JP3697320B2 - 光ファイバセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ応用計測技術に属するものであり、自動車エンジンにおける燃焼圧力の計測制御をはじめ、一般に圧力を計測しそれを制御に利用する産業分野全般で使用することができる光ファイバセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジン制御を目的とした燃焼圧センサの場合を例として、本発明に係わる従来技術を説明する。
【0003】
ピエゾ起電力またはピエゾ抵抗効果を利用した電気式圧力検出が燃焼圧力計測の基本技術であった。これに対して電気的雑音に強い光学式センサ、特に複雑に込み入ったエンジン周辺に実装容易な、光ファイバを用いた燃焼圧センサの提案がある。一例として特開昭60−166739号公報に開示されている制御装置では、光ファイバをエンジンの周りに配置し、その一部はボルトの座金位置に用意した圧力検出用のケース内を通るようにしている。光ファイバは電気的絶縁体であるため、ショートの危険なくエンジン周辺の隙間を通すことができる。
【0004】
これに対し、光ファイバを圧力検出部と共にエンジンの内部に実装する燃焼圧センサがある。特開平6−307953号公報の物理量検出装置では、エンジンのヘッドガスケット内部に圧力検出部を実装した光ファイバセンサを中心に、多気筒の燃焼圧力検出制御システムを構成した例を示している。各気筒に対応して設けられた受圧部では、燃焼圧力に応じた曲げ変形を光ファイバに与えるようにしている。曲げ変形に伴う光損失の結果、光ファイバの伝播光量が変化するため、逆に光量変化から燃焼圧力の変化を知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に見られる光ファイバセンサは、複数センサの実装スペース確保が難しいエンジンルーム内での多気筒内圧計測に有効である。一方、エンジンルーム内は熱的にも過酷な環境にある。従ってセンサの長期安定動作を考えると、発光手段である光源には、熱的負担の少ない発光強度を抑えた使い方が望ましい。実際には、一例として1μW程度の光強度でも圧力計測には充分である。
【0006】
しかしながら、光強度設定に対する設計上の自由度を高め、また万一何等かの理由で発光強度が設定値を大きく下回る場合でも計測を継続できるようにすることが実用面で望ましい。こうした理由を背景に、光ファイバセンサを光強度のより弱い条件下で使用してもS/N比の良好な微弱光計測のできる検出方式をいかに実現するかが課題として残されていた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を鑑みてなされたもので、発光強度が弱い条件下でもS/N比の良好な計測ができる光ファイバセンサを提供することを目的とする。
【0008】
また、光ファイバセンサで検出される信号の直流成分あるいはそれに近い低周波の信号成分は、発光器の発光強度、光ファイバの状態、受光器の検出感度等、いわゆる光の伝送経路の状態に依存する。このため、この直流成分をモニターすることにより、経時的変化によっておこる上記伝送経路の劣化の度合いを常に把握することができる。
【0009】
本発明の他の目的は、発光強度が弱い条件下でも検出信号の直流成分やその近傍の周波数、あるいは、ある特定の周波数成分をより正確に計測できる光ファイバセンサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による光ファイバセンサは、検出対象である信号の周波数帯域(特別な場合には直流成分を含む)と該信号を検出した後に混入し得る雑音信号の特徴的な周波数帯域(特別な場合には直流成分を含む)とを分離するための帯域分離手段と、分離後の信号周波数帯域を分離前の帯域に戻すための帯域回復手段とを備える。
【0011】
また、上記本発明による光ファイバセンサにおいて、上記雑音信号に特徴的な周波数帯域を除去するための雑音除去手段をさらに備えても良い。
【0012】
また、上記本発明による光ファイバセンサにおいて、上記帯域分離手段により変換した後の信号を増幅可能な増幅手段、または、上記帯域回復手段により回復した後の信号を増幅可能な増幅手段をさらに備えても良い。
【0013】
以上の手段によれば、光ファイバセンサにおける光電変換後の検出信号に対して、これに混入し得る回路的雑音や電気的回り込み成分を分離し、必要な微弱信号の選択性を高め、効果的に信号の増幅処理を施すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した光ファイバセンサの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態の光ファイバセンサは、図1に示すように、発光部(光源)1、光ファイバ2、および受光部(O/E)3によりその本体を構成している。本実施形態では、光ファイバ2の一部に、計測対象である圧力変化に応じた曲げ変形が与えられる構成を備えており、この曲げ変形に応じた光量変化を検出することで、上記圧力変化を検出するものである。なお、光ファイバセンサに備えられる光ファイバの本数は、本実施形態のように1本に限定されるものではなく、複数本でも構わない。
【0016】
発光部1より発した光は光ファイバ2の中を伝播し、上記曲げ変形(曲げ半径)の大きさに応じた光損失を被った後、受光部3で伝播光量が電気的に検出される。光ファイバ2の具体的構造や配置は、もちろん図1の例に限るものではない。
【0017】
受光部3により検出された信号は、一般に電気回路または電子回路で増幅等の必要な処理を受けた後、センサ出力として出力される。
【0018】
一方、現実の信号処理回路では処理の過程で、検出信号と区別のできない雑音信号の混入が避け難い。雑音信号は回路外部から回り込むこともあるが、信号処理回路自体に起因する場合もある。このような雑音は、充分な信号強度が得られている場合には問題とならない。しかし、光ファイバセンサにおいて発光部1の発する光量が小さくなると、受光部3で検出される信号自体が小さくなるため問題の生じる場合がある。例えば、信号を増幅するための回路素子は一定の電圧で飽和してしまう一方、増幅素子自体が直流オフセット電圧を生じることが知られている。特に安価に利用できる汎用の増幅素子ではそうした傾向が大きい。
【0019】
さらに、直流オフセット電圧の大きさは例えば温度等により変化するが、素子単位でこれを補償することは繁雑で実用的でない場合が多い。また、前記増幅素子を複数つなげて大きな増幅率を得るには、直流オフセット電圧を除去しながら信号増幅することが必要である。したがって、このような場合、直流成分あるいはそれに近いゆっくりと変化する低周波の信号成分も計測対象とするような微弱光計測は現実的ではない。
【0020】
そこで、本実施形態の光ファイバセンサは、上記構成に加え、発光部1の発光を変調することで後述するような信号の帯域分離を行う帯域分離部10と、目的とする周波数帯域の信号だけを選択することで雑音成分等を取り除く雑音除去部30と、前記選択された信号を増幅する増幅部40と、前記増幅された信号を復調することで信号を本来の周波数帯域に回復する帯域回復部20と、当該センサの出力振幅を調整する振幅調整部50とを備えている。
【0021】
本実施形態では、帯域分離部10により検出信号の帯域を直流成分を含む周波数領域から一度分離させ、雑音除去部30でこの場合の雑音成分である直流電圧成分を除去し、またこれを増幅部40による変調信号の増幅と組み合せるようにしている。図1には模式的に示しているが、雑音除去部30で直流オフセット電圧を除去しながら増幅部40を複数組み合せることで増幅率を上げることができる。この場合、信号は帯域分離部10により予め変調を受けているため、検出信号に本来含まれていた直流成分の情報は失われない。増幅後の変調信号に対しては帯域回復部20により検波や平滑等を含む復調処理が行われ、最後に出力電圧の大きさが増幅部50により調整される。
【0022】
帯域分離部10は発光部1での発光強度に変調を加える。図1では変調信号が周期Tの矩形波の場合を示している。一例として発光部1に半導体レーザダイオードあるいはそれに類する発光素子を用いる場合には、当該発光素子に供給する注入電流の大きさに対応する変調を加えるようにすればよい。また、最も単純な例としては、光を周期Tでオン/オフするようにしても良い。この構成により、発光部1は周期Tの連続したパルス状に光を発する。
【0023】
本実施形態では、計測対象とする圧力変化に特徴的な時間幅τよりも変調の周期Tを短くするようにしている。これにより、光ファイバ2から出力される光パルスの尖頭値を結ぶ包絡線として、対象とする圧力変化を捉えることができる。
【0024】
本実施形態における検出信号の処理の様子を図2に模試的に示す。各信号波形は各々その上に示す処理過程で得られる信号に対応している。
【0025】
受光部3で光電変換された信号は周期Tの連続パルスであるが、各パルスの尖頭値は圧力変化に応じて変化する。測定圧力が増すと光ファイバ通過光量が減少するため、パルス尖頭値は減少する。逆に測定圧力が減少すると、パルス尖頭値は増加する。雑音除去部30は、この信号から直流成分を含む緩やかな電圧変化を除去する。結果として信号波形は、基準電圧に対してほぼ対称な振動波形となる。増幅部40は当該信号を増幅する。
【0026】
増幅処理において、増幅素子を複数つなげると各増幅素子に起因するオフセット電圧が信号に加わり、また当該オフセット電圧自体も増幅されていくため、増幅素子は容易に飽和し、よって大きな増幅率を得ることができない。一方、雑音除去部30と増幅部40とを組み合せ、オフセット電圧を除去しながら信号の増幅をする場合には、飽和を起こすこと無く大きな増幅率を得ることができる。
【0027】
増幅後の信号は帯域回復部20により、もともとの圧力変化波形に復調される。帯域回復部20では、例えば半波整流回路で基準電圧に対して正側の信号を取り出し、またローパスフィルタでその包絡線を取り出すことで、変調キャリヤ信号を除去するように構成されている。
【0028】
最後に、増幅部50により出力信号の電圧振幅を調整する。増幅部50に入る信号は既に増幅されているため、増幅部50で用いる増幅素子に起因する直流オフセット電圧は無視することができる。増幅部50では、復調後の信号周波数帯域について電圧振幅を増減できればよい。このような増幅部50を備えることで、例えば出力電圧を、後段のA/D変換器の入力レンジに合うように調整できる。
【0029】
本実施形態の光ファイバセンサによれば、当該センサの状態等を示す信号の直流成分の情報を残したまま、雑音として混入する回路的直流オフセット電圧を除去することで、直流成分の検出と発光部に負担の少ない微弱光の計測とを両立できる。
【0030】
光ファイバセンサ出力の直流成分あるいはそれに類する信号は、出力情報の一部として、またリファレンス信号として重要となる場合が多い。一例として、本実施形態の光ファイバセンサでは、極めてゆっくりとした物理量の時間変化を弱い光強度で捉えることができる。
【0031】
また、現象の比較的速い時間変化のみに注目する場合でも、本来変化しない直流成分を検出することで、発光部1の発光強度変化を補正制御できる。発光部1に予め組み込まれた光検出素子の出力を用いて発光強度変化の補正をすることもできるが、光ファイバ2の出力に基づく補正制御によれば、発光部1と光ファイバ2との接続部分における光損失変化の影響も取り込んだ、より正確な補正ができる。
【0032】
本実施形態における雑音除去部30と増幅部40とを組み合せた回路の一例を図3に示す。この回路には、コンデンサC1と抵抗R1で決まる時定数でハイパスフィルタが組みこまれている。当該ハイパスフィルタが雑音除去部30であり、雑音成分である直流成分近傍の電圧変化を除去し、変調周波数帯域を通過させるようにしている。また、抵抗R1、R2と演算増幅素子41を組み合せた回路により増幅部40を構成する。増幅部40は抵抗R1とR2の比率に応じて入力信号を増幅できることが知られている。図3の回路構成は複数直列に接続しても直流成分が逐次除去される。このため、増幅素子の直流オフセット電圧が増幅され、回路が飽和することを避けることができる。
【0033】
自動車エンジンの燃焼圧力計測を例として、上述した測定対象(圧力変化)に特徴的な時間幅τについて図4を用いて説明する。図4の縦軸は燃焼圧力の変化を、また横軸は経過時間を示す。
【0034】
本例では、経過時間の順に、燃料と空気の吸入及び圧縮による気筒内圧力の上昇、爆発による燃焼圧力の立上り、ピストンを押し下げる仕事と排気による圧力の減少を示す。この一連の燃焼圧力サイクルを検出する場合には、図4の時間幅(周期)τ1に対して、帯域分離部10による変調周期TをT<τ1とすればよい。もちろんτ1はエンジンの回転数によって変わるので、変調周期Tの設定には最も短い周期となるτ1を基準とすればよい。変調周期Tの大きさにより計測の分解能が決まる。
【0035】
一方、燃焼圧力計測の際には、異常燃焼に伴うノック信号を併せて検出できることが望ましい。ノック信号の周期あるいは時定数は、5から15kHz程度の高周波信号である。図4には圧力ピークの近傍にノック信号による振動成分の重畳を大きめに示している。ノック信号を検出するためには、その時間幅τ2に対して変調周期TをT<τ2とすればよい。一例としてノック信号の周波数15kHzまでを計測するのには、変調周波数を150kHzとすればよい。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、光ファイバセンサについて光源の変調と検出光の復調とを組み合せた信号の増幅をした。本実施形態によれば、そこでは信号検出後に混入する直流成分あるいは直流に近い緩やかな変化をする成分を雑音信号として、それを除去しながら微弱光の増幅をすることができる。なお、本実施形態では圧力変化の計測を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の微弱光検出用光ファイバセンサに適用できる。
【0037】
次に、本発明を適用した光ファイバセンサの第2の実施形態を、図5を参照して説明する。図5に本実施形態の光ファイバセンサの構成を示す。
【0038】
一般に、光ファイバセンサに入り込む雑音信号は、必ずしも直流成分に限るものではない。このような一般の雑音成分を上記第1の実施形態と同様に除去できれば、信号増幅の有無とは別に微弱光計測でのS/N比を向上できる。また、本実施形態の技術は、光ファイバセンサでの微弱光計測のみならず、他の物理量測定に際して行われる微弱信号の検出にも同様に適用することができる。
【0039】
本実施形態では、検出対象とする物理量変化に応じた信号の周波数帯域(直流成分を含む)と、該信号の検出後に混入し得る雑音信号の特徴的な周波数帯域(直流成分を含む)とを分離する帯域分離部10により、物理量変化の検出信号と雑音信号とを周波数上で区別できるようにし、その後、帯域回復部20により本来の検出信号を得るものである。
【0040】
具体的には、上記第1の実施形態のように光ファイバセンサの発光部1に強度変調を加えた当該センサ本体の光出力そのものが、上記の意味で帯域分離されている様に構成することができる。あるいはまた、光出力を検出した直後に、リファレンス信号を電気的に掛け合わせて変調をするようにしてもよい。
【0041】
前者は図5のAの部分から得られる信号を光ファイバセンサ本体からの光出力と見る場合を、また後者は図5のBの部分から得られる信号を光ファイバセンサ本体からの光出力と見る場合にそれぞれ相当する。なお、後者の場合には、上記帯域分離部10は信号処理系の内部に構成される。ここで光ファイバセンサ本体とは、上記図1の発光部1、光ファイバ部2および受光部3からなる部分に相当する。
【0042】
帯域分離部10により周波数帯域を変更された検出信号には、本来除去すべき雑音成分が混入する。これら検出信号と雑音信号との混合信号は、信号周波数帯域を分離前の帯域に戻すための帯域回復部20により復調処理を受ける。もちろん注目すべき信号成分は、既に変調等の処理を受けているため、周波数上で見ると雑音成分とは異なる変換を受ける。
【0043】
処理1と処理2は、個々の光ファイバセンサに必要な信号の分離や増幅等の過程を示すもので、本実施形態ではその具体的構成は限定されない。本実施形態では、混入し得る雑音成分の特徴や回路規模に合わせた種々の処理回路を、処理1、処理2の各過程に適用することできるため、信号処理回路として汎用性高い使い方できる。
【0044】
次に、本発明による光ファイバセンサの第3の実施形態を、図6を用いて説明する。
【0045】
本実施形態の光ファイバセンサは、上記図5の実施形態での処理1に雑音除去部30と増幅部40とを取り入れたものである。雑音除去部30は雑音信号を除去し、増幅部40により上記の意味で帯域分離された検出信号の増幅をしている。帯域分離部10を使うことで、検出対象とする物理量変化の周波帯域は、除去すべき雑音信号の周波数帯域と区別されている。雑音除去部30には、例えば変調を受けた信号の周波数に通過帯域を合わせたフィルタ回路を使うことができる。
【0046】
また、上述したように、本実施形態の光ファイバセンサで除去すべき雑音信号は必ずしも直流成分あるいはそれに類する信号に限らない。雑音信号を残したまま微弱検出信号の増幅が必要程度できるのであれば、雑音の除去と信号の増幅はその順を入れ換えてもよい(図6(b))。
【0047】
本実施形態によれば何れの場合でも、検出信号と雑音信号とは周波数上で区別されているため、雑音成分の除去は容易である。結果としてS/N比のよい微弱光計測をすることができる。
【0048】
次に、本発明による光ファイバセンサの第4の実施形態を、図7を用いて説明する。
【0049】
本実施形態の光ファイバセンサは、上記図5の実施形態の処理2に雑音除去部30を取り入れたものである。上記のように注目すべき信号成分は変調等の処理を受けているため、周波数上で見ると当該信号成分と雑音成分とは帯域回復部20において異なる変換を受ける。例えば、変調を受けた検出信号はもとの周波数帯域に復調するが、雑音成分の周波数帯域はもとと異なる帯域に変換される。
【0050】
つまり両者は周波数上で依然区別されている。よって、例えば変換後の雑音成分の周波数帯域を、雑音除去部30による分離が容易な帯域となるように予め設定しておくことができる。雑音除去部30としては、例えば、復調後の検出信号の周波数に通過帯域を合わせたフィルタ回路を用いることができる。
【0051】
本実施形態によれば、雑音信号を含む変調された検出信号を帯域回復部20で帯域変換することにより、雑音信号の周波数帯域を積極的に減衰させるようにできる。
【0052】
次に、本発明による光ファイバセンサの第5の実施形態を、図8を用いて説明する。
【0053】
本実施形態の光ファイバセンサは、上記図5の実施形態の構成に加えて、出力信号の振幅調整をする増幅部50を具備している。これにより微弱信号の増幅とは独立に出力電圧の調整をできるようにしている。微弱信号の増幅には大きな増幅率が要求されるため、増幅途中の抵抗等回路素子を少し変更するだけで出力レベルが大きく変わる場合がある。本実施形態では増幅部50を併用することで、大きな信号増幅を要する微弱光計測での出力レベル調整を容易にしている。
【0054】
また、本実施形態の光ファイバセンサを、上記図7の実施形態と組み合せることもできる。この場合には、図7の雑音除去部30によって分離された後の微弱信号を増幅部50で増幅することもできる。この場合には、上記の意味で出力レベルの微調整はできないが、回路構成を簡単にできる。
【0055】
以上説明したように、本発明の光ファイバセンサによれば、対象とする検出信号に対して、これに混入し得る回路的雑音や電気的回り込み成分を一度分離し、再びそれを回復することで、必要な微弱信号の選択性を高め、効果的に信号の増幅処理を実行することができる。
【0056】
特に、測定対象とする現象の時間変化に特徴的な時間幅τより短い周期Tの光強度変調を発光部10に加え、変調を受けた検出信号を交流増幅した後に復調することで、増幅素子に起因する直流オフセット電圧の影響を受けずに、増幅率の大きな信号処理と直流成分の検出とを両立できるようにしている。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のような課題を鑑みてなされたもので、発光強度が弱い条件下でもS/N比の良好な計測ができる光ファイバセンサを提供することができる。
【0058】
さらに、本発明によれば、発光強度が弱い条件下でも検出信号の直流成分あるいはある特定の周波数成分を、より正確に計測できる光ファイバセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光ファイバセンサの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の光ファイバセンサにおける信号処理の様子を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の光ファイバセンサの雑音除去部と増幅部の回路構成例を示す回路図である。
【図4】エンジン気筒内燃焼圧力の時間変化に特徴的な時間幅を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態の光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。
【図6】図6(a):本発明の第3の実施形態の光ファイバセンサの構成の一例を示すブロック図である。図6(b):本発明の第3の実施形態の光ファイバセンサの構成の他の例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・発光部、2・・・光ファイバ、3・・・受光部、10・・・帯域分離(変調)部、20・・・帯域回復(復調)部、30・・・雑音除去部(選択)、40・・・帯域分離(変調)した信号に対する増幅部、50・・・帯域回復(復調)した信号に対する増幅部。

Claims (8)

  1. 少なくとも一本の光ファイバと、該光ファイバと光学的に接続された発光部と、該光ファイバの通過光または反射戻り光を検出する受光部とを有し、被計測物理量の変化を該光ファイバの通過光量変化として捉えるよう構成された光ファイバセンサにおいて、
    前記発光部の発光する光の強度を変調する変調手段と、
    前記光ファイバを通り前記受光部で検出された信号から直流オフセット電圧を除去する雑音除去手段と、
    前記直流オフセット電圧を除去後の信号を交流増幅する増幅手段と、
    前記増幅後の信号を平滑して復調する復調手段と、を備えること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  2. 少なくとも一本の光ファイバと、該光ファイバと光学的に接続された発光部と、該光ファイバの通過光または反射戻り光を検出する受光部とを有し、被計測物理量の変化を該光ファイバの通過光量変化として捉えるよう構成された光ファイバセンサにおいて、
    検出した光にレファレンス信号を掛け合わせて変調する変調手段と、
    前記光ファイバを通り前記受光部で検出された信号から直流オフセット電圧を除去する雑音除去手段と、
    前記直流オフセット電圧を除去後の信号を交流増幅する増幅手段と、
    前記増幅後の信号を平滑して復調する復調手段と、を備えること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  3. 少なくとも一本の光ファイバと、該光ファイバと光学的に接続された発光部と、該光ファイバの通過光または反射戻り光を検出する受光部とを有し、被計測物理量の変化を該光ファイバの通過光量変化として捉えるよう構成された光ファイバセンサにおいて、
    検出した光にレファレンス信号を掛け合わせて変調する変調手段と、
    前記光ファイバをとおり前記受光部で検出された信号を交流増幅する増幅手段と、
    前記交流増幅後の信号から直流オフセット電圧を除去する雑音除去手段と、
    前記雑音除去後の信号を平滑して復調する復調手段と、を備えること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  4. 請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記復調手段において復調後の信号の振幅調整を行う振幅調整手段をさらに備えること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記雑音除去手段と、前記増幅手段とを一の検出回路として構成すること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記復調手段は、前記直流オフセット電圧除去後の信号から正負一方の信号のみを取り出し、これを平滑して出力すること
    を特徴とする光ファイバセンサ
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載の光ファイバセンサにおいて、
    上記変調手段の変調周期は、上記被計測物理量の時間変化に特徴的な時間幅よりも短いこと
    を特徴とする光ファイバセンサ
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の光ファイバセンサにおいて、
    上記雑音除去手段は、信号の直流オフセット電圧を除去する電気回路素子を含むものであること
    を特徴とする光ファイバセンサ
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