JP3698049B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に係わり、詳しくは、自動車の車体に防錆表面処理鋼板として用いられ、焼き付け硬化性が良く、且つ高強度及び高張力で、従来より表面外観に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の一般的な製造方法は、以下の通りである。まず、転炉等で所定組成となるよう成分調整して溶製された溶鋼を連続鋳造機等で鋳造し、鋼鋳片(例えば、スラブ)とする。そして、該鋳片を熱間圧延し、あるいはさらに冷間で圧延し、鋼板(通常は、長尺の鋼帯)とし、必要に応じて酸洗、焼鈍等が施される。この鋼帯を、溶融亜鉛めっきライン(連続溶融亜鉛めっき設備あるいはCGLと称している)の溶融亜鉛めっき浴に進入させ、引き上げて、表面に溶融亜鉛めっきを施し、ガス・ワイピング装置で亜鉛めっきの付着量を調整してから、所定温度に加熱し、鋼帯表面の鉄と亜鉛めっきとを合金化する。
【0003】
このようにして製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、防錆性が良いのに加え、安価に製造できるので、自動車車体の種々の部位に表面処理鋼板として多用されている。さらに近年では、表面外観が重要視されるようになっている。その理由は、強度向上などのために鋼中に添加されるMnやPに起因して、合金化溶融亜鉛めっき後の鋼板に所謂「不めっき」、「さざ波」、「合金化むら」と呼ばれる欠陥が発生し、自動車の外観を損なわせる恐れがあるからである。
【0004】
不めっき欠陥は、めっき前の鋼板を還元性雰囲気で焼鈍した際に、Mn等の鉄よりも易酸化性元素の酸化物を該鋼板の表面に生成し、めっき時に溶融亜鉛めっきと鋼板の濡れ性を劣化させ、部分的にめっきが付かない部分が生じたものである。
【0005】
さざ波欠陥は、めっき後に鋼板の表面外観がさざ波状を呈するため、さざ波欠陥と呼ばれている。この欠陥は、溶融亜鉛めっき浴の表面に浮遊したドロス(酸化亜鉛等)が鋼板に付着して生じると推定されている。
【0006】
合金化むらは、めっき鋼板の一部で合金化が遅滞し、合金化が完全に終了していない部分が生じることによる欠陥である。これは、鋼中に含有されているPが結晶粒界に偏析し、合金化時に鉄と亜鉛との拡散を抑制するためと考えられている。つまり、Pは、溶鋼をスラブに鋳造して凝固させる際に、スラブの内部や表層に偏析し易いが、このスラブ表層のP偏析は、その後の圧延によって延ばされて筋状となり、筋状の合金化むら欠陥となる。また、スラブ加熱や熱間圧延時の熱履歴が鋼板の辺縁部と中央部とで異なるためと思われるが、辺縁部と中央部とで合金化速度の相違による合金化むらとなったり、広範囲にわたる合金化むらとなる場合もある。
【0007】
従って、これら「不めっき」、「さざ波」及び「合金化むら」の各欠陥については、従来より改善するための研究が行われ、公開されている技術も多い。例えば、「不めっき」及び「さざ波」の欠陥に対しては、特開昭61−147865号公報、特開昭57−70268号公報が、鋼板に予めNi系又はFe系めっきを施してから溶融亜鉛めっきを行って防止する技術を提案している。また、特開昭55−122865号公報及び特開平4−254531号公報は、鋼板に鉄酸化膜を形成させた後に還元焼鈍してから溶融亜鉛めっきする対策を開示している。さらに、特開平9−41110号公報は、鋼板の熱間圧延時に粒界酸化を積極的に起こさせることで、それら欠陥を防止する技術を開示している。加えて、「合金化むら」の改善に対しては、特開平7−9055号公報が、焼鈍により易酸化性元素の酸化物を鋼板表面に濃化させた後に酸洗し、該酸化物を除去してから溶融亜鉛めっきする技術を提案している。さらに加えて、特開平11−50220号公報は、鋼板表面に硫黄化合物を塗布した後に焼鈍してから、溶融亜鉛めっきを行い「合金化むら」を抑制する技術を開示している。
【0008】
しかしながら、これらの従来技術では、CGLに通板する前の鋼板へ、予めNiめっきやFeめっきを施したり、鋼板表面の酸化物を濃化したり、あるいは薬剤を塗布したりするために、別の装置を通過させたり、あるいは該CGLの入り側に新たに装置を設置する必要がある。従って、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造コストが高くなり、実用上はあまり好ましい技術でない。また、鋼板表面に酸化物膜を形成したり、鋼板の熱間圧延時に結晶粒界を酸化する技術では、酸化物膜の組成や膜厚がばらつき、前記欠陥を十分に改善できないという別の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、製造コストの上昇を抑え、従来より表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的としている。
【0010】
ところで、自動車用鋼板においては、引張り強度の高い鋼板、延性の大きな鋼板あるいは高r値の鋼板の要求があり、さらには、プレス成形性と高強度とが共に求められる部位では、プレス成形の際に軟質で成形性が良く、成形後に170℃程度での塗装焼付けで表面硬度が増すといった焼付硬化性を有する高張力鋼板の要求がある。かかる高張力鋼板においても表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、鋼板の組成にだけ着眼した研究を鋭意行い、その成果を本発明に具現化した。
【0012】
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.001〜0.008%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.5%以下、P:0.03〜0.1%、Al:0.01〜0.1%を含有し、残部Fe及び不可避不純物元素からなる鋼板に溶融亜鉛めっきを施してから、めっき層を合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、前記鋼板に、Sb,Sn,Pb,As,Bi,Te及びSeから選ばれた1種又は2種以上を0.001〜0.1質量%含有させてなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
この場合、前記鋼板に、さらにNbを(C%×8+0.02)質量%以下含有させたり、あるいは、さらにTiを0.01〜0.06質量%含有させても良い。
【0013】
また、本発明は、上記したいずれかの合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、且つ引っ張り強さ340MPa以上、r値1.5以上を有していたり、あるいは、さらに時効指数40MPa以下、焼付硬化度50MPa以上を有してなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0014】
本発明によれば、従来より表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板がコストを従来より上昇させずに提供でき、さらには、焼き付け硬化性が良く、プレス成形性に優れ、高張力で、且つ表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板も、コストを従来より上昇させずに提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
まず、発明者は、自動車車体用に製造した鋼板(鋼帯ともいう)に合金化溶融亜鉛めっきしても、「不めっき」「さざ波」、「合金化むら」が起きないようにするための検討を行った。
【0017】
最初に、鋼板の高張力化のために溶鋼段階でMn:0.5質量%、Si:0.1質量%を添加した鋼板の表面について調査した。Mn,Siを含む鋼板は、再結晶焼鈍時にMnやSiの酸化物が鋼板の表面に生成するが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の外観は、合金化溶融亜鉛めっき前の表面状態の影響を受けるからである。そして、再結晶焼鈍前の冷延鋼板及び該冷延鋼板を再結晶焼鈍した鋼板について、その表面から約0.5μmまでの深さをGDS(グロー放電による発光分光分析)した結果を図1に示す。冷延鋼板では、その最表面層と内部とでMn,Siの濃度はほとんど変わらないが、5容量%水素−窒素、露点−30℃で再結晶焼鈍した鋼板では、Mn,Siの表面への濃化が観察される。
【0018】
そこで、発明者は、MnやSiの濃化を抑制する添加元素の発見に鋭意努力し、Sbに着眼した。そして,Sbを0.01質量%添加し、ほかの成分は上記と同じ組成の鋼板について、上記と同様に、冷延板及び再結晶焼鈍板のGDSを行い、図2に示す結果を得た。冷延鋼板では、Sbの深さ方向での濃度変化は観察されないが、焼鈍することによりSbが表面に濃化することが明らかである。このGDS分析結果では、Mn酸化物やSi酸化物のピークよりも鋼板表面側にSbが濃化していることが観察され、Sbは、酸化物を覆うように鋼板最表面に存在していると考えられる。また、Sbの表面への濃化量が焼鈍雰囲気の露点の影響を受けない、つまり雰囲気の酸素分圧の影響を受けないことから、Sb単体そのものが表面に偏析していると推定される。さらに、鋼板表面を覆うように在在するSbそのものが鋼板と溶融亜鉛との濡れ性を改善し、合金化溶融亜鉛めっき後の「不めっき」や「さざ波」を改善すると推定された。加えて、鋼中へのSbの添加は、上記のように鋼板表面に偏析するが、同時に粒界にも偏析し易いと考えられる。Sbが粒界に偏析することによりPの粒界偏析が減少し、合金化の遅滞が緩和、及び、筋状のPの偏析が緩和されると考えられる。そのような状況になると、「合金化むら」が改善されると推定される。なお、Sbの添加量は、効果が達成できれば少ない方が好ましく、0.001〜0.1質量%程度で十分である。0.001%未満は、欠陥改善の効果が十分でなく、0.1質量%超えでは、改善の効果が飽和する上、鋼板が硬化してしまうため不都合だからである。
【0019】
以上のように、「不めっき」、「さざ波」及び「合金化むら」の発生を抑制するには、合金化溶融亜鉛めっきの対象素材にSbを適当な量だけ含有させるのが良い。
【0020】
そこで、発明者は、同様な効果を発揮すると思われる元素、つまり焼鈍時の加熱で表面に偏析し易いと考えられるSn,Pb,As,Bi,Te,Seについても、同様に調査を行った。その結果、まったく同様の効果が得られたので、かかる成分を含有する鋼板を素材として製造した溶融亜鉛めっき鋼板を本発明としたのである。
【0021】
次に、本発明のその他の成分の限定理由について説明する。
C:0.001〜0.008質量%(以下、すべての元素について、単に%で表記)
Cは、固溶強化元素であり、鋼板に焼付硬化性を付与するためには有効な元素である。一方、製鋼過程で0.0010%未満まで脱炭するには、非常に負荷を要するので、下限を0.001%とする。また。Cは、目的とする強度、焼付硬化性を得るために添加するが、あまり多いと延性及びr値を低下し、加工性を損ねるので、0.008%を上限とする。好ましくは、0.002〜0.008%である。
Mn:0.2〜1.0%
Mnも、固溶強化元素として有効である。また、Sと化合して鋼板の赤熱脆性を抑制するには、0.2%以上必要なので、本発明では、下限を0.2%とする。
しかし、あまり多いと、鋼板の加工性を劣化するので、上限を1.0%とする。Si:0.5%以下
Siも、同様に固溶強化元素であるが、含有量が多いと、鋼板の延性を阻害する。そのため、本発明では、0.5%を上限とする。下限は設けないが、好ましくは、0.01%である。
P:0.03〜0.1%
Pは、鋼板のプレス成形性に対しては影響が小さく、焼付硬化能が大きい元素である。しかし、その硬化能を発揮させるには、0.03%以上の含有が必要なので、0.03%を下限とする。ただし、多くなると、鋼板の二次加工脆性を大きくするので、0.1%を上限とする。
Al:0.01〜0.1%
Alは、脱酸素及びNをAlNとして固定するため、0.01%の添加が必要である。ただし、多くなると、鋼板が硬質化したり、非金属介在物が増加して加工性が劣化するので、上限を0.1%とする。
【0022】
以上が、本発明の対象とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の基本素材の成分であるが、本発明では、さらにプレス加工性の改善のため、以下のように、Nb及び/又はTiの限定も行った。
Nb:(C%×8+0.02)%以下
Nbは、CをNbCとして固定し、鋼板のr値を大きくする。ただし、多くなり過ぎると、焼付硬化性を阻害するため、上限を(C%×8+0.02)%とする。なお、r値を大きくする効果を発揮するには、(C%×3+0.02)%以上が好ましい。
Ti:0.01〜0.06%
Tiは、C及びNを、TiC及びTiNとして固定し、鋼板のr値を上昇させる。その効果の発揮には、0.01%以上必要であり、0.06%超えでは、焼付硬化性を阻害するため、その値を上限とした。
【0023】
ところで、上記本発明に係る鋼組成の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するには、以下のようにすれば良い。
【0024】
まず、転炉及び二次精錬炉(真空脱ガス装置等)にて、予め定めた前記成分を有する溶鋼を溶製する。つまり、C,Mn,Si等の他、Sb量を調整する。得られた溶鋼は、例えば、連続鋳造機等で所定形状及びサイズの鋼鋳片(スラブ等)に鋳造する。該鋼鋳片を熱間圧延し、鋼帯として巻き取る。その際、鋼帯のr値を良好にするには、仕上げ圧延温度(FDT)を880℃で、巻き取り温度(CT)を500℃以上とするのが望ましい。その熱延鋼帯を酸洗工程に送り、通常の条件にて、表面の鉄酸化物を除去してから、冷間圧延する。鋼帯のr値向上のためには、この冷間圧延に際して圧下率を70%以上とするのが良い。このようにして得た冷延鋼帯は、CGLに送られ、再結晶焼鈍を施してから溶融亜鉛めっき及び合金化処理される。再結晶を十分に終了させるため、焼鈍温度は750〜900℃が好ましいが、特に限定するものではない。ただし、鋼帯の強度を大きくするには、焼鈍温度を低く、伸びやr値を良くするには、焼鈍温度を高くするのが望ましい。従って、焼鈍温度は、目的の鋼板特性に応じて調整すれば良い。なお、焼鈍時の還元性焼鈍雰囲気については、特に限定する必要がない。また、合金化後の鋼帯の焼付硬化性(BH)を高くするには、焼鈍温度を高くし、その後650℃までの冷却速度を早くすれば良い。溶融亜鉛めっきは、通常の条件で実施すれば良く、めっき浴の温度は450〜500℃、めっき浴中のAl濃度は0.130〜0.150%程度である。また、合金化も通常通りで、合金化温度が490〜550℃にあれば良い。
【0025】
発明者は、前記した本発明に係る鋼板を上記製造工程で、再結晶焼鈍条件を種々変更し、合金化溶融めっき鋼板を試験的に製造した。その結果、ある条件の下では、引っ張り強さが340MPa以上及びr値が1.5以上のものが得られ、また、別の条件下では、時効指数が40MPa以下及び焼付硬化度50MPa以上のものが得られた。そこで、これらの特性値を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板も、本発明に加えることにした。
【0026】
例えば、引張り強度が340MPa以上であり、且つ、r値が1.5以上といった高張力、且つ高r値であり、表面外観に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るためには、前記成分の鋼板を冷延圧下率70%以上で圧延し、さらに、750〜900℃の温度で再結晶焼鈍を行うことによって得られる。より高r値を得るためには、さらに、冷延圧下率を高くするか、あるいは、焼鈍温度を上げるなどの手段を用いれば良い。
【0027】
上記機械特性に加えて、時効指数40MPa以下、且つ焼付硬化性50MPa以上を有するところの焼付硬化性が良く、プレス成形性に優れ、高張力で且つ表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るには、前記の成分組成の鋼板を前記の圧下率で冷間圧延したのち、800℃以上の温度で焼鈍後に急冷することで達成する。これは、時効定数、焼付硬化性を左右する固溶Cや固溶Nの量を特定するためである。例えば、800〜900℃で20〜30秒の焼鈍により、再結晶を終了させ、650℃までの冷却を10℃/秒以上の平均冷却速度、好ましくは20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却すれば良い。
【0028】
【実施例】
表1に示す成分を有する鋼を転炉にて溶製し、連鋳にて230mm厚のスラブとした。該スラブを1200℃で1時間加熱した後、FDT900℃、CT600℃で熱延を行い、4mm厚の熱延鋼板とした。引き続き、酸洗により鉄酸化皮膜を除去した後、冷延を行い1mm厚の冷延鋼板とした。この冷延鋼板をCGLにて,焼鈍、溶融亜鉛めっき及び合金化を順次行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とした。なお、焼鈍は、5容量%水素−窒素雰囲気、露点−30〜−40℃、焼鈍温度830〜880℃で行い、焼鈍後の650℃までの平均冷却速度を10〜30℃/秒とした。溶融亜鉛めっき浴は、Al濃度を0.135〜0.145質量%で、めっきの付着量は50g/m2とした。なお、合金化温度は、500〜550℃の範囲で適宜変更した。
【0029】
【表1】
【0030】
製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、試料が採取され、該試料について強度、延性、r値、時効指数及び焼付硬化性が測定された。また、目視観察で外観性も調査され、下記の基準に従い評価された。
【0031】
評価基準
不めっき:×あり、△少しあり、○なし
さざ波:×あり、△少しあり、○なし
合金化むら及び筋状合金化むら:×あり、△少しあり、○なし
時効指数(AI)の測定方法:7.5%引っ張りにより予歪みを付与した後、100℃で30分間の人工的な時効処理を施し、その時の降伏応力の上昇量(時効指数)を測定する。
【0032】
焼付硬化性(BH)の測定方法:2%引っ張りによる加工硬化応力増分とその後の焼付塗装相当処理(170℃、20分)による歪み時効硬化応力増分との和(焼き付け硬化度)とする。
【0033】
これらの測定及び観察結果を、一括して表2に示す。表2より、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、外観性に優れており、特に、引張り強度が340MPa以上の高張力で、且つ、r値が1.5以上といった機械特性を持ち、あるいは、さらに、時効指数40MPa以下、且つ、焼付硬化度50MPa以上を持つ本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、同じ強度、プレス成形性、及び焼付硬化性の比較例に比べて、外観が非常に優れていることが明らかである。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板がコストを従来より上昇させずに提供でき、さらには、焼き付け硬化性が良く、プレス成形性に優れ、高張力で、且つ表面外観性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板も、コストを従来より上昇させずに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Sb無添加鋼板の表面より0.5μm深さまでのグロー放電分光分析結果を示す図であり、(a)は冷延鋼板の場合、(b)は該冷延鋼板を再結晶焼鈍した場合である。
【図2】Sb添加鋼板の表面より0.5μm深さまでのグロー放電分光分析結果を示す図であり、(a)は冷延鋼板の場合、(b)は該冷延鋼板を再結晶焼鈍した場合である。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.001〜0.008%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.5%以下、P:0.03〜0.1%、Al:0.01〜0.1%を含有し、残部Fe及び不可避不純物元素からなる鋼板に溶融亜鉛めっきを施してから、めっき層を合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、
前記鋼板に、Sb,Sn,Pb,As,Bi,Te及びSeから選ばれた1種又は2種以上を0.001〜0.1質量%含有させてなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 - さらに、Nbを(C%×8+0.02)質量%以下含有させてなることを特徴とする請求項1記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- さらに、Tiを0.01〜0.06質量%含有させてなることを特徴とする請求項1又は2記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、且つ引っ張り強さ340MPa以上、r値1.5以上を有してなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- さらに、時効指数40MPa以下、焼付硬化度50MPa以上を有してなることを特徴とする請求項4記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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