JP3696000B2 - 超音波プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転シャフトに固定した超音波振動子を電気的に外部と接続するためのスリップリングを設けた超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波内視鏡の開発により、体内の病変を超音波断層像によって診断する手技が普及している。
【0003】
特に近年では、超音波画像ガイド下で穿刺や生検を行う手技が広がりつつある。この手技は、超音波振動子を体内への挿入軸に対して垂直な軸回りに回動させる、いわゆるセクタ走査を行い、病変部と穿刺針を超音波画像上で確認し、穿刺、生検等を行うものである。
【0004】
このため、特開平7−128312号公報で示された超音波探触子では、先端部にモータ、回転位置検出手段及び電気的接続用のスリップリングを配置し、前記モータの回転により超音波振動子を挿入軸と垂直な方向に回転させて、セクタ走査を行っている。この場合、スリップリングのブラシは、保持部材を介してフレームに固定され、支持軸に固定されるリング部分とは完全に別体となっている。このような構造では、保持部材を位置精度良くフレームに対して固定し、スリップリングとの接触力量を安定させるために、少なくとも2個所の位置決め部が必要となる。ここで、一般的に超音波探触子の先端部が太いと、挿入の際に患者に苦痛を与えてしまうという事情があり、先端部をより細くすることが望まれている。
【0005】
ところが、超音波探触子の先端部を細くするために、スリップリングを小径化しようとすると次のような問題が生じる。スリップリングのサイズが小さくなると位置決め部のスペースを確保するのが難しくなる。また部品単体での公差のバラツキは変わらないので、小型化するとブラシとリングの相対的な位置関係がずれ量の割合が大きくなってしまい、部品のバラツキによる接触力量のバラツキ度が大きいものになってしまう。
【0006】
一方、体腔内を走査する超音波内視鏡としては、先端に組込んだ超音波振動子を内視鏡の挿入軸と平行な軸回りに回動させる、いわゆるラジアル走査を行うものが体腔内を走査するのに適しており、従来より一般的に実用化されている。よって、通常セクタ走査式の超音波内視鏡を用いて超音波ガイド下に穿刺、生検などを行う際には、ラジアル走査式の超音波内視鏡による検査の後に、再度セクタ走査式の超音波内視鏡による検査を実施することが行われている。このため、2度の超音波探触子の先端部の挿入による検査を行わなければならず、患者の苦痛、術者の負荷が大きいという問題点があった。
【0007】
このことに対応して、特公平6−98128号公報で示された超音波探触子では、挿入部に平行な軸と垂直な軸に対して回動可能な超音波振動子を設け、挿入部を動かすことなく超音波走査面を変化させている。この構成では、超音波振動子の側面には、振動子を2方向で走査可能なように、プーリや2つの軸受を設けている。このため、前述のセクタ走査のための構成に加えて、ラジアル走査のための保持機構を設けなければならず、超音波探触子の先端部を細くすることが難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、特開平7−128312号公報に記載の、従来のセクタ走査を行う超音波探触子は、スリップリングのブラシが、保持部材を介してフレームに固定され、支持軸に固定されるリング部分とは完全に別体となっているので、保持部材を位置精度良くフレームに対して固定し、スリップリングとの接触力量を安定させるために、少なくとも2個所の位置決め部が必要となり、超音波探触子の先端部を細くすることが困難で、挿入の際に患者に苦痛を与えていた。
【0009】
従来のセクタ走査のみ行うセクタ走査式の超音波内視鏡を用いて超音波ガイド下に穿刺、生検などを行う際には、ラジアル走査式の超音波内視鏡による検査の後に、再度セクタ走査式の超音波内視鏡による検査を実施することが行われている。このため、2度の超音波探触子の先端部の挿入による検査を行わなければならず、患者の苦痛、術者の負荷が大きいという問題点があった。
【0010】
特公平6−98128号公報に記載のセクタ走査とラジアル走査の両方が行える超音波探触子では、超音波振動子の側面には超音振動子を2方向で走査可能なように、超音波振動子の側面にプーリや2つの軸受を設けている。このため、セクタ走査のための構成に加えて、ラジアル走査のための保持機構を設けなければならず、超音波探触子の先端部を細くすることが難しかった。
【0011】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、小型のスリップリングを実現し、超音波プローブの先端部を細径化することにより患者に与える苦痛を低減できる超音波プローブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の超音波プローブは、超音波を送出可能な超音波振動子と、前記超音波振動子に設けられたシャフトと、内視鏡の先端部に設けられ、前記シャフトを介して前記超音波振動子を回動自在に保持するハウジングと、前記シャフトに固定され、前記超音波振動子と電気的に接続した信号を伝達するためのリング部と、前記リング部と接触するためのブラシを保持するとともに、前記シャフトを挿通するための穴を有し前記シャフトに対して回動自在に設けられたブラシ保持部材と、前記ブラシが前記リング部に前記信号を伝達可能に接触する位置で前記ブラシ保持部材を前記ハウジングに対して位置決め固定する位置決め固定部と、を具備したこと特徴とする。
本発明の第2の超音波プローブは、超音波を送出可能な超音波振動子と、前記超音波振動子に設けられたシャフトと、前記シャフトに固定され、前記超音波振動子と電気的に接続した信号を伝達するためのリング部と、前記リング部と接触するためのブラシを保持するとともに、前記シャフトを挿通するための穴を有し前記シャフトに対して回動自在に設けられたブラシ保持部材と、内視鏡の先端部に設けられ、前記ブラシ保持部材を介して前記超音波振動子を回動自在に保持するハウジングと、前記ブラシが前記リング部に前記信号を伝達可能に接触する位置で前記ブラシ保持部材を前記ハウジングに対して位置決め固定する位置決め固定部と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は本発明の第1の実施の形態を超音波内視鏡に適用した場合に係り、図1は先端部の断面図、図2は超音波内視鏡の全体構成を示す側面図、図3は副操作部の断面図、図4は先端部の第1の拡大図、図5は先端部の第2の拡大図、図6は図1の超音波振動子を側方に向けた場合を示す先端部の断面図を示す。
【0015】
図1に示す超音波プローブ(本実施の形態では超音波内視鏡1)は、少なくとも1つの超音波振動子25と、この超音波振動子25を固定する回転シャフト23と、この回転シャフト23により回動する前記超音波振動子25を電気的に外部と接続するためのスリップリング22とを具備した超音波プローブにおいて、前記スリップリング22は前記回転シャフト23に固定されるリング部22dとこのリング部22dに押圧接触し導通をとるブラシ部22aとからなり、このブラシ部22aは金属ブラシ22cと樹脂で形成されたブラシ保持部材22bとからなり、前記回転シャフト23を支持する一端側及び他端側の軸受の内少なくとも一方の軸受(本実施の形態では支持穴40)は、前記ブラシ保持部材22bに設けられている。
【0016】
次に、図2を用いて超音波内視鏡の全体構成を説明する。
【0017】
図2において、超音波内視鏡1は、細長の挿入部3と、この挿入部の後端に設けられた操作部2と、副操作部6とを有する。この副操作部6の側部から延出されたユニバーサルコード7は図示しない光源装置に接続され、操作部2の側部から延出された超音波コード8は図示しない超音波観測装置に接続される。
【0018】
挿入部3は、その先端に設けられた先端部5と湾曲自在の湾曲部4からなり、操作部2に設けられた湾曲ノブ9を操作することにより湾曲部4を湾曲できるようになっている。
【0019】
次に、図3を用いて副操作部6を説明する。図3(a)は図1の操作部を正面側から見た場合の断面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。
【0020】
図3(a)及び(b)において、副操作部6内には第1の駆動装置10が配されている。第1の駆動装置10は、可撓性シャフト15を回動させる第1のモータ11と、第1のモータ11の回転位置を検出する第1のエンコーダ12と、回転されるロータ側と回転されないステータ側の接点間で信号伝達を行う第1のスリップリング13とを具備している。第1のモータ11の回動はタイミングベルト14により、第1のエンコーダ12、第1のスリップリング13に伝達される。このような構成により、第1の駆動装置10は可撓性シャフト15を介して、図2の先端部5の挿入方向に対して垂直なラジアル方向の回動を図2の先端部5に伝達する。
【0021】
可撓性シャフト15内部には、後述する超音波振動子25に接続された同軸ケーブル17b、第2の駆動装置19の信号線28が挿通されていて第1のスリップリング13に接続される。これらの信号線と第1の駆動装置10の信号線は、図2の超音波コード8内を挿通し超音波観測装置に接続される。超音波観測装置には図示しない制御装置が設けられていて、この制御装置が第1の駆動装置10及び第2の駆動装置19を制御プログラムに従って駆動する。
【0022】
次に、図4及び図5を用いて先端部5を説明する。
【0023】
図4及び図5において、先端部5には硬質の先端部本体16が設けられ、この先端部本体16には内視鏡光学系として図示しない照明光学系および観察光学系が斜め前方に向けて設けられている。照明光学系は、照明光を伝送する図示しないライトガイドと、照明光を拡開して出射する照明レンズ36からなり、照明レンズを経て斜め前方に照明光を出射し、体腔内の患部等の被写体を照明する。観察光学系は、照明された被写体の光学像を結ぶ対物レンズ37と、結像位置に先端面が配置された図示しないイメージガイドを有し、イメージガイドにより光学像を後端面に伝送する。先端部本体16には生体内に穿刺を行う鉗子チャンネル38が斜め前方に向けて設けられている。また、図3に示した第1の駆動装置10による走査面は、図4に示すように、先端部5の挿入方向に対して垂直なラジアル走査の面となり、後述する第2の駆動装置19による走査面は、図5に示すように、挿入方向に対して平行なセクタ走査の面となる。
【0024】
次に、図1及び図6を用いて先端部5の内部構造を詳細に説明する。
【0025】
図1及び図6において、先端部本体16の先端面には円筒状でその先端を半球状にした先端キャップ29に覆われており、この内部は超音波伝達媒体34で満たされている。
【0026】
先端部本体16には先端部5の長手方向に略平行な貫通孔35が設けられている。貫通孔35の後端側には可撓性シャフト15が挿通されていて、貫通孔35の先端側は回転ハウジング17を先端部5の長手軸に平行な方向に回転可能に軸支している。
【0027】
回転ハウジング17は部品17a、17bの2部品からなり、ねじ39により締結固定される。回転ハウジング17は、振動子回転シャフト23、ギヤシャフト24を回転可能に支持し、第2の駆動装置19を固定するとともに、前述の通り先端部本体16に対して回転可能に支持されている。
【0028】
振動子回転シャフト23は、回転ハウジング17に回転可能に軸支されていて、超音波を送受信する超音波振動子25、超音波振動子を保持するホルダー26、第2のスリップリング22のリング部22d、平歯車b 31bを固定している。これにより超音波振動子25は先端部5の長手軸と垂直な方向に回転可能に支持されることになる。超音波振動子25の同軸ケーブル27aは第2のスリップリング22のリング部22dに接続される。
【0029】
第2のスリップリング22のブラシ部22aはブラシ保持部材22bと金属ブラシ22cを具備している。ブラシ保持部材の突起部47は回転ハウジング17の部品17aの挿通穴46に嵌合し、回転ハウジング17の部品17aに対する位置が決められ、後述のねじ33により回転ハウジング17の部品17aに固定される。また振動子シャフト23はブラシ保持部材22bの支持穴40に回転可能に軸支されているため、スリップリング22の安定した電気的導通に重要な要素である金属ブラシ22cのリング部22dに対する接触荷重はブラシ保持部材22bの位置決め誤差によらず、一意的に決まる。
【0030】
金属ブラシ22cの一端側はリング部22dの図8に後述の金属リング41と弾性的に押圧された状態で接触し、電気的に導通され、金属ブラシ22cの他端は同軸ケーブル27bにはんだ付けされる。よって振動子25の同軸ケーブル27aはリング部22dと金属ブラシ22cとを経て同軸ケーブル27bと電気的に導通される。
【0031】
第2の駆動装置19は、上述の第2のスリップリング22、第2のモータ20、第2のモータ20の回転位置を検出する第2のエンコーダ21からなり、回転ハウジング17に、支持部材18を介して固定される。第2のモータ20の回動は、第2のエンコーダ21に伝達され、第2のエンコーダ21の軸に固定されるかさ歯車a 30aを駆動する。ギヤシャフト24は平歯車a 31aと、かさ歯車a 30aと噛合するかさ歯車b 30bを固定していて、一体的に回転するようになっている。かさ歯車a 30aの回転駆動は噛合するかさ歯車b 30bにより回転方向を90゜変換されてギヤシャフト24を回動する。ギヤシャフト24の回転は平歯車a 31aと噛合する平歯車b 31bから振動子シャフト23に伝達され、振動子25を回動させる。よって振動子25は、第2の駆動装置19により先端部5の長手方向と垂直な方向に回動され、挿入方向と平行なセクタ走査を行なう。
【0032】
また回転ハウジング17は、結合部材46により可撓性シャフト15に結合されるので、第1の駆動装置10の駆動により先端部の長手方向を平行な向きに回動される。これにより、振動子25は挿入方向と垂直なラジアル走査を行う。また同軸ケーブル27b、第2のモータ20、第2のエンコーダ21の信号線28は、可撓性シャフト15の内部に挿通され、図3の第1のスリップリング13に接続される。
【0033】
次に、図7の用いてブラシ部22aの取付け構造を説明する。図7(a)は図1のB−B線断面図であり、図7(b)は図7(a)のC−C線断面図である。図7(a)に示すように、第2のスリップリング22のブラシ部22aのブラシ保持部材22bは、一端側が回転ハウジング17の部品17aの図1の挿通穴46に嵌合し、他端側に金属ブラシ22cを絶縁状態で保持する保持部22eを設け、中間部一端側寄りにねじ穴22fを形成している。
【0034】
回転ハウジング17の部品17aには貫通孔17cが形成されている。ねじ33は、その軸部が貫通孔17cに挿入しのねじ穴22fに螺入している。これにより、回転ハウジング17の部品17aにブラシ部22aをねじ止め固定している。
【0035】
次に、図8及び図9を用いてブラシ部22aとリング部22dの電気的に接続構造について詳細に説明する。
【0036】
図8はスリップリング22の長手方向の断面図である。また図9は図8のD−D線断面図である。
【0037】
図8及び図9に示すように、第2のスリップリング22のリング部22dはリング部本体43、2枚の金属リング41、絶縁部材42、プリント基板44を具備している。2つの金属リング41は絶縁部材42を挟み、絶縁された状態でリング本体43に固定されている。2つの金属リング41の内周面には各々ケーブル45がはんだ付けされており、これらのケーブル45は、リング本体43の切り欠き部を通って他端がプリント基板44のパターン面にはんだ付けされる。一方図1に示した振動子25の同軸ケーブル27aもプリント基板44のパターン面に半田付けされるため、同軸ケーブル27aと金属リング41は電気的に導通される。また、ブラシ保持部材22bの保持部22eに取付けられた金属ブラシ22cの一端側は、金属リング41と弾性的に押圧された状態で接触し、電気的に導通され、他端は同軸ケーブル27bにはんだ付けされる。
【0038】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0039】
超音波内視鏡1は超音波観測装置に接続されることにより走査を開始する。
【0040】
まず、セクタ走査をする場合について説明する。この場合、第1の駆動装置10を静止させ、第2の駆動装置19のみ駆動させる。すると、第2のモータ20の回転により、ギヤシャフト24、さらに振動子シャフト23が回動するため、振動子25は挿入方向と垂直な方向で回転する。この状態で第2のエンコーダ21は第2のモータ20の回転位相角を検出する。超音波観測装置は第2のエンコーダの位相信号をもとに、適切なタイミングで電気パルスを発生させる。この電気パルスは第2のスリップリング22を経て振動子25に印加され、振動子25は振動子パルスを発し、超音波伝達媒体34および先端キャップ29を経て、体腔内に送出される。そして音響インピーダンスが変化している部分で反射される。よって、第2のモータ20の回動により、振動子25は図5に示す挿入方向と平行な面に沿ったセクタ走査を行う。この平面は鉗子チャンネル38と同一な面であるから、例えば鉗子チャンネル38より生体内に穿刺を行う際には、針先の位置と生体内の関係を確認することができる。
【0041】
次にラジアル走査をする場合について説明する。この場合、第2のエンコーダ21の位相信号により、振動子25を図6で示されるように、振動子の開口面が挿入方向と平行になるような位置に静止させ、第2の駆動装置19を停止する。次に第1の駆動装置10を駆動させると、第1のモータ11、タイミングベルト14、第1のスリップリング13、可撓性シャフト15、接合部材48を経て回転ハウジング17を回転させる。第2の駆動装置19は停止しているので、振動子25は回転ハウジング17と一体的に回転し、超音波観測装置からの送受信パルスにより図4に示すような挿入方向と垂直な面に沿ったラジアル走査を行う。
【0042】
さらに第1の駆動装置10と第2の駆動装置19を超音波観測装置の制御により協調させて駆動させ、多数の超音波走査面を連続的に取り込むことにより、いわゆる3次元走査が可能である。
【0043】
本実施の形態は以下の効果を有する。
【0044】
第2のスリップリングのブラシ保持部材22bは、回転ハウジング17に対し、振動子シャフト23と同心で形成された突起部47とねじ33によるねじ止め1ヶ所で位置決め固定され、またブラシ保持部材に形成した支持穴40に、リング部22dと結合されている振動子シャフト23を挿通させる構成としたため、スリップリングを小型化することができ、先端部5を小さくすることができるため、患者の苦痛を低減できる。また、金属ブラシ22cと金属リング22d間の相対的な位置と押圧力が組立のバラツキに影響されずに決まるので、安定した特性を得ることができる。
【0045】
これに加え、超音波内視鏡1は、第1の駆動装置10を駆動することによりラジアル走査を行うことができ、第2の駆動装置19を駆動することによりセクタ走査をすることができる。また第1及び第2の駆動装置10,19を協調して駆動することにより3次元走査ができる。これらの走査は、先端部5を動かすこと無く、また1本の超音波内視鏡で実施できるので、患者の苦痛、術者の負荷を減らすことができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図10は本発明の第2の実施の形態に係る超音波プローブの断面図である。
【0047】
第1の実施の形態では、内視鏡光学系を設けた超音波内視鏡の場合で具体的に説明したが、第2の実施の形態では、内視鏡光学系を有しない超音波プローブにも適用できる。
【0048】
図10において、超音波プローブ51は把持部49と硬質な先端部50から構成される。先端部50は、図1乃至図9に示した先端部5から光学系の構成要素を取り除いたものである。把持部49には第1の駆動装置60が設けられている。第1の駆動装置60は、可撓性シャフト65を回動させる第1のモータ61と、第1のモータ61の回転位置を検出する第1のエンコーダ62と、回転されるロータ側と回転されないステータ側の接点間で信号伝達を行う第1のスリップリング63とを具備している。そのほかの詳細部の構成は第1の実施の形態と同じなので、説明は省略する。
【0049】
[付記]
1.少なくとも1つの超音波振動子と、
この超音波振動子を固定する回転シャフトと、
この回転シャフトにより回動する前記超音波振動子を電気的に外部と接続するためのスリップリングとを具備した超音波プローブにおいて、
前記スリップリングは前記回転シャフトに固定されるリング部とこのリング部に押圧接触し導通をとるブラシ部とからなり、このブラシ部は金属ブラシと樹脂で形成されたブラシ保持部材とからなり、前記回転シャフトを支持する一端側及び他端側の軸受の内少なくとも一方の軸受は、前記ブラシ保持部材に設けられていることを特徴とする超音波プローブ。
【0050】
2.上記スリップリングは、ブラシ保持部材の回転シャフトと同心状に形成されている円筒状の突起部を、先端部のハウジングに形成された回転シャフトと同心の位置決め用の穴に挿通させることにより先端部のハウジングとブラシ保持部材の位置決めを行う、ことを特徴とする付記1に記載の超音波プローブ。
【0051】
3.超音波振動子を機械的に回転させて体腔内を走査する超音波プローブにおいて、
モータ、スリップリング、回転検出手段を具備した第1の駆動装置を手元操作部側に配置し、モータ、スリップリング、回転検出手段を具備した第2の駆動装置を挿入部の先端部に配置し、第2の駆動装置の駆動により超音波振動子をセクタ走査するように回動させ、第1の駆動装置の駆動により伝達部材を介して第2の駆動装置と超音波振動子を一体的に回動ることにより超音波振動子をラジアル走査するように回転させることを特徴とする超音波プローブ。
【0052】
4.付記3に記載の第2の駆動装置のスリップリングは、付記1または2で説明したスリップリングであることを特徴とする超音波プローブ。
【0053】
付記1の構成をとることで、スリップリングは安定した性能を維持しながら、小型化が可能となるので、内視鏡挿入部の先端部を従来構成よりも細くすることができるため患者の苦痛を低減することができる。
【0054】
付記3の構成をとることで、体腔内に内視鏡先端部を挿入し、第1の駆動装置により体内をラジアル走査することができる。また第2の駆動装置により体内をセクタ走査することができる。これにより、1つの超音波プローブで複数の走査面を走査するとともに、これらの走査を一つの超音波プローブで、先端部を動かすことなく行えるので患者の苦痛、術者の負荷を低減できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、小型のスリップリングを実現し、超音波プローブの先端部を細径化することにより患者に与える苦痛を低減でき、術者の負荷を減らすことができる。このような効果は特に複数の走査面を走査するの超音波プローブで大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波プローブの先端部の断面図。
【図2】図1の超音波プローブを用いた超音波内視鏡の全体構成を示す側面図。
【図3】図2の副操作部の断面図。
【図4】図2の先端部の第1の拡大図。
【図5】図2の先端部の第2の拡大図。
【図6】図1の超音波振動子を側方に向けた場合を示す先端部の断面図。
【図7】図1のブラシ部を示す断面図。
【図8】図1のスリップリングの長手方向の断面図。
【図9】図8のD−D線断面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態の超音波プローブの先端部の断面図。
【符号の説明】
5…先端部
15…可撓性シャフト
16…先端部本体
17…回転ハウジング
22…スリップリング
22a…ブラシ部
22b…ブラシ保持部材
22c…金属ブラシ
22d…リング部
23…回転シャフト
25…超音波振動子
Claims (2)
- 超音波を送出可能な超音波振動子と、
前記超音波振動子に設けられたシャフトと、
内視鏡の先端部に設けられ、前記シャフトを介して前記超音波振動子を回動自在に保持するハウジングと、
前記シャフトに固定され、前記超音波振動子と電気的に接続した信号を伝達するためのリング部と、
前記リング部と接触するためのブラシを保持するとともに、前記シャフトを挿通するための穴を有し前記シャフトに対して回動自在に設けられたブラシ保持部材と、
前記ブラシが前記リング部に前記信号を伝達可能に接触する位置で前記ブラシ保持部材を前記ハウジングに対して位置決め固定する位置決め固定部と、
を具備したこと特徴とする超音波プローブ。 - 超音波を送出可能な超音波振動子と、
前記超音波振動子に設けられたシャフトと、
前記シャフトに固定され、前記超音波振動子と電気的に接続した信号を伝達するためのリング部と、
前記リング部と接触するためのブラシを保持するとともに、前記シャフトを挿通するための穴を有し前記シャフトに対して回動自在に設けられたブラシ保持部材と、
内視鏡の先端部に設けられ、前記ブラシ保持部材を介して前記超音波振動子を回動自在に保持するハウジングと、
前記ブラシが前記リング部に前記信号を伝達可能に接触する位置で前記ブラシ保持部材を前記ハウジングに対して位置決め固定する位置決め固定部と、
を具備したことを特徴とする超音波プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22148999A JP3696000B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 超音波プローブ |
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