JP3695715B2 - 免震装置および免震構造物の構築方法 - Google Patents

免震装置および免震構造物の構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免震構造物の中でも戸建て住宅などの比較的小規模な免震建物に適切な免震装置および免震構造物の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1995年の阪神淡路大震災以降、大地震時における建物の応答加速度を抑制し、容器としての建物のみでなくその内部収容物を含めて、構造物全体を無損傷で守ろうとする免震構造物が増加しつつある。
戸建て住宅や小規模店舗などの小規模な建物を免震構造とする場合、構造物重量が小さいために大型の積層ゴムでは固有周期の伸長ができず、周期を伸ばすためには平面寸法が小さく細高い積層ゴム形状となるが、それでは十分な変形性能を確保できない。
【0003】
この問題を解決する方法として、建物重量をすべり系支承や転がり系支承に支持させ、重量を支持しない積層ゴム系支承(高減衰ゴムや鉛プラグ入り積層ゴムなど)に復元力と減衰を負担させる方法、あるいはすべり面の摩擦を減衰として利用し、すべり面や転がり面を曲面として重力によるポテンシャルエネルギーを復元力に変換する方法などが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のとおり、小規模・軽量の構造物を免震構造化する方法は既に幾通りもの方法が開発されているが、現実には小規模の免震建物は殆ど普及していないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−98189号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
小規模免震建物が普及しない原因は極めて明白である。それは免震構造を採用しない従来の耐震構造建物に比較して、免震建物の建設費用が高くなるためである。無論、大型免震ビルの費用アップに較べればその絶対額は小さいものの、総工事費自体が小額であるため、その増額比率が非常に大きくなり、大型ビルでは通常数%前後と言われる増額比率が、戸建て住宅免震では優に1割は超え、2割以上の増額となっている事例が多い。
【0007】
このコストアップには次の3つの要因がある。即ち、▲1▼通常の設計に較べて高度な構造設計を行うため、設計費用が高くなること。▲2▼免震装置の費用が追加されること。▲3▼免震装置を挟んで基礎が二重になるため、装置上下の基礎構造体に費用がかかることである。
【0008】
上記▲1▼の設計費用を安くする方法としては、従来は日本建築センター評定および建設大臣認定の特別の許認可審査が必要であったが、建築基準法改正により一般の建築確認申請で処理可能になったこと。また、現実の設計費用を下げる方法として、建物や免震システムを標準化して、個々の建物での個別設計自体を省略ないし簡略化する取り組みなどが行われている。
【0009】
上記▲2▼の免震装置費を安くする方法は、個々のメーカーが取り組んでおり、その普及と共に次第に低コスト化が進んでいくものと期待できるが、装置自体の費用のみでなく、その取り付け工事に要する手間と費用の低減も重要な課題である。
【0010】
また免震建物の建設費増額は、通常免震装置にかかる費用が注目されているが、現実には免震装置費用以上に、二重基礎の建設に大きな費用がかかっており、特に小規模建物の場合には免震装置上下の構造体を如何に低コストで建設できるかどうかが、免震建物低コスト化のカギを握っている。
【0011】
小規模免震建物においては、免震装置の下側の基礎構造体は鉄筋コンクリート造、装置上部建物側の基礎構造体は鉄骨造フレームもしくは鉄筋コンクリ−ト造のいずれかで構築することが一般的である。近年、この免震装置の上部基礎構造体を軽量鉄骨フレームによる極めて軽微な構造体として低コスト化を図っている提案が多いが、小規模建物では構造物全体が軽量であり、風による建物振動が問題となりやすい構造物において、免震装置上部の基礎構造体まで過度の軽量化を図ることは、風振動問題をますます助長することになり推奨できない。
【0012】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、免震装置の取り付けと二重基礎構造体の建設を、画期的に低コスト化できる免震装置および免震構造物の構築方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の構成を採用する。
〈構成1〉
地盤側基礎の上面に配置されるすべり板と、上部構造物側に固定され、上記すべり板に対して水平方向に相対移動できるすべり部材とを備えた免震装置において、上記すべり部材を、外周面にねじ切りされた円柱状部材により構成し、上記円柱状部材からなるすべり部材の外周に、内周面に上記すべり部材のねじに合致するねじを有する円筒部材をねじ込ませて配設したことを特徴とする免震装置。
【0014】
構造物の重量を支持し地震時には地盤側基礎との間で水平方向に相対移動できるすべり支承型の免震装置である。
前記円柱状部材からなるすべり部材の外周に、前記円筒部材をねじ込ませて配設したことにより、前記すべり部材に対して前記円筒部材を相対的に回転させて両者の相対的位置を軸方向に移動可能とする。この軸方向移動により、前記円筒部材に固定されるコンクリート上盤を所定の高さまで容易に持ち上げることができる。
【0015】
〈構成2〉
構成1に記載の免震装置において、上記すべり部材の端面と上記すべり板との接触部に、個体潤滑材の滑動材料を配したことを特徴とする免震装置。
【0016】
前記個体潤滑材の滑動材料を配したことにより、前記すべり板に対する前記円柱状部材の水平移動および回転等の滑動をスムーズならしめる効果を奏する。
【0017】
〈構成3〉
構成1又は2に記載の免震装置において、上記すべり板又は上記滑動材料とその上部の上記円柱状部材との間に、ゴム層もしくは積層ゴム体の弾性部材を配設したことを特徴とする免震装置。
【0018】
〈構成4〉
構成1に記載の免震装置において、上記すべり板を硬質平鋼板により構成し、上記すべり部材を転がり部材により構成したことを特徴とする免震装置。
【0019】
前記転がり部材としては、主球体を用いる球体転がり支承を採用し、その保持器を前記円柱状部材と一体化して構成することが好ましい。
【0020】
〈構成5〉
地盤側基礎の上面に配置されるすべり板と、上部構造物側に固定され、前記すべり板に対して水平方向に相対移動できるすべり部材とを備えた免震装置において、前記すべり板を、前記地盤側基礎の上面に配置される下部すべり板と、前記上部構造物側の躯体底面の相対面する位置に配置される上部すべり板とから構成し、前記上部すべり板の平面中央部に透孔を設け、前記透孔の上方に、内周面にねじ切りされた円筒部材を、上部すべり板に固定して配設し、前記円筒部材の内部に、前記透孔の口径よりわずかに小さい外径を有する両面すべり部材と、その上部に、前記透孔とほぼ同径の内部すべり板及びそれと一体化され外周面に前記円筒部材のねじに合致するねじを切った円柱状部材とを配設したことを特徴とする免震装置。
【0021】
前記円柱状部材を前記円筒部材に対して回転させることにより、前記両面すべり部材を前記透孔から押し出す。更に前記円柱状部材の端面に配置した透孔径とほぼ同径の内部すべり板を、上部すべり板と同じ位置にまで押し出すことによって前記透孔を塞ぐことができる。
前記すべり部材を、両端面に個体潤滑材の滑動材料を配した両面すべり部材とすることによって、上下のすべり板のすべり寸法を2分の1=面積は4分の1にすることができるので、すべり板を上下2枚にしてもすべり板面積を半減させる効果を奏する。
【0022】
〈構成6〉
請求項5に記載の免震装置において、前記すべり板を硬質平鋼板とし、前記両面すべり部材を、少なくとも3個の同一直径の球体をその相対位置がずれないように保持した一塊りの球体ころがり支承としたことを特徴とする免震装置。
【0023】
前記両面すべり部材に替えて、3個以上の同一直径の球体をその相対位置がずれないように保持した一塊りの球体ころがり支承とすることにより、すべり部材の摩擦係数が通常0.03〜0.15程度に対して、0.001〜0.005と殆ど摩擦抵抗のない良好な滑動効果を奏する。
【0024】
〈構成7〉
構成1ないし6のいずれかに記載の免震装置において、上記円筒部材の下端に、上記円柱状部材の端面に支承される免震部材を包覆する免震部材保護部を設け、上記免震部材保護部上方の上記円筒部材および上記円柱状部材の横断面を、上記免震部材保護部の横断面よりも小さくしたことを特徴とする免震装置。
【0025】
前記免震部材保護部上方の前記円筒部材および前記円柱状部材の横断面を、前記免震部材保護部の横断面よりも小さくすることにより、免震装置をより低コストにすることができる。
【0026】
〈構成8〉
地震時には地盤に対して水平方向に相対移動できる免震構造物の構築方法であり、先ず地盤上にコンクリートを打設し上面を水平に仕上げてなるコンクリート基礎盤を設け、上記コンクリート基礎盤の上面に、すべり板を、その上面が周囲コンクリートと同一面になるように配置し、上記コンクリート基礎盤の硬化後、上記コンクリート基礎盤の上面に接してコンクリートを打設してなるコンクリート上盤を設け、上記コンクリート上盤内に、請求項1乃至6のいずれかに記載の免震装置のすべり部材、並びにそれらと一体になった上部すべり板を配置し、上記コンクリート上盤のコンクリート硬化後に、上記すべり部材の円柱状部材を円筒部材に対して相対回転させることにより、上記すべり部材の円柱状部材を上記コンクリート上盤の下側に突出させて上記コンクリート上盤と上記コンクリート基礎盤との間に所定の鉛直間隙を設けることを特徴とする免震構造物の構築方法。
【0027】
本発明免震装置の円柱状部材を回転させることにより、ねじの効果により円柱状部材が上盤の下に突出し、その反作用により上盤を基礎盤から持ち上げ、建物全平面に渡ってコンクリート基礎盤とコンクリート上盤との間に免震層を構築できる。この免震層は、両コンクリート盤間に僅かの隙間を構成するので、コンクリート上盤の断熱処理に適した空間構成となっている。
前記すべり板は硬質平鋼板を含み、前記すべり部材は球体転がり部材を含んでいる。
【0028】
〈構成9〉
構成8に記載の免震構造物の構築方法において、上記コンクリート基礎盤および上記免震装置により若干の隙間をもって上記コンクリート基礎盤上に支持されたコンクリート上盤を構成し、上記コンクリート上盤の側面周囲に断熱材料を配置し、上記コンクリート基礎盤および上記コンクリート上盤の上下間隙の周囲全周に渡って帯状に上記断熱材料を充填することを特徴とする免震構造物の構築方法。
【0029】
前記コンクリート上盤の下側空間を断熱層として形成することができる。前記断熱材料としては、ロックウール、セラミックファイバー、発泡ウレタン、発泡スチレンその他の発泡材料等が採用される。
【0030】
〈構成10〉
構成9に記載の免震構造物の構築方法において、上記コンクリート基礎盤上に若干の隙間をもって構築され、かつ側面を断熱材で被覆された上記コンクリート上盤内に、ほぼ全平面に渡って1以上の連続する管体を埋設し、上記管体の内部に空気もしくは水の流体を滞留もしくは循環させることを特徴とする免震構造物の構築方法。
【0031】
前記管体の内部に空気もしくは水の流体を滞留もしくは循環させることによって前記コンクリート上盤を蓄熱体ないし冷暖房床として利用可能とすることができる。
【0032】
〈構成11〉
構成9に記載の免震構造物の構築方法において、上記コンクリート基礎盤上に若干の隙間をもって構築され、かつ側面を断熱材で被覆された上記コンクリート上盤に、その平面の少なくとも2側辺に近い位置にそれぞれ1以上の貫通孔を設け、 上記コンクリート基礎盤と上記コンクリート上盤との間の空間に、上記貫通孔より温風もしくは冷風を循環させることを特徴とする免震構造物の構築方法。
【0033】
前記コンクリート基礎盤と前記コンクリート上盤との間の空間に、前記貫通孔より温風もしくは冷風を循環させることにより、コンクリート上盤の温度調節を行い、蓄熱や冷暖房に利用可能とすることができる。
【0034】
〈概要〉
本発明では小規模・軽量の建物に適切な重量を付加し、建物全体に適切な安定を与える鉄筋コンクリート造による免震装置上下の基礎構造体を経済的に構築する。
先ず、本発明では地盤に接する基礎構造体および装置上側の建物側構造体を共に鉄筋コンクリート造で構成する。そして、その構造体の基本形状を共に平板形状とする。これは、現在の我が国では、鉄筋コンクリートの構造体を構築する場合、鉄筋やコンクリートの材料費よりも型枠工事など手間に要する人工費(労賃)に多くのコストがかかるため、できるだけシンプルな構造体形状が望ましいからである。そのため、本発明では装置上下の構造体を共に平板形状とし、以下、装置下側を「コンクリート基礎盤」、上側を「コンクリート上盤」、両者を一括して「両コンクリート盤」と呼ぶことにする。この平板化により、梁型や立上がり腰壁部を有する布基礎などの複雑な型枠形状を排除している。
【0035】
尚、両コンクリート盤のコンクリート量を低減するために、平板形状から荷重や応力の小さい部分に穴を設けたり、あるいは厚さを薄くする場合もあり得るが、これらを含めて両コンクリート盤の形状を平板形状と呼ぶものとする。
【0036】
そして本発明は、この免震装置上下のコンクリート盤を型枠および支保工なしで構築する方法を提供する。コンクリート基礎盤は地盤上に構築するため、底面の型枠は不要であり、コンクリート基礎盤周囲側面の型枠のみでよい。コンクリート基礎盤内の配筋を行い、基礎盤のコンクリートを打設し、その上面を水平に仕上げる。この時、基礎盤の上面に固定される免震装置のすべり板もしくは転がり支承の転動体を受ける硬質平鋼板を予め基礎盤コンクリート上面と同一高さに設置しておき、コンクリート基礎盤上面を突起物のない水平面=面一(ツライチ)に仕上げる。この条件を満足するために、本発明では、建物重量を支える免震装置は、すべり支承もしくは転がり支承を主対象としている。
【0037】
尚、ここですべり板もしくは硬質平鋼板を周囲コンクリート上面と同一平面で仕上げるのは、万一想定以上に強い地震動に遭遇した場合にはすべり支承もしくは転がり支承がすべり板領域を超えてコンクリート上面まで侵入することを許し、その場合でも再び正規のすべり板もしくは硬質平鋼板上に復帰することを可能としたもので、許容変形量を超える変形が発生する予想を超える地震動に対しても安全な免震構造を実現したものである。
【0038】
次に、このコンクリート基礎盤の上面にビニールシート等の薄い膜状シートを敷くか、砂等の粉体を薄く撒き、この上に上盤コンクリート内の配筋を行なう。この時、コンクリート上磐側に配置されるすべり部材や球体転がり部材、あるいは復元力用の積層ゴム固定用部材などを配置する。その後に、上盤のコンクリートを打設する。要するに、コンクリート基礎盤の上面をコンクリート上盤の底面型枠として利用し、上盤の周囲側面型枠のみを配置して、基礎盤上面で直にコンクリート上盤のコンクリートを打設するのである。
【0039】
コンクリート上盤内に埋め込まれた免震装置は、内側の円柱状部材と外側の円筒部材の二重構造になっており、両者の間にねじが切られている。また内部円柱状部材の上面には、円柱状部材を回転させるための溝もしくは穴が設けられている。外側の円筒部材はコンクリ−ト上盤に固定されているので、内部円柱状部材を回転させると円柱状部材の底部がコンクリート上盤から下方に徐々に突出することになり、下側のコンクリート基礎盤を押しつけるジャッキとして作用し、その反力によりコンクリート上盤を持ち上げることができる。
【0040】
一つのコンクリート上盤内にはその重量に応じて複数個の免震装置が配置されているので、回転による上盤の持ち上げは上盤全体がほぼ水平を保つように少しずつジャッキアップするのがよい。コンクリート基礎盤上面に薄いビニールシートや薄い粉体層を設けたのは、このジャッキアップが容易に行えるようにコンクリート基礎盤と上盤との接触面において付着が生じないようにするためである。
【0041】
上盤コンクリートの厚さは通常180mm乃至250mm程度であるので、免震装置の外筒高さもこの上盤厚さに合わせておく。従って、ねじ回転によるジャッキアップ高さ=コンクリート基礎盤と上盤との隙間は、ねじ部のかみ合い部をある程度残せば、10mm〜150mm程度の範囲で任意の高さに設定することができる。
【0042】
免震装置の内部円柱部材を回転させるためには、円柱部材上部の結合用アタッチメントを用意すれば、高力ボルト接合の締め付けに用いる電動トルクレンチなど既存の回転機具を利用することができる。
【0043】
以上の方法により、型枠を殆ど用いず、しかも油圧ジャッキやエアージャッキなど特別の機械等を用いることなく、「変形性能が大きい」=「安全性能が高い」免震構造物を、容易且つ経済的に建設することができる。
【0044】
また、本発明ではコンクリート基礎盤と上盤の間に、建物全平面に渡って高さ50mm前後の薄い隙間が構成される。そこで、この隙間の全周囲を断熱材で隔離し、外部空気の流入を遮断することにより、建物全平面下に断熱性能に優れた空気層を挟んだ極めて断熱性能の良い建物を構築することが可能となる。この隙間周囲の断熱材を配置することにより、免震装置に対する防塵バリアの機能も併せて実現している。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明免震装置の基本タイプである、すべり支承型の免震装置であり、(1)は装置の上面を示す平面図、(2)は縦断面図、(3)はすべり部材中央高さから下を見た平面図、(4)は内部円柱状部材を回転させてすべり部材をコンクリート上盤から突出させた状態の断面図である。
【0046】
図1(2)に示すように、コンクリート基礎盤1の上面にすべり板3を打ち込んだ後、その上にすべり部材4を設置し、コンクリート上盤2を形成するためのコンクリートを打設する。上盤コンクリート2の硬化後に、すべり部材4の上端を回転させることにより、図1(4)に示すように円柱状部材4が下方に突出し、コンクリート上盤2を所定の高さまで持ち上げることができる。
【0047】
図2は、すべり部材先端のすべり滑動部材とねじきり円柱状部材の間に積層ゴム体を介在させ、地震入力が弱い場合には積層ゴム体が変形し、すべり摩擦力以上の地震慣性力が作用するとすべりが発生する弾性すべり支承とした構成3の場合である。免震装置の設置方法、回転によるコンクリート上盤の持ち上げ方法は構成1と全く同様である。
【0048】
図3は、構成4の球体転がり支承を示したものである。1個の主球体をねじ切り円柱状部材が保持しており、その円柱状部材と主球体の摩擦を緩和するために小さな補助球体を多数配置しており、この補助球体が循環することにより主球体が円滑に回転できるシステムを採用している。この主球体を保持している円柱状部材の周囲側面に、構成1、2の免震装置と同様のねじ切りを施しており、円柱状部材の回転によりコンクリート上盤の持ち上げを可能にしている。
【0049】
図4は、構成5に示す上下両面にすべり面を設けたダブル(両面)すべり型免震装置である。上下両面にすべり面を構成するために、コンクリート基礎盤側だけでなく、コンクリート上盤側にもすべり板を設ける必要がある。そのために、図4(2)に示すように、上盤側の上部すべり板の中央部に穴をあけておき、その穴の上部に両面すべり部材、その上に上盤側の内部すべり板とそれと一体化されたねじ切り円柱状部材を配置する。上盤コンクリートの打設完了後に円柱状部材を回転させて両面すべり部材を押し出す。この押し出し高さは、すべり材上部の穴にほぼ等しい直径の内部すべり板が周囲の上盤側の上部すべり板と同一高さになるように保持する必要がある。これは穴部分の内部すべり板の周囲を図4(4)に示すように階段型にかみ合わせることで位置を決定できる。両すべり板の境界部は、沓動時にすべり材がエッジでこすれないようにコーナーの面とりを行っておく。
【0050】
図5は、両面すべり支承に替えて少なくとも3個以上の複数個の同一直径の球体転がり支承を採用する構成6の場合である。装置の配置、回転によるコンクリート上盤の持ち上げ方法は構成5の免震装置と同じである。球体転がり支承を採用することで水平方向の摩擦抵抗を殆どゼロにすることができるので、すべり支承との組み合わせにより建物全体の水平抵抗力を任意の値に調節できる。
【0051】
図6は構成8に示す構築方法の要点を示したものであり、以上の全ての免震装置の場合において、コンクリート基礎盤、免震装置、コンクリート上盤の位置関係と円柱状部材の回転によるコンクリート上盤の持ち上げ後の状態をより明確に示したものである。コンクリート基礎盤の上面には上盤コンクリートの付着を切るために、図6(2)に示すようにビニールシートや薄い砂層などを施す。また図6(4)には、コンクリート上盤端部において、側面に断熱材を配置し、またコンクリート基礎盤と上盤との隙間の周囲にも断熱材を充填し、コンクリート上盤側を外断熱工法で熱的に保護する構成9の構築方法を示している。
【0052】
図7は、構成1ないし6に示した免震装置をより低コストにするために、円柱状部材断面を先端に取り付けている免震装置の平面よりも小さくする構成7の免震装置を例示したものである。図7は構成1のすべり型免震装置を示しているが、構成2〜6の他の装置も全て先端免震部材の保護部内に収容しておくことで同様の構成とすることができる。
【0053】
図8(1)は、免震構造住宅における免震基礎の全体断面構成、図8(2)は、免震装置の全体配置図の一例を示したものである。本例では、構成1のすべり型免震装置9体で建物全重量を支持し、復元力には建物重量を支持しない小型積層ゴム4体を採用した例である。
【0054】
図9は、コンクリート基礎盤およびコンクリート上盤をより経済的に建設するために、建物重量を支持しないコンクリート部分に穴を設けるかもしくはコンリート盤厚さを低減する場合を例示したものである。
【0055】
図10、図11は、復元用装置として小型積層ゴムをコンクリート基礎盤および上盤間に取り付ける方法を例示したものである。この取り付け方法は、特願2002−099728において提案されている既存の方法であるが、本発明免震装置と組合わせることにより復元力を有する免震システムを構成することができる。図10(1)〜(3)は積層ゴムの取り付け前の状態、図11(1)〜(3)は取り付け後の状態である。この方法では、建物完成後においていつでもコンクリート上盤の上から積層ゴム体を取り出し、交換、再設置することが可能である。
【0056】
本発明の免震構造物の構築方法を採用すれば、建物全平面に渡ってコンクリート基礎盤とコンクリート上盤との間に僅かの隙間を有する空間が構成される。そこで、構成9に示すように、コンクリート上盤の側面全周囲にロックウール、セラミックファイバー、発泡ウレタン、発泡スチレン等の発泡材料等の断熱材料で覆うことにより、建物の側面も全底面も完全に断熱された高断熱建物を構築することができる。このコンクリート基礎盤と上盤間の空気層への外気の流入を遮断するためには、この隙間の全周囲に上盤側面に配したと同様の断熱材料を配置し、この隙間空間をシールする。この部分の断熱材料の配置要領を図6の(4)に示している。
【0057】
更に構成10に示すように、コンクリート上盤工事の配筋作業時に上盤内に空洞の管を配置しておくことにより、上盤内に連続した空洞管を構成することができる。この管には、中空ボイドスラブに使用されているワインディングパイプや薄肉鋼管、給排水設備用の配管、あるいは塩ビ管などのプラスチック系パイプやダンボール紙製のパイプ等を使用することができる。これが図6および図12に示す22である。この連続する配管内に冷風・温風あるいは冷水や温水などの流体を滞留ないし循環させることによって、コンクリート上盤を蓄熱体として利用し、また快適な冷暖房床を実現することができる。
【0058】
このコンクリート上盤と免震層としての上盤下の空間を熱的に利用するもう一つの方法は、構成11に示すように、コンクリート上盤の平面の少なくとも2側辺に近い位置にそれぞれ1以上の貫通孔を設け、コンクリート基礎盤と上盤との間の空間にこの貫通孔より温風もしくは冷風等を循環させることである。図13に示すように、この上盤の穴位置は平面上相対面する位置が好ましい。一方の穴より温風もしくは冷風を吹き込み、対面の穴より吹き出させることにより、この隙間空間内に温・冷風を循環させ、これによりコンクリート上盤の温度調節を行なうと同時に蓄熱させることができ、快適な床暖房や建物全体の冷暖房に有効利用することができる。
【0059】
図14は、断熱層として利用するコンクリート上盤下の免震層空間の地震時の状態を示している。地震時にはコンクリート上盤と基礎盤が水平方向に相対移動するので、図14(3)に示すように免震層空間が外気に繋がる場合が発生する。しかし、これは大地震時において瞬間的に発生する現象であり、地震後には再び図14(1)のような密閉空間に復帰するので、建物の断熱性能に問題は生じない。
【0060】
【発明の効果】
本発明の免震装置を採用すると、戸建て住宅や小規模建築物に適した高性能の免震構造基礎躯体(基礎・免震装置およびその上部の装置取り付け部躯体)を鉄筋コンクリート造により型枠を殆ど用いずに建設することが可能となる。本発明は、以下のような効果と長所を有している。
1)型枠を殆ど用いず、且つ支保工なしで、コンクリート基礎盤およびコンクリート上盤を構築できるので、免震建物の建設費用が大きく削減できる。
2)コンクリート基礎盤と上盤との隙間を、油圧ジャッキ・エアージャッキ等のジャッキや支保工を用いずに構築することができる。
3)型枠工事および支保工工事がなくなるので、工期が大きく短縮できる。
4)本発明の免震装置でのねじ回転によるジャッキアップは上盤コンクリートの硬化した後ならばいつ行ってもよい。従って、上盤コンクリート打設後3日程度で上部建物の建て方を開始し、上盤コンクリートの強度が充分発現した時点でジャッキアップすることが可能となり、コンクリート強度発現を待ったり、型枠解体の日数を必要としないため、工事期間を著しく短縮できる。
5)コンクリート用型枠材が殆ど不要となるので、省資源で地球環境にも優しい工事方法である。
6)免震装置の上部躯体がコンクリート盤として構成されるので、装置上部の躯体重量が大きくなり、住宅や小規模建物が軽量であるための弱点、即ち風による振動問題が解決される。
7)すべり支承のすべり板、転がり支承の転動体受け平板(硬質平鋼板)と周囲躯体のコンクリ−ト表面が面一に同一レベルで構成されるので、すべり部材や転動体の可動領域が大きく上昇し、免震構造物としての潜在的安全性能が飛躍的に向上する。
8)復元力および場合によっては減衰をも担う小型積層ゴムが、完成後の建物内から自由に交換可能となっているので、万一耐久性に問題が生じた場合は容易に交換できる。従って、建物全体の耐久性能に対する不安が解消され、長期性能・長期使用に対する安心感、信頼感が飛躍的に高まっている。
9)コンクリート基礎盤と上盤間の間隙=空間高さを任意に設定でき、しかも50mm前後の非常に低い隙間に設定できるため、上部免震建物の1階床高さを地盤面に対してあまり高くならないようにでき、しかもその周囲を断熱材料で容易に隔離できるので、上部建物の断熱性能を飛躍的に向上させることができる。10)コンクリート上盤を蓄熱体として利用することができ、床暖房や床冷房など多様な熱的利用が可能となる。
【0061】
以上のとおり、本発明により、戸建て住宅や小規模建物の軽量構造物を高性能免震構造物として建設することが、しかも飛躍的な低コストと短工期で実現することが可能となった。また、建物床部に該当するコンクリート上盤の断熱性能を外断熱工法により飛躍的に高めることもできるので、地球環境にも優しい省資源・省エネルギー型の免震住宅にもなっている。本発明により、これまで普及が進展しなかった小規模免震建物の普及が、しかも高性能免震という形での普及が加速され、安全な住宅・都市・社会の建設に大きく貢献するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のすべり支承型免震装置の実施例を示す図で、(1)は装置上面の平面図、(2)は縦断面図、(3)は免震装置の中央高さ位置から見た平面図、(4)は円柱状部材を回転させてすべり部材を突出させた状態の断面図である。
【図2】本発明の弾性すべり支承型免震装置の実施例を示す図で、(1)は上面の平面図、(2)は縦断面図、(3)は免震装置の中央高さ位置から見た平面図、(4)は円柱状部材を回転させてすべり部材を突出させた状態の断面図である。
【図3】本発明の球体転がり支承型免震装置(主球体タイプ)の実施例を示す図で、(1)は上面の平面図、(2)は縦断面図、(3)は免震装置の中央高さ位置から見た平面図、(4)は円柱状部材を回転させて主球体部分を突出させた状態の断面図である。
【図4】本発明の両面すべり型免震装置の実施例を示す図で、(1)は上面の平面図、(2)は縦断面図、(3)は免震装置の中央高さ位置から見た平面図、(4)は円柱状部材を回転させて両面すべり部材を突出させた状態の断面図である。
【図5】本発明の球体転がり支承型免震装置(複数球体タイプ)の実施例を示す図で、(1)は上面の平面図、(2)は縦断面図、(3)は免震装置の中央高さ位置から見た平面図、(4)は円柱状部材の回転後の状態を示す断面図である。
【図6】本発明のねじ式ジャッキアップの前後を示す図で、上盤コンクリートの断熱処理方法も併せて示しており、(1)は装置上面の平面図、(2)は免震装置の回転前の状態を示す縦断面図、(3)は免震装置の中央部の横断面図、(4)は円柱状部材の回転後の状態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の円柱状部材断面を先端免震部材より小さくした免震装置の実施例を示す図で、(1)は縦断面図、(2)は円柱状部材の回転後の状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の免震層全体の構成説明図で、(1)は免震層周りの躯体断面図 、(2)は免震装置配置例の平面図である。
【図9】免震層上下躯体のコンクリート削減部分の例示を示す平面図である。
【図10】復元力を担う積層ゴム体の取り付け方法(積層ゴム体設置前の状況)の実施例を示す図で、(1)は上盤側の上部蓋部の平面図、(2)は断面図、(3)は基礎盤側装置底部の受け金物の平面図である。
【図11】復元力を担う積層ゴム体の取り付け方法(積層ゴム体設置完了後の状況)の実施例を示す図で、(1)は上盤側の上部蓋部の平面図、(2)は縦断面図、(3)は基礎盤側装置底部の受け金物の平面図である。
【図12】本発明のコンクリート上盤内配管による床冷暖房躯体の構成を示す図で、(1)は断面図、(2)は上盤内配管の配置図、(3)は(1)のA部の拡大図である。
【図13】本発明の免震層空間内に温冷風を循環させるコンクリート上盤の利用方法を示す図で、(1)はコンクリート基礎盤・免震層空間・上盤の躯体断面図、(2)は上盤に設ける空気循環用孔の配置例の平面図である。
【図14】免震層の断熱空間の地震時における状態説明図で、(1)は平常時における正常な状態、(2)は地震時に上盤が外側に出た瞬間の状態図、(3)は地震時に上盤が内側に移動し断熱空間と外気が繋がった瞬間の状態図である。
【符号の説明】
1 :地盤側のコンクリート基礎盤
11:穴もしくはコンクリート薄板部
12:基礎盤と上盤間の接触部の付着防止処理(ビニールシート、粉体薄層など)
2 :建物側のコンクリート上盤
21:コンクリート上盤側面の断熱材
22:コンクリート上盤内に打ち込む配管
23:免震層空間への空気注入孔および排出孔
3 :コンクリート基礎盤側のすべり板もしくは硬質平鋼板
32:コンクリート上盤側のすべり板もしくは硬質平鋼板
33a、33b:スタッドボルト
4 :円柱状部材(側面ねじ切り)
41:すべり材
42:回転用具挿入用窪み
43:積層ゴム体もしくはゴム層
44:球体転がり支承(主球型)
45:補助球体
46:球体転がり支承(複数球型)
47:両面すべり部材
48:上盤側の上部すべり板透孔部の内部すべり板もしくは内部硬質平鋼板
51:円筒部材(内面ねじ切り)
52:内蔵免震部材保護部
6 :ねじ切り部
7 :コンクリート基礎盤と上盤との間隙、クリアランス
71:間隙用防塵兼断熱材
8 :復元力用免震装置
81:積層ゴム取り付け金物(基礎盤側)
82:積層ゴム取り付け金物(上盤側)
83:積層ゴム体
84:取り付けボルト
9 :上部建物

Claims (11)

  1. 地盤側基礎の上面に配置されるすべり板と、上部構造物側に固定され、前記すべり板に対して水平方向に相対移動できるすべり部材とを備えた免震装置において、
    前記すべり部材を、外周面にねじ切りされた円柱状部材により構成し、
    前記円柱状部材からなるすべり部材の外周に、内周面に前記すべり部材のねじに合致するねじを有する円筒部材をねじ込ませて配設したことを特徴とする免震装置。
  2. 請求項1に記載の免震装置において、
    前記すべり部材の端面と前記すべり板との接触部に、個体潤滑材の滑動材料を配したことを特徴とする免震装置。
  3. 請求項1又は2に記載の免震装置において、
    前記すべり板又は前記滑動材料とその上部の前記円柱状部材との間に、ゴム層もしくは積層ゴム体の弾性部材を配設したことを特徴とする免震装置。
  4. 請求項1に記載の免震装置において、
    前記すべり板を硬質平鋼板により構成し、
    前記すべり部材を転がり部材により構成したことを特徴とする免震装置。
  5. 地盤側基礎の上面に配置されるすべり板と、上部構造物側に固定され、前記すべり板に対して水平方向に相対移動できるすべり部材とを備えた免震装置において、
    前記すべり板を、前記地盤側基礎の上面に配置される下部すべり板と、前記上部構造物側の躯体底面の相対面する位置に配置される上部すべり板とから構成し、
    前記上部すべり板の平面中央部に透孔を設け、
    前記透孔の上方に、内周面にねじ切りされた円筒部材を、上部すべり板に固定して配設し、
    前記円筒部材の内部に、前記透孔の口径よりわずかに小さい外径を有する両面すべり部材と、その上部に、前記透孔とほぼ同径の内部すべり板及びそれと一体化され外周面に前記円筒部材のねじに合致するねじを切った円柱状部材とを配設したことを特徴とする免震装置。
  6. 請求項5に記載の免震装置において、
    前記すべり板を硬質平鋼板とし、
    前記両面すべり部材を、少なくとも3個の同一直径の球体をその相対位置がずれないように保持した一塊りの球体ころがり支承としたことを特徴とする免震装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の免震装置において、
    前記円筒部材の下端に、前記円柱状部材の端面に支承される免震部材を包覆する免震部材保護部を設け、
    前記免震部材保護部上方の前記円筒部材および前記円柱状部材の横断面を、前記免震部材保護部の横断面よりも小さくしたことを特徴とする免震装置。
  8. 地震時には地盤に対して水平方向に相対移動できる免震構造物の構築方法であり、
    先ず地盤上にコンクリートを打設し上面を水平に仕上げてなるコンクリート基礎盤を設け、
    前記コンクリート基礎盤の上面に、すべり板を、その上面が周囲コンクリートと同一面になるように配置し、
    前記コンクリート基礎盤の硬化後、前記コンクリート基礎盤の上面に接してコンクリートを打設してなるコンクリート上盤を設け、
    前記コンクリート上盤内に、請求項1乃至6のいずれかに記載の免震装置のすべり部材、並びにそれらと一体になった上部すべり板を配置し、
    前記コンクリート上盤のコンクリート硬化後に、前記すべり部材の円柱状部材を円筒部材に対して相対回転させることにより、前記すべり部材の円柱状部材を前記コンクリート上盤の下側に突出させて前記コンクリート上盤と前記コンクリート基礎盤との間に所定の鉛直間隙を設けることを特徴とする免震構造物の構築方法。
  9. 請求項8に記載の免震構造物の構築方法において、
    前記コンクリート基礎盤および前記免震装置により若干の隙間をもって前記コンクリート基礎盤上に支持されたコンクリート上盤を構成し、
    前記コンクリート上盤の側面周囲に断熱材料を配置し、
    前記コンクリート基礎盤および前記コンクリート上盤の上下間隙の周囲全周に渡って帯状に前記断熱材料を充填することを特徴とする免震構造物の構築方法。
  10. 請求項9に記載の免震構造物の構築方法において、
    前記コンクリート基礎盤上に若干の隙間をもって構築され、かつ側面を断熱材で被覆された前記コンクリート上盤内に、ほぼ全平面に渡って1以上の連続する管体を埋設し、
    前記管体の内部に空気もしくは水の流体を滞留もしくは循環させることを特徴とする免震構造物の構築方法。
  11. 請求項9に記載の免震構造物の構築方法において、
    前記コンクリート基礎盤上に若干の隙間をもって構築され、かつ側面を断熱材で被覆された前記コンクリート上盤に、その平面の少なくとも2側辺に近い位置にそれぞれ1以上の貫通孔を設け、
    前記コンクリート基礎盤と前記コンクリート上盤との間の空間に、前記貫通孔より温風もしくは冷風を循環させることを特徴とする免震構造物の構築方法。
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