JP3698200B2 - 電子楽器用操作機構 - Google Patents
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- G10H1/34—Switch arrangements, e.g. keyboards or mechanical switches specially adapted for electrophonic musical instruments
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器の楽音の音色、音量、各種効果等の楽音要素を制御するための操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器には、電子オルガンやシンセサイザ等の電子鍵盤楽器の他、電子ドラム、リズムマシーン、シーケンサ、電子管楽器、MIDIコントローラ等、操作子(操作キー)を備えたものが多種類存在する。
【0003】
例えば、電子鍵盤楽器の鍵は、特定の音程の音を発生させる操作子として機能する他、発音時又は発音開始後に楽音の音量や音色を変化させたり、トレモロやビブラート、パン、連打音等の装飾的効果を加えたりする楽音多様化のための制御用操作子として使用されることもある。そして、鍵と別個にコントローラ等を設けた場合と異なり、演奏のための押鍵動作と同時に、例えばその押圧力を調整すれば、発音とその制御の双方を行なうことができ、いわゆるアフタータッチコントロールによる多様な思い通りの演奏が可能となる。このような制御を可能にする機構としては、並列された鍵全部又はある範囲の複数の鍵を制御用の操作子とし、押鍵時又は押鍵後の押鍵圧を圧力センサにより感知して、押鍵圧に応じた楽音制御を可能にしたものが多い。これらの機構においては、制御用の鍵又はその連動部材の並列幅に亘って延びる帯状の圧力センサが、押鍵圧を受ける位置に設置される。圧力センサは、制御用の鍵の内のいずれかに加えられた押鍵圧に対応した信号を出力し、制御部がその信号に応じて楽音を制御する。
【0004】
しかしながら、このような帯状圧力センサは、通常、数鍵から数十鍵に亘る長さのものが使用されるので、圧力センサの製造、及び取り付けのコスト及び手間が増大するという問題があった。したがって、そのような圧力センサを使用した電子鍵盤楽器の製造コストをも増大させていた。
【0005】
これに対し、複数の鍵に共通に作用するセンサを備えたアフタータッチコントロール機構が提案されている(特公昭55−35716号)。これは、鍵盤装置の鍵並び方向に延びる鍵盤支持フレームを上下方向に回動可能とし、この支持フレームの1箇所にシャッタ板を取り付け、楽器本体に取り付けられたランプ及び光導電体の間にシャッタ板を位置させて、センサ機構を構成している。この機構は、押鍵により支持フレームが回動すると、その回動量に応じてシャッタ板が回動してランプから光導電体に到達する光量を変化させるので、押鍵圧に応じた音量変化が得られるというものである。しかしながら、この機構では、鍵盤装置の鍵並び方向に延びる支持フレームを設けるので、押鍵時に常に支持フレームを動かすことになりタッチ感が重くなるという欠点があり、製造コストも高いものとなった。
【0006】
この他、複数の操作子に共通に作用する部材を備えたスイッチ装置が提案されている(特開昭59−189515号)。この装置においては、複数の操作子が、その並び方向に垂直にスライドされるスライドスイッチを構成しており、操作子の並び方向に延びるワイヤ、糸等の連動部材がばねにより張設され操作子に係合している。この装置においては、1つの操作子を中立位置からスライドさせると、連動部材がスライド方向にばね力に抗してV字状に曲げられ、さらに他の操作子をスライドさせるとその移動に伴って先の操作子が中立位置に引き戻されるという構造になっている。これにより、1つの操作子のみしかスライド位置に移動できないようになっており、電子楽器の音色選択のための構造が簡略化されている。しかしながら、このスイッチ装置は、操作子のスライドによるオン−オフの切換えのみの機能しかないので、押鍵圧に応じた正確なアフタータッチコントロールには向かない。
【0007】
この他、電子楽器には、鍵盤以外の操作子を操作することにより音の強弱や装飾効果を制御することが行なわれており、その操作を簡便且つ確実に行なうことができる機構への要請がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これら従来の技術の問題を解消し、アフタータッチコントロールその他の楽音制御を、簡単な構造で正確に行なうことができる電子楽器用操作機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、外部操作により往復動させられる複数の可動部材と、該可動部材を保持する保持フレームと、該保持フレームに支持された張設材と、前記可動部材が操作されたときに該可動部材と接触して生じる撓みによる張設材の長手方向における変化を検出するように前記張設材に設けられ、検出値を電子楽器の楽音制御用パラメータとして出力する検知部と、前記保持フレーム及び前記張設材の一端の間に介在した弾性部材とを備えた電子楽器用操作機構であって、前記保持フレームには、前記張設材に接する支承部が設けられ、該支承部は、前記可動部材の接触圧により前記張設材の撓みを生じる領域が張設材長手方向へ広がるのを制限するように、該張設材を区切って設けられ、且つ張設材の長手方向における変化が前記検知部により検知されるように該支承部上で前記張設材が移動可能に設けられていることを特徴とする電子楽器用操作機構を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態において、同一又は同種の部分には、同一番号を付す。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明に至る基本的な操作機構の構成を説明する。図1は、操作機構を模式的示しており、該機構は、操作子により構成され又は操作子と連動するように構成された可動部材1と、該可動部材により押圧される張設材2とを備えている。実施例の説明を通じて、図には簡略化のため少数の可動部材を示すが、本発明は必要に応じた数の可動部に適用され、電子鍵盤楽器の鍵又は鍵と連動する部材を可動部とする場合は、多数の可動部に対して適用される。可動部材1は、張設材を横切る方向に往復動可能に設けられる。張設材を横切る方向には、図の並列方向xに対して、これに垂直で且つ水平方向であるy方向、並列方向xに垂直で且つ鉛直方向であるz方向、乃至はこれらy方向及びz方向の中間の方向、さらには、これらyz面に沿う方向成分とx方向成分とを含む方向のいずれをも含む。
【0012】
可動部材1は、種々の電子楽器の楽音操作部分とすることができ、例えば、電子鍵盤楽器の鍵の他、指又は掌の操作でシンバルやハンドクランプ等の音を出す電子打楽器の操作キー、電子管楽器の指操作用キー、足で操作するフットボリューム、ペダル、スイッチ等、楽音を制御するために複数設けられる操作部分とすることができ、その操作は、押し下げ、引き上げ、ひねり等により、可動部材の直線運動、回動運動又はこれらの組み合わせ等、種々の動作を生じさせるものとすることができる。また、可動部材は、奏者が操作子に力を加えることにより、一つの方向へ動作した後、力を解除すれば元の位置に戻ることにより往復動をなすように、ばね力が作用しているのが一般的であるが、往復動とも奏者の操作により行なうようにしてもよい。なお、可動部材には、直接操作される部分の他、直接操作される部分からリンク機構、巻掛け機構、流体伝動装置等の機械的又は流体的伝動部を介して動作する部分が含まれる。
【0013】
張設材2は、紐、ワイヤ、テープ、コイルばね等の種々の線条体により構成され得る。張設材2は、可動部材1に係合される結果、可動部材1又はその連動部材の移動方向に応じた種々の方向への撓みを生じ、操作の解除により弾性的に位置を復元する。張設材2は、複数の可動部材が操作された場合にも各々の可動部材又はその連動部材の移動方向に応じた撓みを生じる。
【0014】
なお、可動部材が複数ある場合には、張設材2は、その並列方向に沿って張設される。図2は、電子鍵盤楽器の鍵盤を操作子とする場合の、張設材の種々の張設形態を示している。図示の例では、簡単のために、鍵盤下面のどこかが張設材に接することにより張設材を撓ませるようになっており、これにより、押鍵による発音に対する音質変化等の付加的制御を行なうようになっているものとする。図示のように、張設材2aは、可動部材の並列方向に平行に配置されている場合を示す。張設材2bは、可動部材の並列方向に対して傾斜しているが、楽音制御用の可動部材の範囲Aの動作を受け得る範囲に張設材2bが位置している。張設材2cは、可動部材の並列方向に平行であるが、楽音制御に寄与する可動部材の範囲Bに亘って延びている。このように、張設材の張設方向は、可動部材の並列方向に平行とするのが望ましいが、該並列方向もしくは上下方向に対して傾斜していても可動部材の動作を受けて撓みを生じ得る位置にある範囲であればよい。このように可動部材並列方向と張設材張設方向とを平行以外の方向に設けるという配置は、高音側と低音側とで感度を連続的に変化させるための有効な手段となる。また、張設材2の張設範囲は、可動部材1の動作を受け得る範囲であればよい。
【0015】
したがって、例えば、電子鍵盤楽器において、鍵盤の下方に鍵の並列方向に張設され鍵の押圧動作に伴って撓み位置をとる張設材を設けるに当たり、張設材を鍵並列方向に対し平行以外の方向に設けることが可能である。
【0016】
この操作機構は、可動部材により撓ませられた張設材の物理量の変化を検知部3により検知して楽音制御を行なうものである。制御される楽音には、発音、消音タイミング、音量、音色、音高、パンニング等、本機構が装着される電子楽器における種々の楽音制御に適用することができる。通常は、操作子の操作による発音と同時又は発音開始後の楽音の制御を対象とする。
【0017】
図1の操作機構においては、鍵等の操作子が操作されず、可動部1a、1bがoff状態のとき、張設材2の位置は図のM0となる。張設材2の位置は、操作子の操作により、以下のようになる。
【0018】
可動部材1aがon、可動部材1bがoff:図のMa
可動部材1aがoff、可動部材1bがon:図のMb
可動部材1a、可動部材1b共にがon:図のMab
したがって、可動部材がon〜offの中間位置にあるときは、張設材2はM0〜Mabに囲まれたエリア内のいずれかの位置となる。張設材2の位置は、移動した可動部材の影響をうけるが、図示の構造では、可動部材の数が増えた場合に、可動部材列の中央部にある可動部材の行程(移動状態)の検出は、その両側の可動部材の移動が多くなるほど困難となる。例えば、図1において、可動部材1aと1bとの間に、可動部材1cがあるとすると、張設材2がMabの位置にあるときは、可動部材1cの行程の検出は不可能となる。これでは、複数ある操作子による確実な楽音制御が不可能である。本発明は前記基本的機構を元に、複数ある可動部材の移動状況に拘わらず、その行程の検出を確実に行なうのに有利な操作機構を実現するものである。以下、その実施形態について説明する。
【0019】
図3は、操作機構を模式的に示しており、該機構は、演奏操作により往復動させられる複数の可動部材1と、該可動部材を保持する保持フレーム4と、該保持フレームに支持された張設材2とを備えている。張設材2には、その一端部に、可動部材1が操作されたときに該可動部材と接触して生じる撓みによる張設材の長手方向における変化を検出するように検知部3が設けられている。検知部3は、張設材の長さ変化に伴う変位を検出する変位センサとし、或いは張設材の長さ変化と弾性部材5による引張り力によって生じる支持部での支持力の変化を検出する圧力センサとする等、種々のセンサを使用したものとすることができる。検知部3は、比較器、演算装置等を備えた制御部Wに接続される。張設材2は、一端を保持フレーム4に固定され、他端は、検知部3に内蔵された弾性部材5を介して保持フレーム4に支持されている。この実施形態では、張設材2の中間部を支持するように、支承部6が保持フレーム4に立設されている。すなわち、可動部材1c、1bの間に支承部6cb、可動部材1bと検知部3及び支持体4との間に支承部6coが設けられている。
【0020】
図3の操作機構は、以下のように作用する。操作子を操作して可動部材1a,1bが移動すると、張設材2に接触することにより張設材を撓ませる。支承部6がなければ、張設材2は、波線で示されたScb、Sboの位置をとる。この実施形態では、支承部6を設けているので、張設材2は、実線で示されたMac、Mbの位置をとる。すなわち、図3の斜線で示された領域が、張設材の移動領域から除外されたことになる。したがって、可動部材1a、1bが移動した状態で張設材2がMaoの位置にあるときに、可動部材1cを移動させると、張設材2はMacの位置へと移動する。その結果、可動部材1a,1b,1cのどれをどのように組み合わせて移動させても、張設材2の位置の変化を生じさせることができ、これにより、検知部3に確実にその変化を検出させることができる。こうして、細かく区切るように移動領域を制限することにより、複数ある可動部材の移動状況に拘わらず、張設材2の移動、すなわち可動部材の行程が確実に検知部3によって検知される。
【0021】
図4は、張設材2の移動領域をより細かく区切るように支承部6を設けた例を示している(本図及び以下の図では、要部のみを示し周囲部は省略する)。すなわち、支承部6は、隣り合う各可動部材1の間(望ましくは、隣り合う可動部材1の中心を結ぶ線上)において保持フレームに設置されている。したがって、例えば、張設材2の位置が、図のPDL,PD,PDRで示された位置にある場合、張設材2における点PDL、PDRは支承部6DL、6DRにより不動状態にあるので、張設材の点PDへの移動は、100%可動部材1dによるものであると分かる。このように、支承部6を隣り合う可動部材1の間に設けることにより、張設材2の移動領域が細かく区切られ、その結果、可動部材1の行程の検出が確実に行なわれる。張設材2の区切りをより明確にするために、さらに支承部6DEを設置することもできる。
【0022】
図5は、支承部6が可撓性のある材料で作製されている場合の挙動を示すものである。可動部材1の移動により張設材2が撓むと、支承部6との接点を境として張設材2の撓みに応じた角度をなす方向に張力Tが生じる。その合力は、図5に矢印で示すようにToとなる。したがって、支承部6は、張設材2の初期位置に垂直な方向からある程度ずれた角度をなして、合力Toと釣り合う位置まで弾性変形することになる。隣り合う可動部材が移動した場合は、これらの間に位置する支承部は、両方からの作用の度合いにより、変形後の位置が決まる。したがって、可撓性のある支承部により、張設材2の移動領域の区切りを行なうには、支承部の弾性率、変形域、変形形状等の変形状態決定要素を調整して適正な区切り作用を得るのが望ましい。後述するように、支承部は、鍵等の発音用操作子又は該操作子と連動する部材に作用するストッパの軟質部により構成することができる。この場合は、支承部が、多数の操作子等に跨って連続して延びる帯状となり、隣りの可動部材の接触が当該可動部材との接触部分に影響を及ぼす可能性があるので、特に、支承部の変形状態を決定する要素を調整することが重要である。
【0023】
図6は、支承部6における張設材2と接する面に張設材に沿って延びる溝7を設けた例を示す。このように溝7を設けることにより、張設材2を該溝に受け入れて支持することができる。これにより、可動部材1が張設材2を移動させる際に、張設材2は溝から脱出することなく移動するので、動作が安定する。その結果、張設材の変化のより正確な検出が可能となる。
【0024】
支承部6にこのような溝がない場合は、図7に示すような問題が生じる場合がある。可撓性を有し溝がない支承部6の上で、張設材2に対して可動部材1の押圧力が作用すると、張設材2は、可動部材1からP1、支承部6からP6の力を受け、その合力Poが作用する。したがって、支承部6の材質や表面状態によっては、張設材2が合力Poの方向へ移動してしまい、張設材2の正確な変形の検出ができなくなる。
【0025】
図6の例では、溝7によりこのような問題が解消される。特に、図7に示すように複数本の張設材2が共通の支承部6により相互に接近して支持される場合は、各々の張設材2を独立して受け入れる溝を設けることにより、可動部材1の接触時に張設材2同士の絡みや干渉を防止することができる。
【0026】
図8は、支承部6が張設材2に沿って長く延びている例を示す。後述するように、支承部は、鍵等の発音用操作子又は該操作子と連動する部材に作用するストッパの軟質部により構成することができ、この場合は、支承部が、多数の操作子等に跨って連続して延びる帯状となる。この帯状の支承部6においては、その長手方向に沿って延びる溝とするのが望ましい。
【0027】
図9は、支承部6を筒状にし、その中空部に張設材2を通すようにした例を示す。張設材2は、以下に説明するように、張設材2の軸線方向を横切る複数の方向から可動部材が接触するように構成することも可能であり、その場合は、図9のように、張設材2を筒状支承部6により囲むことによって、あらゆる方向からの接触に対して、張設材の移動領域の区切り作用が得られる。
【0028】
図10は、支承部6が、鍵等の発音用操作子又は該操作子と連動する部材のストッパの軟質部により構成された例を示す。この場合は、押鍵等、操作子の操作を行なうときに適正なストップ感を損なわないように、支承部6の材質が選ばれる。そのためには、支承部6がある程度、柔軟性を有したものとされる。この柔軟性により、可動部材1の接触時に、図11に示すような変形が生じる。すなわち、支承部6は、張設材2との接触部において集中的に大きく凹状に変形し、その両側はさほど変形しない。この両側部分により張設材の変形領域が区切られ、隣り合う可動部材1に相当する部分への影響が減殺される。このように、支承部6をストッパの軟質部により構成することにより、複数の可動部材に跨るように連続して延びる形態をとりながら、個々の可動部材が張設材に与える変形を区切る作用を得ることができる。この区切り作用を適切に得るために、図5において説明した調整が行なわれる。また、このようなストッパ兼用の支承部6においては、図8に示した溝を設けることができる。
【0029】
図12は、本発明に係る操作機構においては、張設材2の軸線を横切る種々の方向から可動部材が接する構造とし得ることを示す。図13は、その具体例の1つを示している。この例では、筒状の保持フレーム4と、該保持フレームの両端部間に張設された張設材2とを備えている。張設材2の一端部付近には、前述の例と同様に、図外の検知部、弾性部材が設けられ、検知部は制御部に接続されている。保持フレーム4の側壁には開口部が設けられ、そこに可動部材1(1A〜1H)が、保持フレーム4の径方向に往復動可能に装着されている。各可動部材は、各々固有の図外の発音用スイッチに接続されたものとすることができる。この例では、図示のように、可動部材は径方向ロッドにより張設材2に結合されており、可動部材を押圧操作することにより、張設材に撓みが生じる。これにより、前述の例と同様にして、検知部による検出を通じて楽音を制御することが可能となる。この例のように、可動部材の移動方向が異なる場合には、移動方向に応じた信号を楽音制御に加えることにより、移動方向によって異なる種類の楽音制御を行なうことができる。例えば、1つの移動方向の可動部材を鍵と連動させ、他の移動方向の可動部材を吹き口に通じた駆動部と連動させることにより、手指による操作と、口からの吹き込みによる操作とで異なる楽音制御を行なうことができる。このように、異なる方向に可動部材が移動する場合は、図9に示した筒状の支承部を可動部材間に設置するのが望ましい。
【0030】
図14は、支承部6が、鍵等の発音用操作子又は該操作子と連動する部材(可動部材)に作用するストッパの軟質部により構成されている場合において、可動部材1が移動する範囲と支承部6の位置との関係を示している。可動部材1は、図において範囲Sは可動部材1の総移動範囲を示しており、範囲Tは可動部材がストッパ(支承部6)によりストップさせられた後にさらに移動し得る範囲を示している。電子楽器のアフタータッチコントロールは、主に範囲Tでの可動部材の移動を検出して行なわれる。したがって、本発明に係る操作機構においては、検知部は、そのような範囲での張設材の変化を検出するように設定される。尤も、本発明はこれに限定されるものではなく、検知部が範囲S又はその一部の移動を検知するようにしてもよい。
【0031】
図15及び図16は、支承部6の形状の例を示している。支承部6は、図15に示すように張設材2との接触面を滑らかな凸形状にするのが望ましい。これにより、張設材2の移動が円滑となり、張設材の耐久性が向上する。また、支承部6を図16に示すような滑車を備えたものとすることにより、張設材2の移動はより円滑となる。
【0032】
図17は、支承部6の配置を環状にして、張設材2をこれに沿って延ばした操作機構の例を示す。環状に延びる張設材2の一端は保持フレーム4に固定され、他端は、弾性部材5を内蔵した検知部3を介して保持フレーム4に結合されている。張設材2における支承部6に区切られた各部分の上方には、可動部材1A〜1Eが配置されている。この操作機構においても、可動部材が移動して張設材2を撓ませるたときに、検知部3がこれを検知して楽音制御が行なわれる。
【0033】
図18は、電子鍵盤楽器に本発明に係る操作機構を装着した例を示す。ここでは、検知部3が張設材2の延長線上に配置するスペースがない場合に、支承部6を利用して張設材2の端部付近の方向を変え、楽器本体における後方(演奏者とは反対側)に配置している。張設材2の他方の端部付近も、支承部6を経て方向を変え、楽器本体の後方において支持フレーム4に支持されている。支承部6は、このように、張設材2の延びる方向を必要に応じて変更する際にも利用することができる。
【0034】
図19は、図10に示した操作機構を利用した構造を有する。すなわち、支承部6は、鍵等の発音用操作子又は該操作子と連動する部材のストッパの軟質部により構成されている。この例ではさらに、支承部6及び該支承部上に延びる張設材2を覆う軟質カバー8が設けられている。この軟質カバー8は、可動部材1の接触圧を該可動部材の接触箇所近傍に伝え得る柔軟性を有したものとされる。
【0035】
この操作機構は、次のように作用する。図20に示すように、支承部6は、その柔軟性により、可動部材1の接触時に、張設材2との接触部において集中的に大きく凹状に変形し、その両側はさほど変形しないで張設材の変形領域を区切り、隣り合う可動部材1に相当する部分への影響を減殺する。軟質カバー8も柔軟性を有し、可動部材1の接触圧を該可動部材の接触箇所近傍に伝え得る。したがって、可動部材1の動作は、軟質カバー8を経て確実に張設材に伝えられ、支承部6により確実に変形領域が区切られ、これにより正確な可動部材毎の楽音制御が行なわれ得る。さらに、張設材は、直接可動部材1に接触することがないので、直接接触した場合のような摩擦力の発生がなく、支承部6上での位置保持が確実となり、また、張設材の耐久性が向上する。
【0036】
次に、本発明の一実施形態に係る操作機構を電子ピアノに組み入れた例について、添付図面を参照しつつ説明する。以下の図においては、鍵盤装置の演奏者側を前方、その反対側を後方と称する。
【0037】
図21、図22,図23は、各々電子ピアノ用鍵盤装置の平面図、右側面図、左側面図である。この鍵盤装置は、鍵全体が、鍵盤フレーム20(保持フレームの一部)に支持され、鍵盤フレーム20は、棚板23に支持されている。鍵22は、白鍵及び黒鍵からなっており、各鍵は、演奏者により操作される第1可動部材として機能し、鍵盤フレーム20の後方で鍵並び方向に延びる支持部27により、該支持部との接触点付近の回動中心R20の回りに上下方向に回動可能に支持されている。鍵22の下側では、第2可動部材30が鍵盤フレーム20により支持されている。この第2可動部材30は、全体として前後方向にほぼ水平に延びており、鍵盤フレーム20の前寄りの位置に立設された支持片24及びこれを受け入れる凹部31により、該支持片の先端部を回動中心R30として回動する。これら支持片24先端部及び凹部31の係合状態を保持するために、S字状ばね41の一端部が第2可動部材30における凹部31の背面側に設けられ両側部に形成した凹部からなるばね係止部32を押圧している。このばね係止部32は、第2可動部材の厚さ方向に一定幅を有したリブで形成され、ばね係止部32内における該リブの幅方向中央部に薄板部が鉛直に延びている。該ばね係止部32に係合するS字状ばね41の端部は中央にスリットを有した二股になっており、そのスリットに前記薄板部を挿入させて係合している。ばね41の中間部は鍵盤フレーム20上部の前後方向ほぼ中央のばね通し孔411の縁部を押圧して接しており、ばね41の他端部は、鍵後方下部のばね受け部を押圧するように構成されている。これにより、S字状ばね41は、ばね係止部32の位置で、第2可動部材30を支持片24先端部に押しつけると共に第2可動部材における回動中心R30より後方部分を押し下げるように作用している。
【0038】
第2可動部材30は、前端部が鍵22の垂下片21の下端部に接しており、鍵22の押鍵により該鍵と連動して回動する。第2可動部材30前端下方付近には、スイッチ基板42が鍵盤フレーム20により支持され、該基板上にはドーム型のゴムで形成された鍵スイッチ43が固定されている。第2可動部材30の前部下面には、これら導通用部材42に対応する位置で下方に延びる一対の脚部を備えたスイッチ駆動部33が設けられている。これらスイッチ駆動部33,スイッチ基板42及び鍵スイッチ43は、鍵スイッチ内の2つの接点距離の相違による押鍵時の導通開始時間差を利用して押鍵速度を感知する押鍵スイッチを構成している。
【0039】
第2可動部材30は、鍵盤フレーム20後部まで延び、休止位置(非押鍵状態)において、鍵盤フレーム20上に固定されたフェルト製ストッパ部材25により、後端部付近を支持されている。鍵22が押鍵されたとき、第2可動部材30は、図22に実線で示す休止位置から一点鎖線で示す押鍵位置に移動する。鍵盤フレーム20における鍵22の直ぐ後方には、ストッパ部材26が保持されており、押鍵位置に至った第2可動部材30をストップさせる役割を果たす。このストッパ部材26は、緩衝用フェルト26aを保護シート26bで覆い、第2可動部材30の後端部が、保護シート26bを介して緩衝用フェルト26aを押圧するようにされている。緩衝用フェルト26aは、第2可動部材30後端部の衝突に対する緩衝作用と、奏者の手指に対する確実な停止感とを与えるように、通常は堅さの異なるフェルトを重ねて構成される。第2可動部材30は、前部から回動中心R30付近までをプラスチック製とされ、その後部から金属棒が延びるように形成されており、後方へ長く延びた金属棒の質量により、押鍵時の慣性抵抗を生じさせる。
【0040】
鍵盤フレーム20の後部において、本発明に係る操作機構50が構成されている。この操作機構50は、全体的には、2本の張設材を鍵盤の両側で支持した構造となっている。2本の張設材中、一方の張設材51は、センシング用のものであり、ストッパ部材26の緩衝用フェルト26aと保護シート26bとの間に保持されて鍵盤装置の鍵並び方向に延びている。この緩衝用フェルト26aが本発明における支承部を構成し、保護シート26bが軟質カバーを構成している。他方の張設材52は、外乱要因の検知用張設材51への影響を解消乃至低減するために設けられた補償用のためのものであり、基準材に相当する。この補償用張設材52は、第2可動部材30に接しないように、ストッパ部材26から僅かに離れた位置で、検知用張設材51と平行に延びている。
【0041】
鍵盤列の左端外側には、鍵盤フレーム20に支持された張設部60が設けられている。張設部60は、鍵盤フレーム20に固定された保持部材61と、該保持部材53に取り付けられた取付け用板ばね62とを備えている。この取付け用板ばね62は、保持部材61から後方へ延びた後、折り返されてV字状をなし、その自由端に小溝が形成され、検知用張設材51及び補償用張設材52の各一端部を引っ張るように支持している。
【0042】
鍵盤列の右端外側には、鍵盤フレーム20に支持された検知部70が設けられている。検知部70は、検知用回路基板71から検知用板ばね72が延びた構造を有している。検知用板ばね72は、基端部を回路基板71にねじ78により固定され、先端部は小溝が形成されて検知用張設材51の端部を引っ張るように支持している。検知用板ばね72の基端部寄りには歪みセンサ73が貼着されている。この例では、歪みセンサ73は、ピエゾ素子を用いて構成されている。回路基板71には、歪みセンサ73からの出力信号を検出する回路(図示を省略)及びその微調整のための調整素子74が設けられている。該回路はさらに、図外のアフタータッチコントローラに接続されている。鍵盤列右側における補償用張設材52の端部は、鍵盤フレーム20に固定的に支持されている。
【0043】
操作機構50においては、さらに以下のような設定がなされている。取付け用板ばね62は、検知用板ばね72よりばね力を強くされている。また、補償用張設材52は、検知用張設材51より引張り剛性を高くされている。すなわち、補償用張設材52は、右端を鍵盤フレーム20に固定的に支持され、左端を取付け用板ばね62により引っ張られて、所定の延び状態となる。これに対し、検知用張設材51は、図21に示すように、板ばね62を共通の保持部として補償用張設材52と共に左端が保持され、右端は検知用板ばね72を撓ませてその自由端に保持されている。したがって、補償用張設材52を引っ張った状態で左端の位置を安定にするために、取付け用板ばね62のばね力を強くし、検知用板ばね72が大きく撓まないように、補償用張設材52の引張り剛性が高くされる。
【0044】
次に、この鍵盤装置の作動について説明する。図21は、押鍵前の休止状態を示している。この状態から押鍵をすると、鍵22が回動中心R20を中心として下方へ回動し、垂下片21が第2可動部材30を押し下げる。これにより、第2可動部材30は、回動中心R30を中心に回動し、スイッチ駆動部33は、鍵スイッチ43に向かって下降して行く。そして、鍵22のスイッチ駆動部33は、鍵スイッチ43と接し、押鍵スイッチをオンにし、発音機構を動作させて発音がなされる。この間、第2可動部材30は、回動中心R30より後方部分を上昇させる。そして、スイッチ駆動部33が鍵スイッチ43に接した直後に第2可動部材30の後端部がストッパ部材26に当接し、これにより第2可動部材30及び鍵22の回動が停止させられる。
【0045】
操作機構50は、次のように作用する。押鍵状態で鍵の押圧力を増減させると、第2可動部材30の後端部はストッパ部材26、特にその緩衝用フェルト26aの撓み量を変化させる。検知用張設材51は、ストッパ部材26の緩衝用フェルト26aと保護シート26bとの間に保持されている。したがって、緩衝用フェルト26aの撓み量が変化すると、その撓みに伴う検知用張設材51の蛇行量も変化する。蛇行量が増加すると、検知用張設材51の端部間の距離は縮まり、これに伴って、検知用板ばね72の撓みが増す。したがって、歪みセンサ73の出力が増加する。この出力変化をピックアップすることにより、押鍵後の鍵への押圧力の変化を検出することができ、これに応じて音量、音質等を変化させれば、アフタータッチコントロールを行なうことができる。ストッパ部材26の緩衝用フェルト26a(支承部)は、図10の例で説明したように、その柔軟性により、第2可動部材30の接触時に、張設材51との接触部において集中的に大きく凹状に変形し、その両側はさほど変形しないで張設材の変形領域を区切り、隣り合う可動部材に相当する部分への影響を減殺する。保護シート26b(軟質カバー)も柔軟性を有し、第2可動部材30の接触圧を該可動部材の接触箇所近傍に伝え得る。したがって、第2可動部材30の動作は、保護シート26b(軟質カバー)を経て確実に張設材に伝えられ、緩衝用フェルト26a(支承部)により確実に変形領域が区切られ、これにより正確な可動部材毎の楽音制御が行なわれ得る。さらに、張設材は、直接可動部材に接触することがないので、直接接触した場合のような摩擦力の発生がなく、緩衝用フェルト26a上での位置保持が確実となり、また、張設材の耐久性が向上する。また、複数の鍵が押された状態であっても、各押鍵によるストッパ部材26の撓みを検知用張設材51の蛇行に反映させて、正確なアフタータッチコントロールを行なうことができる。
【0046】
操作機構に用いられている張設材は、鍵盤列に沿って延びる長いものとなっている。したがって、鍵盤装置への取付け後の温度や湿度等の外乱要因による長さの変化も大きくなる。センシング用の張設材の両端部を鍵盤フレームに固定してしまうと、張設材と保持フレームとの膨張特性が異なるので、外乱要因によって、元の条件(温度、湿度等)が異なったものとなると、中間に介在させている歪みセンサの歪み量を乱してしまう。したがって、精度のよいアフタータッチコントロールのためには、これらの外乱要因への対処が必要である。この操作機構は、2本の張設材を用い、補償用張設材52に並行して検知用張設材51を設けている。そして、補償用張設材52に取付け用板ばね62のばね力を作用させて張設し、検知用張設材51は、取付け用板ばね62上で補償用張設材52と同一の位置に一端を支持された状態で、検知用張設材51自体は検知用板ばね72のばね力を受ける。したがって、外乱要因が作用しても、その影響は、補償用張設材52が吸収し、検知用張設材51への波及が防止される。すなわち、鍵盤装置への取付け後に温度上昇による熱膨張が生じても、張設材が伸びた分だけ、取付け用板ばね62による支持点が移動する。熱膨張量は、補償用張設材52と検知用張設材51とで同じであるので、補償用張設材52の伸びにより移動した取付け用板ばね62の位置で一端を支持される検知用張設材51は、他端に熱膨張の影響を与えない。これの補償作用は、湿度による伸び率を揃えた補償用張設材52と検知用張設材51との間で、湿度の影響に対して同様に行なわれる。取付け時や演奏時の外力によって、鍵盤フレームが歪み張設材の張設長さが変化することがある。これに対しては、補償用張設材52の引張り剛性を高くし、取付け用板ばねのばね力を強くしておくことにより、その影響を減少させることができる。
【0047】
以下では、電子楽器用操作機構にも当てはまる、一般的な外力検出機構における問題点とその解決について説明する。図24は、図1に示した模式的な操作機構が鍵盤装置に適用された場合について、1つの鍵に連動する可動部材その他の動作部分を抽出して概略的に示している。図示のように、鍵に連結したアクチュエータPの上下動をレバー状の可動部材1の回転動に変換するために、回転中心となる軸部Q及びそのための支持部Rを設けるというように、部品点数の多い構造となっており、また他の用途への応用の自由度が低い等の問題がある。このような問題は、外力を検出して行なう種々の制御機構についても当てはまる。以下の構造は、このような問題を解決するものである。
【0048】
図25は、保持フレーム4と、該保持フレームに張設された張設材2と、張設材の長手方向における変化を検出するように各張設材に設けられた検知部3と、前記保持フレーム及び前記張設材の一端の間に介在した弾性部材5と、外力を加えることにより前記張設材に対する相対移動を生じるように該張設材の少なくとも一部を覆う囲繞部材100とを備えた外力検出装置を示している。囲繞部材100は、張設材2を通す通路101を有している。人手、足などの人体の一部、或いは制御機構による外力で、移動又は変形し、通路101内の張設材2に伸縮変形を生じさせ得るように形状及び材質が決められる。
【0049】
図26は、囲繞部材100に加えられ得る種々の移動・変形の形態を示している。すなわち、(a)に示す直線的な移動m1や3次元曲線的な移動m2、(b)に示す回転や転がりm3、(c)に示す引張り変形d1,圧縮変形d2,捻れや剪断に伴う変形d3であり、さらには、これらの少なくとも2つの任意の組み合わせが外力として加えられ得る。そして、これらの外力により、張設材2は、特定の経路を取り、或いは伸縮を生じ、外力の連続的な変化があれば張設材2の経路変化や伸縮も連続的に生じる。こうして生じる張設材の変化は、検知部3により検出される。この検出信号を制御部Wで処理すれば、外力を検知することができる。また、制御部Wによる処理を外力に応じた楽音の制御に使用することもできる。したがって、少ない部品点数で外力を検知でき、種々の分野への応用も容易である。
【0050】
図27及び図28は、囲繞部材100が、張設材2を囲んで延びる管状部材とされた例を示す。管状部材は、閉曲線の連続体であり、張設部材を通すという簡単な操作で囲繞構造を実現できる。また、管状部材に通されていれば、管状部材の形状や変形を越えた局部的な屈曲が張設材に生じることがないので、張設材の変位や伸縮の動作を妨げる摩擦等の要素を低減し適切に制御することができる。図27は、囲繞部材100が軸線Lを中心に回転移動をする場合を示し、図28は、囲繞部材100が矢印Xの方向へ曲げられる場合を示している。図28においては、囲繞部材100に強い曲げ力が作用しても、張設材2には、部分Zのように局部的な屈曲が生じないことを示している。
【0051】
図29及び図30は、図25から図28に示した外力検出装置を制御機構に応用した例を示している。図29のものは、可撓性のある環状の囲繞部材100を備えて構成されており、これを手で変形させることにより張設材(図示を省略)の長手方向の変化を生じさせて発音装置から出る音を制御するようになっている。図30のものは、平らなステージ状の囲繞部材100を備えて構成されており、その上に人が載り、ステップを踏む等すると、内蔵された張設材(図示を省略)が体重移動に応じて長手方向の変化を生じ、検知部がこれを検出して、例えば、発せられている音に変化を与えたり、ライトアップを演出するという制御を行なう。
【0052】
電子楽器は、マンマシンインターフェースの一種として作用する。そのインターフェースは、パネルスイッチ、ボリュームスライダー、回転つまみ、ホイール、ペダル、鍵盤等々の操作子の類や、スティック等で力を受ける部分、熱を検知する部分、光を検知する部分、或いはマイク入力するもの(ボコーダやピッチチェンジャー)に至るまで、形態が様々である。本発明に係る外力検出装置は、電子楽器への入力ための物理量変化を検出する部分に張設材によるストリング方式を適用することにより、シンプルな構造で安定した動作を実現するものであり、さらに必要に応じて高精度、高耐久性、良好な接触感を実現することもできる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下の効果を奏する電子楽器用操作機構を提供することができる。
【0054】
本発明に係る操作機構は、可動部材を保持する保持フレームに弾性部材を介して張設材を支持し、張設材の長手方向における変化を検出するように検知部を設け、保持フレームには、可動部材の接触圧による張設材の撓みが張設材長手方向へ広がるのを制限するように張設材に接する支承部が配設されている。したがって、可動部材の接触による張設材の撓みの広がりは、支承部により区切られた領域に制限される。したがって、複数ある可動部材の移動状況に拘わらず、張設材の移動、すなわち可動部材の行程が確実に検知部によって検知され得る。これにより、楽音制御を、簡単な構造で正確に行なうことができる
特に、前記支承部が、隣り合う可動部材の間に設けられている場合には、可動部材の接触による張設材の撓みの広がりは、可動部材毎に区切られ、各々独立して、より正確に検知部により検出され得る。
【0055】
また、前記支承部が、張設材と接する面に該張設材を受け入れる溝部を備えている場合は、張設材を該溝に受け入れて支持することができ、可動部材が張設材を移動させる際に、張設材は溝から脱出することなく移動するので、動作が安定する。その結果、張設材の変化のより正確な検出が可能となる。
【0056】
前記支承部が、発音用操作子又は該操作子と連動する部材のストッパの軟質部により構成されている場合は、その柔軟性により、可動部材の接触時に張設材2との接触部において大きく凹状に変形し、その両側はさほど変形しないで張設材の変形領域を区切り、隣り合う可動部材に相当する部分への影響を減殺する。したがって、支承部は、複数の可動部材に跨るように連続して延びる形態をとりながら、個々の可動部材が張設材に与える変形を区切る作用をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に至る基本的構造の電子楽器用操作機構を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る電子楽器用操作機構を電子ピアノに取付ける際の位置を例示する平面図。
【図3】 本発明に係る電子楽器用操作機構の一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る電子楽器用操作機構の他の例を模式的に示す斜視図である。
【図5】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す斜視図である。
【図6】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す斜視図である。
【図7】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す側面図である。
【図8】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す斜視図である。
【図9】 本発明に係る電子楽器用操作機構の他の例を模式的に示す斜視図である。
【図10】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す斜視図である。
【図11】 図10の操作機構の作動状態を示す正面図である。
【図12】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す説明図である。
【図13】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を模式的に示す斜視図である。
【図14】 本発明に係る電子楽器用操作機構の例における可動部材及び張設材の動作の説明図である。
【図15】 本発明に係る電子楽器用操作機構に使用される支承部の一例の斜視図である。
【図16】 本発明に係る電子楽器用操作機構に使用される支承部の他の例の平面図である。
【図17】 本発明に係る電子楽器用操作機構のさらに他の例を示す平面図である。
【図18】 本発明に係る電子楽器用操作機構を電子鍵盤楽器に使用する例を示す平面図である。
【図19】 本発明に係る電子楽器用操作機構に使用される支承部の一例の斜視図である。
【図20】 図19の操作機構の作動状態を示す正面図である。
【図21】 本発明に係る電子楽器用操作機構を電子ピアノに組み込んだ例の鍵盤装置部分で示す示す平面図である。
【図22】 図21の鍵盤装置部分の右側面図である。
【図23】 図21の鍵盤装置部分の左側面図である。
【図24】 本発明に至る基本的構造の電子楽器用操作機構の例を概略的に示す斜視図である。
【図25】 本発明に応用可能な外力検出装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図26】 図25に示す外力検出装置の作動状態の説明図である。
【図27】 本発明に応用可能な外力検出装置の他の例を模式的に示す斜視図である。
【図28】 図27に示す外力検出装置の作動状態の説明図である。
【図29】 図27に示した外力検出装置の応用例を示す斜視図である。
【図30】 図25に示した外力検出装置の応用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:可動部材、 2:張設材、 3:検知部、 4:保持フレーム、 5:弾性部材、 6:支承部、 7:溝、 8:軟質カバー、 20:鍵盤フレーム(保持フレーム)、 22:鍵、 26:ストッパ部材(支承部)、 100:囲繞部材
Claims (5)
- 外部操作により往復動させられる複数の可動部材と、
該可動部材を保持する保持フレームと、
該保持フレームに支持された張設材と、
前記可動部材が操作されたときに該可動部材と接触して生じる撓みによる張設材の長手方向における変化を検出するように前記張設材に設けられ、検出値を電子楽器の楽音制御用パラメータとして出力する検知部と、
前記保持フレーム及び前記張設材の一端の間に介在した弾性部材とを備えた電子楽器用操作機構であって、
前記保持フレームには、前記張設材に接する支承部が設けられ、該支承部は、前記可動部材の接触圧により前記張設材の撓みを生じる領域が張設材長手方向へ広がるのを制限するように、該張設材を区切って設けられ、且つ張設材の長手方向における変化が前記検知部により検知されるように該支承部上で前記張設材が移動可能に設けられていることを特徴とする電子楽器用操作機構。 - 前記支承部が、隣り合う可動部材の間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器用操作機構。
- 前記支承部が、前記張設材と接する面に該張設材を受け入れる溝部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子楽器用操作機構。
- 前記支承部が、発音用操作子又は該操作子と連動する部材のストッパの軟質部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器用操作機構。
- 前記支承部及び該支承部上に延びる前記張設材を覆い、且つ前記可動部材の接触圧を該可動部材の接触箇所近傍に伝え得る柔軟性を有した軟質カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の電子楽器用操作機構。
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