JP3693685B2 - 電気温水器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電気ヒータで沸かした湯を貯湯タンク内に貯める電気温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気温水器には、外部加熱方式のものがある。外部加熱方式の電気温水器は、貯湯タンクとは別に設けた加熱管で湯を沸かす。このような、電気温水器の一例を図4に示す。この電気温水器は、沸かした湯を貯える貯湯タンク1と、湯を沸かす加熱管50と、貯湯タンク1の上部と加熱管50の上部に在る流出口50Aとを連結する上部管2と、貯湯タンク1の下部と加熱管50の下部とを連結する下部管3とを備える。
【0003】
また、加熱管50の流出口50Aには、温度流量制御弁としてワックス弁51を設け、下部には、湯を沸かす電気ヒータ52を設ける。
【0004】
加熱管50のワックス弁51は、図5(a)に示すように、先端に伸縮部51Aを持ち、内部のワックス(図示を省略)の状態変化(固体、液体)で伸縮部51Aを伸縮させる温度検出部51Bと、スプリング51Cにより付勢されて全閉状態にある弁部51Dとを備える。そして、温度検出部51Bが検出した湯温が所定温度になると、ワックスが溶けて固体状態から液体状態になり、体積が膨張するため、図5(b)に示すように、スプリング51Cの付勢力に対して伸縮部51Aが延び、弁部51Dが全開状態になる。
【0005】
このような電気温水器では、ワックス弁51が全閉状態になっているときに、電気ヒータ52が加熱管50内の水を沸かす。湯温が所定温度に達すると、ワックス弁51がこの湯温を検出して全開状態になる。これにより、加熱管50内の湯は、自然対流により貯湯タンク1に移動する。つまり、加熱管50の湯は、矢印A(図4)に示すように、対流力により上部管2を通り貯湯タンク1の上部に流れ込む。貯湯タンク1は、この湯を上部に貯える。同時に、貯湯タンク1の下部の水は、矢印B(図4)に示すように、下部管3を通り加熱管50内に流れ込む。これにより、加熱管50内の湯温が下がり、ワックス弁51が全閉状態になり、再び先の動作を繰り返す。
【0006】
このように、貯湯タンク1内には、所定温度の高温水101の層と、低温水102の層とが成形され、利用者は、高温水101を使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワックス弁のような温度流量制御弁を用いた外部加熱方式の電気温水器には、次のような問題点があることが判明した。つまり、加熱管50内の湯が所定温度に沸いたときに、図5(b)に示すように、弁部51Dの開閉運動距離L(ストローク)が開状態で最大になる。
【0008】
また、加熱管50内の湯が沸くと、直ちに弁部51Dが開状態になる場合がある。この場合には、弁部51Dの開閉運動距離Lが短くなるが、弁部51Dの開閉の回数が多くなる。
【0009】
弁部51Dの開閉運動距離Lが最大になったり、弁部51Dの開閉の回数が多くなると、伸縮部51Aやスプリング51Cなどに負担がかかり、ワックス弁51の寿命が短くなる。
【0010】
この発明の目的は、このような欠点を除き、温度流量制御弁としてのワックス弁の寿命を延ばすことを可能にする電気温水器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明は、内部に備える電気ヒータで沸かした湯が所定温度になると開状態になる弁部により湯を流す温度流量制御弁としてのワックス弁を、上部の流出口に具備する加熱管と、該加熱管により沸かした湯を貯める貯湯タンクと、貯湯タンク下部と加熱管下部とを連結する下部管と、加熱管の流出口と貯湯タンク上部とを連結する上部管とを備える電気温水器において、弁部が閉状態から開状態になるときに、弁部の移動距離が所定の間隔に収束するように、温度流量制御弁と電気ヒータとの間隔を設定した。
【0013】
【作用】
本発明では、加熱管の電気ヒータと温度流量制御弁としてのワックス弁との間隔を変えると、温度流量制御弁の弁部の開閉に際して、弁部の移動距離が変化することを利用している。つまり、加熱管の弁部が閉状態から開状態になるときに、弁部の移動距離が所定の間隔に収束するように、温度流量制御弁と電気ヒータとの間隔を設定する。これにより、温度流量制御弁の負担を軽くするように、弁部の移動距離を調整する。
【0015】
【実施例】
次に、この発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、この発明の一実施例を示す概略図である。この実施例の電気温水器は、貯湯タンク1、上部管2、下部管3、加熱管10および制御手段20を備える。 この電気温水器の貯湯タンク1、上部管2および下部管3は、図4の電気温水器と同じものなので、説明を省略する。
【0017】
加熱管10は、図2に示すように、温度流量制御弁として図5に示すワックス弁11を上部の流出口10Aに備える。また、下部には、U字形の電気ヒータ12を備える。電気ヒータ12に電気を供給するための電線12Aは、制御手段20に接続されている。
【0018】
ワックス弁11の下部から電気ヒータ12の先端までの間隔Aは、加熱管10の容量と、電気ヒータ12の電気容量と、ワックス弁11の感知温度とに基づいて決められる。つまり、電気ヒータ12の容量が大きくなると、湯が速く沸くので、ワックス弁11の弁部51Dの開閉回数が多くなり、開閉周期が短くなる。このときには、間隔Aを長くして、弁部51Dの開閉回数を減らし、開閉周期を長くする。
【0019】
また、加熱管10の容量が大きくなると、湯が沸き上がるまでの時間が長くなるので、開閉回数は減るが、ワックス弁11の開状態が長くなる。同時に、ワックス弁11の温度検出部51Bが比較的長い時間、沸いた湯にさらされるので、温度検出部51B内のワックス(図示を省略)が完全に液体状態になり、伸縮部51Aの開閉運動距離Lがほぼ最大になる。このときには、間隔Aを短くして、ワックス弁11の開閉回数を多くすると共に、開閉運動距離Lを短くする。
【0020】
このように間隔Aを決めることにより、ワックス弁11の開閉運動距離をLaに収束するようにする。この間隔Aは、ワックス弁11の開閉周期や開閉運動距離を所定の値に決定し、ワックス弁11の負担を軽くする。また、開閉運動距離Laは、ワックス弁11の最大の開閉運動距離より短い値である。
【0021】
制御手段20は、電気ヒータ12への供給用の電力を出力する電源部21と、電源部21からの電力を電気ヒータ12へ供給する制御部22とを備える。また、制御部22には、電力の供給時間などが自動または手動で設定される。制御部22は、電力供給に際して、この設定時間の間だけ電気ヒータ12へ電力を供給する。
【0022】
次に、この実施例の動作を説明する。
【0023】
電気温水器に対する通電開始時刻になると、制御部22は、電気ヒータ12への電力の供給を開始する。この後、図3に示すように、通電開始から時刻がt1になると、ワックス弁11の弁部51Dが開閉運動距離L1だけ動いて、ワックス弁11は、開状態になる。
【0024】
この最初の開閉運動距離L1は、開閉運動距離の中で1番長い。これは、ワックス弁11の温度検出部51B内のワックス(図示を省略)が、通電開始時には固体状態であり、時間の経過と共に温度が上昇して液状になる。このときワックスの状態変化には、周囲の温度変化に対して時間的な遅れがある。この遅れの間に、加熱管10内の湯が所定温度より高くなる。この高温により、ワックスがほぼ液体状態になり、伸縮部51Aが長く延びる。この結果、開閉運動距離L1は、開閉運動距離の中で1番長くなる。
【0025】
ワックス弁11が開状態になると、加熱管10内の沸いた湯は、自然対流で上部管2を流れ、貯湯タンク1の上部に高温水101として貯えられる。同時に、低温水102が下部管3から加熱管10に流れ込む。これにより、加熱管10内の湯温が下がるので、ワックス弁11は、閉状態になる。
【0026】
時刻t1から時間T1が経過して、時刻t2になると湯が沸き、ワックス弁11の弁部51Dは再び開く。このときの開閉運動距離L2は、前回の開閉運動距離L1より急激に短くなる。これは、温度検出部51B内のワックスが最初のときより温められているので、ワックスの状態変化の時間的な遅れは、前回に比べて短くなるためである。
【0027】
さらに、時刻t2から時間T2が経過して、時刻t3になると、ワックス弁11の弁部51Dは、前回の開閉運動距離L2より少し短い開閉運動距離L3だけ動いて開状態になる。
【0028】
ワックス弁11が開閉を繰り返すと、ワックスの状態変化の時間的な遅れが短くなるので、弁部51Dの開閉運動距離は、Laに収束し、開閉周期は、Taに収束する。
【0029】
このように、ワックス弁11の負担にならない開閉運動距離Laと開閉周期Taとで、沸いた湯が自然対流で移動し、貯湯タンク1の上部から順に貯えられる。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に従えば、温度流量制御弁としてのワックス弁の寿命を延ばすことを可能にする電気温水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】加熱管の一例を示す断面図である。
【図3】ワックス弁の開閉を示す図である。
【図4】従来の電気温水器を示す図である。
【図5】ワックス弁の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 上部管
3 下部管
10 加熱管
10A 流出口
11 ワックス弁
12 電気ヒータ
Claims (1)
- 内部に備える電気ヒータで沸かした湯が所定温度になると開状態になる弁部により湯を流す温度流量調整弁としてのワックス弁を、上部の流出口に具備する加熱管と、該加熱管により沸かした湯を貯める貯湯タンクと、前記貯湯タンクの下部と前記加熱管の下部とを連結する下部管と、前記加熱管の流出口と前記貯湯タンクの上部とを連結する上部管とを備える電気温水器において、前記弁部が閉状態から開状態になるときに、前記弁部の移動距離が所定の間隔に収束するように、前記温度流量制御弁と前記電気ヒータとの間隔を設定したことを特徴とする電気温水器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31482993A JP3693685B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 電気温水器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31482993A JP3693685B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 電気温水器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07167497A JPH07167497A (ja) | 1995-07-04 |
JP3693685B2 true JP3693685B2 (ja) | 2005-09-07 |
Family
ID=18058102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31482993A Expired - Fee Related JP3693685B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 電気温水器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3693685B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP31482993A patent/JP3693685B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07167497A (ja) | 1995-07-04 |
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