JP3694813B2 - 上水処理用凝集剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水中に懸濁または溶解している物質を沈降除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上水、下水、し尿、工業用水の処理や、化学、冶金、染色、澱粉などの工業廃水の処理に際し、その処理液の清澄化あるいは懸濁物の分離には、各種の凝集剤が使われている。
【0003】
上記凝集剤としては、たとえば、各種の有機高分子系凝集剤ならびに硫酸アルミニウムを始めとした、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩素化コッパラス、塩化第一鉄、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウムなどの無機系凝集剤が知られており、また、凝集助剤としては消石灰、活性シリカ、ケイ酸ナトリウム、ベントナイトなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの凝集剤のうち、無機系凝集剤においては、特に硫酸アルミニウムがその機能や価格の面から一般によく使用されており、また、特定の比率の硫酸塩混合物を特定の方法によって作成することにより、その効果を増すような改良なども行なわれている(特開昭56−126483号公報など)。しかしながら、たとえば、平成7年10月5日(木)付の日刊工業新聞での、東北大学農学部宮沢陽夫助教授による研究の記事にあるように、いわゆる”アルツハイマー型痴呆症患者とその脳に蓄積されているアルミニウムとの因果関係”が着目され始めており、従来、健康面に対して比較的に安全であるとみなされていたアルミニウム塩が、上水用凝集剤として使用される場合には危険となる、という示唆を含んだ報告がなされるようになっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のアルミニウム塩タイプに代わる、無機系上水用凝集剤の研究開発を重ねた結果、硫酸チタニルが凝集剤として優れた効果を持つことを見いだした。
すなわち、本発明の要旨は、上水用水の凝集剤として、上水用水に対しTiO2 濃度換算で5〜20ppmの比率となるように、硫酸チタニルを添加することを特徴とする、上水用水の清澄化方法、あるいは、上水用水の懸濁物の分離方法である。
【0006】
硫酸チタニルとは、一般式、TiOSO4 ・2H2 Oという化学式で示される白色結晶であるが、本発明で用いる工業製品としての一般的な硫酸チタニル結晶の組成は、重量%で、次の範囲にある。
TiO2 分 :25〜35%(分析値)
H2 SO4 分 :47〜53%(分析値)
付着硫酸あるいは付着水分 :約20%
その他(鉄など不純物) :0.01%以下
硫酸チタニル自体は、常温では5〜30%の濃度範囲で安定な水溶液を形成するが、70℃以上に加熱したり、TiO2 濃度換算で0.7g/リットル以下の濃度に希釈すると加水分解を起こす。加水分解により溶液は、まず、フロックと呼ばれる靄状の凝集体を形成し、さらに加水分解が進むと水和酸化チタンが得られる。フロックは、硫酸チタニルの部分的な加水分解によって形成されたTiやH2 Oのイオンが多核錯体を形成し、これらが主となって凝集したものであろう、と考えられている。
【0007】
硫酸チタニルを上水用原料水に添加する際には、結晶の状態で添加するよりも、結晶を溶解させて、5〜15%の水溶液として使用する方が取り扱いやすさの点で好都合である。そして、調製した水溶液は、上水用原料水に対しTiO2 濃度が5〜20ppmとなるように添加するのが効果的である。添加方法については、そのまま流しこんでもよいが、水域全体に均一に分布させるように撒くのが好ましく、液面上から散布を行なってもよい。添加温度としては常温で行なうのが通常である。
【0008】
一般に無機系凝集剤は、その等電点付近において、ケイ酸などの不純物の除去率が最大となる。硫酸チタニルの場合には、おそらくフロック形成時に不純物の除去がなされると推測されるが、加水分解により最終的に生成する含水酸化チタン(メタチタン酸)はアナターゼ形の結晶を形成し、その等電点はpH=6.1である。この値は、上水のpHに近いので、硫酸チタニル単独でも不純物除去に大きな効果を示す、と考えられる。したがって、他の凝集剤と比べ、被処理液のpHを移動させる必要はあまりなく、pH調整のために被処理液へ加えるアルカリ助剤の使用量も少なくなり、経済的である。
【0009】
【発明の実施の形態】
実験は、いずれの場合も、室温下で行なった。
製造例1
硫酸チタニル(製品名:テイカ株式会社製TM結晶、TiO2 分は重量換算で33%)を岡山市の上水に投入し、かきまぜて、酸化チタン換算濃度が、70g/リットルである硫酸チタニル水溶液を調製した。
【0010】
実施例1 (濃度)
試水として、猪名川表流水(比色法濁度:9度、積分吸光法色度:30、pH:7.3)を用い、その1リットルをビーカーにそれぞれ採取した。そこに製造例1の硫酸チタニル水溶液を、試水に対しTiO2 濃度換算で下表のppm濃度となるように加えた。添加後、試水を150rpmにて3分間かきまぜた後、20rpmでさらに12分間かきまぜ、60分間静置した。処理後、試水の水面より2cmの位置にある上澄水を採取し、その濁度ならびに水溶液投入後からのフロック発生時間を測定した。
結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
表1から明らかなように、上水用原料水に硫酸チタニル溶液を加えると、短時間でフロックが発生し、最終的に濁度すなわち濁りが効果的に除去されることがわかる。
【0012】
実施例2 (pH)
採取した試水のpHを、塩酸を用いてあらかじめそれぞれpH:7、pH:5、pH:3に調整してから、実施例1の実験番号2の場合と同様に処理した。
得られた結果を、表2に示す。
【0013】
【表2】
表2から明らかなように、原料水のpHを変化させても、本発明の効果に変わりはなく、従って、使用可能な上水用原料水の幅が広く、使用にあたってアルカリ助剤の使用量を低減できることがわかる。
【0014】
実施例3 (硫酸バンドとの混合)
試水に加える上水用凝集剤として、製造例1で用いた硫酸チタニル結晶(TiOSO4 )と硫酸アルミニウム〔Al2 (SO4 )3 :林純薬工業社製〕との混合物を、TiO2 /Al2 O3 換算でそれぞれ6/2、4/4、2/6の重量比率で混合したものを、試水に対し混合物の酸化物濃度換算で8ppmの濃度となるようにそれぞれ加え、実施例1と同様に処理、測定した。
得られた結果を表3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】
本発明により、硫酸チタニル溶液を上水用凝集剤として用いた場合には、以下のメリットが得られる。
(1) 処理後の濁度が大きく減少する。
(2) ppmオーダーの添加でも優れた効果が得られ、経済的である。
(3) アルカリ助剤の使用量を節減でき、経済的である。
(4) アルツハイマー型痴呆症との因果関係がないので、安心して使用することができる。
Claims (1)
- 上水用水の凝集剤として、上水用水に対しTiO2 濃度換算で5〜20ppmの比率となるように硫酸チタニルを添加することを特徴とする上水用水の清澄化あるいは懸濁物の分離方法。
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JP34968695A JP3694813B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 上水処理用凝集剤 |
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JP34968695A JP3694813B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 上水処理用凝集剤 |
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JPH09168786A JPH09168786A (ja) | 1997-06-30 |
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1995
- 1995-12-20 JP JP34968695A patent/JP3694813B2/ja not_active Expired - Fee Related
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