JP3695897B2 - Pp系ptp用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品包装の分野で、固形剤包装用として一般に用いられているPTP(プレス・スルー・パック)用ポリプロピレンシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品包装の分野で、錠剤、カプセル剤等の固形剤包装用として一般に用いられているPTP包装は透明性、成形性、腰の強さ、コスト面から主に硬質ポリ塩化ビニールからなるシートを底材として用い、該底材をポケット形状に成形し、その中に固形剤(錠剤、カプセル剤など)を充填し、アルミ箔からなる蓋材で密封した包装体であり、1960年代前半に実用化され広く普及してきた。
【0003】
内容物となる錠剤、カプセル剤等は水分の吸湿によって変質や変形を起こすものが大部分であり、アルミ箔を含む複合フィルムによってピロー包装などの2次包装を施したり、あるいは硬質塩化ビニールシートに防湿性の優れたポリ塩化ビニリデン樹脂をコーティング等によって複合化したシートを用いることで対応してきたが、これらは高価なものとなりコスト面に問題がある。また廃棄処理の問題からポリ塩化ビニール樹脂が敬遠される傾向が強まってきている。そこで、最近ではオレフィン系樹脂であるポリプロピレン樹脂からなるシートが、防湿性、低コスト性及び易処理性に注目されてPTP包装用シートとして使用されるようになってきた。
【0004】
ところがPTP用シートとしてポリプロピレンはポリ塩化ビニールに比較して成形条件範囲が狭いという問題や、製品がカールして外観上または自動包装ラインの適合性の面で問題があった。
これらの問題点はポリプロピレンが結晶性樹脂であることに起因するものであり、カールを改良するためにポリプロピレンの結晶化度を高くする試みがなされ、結晶核剤を用いたりシーティング時に徐冷したり、さらにシートをアニールするなどの方法が行われたが、成形性に関しては逆に著しく悪くなり実使用に耐えるものではなかった。また、成形性改良のためシーティング時に急冷し結晶化度を低く抑える試みもなされているが、この方法ではシートの腰が著しく弱くなり実使用に耐えるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリプロピレン系PTP用シートにおける前述の問題点を解決するため種々の検討を行った結果なされたもので、その目的とするところは、成形条件範囲が広く、カールが少なく、さらにPTP包装用として必要な透明性、防湿性等に優れたポリプロピレン系PTP用シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3層からなる厚みが0.15〜0.45mmのPP系シートにおいて、外層がポリプロピレンの単独重合体からなり、中間層がポリプロピレンの単独重合体および石油樹脂からなる樹脂組成物であり、外層厚みが0.005〜0.095mmであり、広角X線回折法による結晶化度が2〜30%であることを特徴とするポリプロピレン系PTP用シートに関するものである。
さらに好ましくは、中間層の石油樹脂の量が5〜30重量%であり、石油樹脂が水素添加石油樹脂であるポリプロピレン系PTP用シートに関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の外層および中間層に用いられるポリプロピレンの単独重合体としては、いかなる重合方法、例えば溶媒重合法、バルク重合法、気相重合法等、いかなる触媒、例えば三塩化チタン型触媒、塩化マグネシウム担持型触媒、メタロセン系触媒等で製造されたものでもよい。また基本的な性能を損なわない範囲で結晶核剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、酸化防止剤等の添加剤を添加したものでもよい。
【0008】
本発明の中間層に用いられる石油樹脂は、シクロペンタジエン留分を熱重合したジシクロペンタジエン系樹脂、C9芳香族オレフィン類混合物をカチオン重合した芳香族系(C9系)石油樹脂、C5の鎖状オレフィン類混合物をカチオン重合した脂肪族系(C5系)石油樹脂、およびこれらから選ばれる少なくとも2成分の共重合体又はブレンド物、さらにこれらを水素添加した石油樹脂、および水素添加した石油樹脂の中から選ばれる少なくとも2成分のブレンド物等が挙げられ、中でも色調、臭気、安定性が優れた水素添加石油樹脂が好ましく、さらにジシクロペンタジエン系水素添加石油樹脂が好ましい。
【0009】
石油樹脂の軟化点については、50〜160℃のものが好ましく、更に好ましくは、100〜160℃のものであり、分子量は、3000以下のものが好ましく、更に好ましくは1000以下のものである。石油樹脂の軟化点が50℃未満であれば溶出の問題があり、160℃を越えると成形性が悪くなるという問題がある。石油樹脂の分子量が3000より大きくなると成形性が悪くなるという問題がある。
【0010】
中間層への石油樹脂の添加量は5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%であり、さらに好ましくは15〜20重量%である。石油樹脂の添加量が5重量%よりも少ない場合はPTPの成形性が悪くなり、また30重量%よりも多い場合はコスト面および衛生性面で好ましくない。
【0011】
本発明のポリプロピレン系PTP用シートの厚みは0.15〜0.45mmであり、好ましくは0.20〜0.40mmであり、さらに好ましくは0.23〜0.35mmである。厚みが0.15mmより薄くなるとシートの腰が弱くなりカールが大きくなるほか、見栄えが悪くなる。また0.45mmよりも厚いとシートが堅くなりプッシュスルー性が悪くなる。
本発明の外層の厚みについては0.005〜0.095mmであり、さらに好ましくは0.01〜0.06mmである。外層の厚みが0.005mmより薄い場合は中間層からの石油樹脂の溶出の問題があり好ましくない。また、0.095mmよりも厚い場合は成形性が悪くなるため好ましくない。
【0012】
本発明によるポリプロピレン系PTP用シートの広角X線回折法による結晶化度は2〜30%であり、さらに好ましくは2〜20%である。広角X線回折法による結晶化度の測定方法としては、測定条件として管電圧=50(kv)、管電流=200(mA)、測角範囲=5〜60(deg)、検出器走査速度=4(deg/min)として、シート表面からX線照射を行い、得られた回折角対回折強度曲線の結晶質ピークの全積分強度(A)および非晶質ハローの積分強度(B)を用いて次式から結晶化度を算出する。
結晶化度(%)=(A/(A+B))×100
結晶化度が2%より小さい場合は防湿性が悪くなるためPTP用シートとしては好ましくなく、また30%よりも高い場合は成形性が悪くなるため好ましくない。
【0013】
本発明における3層構成のシートの製造方法としては、特に限定するものではないが、数台の押出機により樹脂を溶融押出して多層ダイ、あるいはフィードブロックに導いてシート化する共押出法や、各層を形成する単層のシートまたはフィルムを適当な接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、押出しラミネート法およびそれらの方法を組み合わせて用いられる。
【0014】
【実施例】
(実施例1〜5、比較例1〜2)
下記に示す原材料を、多層共押出ダイ(3層マルチマニホールドダイ)から溶融押出しし、厚み0.30mmの層構成がポリプロピレン/ポリプロピレン+石油樹脂/ポリプロピレンからなる3層系シートを作製した。なお、各層厚みは0.015/0.27/0.015mmとした。
【0015】
使用した原材料は次のとおりである。
<外層用>
・PP−1:ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.0)
<中間層用>
・PP−2:ポリプロピレン単独重合体(MFR=0.5)
・石油樹脂−1:ジシクロペンタジエン系水素添加石油樹脂
・石油樹脂−2:脂肪族系水素添加石油樹脂
・石油樹脂−3:脂肪族系石油樹脂( 水素添加していないもの)
【0016】
中間層の配合処方は表1のとおりである。
【表1】
Figure 0003695897
【0017】
(比較例3)
外層および中間層配合は実施例2と同じで、各層厚みが0.1/0.1/0.1mmの3層系シートを実施例1と同様の方法で作製した。
【0018】
得られた実施例1〜5、比較例1〜3のシートを下記に示す方法で評価した結果を表2に示した。実施例1〜5についてはすべての評価を満足しているが、比較例1、2、3では結晶化度および成形性が劣る。
【表2】
Figure 0003695897
【0019】
・結晶化度;広角X線回折法により測定した。
・PTP成形性;PTP成型機(シー・ケー・ディー株式会社製 FBP−M2)において、錠剤型(直径10mmφ、深さ5mm)を用いて成形し、成形温度範囲、成形ポケットの厚み分布の均一性、アルミシールおよび打ち抜き後のカール等を総合的に評価した。
・透明性;シートの内部ヘイズをJIS−K−7105に基づいて測定した。
【0020】
【発明の効果】
本発明のPP系PTP用シートは、ポピプロピレン系シートの従来からの問題点である成形性を改善したものであり、PTP用シートとして広く用いられているポリ塩化ビニールに代わるシートとして有用である。

Claims (6)

  1. 3層からなる厚みが0.15〜0.45mmのPP系シートにおいて、3層の構成が、ポリプロピレンの単独重合体(外層)/ポリプロピレンの単独重合体および石油樹脂からなる樹脂組成物(中間層)/ポリプロピレンの単独重合体(外層)であり、外層厚みが0.005〜0.095mmであり、広角X線回折法による結晶化度が2〜30%であることを特徴とするPP系PTP用シート。
  2. 中間層の石油樹脂の量が5〜30重量%であることを特徴とする特徴とする請求項1記載のPP系PTP用シート。
  3. 中間層の石油樹脂が水素添加石油樹脂であることを特徴とすする請求項1または2記載のPP系PTP用シート。
  4. 中間層の水素添加石油樹脂がジシクロペンタジエン系石油樹脂、又は芳香族系石油樹脂、又は脂肪族系石油樹脂の水素添加物であることを特徴とする請求項3記載のPP系PTP用シート。
  5. 中間層の水素添加石油樹脂がジシクロペンタジエン系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及び脂肪族系石油樹脂から選ばれる少なくとも2成分の共重合体の水素添加物であることを特徴とする請求項3記載のPP系PTP用シート。
  6. 中間層の水素添加石油樹脂がジシクロペンタジエン系石油樹脂の水素添加物、芳香族系石油樹脂の水素添加物、及び脂肪族系石油樹脂の水素添加物から選ばれる少なくとも2成分のブレンド物であることを特徴とする請求項3記載のPP系PTP用シート。
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