JP3693304B2 - 多重放送用受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばFM放送電波に多重化された所定データを受信して、当該受信された所定データを画面表示させる表示機能を備えた多重放送用受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばFM放送電波に様々な情報に係わる所定データを多重化したFM多重放送が行われている。
【0003】
このようなFM多重放送を受信する多重放送用受信装置としては、当該FM多重放送を受信し、当該受信されたFM多重放送から通常のFM放送電波である音声信号を抽出し、当該抽出された音声信号を音声出力する通常のラジオ機能と、前記FM多重放送から所定データを抽出し、当該抽出された所定データを記憶し、当該記憶された所定データを画面表示させる所定データ表示機能とを有するFM多重受信機が知られている。
【0004】
つまり、当該FM多重受信機の特徴とするところは、ユーザーが通常の音声放送を受聴しながら、当該表示機能の画面表示により放送局側から送信される様々な情報を認識することができるというものである。
【0005】
また、当該FM多重放送局から送信される所定データとしては、例えば歌番組等にて演奏中の曲に係わる情報、例えば曲名や歌手名等の情報を通知するための補完情報番組や、各地域の交通状況に係わる情報、例えば渋滞に係わる区間名及びその距離等の情報を通知するための交通情報番組や、各地域の天候状態に係わる情報、例えば各地域の天気予報等の情報を通知するための天気情報番組や、地震等の災害時に発する緊急事態に係わる情報を通知するための緊急情報番組や、ニュースを通知するためのニュース情報番組や、これら各情報番組を識別するための目次を通知する目次情報番組等と様々である。
【0006】
また、これらの各情報番組は、通常の音声放送における音声出力に連動して所定データを表示出力させることにより機能する前記補完情報番組等の逐次番組と、通常の音声放送における音声出力に連動する必要もなく、所定データを表示出力させることにより機能する前記交通情報番組、天気情報番組、ニュース情報番組といった記録番組と、他のモード中であっても受信されると現在表示中の表示を中断して割込表示させる前記緊急情報番組等の割込番組との3種類の情報番組に分別される。尚、前記記録番組等は通常の音声放送に連動する必要もなく、放送局側から送信される所定データであり、例えばニュース情報番組や交通情報番組及び天気情報番組等は定期的な時間帯に放送局側から送信されるものである。
【0007】
しかしながら、このような所定データを受信するFM多重受信機によれば、自動車のアクセサリー電源をOFF(以下、単にACC−OFFと称する)又は当該受信機の電源をOFF(以下、単にPOWER−OFFと称する)した場合、当該ACC−OFF又はPOWER−OFF後に放送局側から送信される所定データを受信することができず、ユーザーは当該ACC−OFF又はPOWER−OFF中に送信された所定データを認識することができないといった事態が生じた。
【0008】
そこで、このような事態を打開するために、ACC−OFF又はPOWER−OFF中であったとしても、当該受信機のバックアップ電源を利用することにより、当該放送局から送信される所定データを受信し、当該受信された所定データをメモリに記憶更新させるようにしたFM多重受信機が提案されている。
【0009】
このようなFM多重受信機によれば、当該ACC−OFF又はPOWER−OFFを検知すると、当該受信機側のバックアップ電源を利用して当該受信機全体に電力を供給することにより、当該放送局側から送信される所定データを受信することができ、当該受信された所定データを前記メモリに記憶更新するようにしたので、当該受信機のユーザーは、ACC−OFF又はPOWER−OFF中であったとしても、更新される所定データの内容を電源ON時に把握することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記一般的な多重放送用受信装置を適用したFM多重受信機によれば、当該ACC−OFF又はPOWER−OFFを検知すると、当該受信機側のバックアップ電源をONにして、当該受信機全体に電力を供給することにより、当該放送局から送信される所定データを受信し、当該受信された所定データを前記メモリに記憶更新するようにしたが、当該バックアップ電源は当該ACC−OFF又はPOWER−OFF後における受信機全体への電力供給を継続しなければならず、交換作業の困難なバックアップ電源の消耗が著しいといった問題点があった。
【0011】
また、当該ACC−OFF又はPOWER−OFF中にデータ更新を行ったとしても、ユーザーはPOWER−ONにしなければ、当該データ更新の有無を把握することができないといった第2の問題点があった。
【0012】
本発明は上記第1の問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的とするところは、ACC−OFF又はPOWER−OFF時のデータ更新に要するバックアップ電源の消費電力を最小限に抑えることができる多重放送用受信装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明は上記第2の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーがPOWER−ONにしなくても、データ更新の有無を把握することができる多重放送用受信装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために本発明の多重放送用受信装置によれば、所定データを多重化した放送電波を受信する受信手段と、当該受信された放送電波から所定データを抽出する所定データ抽出手段と、当該抽出された所定データを記憶更新する記憶手段と、装置内に電力を供給する内部電力供給手段と、任意の作動対象時間を設定入力する設定入力手段と、外部からの電力供給停止を検知すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を開始し、前記受信手段にて放送電波を受信させ、当該受信された放送電波から所定データを前記所定データ抽出手段にて抽出させ、当該抽出された所定データを前記記憶手段に記憶更新させ、当該内部電力供給手段の電力供給開始から当該作動対象時間が経過すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を停止する制御手段とを有して構成し、前記設定入力手段は、前記作動対象時間及び当該作動対象時間内にて断続的に実行されるデータ受信動作の回数として受信作動回数を設定入力するものであり、前記制御手段は、外部からの電力供給停止を検知すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を開始し、当該受信される放送電波から所定データを抽出させ、当該抽出された所定データを前記記憶手段に記憶更新させた後に前記内部電力供給手段からの電力供給を停止する一連のデータ受信動作を実行し、当該データ受信動作を実行する毎に実行回数をカウントし、当該カウントされた実行回数が前記設定入力された受信作動回数に達するまで当該データ受信動作を実行することを特徴とする。
【0015】
上記第2の目的を達成するために本発明の多重放送用受信装置によれば、データ更新の有無を報知する報知信号に応じて当該データ更新の有無を報知する報知手段を有し、前記制御手段は、前記外部からの電力供給停止時に前記記憶手段にて所定データの記憶更新を検知すると、前記報知信号を送出することを特徴とする。
【0016】
【作用】
かかる第1の構成により、本発明の多重放送用受信装置によれば、前記設定入力手段により任意の作動対象時間を設定し、当該設定後に外部からの電力供給停止、すなわちACC−OFF又はPOWER−OFFを検知すると、前記内部電力供給手段であるバックアップ電源からの電力供給を開始し、受信手段にて放送電波を受信させ、当該受信された放送電波から所定データを所定データ抽出手段にて抽出させ、当該抽出された所定データを記憶手段に記憶更新させ、当該バックアップ電源の電力供給開始から当該作動対象時間が経過すると、前記バックアップ電源からの電力供給を停止するようにしたので、当該POWER−OFFやACC−OFF中のデータ記憶更新時において、当該バックアップ電源のバッテリー容量を考えながら前記設定入力手段により任意の作動対象時間を設定することができ、強いては当該バックアップ電源の消費電力を最小限に抑えることができる。
【0017】
かかる第2の構成により、本発明の多重放送用受信装置によれば、POWER−OFFやACC−OFF中に送信された所定データを記憶更新する場合、当該記憶更新されたことを報知手段により報知するようにしたので、当該ユーザーは、当該POWER−ONにしなくとも、当該報知手段の報知に基づいて所定データの記憶更新がなされたことを把握することができる。
【0018】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の多重放送用受信装置を適用したFM多重受信機の実施例について説明する。図1は本発明を適用したFM多重受信機の概略構成を示すブロック図である。図3は当該FM多重受信機における表示部を示す平面図である。
【0019】
当該FM多重受信機は、主にラジオチューナー機能と当該ラジオチューナー機能にて受信されたFM放送電波に多重化された所定データを抽出する所定データ抽出機能とを主体とするシステム機能部10と、当該所定データ抽出機能にて抽出された所定データを選択し、当該選択された所定データを表示させる選択表示機能を主体とする表示機能部20とを有している。
【0020】
前記システム機能部10は、多重放送局から到来するFM多重放送電波を受信する受信アンテナ11と、後述するPLL部12からの電圧信号により所望周波数を前記受信アンテナ11より受信し、当該受信されたFM多重放送電波を同調する受信手段であるチューナー部13と、後述するシステム用マイコン14からのコントロールデータに基づいて受信周波数に対応した前記電圧信号を発生するPLL部12と、当該チューナー部13にて同調されたFM多重放送電波から所定データを解読する所定データ抽出手段であるデコーダ部15と、当該解読された所定データを記憶する記憶手段であるSRAM16と、外部からの当該受信機全体に対する電力供給をON/OFFする電源部17と、当該電源部17とは異なる受信機内の内部電力供給手段であるバックアップ電源部18と、当該システム機能部10全体を制御する制御手段であるシステム用マイコン14とを有している。
【0021】
尚、前記バックアップ電源部18は、前記電源部17からの電力供給をOFFすると、当該システム用マイコン14からの指令により、当該システム用マイコン14に対して電力供給を行うものである。また、当該システム用マイコン14はメモリ機能及びタイマー機能を有している。
【0022】
前記電源部17は、当該受信機への電力供給をON/OFFするものであり、当該バックアップ電源部18は、当該ACC−OFF又はPOWER−OFFであったとしても当該装置内の主にシステム用マイコン14に電力供給を開始するものである。
【0023】
前記表示機能部20は、様々な指令を入力するキー入力部21と、様々な情報を点灯表示するイルミネーション部22と、様々な情報を表示する表示部23と、当該表示部23を駆動制御する表示用ドライバー24と、当該表示部23に表示する文字データを格納した漢字ROM25と、様々な情報をビープ音にて報知するビープ部26と、当該表示機能部20全体を制御する表示用マイコン27とを有している。尚、前記システム用マイコン14と当該表示用マイコン27とは、両者間にてデータ通信を行うと共に、当該システム用マイコン14は前記電源17から当該表示用マイコン27に対して電力供給を行うものである。
【0024】
前記表示機能部20の表示部23は、図3に示すように補足的な情報、例えば現在実行中のモード名や情報番組名を表示する31文字×0.5行のコメント表示領域23aと、本文情報、例えば前記情報番組名や当該情報番組に係わるデータ内容であるページデータを表示する15.5文字×2行の本文情報表示領域23bとを有している。
【0025】
また、当該FM多重受信機は、通常のFMラジオ放送を受聴するチューナーモードと、当該SRAM16に記憶中の所定データを前記表示部23に表示させる多重モードと、後述する設定データを入力可能とするアジャストモードとを有している。従って、前記表示機能部20のキー入力部21は、各モードに応じて各キー毎に機能を異にするものである。
【0026】
では、各モード毎に異なる各キーの機能について説明する。図2は当該FM多重受信機における前記表示機能20の外観であるエスカッション部20aを示す平面図である。
【0027】
図2に示すように当該エスカッション部20aにおけるチューナーモード時のキー入力部21としては、ワンタッチ操作にて各放送局の放送電波をシークするシークUP/DOWNキー40と、マニュアル操作にて各放送局の放送電波をシークするマニュアルUP/DOWNキー41と、様々な機能を呼び出すアジャストキー42と、当該受信機への電力供給に対するON・OFF(POWER−ON/POWER−OFF)及びモードを切り換える電源・モード切換キー43と、現在時刻を前記表示部23に表示させるクロックキー44と、ワンタッチ操作により自動的に各放送局の放送電波を受信して、当該受信された最大6放送局までの受信周波数を当該装置内に自動登録させるオートストアキー45と、当該オートストアキー45により自動登録された受信周波数の放送局をワンタッチ操作で受信することができる6つのプリセットキー46とを有している。尚、前記電源・モード切換キー43は、電源OFF中に当該キー43を押下すると当該電源をONとし、電源ON中に当該キー43を短押しするとモードを切り換え、当該電源ON中に当該キー43を長押しすると電源をOFFとするものである。
【0028】
また、各プリセットキー46に割り当てられた番号部分46aには、前記表示機能部20のイルミネーション部22が夫々備えられている。
【0029】
次に当該エスカッション部20aにおけるアジャストモード時のキー入力部21としては、前記シークUP/DOWNキー40を後述する設定データを選択するキーとしており、当該シークUP/DOWNキー40以外のキーはチューナーモード時と同一機能を有している。
【0030】
次に当該エスカッション部20aにおける多重モード時のキー入力部21としては、前記アジャストキー42、電源・モード切換キー43及びクロックキー44に関してはチューナーモード時と同一機能を有するものであるが、前記マニュアルUP/DOWNキー41は後述する階層化された所定データにおける同階層内の次項目を表示指定する同階層次項目指定キー(以下、単にAキーと称する)41a及び同階層内の前項目を表示指定する同階層前項目指定キー(以下、単にBキーと称する)41bとし、前記シークUP/DOWNキー40は最下位階層である第2階層に従属するページデータを指定するページ指定キー40aとし、前記オートストアキー45は情報メモリキー45aとし、前記プリセットキー46は当該表示部23に表示中の目次・項目を表示番号にて選択する目次・項目選択キー46bとし、これらキー以外に現在表示中の階層から当該階層を従属する上位階層を前階層として表示指定する前階層指定キー(以下、単にCキーと称する)47とを有している。
【0031】
当該所定データは、FM多重放送局側の基本フォーマットにより次に説明するような階層構造から構成されている。図4は当該所定データの階層構造を端的に示す説明図である。尚、前記システム用マイコン14は、これら階層化された所定データの各情報を識別する識別データを予め把握しているものとする。
【0032】
当該階層構造としては、図4に示すように最上位階層と、当該最上位階層に従属される第1階層と、当該第1階層に従属される第2階層とにより構成されている。尚、各階層の従属関係に基づいて上位階層又は下位階層という用語を使用するが、例えば第1階層に従属される第2階層は、第1階層に対して下位階層であり、当該第1階層は第2階層に対して上位階層とするものである。
【0033】
前記最上位階層には、初期画面としての前記目次情報番組が配置されており、前記第1階層には当該目次情報番組内の前記情報番組が配置されており、前記第2階層には当該情報番組内の項目情報が配置されている。尚、当該所定データの基本フォーマットとしては、前記目次情報番組には最大6つまでの情報番組が、各情報番組には最大6つまでの項目情報が、これら各項目情報には最大64ページまでのデータ内容に相当するページデータが配置されている。
【0034】
では、次に当該FM多重受信機の動作について説明する。
【0035】
前記システム用マイコン14は、前記キー入力部21から多重モードに移行するための電源・モード切換キー43の入力を前記表示用マイコン27を介して受けると、当該FM多重受信機のモードを多重モードに移行する。
【0036】
当該システム用マイコン14は、多重モードに移行すると、当該SRAM16から最上位階層に配置された目次情報番組を前記表示用マイコン27を介して前記表示部23に表示させる。この際、当該表示部23の本文表示領域23bには図5に示すように「1.補完情報」、「2.交通情報」が表示され、前記コメント表示領域23aには「タジュウモード」が表示される。
【0037】
先に説明したように最大6番組までの情報番組に係わる所定データを放送局側から送信されるものであるが、現在表示中の「1.補完情報」及び「2.交通情報」以外の次の情報番組に相当する情報番組を表示したい場合には前記Aキー41aを入力すれば良く、当該Aキー41aが入力されると、当該表示部23の本文表示領域23bには次の情報番組である「3.ニュース情報」及び「4.天気情報」が表示される。
【0038】
また、再び当該本文表示領域23bに「1.補完情報」及び「2.交通情報」を表示させたい場合には、前記Bキー41bを入力すれば良い。
【0039】
当該本文表示領域23bにおいて「1.補完情報」及び「2.交通情報」の表示中に前記目次・項目選択キー46bの“1”が入力されると、「1.補完情報」が選択されたことになり前記SRAM16から「1.補完情報」に係わる第1階層としての補完情報番組を読み出し、当該読み出された補完情報番組を前記表示用マイコン27を介して図5(a)に示すように前記本文表示領域23bに反転表示させると共に、当該補完情報番組名を前記コメント表示領域23aに表示させる。
【0040】
次に前記システム用マイコン14は、当該SRAM16から第2階層としての当該補完情報番組に係わる項目情報を読み出し、当該読み出された項目情報を前記表示用マイコン27を介して前記本文表示領域23bに表示させる。この際においても、当該項目情報は最大6つまでの項目情報が放送局側から送信されるものであり、各項目情報を選択する場合には前記Aキー41a又はBキー41bを使用するものである。
【0041】
当該本文表示領域23bに表示された項目情報を前記目次・番組選択キー46bにより所望の項目情報を選択し、当該選択された項目情報に係わるページデータを前記SRAM16から読み出し、当該読み出されたページデータを前記本文表示領域23bに各ページ毎に表示させる。尚、当該項目情報としては、最下位階層である第2階層に従属するページデータを有し、各ページデータは最大64ページのデータを有している。
【0042】
当該所望ページデータの選択操作は前記ページ指定キー40aにより選択し、当該選択されたページデータを前記SRAM16から読み出し、当該読み出されたデータを前記本文表示領域23bに表示させる。
【0043】
尚、当該表示部23の本文表示領域23bには、補完情報番組を選択した場合には図5(b)に示すように補完情報番組に係わるページデータが、又は交通情報番組を選択した場合には図5(c)に示すように交通情報番組に係わるページデータが、又は天気情報番組を選択した場合には図5(d)に示すように天気情報番組に係わるページデータが表示される。
【0044】
では、次に本発明の主眼となるアップデート処理について説明する。
【0045】
当該アップデート処理とは、ACC−OFF又はPOWER−OFF時の所定データ受信及び所定データ記憶更新、つまり、アップデート動作に要するバックアップ電源部18の消費電力を最小限に抑える処理である。
【0046】
当該アップデート処理に必要な設定データについて説明する。当該システム用マイコン14の図示せぬメモリには、次に説明するような各種の設定データが記憶されている。
【0047】
当該設定データには、当該アップデート受信作動の対象時間を示す作動対象時間と、当該作動対象時間内にてアップデート受信を起動させる受信作動回数である作動回数とを有しており、例えば次の5種類がある。
【0048】
1.OFF(アップデート機能OFF)
2.作動対象時間1時間、作動回数2回
3.作動対象時間1時間、作動回数6回
4.作動対象時間2時間、作動回数4回
5.作動対象時間2時間、作動回数12回
尚、当該作動対象時間及び作動回数が多ければ多いほど、当該バックアップ電源部18の消費電力を多くなる。
【0049】
まず、当該システム用マイコン14は、当該キー入力部21のアジャストキー42が入力されると、アジャストモードに移行する。当該アジャストモード時において、ユーザーは前記キー入力部21のシークUP/DOWNキー40により上記5種類の中から所望の設定データを選択し、当該選択された設定データを当該システム用マイコン14に設定する。
【0050】
当該システム用マイコン14は、当該設定データが設定された後にACC−OFF又はPOWER−OFFを検知すると、次に説明するようなアップデート処理に移行する。図6は当該FM多重受信機のアップデート処理におけるシステム用マイコン14の処理動作を示すフローチャートである。
【0051】
図6においてシステム用マイコン14は、ACC−OFF又はPOWER−OFFであるか否かを判定する(ステップS11)。当該ACC−OFF又はPOWER−OFFであれば、当該ACC−OFF又はPOWER−OFF前に設定された設定データがあるか否かを判定する(ステップS12)。
【0052】
当該設定された設定データがあれば、当該設定データが前記アップデート機能OFFであるか否かを判定する(ステップS13)。当該設定データがアップデート機能OFFでなければ、当該設定された設定データに基づいて、前記作動対象時間内にアップデート受信を起動させる起動タイマーのタイマー値を算出する(ステップS14)。
【0053】
尚、当該起動タイマーのタイマー値は、(作動対象時間÷作動回数−アップデート動作時間)の式により算出される。前記アップデート動作時間は当該アップデート動作に要する所定時間に相当するものである。また、当該タイマー値は、各アップデート動作間のインターバル時間に相当するものである。
【0054】
当該システム用マイコン14は、ステップ14にて算出されたタイマー値を当該起動タイマーにセットすると共に、当該設定データに基づいて作動回数を作動カウンタにセットし(ステップS15)、当該セットされた起動タイマーをスタートし(ステップS16)、当該起動タイマーがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS17)。尚、当該システム用マイコン14は、前記起動タイマー及び作動カウンタの機能を有している。当該起動タイマーは前記PLL部12のタイムベース信号を入力する毎(125msec毎)にカウントアップされるものであり、タイムアップするものである。
【0055】
ステップS17にて当該起動タイマーがタイムアップしたのであれば、当該受信機内において必要最小限の所定データ受信及び当該所定データ記憶更新、つまりアップデート動作に係る部位、例えば前記チューナー部13、PLL部12、デコーダ部15及びSRAM16に前記バックアップ電源部18からの電力供給を開始し(ステップS18)、図7に示すM1に移行する。
【0056】
また、ステップS11にてACC−OFF又はPOWER−OFFでなければ、又はステップS12にて選択された設定データがなければ、又はステップS13にて設定データがアップデート機能OFFであれば、当該アップデート処理を終了する。
【0057】
また、ステップS17にて起動タイマーがタイムアップしたのでなければ、当該ACC−ON又はPOWER−ONであるか否かを判定する(ステップS19)。当該ACC−ON又はPOWER−ONであれば、当該起動タイマー及び作動カウンタをリセットし(ステップS20)、当該アップデート処理を終了する。
【0058】
また、ステップS19にて当該ACC−ON又はPOWER−ONでなければ、ステップS17に移行する。
【0059】
図7に示すM1においてシステム用マイコン14は、当該アップデート動作時間を監視するアップデート作動タイマーをセット及びスタートし(ステップS31)、先の前記バックアップ電源部18からの電力供給により前記チューナー部13及びPLL部12にて放送電波を受信し、当該受信された放送電波から前記デコーダ部15にて所定データを抽出し、当該抽出された所定データを前記SRAM16に記憶更新させ(ステップS32)、ステップS31にてスタートされたアップデート作動タイマーがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS33)。尚、当該システム用マイコン14は、当該アップデート作動タイマーの機能を有している。
【0060】
当該アップデート作動タイマーがタイムアップしたのであれば、前記チューナー部13、PLL部12、デコーダ部15及びSRAM16に対する前記バックアップ電源部18からの電力供給を停止し(ステップS34)、前記作動カウンタにセットされた作動回数を−1デクリメントし(ステップS35)、前記SRAM16に新規の所定データが記憶更新されたことを通知するために前記表示機能部20のイルミネーション部22に対して点滅表示処理を実行させ(ステップS36)、当該作動カウンタの作動回数が“0”になったか否かを判定する(ステップS37)。尚、ステップS36にて前記イルミネーション部22に対する点滅表示処理は、ACC−OFF又はPOWER−OFF中に新規の所定データが記憶更新されたことをユーザーに通知するものである。
【0061】
ステップS37にて当該作動カウンタの作動回数が“0”であれば、当該アップデート処理を終了する。また、当該作動カウンタの作動回数が“0”でなければ、図6に示すM2に移行する。
【0062】
また、ステップS33にてアップデート作動タイマーがタイムアップしたのでなければ、ACC−ON又はPOWER−ONであるか否かを判定する(ステップS38)。当該ACC−ON又はPOWER−ONであれば、当該アップデート作動タイマー及び作動カウンタをリセットし(ステップS39)、当該アップデート処理を終了する。
【0063】
また、ステップS38にてACC−ON又はPOWER−ONでなければ、ステップS32に移行する。
【0064】
尚、請求項2記載の一連のデータ受信動作とは、アップデート動作に相当するものであり、つまり、図6に示すステップS18、図7に示すステップS31、32、33及び34までの処理動作に相当するものである。
【0065】
従って、上記実施例によれば、ユーザーは前記シークUP/DOWNキー40によりバックアップ電源部18のバッテリー容量を考慮した設定データ、すなわち作動対象時間及び当該作動対象時間内における一連のデータ受信動作、つまりアップデート動作に係わる作動回数を任意に選択するようにしたので、当該ACC−OFF又はPOWER−OFF時の新規所定データ記憶更新に係わるバックアップ電源部18の消費電力を最小限に抑えることができる。
【0066】
しかも、当該データ受信動作時におけるバックアップ電源部18の電力供給対象は、当該アップデート動作に係わる必要最小限の部位のみを対象としたので、当該バックアップ電源部18の消費電力を一層最小限に抑えることができる。
【0067】
また、ACC−OFF又はPOWER−OFF中に送信された所定データを記憶更新した場合、前記イルミネーション部22を点滅表示させるようにしたので、ユーザーは、当該受信機のPOWERをONにしなくとも、当該イルミネーション部22の点滅表示に基づいて所定データの記憶更新がなされたことを把握することができる。
【0068】
尚、上記実施例においては、例えば当該システム用マイコン14の図示せぬメモリに記憶された設定データから前記シークUP/DOWNキー40を利用することにより、所望の設定データを選択するようにしたが、当該設定データの内容である作動対象時間及び作動回数を任意に設定可能にしても良く、この場合には、当該バックアップ電源部18のバッテリー容量を考慮しながら当該バックアップ電源部18の消費電力をより一層、抑えることができる。
【0069】
また、図7のステップS37に示すように当該作動カウンタにてセットされた作動回数から当該アップデート動作が実行される毎に−1づつデクリメントされるように処理したが、当該アップデート動作が実行される毎に実行回数をカウントアップし、当該カウントアップされた実行回数が当該作動カウンタにてセットされた作動回数と同一になったか否かを判定する処理に変えても良い。
【0070】
また、前記表示部23を15.5文字×2行の本文情報表示領域23bを有する形式を例にとり説明したが、他の表示形式の表示部23に適用しても良いことはいうまでもない。
【0071】
また、当該所定データの階層構造を最上位階層、第1階層、第2階層といった3階層構造を例にとり説明したが、これ以上の階層構造であっても良く、しかも、当該階層構造を有しない所定データに対しても本発明が適用可能であることはは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
上記のように構成された本発明の多重放送用受信装置によれば、設定入力手段により任意の作動対象時間を設定し、当該設定後に外部からの電力供給停止、すなわちACC−OFF又はPOWER−OFFを検知すると、前記内部電力供給手段であるバックアップ電源からの電力供給を開始し、受信手段にて放送電波を受信させ、当該受信された放送電波から所定データを所定データ抽出手段にて抽出させ、当該抽出された所定データを記憶手段に記憶更新させ、当該バックアップ電源の電力供給開始から当該作動対象時間が経過すると、前記バックアップ電源からの電力供給を停止するようにし、しかも、前記作動対象時間及び当該作動対象時間内にて断続的に実行されるデータ受信動作の回数として受信作動回数を設定入力すると共に、外部からの電力供給停止を検知すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を開始し、当該受信される放送電波から所定データを抽出させ、当該抽出された所定データを前記記憶手段に記憶更新させた後に前記内部電力供給手段からの電力供給を停止する一連のデータ受信動作を実行し、当該データ受信動作を実行する毎に実行回数をカウントし、当該カウントされた実行回数が前記設定入力された受信作動回数に達するまで当該データ受信動作を実行するようにしたので、当該POWER−OFFやACC−OFF中のデータ記憶更新時において、当該バックアップ電源のバッテリー容量を考えながら前記設定入力手段により任意の作動対象時間を設定することができ、強いては当該バックアップ電源の消費電力を最小限に抑えることができる。
【0073】
また、本発明の多重放送用受信装置によれば、POWER−OFFやACC−OFF中に送信された所定データを記憶更新する場合、当該記憶更新されたことを報知手段により報知するようにしたので、当該ユーザーは、当該POWER−ONにしなくとも、当該報知手段の報知に基づいて所定データの記憶更新がなされたことを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多重放送用受信装置を適用したFM多重受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したFM多重受信機における表示機能部のエスカッション部を示す平面図である。
【図3】本発明を適用したFM多重受信機における表示部を示す平面図である。
【図4】所定データの階層構造を端的に示す説明図である。
【図5】本発明を適用したFM多重受信機の表示部における表示状態を示す説明図である。
(a)所望番組選択時における表示状態
(b)補完情報番組に係わるページデータ選択時における表示状態
(c)交通情報番組に係わるページデータ選択時における表示状態
(d)天気情報番組に係わるページデータ選択時における表示状態
【図6】本発明を適用したFM多重受信機のアップデート処理におけるシステム用マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用したFM多重受信機のアップデート処理におけるシステム用マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 PLL部(受信手段)
13 チューナー部(受信手段)
14 システム用マイコン(制御手段)
15 デコーダ部(所定データ抽出手段)
16 SRAM(記憶手段)
18 バックアップ電源部(内部電力供給手段)
21 キー入力部(設定入力手段)
Claims (3)
- 所定データを多重化した放送電波を受信する受信手段と、
当該受信された放送電波から所定データを抽出する所定データ抽出手段と、
当該抽出された所定データを記憶更新する記憶手段と、
装置内に電力を供給する内部電力供給手段と、
任意の作動対象時間を設定入力する設定入力手段と、
外部からの電力供給停止を検知すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を開始し、前記受信手段にて放送電波を受信させ、当該受信された放送電波から所定データを前記所定データ抽出手段にて抽出させ、当該抽出された所定データを前記記憶手段に記憶更新させ、当該内部電力供給手段の電力供給開始から当該作動対象時間が経過すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を停止する制御手段とを有して構成し、
前記設定入力手段は、前記作動対象時間及び当該作動対象時間内にて断続的に実行されるデータ受信動作の回数として受信作動回数を設定入力するものであり、
前記制御手段は、外部からの電力供給停止を検知すると、前記内部電力供給手段からの電力供給を開始し、当該受信される放送電波から所定データを抽出させ、当該抽出された所定データを前記記憶手段に記憶更新させた後に前記内部電力供給手段からの電力供給を停止する一連のデータ受信動作を実行し、当該データ受信動作を実行する毎に実行回数をカウントし、当該カウントされた実行回数が前記設定入力された受信作動回数に達するまで当該データ受信動作を実行することを特徴とする多重放送用受信装置。 - 前記制御手段は、前記作動対象時間から受信動作回数を除算処理し、当該除算処理にて得られた値から当該一連のデータ受信動作に要するデータ受信動作時間を減算処理することにより、各一連のデータ受信動作間におけるインターバル時間を算出し、前記データ受信動作実行後に当該算出されたインターバル時間を経過すると、次のデータ受信動作を実行することを特徴とする請求項1記載の多重放送用受信装置。
- データ更新の有無を報知する報知信号に応じて当該データ更新の有無を報知する報知手段を有し、
前記制御手段は、前記外部からの電力供給停止時に前記記憶手段にて所定データの記憶更新を検知すると、前記報知信号を送出する請求項1又は2記載の多重放送用受信装置。
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