JP3693655B2 - 液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造 - Google Patents

液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造、特に、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の隔壁交差構造に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、液体カーゴ積載船は、例えば、特開昭62−145894号第1図(特許文献1)に示されるように、その内部に複数のカーゴタンクを備えている。そして、近年では、このカーゴタンクを構成する隔壁は、縦横それぞれに波形構造の隔壁を使用することが行われる。
図6は、このような縦横に波形隔壁を使用するカーゴタンクの隔壁交差部の構造の概略を示す図であり、図6において、大きな矢印(FORE)は船首方向を、同矢印(AFT)は船の船尾方向を示す。また、符号1は、船の縦方向に配置されるカーゴタンクの一壁を構成する縦方向に配置される波形縦隔壁であり、2は、これと直行し、横方向に配置される波形横隔壁である。また、3は、これら縦横の波形隔壁1、2が交わる交差部であり、4は、この交差部3に設けられるアクセストランクである。
【0003】
図6に示されるように、これらの縦横の波形隔壁1、2は、波形隔壁であるがゆえに、その交差部3は、前記波形縦隔壁1の山部または谷部の延長上にこれに連なる波形縦隔壁1の山部または谷部が配置され、かつ、前記波形横隔壁2の山部または谷部の延長上にこれに連なる波形横隔壁2の山部または谷部が配置され、同交差部は、卍形の中心で1点で交差するように形成され、その周囲にカーゴA、カーゴB、カーゴC、カーゴDが形成される。そして、通常は、その交差部3の比較的広いスペースが存するカーゴC内に前記交差部に隣接して、かつ、前記縦横の隔壁1、2の一部1’、2’を利用して、ここに別途の断面方形構築物を形成し、これを前記アクセストランク4として形成される。
【0004】
ところが、図6に示されるように、カーゴ積載船の各カーゴタンクA、B、C、Dに満載の状態で積載する場合にはあまり問題とならないのであるが、満載しない場合には、荷重の偏重を避けるため、図7に示すように各カーゴタンクに交互に積み込みが行われる。例えば、図7に示すように、前記カーゴタンクAとカーゴタンクCには、カーゴの積み込みをするが、カーゴタンクBおよびカーゴタンクDは空にして積載する、いわゆる千鳥積みと称される積載や、それとは逆の積み方で図8に示されるような、前記カーゴタンクBおよび前記カーゴタンクDには積み込みはするが、他のカーゴタンクAおよびカーゴタンクCにはカーゴの積み込みをしない、いわゆる逆千鳥積みと称される積載を行う場合がある。
【0005】
図7は、複数のカーゴタンクに千鳥積みにより積載した場合を示す図であり、図8は、逆千鳥積みによる積載を示す図である。これら図7および図8において、ハッチングで示した部分はカーゴが積載された状態を示すもので、符号1,2等の使用する符号は、図6で示した同じ部材に対しては同じ符号で示す。
【0006】
千鳥積みによる積載の場合は、図7に示すように、その隔壁交差部3が一点に集中していることから、船の積み荷荷重により隔壁が変形し、矢印方向にθの変形量が加わったとした場合には、その交差部3では、図7に示されるように、交差部位の変形量は、前記アクセストランク4が配置された位置に対角する左右の変形量とあわせて2θの変形量となる。これは、積み荷荷重による変形で同じ変形量θが生じた場合であっても、この部分には2倍の変形量が加わることとなり、特にこの部位の溶接止端部に高い引っ張り応力を受けることを意味する。これは、この高い引っ張り応力によって、応力集中が起こり、クラックが発生するおそれがあることとなる。
【0007】
また、逆千鳥積みによる積載の場合には、第2象限に位置するカーゴタンクBに積み込まれるカーゴと、第4象限に位置するカーゴタンクDに積み込まれるカーゴとが、前記隔壁交差部3を介してカーゴ同士が線接触に位置するので、船舶の揺動その他で、この部位にクラックが発生した場合には、混在する危険があり、このような危険を伴うカーゴ同士は積み付け制限が課せられ、結果的にカーゴの積み付け制限を伴うこととなり、積載効率が悪かった。
【特許文献1】
特開昭62−145894号 第1図
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明は、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の隔壁の交差部において、波形隔壁の交差部を1点に集中させることなく、4点に分散させることによって、当該交差部に働く応力集中を緩和し、かつ、前記溶接止端部に高い引っ張り応力が作用することのなく、したがって、クラックによるカーゴの漏洩が防止でき、また、いかなる積み付けでもカーゴ同士を線接触させることがなく、積み付け上の制限がない液体カーゴ積載船のカーゴ隔壁構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る発明は、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部における液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁の山部と谷部が対向配置され、かつ、右舷側および左舷側から延設される波形横隔壁の山部と谷部が対向配置され、これら各山部と谷部の端部に断面方形状のアクセストランク構造の四隅が接合されたことを特徴とする。
本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、前記断面方形状のアクセストランク構造は、船首側および船尾側から延設される波形隔壁の山部と谷部および/または右舷側および左舷側から延設される波形隔壁の山部と谷部の各端部の高さ位置内に配置されることを特徴とする。
本願請求項3に係る発明は、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部における液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁に隔壁の山部と谷部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設けると共に、右舷側および左舷側から延設される前記波形横隔壁の谷部と山部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設け、これらの端部を頂点とする断面方形状のアクセストランク構造を有することを特徴とする。
本願請求項4に係る発明は、前記請求項3に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、前記断面方形状のアクセストランク構造が、断面菱形形状のアクセストランク構造であることを特徴とする。
本願請求項5に係る発明は、前記請求項3に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、前記断面方形状のアクセストランク構造の対角長が、前記船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁および前記右舷側および左舷側から延設される前記波形横隔壁の各山部および各谷部の間の高さ位置と同じ長さを有することを特徴とする。
本願請求項6に係る発明は、前記請求項1に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、前記船首側波形縦隔壁の山部端部が、前記左舷側波形横隔壁の谷部に接合され第1の交差部を形成し、前記左舷側波形横隔壁の谷部端部が、前記船尾側波形縦隔壁の谷部に接合され第2の交差部を形成し、前記船尾側波形縦隔壁の谷部端部が、前記右舷側波形横隔壁の山部に接合され第3の交差部を形成し、前記右舷側波形横隔壁の山部端部が、前記船首側波形縦隔壁山部に接合され第4の交差部を形成せしめ、前記第4の交差部と前記左舷側波形横隔壁の谷部を閉塞して当該部分を第2のアクセストランク構造として構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の液体カーゴ積載船のカーゴ隔壁構造の概略を示す図である。本発明の一実施の形態を示す図は、従来の波形隔壁を使用するカーゴタンクの隔壁交差部の構造の概略を示す図6と同じく、同一の部材、同一符号を用いて、その他、同じ矢印は同じ指示内容を示す。
【0011】
すなわち、図1においても、大きな矢印(FORE)は船首方向を、矢印(AFT)は船の船尾方向を示す。また、符号1は、船の縦方向に配置されるカーゴタンクの一壁を構成する波形縦隔壁を示し、符号2は、これと直行する波形横隔壁を示すと共に、前記交差部3を中心に第1象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクAと、同第2象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクBと、同第3、第4象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクC、カーゴタンクDと、前述のカーゴタンクの符号と同じ符号で示す。
【0012】
本実施の形態においては、縦横の波形隔壁が従来の波形隔壁構造のようにその交差部3が1点で交差することなく、図1に示すように、縦横の波形隔壁のそれぞれの山部と谷部端部に断面方形の構築物の四隅に接合させて、当該断面方形構築物を前記アクセストランク構造としたものである。
【0013】
すなわち、本願発明に係る第1の実施の形態の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造は、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部における液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁の山部と谷部が対向配置され、かつ、右舷側および左舷側から延設される波形横隔壁の山部と谷部が対向配置され、これら各山部と谷部の端部に断面方形状のアクセストランク構造の四隅が接合された構造を有するものである。より詳細に説明すると、前記断面方形の前記構築物は、船首側波形縦隔壁1の山部1aと、船尾側波形縦隔壁1の谷部1bの間の高さ位置に同寸法で配置され、同様に、左舷側波形横隔壁2の谷部2bと、右舷側波形横隔壁2の山部2aとの間の高さ位置に同寸法で配置され、かつ、各谷部と山部の端部に前記断面方形の構築物の四隅が接合され、当該部分を前記アクセストランク4として構成した構造を呈している。この結果、前記断面方形の構築物の四隅が第1ないし第4の交差部31、32、33、34を呈することとなる。
【0014】
このような構造の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造としたので、従来の隔壁交差部3は、それぞれの隔壁端部と隔壁山部との間の4点で支持されることとなり、したがって、そこに加えられる応力も分散することとなる。すなわち、この発明の前記船首側波形縦隔壁1の山部端部11は、前記左舷側波形横隔壁2の谷部2bに接合され第1の交差部31を形成し、前記左舷側波形横隔壁2の谷部端部21は、前記船尾側波形縦隔壁1の谷部1bに接合され第2の交差部32を形成し、前記船尾側波形縦隔壁1の谷部端部12は、前記右舷側波形横隔壁2の山部2aに接合され第3の交差部33を形成し、前記右舷側波形横隔壁2の山部端部22は、前記船首側波形縦隔壁1の山部1aに接合され第4の交差部34を形成し、当該4つの交差部31、32、33、34とそれぞれ各隔壁谷部端部11、2、1、2で接合され支持されることとなる。
【0015】
したがって、図2に示すように、カーゴタンクAおよびCにのみ積載するいわゆる千鳥積みを行った場合でも、積み荷荷重により隔壁が変形し、矢印方向にθの変形量が加わったとしても、各交差部31、32、33、34での変形量はどの点でもθとなる。このことは、均一に応力分散が行われることとなり、その分クラックの発生等を抑制することができることを意味する。
【0016】
図2は、このような構造の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造からなるカーゴタンクAおよびカーゴタンクCにカーゴを積載した、いわゆる千鳥積みを行った場合を示すもので、ハッチングの部分はカーゴが積載されていることを示す。
このような構造の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造からなるカーゴタンクAおよびカーゴタンクCにカーゴを積載するいわゆる千鳥積みを行った場合には、図2に示すように、従来の千鳥積みの場合に比し、積み荷荷重で各部にθの変形が生じたとしても、各部の変形量が分散され、従来のように2倍もの応力が加わるようなことはなく、したがって、交差部に働く応力集中は緩和され、溶接止端部に高い引っ張り応力が作用することがなくなることを示している。
【0017】
また、図3は、逆千鳥積みの場合を示すもので、このような構造の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造からなるカーゴタンクBおよびカーゴタンクDにカーゴを積載した、いわゆる千鳥積みを行った場合にも、従来のように、カーゴタンクBに積み込まれるカーゴと、カーゴタンクDに積み込まれるカーゴとが、従来のように一点からなる前記隔壁交差部を介してカーゴ同士が線接触に位置することがなく、船舶の揺動その他で、この部位にクラックが発生したりしたとしても、カーゴ混在の危険がなく、その分、カーゴ同士の積み付け制限が課せられることもなくなる。したがって、結果的に積載効率が向上することとなる。
【0018】
なお、上記第1の実施の形態に係る液体カーゴ積載船のカーゴ隔壁構造においては、前記断面方形の構築物は、船首側波形縦隔壁1の山部1aと、船尾側波形縦隔壁1の谷部1bの間の高さ位置および左舷側波形横隔壁2の谷部2bと、右舷側波形横隔壁2の山部2aとの間の高さ位置と同寸法で配置される高さを有するものとしたが、これは、この高さ寸法に限るものではなく、これよりも大きいまたは小さな寸法を有するものであって良い。
【0019】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造を示す図である。本発明の第2の実施の形態を示す図4では、従来の波形隔壁を使用するカーゴタンクの隔壁交差部の構造の概略を示す図6や本発明の第1の実施の形態の概略を示す図1と同じく、同一の部材は同一符号を用い、また、同じ表現は同じ指示内容を示す。すなわち、図4においても、大きな矢印(FORE)は船首方向を、矢印(AFT)は船の船尾方向を示し、符号1は、船の縦方向に配置されるカーゴタンクの一壁を構成する波形縦隔壁を示し、符号2は、これと直交する波形横隔壁を示すと共に、縦横の波形隔壁が交差する点を中心に第1象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクAと、同第2象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクBと、同第3、第4象限に位置するカーゴタンクをカーゴタンクC、カーゴタンクDと、前述のカーゴタンクの符号と同じ符号で示す。
【0020】
この第2の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造においては、図4に示すように、縦横の波形隔壁の交差部において、前記波形縦隔壁1および前記波形横隔壁2の山部および谷部の中間位置にそれぞれ中間山部または谷部を設け、その延長上に各頂点が位置し、前記山部および谷部の幅の間に配置される断面方形状のアクセストランク構造を配置し、縦横の波形隔壁が従来の波形隔壁構造のようにその交差部1点で交差することないようにしたものである。
【0021】
すなわち、この第2の実施の形態に係る液体カーゴ積載船の波形隔壁交差構造は、これらの波形縦隔壁1および波形横隔壁2が交差する位置に、これら各波形隔壁の山部および谷部の中間位置に中間山部または中間谷部ともいうべき波形端部13、14、23、24を延設し、その延長上に各頂点が位置する断面方形のアクセストランク構造43を配置したものである。
【0022】
より詳細に説明すれば、本願発明の第2の実施の形態に係る液体カーゴ積載船の波形隔壁交差構造は、液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部における液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁に隔壁の山部と谷部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設けると共に、右舷側および左舷側から延設される前記波形横隔壁の谷部と山部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設け、これらの端部を頂点とする断面方形状のアクセストランク構造を有することを特徴とするものである。
【0023】
なお、本実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造においては、前記断面正方形のアクセストランク構造43は、その対角長を前記縦横の波形隔壁の山部および谷部の高さ間に配置される寸法形状としたが、この対角長に限るものでないことはいうまでもなく、したがって、断面正方形でなくても、断面菱形であってもよいことはいうまでもない。
【0024】
このような配置構造としたので、本願発明の第1の実施の形態に示したと同様に、前記波形縦隔壁1と前記波形横隔壁2の交差部が1点交差を呈することなく、上記第1の実施の形態と同様に4点で分散させる構造としたことを特徴とする。したがって、交差部に働く応力集中は、上記第1の実施の形態と同じく、4点に分散され、かつ、緩和されるので、したがって、その分、その溶接止端部に高い引っ張り応力が作用することがない。
【0025】
このことは、例え、積み荷荷重によって、接合各部に所定の変形が生じたとしても、その変形量θは、各部において均一に生じ、千鳥積みを行ったような場合でも、従来の波形縦隔壁1と波形横隔壁2において発生したような各部の変形量θに比し2倍の変形量2θとなるような応力が発生することがなく、その分クラックの発生も低減できることとなる。
また、前記第1の実施の形態と同様に、逆千鳥積みの場合でも、隣接するカーゴが線接触となるような事態が発生せず、危険度が少なく、その分積み付け制限がなく積載効率が向上する。
【0026】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造を示す図である。本発明の第3の実施の形態を示す図5においても、大きな矢印(FORE)は船首方向を、矢印(AFT)は船の船尾方向を示し、符号1は、船の縦方向に配置されるカーゴタンクの一壁を構成する波形縦隔壁を示し、符号2は、これと直行する波形横隔壁を示すと共に、縦横の波形隔壁が交差する点を中心にカーゴタンクA、カーゴタンクB、カーゴタンクC、カーゴタンクDが配置され、これらのカーゴタンクA、B、C、Dは前述のカーゴタンクの符号と同じ符号で示す。
【0027】
本発明に係る第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に係る液体カーゴ積載船のカーゴ隔壁構造において、前記船首側波形縦隔壁1の山部端部11は、前記左舷側波形横隔壁2の谷部2bに接合され第1の交差部31を形成し、前記左舷側波形横隔壁2の谷部端部21は、前記船尾側波形縦隔壁1の谷部1bに接合され第2の交差部32を形成し、前記船尾側波形縦隔壁1の谷部端部12は、前記右舷側波形横隔壁2の山部2aに接合され第3の交差部33を形成し、前記右舷側波形横隔壁2の山部端部22は、前記船首側波形縦隔壁1の山部1aに接合され第4の交差部34を形成せしめるように構成したが、この第4の交差部34と前記前記左舷側波形横隔壁2の谷部を閉塞して当該部分を第2のアクセストランク4bとして構成したものである。
【0028】
これは、この種のカーゴタンクは、積載カーゴを吸い出すポンプ手段(図示外)が設けられるが、このポンプ手段の配置位置が、この交差部34と前記左舷側波形横隔壁2の山部との間に挟まれた狭隘部の近辺に位置するのが通常であり、このような場合、この狭隘部に積載カーゴが残留するおそれがあり、そのような場合には、上記第1の実施の形態に加えて、この狭隘部分を閉塞して、当該部分を第2のアクセストランク4bとして構成したものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造においては、カーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部に働く力を分散させる構造としたので、交差部における応力集中を低減させ、この部分でのクラックの発生によるカーゴの漏洩が防止でき、カーゴの安全性を確保できるという効果を有する。
また、本発明に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造を有する液体カーゴ積載船においては、千鳥積みや逆千鳥積みを行う場合にも、隣接するカーゴタンクにおいて、カーゴが線接触となるような事態を避けることができるようにしたので、積み付け上の制限をなくし、荷役効率を向上させ、従来より、実質的に多くの荷物を積載することを可能とするという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る第1の実施の形態の液体カーゴ積載船のカーゴ隔壁構造の概略を示す図である。
【図2】 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造からなるカーゴタンクAおよびカーゴタンクCにカーゴを積載した、いわゆる千鳥積みを行った場合を示す図である。
【図3】 図3は、逆千鳥積みの場合を示す図である。
【図4】 図4は、本発明の第2の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造を示す図である。
【図5】 図5は、本発明の第3の実施の形態に係る液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造を示す図である。
【図6】 図6は、このような縦横に波形隔壁を使用するカーゴタンクの隔壁交差部の構造の概略を示す図である。
【図7】 図7は、複数のカーゴタンクに千鳥積みにより積載した場合を示す図である。
【図8】 図8は、逆千鳥積みによる積載を示す図である。
【符号の説明】
FORE 船首方向
AFT 船尾方向
A カーゴタンク
B カーゴタンク
C カーゴタンク
D カーゴタンク
1 波形縦隔壁
2 波形横隔壁
1’、2’ 隔壁の一部
、1 波形縦隔壁端部
、2 波形横隔壁端部
1a、2a 山部
1b、2b 谷部
、1、2、2 波形端部
3、31、32、33、34 交差部
4、4b、43 アクセストランク
θ 変形量

Claims (6)

  1. 液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁の山部と谷部が対向配置され、かつ、右舷側および左舷側から延設される波形横隔壁の山部と谷部が対向配置され、これら各山部と谷部の端部に断面方形状のアクセストランク構造の四隅が接合されたことを特徴とする液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
  2. 前記断面方形状のアクセストランク構造は、船首側および船尾側から延設される波形隔壁の山部と谷部および/または右舷側および左舷側から延設される波形隔壁の山部と谷部の各端部の高さ位置内に配置されることを特徴とする前記請求項1に記載の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
  3. 液体カーゴ積載船のカーゴタンクを構成する縦横の波形隔壁の交差部において、船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁に隔壁の山部と谷部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設けると共に、右舷側および左舷側から延設される前記波形横隔壁の谷部と山部の中間位置に配置される中間谷部端部または中間山部端部を設け、これらの端部を頂点とする断面方形状のアクセストランク構造を有することを特徴とする液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
  4. 前記断面方形状のアクセストランク構造が、断面菱形形状のアクセストランク構造であることを特徴とする前記請求項3に記載の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
  5. 前記断面方形状のアクセストランク構造の対角長が、前記船首側および船尾側から延設される波形縦隔壁および前記右舷側および左舷側から延設される前記波形横隔壁の各山部および各谷部の間の高さ位置と同じ長さを有することを特徴とする前記請求項3に記載の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
  6. 前記請求項1に記載の液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造において、前記船首側波形縦隔壁の山部端部が、前記左舷側波形横隔壁の谷部に接合され第1の交差部を形成し、前記左舷側波形横隔壁の谷部端部が、前記船尾側波形縦隔壁の谷部に接合され第2の交差部を形成し、前記船尾側波形縦隔壁の谷部端部が、前記右舷側波形横隔壁の山部に接合され第3の交差部を形成し、前記右舷側波形横隔壁の山部端部が、前記船首側波形縦隔壁の山部に接合され第4の交差部を形成せしめ、前記第4の交差部と前記左舷側波形横隔壁の谷部を閉塞して当該部分を第2のアクセストランク構造として構成したことを特徴とする液体カーゴ積載船波形隔壁交差構造。
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