JP3697007B2 - マルチタイタープレート分析装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明なマルチタイタープレートの複数の被測定セル内の液体試料等に検査光を照射し、各試料からの透過光や蛍光を検出することにより各試料の光学的特性を分析するマルチタイタープレート分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチタイタープレート分析装置は、プラスチック製の透明なプレート本体の表面に複数個の被測定セルが形成されたいわゆるマルチタイタープレートを使用する。そして、各被測定セル内に注入される液体試料や半透明試料のぞれぞれに検査光を照射し、各試料から出射される検査光を検出し、この検査光と、この検査光と同一の光源から出射される参照光とに基づいて、各試料について吸光度等の光学的な特性が得られる。
【0003】
このようなマルチタイタープレート分析装置としては、例えば実公平6−34676号公報に開示されるものがある。この分析装置は、屈曲した回転光ファイバが内部に設けられた回転ドラムを有しており、この回転ドラムをモータ等により回転させることで、回転光ファイバの出射端を、円周状に配列した複数の検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面に順次対向させ、光源からの光を検査光及び参照光として各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバに順次入射させる。
【0004】
一方、試料によっては、光源から発生する熱により測定誤差が生じやすいことが知られており、この観点からすると、光源として熱を発生しないフラッシュランプを用いることが好ましい。
【0005】
このようなフラッシュランプを光源とした分析装置として、特開平8−82594号公報に開示されるものがある。この分析装置は、レンズ、ミラー等の複数の光学素子により光学系を構成し、フラッシュランプからの光をこの光学系を介してマルチタイタープレートの各被測定セルに照射させている。ところが、フラッシュランプは、その発光毎に光量、発光の空間分布パターンが変動するため、フラッシュランプの発光毎に参照光を検出し、この参照光と試料から出射される検査光とを対比して校正する必要がある。このため、この分析装置は、光学系中のハーフミラーにより、光源からの光を分岐させ、この分岐光をさらに複数の光学素子を用いて参照光として検出させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平6−34676号公報に開示されるマルチタイタープレート分析装置は、モータ等の機械的な動作により回転ドラムを回転させているので、回転光ファイバの出射端と、各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面とを対向させる際に、回転光ファイバの光軸と、各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各光軸とを正確に合わせることが困難である。この結果、各検査用光ファイバと参照用光ファイバとに入射する光強度同士が等しくならず、十分に高い測定精度が得られないという問題があった。
【0007】
また、特開平8−82594号公報に開示されるマルチタイタープレート分析装置は、フラッシュランプの発光毎に、参照光を検出すべく全体として複数の光学素子で光学系が構成されるため、構造が複雑となっており、光軸合せ等の調整に手間がかかる。
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、測定精度の高い簡単な構造をもったマルチタイタープレート分析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、透明なマルチタイタープレートの複数の被測定セル内の各試料に検査光を照射するマルチタイタープレート分析装置において、フラッシュランプと、フラッシュランプからの光を受容し、均一光を出射する光均一ロッドと、均一光を複数の検査光に分配し、各検査光をマルチタイタープレートの各被測定セルに伝送する複数の検査用光ファイバと、均一光を参照光として伝送する参照用光ファイバとからなる光ファイバ群と、検査用光ファイバの出射端面とマルチタイタープレートとの間に配置され、一本の検査用光ファイバからの検査光を通過させる通過スリットを有すると共に、通過スリットが各出射端面に対向配置するように移動可能となっている遮光部材と、マルチタイタープレートからの光及び参照用光ファイバからの参照光を検出する光検出手段と、被測定セルが各検査用光ファイバの出射端面と対向するようにマルチタイタープレートを移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このマルチタイタープレート分析装置によれば、フラッシュランプからの光を光ファイバ群の各検査用光ファイバを通して検査光として出射し、光ファイバ群の参照用光ファイバを通して参照光として出射するにあたって、フラッシュランプからの光が光均一ロッドにより均一光となって光ファイバ群の入射端面に入射される。このため、検査用光ファイバから出射される検査光および参照用光ファイバから出射される参照光の光強度が等しくなる。また、遮光部材の移動により通過スリットが移動されて検査用光ファイバの出射端面が通過スリットと対向すると、その対向する検査用光ファイバからの検査光が通過スリットを通ってマルチタイタープレートの被測定セル内の試料に照射され、他の検査用光ファイバからの検査光は遮光部材により遮光される。このため、被測定セルにおけるクロストークの防止が図られる。更に、移動手段により、マルチタイタープレートの各被測定セルが検査用光ファイバの出射端面に対向するようにマルチタイタープレートを移動させることができるため、マルチタイタープレートの任意の被測定セルについて測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるマルチタイタープレート分析装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、いわゆるタワータイプのマルチタイタープレート分析装置1の全体を示す側面図である。同図に示すように、マルチタイタープレート分析装置(以下、分析装置という)1は、光源装置40を有し、この光源装置40は、キセノン・フラッシュランプ2と、その上部に設けられるトリガソケット5とで構成され、このフラッシュランプ2とトリガソケット5とは互いに電気的に接続されている。フラッシュランプ2は、トリガソケット5から供給される所定周期のトリガ信号に対応してこれと同じ周期でフラッシュ光を発するものであり、例えば反射ミラー内蔵タイプのフラッシュランプ2を用いることができる。このフラッシュランプ2は、中空状の透明なバルブ3内に反射ミラー6を有し、この反射ミラー6により発光点4からのフラッシュ光を集光させながら下方に反射するものである。また、フラッシュランプ2の下方には、特定波長の光を選択する平板状の波長選択フィルタ7が配置されている。
【0013】
また、波長選択フィルタ7の下方には、下方に向けて延びる光均一ロッド8が設けられ、その入射端面8aは、反射ミラー6の焦点位置に配置されている。光均一ロッド8は、例えば円形断面をもつ棒状の石英ガラスで形成されている。石英ガラスで形成したのは、分光測定等を行う際に紫外線領域の光も透過し得るようにするためである。この光均一ロッド8は、発光毎に変動する空間分布パターンをもったフラッシュ光を、発光毎に均一な光強度をもった光として出射させるためのものである。
【0014】
また、この光均一ロッド8の下方には光ファイバ群9が設けられている。この光ファイバ群9は、例えば8本の検査用光ファイバ9A〜9Hと、1本の参照用光ファイバ9Iとからなり、各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iの各一端は、角筒形状のスリーブ10により束ねられた状態で光均一ロッド8の出射端面8bに対向配置されている。なお、各検査用光ファイバ9A〜9H又は参照用光ファイバ9Iとしては、例えばコア径1.2mm、クラッド径1.5mmの光ファイバが用いられる。
【0015】
ここで、図2に示すように、各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iの各一端は3列3行に配列され、この入射端面群12a〜12iと光均一ロッド8の円形の出射端面8bとが接合されている。光均一ロッド8の出射端面8bは、それが入射端面群12a〜12iと接合された状態において、光ファイバ群9の各入射端面12a〜12iの各コア部13a〜13iが完全に覆われる程度の大きさ(例えば、直径8mm)を有し、これにより光均一ロッド8から出射される均一光を各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9I内に導入している。
【0016】
そして、図1及び図3に示すように、各検査用光ファイバ9A〜9Hの各他端は、一列に配列されてボックス状の測定室11の上面11aに差し込まれ、参照用光ファイバ9Iの他端は、測定室11の上面11aにおいて、各検査用光ファイバ9A〜9Hの他端群と列をなす位置に差し込まれている。
【0017】
図3に示すように、測定室11は、その内部にマルチタイタープレート14を有している。マルチタイタープレート14は、ポリスチレン等の透明なプラスチック材料からなるプレート本体15の上面15aに複数の被測定セル16を形成して構成され、プレート本体15の上面15aには、例えば8列12行で計96個の被測定セル16が配列され、各被測定セル16内には、測定すべき液体試料や半透明試料等が注入されている。また、マルチタイタープレート14は、各被測定セル16からの光を通過させる開口部17aが形成された可動支持プレート17により支持され、この可動支持プレート17は、プレート移動モータやボールねじ等からなる移動手段(図示せず)により図3のY方向に移動可能となっている。なお、可動支持プレート17は、図4に示すように制御装置30により制御可能となっている。すなわち、可動支持プレート17は、制御装置30に電気的に接続されたプレート移動モータの駆動により図3のY方向での移動が可能となっている。
【0018】
図4に示すように、マルチタイタープレート14は、96個の被測定セル16のうち、行方向(図4のX方向)に沿って並設する選択された被測定セル16a〜16h(以下、選択セルという)が、測定室11の上面11aから突出する各検査用光ファイバ9A〜9Hの出射端面18a〜18hに対向配置されている。
【0019】
また、マルチタイタープレート14の下方には、光検出手段として、複数のシリコンフォトダイオード19a〜19hが設けられ、各シリコンフォトダイオード19a〜19hは、各選択セル16a〜16hに対して検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hの反対側に配置されている。一方、測定室11の上面11aから突出する参照用光ファイバ9Iの出射端は、その出射端面18iが、光検出手段としてのシリコンフォトダイオード19iに対向配置されている。
【0020】
また、マルチタイタープレート14と検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hとの間には、遮光部材としての回転遮光板20が設けられ、この回転遮光板20は、その回転中心Oから垂直上方に延びる回転シャフト22を介して、測定室11の外部に設けられた回転モータ23に接続されている。
【0021】
ここで、図4及び図5に示すように、回転遮光板20には、一本の検査用光ファイバ9から出射される検査光を通過させる通過スリット21が形成されている。図5に示すように、例えば通過スリット21は、中心角θを同じにした半径r1の円弧21aと半径r2の円弧21bとの間の領域で形成され、例えば、通過スリット21は、直径150mmの回転遮光板20に対し検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hを9mm間隔で配列させた場合に、半径r1=50mm、半径r2=70mm、中心角θ=9°で決定される大きさを有している。この場合、回転遮光板20は、通過スリット21の円弧21aにより描かれる二点鎖線で示す軌跡31aと通過スリット21の円弧21bにより描かれる図5の二点鎖線で示す軌跡31bとの間の領域32に、検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hが対向する位置に配置される。
【0022】
また、図1及び図4に示すように、回転モータ23は、例えばトリガソケット5に電気的に接続された制御装置30により、トリガソケット5からフラッシュランプ2に与えられるトリガ信号の周期に同期してその回転動作の制御が可能となっている。
【0023】
なお、図6に示すように、マルチタイタープレート14の各選択セル16a〜16h内の各試料に平行光を照射させるために、各検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hとシリコンフォトダイオード19a〜19iとの間には、一対の凸レンズ26,29が設けられている。凸レンズ26は、回転遮光板20とマルチタイタープレート14との間に配置されるレンズホルダ24の円柱状開口部25a〜25h内にそれぞれ取り付けられ、一方、凸レンズ29は、可動支持プレート17とシリコンフォトダイオード19a〜19iとの間に配置されるレンズホルダ27の円柱状開口部28a〜28h内にそれぞれ取り付けられている。
【0024】
また、正確なキャリブレーションを行うために、レンズホルダ24,27にも、それぞれ一対の凸レンズ26i,29iが設けられ、これらは、それぞれレンズホルダ24,27の円柱状開口部25i,28i内に取り付けられている。なお、より正確なキャリブレーションを行うためには、凸レンズ26iと凸レンズ29iとの間には、空のセル又は検査すべき試料のバックグラウンドとなる溶液を注入したセルを配置することがより好ましい。
【0025】
また、図6に示すように、レンズホルダ27の上部には、円柱状開口部28a〜28hを塞ぐように石英ガラス板33が貼り付けられ、これにより各円柱状開口部28a〜28i内の各凸レンズ29a〜29hの汚れやゴミの付着を防止している。
【0026】
次に、前述したマルチタイタープレート分析装置1の作用について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
まず、12行あるマルチタイタープレートの第1行に、検査用光ファイバ9A〜9Hの出射端面18a〜18hを合わせる(S1)。そして、回転モータ23を作動させて、回転遮光板20の通過スリット21を検査用光ファイバ9Aとマルチタイタープレート14の第1列の選択セル16aとの間に配置する(S2)。この状態でフラッシュランプ2を点灯する(S3)と、フラッシュランプ2からの光は、波長選択フィルタ7を通して光均一ロッド8に入射され、この光均一ロッド8において、空間的に不均一な強度分布をもった入射光は、入射端面8aから出射端面8bまでの間で外部との境界で反射が繰り返されることにより、出射端面8b全体にわたって均一な強度分布をもった均一光となって出射され、この均一光が光ファイバ群9の検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iに入射される。
【0028】
このため、検査用光ファイバ9A〜9Hから出射される検査光及び参照用光ファイバ9Iから出射される参照光間において、フラッシュランプ2からの不均一な空間強度分布をもった光に起因する強度差がほとんど生じなくなり、検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iのそれぞれからほぼ等しい強度の光が出射される。このように、試料の光学特性を分析する場合に簡単な構造で測定精度を向上させることができる。
【0029】
そして、検査用光ファイバ9Aから出射される検査光は、回転遮光板20の通過スリット21を通ってマルチタイタープレート14の選択セル16内の試料に入射し、この試料からの光がシリコンフォトダイオード19aで検出される。一方、参照用光ファイバ9Iから出射される参照光は、直接シリコンフォトダイオード19iで検出される。そして、各シリコンフォトダイオード19a,19iで検出された光強度がデータとして読み込まれ、試料の光学特性の算出が行われる(S4)。このとき、他の検査用光ファイバ9B〜9Hから出射される検査光は回転遮光板20により遮光され、選択セル16a内に照射されることがない。このため、選択セル16aにおけるクロストークの防止が図られる。
【0030】
次に、フラッシュランプ2の次の発光に合わせて、回転モータ23を作動させて、通過スリット21を検査用光ファイバ9Bの出射端面18bと、第1行における第2列の選択セル16bとの間に配置し、フラッシュランプ2を点灯させて選択セル16bについてのデータの読み込みを行う。このようにして第1行の残りの第3列〜第8列の6個の選択セル16c〜16hについても、通過スリット21を順次第1行の第3列〜第8列の選択セル16c〜16hに合わせることにより、各選択セル16c〜16h内の試料について順次測定を行う(S5)。
【0031】
以上のように第1行のすべての列について測定したならば、S1からS5までの操作を第2行〜第12行についても順次行い、マルチタイタープレート14の全ての行について測定したならば、そのマルチタイタープレート14についての測定を終了する(S6)。
【0032】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。マルチタイタープレート14として、8列12行の被測定セル16を有するものを使用したが、4列6行、2列3行、5列8行のものにも適用することができる。
【0033】
また、フラッシュランプとして、反射ミラー内蔵タイプのフラッシュランプ2を用いたが、反射ミラーを内蔵しないタイプのフラッシュランプを用いることもできる。この場合、発光点4からの光は、波長選択フィルタ7、及び図示しない集光レンズを介して、集光されながら光均一ロッド8の入射端面8aに入射されることとなる。
【0034】
更に、光均一ロッドとしては、円形断面のものが用いられているが、断面が多角形(例えば、四角形、五角形、六角形)のものであってもよく、この場合でも円形断面の光均一ロッドを用いた場合と同様な効果が得られる。
【0035】
更にまた、遮光部材として、回転遮光板20を用いたが、直線的に移動する遮光板を用いてもよい。この場合でも、通過スリット21を各検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hに順次対向させることができる。
【0036】
また、通過スリット21の形状や大きさも前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば円形の通過スリットを軌跡31aと軌跡31bとの間の領域32に形成するようにしてもよい。
【0037】
更に、検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18iの配列は、前述の実施形態の場合のように一列に配列するものに限定されず、如何なるものであってもよい。
【0038】
更にまた、回転モータ23の回転動作は、前述の実施形態の場合のようにフラッシュランプ2の断続的な発光に同期する必要はなく、フラッシュランプ2の発光に対して非同期としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるマルチタイタープレート分析装置は、光ファイバ群の検査用光ファイバからの検査光及び参照用光ファイバからの参照光を光均一ロッドにより相互に等しい強度で出射させることができ、試料の光学特性を分析する場合に、簡単な構造で測定精度を向上させることができる。また、マルチタイタープレートの被測定セルに複数の検査光を照射する場合に、複数の検査用光ファイバからの検査光のうち一本の検査用光ファイバからの検査光については、通過スリットを通して被測定セル内の試料に照射させ、他の検査用光ファイバからの検査光については、遮光部材により遮光するようにしているので、被測定セルにおけるクロストークを防止することができる。更に、マルチタイタープレートは、移動手段により移動可能となっているため、任意の被測定セル内の試料について測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチタイタープレート分析装置の好適な実施形態を示す側面図である。
【図2】検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面を示す側面図である。
【図3】測定室の上面を示す平面図である。
【図4】測定室の内部を示す断面図である。
【図5】回転遮光板を示す平面図である。
【図6】測定室の内部を示す拡大断面図である。
【図7】マルチタイタープレート分析装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…マルチタイタープレート分析装置、2…フラッシュランプ、8…光均一ロッド、9…光ファイバ群、9A〜9H…検査用光ファイバ、9I…参照用光ファイバ、14…マルチタイタープレート、15…プレート本体、16…被測定セル、17…可動支持プレート(移動手段)、18a〜18h…出射端面、19a〜19i…シリコンフォトダイオード(光検出手段)、20…回転遮光板(遮光部材)、21…通過スリット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明なマルチタイタープレートの複数の被測定セル内の液体試料等に検査光を照射し、各試料からの透過光や蛍光を検出することにより各試料の光学的特性を分析するマルチタイタープレート分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチタイタープレート分析装置は、プラスチック製の透明なプレート本体の表面に複数個の被測定セルが形成されたいわゆるマルチタイタープレートを使用する。そして、各被測定セル内に注入される液体試料や半透明試料のぞれぞれに検査光を照射し、各試料から出射される検査光を検出し、この検査光と、この検査光と同一の光源から出射される参照光とに基づいて、各試料について吸光度等の光学的な特性が得られる。
【0003】
このようなマルチタイタープレート分析装置としては、例えば実公平6−34676号公報に開示されるものがある。この分析装置は、屈曲した回転光ファイバが内部に設けられた回転ドラムを有しており、この回転ドラムをモータ等により回転させることで、回転光ファイバの出射端を、円周状に配列した複数の検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面に順次対向させ、光源からの光を検査光及び参照光として各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバに順次入射させる。
【0004】
一方、試料によっては、光源から発生する熱により測定誤差が生じやすいことが知られており、この観点からすると、光源として熱を発生しないフラッシュランプを用いることが好ましい。
【0005】
このようなフラッシュランプを光源とした分析装置として、特開平8−82594号公報に開示されるものがある。この分析装置は、レンズ、ミラー等の複数の光学素子により光学系を構成し、フラッシュランプからの光をこの光学系を介してマルチタイタープレートの各被測定セルに照射させている。ところが、フラッシュランプは、その発光毎に光量、発光の空間分布パターンが変動するため、フラッシュランプの発光毎に参照光を検出し、この参照光と試料から出射される検査光とを対比して校正する必要がある。このため、この分析装置は、光学系中のハーフミラーにより、光源からの光を分岐させ、この分岐光をさらに複数の光学素子を用いて参照光として検出させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平6−34676号公報に開示されるマルチタイタープレート分析装置は、モータ等の機械的な動作により回転ドラムを回転させているので、回転光ファイバの出射端と、各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面とを対向させる際に、回転光ファイバの光軸と、各検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各光軸とを正確に合わせることが困難である。この結果、各検査用光ファイバと参照用光ファイバとに入射する光強度同士が等しくならず、十分に高い測定精度が得られないという問題があった。
【0007】
また、特開平8−82594号公報に開示されるマルチタイタープレート分析装置は、フラッシュランプの発光毎に、参照光を検出すべく全体として複数の光学素子で光学系が構成されるため、構造が複雑となっており、光軸合せ等の調整に手間がかかる。
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、測定精度の高い簡単な構造をもったマルチタイタープレート分析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、透明なマルチタイタープレートの複数の被測定セル内の各試料に検査光を照射するマルチタイタープレート分析装置において、フラッシュランプと、フラッシュランプからの光を受容し、均一光を出射する光均一ロッドと、均一光を複数の検査光に分配し、各検査光をマルチタイタープレートの各被測定セルに伝送する複数の検査用光ファイバと、均一光を参照光として伝送する参照用光ファイバとからなる光ファイバ群と、検査用光ファイバの出射端面とマルチタイタープレートとの間に配置され、一本の検査用光ファイバからの検査光を通過させる通過スリットを有すると共に、通過スリットが各出射端面に対向配置するように移動可能となっている遮光部材と、マルチタイタープレートからの光及び参照用光ファイバからの参照光を検出する光検出手段と、被測定セルが各検査用光ファイバの出射端面と対向するようにマルチタイタープレートを移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このマルチタイタープレート分析装置によれば、フラッシュランプからの光を光ファイバ群の各検査用光ファイバを通して検査光として出射し、光ファイバ群の参照用光ファイバを通して参照光として出射するにあたって、フラッシュランプからの光が光均一ロッドにより均一光となって光ファイバ群の入射端面に入射される。このため、検査用光ファイバから出射される検査光および参照用光ファイバから出射される参照光の光強度が等しくなる。また、遮光部材の移動により通過スリットが移動されて検査用光ファイバの出射端面が通過スリットと対向すると、その対向する検査用光ファイバからの検査光が通過スリットを通ってマルチタイタープレートの被測定セル内の試料に照射され、他の検査用光ファイバからの検査光は遮光部材により遮光される。このため、被測定セルにおけるクロストークの防止が図られる。更に、移動手段により、マルチタイタープレートの各被測定セルが検査用光ファイバの出射端面に対向するようにマルチタイタープレートを移動させることができるため、マルチタイタープレートの任意の被測定セルについて測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるマルチタイタープレート分析装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、いわゆるタワータイプのマルチタイタープレート分析装置1の全体を示す側面図である。同図に示すように、マルチタイタープレート分析装置(以下、分析装置という)1は、光源装置40を有し、この光源装置40は、キセノン・フラッシュランプ2と、その上部に設けられるトリガソケット5とで構成され、このフラッシュランプ2とトリガソケット5とは互いに電気的に接続されている。フラッシュランプ2は、トリガソケット5から供給される所定周期のトリガ信号に対応してこれと同じ周期でフラッシュ光を発するものであり、例えば反射ミラー内蔵タイプのフラッシュランプ2を用いることができる。このフラッシュランプ2は、中空状の透明なバルブ3内に反射ミラー6を有し、この反射ミラー6により発光点4からのフラッシュ光を集光させながら下方に反射するものである。また、フラッシュランプ2の下方には、特定波長の光を選択する平板状の波長選択フィルタ7が配置されている。
【0013】
また、波長選択フィルタ7の下方には、下方に向けて延びる光均一ロッド8が設けられ、その入射端面8aは、反射ミラー6の焦点位置に配置されている。光均一ロッド8は、例えば円形断面をもつ棒状の石英ガラスで形成されている。石英ガラスで形成したのは、分光測定等を行う際に紫外線領域の光も透過し得るようにするためである。この光均一ロッド8は、発光毎に変動する空間分布パターンをもったフラッシュ光を、発光毎に均一な光強度をもった光として出射させるためのものである。
【0014】
また、この光均一ロッド8の下方には光ファイバ群9が設けられている。この光ファイバ群9は、例えば8本の検査用光ファイバ9A〜9Hと、1本の参照用光ファイバ9Iとからなり、各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iの各一端は、角筒形状のスリーブ10により束ねられた状態で光均一ロッド8の出射端面8bに対向配置されている。なお、各検査用光ファイバ9A〜9H又は参照用光ファイバ9Iとしては、例えばコア径1.2mm、クラッド径1.5mmの光ファイバが用いられる。
【0015】
ここで、図2に示すように、各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iの各一端は3列3行に配列され、この入射端面群12a〜12iと光均一ロッド8の円形の出射端面8bとが接合されている。光均一ロッド8の出射端面8bは、それが入射端面群12a〜12iと接合された状態において、光ファイバ群9の各入射端面12a〜12iの各コア部13a〜13iが完全に覆われる程度の大きさ(例えば、直径8mm)を有し、これにより光均一ロッド8から出射される均一光を各検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9I内に導入している。
【0016】
そして、図1及び図3に示すように、各検査用光ファイバ9A〜9Hの各他端は、一列に配列されてボックス状の測定室11の上面11aに差し込まれ、参照用光ファイバ9Iの他端は、測定室11の上面11aにおいて、各検査用光ファイバ9A〜9Hの他端群と列をなす位置に差し込まれている。
【0017】
図3に示すように、測定室11は、その内部にマルチタイタープレート14を有している。マルチタイタープレート14は、ポリスチレン等の透明なプラスチック材料からなるプレート本体15の上面15aに複数の被測定セル16を形成して構成され、プレート本体15の上面15aには、例えば8列12行で計96個の被測定セル16が配列され、各被測定セル16内には、測定すべき液体試料や半透明試料等が注入されている。また、マルチタイタープレート14は、各被測定セル16からの光を通過させる開口部17aが形成された可動支持プレート17により支持され、この可動支持プレート17は、プレート移動モータやボールねじ等からなる移動手段(図示せず)により図3のY方向に移動可能となっている。なお、可動支持プレート17は、図4に示すように制御装置30により制御可能となっている。すなわち、可動支持プレート17は、制御装置30に電気的に接続されたプレート移動モータの駆動により図3のY方向での移動が可能となっている。
【0018】
図4に示すように、マルチタイタープレート14は、96個の被測定セル16のうち、行方向(図4のX方向)に沿って並設する選択された被測定セル16a〜16h(以下、選択セルという)が、測定室11の上面11aから突出する各検査用光ファイバ9A〜9Hの出射端面18a〜18hに対向配置されている。
【0019】
また、マルチタイタープレート14の下方には、光検出手段として、複数のシリコンフォトダイオード19a〜19hが設けられ、各シリコンフォトダイオード19a〜19hは、各選択セル16a〜16hに対して検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hの反対側に配置されている。一方、測定室11の上面11aから突出する参照用光ファイバ9Iの出射端は、その出射端面18iが、光検出手段としてのシリコンフォトダイオード19iに対向配置されている。
【0020】
また、マルチタイタープレート14と検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hとの間には、遮光部材としての回転遮光板20が設けられ、この回転遮光板20は、その回転中心Oから垂直上方に延びる回転シャフト22を介して、測定室11の外部に設けられた回転モータ23に接続されている。
【0021】
ここで、図4及び図5に示すように、回転遮光板20には、一本の検査用光ファイバ9から出射される検査光を通過させる通過スリット21が形成されている。図5に示すように、例えば通過スリット21は、中心角θを同じにした半径r1の円弧21aと半径r2の円弧21bとの間の領域で形成され、例えば、通過スリット21は、直径150mmの回転遮光板20に対し検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hを9mm間隔で配列させた場合に、半径r1=50mm、半径r2=70mm、中心角θ=9°で決定される大きさを有している。この場合、回転遮光板20は、通過スリット21の円弧21aにより描かれる二点鎖線で示す軌跡31aと通過スリット21の円弧21bにより描かれる図5の二点鎖線で示す軌跡31bとの間の領域32に、検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hが対向する位置に配置される。
【0022】
また、図1及び図4に示すように、回転モータ23は、例えばトリガソケット5に電気的に接続された制御装置30により、トリガソケット5からフラッシュランプ2に与えられるトリガ信号の周期に同期してその回転動作の制御が可能となっている。
【0023】
なお、図6に示すように、マルチタイタープレート14の各選択セル16a〜16h内の各試料に平行光を照射させるために、各検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hとシリコンフォトダイオード19a〜19iとの間には、一対の凸レンズ26,29が設けられている。凸レンズ26は、回転遮光板20とマルチタイタープレート14との間に配置されるレンズホルダ24の円柱状開口部25a〜25h内にそれぞれ取り付けられ、一方、凸レンズ29は、可動支持プレート17とシリコンフォトダイオード19a〜19iとの間に配置されるレンズホルダ27の円柱状開口部28a〜28h内にそれぞれ取り付けられている。
【0024】
また、正確なキャリブレーションを行うために、レンズホルダ24,27にも、それぞれ一対の凸レンズ26i,29iが設けられ、これらは、それぞれレンズホルダ24,27の円柱状開口部25i,28i内に取り付けられている。なお、より正確なキャリブレーションを行うためには、凸レンズ26iと凸レンズ29iとの間には、空のセル又は検査すべき試料のバックグラウンドとなる溶液を注入したセルを配置することがより好ましい。
【0025】
また、図6に示すように、レンズホルダ27の上部には、円柱状開口部28a〜28hを塞ぐように石英ガラス板33が貼り付けられ、これにより各円柱状開口部28a〜28i内の各凸レンズ29a〜29hの汚れやゴミの付着を防止している。
【0026】
次に、前述したマルチタイタープレート分析装置1の作用について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
まず、12行あるマルチタイタープレートの第1行に、検査用光ファイバ9A〜9Hの出射端面18a〜18hを合わせる(S1)。そして、回転モータ23を作動させて、回転遮光板20の通過スリット21を検査用光ファイバ9Aとマルチタイタープレート14の第1列の選択セル16aとの間に配置する(S2)。この状態でフラッシュランプ2を点灯する(S3)と、フラッシュランプ2からの光は、波長選択フィルタ7を通して光均一ロッド8に入射され、この光均一ロッド8において、空間的に不均一な強度分布をもった入射光は、入射端面8aから出射端面8bまでの間で外部との境界で反射が繰り返されることにより、出射端面8b全体にわたって均一な強度分布をもった均一光となって出射され、この均一光が光ファイバ群9の検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iに入射される。
【0028】
このため、検査用光ファイバ9A〜9Hから出射される検査光及び参照用光ファイバ9Iから出射される参照光間において、フラッシュランプ2からの不均一な空間強度分布をもった光に起因する強度差がほとんど生じなくなり、検査用光ファイバ9A〜9H及び参照用光ファイバ9Iのそれぞれからほぼ等しい強度の光が出射される。このように、試料の光学特性を分析する場合に簡単な構造で測定精度を向上させることができる。
【0029】
そして、検査用光ファイバ9Aから出射される検査光は、回転遮光板20の通過スリット21を通ってマルチタイタープレート14の選択セル16内の試料に入射し、この試料からの光がシリコンフォトダイオード19aで検出される。一方、参照用光ファイバ9Iから出射される参照光は、直接シリコンフォトダイオード19iで検出される。そして、各シリコンフォトダイオード19a,19iで検出された光強度がデータとして読み込まれ、試料の光学特性の算出が行われる(S4)。このとき、他の検査用光ファイバ9B〜9Hから出射される検査光は回転遮光板20により遮光され、選択セル16a内に照射されることがない。このため、選択セル16aにおけるクロストークの防止が図られる。
【0030】
次に、フラッシュランプ2の次の発光に合わせて、回転モータ23を作動させて、通過スリット21を検査用光ファイバ9Bの出射端面18bと、第1行における第2列の選択セル16bとの間に配置し、フラッシュランプ2を点灯させて選択セル16bについてのデータの読み込みを行う。このようにして第1行の残りの第3列〜第8列の6個の選択セル16c〜16hについても、通過スリット21を順次第1行の第3列〜第8列の選択セル16c〜16hに合わせることにより、各選択セル16c〜16h内の試料について順次測定を行う(S5)。
【0031】
以上のように第1行のすべての列について測定したならば、S1からS5までの操作を第2行〜第12行についても順次行い、マルチタイタープレート14の全ての行について測定したならば、そのマルチタイタープレート14についての測定を終了する(S6)。
【0032】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。マルチタイタープレート14として、8列12行の被測定セル16を有するものを使用したが、4列6行、2列3行、5列8行のものにも適用することができる。
【0033】
また、フラッシュランプとして、反射ミラー内蔵タイプのフラッシュランプ2を用いたが、反射ミラーを内蔵しないタイプのフラッシュランプを用いることもできる。この場合、発光点4からの光は、波長選択フィルタ7、及び図示しない集光レンズを介して、集光されながら光均一ロッド8の入射端面8aに入射されることとなる。
【0034】
更に、光均一ロッドとしては、円形断面のものが用いられているが、断面が多角形(例えば、四角形、五角形、六角形)のものであってもよく、この場合でも円形断面の光均一ロッドを用いた場合と同様な効果が得られる。
【0035】
更にまた、遮光部材として、回転遮光板20を用いたが、直線的に移動する遮光板を用いてもよい。この場合でも、通過スリット21を各検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18hに順次対向させることができる。
【0036】
また、通過スリット21の形状や大きさも前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば円形の通過スリットを軌跡31aと軌跡31bとの間の領域32に形成するようにしてもよい。
【0037】
更に、検査用光ファイバ9A〜9Hの各出射端面18a〜18iの配列は、前述の実施形態の場合のように一列に配列するものに限定されず、如何なるものであってもよい。
【0038】
更にまた、回転モータ23の回転動作は、前述の実施形態の場合のようにフラッシュランプ2の断続的な発光に同期する必要はなく、フラッシュランプ2の発光に対して非同期としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるマルチタイタープレート分析装置は、光ファイバ群の検査用光ファイバからの検査光及び参照用光ファイバからの参照光を光均一ロッドにより相互に等しい強度で出射させることができ、試料の光学特性を分析する場合に、簡単な構造で測定精度を向上させることができる。また、マルチタイタープレートの被測定セルに複数の検査光を照射する場合に、複数の検査用光ファイバからの検査光のうち一本の検査用光ファイバからの検査光については、通過スリットを通して被測定セル内の試料に照射させ、他の検査用光ファイバからの検査光については、遮光部材により遮光するようにしているので、被測定セルにおけるクロストークを防止することができる。更に、マルチタイタープレートは、移動手段により移動可能となっているため、任意の被測定セル内の試料について測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチタイタープレート分析装置の好適な実施形態を示す側面図である。
【図2】検査用光ファイバ及び参照用光ファイバの各入射端面を示す側面図である。
【図3】測定室の上面を示す平面図である。
【図4】測定室の内部を示す断面図である。
【図5】回転遮光板を示す平面図である。
【図6】測定室の内部を示す拡大断面図である。
【図7】マルチタイタープレート分析装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…マルチタイタープレート分析装置、2…フラッシュランプ、8…光均一ロッド、9…光ファイバ群、9A〜9H…検査用光ファイバ、9I…参照用光ファイバ、14…マルチタイタープレート、15…プレート本体、16…被測定セル、17…可動支持プレート(移動手段)、18a〜18h…出射端面、19a〜19i…シリコンフォトダイオード(光検出手段)、20…回転遮光板(遮光部材)、21…通過スリット。
Claims (1)
- 透明なマルチタイタープレートの複数の被測定セル内の各試料に検査光を照射するマルチタイタープレート分析装置において、
フラッシュランプと、
前記フラッシュランプからの光を受容し、均一光を出射する光均一ロッドと、
前記均一光を前記複数の検査光に分配し、前記各検査光を前記マルチタイタープレートの前記各被測定セルに伝送する複数の検査用光ファイバと、前記均一光を参照光として伝送する参照用光ファイバとからなる光ファイバ群と、
前記検査用光ファイバの出射端面と前記マルチタイタープレートとの間に配置され、一本の前記検査用光ファイバからの前記検査光を通過させる通過スリットを有すると共に、前記通過スリットが前記各出射端面に対向配置するように移動可能となっている遮光部材と、
前記マルチタイタープレートからの光及び前記参照用光ファイバからの前記参照光を検出する光検出手段と、
前記被測定セルが前記各検査用光ファイバの出射端面と対向するように前記マルチタイタープレートを移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とするマルチタイタープレート分析装置。
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