずれが生じるという問題があった。
【0004】
従って本発明の目的は、装置間でずれのない又はずれの小さい時刻を容易に確保可能なネットワーク装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、衛星回線を介して信号を受信する衛星回線用受信部と、時刻を刻む時計と、前記衛星回線用受信部で受信した信号に含まれる時刻情報を用いて前記時計の時刻を補正する処理装置とを備えたネットワーク装置により、達成される。
【0006】
また、本発明に係るネットワーク装置は、衛星回線を介して信号を受信する衛星回線用受信部と時刻を刻む時計と通信制御情報に応じて処理を行う処理装置とを備え、前記衛星回線を介して受信した信号に含まれる時刻情報を用いて前記時計の時刻を補正し、前記時刻と連動して前記通信制御情報を変更するように構成することができる。ここで、通信制御情報としては、例えば通信速度、通信経路、あるいは装置の構成情報等が挙げられる。
【0007】
本ネットワーク装置は、さらに地上回線を介して信号を受信する地上回線用受信部を備え、前記衛星回線の障害時には、前記地上回線を介して取り出した他のネットワーク装置の時刻情報を用いて前記時計の時刻を補正する。この場合、受信する時刻情報の遅延時間を最小とするため、ネットワーク上における最寄りのネットワーク装置を時刻サーバとして、時刻情報を取り出すのがよい。
【0008】
また、時間の基準を保有する本発明に係るネットワーク装置は、衛星回線への信号送信機能を有しており、送信用の信号を入力する信号入力部と、時刻を刻む時計と、前記信号入力部より入力した信号に前記時計の時刻情報を付加する処理装置と、前記時刻情報の付加された信号を衛星回線を介して送信する衛星回線用送信部とを備えて構成される。
【0009】
さらに、本発明に係る通信システムは、衛星回線と、前記衛星回線を介して時刻情報の付加された信号を送信する第1のネットワーク装置と、前記衛星回線を介して時刻情報の付加された信号を受信し装置内時計を補正する1又は2以上の第2のネットワーク装置とを備えて構成される。
【0010】
本発明は衛星回線の同報性を利用したものであり、衛星回線より得られた信号から時刻情報を取り出し定期的に装置内時計を補正することにより、通信システム内の各装置に設置されている時計の時刻を統一することができる。衛星回線上で生じる遅延は各装置で同じであるため、この遅延時間を時刻補正時に反映することで伝送遅延の問題を解決した誤差のない時刻補正を行うことができる。また、通信システムにおける各装置内時計の時刻を統一することにより、システムの増設、移設あるいは時刻に連動した通信制御情報の変更を好適に行うことができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は本発明に係るネットワーク装置を備えた通信システムの概略を示す図であり、(b)は衛星回線を介して伝達される時刻情報の付加された信号(パケット)を示す図である。本通信システムでは、図示のように、ネットワーク装置101、101a、102が衛星回線201及び地上回線202を介して接続されている。ここで、衛星回線201は衛星105を用いて形成されるネットワーク装置102からネットワーク装置101、101aへの片方向通信路(Uni Directional Link)である。また地上回線202は、ワイドエリアネットワーク(WAN)である。
【0012】
一方、ネットワーク装置101はローカルエリアネットワーク(LAN)203を介してデータ端末104と接続され、ネットワーク装置101aはLAN203aを介してデータ端末104aと接続される。また、ネットワーク装置102は、LAN204を介してサーバ103と接続される。ここで、ネットワーク装置102は内部に正確な時刻情報を有する時計を備えている。これに対してネットワーク装置101、101aにおける装置内時計は、例えば月差1分程度の進み遅れがあり、時刻補正が必要とされるものである。
【0013】
次に、図1(a)、(b)を参照しながら、本発明に係る装置内時計の時刻補正の方法について説明する。
今、図1(a)において、サーバ103からデータ端末104とデータ端末104aに対して例えばマルチキャストデータを送信するものとする。ネットワーク装置102は、後述するように衛星回線201への信号の送信機能を有しており、サーバ103からLAN204を介して送られてきた信号(パケット)を中継し、衛星回線201を介して送信する。この際、ネットワーク装置102はパケットに時刻情報を付加して送信を行う。送信されるパケットは、図1(b)に示すように、ヘッダ部301とデータ部302から構成されており、時刻情報はヘッダ部301に格納される。
【0014】
一方、ネットワーク装置101、101aは衛星回線201からの信号の受信機能を有しており、受信したパケットから時刻情報を取り出して装置内時計を補正する。このときネットワーク装置101、101aは、衛星回線201における遅延時間を考慮してマスタ時刻との誤差を修正する。また、受信したパケットからは時刻情報が取り除かれ、サーバ103から出力されたデータの状態に戻される。このデータがLAN203、203aを介してデータ端末104、104aに転送される。
【0015】
また、天候などの影響によりネットワーク装置101が衛星回線201から信号の受信ができなくなった場合には、ネットワーク装置101は、ネットワーク上における最寄りのネットワーク装置101aを時刻サーバとして、地上回線202を介してネットワーク装置101aから時刻情報を取り出して、装置内時計の時刻補正を行う。
【0016】
図2は、本発明に係るネットワーク装置の一実施例を示すブロック構成図である。ネットワーク装置101は、図示のように、衛星回線を介して時刻情報を含む信号(パケット)を受信する衛星受信インタフェース(I/F)部11と、LANあるいはWAN回線を介してそれぞれ信号の送受信を行うLAN回線I/F部12およびWAN回線I/F部13と、各種の処理を実行する中央処理装置(CPU)14と、時刻を刻む時計15と、通信制御情報を格納した制御テーブル16とを備えて構成される。
【0017】
時計15の時刻補正は、次のようにして行われる。まず、衛星受信I/F部11が、時刻情報を含む図1(b)に示すようなパケットを衛星回線を介して受信すると、CPU14は受信したパケットのヘッダ部から時刻情報を取り出して、時計15の時刻補正を行う。このとき、衛星回線201の経路で生じる遅延時間を考慮した時刻補正が行われる。この時刻補正は定期的に行うのが好ましいが、不定期に行うこともできる。定期的な時刻補正は例えば24時間毎に行われるが、これ以外の時間間隔で行ってもよい。
【0018】
またCPU14は、受信したパケットから時刻情報を取り除いたデータをLAN回線I/F部12を介してLAN回線に送り出す。時計15には、さらにイベント発生機能を内蔵することができる。この場合、時計15はイベントをあらかじめ設定した時刻に発生させ、通信制御情報を格納している制御テーブル16を書き替える。これにより、速度情報や経路情報等の通信制御情報の変更が行われれる。
【0019】
図3は、衛星回線への信号送信機能を有するネットワーク装置の一例を示すブロック構成図である。ネットワーク装置102は、図示のように、衛星回線を介して時刻情報を含むパケットを送信する衛星送信I/F部21と、LANあるいはWAN回線を介してそれぞれ信号の送受信を行うLAN回線I/F部22およびWAN回線I/F部23と、各種の処理を実行する中央処理装置(CPU)24と、時刻を刻む時計25と、通信制御情報を格納した制御テーブル26とを備えて構成される。
【0020】
送信されるパケットへの時刻情報の付加は、次のようにして行われる。まず、CPU24は、LAN回線I/F部22を介して入力された送信用データを含むパケットのヘッダに時計25の時刻情報を付加する。この時計25の時刻情報が、通信システム内の各装置の時刻の基準とされるものである。時刻情報の付加されたパケットは衛星送信I/F部21を介して衛星回線へ送られる。
【0021】
このように、本発明の時刻補正機能を有するネットワーク装置によれば、衛星回線の同報性により通信システム内の装置内時計の時刻を統一することができ、システムとしての変更や更新作業を統一された時刻と連動して動的に行うことが可能となる。例えば、サーバと多数のデータ端末との交信を8時から17時まではリアルタイム処理で、17時から8時まではバッチ処理で行う場合、本発明ではサーバと多数のデータ端末における装置内時計の時刻が定期的に統一されるので、8時または17時における処理の切替時において各端末間に時刻のずれが生ずることがなく又はずれが生じてもそのずれは極めて小さいため、多数のデータ端末の処理の切替をスムーズに行うことができる。
【0022】
また、定期的に時刻補正を行うことにより、装置の増設や移設時における時刻合わせの必要がなくなる。これと同様に、メーカーから出荷されたネットワーク装置は、ユーザ側で通信システムに接続されたのちは自動的に装置内時計が時刻補正されるので、ユーザが自分で装置内時計の時刻合わせを行う必要がなくなるという利点もある。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、装置間でずれのない又はずれの小さい時刻を容易に確保可能なネットワーク装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るネットワーク装置を備えた通信システムの概略を示す図、(b)は衛星回線を介して伝達される時刻情報の付加された信号(パケット)を示す図である。
【図2】本発明に係るネットワーク装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図3】衛星回線への信号送信機能を有するネットワーク装置の一例を示すブロック構
成図である。
【符号の説明】
11 衛星受信I/F部
12 LAN回線I/F部
13 WAN回線I/F部
14 CPU
15 時計
16 制御テーブル
101、101a、102 ネットワーク装置
103 サーバ
104、104a データ端末
105 衛星
201 衛星回線
202 地上回線(WAN)
203、203a、204 LAN
301 ヘッダ部
302 データ部
Claims (4)
- 衛星回線を介してヘッダに時刻情報の付加されたデータを含むパケットを受信する衛星回線用受信部と、時刻を刻む時計と、前記衛星回線用受信部で受信した前記パケットに含まれる時刻情報を取り出して前記時計の時刻を補正するとともに前記パケットから時刻情報を取り除いたデータを送り出す処理装置とを備えたことを特徴とするネットワーク装置。
- 衛星回線を介してヘッダに時刻情報の付加されたデータを含むパケットを受信する衛星回線用受信部と時刻を刻む時計と通信制御情報に応じて処理を行う処理装置とを備えたネットワーク装置であって、前記衛星回線を介して受信した前記パケットに含まれる時刻情報を取り出して前記時計の時刻を補正し、前記時刻と連動して前記通信制御情報を変更するとともに前記パケットから時刻情報を取り除いたデータを送り出すようにしたことを特徴とするネットワーク装置。
- 地上回線を介して信号を受信する地上回線用受信部を備え、前記衛星回線の障害時には、前記地上回線を介して取り出した他のネットワーク装置の時刻情報を用いて前記時計の時刻を補正することを特徴とする請求項1又は2記載のネットワーク装置。
- 衛星回線と、前記衛星回線を介してヘッダに時刻情報の付加されたデータを含むパケットを送信する第1のネットワーク装置と、前記衛星回線を介して前記ヘッダに時刻情報の付加されたデータを含むパケットを受信し前記パケットに含まれる時刻情報を取り出して装置内時計を補正するとともに前記パケットから時刻情報を取り除いたデータを送り出す1又は2以上の第2のネットワーク装置とを備えたことを特徴とする通信システム。
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JP24092399A Expired - Lifetime JP3698353B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | ネットワーク装置 |
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- 1999-08-27 JP JP24092399A patent/JP3698353B2/ja not_active Expired - Lifetime
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