JP3106930B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents

超音波内視鏡

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JP3106930B2
JP3106930B2 JP07268975A JP26897595A JP3106930B2 JP 3106930 B2 JP3106930 B2 JP 3106930B2 JP 07268975 A JP07268975 A JP 07268975A JP 26897595 A JP26897595 A JP 26897595A JP 3106930 B2 JP3106930 B2 JP 3106930B2
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俊積 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は体腔内に挿入される
挿入部に内視鏡観察と超音波観測とを設けた超音波内視
鏡に関するものであり、特に超音波観測部による観察視
野が内視鏡観察部における観察視野内に入るようにし、
かつ超音波観測部を挿入部に着脱可能に装着できる構成
とした超音波内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波内視鏡は、体腔内に挿入される挿
入部の先端部分に内視鏡観察部と超音波観測部とを設け
たものであり、内視鏡観察部により体腔内の観察を行え
ると共に、超音波観測部により体内組織の状態に関する
情報を取得できるように構成されている。内視鏡観察部
は、体腔内に照明光を照射する照明窓と、この照明窓か
らの照明光の照射下で体腔内の観察を行う観察窓とを有
する。
【0003】また、超音波観測部は超音波トランスデュ
ーサを有し、この超音波トランスデューサから超音波パ
ルスを体腔内壁から体内に向けて送信し、体内における
組織断層部からの反射エコーが超音波トランスデューサ
に受信させて、電気信号に変換させる。この反射エコー
信号は超音波観測装置に伝送されて、所定の信号処理を
行った上で、モニタに超音波画像が表示される。ここ
で、超音波トランスデューサを走査させることによっ
て、体内における所定の断面についての超音波画像が得
られるが、この走査方向としては、直線方向(リニア走
査)や回転方向(ラジアル走査)等があり、ラジアル走
査を行うには、超音波トランスデューサを回転駆動す
る。
【0004】回転方向に走査する場合には、挿入部の先
端部に設けられる超音波トランスデューサを回転部材に
搭載させて、この回転部材には挿入部から本体操作部に
まで延在させたフレキシブルシャフト等からなる回転伝
達部材に連結を設ける。そして、回転伝達部材により回
転部材を回転させて、超音波トランスデューサが回転駆
動される。ところで、回転伝達部材は挿入部の軸線方向
に延在されていることから、超音波トランスデューサの
回転部材は挿入部の軸線方向となり、従って、超音波ト
ランスデューサによる観測視野、即ちモニタに表示され
る体内の超音波断層面は、内視鏡観察部における観察窓
より僅かに前方位置において、その光軸とほぼ直交する
方向となり、内視鏡観察部で観察している部位、即ち挿
入部の前方の部位を超音波走査することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、超音波観測部
による観測視野を、観察窓から得られる内視鏡観察視野
の範囲内に位置させるためには、超音波トランスデュー
サの回転部材を挿入部の軸線と略直交する方向に配設す
る必要があるが、このためには回転伝達部材を略90°
方向転換しなければならない。そこで、例えばフレキシ
ブルシャフトを曲げる構成とすれば、回転部材を挿入部
の軸線と直交する方向に配設することができる。
【0006】ところで、超音波トランスデューサは交換
可能となっていることが好ましい。例えば、超音波トラ
ンスデューサを構成する超音波振動子は固有の送信周波
数を有するが、超音波パルスの送信周波数が低いと、体
内の深い位置まで超音波信号が到達するものの、距離分
解能、即ち超音波画像として表示した時の解像度が劣る
ことになる。これに対して、超音波パルスの周波数を高
くすると、浅部の情報しか得られないが、解像度は高く
なる。また、超音波トランスデューサにおける超音波振
動子には音響レンズを装着して、所定の位置にフォーカ
スするが、音響レンズの曲率等によっては、フォーカス
位置が変わってくる。従って、超音波検査を行う部位に
応じて、超音波トランスデューサは交換可能となってい
る方が好ましいが、超音波トランスデューサによる超音
波断層像を内視鏡観察部による観察視野のほぼ中央部分
を通るように構成した上で、この超音波トランスデュー
サを交換できるようにしたものは、従来から知られてい
なかった。
【0007】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、超音波トランスデュ
ーサの回転部材を挿入部の軸線と直交する方向に設けた
ものであって、超音波トランスデューサを交換できるよ
うにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、挿入部の先端に、前方に視野を有す
る内視鏡観察部を設けると共に、挿入部の軸線と略直交
する方向に回転軸を有する回転部材に超音波トランスデ
ューサを装着することによって、挿入部の前方に観測視
野を有する超音波観測部を装着してなるものにおいて、
ケーシング内に超音波トランスデューサを搭載した回転
部材が設けられ、この回転部材に従動側笠歯車を連結し
てなる超音波観測部ユニットを備え、この超音波観測部
ユニットは、前記挿入部の先端に設けられ、前記従動側
笠歯車に噛合する駆動側笠歯車を有する回転駆動部材を
設けた取付部に着脱可能に取り付け、これら従動側笠歯
車と駆動側笠歯車との間の噛合部により回転力を伝達す
ると共に、信号伝送経路とする構成としたことをその特
徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】体腔内に挿入される挿入部の先端
に取付部を連設する。また、超音波観測部を構成する超
音波トランスデューサ及びこの超音波トランスデューサ
が搭載される回転部材をケーシング内に設けることによ
り超音波観測部ユニットを構成し、この超音波観測部ユ
ニットのケーシングを取付部に嵌合・固定する。回転部
材を回転駆動するために、笠歯車伝達機構を用いる。取
付部には回転駆動部材を臨ませて設け、この回転駆動部
材の先端に駆動側笠歯車を連結する。これに対して回転
部材には従動側笠歯車を連結して、この従動側笠歯車を
駆動側笠歯車に噛合させる。これによって、回転駆動部
材を駆動することにより駆動側笠歯車を回転駆動すれ
ば、回転力が従動側笠歯車に伝達される。この結果、回
転部材に設けた超音波トランスデューサを回転駆動する
ことができ、かつ両笠歯車を分離することが可能にな
る。
【0010】超音波トランスデューサにより超音波信号
の送受信を行うために、超音波振動子に信号ケーブルを
接続する必要がある。超音波トランスデューサは回転部
材に搭載されており、この回転部材から従動側笠歯車及
び駆動側笠歯車を介して回転駆動部材に至る信号伝送経
路を形成することができる。これにより、回転伝達機構
だけでなく、超音波トランスデューサからの信号伝送経
路も分離可能になる。この結果、超音波観測部ユニット
を取付部に着脱可能に取り付け可能となる。
【0011】ところで、超音波トランスデューサとして
は、たとえ単板の超音波振動子を用いる場合であって
も、2つの信号伝送経路を備える必要がある。駆動側,
従動側の笠歯車の噛合部の全長をある程度長くしておけ
ば、2つの信号伝送経路をこの笠歯車の噛合部に形成す
ることは可能であるが、超音波反射エコー信号を伝送す
る信号伝送経路はより確実で、安定した接続が必要とな
る。
【0012】このためには、それぞれ駆動側,従動側の
各笠歯車をそれぞれ一対設けて、一方の対の笠歯車は回
転力を伝達するためと、信号を伝送するための機能とを
併せ持たせ、他方の対の笠歯車は信号の伝送に専用のも
のとする。そして、この信号伝送のための専用の笠歯車
は相互の噛合状態を安定させ、回転中にみだりに接触不
良状態を生じないようにするために、一方の笠歯車をば
ね等の付勢手段により回転方向に付勢させるように構成
する。
【0013】また、超音波トランスデューサは回転部材
に搭載されるが、この回転部材の回転軸は超音波トラン
スデューサの両側に延在させることがで、これら回転部
材の両側に延在させた回転軸をそれぞれ信号伝送経路と
して利用することもできる。一方の信号伝送経路は、駆
動側及び従動側の笠歯車を含むものとし、他方の信号伝
送経路としては、回転部材の端部に摺接する摺動電極を
取付部に設けて、超音波観測部ユニットを取付部に装着
した時に、回転部材に摺動電極を当接させる。これによ
っても、超音波観測ユニットは挿入部に着脱可能に取り
付けることができ、かつ取り付けた時には、超音波トラ
ンスデューサに対する回転力の伝達はもとより、一対の
信号伝送経路を接続できる。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て説明する。まず、図1に超音波内視鏡の全体構成を、
図2にその挿入部の先端部分の外観をそれぞれ示す。
【0015】図中において、1は本体操作部、2は挿入
部、3はユニバーサルコードをそれぞれ示し、これらに
より超音波内視鏡が構成される。挿入部2は、本体操作
部1への連設部から大半の部分が軟性部2aであり、こ
の軟性部2aにはアングル部2bが、またこのアングル
部2bの先端には先端部本体2cが連設されている。先
端部本体2cには、図2から明らかなように、内視鏡観
察部と超音波観測部とが設けられている。内視鏡観察部
は、周知のように、照明窓4と観察窓5とを有し、照明
窓4にはライトガイドの出射端が臨み、光源装置(図示
せず)からの照明光が照明窓4を介して体腔内に照明光
を照射される。そして、この照明窓4からの照明下で観
察窓5を介して体腔内の観察が行われる。このために照
明窓4には結像レンズが装着されており、この結像レン
ズによる結像位置には、固体撮像素子またはイメージガ
イドが臨むように配設されている。また、これらの他に
も、鉗子等の処置具を導出させる処置具導出部6及び観
察窓5を洗浄するための洗浄流体噴出用のノズル7が設
けられている。
【0016】次に、超音波観測部としては、超音波トラ
ンスデューサ10を備えている。この超音波トランスデ
ューサ10は、単板の超音波振動子11に音響レンズ1
2を装着してなるものであり、この超音波トランスデュ
ーサ10は、ケーシング13に装着されて、超音波観測
部ユニット14として、挿入部2の先端部本体2cに突
設した取付部8に着脱可能に取り付けられる。超音波ト
ランスデューサ10は電気絶縁部材からなる回転基台1
5に搭載されており、この回転基台15を回転駆動する
ことにより、超音波トランスデューサ10を回転させ
て、所定の角度範囲にわたってラジアル超音波走査が行
われる。回転基台15は遠隔操作により回転駆動される
ものであり、このために回転基台15には回転軸16が
連結されており、この回転軸16はケーシング13にお
ける隔壁部13aに設けた軸受17に回転自在に支持さ
れている。従って、回転基台15と回転軸16とによっ
て、超音波トランスデューサ10が回転可能に搭載され
る回転部材が構成される。
【0017】隔壁部13aによって、ケーシング13の
内部は2室に区画形成されており、一方は超音波トラン
スデューサ10が収納された超音波走査室13Sであ
り、他方の室はこの超音波トランスデューサ10を回転
駆動する駆動機構配設室13Dとなっている。ケーシン
グ13のうち、少なくとも超音波走査室13Sの部位は
音響特性に優れた部材で形成されて、音響窓として機能
する。回転軸16の先端は駆動機構配設室13D内に延
在されて、その先端には従動側笠歯車18が連結されて
いる。この従動側笠歯車18には駆動側笠歯車19が噛
合している。
【0018】駆動側笠歯車19は回転軸20に連結され
ており、この回転軸20は先端部本体2c内に回転自在
に挿通されて、その端部は密着コイル等で形成したフレ
キシブルシャフト21に連結されている。フレキシブル
シャフト21には、先端部本体2cに固着して設けた可
撓スリーブ22が嵌合されており、この可撓スリーブ2
2内でフレキシブルシャフト21を軸回りに回転させる
と、回転軸20と共に駆動側笠歯車19が回転して、そ
の回転力が従動側笠歯車18に伝達される。この結果、
回転基台15が回転することになって、超音波トランス
デューサ10が追従回転することになり、この間に所定
の角度毎に超音波パルスを送信して、体内からの反射エ
コーが受信される。
【0019】超音波トランスデューサ10の超音波振動
子11に駆動信号を送信し、また反射エコー信号を伝送
するために、この超音波振動子11には一対の電極が設
けられ、これらの電極から配線23a,23bが引き出
されている。そして、これら配線23a,23bのうち
の一方の配線23aは従動側笠歯車18に接続されてお
り、この従動側笠歯車18は駆動側笠歯車19と常時噛
合しているから、これら従動側,駆動側の各笠歯車1
8,19は導電性部材で形成されており、これによっ
て、噛合状態にある笠歯車18,19が信号伝送経路と
して利用される。そして、フレキシブルシャフト21内
には超音波観測装置(図示せず)に着脱可能に接続され
るケーブル24が挿通されており、このケーブル24の
配線24aが駆動側笠歯車19に接続されている。
【0020】他方の配線23bをケーブル23の配線2
4bに接続するために第2の従動側,駆動側の笠歯車2
5,26が設けられている。第2の従動側笠歯車25に
は、外周面に筒状に形成した絶縁部材27内に挿通させ
た軸28が連結されており、この軸28は、従動側笠歯
車17及び回転軸20を貫通する状態に延在されて、そ
の先端に配線23bが接続されている。ここで、軸28
は回転軸16及び回転基台15と一体回転するように構
成されている。第2の駆動側笠歯車26は第2の従動側
笠歯車26と噛合している。この第2の駆動側笠歯車2
6には可動軸29に連結されており、この可動軸29に
は筒状の絶縁部材30に相対回転可能に挿入されてお
り、また絶縁部材30内には固定軸31が固定した状態
に装着されている。固定軸31と可動軸29との間は、
可動軸29を所定角度回動させる状態に連結するように
捩り力を加えるばね32を介して連結されている。さら
に、固定軸31にはケーブル24の配線24bに接続さ
れている。これにより、第2の従動側笠歯車17と第2
の駆動側笠歯車18とは、第2の駆動側笠歯車18の可
動軸29に作用するばね32のばね力により回転力が加
えられて相互に噛合しているから、両者の噛合状態は極
めて安定することになる。
【0021】そこで、第2の従動側,駆動側の各笠歯車
17,18、軸28、可動軸29、固定軸31及びばね
32を導電性部材で形成することによって、これらを信
号伝送経路としての機能を発揮刺せることができ、固定
軸31にケーブル24の配線24bを接続させ、もって
超音波振動子11からの配線23bはこの信号伝送経路
を介して配線24bと電気的に接続させている。ここ
で、第2の従動側,駆動側の笠歯車17,18の噛合状
態は極めて安定しているから、極めて確実な信号伝送経
路の機能を発揮する。従って、この信号伝送経路は超音
波反射エコー信号の伝送経路とされる。
【0022】超音波観測部ユニット14を構成するケー
シング13は、超音波トランスデューサ10から従動側
笠歯車18及び第2の従動側笠歯車25と共に、挿入部
2の先端部本体2cに設けた取付部8に着脱可能に装着
される。このために、ケーシング13には段差部13a
が設けられ、この段差部13aより下方の部位は取付部
8への嵌合部13bとなっている。また、段差部13a
には取付部8の周辺部に当接可能なシール部材33が固
着して設けられている。そして、嵌合部13bを取付部
8に嵌合させ、かつシール部材33を撓めた状態にし
て、この嵌合部13bの周囲から複数のビス34をこの
嵌合部13bの外部側から取付部8の側面に向けてビス
34を螺挿することによって、超音波観測部ユニット1
4が挿入部2の先端部本体2cに固定的に装着される。
なお、35は回転軸20の周囲をシールするシール部
材、36はフレキシブルシャフト21の回転駆動手段と
してのモータである。
【0023】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、超音波観測部ユニット14は、図3に示したよ
うに、挿入部2の先端部本体2cに装着されており、こ
の状態で、挿入部2を体腔内の検査,診断を行うべき部
位にまで挿入して、内視鏡観察部を構成する照明窓4か
ら体腔内に照明光を照射し、この照明下で観察窓5を介
して体腔の内部の観察を行うことができる。
【0024】超音波観測を行うには、モータ36を用い
て、遠隔操作により可撓性スリーブ22内のフレキシブ
ルシャフト21を軸回りに回転駆動する。これにより、
駆動側笠歯車19が回転することになり、駆動側笠歯車
19の回転力は従動側笠歯車18に伝達されて、この従
動側笠歯車18及びそれに連結した回転軸16及び回転
基台15が回転することになって、この回転基台15に
搭載した超音波トランスデューサ10が回転軸16の軸
回りに回転駆動される。そして、この超音波トランスデ
ューサ10の回転中に、超音波振動子11から所定角度
毎に超音波パルスを送信することによりラジアル走査が
行われる。超音波振動子11から送信された超音波パル
スは音響レンズ12により体内における所定の深度位置
でフォーカスするように体内に進行し、その間に体内組
織の断層部において反射エコーが発生する。この反射エ
コーは超音波振動子11で受信されて、この反射エコー
が電気信号に変換される。この反射エコー信号はケーブ
ル24を介して超音波内視鏡に接続した超音波観測装置
にまで伝送されて、この超音波観測装置で所定の信号処
理を行うことによって、体内組織の断層像に関する情報
が超音波画像信号として生成され、モニタにこの超音波
画像が表示される。
【0025】ここで、超音波走査による断層面は、挿入
部2の軸線方向における前方の部位であり、内視鏡観察
部による観察視野のほぼ中央位置となっているから、内
視鏡観察部による検査の結果に基づいて、必要な部位の
体内断層像を取得するに当って、挿入部2を格別動かす
ことなく、しかも内視鏡観察部による観察下で走査でき
るので、超音波観測を極めて容易に、しかも正確に行え
ることになる。そして、超音波観測の結果、患部等が発
見されると、その部位に穿刺処置具を挿入して、注射液
の注入、吸引等の処置を施すが、超音波トランスデュー
サ10による断層面が処置具挿通チャンネル6の延長線
上を通る位置に配置しておけば、穿刺処置具を体内に挿
入する際に、この穿刺処置具を超音波による観測下で挿
入できるので、穿刺処置具の体内での位置を常に確認で
きるようになり、安全確保が図られると共に、穿刺処置
具の操作性が良好になる。
【0026】ここで、超音波トランスデューサ10を構
成する超音波振動子11は、固有の送信周波数を有する
ものであり、また音響レンズ12は、所定の焦点距離を
有するものである。体内における深部にまでの超音波断
層情報を取得するには、超音波振動子の周波数を低くす
る必要があり、また体内における浅部を精査する場合に
は、高い周波数の超音波パルスを送信できる超音波振動
子を用いる必要がある。また、検査したい部位によって
は、音響レンズのフォーカス位置を変えなければならな
い。
【0027】以上の理由等から、超音波トランスデュー
サ10は交換可能としている。超音波トランスデューサ
10は、超音波観測部ユニット14としてケーシング1
3内に設けられて、ケーシング13は取付部8に着脱可
能に取り付けられている。従って、ビス34を脱着すれ
ば、ケーシング13を取付部8から容易に分離できる。
そして、このケーシング13に代えて、それとは別の超
音波トランスデューサを備えたケーシングを装着でき
る。ここで、超音波トランスデューサ10には、それに
回転力を伝達するための回転伝達機構と、超音波振動子
11からの配線を引き回す必要があるが、従動側笠歯車
18を駆動側笠歯車19と噛合させることにより、回転
力の伝達と信号の伝送との2つの機能を持たせるように
しており、第2の従動側笠歯車25と第2の駆動側笠歯
車26との間の噛合により信号の伝送を行う機能を発揮
させる構成としているから、ケーシング13を取り外す
と、これら各笠歯車18と19及び25と26とが分離
される。そして、新たな超音波観測部ユニット14を装
着すると、それに設けた従動側笠歯車及び第2の従動側
笠歯車が駆動側笠歯車19及び第2の駆動側笠歯車26
とが噛合することになり、回転力の伝達及び信号の伝送
を行える状態になる。
【0028】以上のように、超音波観測部ユニット14
を挿入部2の先端部本体2cに設けた取付部8に着脱す
るだけの極めて簡単な作業で、超音波トランスデューサ
10の交換を行うことができる。従って、超音波検査を
行うべき部位等に応じて、最適な周波数で、最適な位置
にフォーカスする超音波パルスを送信できることにな
り、超音波検査の精度を高めることができる。
【0029】次に図5乃至図7は本発明の第2の実施例
を示し、本実施例において、前述した第1の実施例と同
一または均等な構成部材については、同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0030】ここで、この第2の実施例においては、図
5から明らかなように、超音波観測部ユニット40にお
いて、そのケーシング41に回転部材を構成する回転基
台42を設け、この回転基台42に超音波トランスデュ
ーサトランス10を装着し、この回転基台42の一方側
に回転軸43を連結して設け、この回転軸43に従動側
笠歯車44を連結して、この従動側笠歯車44を駆動側
笠歯車19と噛合させて、回転力の伝達と一方の信号伝
送経路との2つの機能を発揮させるようにしている点で
は、前述した第1の実施例と同様であるが、他方の信号
伝送経路は、第2の従動側,駆動側の笠歯車に代えて、
回転基台42に連結した他方の回転軸45を利用する。
即ち、図6から明らかなように、電気絶縁物からなる回
転基台42の両側に連結した回転軸43及び45は導電
性を有する部材で形成し、超音波トランスデューサ10
を構成する超音波振動子11の電極から引き出された配
線23a,23bの一方の配線23aは回転軸43に接
続されるが、他方の配線23bは回転軸45に接続され
ている。勿論、これら回転軸43,45は電気的に導通
しない状態に保持されている。
【0031】図7に示したように、回転軸45はケーシ
ング41に設けた軸受46に回転自在に支承されてお
り、取付部8側にはこの回転軸45に摺接するばね状電
極47が設けられている。このばね状電極47は、断面
が円形をした棒状部47aの先端を2つ割りにして、一
対の接触部47b,47bを設けたものである。これら
接触部47bはそれぞれS字状に曲成されており、先端
側が相互に離間する方向に拡開する呼び込み部となり、
中間部がくびれており、このくびれ部分から棒状部47
aに至る間は外向きに湾曲した形状となっている。そし
て、この湾曲部分の幅は回転軸45の直径より小さくな
っており、従って回転軸45を図7に矢印で示したよう
に、挿入部2の軸線方向に移動させることによって、ば
ね状電極47の接触部47b,47b間に挿脱でき、か
つ回転軸45が接触部47b,47b間に挿入される
と、その間が接触した状態に保たれることになる。そし
て、ばね状電極47の棒状部47aには配線48が接続
されている。また、ばね状電極47の棒状部47aの周
囲にはシール部材49が設けられている。
【0032】以上のように構成することによっても、超
音波観察部ユニット40を挿入部2の先端部本体2cに
設けた取付部8に着脱可能に装着でき、超音波トランス
デューサ10を回転駆動するためと、一方の信号伝送経
路を形成する従動側笠歯車44と、他方の信号伝送経路
を構成する回転軸45とは、超音波観測部ユニット40
のケーシング41を取付部8に嵌合するだけの操作で、
それぞれ駆動側笠歯車19とばね状電極47とに接続さ
れる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ケーシ
ング内に超音波トランスデューサを搭載した回転部材を
設けることにより超音波観測部ユニットを構成し、この
超音波観測部ユニットには、回転部材に従動側笠歯車を
連結して設け、一方挿入部の先端に取付部を設けて、こ
の取付部に駆動側笠歯車を設けて、これら両笠歯車を噛
合させて、回転力の伝達を行うと共に、その噛合部を信
号伝送経路として利用するように構成したので、超音波
トランスデューサの挿入部への着脱が極めて容易に行え
るようになり、周波数やフォーカス位置の異なる超音波
トランスデューサを交換的に使用できる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波内視鏡の構
成説明図である。
【図2】図1の超音波内視鏡の挿入部の先端部分を、超
音波観測部ユニットを分離した状態で示す外観図であ
る。
【図3】超音波観測部ユニットを装着した状態の挿入部
の先端部分の断面図である。
【図4】回転伝達機構及び信号伝送機構の構成を示す断
面図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す超音波内視鏡の挿
入部の先端部分を示す断面図である。
【図6】回転部材の断面図である。
【図7】ばね状電極の構成説明図である。
【符号の説明】
1 本体操作部 2 挿入部 4 照明窓 5 観察窓 8 取付部 10 超音波トランスデューサ 11 超音波振動子 23 音響レンズ 14,40 超音波観測部ユニット 15,42 回転基台 16,43,45 回転軸 18,44 従動側笠歯車 19 駆動側笠歯車 25 第2の従動側笠歯車 26 第2の駆動側笠歯車 47 ばね状電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部の先端に、前方に視野を有する内
    視鏡観察部を設けると共に、挿入部の軸線と略直交する
    方向に回転軸を有する回転部材に超音波トランスデュー
    サを装着することによって、挿入部の前方に観測視野を
    有する超音波観測部を装着してなるものにおいて、ケー
    シング内に超音波トランスデューサを搭載した回転部材
    が設けられ、この回転部材に従動側笠歯車を連結してな
    る超音波観測部ユニットを備え、この超音波観測部ユニ
    ットは、前記挿入部の先端に設けられ、前記従動側笠歯
    車に噛合する駆動側笠歯車を有する回転駆動部材を設け
    た取付部に着脱可能に取り付け、これら従動側笠歯車と
    駆動側笠歯車との間の噛合部により回転力を伝達すると
    共に、信号伝送経路とする構成としたことを特徴とする
    超音波内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記回転駆動部材及び回転部材にはそれ
    ぞれ第2の駆動用及び従動用の笠歯車を設け、この第2
    の駆動用,従動用の笠歯車の噛合部を他の信号伝送経路
    とする構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音
    波内視鏡。
  3. 【請求項3】 前記第2の笠歯車は、少なくとも一方を
    付勢手段で回転方向に付勢することによって、両第2の
    笠歯車間の噛合状態を安定させるように構成したことを
    特徴とする請求項2記載の超音波内視鏡。
  4. 【請求項4】 前記回転部材には前記挿入部の先端から
    突出するばね状電極を当接させ、この回転部材からばね
    状電極を経由する他の信号伝送経路を設ける構成とした
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
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