JP2788552B2 - 重金属及びトリハロメタンとその前駆物質を除去するための上水用凝集組成物 - Google Patents

重金属及びトリハロメタンとその前駆物質を除去するための上水用凝集組成物

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JP2788552B2 JP6520886A JP52088694A JP2788552B2 JP 2788552 B2 JP2788552 B2 JP 2788552B2 JP 6520886 A JP6520886 A JP 6520886A JP 52088694 A JP52088694 A JP 52088694A JP 2788552 B2 JP2788552 B2 JP 2788552B2
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Description

【発明の詳細な説明】 利用分野 本発明は化学、金属、繊維、製紙等の各種の産業廃
水、食品、都市下水等の生活廃水及び水道の源水等を浄
化する分野に関するものである。
背景技術 一般的凝集剤として無機系と有機系がある。前者は硫
酸アルミニウム（Al2（SO4）３），ポリ塩化アルミニウ
ム（以下PASと略称）等があり後者には各高分子の化合
物がある。本発明の凝集剤組成物（以下組成物と略称）
は無機系に属する。
無機系の凝集剤としては浮遊物の凝集効果が高く処理
後用水中の有害金属及びアルミニウム、鉄等の残留量の
低いのが要望されている。水道用源水処理においても低
い残留量が一層要望される。
水道用源水処理においてはアルミニウム系の無機凝集
剤が多く使用されており、処理後の用水中に微量のアル
ミニウムが残留する問題があってこれがアルツハイマ病
の原因であるとも言われる。
又、現在は水道の水中にCHCl3,CHCl2Br,CHClBr2,CHBr
3等のトリハロメタン（以下THMsと略称）が存在する問
題があって、これらは健康保険の観点から世界的に問題
視されているので規制の対照となっている。
水道源水の処理は一般的に無機系アルミニウム系の凝
集剤が使用されているので、これらでTHMs及びヒューミ
ック酸（Humic Acid）等のその前駆物質の除去は困難で
ある。
これを解決する為、THMs生成の原因となる塩素殺菌を
せずオゾン又はCIO2等による酸化殺菌法が試図され一部
は使用されている。然しこれらの殺菌剤は、その安全性
が確認されておらず又、その処理費が高価である問題点
がある。
発明の目的 本発明は、産業廃水、生活廃水等に添加して浮遊物の
凝集、有害金属の去等の効果的凝集剤として作用すると
同時にTHMs及びその前駆物質を効果的に除去する水道等
の浄水剤となる上水用凝集剤組成物を提供することを目
的とする。
発明の概要 本発明は、水溶性アルミニウム塩と水溶性鉄塩及び水
溶性マグネシウム塩を原子数比でAl １に対して、Fe
0.01〜２、Mg 0.01〜２の割合で含有する水溶液であっ
て、該水溶液中にAl、Fe及びMgをAl2O3及びMgOに換算し
て合計で１〜15重量％含有する、水中の重金属及びトリ
ハロメタンとその前駆物質を除去するための上水用凝集
剤組成物を提供するものである。
組成物の原料 本発明組成物の原料としてアルミニウム、鉄、マグネ
シウムの水溶性塩類を使用する。これらは無水物、水化
物、複塩等の固形状物や溶液状も使用出来る。又、アル
ミニウム、鉄、マグネシウムの金属を単独又はこれらの
混合物を塩酸、窒酸、硫酸等の鉱酸（Mineral Acid）で
処理して得た反応物の溶液又はこれを乾燥して得た無水
物、水化物具体的に例示すれば、Al塩としてAlCl3−6H2
O,Al（NO3）3,Al2（SO4）3,Al2（SO4）３−18H2O,Al（N
H4）（SO4）２−18H2O等、Fe塩としては３価のFe塩が好
ましく、FeCl3,FeCl3−6H2O,Fe（NO3）3,Fe2（SO4）3Fe
2（SO4）３・xH2O,Fe（NH4）（SO4）２・６〜12H2O又は
２価の鉄塩FeSO4・7H2O等を酸化状態の環境では使用す
ることが出来る。Mg塩としてはMgCl2,MgC2・6H2o,MgS
O4,MgSO4・7H2O等の無水物、水価物、複塩等がある。
又、Al,Fe,Mgを含有している鉱物の鉱酸分解物も使用
が可能である。例えば、蛭石（Vermiculite）は一般的
にAl2O3 10〜18％,Fe2O3 10〜18％,MgO 5〜20％，その
他の酸化物及び水分等44〜75％を含有する。
これら鉱物の鉱酸分解物は使用が可能である。
凝集剤の組成 本発明凝集剤の組成は、原子数比でAl 1に対しFe 0.0
1〜2,Mg 0.01〜２を含有し、その酸化物Al2O3,Fe2O3,Mg
Oの合計が１〜15％重量％の組成が適当であり、この範
囲外では効果が少ない。
これら組成の調剤は各種の水溶性Al,Fe,Mgの混合又は
Al,Fe,Mg含有鉱物の分解物やこれに水溶性Al,Fe,Mg塩を
補給して調整される。
凝集剤の使用法 本発明組成物の使用法は、一般的無機凝集剤と同じ方
法で使用される。固形混合物としても使用が可能である
が、その水溶液にして使用するのが良い。
廃水及び源水に組成物溶液を撹拌しながら添加し、pH
を約７に調整撹拌した後放置して浮遊物、その他を凝集
させて分離し通常の方法に依って実施する。
組成物の使用量 本発明組成物の使用量は廃水、源水の汚染度、濁度等
によって異なるが総合的に浄化効果が高いのは次ぎのよ
うである。
その組成として原子数比Al 1に対しFe 0.1〜0.3,Mg
0.1〜0.3のものが酸化物の合計が５〜10重量％濃度の水
溶液を廃水、源水に対し50〜300ppm程度添加して使用す
るのが効果的である。
発明の効果 凝集効果 一般的無機凝集剤である硫酸アルミニウム、PAC等は
良好な凝集剤であるが、なお一層の凝集効果が要望され
ている。
本発明組成物はTHMs及びその前駆物質の除去能力を具
備して凝集力においては前記の如き通常の製品に比して
劣らず、むしろAl,Fe,Mg共存の相互効果が期待される。
即ち、Fe塩類の存在によってFlocは増大して集合化の傾
向を表し比重が大きいのでFlocの沈殿速度を高め浄水効
果を向上させる。
Mgの存在はより一層この傾向を助長する。
金属類の除去効果 在来の無機凝集剤では有害金属の除去能力があるが廃
水、源水の種類によっては此れらの金属が微量に残存す
る傾向がある。
本発明組成物は有害金属の除去能力は通常の製品に比
して劣らず、むしろAl,Fe,Mgの相互作用による凝集力向
上に依ってこれら金属の効果の向上が期待される。又、
凝集剤処理後の用水中のAl,Feの残存量は微量で無視出
来る程度である。
THMs及びその前駆物質の除去効果 前記した通り、通常の凝集剤はTHMs及びその前駆物質
の除去困難な傾向がある。
このTHMsは世界的に規制の傾向にあり、その規制値は
50〜100ppb以下である。
本発明者はTHMs及びその前駆物質の生成や又は効果的
に除去出来る凝集剤を開発する為試験を実施した。その
試験の一例を提示すれば次の通りである。
試験条件 １）．検体試料−人工Kaoljnd濁度 50mg/l Humic Acid 5mg/l ２）．調整pH 7.0 ３）．水温 13.2℃ ４）．添加塩素液濃度（塩素濃度） 10mg/l ５）．塩素接触時間 1Hr ６）．凝集剤添加量 215ppm 試験結果第１表に表した如く凝集剤に比してAl,Fe系
及びAl,Fe,Mg系がTHMsの残量が顕著に低いことを知るこ
とが出来る。
本発明者等はAl,Fe系よりAl,Fe,Mg系のTHMs残量が顕
著に低いのでMgの効果を確認するための下記の条件でA
l,Feを固定しMgを活性させて実験を実施し各組成物の濃
度は酸化物合計量８％にしたところ第１図の如き結果を
得た。
第１図で見られるようにMg量が添加するに伴い残存TH
Ms量は低下してMgが非常に効果的であることを発見し
た。
このように驚くべき発見を根拠に本発明組成物を提供
するものでありTHMsの除去が非常に効果的であると認め
る。
経済効果 本発明組成物は良好な凝集効果を表すと同時にTHMs及
びその前駆物質を除去する能力を持っており又原料の価
格面でAl塩に比べFe,Mg−塩は比較的低廉である。又、A
l,Fe,Mgを含有し鉱物も利用出来てその経済効果は大き
い。
図面の簡単な説明 第１図はMgの添加比に伴うTHMsの除去効果を表したク
グラフである。
［実施例］ 次ぎに本発明の実施例を提示する。
実施例 １ 廃水及び水道源水に該当する検査試料に対し下記の条
件で実験を実施した。
1.実施条件 １）検査試料 ａ）人工Kaolin濁度50mg/l ｂ）Hg,Cd,Cr,Pd濃度 各
1mg/l ｃ）Humic Acid 5mg/l ２）調整pH 7.0 ３）水温 15℃ ４）塩素処理液 塩素濃度 10mg/l ５）塩素接触時間 1hr ６）凝集剤添加量 286ppm ７）測定法 −原子吸光光度計 THMs−ガスクロマトグラフィー ECD検出器 2.測定値 表２の通り本発明の組成物は凝集剤として通常の製品
に比して同等又はそれ以上の効果を表しTHMsの除去効果
も顕著である。
実施例 ２ 韓国産蛭石（Vermiculite）:Al2O3 10〜12,Fe2O3 11
〜13,MgO 6〜7,その他73〜68wt％）を鉱酸で処理した抽
出物（比重1.18,Al2O3 2.1,Fe2O3 1.8,MgO 0.63,その他
の酸化物0.43wt％）に各種の塩類を添加して実施例１と
同じ条件で実験した。
但し、各種凝集剤の添加量は200ppmである。
表３で見るように、本発明の組成物は鉱物の酸分解物
から製造調整しても凝集剤として在来品に比して同等又
はそれ以上の効果を表し、THMsの除去効果は高い。又、
蛭石（Vermiculite）塩酸又は窒酸抽出液を使用したの
も同じ程度の傾向を見せた。
実施例 ３ 重金属を含有する産業廃水（pH4,Cr 5ppm,Ni 8ppm含
有）に蛭石に鉱酸を反応させて得た本発明組成の抽出物
（原子数比Al:Fe:Mg＝1:1,14:0.34,酸化物合計5wt％）
を300ppm添加して石灰油でpH7で調整して慣行法で従っ
て処理したところ浄化液（pH7,Cr 0.45,Ni 0.67ppm）を
得ることが出来た。
これは無機凝集剤として十分な浄化効果を認めること
が出来る。
実施例 ４ 都市下水＜pH6.5,SS 120ppm,BOD 210ppm,大腸菌群（4
10X105/100ml）＞に蛭石の硫酸反応物（原子数比Al,Fe,
Mg＝1:0.27:0.07酸化物合計8.7wt％）を100ppm添加して
pHを7.0に調整して通常の方法で処理した結果、浄化液
＜pH7.0,SS 10.2,BOD 17ppm,大腸菌群（4X102/100ml）
＞を得た。これは無機凝集剤として十分な浄化効果を表
すということを認めることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−44993（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−184489（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−234511（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B01D 21/01 C02F 1/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】水溶性アルミニウム塩と水溶性鉄塩及び水
    溶性マグネシウム塩を原子数比でAl １に対して、Fe
    0.01〜２、Mg 0.01〜２の割合で含有する水溶液であっ
    て、該水溶液中にAl、Fe及びMgをAl2O3、Fe2O3及びMgO
    に換算して合計で１〜15重量％含有する、水中の重金属
    及びトリハロメタンとその前駆物質を除去するための上
    水用凝集剤組成物。
JP6520886A 1993-03-16 1994-03-09 重金属及びトリハロメタンとその前駆物質を除去するための上水用凝集組成物 Expired - Lifetime JP2788552B2 (ja)

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