JP3696046B2 - 非水電解質電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、非水電解液を用いると共に、正極と負極との間にセパレータを介在させた非水電解質電池及びその製造方法に係り、特に、上記のセパレータを改善し、製造した当初の非水電解質電池を高温で保存した場合等において、容量が低下するのを防止するようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高出力,高エネルギー密度の新型電池の1つとして、非水電解液を用いて、リチウムの酸化,還元を利用した高起電力の非水電解質電池が利用されるようになり、またこのような非水電解質電池は、上記のように非水電解液を用いているため、正極や負極が保存中に反応して水素や酸素を発生することが少ないとして、メモリーバックアップ等の緊急時用の電池として用いられている。
【0003】
ここで、このような非水電解質電池としては、一般に、電池缶内において、正極と負極との間にポリプロピレン等で構成された微多孔膜からなるセパレータを介在させ、この電池缶内に非水電解液を注液させたものが使用されている。
【0004】
しかし、このように正極と負極との間にポリプロピレン等で構成された微多孔膜からなるセパレータを介在させた場合、保存中において、正極における正極材料の粉末や負極における負極材料の粉末等が、上記の微多孔膜からなるセパレータの孔を通して対極に移動して反応し、容量が低下するという問題があった。特に、上記のような非水電解質電池を高温で保存する場合や、この非水電解質電池をメモリーバックアップ用の電池等として使用するために、この非水電解質電池をハンダ付けする場合等においては、上記の反応が生じ易くなり、その容量が大きく低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、非水電解液を用いると共に、正極と負極との間にセパレータを介在させた非水電解質電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、セパレータを改善し、非水電解質電池を高温で保存した場合等においても、その容量が低下するのを防止することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明における非水電解質電池においては、上記のような課題を解決するため、非水電解液を用いると共に、正極と負極との間にセパレータを介在させた非水電解質電池において、上記のセパレータとして、微多孔膜と、加熱によって微多孔膜になる無孔膜とが積層されたものを用いるようにしたのである。
【0007】
ここで、この非水電解質電池のようにセパレータとして、微多孔膜と加熱によって微多孔膜となる無孔膜とが積層されたものを用いると、上記のセパレータにおける無孔膜により、正極材料の粉末や負極材料の粉末等が対極に移動して反応するのが抑制されて、この非水電解質電池を高温で保存する場合や、ハンダ付けする場合等においても、この非水電解質電池の容量が低下するのが防止されるようになる。
【0008】
そして、この非水電解質電池を使用するにあたっては、この非水電解質電池を加熱し、セパレータにおける上記の無孔膜を微多孔膜にして、セパレータ全体を微多孔膜にし、このセパレータを通してリチウムイオン等が正極と負極との間で移動できるようにする。
【0009】
ここで、上記のセパレータにおいて、微多孔膜と加熱によって微多孔膜となる無孔膜とを積層させるにあたっては、正極材料の粉末や負極材料の粉末が対極に移動するのを十分に抑制するため、微多孔膜全体に無孔膜を積層させることが好ましいが、微多孔膜の一部にだけ無孔膜を積層させるようにすることも可能である。
【0010】
ここで、上記のように加熱によって無孔膜を微多孔膜する前に、上記の微多孔膜が溶解するのを防止するため、請求項2に示すように、この無孔膜を構成する材料に、上記の微多孔膜を構成する材料より融点の低い材料を用いることが好ましい。
【0011】
そして、このような無孔膜を構成する材料としては、上記のように微多孔膜を構成する材料より融点が低く、加熱により上記の微多孔膜における微孔と対応するようにして微孔がうまく形成される材料を用いることが好ましく、請求項3に示すように、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の材料を用いるようにすることが好ましい。
【0012】
一方、上記の微多孔膜としては、非水電解質電池において従来よりセパレータとして一般に使用されているものを用いることができ、この微多孔膜を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリシリコン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメラミンホルムアルデヒド等を用いることができ、上記の無孔膜より融点の高い材料を選択して用いるようにする。
【0013】
また、この発明における非水電解質電池において、その正極に使用する正極材料としては、従来より使用されている公知の正極材料を用いることができ、リチウムイオンの吸蔵,放出が可能な金属化合物、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、バナジウム、ニオブ等を少なくとも一種含むリチウム遷移金属複合酸化物等を使用することができる。
【0014】
また、この発明における非水電解質電池において、その負極に用いる負極材料としても、従来より使用されている公知の負極材料を用いることができ、例えば、金属リチウムや、Li−Al,Li−In,Li−Sn,Li−Pb,Li−Bi,Li−Ga,Li−Sr,Li−Si,Li−Zn,Li−Cd,Li−Ca,Li−Ba等のリチウム合金や、リチウムイオンの吸蔵,放出が可能な黒鉛,コークス,有機物焼成体等の炭素材料を用いることができる。
【0015】
なお、上記の正極材料と負極材料とを比較した場合、一般に正極材料の方が脱離しやすいため、請求項4に示すように、上記のセパレータにおける無孔膜を正極側に位置させることが好ましい。
【0016】
また、この発明における非水電解質電池においては、非水電解液としても、従来より使用されている公知のものを用いることができる。
【0017】
そして、この非水電解液における溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の有機溶媒を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホランから選択される少なくとも1種の有機溶媒と、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートから選択される少なくとも1種の有機溶媒とを混合させた混合溶媒を用いると、非水電解液におけるイオン伝導率が高くなると共に、負極材料にLi−Al合金を用いた場合に、優れたイオン伝導性を示す被膜が形成されて、非水電解質電池の保存特性が向上するようになる。
【0018】
また、この非水電解液における溶質としては、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiSiF6 、LiCF3 SO3 、LiAsF6 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiCF3 (CF2 )3 SO3 等の等のリチウム化合物を使用することができる。
【0019】
【実施例】
以下、この発明に係る非水電解質電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例における非水電解質電池が保存特性の点において優れていることを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明における非水電解質電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
(実施例1)
実施例1においては、下記のようにして作製した正極1と負極2と非水電解液とセパレータ3とを用い、図1に示すような扁平なコイン型の非水電解質二次電池を作製した。
【0021】
[正極]
正極1を作製するにあたっては、正極材料として、水酸化リチウムLiOHと二酸化マンガンMnO2 とを、LiとMnの原子比が0.3:1になるように混合したものを、空気中において375℃で20時間焼成し、これを粉砕して得たリチウム−マンガン酸化物の粉末を用いるようにした。
【0022】
そして、この正極材料であるリチウム−マンガン酸化物の粉末と、導電剤であるカーボンブラック粉末と、結着剤であるフッ素樹脂粉末とを85:10:5の重量比になるように混合し、この混合物を円板状に加圧成形した後、これを真空中において250℃で2時間熱処理して円板状になった正極を得た。
【0023】
[負極]
負極2を作製するにあたっては、リチウムとアルミニウムとの合金(Li−Al合金)の圧延板を用い、この圧延板を円形に打ち抜いて、円板状になったLi−Al合金からなる負極を得た。
【0024】
[非水電解液]
非水電解液を作製するにあたっては、溶媒として、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を用い、この混合溶媒に、溶質としてリチウムトリフルオロメタンスルホン酸イミドLiN(CF3 SO2 )2 を1mol/lの濃度になるように溶解させた。
【0025】
[セパレータ]
セパレータ3としては、融点が180℃のポリプロピレン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用いるようにした。
【0026】
[電池の作製]
電池を作製するにあたっては、図1に示すように、上記の正極1をSUS316で構成された正極集電体5に取り付けると共に上記の負極2をSUS304で構成された負極集電体6に取り付けた。
【0027】
そして、上記の正極集電体5を正極缶4aに接触させるようにして正極1を正極缶4aに収容させると共に、上記の負極集電体6を負極缶4bに接触させるようにして負極2を負極缶4bに収容させ、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、このセパレータ3を上記の正極1と負極2との間に介在させると共に、上記の非水電解液を負極2側に位置する微多孔膜3aに注液し、この状態で正極缶4aと負極缶4bとを合わせて、これらを正極缶4aと負極缶4bとで構成される電池ケース4内に収容させると共に、正極缶4aと負極缶4bとを絶縁パッキン7により電気的に絶縁させて、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0028】
なお、このようにして作製した実施例1の非水電解質二次電池を、上記のセパレータ3における無孔膜3bが溶融する温度まで加熱すると、図2に示すように、この無孔膜3bに多数の微孔が形成されて微多孔膜3cとなり、この微多孔膜3cと上記の微多孔膜3aとにおける微孔を通して、上記の非水電解液が負極2にも導かれ、リチウムイオンがこれらの微多孔膜3c,3aを通して移動し、非水電解質二次電池として利用できるようになった。
【0029】
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1と同じセパレータ3を用い、電池を作製するにあたり、図3に示すように、セパレータ3における微多孔膜3aを正極1側に、無孔膜3bを負極2側に位置させると共に、上記の実施例1と同じ非水電解液を正極1側に位置する微多孔膜3aに注液し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0030】
(実施例3)
実施例3においては、図4に示すように、セパレータ3として、融点が180℃のポリプロピレン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面の50%の部分に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、上記の実施例1の場合と同様に、このセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。なお、この実施例3の非水電解質二次電池の場合、無孔膜3bが設けられていない部分において、非水電解液が上記の微多孔膜3aを通して正極1と負極2との双方に接触した状態となっている。
【0031】
(実施例4)
実施例4においては、セパレータ3として、融点が180℃のポリプロピレン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が165℃のポリプロピレンオキシド製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0032】
(実施例5)
実施例5においては、セパレータ3として、融点が370℃のポリイミド製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0033】
(実施例6)
実施例6においては、セパレータ3として、融点が220℃のポリアミド製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0034】
(実施例7)
実施例7においては、セパレータ3として、融点が330℃のポリテトラフルオロエチレン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0035】
(実施例8)
実施例8においては、セパレータ3として、融点が非常に高いポリシリコン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0036】
(実施例9)
実施例9においては、セパレータ3として、融点が317℃のポリアクリロニトリル製で厚みが100μmになった微多孔膜3aの片面全面に、融点が140℃のポリエチレン製で厚みが10μmになった無孔膜3bを貼り合わせたものを用い、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし、上記のセパレータ3における無孔膜3bが正極1側に、微多孔膜3aが負極2側に位置するようにして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。
【0037】
(比較例1)
比較例1においては、図5に示すように、融点が180℃のポリプロピレン製で厚みが100μmになった微多孔膜3aだけからなるセパレータ3’を用い、このセパレータ3’を正極1と負極2との間に介在させて、上記の実施例1と同じ非水電解液を注液し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、電池容量が約100mAhになった非水電解質二次電池を得た。なお、この比較例1の非水電解質二次電池の場合、非水電解液が上記の微多孔膜3aだけからなるセパレータ3’を通して正極1と負極2との双方に接触した状態となっている。
【0038】
次に、上記のようにして作製した実施例1〜9及び比較例1の各非水電解質二次電池を用いて、高温での保存特性を比較した。
【0039】
ここで、実施例1〜9及び比較例1の各非水電解質二次電池においては、それぞれ同じようにして2つの非水電解質二次電池を作製し、実施例1〜3,5〜9の各非水電解質二次電池においては、1番目の電池を140℃に加熱して、それぞれ上記の無孔膜3bを微多孔膜3cにし、また実施例4の非水電解質二次電池においては、1番目の電池を170℃に加熱して、上記の無孔膜3bを微多孔膜3cにした。
【0040】
そして、このように無孔膜3bを微多孔膜3cにした実施例1〜9の1番目の各非水電解質二次電池及び比較例1の1番目の非水電解質二次電池を、それぞれ放電電流10mAで放電終止電圧2.0Vまで放電して、実施例1〜9及び比較例1の各非水電解質二次電池における保存前の放電容量Q0 を求めた。
【0041】
次に、加熱していない実施例1〜9の2番目の各非水電解質二次電池及び比較例1の2番目の非水電解質二次電池をそれぞれ70℃で2箇月間保存した後、実施例1〜3,5〜9の各非水電解質二次電池においては、1番目の電池と同様に140℃に加熱して、それぞれ上記の無孔膜3bを微多孔膜3cにし、また実施例4の非水電解質二次電池においても、1番目の電池と同様に170℃に加熱して、上記の無孔膜3bを微多孔膜3cにした。
【0042】
そして、このように加熱した実施例1〜9の2番目の各非水電解質二次電池及び比較例1の2番目の非水電解質二次電池を、それぞれ放電電流10mAで放電終止電圧2.0Vまで放電して、実施例1〜9及び比較例1の各非水電解質二次電池における保存後の放電容量Q1 を求めた。
【0043】
そして、上記の保存前の放電容量Q0 と保存後の放電容量Q1 とから下記の式に基づいて、実施例1〜9及び比較例1の各非水電解質二次電池における自己放電率を求め、その結果を下記の表1に示した。
【0044】
自己放電率(%)=[(Q0 −Q1 )/Q0 ]×100
【0045】
【表1】
【0046】
この結果から明らかなように、微多孔膜3aと、加熱によって微多孔膜3cになる無孔膜3bとが積層されたセパレータ3を用いた実施例1〜9の各非水電解質二次電池は、微多孔膜3aだけからなるセパレータ3’を用いた比較例1の非水電解質二次電池に比べて自己放電率が大きく低下しており、高温での保存特性が大きく向上していた。
【0047】
また、実施例1〜3の非水電解質二次電池を比較した場合、微多孔膜3aの片面全面に無孔膜3bを貼り合わせたセパレータ3を用いた実施例1,2の非水電解質二次電池は、微多孔膜3aの片面の50%の部分にだけ無孔膜3bを貼り合わせたセパレータ3を用いた実施例3の非水電解質二次電池に比べて、自己放電率が低下して、高温での保存特性が向上していた。また、実施例1の非水電解質二次電池のようにセパレータ3における無孔膜3bを正極1側に位置させると、セパレータ3における無孔膜3bを負極2側に位置させた実施例2の非水電解質二次電池よりさらに自己放電率が少なくなって、高温での保存特性がさらに改善された。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における非水電解質電池においては、正極と負極との間に設けるセパレータに、微多孔膜と、加熱によって微多孔膜となる無孔膜とが積層されたものを用いるようにしたため、保存時においては、セパレータにおける無孔膜により、正極材料の粉末や負極材料の粉末等が対極に移動して反応するのが抑制され、この非水電解質電池を高温での保存する場合や、ハンダ付けする場合等において、この非水電解質電池の容量が低下するのが防止されるようになった。
【0049】
また、この発明における非水電解質電池においては、セパレータにおける上記の無孔膜が加熱によって微多孔膜となるため、この非水電解質電池を使用するにあたっては、この非水電解質電池を加熱することにより、無孔膜が微多孔膜となってセパレータ全体が微多孔膜になり、このセパレータを通してリチウムイオン等が正極と負極との間で移動されるようになって、通常の非水電解質電池として利用することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における非水電解質二次電池を加熱する前の状態を示した断面説明図である。
【図2】この発明の実施例1における非水電解質二次電池を加熱した後の状態を示した断面説明図である。
【図3】この発明の実施例2における非水電解質二次電池を加熱する前の状態を示した断面説明図である。
【図4】この発明の実施例3における非水電解質二次電池を加熱する前の状態を示した断面説明図である。
【図5】比較例1の非水電解質二次電池の断面説明図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
3a 微多孔膜
3b 無孔膜
3c 無孔膜の加熱によって形成された微多孔膜
Claims (5)
- 非水電解液を用いると共に、正極と負極との間にセパレータを介在させた非水電解質電池において、上記のセパレータとして、微多孔膜と、加熱によって微多孔膜になる無孔膜とが積層されたものを用いたことを特徴とする非水電解質電池。
- 請求項1に記載の非水電解質電池において、上記の無孔膜を構成する材料の材料の融点が、微多孔膜を構成する材料の融点より低いことを特徴とする非水電解質電池。
- 請求項1又は2に記載の非水電解質電池において、上記の無孔膜がポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の材料で構成されていることを特徴とする非水電解質電池。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解質電池において、上記のセパレータにおける無孔膜を正極側に位置させたことを特徴とする非水電解質電池。
- 非水電解液を用いると共に、正極と負極との間に微多孔膜と無孔膜とが積層されてなるセパレータを介在させた非水電解質電池を加熱して、上記のセパレータにおける無孔膜を微多孔膜にすることを特徴とする非水電解質電池の製造方法。
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