JP3696416B2 - ボデイ積み降ろし車両および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレーム上のリフトフレームに搭載されるボデイを地上に降ろすとともにそのリフトフレームから分離してボデイ上の荷物の積み降ろしを容易、的確に行なうことができるようにし、またリフトフレームの構造の簡素化を図り、かつ荷物の積み降ろし作動時の車両の地上高を低く抑えることができるようにした、新規なボデイ積み降ろし車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の車体フレーム上に搭載されるボデイを地上に降ろしてそのボデイ上に荷物を積載できるようにしたボデイ積み降ろし車両は公知である(特許第2532158号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記従来のボデイ積み降ろし車両では、ボデイの後方移動と、リフトフレームの傾動とにより、ボデイを地上に降ろして荷物の積み込み作業を行なうことができるが、ボデイを地上に降ろした際に、リフトフレームの後端にボデイが連結されたままであるため、ボデイ上への荷物の積み込み作業が終了するまで、車両は、その作業現場に待機していなければならず、作業能率が悪いという問題があり、またリフトフレームは、それ自体が伸縮可能に構成されていて全体の構造が複雑であるばかりでなく連結装置をリフトフレームの最後端位置まで移動させるのに伸縮フレームの長さ調整が面倒であり、さらにボデイの積み降ろし作業時の、地上高を低く抑えるのに不十分であるという問題もある。
【0004】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、前記問題を解決できるようにした、新規なボデイ積み降ろし車両を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車体フレーム上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレームと、車体フレームとリフトフレームとの間に連結され、そのリフトフレームを後方に傾倒するチルト手段と、リフトフレーム上に前後にスライド可能に搭載されるボデイと、リフトフレームにその前後方向に移動可能に設けられてボデイの前端に着脱可能に連結される連結手段と、連結手段を前後に駆動する移送手段とを備え、その移送手段が、リフトフレーム内にその全長に亘って設けられる無端状のコンベアと、このコンベアを駆動すべくリフトフレームに設けられるスライドモータとを備え、連結手段が、リフトフレームの傾動と、ボデイの後方へのスライド移動により、リフトフレームの後端に達してボデイより分離可能に構成されていることを特徴とする。
【0006】
また請求項2の発明は、車体フレーム上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレームと、車体フレームとリフトフレームとの間に連結され、そのリフトフレームを後方に傾倒するチルト手段と、リフトフレーム上に前後にスライド可能に搭載されるボデイと、リフトフレームにその前後方向に移動可能に設けられてボデイの前端に着脱可能に連結される連結手段と、リフトフレームに設けられて連結手段を前後に駆動する移送手段とを備え、移送手段は、リフトフレームの全長にわたって設けられる無端状のコンベアと、このコンベアを駆動するスライドモータとを備えていて、ボデイを、リフトフレームの途中まで後方に一次スライドさせて一旦停止させた後、リフトフレームの後端まで後方に二次スライドさせるようにスライド制御し、またチルト手段は、ボデイの一次スライド後に、リフトフレームを途中まで一次傾動し、またボデイの二次スライド後に、二次傾動されるように、リフトフレームを傾動制御して、ボデイがその全長にわたり地上に接地されるようにしたことを特徴とする。
【0007】
また請求項3の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、スライドモータが、リフトフレームに対し最前進位置にあるボデイよりも前側に位置する該リフトフレームの前端部に配置されることを特徴とする。
【0008】
また請求項4の発明は、請求項1,2又は3の構成に加えて、スライドモータが、リフトフレームの外側方に張り出して設けられることを特徴とする。
【0009】
また請求項5の発明は、車体フレーム上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレームと、車体フレームとリフトフレームとの間に連結されて該リフトフレームを後方に傾倒するチルト手段と、リフトフレーム上に前後にスライド可能に搭載されるボデイと、リフトフレームにその前後方向に移動可能に設けられてボデイの前端に着脱可能に連結される連結手段と、リフトフレームに設けられて連結手段を前後に駆動する移送手段とを備えていて、連結手段が、リフトフレームの傾動と、ボデイの後方へのスライド移動によりリフトフレームの後端に達して、ボデイより分離可能に構成されているボデイ積み降ろし車両を使用したボデイ積み降ろし方法であって、リフトフレームに対し最前進位置にあるボデイを移送手段により、リフトフレームの途中まで後方に一次スライドさせて一旦停止させた後、チルト手段によりリフトフレームを途中まで一次傾動し、次いで移送手段によりボデイをリフトフレームの後端まで後方に二次スライドさせ、しかる後に、チルト手段によりリフトフレームを二次傾動させて、ボデイがその全長にわたり地上に接地されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
各請求項の特徴によれば、リフトフレームを傾動して、連結手段がそのリフトフレームの後端に達すると、ボデイがリフトフレームから外れて、車両側のリフトフレームと、地上のボデイは完全に分離されるので、その車両は、ボデイ上に荷物の積み込み作業を終わるまで待機する必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0011】
また特に請求項1〜4の各特徴によれば、リフトフレームの構造を簡素化するとともにボデイの前後移送を的確に行なうことができる。
【0012】
また特に請求項2,5の各特徴によれば、リフトフレームの傾動時の地上高を、従来のこの種車両に比べて大幅に低くすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明ボデイ積み降ろし車両の側面図、図2は、その車両の一部破断平面図、図3は、図2の3−3線に沿うリフトフレームの一部省略側面図、図4は、図3の4線矢視平面図、図5は、図4の5−5線に沿う断面図、図6は、図5の6−6線に沿う断面図、図7は、チルトシリンダおよびスライドモータを作動する油圧回路図、図8は、ボデイ積み降ろし車両の作用図、図9は、ボデイ積み降ろし車両の作用図、図10は、ボデイ積み降ろし車両の動作フローチャートである。
【0015】
図1,2において、前、後車輪を懸架したメインフレーム1上には、サブフレーム2が載置、固定されて車体フレームFSが構成され、この車体フレームFS上に後に詳述するリフトフレームFLが後方に傾動可能に搭載され、さらにこのリフトフレームFL上に、荷物を載置可能なボデイBが前後にスライド可能に搭載される。
【0016】
前記メインフレーム1の後端には、前記リフトフレームFLを前後方向に転動案内するための一対の案内輪3が横軸まわりに回転自在に軸支されている。またメインフレーム1の後端には、車両の積み降ろし作業時に、これを安定的に保持するアウトリガー4が張り出し可能に設けられる。
【0017】
前記リフトフレームFLは、前記車体フレームFSよりも幅狭に形成され、前後方向に互いに平行に延びるチャンネル材よりなる一対の縦桁6を備えた、細長い方形枠状に形成されており、このリフトフレームFLの後部は、前記一対の案内輪3上に前後にスライド移動できるように載置されていて、その後部は車体フレームFSよりも後方に延長されている。このリフトフレームFLの前後方向の中間部と、前記サブフレーム2の前後方向中間部との間には、チルト手段8が連結されている。このチルト手段8は従来公知の構造のもので、サブフレーム2とリフトフレームFL間にピン連結10,11されるリフトリンク9と、このリフトリンク9の中間部とサブフレーム2との間にピン連結13,14される油圧シリンダよりなるチルトシリンダ12とより構成されており、このチルトシリンダ12の伸長作動により、リフトフレームFLを後方に傾動させることができる。
【0018】
前記リフトフレームFLには、前記ボデイBを係脱可能に連結する連結手段Cと、この連結手段Cを前後に強制移送するための移送手段Tが設けられる。
【0019】
前記連結手段Cは、2組の左右転動輪16を軸架した走行フレーム15と、この走行フレーム15に起立固定される係止片17とより構成されており、前記係止片17には、上方に開放するフック171 が形成され、このフック171 は、前方に傾斜されていて、その前部上端がその後部上端よりも高く、その前部後面にはフック171 に連続する前方に向かって上り勾配の傾斜面172 が形成されている。そしてこの連結手段Cの左右転動輪16は、リフトフレームFL上に転動自在に載置されていて後述する移送手段Tのチエン23に緩みがあってもなんらの支障もなく前記連結手段CをリフトフレームFL上に沿って移送させることができる。
【0020】
また前記移送手段Tは、リフトフレームFLの前端に回転自在に軸架した駆動軸19に固着される駆動スプロケット20と、リフトフレームFLの後端に回転自在に軸架した被動軸21に固着される被動スプロケット22と、前記両スプロケット20,22に懸回される無端状コンベアとしてのチエン23と、前記駆動軸21に連結される油圧モータよりなるスライドモータ24とより構成されている。前記無端状チエン23の上側には、前記連結手段Cの係止片17の下端が結着されている。したがって前記スライドモータ24を回転駆動すれば、前記移送手段Tを駆動することができ、これに連結される連結手段CをリフトフレームFLに沿って前後に強制駆動することができる。
【0021】
リフトフレームFLの後端左右には、それぞれ支持軸26が外側方に向かって片持状に支持されており、これらの支持軸26には、転動輪27が回転自在に軸支されている。そしてリフトフレームFL上に支持される、後述のボデイBがこれら案内輪27上を前後に移動することができる。
【0022】
前記ボデイBは、この車両の車体フレームFSよりも幅広でそれよりも長い、平板状の荷受台29の前縁に前板30を立設して構成されており、その荷受台29上に、移送すべき車両等の荷物が積載される。またこのボデイBの前縁の左右中央部には、前記連結手段Cのフック171 に係脱自在な係合ピン32がブラケット33を介して取り付けられ、またその後縁左右には、接地輪34が回転自在に軸支されている。
【0023】
前記ボデイBとリフトフレームFLには、それらを係脱するための係脱機構Eが設けられる。この係脱機構Eは、ボデイBに設けられる雄片35と、これに対応してリフトフレームFLに設けられる雌片36とよりなり、図1,2に示すように、ボデイBが走行位置に戻されると、雄片35が雌片36に係合してボデイBをリフトフレームFL上に固縛し、またボデイBが後方にスライドするとそれらの係合が外れるようになっている。
【0024】
図8,9に示すように、ボデイ積み降ろし車両には、前記リフトフレームFLを傾動制御し、かつボデイBをこのリフトフレームFL上に前後にスライド制御するための複数の第1〜5近接スイッチS1〜S5が設けられる。すなわち
a.リフトフレームFLの前端とボデイBの前端間には、ボデイBのスライド量を「0」検知する第1近接スイッチS1、
b.車体フレームFSとリフトフレームFL間には、リフトフレームFLのチルト角「0」を検知する第2近接スイッチS2、
c.ボデイBと、リフトフレームFL間には、ボデイBの一次スライド量(約1,900mm)を検知する第3近接スイッチS3、
d.リフトフレームFLとチルト手段8間にはリフトシリンダの一次チルト角(約12°)を検知する第4近接スイッチS4、
e.ボデイBとリフトフレームFL間には、ボデイBの二次スライド量すなわちスライド後端を検知する第5近接スイッチS5、
次に前記スライドモータ24とチルトシリンダ12の作動油圧回路について、図7を参照して説明すると、油圧モータである前記スライドモータ24および復動式の油圧シリンダであるチルトシリンダ12は、コントロールバルブユニットUVを介して走行用エンジン等より駆動される油圧ポンプであるギヤポンプPおよび油溜TAに接続されている。コントロールバルブユニットUVは、対をなす左右電磁操作弁42,43により切換作動される第1の3位置切換弁41と、対をなす左右電磁操作弁45,46により切換作動される第2の3位置切換弁44とを備えており、スライドモータ24に接続される第1、第2油路51,52は、前記第1の3位置切換弁41を介してギヤポンプPに接続される作動油路48および油溜TAに接続される戻り油路49に接続されており、またチルトシリンダ12に接続される第3、第4油路52,53は、前記第2の3位置切換弁44を介してギヤポンプPに接続される作動油路48および油溜TAに接続される戻り油路49に接続されている。前記第2油路51および第4油路53の途中には、カウンタバランス弁54,55がそれぞれ介在され、また作動油路48の途中にはリリーフ弁56が介在されている。
【0025】
第1の3位置切換弁41が、左側の電磁操作弁42により右側に切り換えられると、ギヤポンプPからの作動油は第2油路51に、また第1油路50は戻り油路49に連通されてスライドモータ24は一方に回転駆動されて前記ボデイBを前方に強制スライドさせ、また第1の3位置切換弁41が、右側の電磁操作弁43により左側に切り換えられると、ギヤポンプPからの作動油は第1油路50に、また第2油路51は戻り油路49にそれぞれ連通されてスライドモータは他方に回転駆動されて前記リフトフレームFLを後方に強制スライドさせることができる。
【0026】
また第2の3位置切換弁44が、左側の電磁操作弁45により右側に切り換えられると、ギヤポンプPからの作動油は第4油路53に、また第3油路52は戻り油路49にそれぞれ連通されてチルトシリンダ12は収縮作動されて前記リフトフレームFLを下降させ、また第2の3位置切換弁44が、右側の電磁操作弁46により左側に切り換えられると、ギヤポンプPからの作動油は第3油路52に、また第4油路53は戻り油路49にそれぞれ接続されてチルトシリンダ12は伸長作動されて前記リフトフレームFLを上昇させることができる。
【0027】
次に主に図8〜10を参照して本発明ボデイ積み降ろし車両の作用について説明する。 1.車両上のボデイBを地上に降ろす場合。
【0028】
1) 図8(a)において、車両は走行姿勢にあり、ボデイBは車体フレームFS上にあって、連結手段Cは、そのボデイBとリフトフレームFLとを連結している。この状態では、第1近接スイッチS1は、ボデイBのスライド量を「0」検知し、また第2近接スイッチS2は、リフトフレームFLのチルト量を「0」検知している。
【0029】
ここで運転席にある「降ろし」スイッチがONされ、第2近接スイッチ2が「0」検知していれば、スライドモータ24が一方向すなわち後進方向に駆動され、連結手段Cの後方移動に伴いこれに連結されるボデイBは後方へのスライドを開始する。
【0030】
2) 図8(b)に示すように、ボデイBが所定量後方に一次スライドして、雄片35が雌片36から外れ、さらにボデイBの重心CGが、車体フレームFSの後端よりも後方に移動すると、第3近接スイッチS3がその一次スライド量(約1,900mm)を検知し、この検知信号により、スライドモータ24の一方向回転が停止され、チルトシリンダ12が伸長作動されて、ボデイBは、リフトフレームFLと共に後方に傾動する。
【0031】
3) 図8(c)に示すように、ボデイBが所定量(約12°)後方に一次傾動すると、これを第4近接スイッチS4が検知し、この検知信号によりチルトシリンダ12の伸長作動を停止し、スライドモータ24を再び一方向すなわち後進方向に駆動する。
【0032】
4) 図8(d)に示すように、ボデイBが、二次スライド位置まで後方にスライドして、そのボデイBの後端が接地輪34を介して地上に接地されると、この二次スライド位置を、第5近接スイッチ5が検知し、この検知信号によりスライドモータ24の後進方向の駆動が停止され、またチルトシリンダ12が再び伸長作動されて、ボデイBは二次傾動される。
【0033】
5) 図9(e)に示すように、ボデイBが最傾動位置まで傾動されると、リフトフレームFLの後端は地上近くまで達するとともにボデイBは完全に地上に接地されるに至り、リフトフレームFL後端の係止片17は、ボデイB前端の係合ピン32から自動的に外れる。この場合前述したように、係止片17のフック171 は、その後端上縁が低くなっていることにより、係合ピン32は、フック171 と干渉することなく、円滑にそのフック171 から外れる。
【0034】
6) 図9(f)に示すように、ボデイBが地上に完全に降ろされたら、車両を前進走行させて、図9(g)に示すように、リフトフレームFLをボデイBより離す。そしてボデイB上には自動車等の荷物が載置され、図示しない適宜の固縛装置により、この荷物をボデイB上に固縛する。
【0035】
2.地上のボデイBを車両上に積み込む場合。
【0036】
この場合基本的には、前記「降ろし」の場合と逆の操作が行なわれるので、その作用図を省略する。
【0037】
1) 「積込」スイッチのON作動により、リフトフレームFLが最傾倒位置すなわち二次傾倒位置まで傾倒された状態で、地上のボデイBの前方にある車両を後進させ、リフトフレームFL後端を、ボデイB前端に接近させ、係止片17を係止ピン32の直下に進入させる。
【0038】
2) 係止片17が後端位置にあるのを第5近接スイッチS5により検知すれば、チルトシリンダ12の収縮作動によりリフトフレームFLを下降する。これにより第4近接スイッチS4がリフトフレームFLの一次傾倒(約12°)を検知すれば、係止片17は、係止ピン32と係合して、連結手段CによりリフトフレームFLの後端にボデイBが連結される。この場合係止片17の上り勾配の傾斜面172 は、係止ピン32を案内してフック171 に確実に係合させることができる。
【0039】
3) 次に、チルトシリンダ12の収縮作動を停止し、スライドモータ24を他方向すなわち前進方向に駆動すれば、ボデイBはリフトフレームFL上をその途中までスライド前進し、第3近接スイッチS3は、その一次スライド量を検知する。
【0040】
4) 第3近接スイッチS3の検知により、スライドモータ24の駆動が停止され、チルトシリンダ12は再び収縮作動されてリフトフレームFLはボデイBと共に下降されて車体フレームFS上に載置される。そしてリフトフレームFLのチルト角 「0」を第2近接スイッチS2により検出する。これによりチルトシリンダ12の収縮作動が停止され、スライドモータ24は再び前進方向に駆動されてボデイBは、最前端位置まで前方にスライドしてボデイBの重心CGはリフトフレームFL上に移動し、第1近接スイッチS1は、ボデイBのスライド量「0」を検出する。
【0041】
5) 第1近接スイッチS1がボデイBのスライド量「0」を検知すれば、運転席内の走行ランプが点灯して、車両は走行姿勢となり、ボデイBの積込を完了する。
【0042】
以上のように、リフトフレームFLを傾動して、連結手段CがそのリフトフレームFLの後端に達すると、ボデイBは地上に降ろされ、その連結手段Cは係合ピン32との係合から外れ、車両側のリフトフレームSLと、地上のボデイBは完全に分離されるので、その車両は、ボデイB上に他の車両等の荷物の積み込み作業を終わるまで待機する必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0043】
また、ボデイBは、後方に一次スライドさせたのち、リフトフレームFLを一次傾動させてからそのボデイBを後方に二次移動させ、さらにリフトフレームFLを二次傾動させて、そのボデイBを地上に降ろすことができるので、リフトフレームFLの傾動時の地上高を、従来のこの種車両に比べて大幅に低くすることができる。
【0044】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば前記実施例の近接スイッチに代えてリミットスイッチ等の従来公知の検出手段を用いてもよい。また前記スライドモータは回転モータに代えて油圧シリンダ等の往復動モータを用いてもよく。さらにチルト機構は、前記実施例のものに代えて従来公知のたのものを使用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、ボデイ積み降ろし車両において、リフトフレームを傾動して、連結手段がそのリフトフレームの後端に達すると、ボデイがリフトフレームから外れて、車両側のリフトフレームと、地上のボデイは完全に分離されるので、その車両は、ボデイ上に荷物の積み込み作業を終わるまで待機する必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0046】
また特に請求項1〜4の発明によれば、リフトフレームとボデイ前端間の連結手段を前後に駆動する移送手段が、リフトフレームにその全長に亘って設けられる無端状のコンベアと、このコンベアを駆動するスライドモータとを備えるので、リフトフレームの構造を簡素化するとともにボデイの前後移送を的確に行なうことができる。
【0047】
また特に請求項2,5の発明によれば、リフトフレームの傾動時の地上高を、従来のこの種車両に比べて大幅に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ボデイ積み降ろし車両の側面図
【図2】 その車両の一部破断平面図
【図3】 図2の3−3線に沿うリフトフレームの一部省略側面図
【図4】 図3の4線矢視平面図
【図5】 図4の5−5線に沿う断面図
【図6】 図5の6−6線に沿う断面図
【図7】 チルトシリンダおよびスライドモータを作動する油圧回路図
【図8】 ボデイ積み降ろし車両の作用図
【図9】 ボデイ積み降ろし車両の作用図
【図10】 ボデイ積み降ろし車両の動作フローチャート
【符号の説明】
8・・・・・・・チルト手段
23・・・・・・無端状コンベア(無端状チエン)
24・・・・・・スライドモータ(油圧モータ)
B・・・・・・・ボデイ
C・・・・・・・連結手段
FL・・・・・・リフトフレーム
FS・・・・・・車体フレーム
T・・・・・・・移送手段
Claims (5)
- 車体フレーム(FS)上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレーム(FL)と、
前記車体フレーム(FS)と前記リフトフレーム(FL)との間に連結され、そのリフトフレーム(FL)を後方に傾倒するチルト手段(8)と、
前記リフトフレーム(FL)上に前後にスライド可能に搭載されるボデイ(B)と、
前記リフトフレーム(FL)にその前後方向に移動可能に設けられて前記ボデイ(B)の前端に着脱可能に連結される連結手段(C)と、
前記連結手段(C)を前後に駆動する移送手段(T)とを備え、
その移送手段(T)は、リフトフレーム(FL)内にその全長に亘って設けられる無端状のコンベア(23)と、このコンベア(23)を駆動すべくリフトフレーム(FL)に設けられるスライドモータ(24)とを備え、
前記連結手段(C)は、前記リフトフレーム(FL)の傾動と、前記ボデイ(B)の後方へのスライド移動により、前記リフトフレーム(FL)の後端に達して前記ボデイ(B)より分離可能に構成されていることを特徴とする、ボデイ積み降ろし車両。 - 車体フレーム(FS)上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレーム(FL)と、
前記車体フレーム(FS)と前記リフトフレーム(FL)との間に連結され、そのリフトフレーム(FL)を後方に傾倒するチルト手段(8)と、
前記リフトフレーム(FL)上に前後にスライド可能に搭載されるボデイ(B)と、
前記リフトフレーム(FL)にその前後方向に移動可能に設けられて前記ボデイ(B)の前端に着脱可能に連結される連結手段(C)と、
前記リフトフレーム(FL)に設けられて前記連結手段(C)を前後に駆動する移送手段(T)とを備え、
前記移送手段(T)は、リフトフレーム(FL)の全長にわたって設けられる無端状のコンベア(23)と、このコンベア(23)を駆動するスライドモータ(24)とを備えていて、前記ボデイ(B)を、リフトフレーム(FL)の途中まで後方に一次スライドさせて一旦停止させた後、リフトフレーム(FL)の後端まで後方に二次スライドさせるようにスライド制御し、
また前記チルト手段(8)は、前記ボデイ(B)の一次スライド後に、前記リフトフレーム(FL)を途中まで一次傾動し、また前記ボデイ(B)の二次スライド後に、二次傾動されるように、前記リフトフレーム(FL)を傾動制御して、前記ボデイ(B)がその全長にわたり地上に接地されるようにしたことを特徴とする、ボデイ積み降ろし車両。 - 前記スライドモータ(24)は、前記リフトフレーム(FL)に対し最前進位置にある前記ボデイ(B)よりも前側に位置する該リフトフレーム(FL)の前端部に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のボデイ積み降ろし車両。
- 前記スライドモータ(24)は、前記リフトフレーム(FL)の外側方に張り出して設けられることを特徴とする、請求項1,2又は3に記載のボデイ積み降ろし車両。
- 車体フレーム(FS)上に後方に傾動可能に搭載されるリフトフレーム(FL)と、車体フレーム(FS)とリフトフレーム(FL)との間に連結されて該リフトフレーム(FL)を後方に傾倒するチルト手段(8)と、リフトフレーム(FL)上に前後にスライド可能に搭載されるボデイ(B)と、リフトフレーム(FL)にその前後方向に移動可能に設けられてボデイ(B)の前端に着脱可能に連結される連結手段(C)と、リフトフレーム(FL)に設けられて連結手段(C)を前後に駆動する移送手段(T)とを備えていて、連結手段(C)が、リフトフレーム(FL)の傾動と、ボデイ(B)の後方へのスライド移動によりリフトフレーム(FL)の後端に達して、ボデイ(B)より分離可能に構成されているボデイ積み降ろし車両を使用したボデイ積み降ろし方法であ って、
リフトフレーム(FL)に対し最前進位置にあるボデイ(B)を移送手段(T)により、リフトフレーム(FL)の途中まで後方に一次スライドさせて一旦停止させた後、チルト手段(8)によりリフトフレーム(FL)を途中まで一次傾動し、
次いで移送手段(T)によりボデイ(B)をリフトフレーム(FL)の後端まで後方に二次スライドさせ、
しかる後に、チルト手段(8)によりリフトフレーム(FL)を二次傾動させて、ボデイ(B)がその全長にわたり地上に接地されるようにしたことを特徴とする、ボデイ積み降ろし方法。
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JP27923798A JP3696416B2 (ja) | 1998-10-01 | 1998-10-01 | ボデイ積み降ろし車両および方法 |
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