JP3697659B2 - 黒麹もろみ酢からなる健康飲料 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はクエン酸含有量が高い黒麹もろみ酢のクエン酸含有量を更に補強し、且もろみ臭の消去と甘味を付与せしめて極めて飲み易く而も疲労回復効果に優れる黒麹もろみ酢からなる健康飲料に関する。
【0002】
【従来技術】
酢が疲労回復効果やカルシウム吸収効果或いは防腐、静菌効果を保持することは古くから認識されており且医学的にもクレブス・サイクルやクエン酸回路等により立証されている。そして近年の如く高齢化社会や環境汚染に伴う健康指向の高まり等とも相俟って酢の摂取増大が早くから喧伝されていたものの、一般に使用されてなる食用酢所謂醸造酢は、極度の酸味と且酢酸臭を保持するため積極的且多量の摂取手段がなされにくく、結局調理時の使用或いは特定食材のみにおける摂取に制限されており酢の本来的効用が発揮されるに至っていない。
【0003】
これがため発明者は鋭意研究を重ねた結果、現状の醸造酢は糖質若しくは澱粉質をアルコール発酵させ、続いて酢酸発酵させたものでありその使用原料により米酢、穀物酢、ぶどう酢、りんご酢、果実酢等に分類されるものの、使用原料の種類や使用量によってグルコン酸、クエン酸、乳酸、琥珀酸等の有機酸や、うま味成分となるアミノ酸量も著しく異るものの、これら醸造酢は概ね酸度が強く且淡白な風味のものであるからそのままでは極めて飲みにくく、且仮令甘味飲料で希釈飲用するとしても相対的にクエン酸量が低下しその摂取量も不十分となり疲労回復効果やカルシウム吸収効果も期待できない結果となる。
【0004】
而して泡盛醸造に際して黒麹菌と米麹及び酵母による発酵蒸留後のもろみを圧搾してなる黒麹もろみ酢は、一般上市されてなる酢の総有機酸におけるクエン酸含有比率が略10%程度であるのに比べて該黒麹もろみ酢の総有機酸に占めるクエン酸含有比率が略90%にも昇ること、及び含有アミノ酸量並びにミネラル量も比較的多量に含有するため高い酸度でも味覚としてのまろやかさや、十分なうま味を保持することに着目した。
【0005】
他方本発明はクエン酸摂取量を高め、クレブス・サイクルやクエン酸回路等の生理機能により疲労回復やカルシウム吸収効果による健康増進を図るためのものであるから、クエン酸をより多く含有させ且好ましくは飲用による多量の摂取がなされることが強く望まれるところである。
然るに黒麹もろみ酢は比較的多量のアミノ酸やミネラル分を含有しているものの、これらが強い酸味と混合されて異様や味を醸成し而も酢酸臭に加えてもろみ特有の臭気も混交され、従って黒麹もろみ酢のみでは飲用に供しえぬ実情にある。
【0006】
これがため該黒麹もろみ酢を広範な消費者に多量に飲用なさしむるうえからは、清涼感や美味さとともにもろみ臭を除去せしむることが不可欠であって、発明者は該黒麹もろみ酢に調味混合させても黒麹もろみ酢のクエン酸量が更に増強され且清涼感や美味さを創出させ併せてもろみ臭の除去を図るため、多種多様な調味材の混合テストを重ねた結果、所要の黒麹もろみ酢に対して特定範囲の酸度並びに全糖値のパッションフルーツ搾汁を所要の混合割合で混合させることにより、クエン酸量が一段と増強され且もろみ臭も除去されて十分に飲用に供しえる健康飲料が生成可能なることを確認し本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち本発明は黒麹もろみ酢の高いクエン酸量を更に増強せしめ、且清涼感と美味を付与せしむるとともにもろみ臭を除去せしめて、クエン酸の摂取促進により健康増進を実現しうる黒麹もろみ酢からなる健康飲料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は少量の飲用でもクエン酸の摂取量を高めるうえから、そのクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上含有する黒麹もろみ酢を用いるとともに、調味混合により清涼感や美味さを醸成させるうえからは過剰な甘味を抑制させること、及び調味混合に際してもクエン酸量を増強させ、而ももろみ臭を除去せしめて多量の飲用を可能となすため、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且その酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が、黒麹もろみ酢に対して7乃至12%重量割合で混合させてなる構成の黒麹もろみ酢からなる健康飲料に存する。
【0009】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるため、以下のような作用を有する。即ち黒麹もろみ酢は黒麹菌と米麹及び酵母菌により発酵蒸留させる泡盛醸造後のもろみを圧搾させたもので、総有機酸中のクエン酸量が著しく高く且このクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上の黒麹もろみ酢を使用するため、僅かな飲用によっても十分なクエン酸量の摂取が可能となるばかりか、該黒麹もろみ酢にはその全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且その酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が7乃至12%重量割合で混合されるため、混合された本発明の実質的クエン酸量が一段と増強されるとともに、全糖値が実質的に7乃至12%重量割合に希釈されるため酸味と甘味が拮抗せず、酸味による清涼感の後にほのかな甘味による美味さが味覚され、而もパッションフルーツ搾汁には略1.5%重量のフェノールエーテル成分が含有されてなるため、もろみ臭が消除され多量の飲用がなしえるばかりか、黒麹もろみ酢に含有される比較的多量のアミノ酸やミネラル分によるこくや、まろやかさにより薬用感も創出される。
【0010】
【実施例】
以下に本発明実施例を詳細に説明すれば、本発明においては僅かな飲用においてもクエン酸を十分に摂取せしめてクレブス・サイクル或いはクコン酸回路で周知されてなる如く疲労回復効果やカルシウム吸収効果を高めて健康増進を図るうえから、クエン酸含有量が著しく高い黒麹もろみ酢が選択される。
即ち一般的な米酢等においては酵母菌としてサッカロミセス・セレビジエ(sacchalomyces cervisiae)を用いて発酵がなされるが、この発酵においては生成有機酸のうちクエン酸量が略10%程度しか生成されない。他方泡盛の醸造は米麹だけを原料とするもので、蒸米にアスペルギルス・アワモリ(Aspergillusawamori)なる特殊な黴菌を生やして米麹をつくり仕込むもので、該アスペルギルス・アワモリは黒い胞子をつけるため黒麹黴とも呼ばれ、この黒麹黴は製麹過程において糖化酵素だけでなくクエン酸を多量に発生するもので、その有機酸生成の略90%がクエン酸であることによる。
【0011】
そしてこの黒麹もろみ酢は、米麹の発酵後の蒸留による泡盛醸造後のもろみを圧搾して生成がなされたもので、この多量に生成されるクエン酸が発酵液のpH値を下げるため、乳酸菌の力を借りずとも沖縄の真夏下でも泡盛醸造を可能としている理由でもある。
無論黒麹もろみ酢は黒麹黴により黒色を呈しているものであるが、飲料としての利用には美感的要素も重要であることから黒色胞子等を濾過することにより琥珀色の黒麹もろみ酢となしたるうえ使用することが望まれる。
更に使用する黒麹もろみ酢は、その飲用に際して少ない飲用では略30乃至60ml程度と思慮されるため、かかる少量の飲用によっても十分なクエン酸量を摂取しえるよう、その含有クエン酸量(mg/100g)は少なくとも500mg以上望ましくは700乃至800mg程度のものの使用が望まれる。因みに発明者の関与する泡盛醸造に付帯して生成される黒麹もろみ酢の一般的成分は表1の通りである。
【0012】
【表1】
【0013】
而して該黒麹もろみ酢はアミノ酸やミネラル分も比較的多量に含有するものの、酸味も高く異様な味覚に加え特有のもろみ臭を持つこととも相俟って、広範囲の消費者には容易に飲用しえない。
そこでかかる黒麹もろみ酢に飲用に際しての清涼感と美味さの付加及びもろみ臭を消除せしめて、広範囲の消費者に多量の飲用をなさしめるうえからパッションフルーツの搾汁が混合される。
【0014】
このパッションフルーツは開花後の収穫日数により搾汁中の糖度と酸含量(クエン酸量が変化するもので糖度においては開花後30日で8程度のものが開花後40日では12、開花後58日で17程度を最高糖度とする糖度変化をなし、反面酸含量(クエン酸量)は開花後30日では略4.0%程度のものが、開花後40乃至48日後で略5.0%と最高値を示したうえ、開花後58日では略3.6%と順次酸含有量の低下を示す。そして開花65日後の成分特性が表2に示されてなる如く、そのクエン酸含有量は2.7%にも昇り、搾汁100g当りに換算すれば略2699mgにも昇る多量の含有量を有するものである。
【0015】
【表2】
【0016】
そしてかかるパッションフルーツ搾汁の混合に際しては、混合により全体のクエン酸量の増強を図ることはもとより、飲用に際して酸味と甘味を拮抗させぬことが長期に亘る飲用を持続させるうえから肝要であって、これがためには酸味による清涼感と飲用後のほのかな甘味による美味さを創出せしめること、及びもろみ臭を消除させる混合割合が極めて重要となる。
これがためには、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁を、黒麹もろみ酢に対して7乃至12%重量割合で混合させることにある。
【0017】
かかる場合においてパッションフルーツ搾汁は、生のままでは保存性に難点があり、且搾汁中には略1乃至2%程度の澱粉が含有されてなるから、遠心分離により除去したうえビン若しくは缶に充填のうえ加熱殺菌を施したものの使用が望ましい。
そして該パッションフルーツ搾汁の混合に際して留意すべきは、少量の飲用に際しても十分なクエン酢を摂取せしむることはもとより、健康増進を示唆せしむる薬用感も創出させることも望まれるもので、これがためには酸味や甘味が必要以上に強調されると単なる清涼飲料と化す恐れが生ずるため、全糖値と酸値及び混合割合には十分配慮することが必要である。
【0018】
本発明はかかる如き構成よりなるものであるが、実際の飲用消費に際しては清涼感や美味さ或いはもろみ臭等に係る嗜好が大きく関係してくる。
そこで黒麹もろみ酢にパッションフルーツ搾汁を種々の割合で混合させたうえ飲用嗜好テストを行った結果を以下に示す。
飲用嗜好テストに用いた試料は、黒麹もろみ酢としてその主要成分が100g当り水分89.7g、たんぱく質2.1g、クエン酸610mg、及びミネラル分56mgのものを用い、この黒麹もろみ酢にパッションフルーツ搾汁としてその主要成分が100g当り全糖値4.0mg、クエン酸量2730mgのものを13.0%重量割合で混合したものを試料1として、更に11.7%重量割合で混合したものを試料2、同様に8.0%重量割合で混合したものを試料3、及び6.0%重量割合で混合したものを試料4とし、且黒麹もろみ酢のみのものを対照として用いた。
【0019】
飲用嗜好テストは首都圏に居住する評価者として、年齢15乃至24歳、年齢25乃至34歳、年齢35乃至44歳、年齢45乃至54歳、及び年齢55乃至64歳の各年齢層における男女各5人合計50人により行った。
飲用嗜好テスト方法は評価者に、それぞれ試料1乃至試料4及び対照を20mlづつ飲用してもらい、清涼感(酸味)美味さ(甘味)、薬用感(うまみ、こく)、及びもろみ臭について感覚判定により行ったもので、その結果は表3の通りであった。
【0020】
【表3】
【0021】
表3からも明らかなようにパッションフルーツ搾汁は、黒麹もろみ酢に対して7%重量から12%重量割合程度の混合が極めて好適であることが窺われる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように、そのクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上の黒麹もろみ酢に、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且酸値(mg/100g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が7乃至12%重量割合で混合されてなるため、クエン酸含有量が著しく高く且清涼感や美味さが創出されるとともに、もろみ臭も消除されるため老若男女を問わず容易に且多量の飲用がなしえるばかりか、僅かな飲用でも十分なクエン酸量が摂取されるためクレブス・サイクルやクエン酸回路により抗酸化作用を初めコレステロール除去作用、アルカリ保持作用並びに乳酸抑制による疲労防止作用が有効に働き、優れた健康増進効果が図れる健康飲料である。
【産業上の利用分野】
本発明はクエン酸含有量が高い黒麹もろみ酢のクエン酸含有量を更に補強し、且もろみ臭の消去と甘味を付与せしめて極めて飲み易く而も疲労回復効果に優れる黒麹もろみ酢からなる健康飲料に関する。
【0002】
【従来技術】
酢が疲労回復効果やカルシウム吸収効果或いは防腐、静菌効果を保持することは古くから認識されており且医学的にもクレブス・サイクルやクエン酸回路等により立証されている。そして近年の如く高齢化社会や環境汚染に伴う健康指向の高まり等とも相俟って酢の摂取増大が早くから喧伝されていたものの、一般に使用されてなる食用酢所謂醸造酢は、極度の酸味と且酢酸臭を保持するため積極的且多量の摂取手段がなされにくく、結局調理時の使用或いは特定食材のみにおける摂取に制限されており酢の本来的効用が発揮されるに至っていない。
【0003】
これがため発明者は鋭意研究を重ねた結果、現状の醸造酢は糖質若しくは澱粉質をアルコール発酵させ、続いて酢酸発酵させたものでありその使用原料により米酢、穀物酢、ぶどう酢、りんご酢、果実酢等に分類されるものの、使用原料の種類や使用量によってグルコン酸、クエン酸、乳酸、琥珀酸等の有機酸や、うま味成分となるアミノ酸量も著しく異るものの、これら醸造酢は概ね酸度が強く且淡白な風味のものであるからそのままでは極めて飲みにくく、且仮令甘味飲料で希釈飲用するとしても相対的にクエン酸量が低下しその摂取量も不十分となり疲労回復効果やカルシウム吸収効果も期待できない結果となる。
【0004】
而して泡盛醸造に際して黒麹菌と米麹及び酵母による発酵蒸留後のもろみを圧搾してなる黒麹もろみ酢は、一般上市されてなる酢の総有機酸におけるクエン酸含有比率が略10%程度であるのに比べて該黒麹もろみ酢の総有機酸に占めるクエン酸含有比率が略90%にも昇ること、及び含有アミノ酸量並びにミネラル量も比較的多量に含有するため高い酸度でも味覚としてのまろやかさや、十分なうま味を保持することに着目した。
【0005】
他方本発明はクエン酸摂取量を高め、クレブス・サイクルやクエン酸回路等の生理機能により疲労回復やカルシウム吸収効果による健康増進を図るためのものであるから、クエン酸をより多く含有させ且好ましくは飲用による多量の摂取がなされることが強く望まれるところである。
然るに黒麹もろみ酢は比較的多量のアミノ酸やミネラル分を含有しているものの、これらが強い酸味と混合されて異様や味を醸成し而も酢酸臭に加えてもろみ特有の臭気も混交され、従って黒麹もろみ酢のみでは飲用に供しえぬ実情にある。
【0006】
これがため該黒麹もろみ酢を広範な消費者に多量に飲用なさしむるうえからは、清涼感や美味さとともにもろみ臭を除去せしむることが不可欠であって、発明者は該黒麹もろみ酢に調味混合させても黒麹もろみ酢のクエン酸量が更に増強され且清涼感や美味さを創出させ併せてもろみ臭の除去を図るため、多種多様な調味材の混合テストを重ねた結果、所要の黒麹もろみ酢に対して特定範囲の酸度並びに全糖値のパッションフルーツ搾汁を所要の混合割合で混合させることにより、クエン酸量が一段と増強され且もろみ臭も除去されて十分に飲用に供しえる健康飲料が生成可能なることを確認し本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち本発明は黒麹もろみ酢の高いクエン酸量を更に増強せしめ、且清涼感と美味を付与せしむるとともにもろみ臭を除去せしめて、クエン酸の摂取促進により健康増進を実現しうる黒麹もろみ酢からなる健康飲料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は少量の飲用でもクエン酸の摂取量を高めるうえから、そのクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上含有する黒麹もろみ酢を用いるとともに、調味混合により清涼感や美味さを醸成させるうえからは過剰な甘味を抑制させること、及び調味混合に際してもクエン酸量を増強させ、而ももろみ臭を除去せしめて多量の飲用を可能となすため、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且その酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が、黒麹もろみ酢に対して7乃至12%重量割合で混合させてなる構成の黒麹もろみ酢からなる健康飲料に存する。
【0009】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるため、以下のような作用を有する。即ち黒麹もろみ酢は黒麹菌と米麹及び酵母菌により発酵蒸留させる泡盛醸造後のもろみを圧搾させたもので、総有機酸中のクエン酸量が著しく高く且このクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上の黒麹もろみ酢を使用するため、僅かな飲用によっても十分なクエン酸量の摂取が可能となるばかりか、該黒麹もろみ酢にはその全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且その酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が7乃至12%重量割合で混合されるため、混合された本発明の実質的クエン酸量が一段と増強されるとともに、全糖値が実質的に7乃至12%重量割合に希釈されるため酸味と甘味が拮抗せず、酸味による清涼感の後にほのかな甘味による美味さが味覚され、而もパッションフルーツ搾汁には略1.5%重量のフェノールエーテル成分が含有されてなるため、もろみ臭が消除され多量の飲用がなしえるばかりか、黒麹もろみ酢に含有される比較的多量のアミノ酸やミネラル分によるこくや、まろやかさにより薬用感も創出される。
【0010】
【実施例】
以下に本発明実施例を詳細に説明すれば、本発明においては僅かな飲用においてもクエン酸を十分に摂取せしめてクレブス・サイクル或いはクコン酸回路で周知されてなる如く疲労回復効果やカルシウム吸収効果を高めて健康増進を図るうえから、クエン酸含有量が著しく高い黒麹もろみ酢が選択される。
即ち一般的な米酢等においては酵母菌としてサッカロミセス・セレビジエ(sacchalomyces cervisiae)を用いて発酵がなされるが、この発酵においては生成有機酸のうちクエン酸量が略10%程度しか生成されない。他方泡盛の醸造は米麹だけを原料とするもので、蒸米にアスペルギルス・アワモリ(Aspergillusawamori)なる特殊な黴菌を生やして米麹をつくり仕込むもので、該アスペルギルス・アワモリは黒い胞子をつけるため黒麹黴とも呼ばれ、この黒麹黴は製麹過程において糖化酵素だけでなくクエン酸を多量に発生するもので、その有機酸生成の略90%がクエン酸であることによる。
【0011】
そしてこの黒麹もろみ酢は、米麹の発酵後の蒸留による泡盛醸造後のもろみを圧搾して生成がなされたもので、この多量に生成されるクエン酸が発酵液のpH値を下げるため、乳酸菌の力を借りずとも沖縄の真夏下でも泡盛醸造を可能としている理由でもある。
無論黒麹もろみ酢は黒麹黴により黒色を呈しているものであるが、飲料としての利用には美感的要素も重要であることから黒色胞子等を濾過することにより琥珀色の黒麹もろみ酢となしたるうえ使用することが望まれる。
更に使用する黒麹もろみ酢は、その飲用に際して少ない飲用では略30乃至60ml程度と思慮されるため、かかる少量の飲用によっても十分なクエン酸量を摂取しえるよう、その含有クエン酸量(mg/100g)は少なくとも500mg以上望ましくは700乃至800mg程度のものの使用が望まれる。因みに発明者の関与する泡盛醸造に付帯して生成される黒麹もろみ酢の一般的成分は表1の通りである。
【0012】
【表1】
【0013】
而して該黒麹もろみ酢はアミノ酸やミネラル分も比較的多量に含有するものの、酸味も高く異様な味覚に加え特有のもろみ臭を持つこととも相俟って、広範囲の消費者には容易に飲用しえない。
そこでかかる黒麹もろみ酢に飲用に際しての清涼感と美味さの付加及びもろみ臭を消除せしめて、広範囲の消費者に多量の飲用をなさしめるうえからパッションフルーツの搾汁が混合される。
【0014】
このパッションフルーツは開花後の収穫日数により搾汁中の糖度と酸含量(クエン酸量が変化するもので糖度においては開花後30日で8程度のものが開花後40日では12、開花後58日で17程度を最高糖度とする糖度変化をなし、反面酸含量(クエン酸量)は開花後30日では略4.0%程度のものが、開花後40乃至48日後で略5.0%と最高値を示したうえ、開花後58日では略3.6%と順次酸含有量の低下を示す。そして開花65日後の成分特性が表2に示されてなる如く、そのクエン酸含有量は2.7%にも昇り、搾汁100g当りに換算すれば略2699mgにも昇る多量の含有量を有するものである。
【0015】
【表2】
【0016】
そしてかかるパッションフルーツ搾汁の混合に際しては、混合により全体のクエン酸量の増強を図ることはもとより、飲用に際して酸味と甘味を拮抗させぬことが長期に亘る飲用を持続させるうえから肝要であって、これがためには酸味による清涼感と飲用後のほのかな甘味による美味さを創出せしめること、及びもろみ臭を消除させる混合割合が極めて重要となる。
これがためには、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁を、黒麹もろみ酢に対して7乃至12%重量割合で混合させることにある。
【0017】
かかる場合においてパッションフルーツ搾汁は、生のままでは保存性に難点があり、且搾汁中には略1乃至2%程度の澱粉が含有されてなるから、遠心分離により除去したうえビン若しくは缶に充填のうえ加熱殺菌を施したものの使用が望ましい。
そして該パッションフルーツ搾汁の混合に際して留意すべきは、少量の飲用に際しても十分なクエン酢を摂取せしむることはもとより、健康増進を示唆せしむる薬用感も創出させることも望まれるもので、これがためには酸味や甘味が必要以上に強調されると単なる清涼飲料と化す恐れが生ずるため、全糖値と酸値及び混合割合には十分配慮することが必要である。
【0018】
本発明はかかる如き構成よりなるものであるが、実際の飲用消費に際しては清涼感や美味さ或いはもろみ臭等に係る嗜好が大きく関係してくる。
そこで黒麹もろみ酢にパッションフルーツ搾汁を種々の割合で混合させたうえ飲用嗜好テストを行った結果を以下に示す。
飲用嗜好テストに用いた試料は、黒麹もろみ酢としてその主要成分が100g当り水分89.7g、たんぱく質2.1g、クエン酸610mg、及びミネラル分56mgのものを用い、この黒麹もろみ酢にパッションフルーツ搾汁としてその主要成分が100g当り全糖値4.0mg、クエン酸量2730mgのものを13.0%重量割合で混合したものを試料1として、更に11.7%重量割合で混合したものを試料2、同様に8.0%重量割合で混合したものを試料3、及び6.0%重量割合で混合したものを試料4とし、且黒麹もろみ酢のみのものを対照として用いた。
【0019】
飲用嗜好テストは首都圏に居住する評価者として、年齢15乃至24歳、年齢25乃至34歳、年齢35乃至44歳、年齢45乃至54歳、及び年齢55乃至64歳の各年齢層における男女各5人合計50人により行った。
飲用嗜好テスト方法は評価者に、それぞれ試料1乃至試料4及び対照を20mlづつ飲用してもらい、清涼感(酸味)美味さ(甘味)、薬用感(うまみ、こく)、及びもろみ臭について感覚判定により行ったもので、その結果は表3の通りであった。
【0020】
【表3】
【0021】
表3からも明らかなようにパッションフルーツ搾汁は、黒麹もろみ酢に対して7%重量から12%重量割合程度の混合が極めて好適であることが窺われる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように、そのクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上の黒麹もろみ酢に、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且酸値(mg/100g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が7乃至12%重量割合で混合されてなるため、クエン酸含有量が著しく高く且清涼感や美味さが創出されるとともに、もろみ臭も消除されるため老若男女を問わず容易に且多量の飲用がなしえるばかりか、僅かな飲用でも十分なクエン酸量が摂取されるためクレブス・サイクルやクエン酸回路により抗酸化作用を初めコレステロール除去作用、アルカリ保持作用並びに乳酸抑制による疲労防止作用が有効に働き、優れた健康増進効果が図れる健康飲料である。
Claims (1)
- そのクエン酸量(mg/100g)が少なくとも500mg以上の黒麹もろみ酢に対して、その全糖値(mg/100g)が3.2乃至4.8mgで且酸値(mg/10g)が少なくとも55mg以上のパッションフルーツ搾汁が、7乃至12%重量割合で混合されてなることを特徴とする黒麹もろみ酢からなる健康飲料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001338639A JP3697659B2 (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 黒麹もろみ酢からなる健康飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003102451A JP2003102451A (ja) | 2003-04-08 |
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Cited By (1)
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