JP3693089B2 - ダムにおける流量予測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、系統制御所、給電指令所、ダム管理所、水力発電所等において、計算機上でダムの流入量または流出量(以下、両者をまとめて流量という)を自動的に予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダムの流量予測は、ダム運用の安全性及び経済性向上のため重要である。例えば、数時間先の流量予測は、降雨時のダム放流量を適切に設定して流域の安全性確保に役立てることができる。また、数時間先から数日先の予測、特に翌日の流量予測は、発電計画の適切な立案による水力エネルギーの有効利用・経済性の向上に寄与する。
【0003】
従来、ダムの流入量の予測は、熟練運用者の経験と直感的知識により行われていることが多い。このため、数時間先までの予測作業を自動化する例として、タンクモデル、貯留関数法、ニューラルネットワーク等を用いる様々な方法が提案されている。これらの方法は、実績データが多数蓄積されている数時間先の予測には有効であるが、数時間先から数日先に関しては、以下の理由により予測が困難であった。
【0004】
1.数時間先から数日先の予測は、ダムの上流域の湿潤度及びその変化による影響が数時間先予測より大きい。
図7は、1時間ごとで6日間にわたる144個の流入量データ1、同じく12日間にわたる288個の流入量データ2、同じく12日間にわたる288個の流入量データ3について、9時間の流域平均雨量との関係を示したものである。この図から明らかなように、雨量が同じでも、ダム上流域の湿潤度の違いによって流入量が著しく異なることになる。
2.流量予測に当たり、将来の雨量データに相当するものとして気象予報データが必要となるが、従来では都市や気象台ごとに1日数回の予報しか得られず、しかも予報地点のメッシュが荒いことから、ダム地点の適切な気象予報を得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ダムの流入量または流出量を予測するには、膨大な専門知識と長年の経験とが必要であるが、近年この知識を有する熟練運用者は減少の一途をたどっている。一方、ダムの流量予測はダム運用の基盤であり、その予測精度の向上と自動化が切望されている。
数時間先〜数日先の流量予測、特に翌日の流量予測は発電計画作成に必要不可欠な情報であるが、計算機による自動化例はほとんどなく、運用者に頼っているのが現状である。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、近年、精度が著しく向上してきた気象予報を利用して将来の雨量データを予測時に使用し、更にダムの上流域の湿潤度を考慮することで、熟練運用者に頼ることなく簡便かつ高精度に流量予測を行うことができる流量予測方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1記載の発明は、計算機により過去の実績値を用いて構築したニューラルネットワークからなる予測モデルに対し、自ダムの流量、雨量等を入力して将来における自ダムの流量を予測する流量予測方法において、少なくとも、現在の自ダムの流量及び過去から将来の所定時間先までの流域の雨量が入力される予測モデルを用いて、将来の所定時間先の自ダム流量を予測するものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、計算機により過去の実績値を用いて構築したニューラルネットワークからなる予測モデルに対し、自ダムの流量、雨量等を入力して将来における自ダムの流量を予測する流量予測方法において、少なくとも、現在の自ダムの流量及び過去から将来の所定時間先までの流域の雨量が入力される予測モデルを用いて、将来の所定期間の自ダム総流量を予測するものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1により予測した流量の積算値と、請求項2により予測した総流量とを用いて、請求項1によりポイント予測した流量を補正するものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1,2,または3記載のダムにおける流量予測方法において、流量実績値が判明するごとに、至近の実績値データを逐次追加して予測モデル(ニューラルネットワーク)の再学習を行い、この再学習した予測モデルを用いて予測を行うものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
以下の各実施形態は、表 1に示す1時間ごとのデータを用い、2種類のデータを予測モデルの学習に、残り1種類のデータを予測に用いた。なお、表1のデータ1,2,3は図7における流入量データと同じである。
【0015】
【表1】
【0016】
まず、請求項1記載の発明では、過去における自ダムの流入量、流域平均雨量等の実績値を用いてニューラルネットワークを構築し、表2に示すように自ダム流入量、流域平均雨量(雨量予報値を含む)を入力変数として、24時間先の自ダム流入量(23時間先から24時間先における1時間平均流量)を予測する。すなわち、予測時点までに判明している流量、雨量及び気象予報をニューラルネットワークの入力変数として、将来の所定時間先における瞬間的な流入量(通常は1時間平均値)を予測(ポイント予測)するものである。
【0017】
【表2】
【0018】
なお、近年の気象予報では、雨量予報値を1時間ごとに数十時間先まで得ることができるため、流域平均雨量の中に24時間先までの雨量を入力変数として取り込むことが可能である。
この実施形態では、24時間先の自ダム流入量を予測しているが、一般に数時間先から数日先までの範囲で瞬間的な流入量を予測することが可能である。
【0019】
図4は、この実施形態に使用される予測モデルとしてのニューラルネットワークの概念図であり、現在の自ダム流入量、6時間前から24時間先までの1時間ごとの流域平均雨量が入力される入力層と、中間層と、24時間先の自ダム流入量予測値が出力される出力層とからなる。
入力変数として現在の流入量を用いることにより、上流域の湿潤度を間接的に考慮した構成となっている。また、雨量の入力ユニットを6時間前から24時間先まで31ユニット用意したため、湿潤度の時間的変化を考慮したモデルとなっている。
なお、ニューラルネットワークの学習には、通常、バックプロパゲーション法が用いられるが、本発明の要旨でないのでその説明は省略する。
【0020】
表3は、本実施形態の予測結果として、各データ1,2,3を予測対象としたときの自ダム流入量予測値と実績値との絶対値平均誤差〔%〕を示すものである。また、図5は、データ2の予測結果を示す図であり、将来の所定時間先の瞬間的な自ダム流入量(1時間平均値)を予測している。
【0021】
【表3】
【0022】
これらの表3及び図5から明らかなように、本実施形態によれば、上流域の湿潤度をも考慮することで良好な予測結果を得ることができる。
【0023】
次に、請求項2に記載した発明の実施形態を説明する。この実施形態では、過去における自ダムの流入量、流域平均雨量等の実績データを用いてニューラルネットワークを構築し、表4に示すように自ダム流入量、流域平均雨量(雨量予報値を含む)を入力変数として、将来の所定期間(例えば12時間後から36時間後まで)における自ダム総流入量を予測する。すなわち、予測時点までに判明している流量、雨量及び気象予報をニューラルネットワークの入力変数として、将来の所定期間の総流入量を予測するものである。
【0024】
【表4】
【0025】
なお、表4において、自ダム流入量及び流域平均雨量に「0」とあるのは、それぞれ現在までの12時間または6時間の平均値を示している。また、流域平均雨量において、例えば「+6」とあるのは、気象予報から得られた雨量データに基づいて、現在から6時間後までの雨量を平均した値、「+12」とあるのは、同様に6時間後から12時間後までの雨量を平均した値である。
【0026】
この実施形態においても、ニューラルネットワークの入力変数として、自ダム流入量及び流域平均雨量により上流域の湿潤度をも考慮しているので、水力発電所の運用計画に最低限必要とされる総流量の予測精度を向上させ、より効率的な発電計画を立てることができる。
【0027】
表5は、3種類のデータ1,2,3についての本実施形態による自ダム流入量予測値と実績値との絶対値平均誤差〔%〕を比較したものである。この表から、データ1,2については比較的良好な予測結果が得られていることがわかる。
【0028】
【表5】
【0029】
次いで、請求項3に記載した発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、請求項1の発明による予測値を、請求項2の発明による予測値で補正するものである。
請求項1の発明では、いわば瞬間的な流量を予測するのに対し、請求項2の発明では、将来のある期間における総流量を予測する。従って、請求項1の発明による予測値の積分値が、請求項2の発明の予測値である総流量になるという性質があるから、請求項3の発明では、この性質を利用して請求項1の発明による瞬間的な予測値を補正することにより、総流量予測値との間の誤差をなくそうとするものである。
【0030】
図1は、請求項3の発明の実施形態を示すフローチャートである。以下、この図を参照しつつ予測値の補正方法を説明する。
(1)t1〜tn時間先予測を行うため、n個の予測モデルを請求項1の発明により構築する(S11)。
(2)t1〜tn時間の総流量を予測するための予測モデルを1つ、請求項2の発明により構築する(S12)。
(3)t1〜tn時間先のポイント予測値(瞬間値)をf1〜fnとし、これらを積算して得た総流量をx1とする(S13)。
(4)請求項2の発明で予測したt1〜tn時間の総流量をx2とする(S14)。
(5)x1≠x2の場合は、補正を行う(S15)。補正方法はいくつか考えられるが、例として次式によって示される方法がある。
【0031】
・補正方法1
f1(補正後の予測値)=f1’(補正前の予想値)×(x2/x1),
f2=f2’×(x2/x1),
:
fn=fn’×(x2/x1)
【0032】
・補正方法2(各予測総流量の平均値を用いて補正)
f1=f1’×(x2―x1)/2/x1,
f2=f2’×(x2―x1)/2/x1,
:
fn=fn’×(x2―x1)/2/x1
【0033】
この実施形態によれば、貯水容量が比較的小さく、例えば1時間ごとのポイント予測が重視されるようなダムにおいて、請求項1の発明による予測値を適切に補正して予測精度を向上させたい場合に有効である。
【0034】
次に、請求項4に記載した発明の実施形態を説明する。
この発明は、河川上流域の湿潤度や湿潤度変化を更に考慮するために、請求項1、2の発明を改良するものである。通常、予測に用いるニューラルネットワークは、学習終了後、その学習状態を固定して予測に用いている。そのため学習時と異なる状況のもとでは予測することができない。
そこで、請求項4の発明では、予測時点において、それまでに判明した実績データを逐次追加してニューラルネットワークを再学習することにより、河川上流域の湿潤度及びその変化に対応したきめ細かい予測を可能とするものである。
【0035】
請求項1の発明の実施形態では、表3に示したように24時間先の自ダム流入量を予測しているので、予測時点から24時間後に実績値が判明する。また、請求項2の発明の実施形態では、表4に示したように12時間後から36時間後までの24時間の総流入量を予測しているので、予測時点から36時間後に実績値が判明する。
【0036】
このため、実績値が判明した時点で、それまでの実績値をニューラルネットワークの入力データに逐次追加して学習し、予測することで、至近の河川状況の変化、上流域の湿潤度変化に対応した予測を行うことが可能である。つまり、この実施形態では、実績値が判明した時点で予測モデルを更新することになる。
図6は、この実施形態の学習及び予測の概念図である。図に示すように、例えば予測時点から24時間経過した現時点では、それまでの流入量が実績値として判明しているため、この実績値を使用して追加学習したニューラルネットワークにより、現時点から24時間先の流入量を予測する。
【0037】
表6は、この実施形態を請求項1の発明の実施形態に適用した場合のもので、3種類のデータ1,2,3につき24時間先の自ダム流入量を追加学習なしで予測し、更に追加学習を行って予測した場合の予測値と実績値との絶対値平均誤差〔%〕を比較したものである。
また、表7は、この実施形態を請求項2の発明の実施形態に適用した場合のもので、同じデータ1,2,3につき12時間後から36時間後までの24時間の自ダム総流入量を追加学習なしで予測し、更に追加学習を行って予測した場合の予測値と実績値との絶対値平均誤差〔%〕を比較したものである。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
これらの表6,表7から、本実施形態ではほとんどのケースで誤差が小さくなっており、至近の湿潤度やその変化を反映したデータを用いて追加学習し予測することで、予測精度が向上していることがわかる。
【0041】
次に、他の発明の実施形態を説明する。
この発明は、上流域の湿潤度に応じた予測を行うための発明である。図7に示したように、雨量が同じであってもダムの流入量は上流域の湿潤度により異なる。従って、上流域湿潤度に応じて複数の予測モデルを構築しておき、予測時点の上流域湿潤度、予測誤差などの指標により適切な予測モデルに切り替えて予測するものである。
【0042】
図2は、この実施形態の処理を示すフローチャートである。以下、その内容を説明する。
(1)「湿潤度が低い場合、高い場合」などの条件別に、予測モデルを構築する(S21)。湿潤度の計測が困難な河川においては、累計雨量、降雨時間などの条件別に予測モデルを構築する。このとき、モデル化手法は、ニューラルネットワークに限らず、他の手法でも構わない。
【0043】
(2)湿潤度を計測する(S22)。湿潤度の計測が困難な河川においては、累計雨量、降雨時間などから湿潤度を換算する。また、累計雨量、降雨時間と湿潤度との関係が明確でない河川においては、累計雨量、降雨時間などの指標の算出だけを行う。ここでは便宜的に、湿潤度自体、累計雨量、降雨時間等を湿潤度に相当する指標という。
【0044】
(3)予測時点において、上流域の湿潤度に応じて予測モデルを切り替え(S23)、切り替えた予測モデルを用いて予測する。上流域の湿潤度が計測できない場合には、予測時点までの累計雨量、降雨時間、予測誤差など各種指標により予測モデルを切り替える。
【0045】
前述の請求項4の発明の実施形態では、実績値が判明するまで追加学習が行えず、予測モデルを更新することができないが、本実施形態では、あらかじめ用意した複数の予測モデルの中から、湿潤度に相当する指標に基づいて最適なモデルを選択することができる。
【0046】
次いで、他の発明の実施形態を説明する。
この発明は、上流域の湿潤度の計測もしくは換算が良好に行えない場合に、予測モデルの予測精度を検証して最適の予測モデルに切り替えるものである。一般に多くの河川では、上流域湿潤度の計測・換算は困難である点に鑑み、本発明では、湿潤度と高い相関関係にある累計雨量、降雨時間、季節などの指標を用いて予め複数の予測モデルを構築しておき、それらのうち予測誤差の少ないモデルを用いて予測することとした。
【0047】
図3はこの実施形態の処理を示すフローチャートであり、以下、この図を用いて処理の内容を説明する。
(1)複数の予測モデルを構築する(S31)。このとき、累計雨量、降雨時間、季節など複数の指標ごとに予測モデルを構築する。また、ニューラルネットワークやタンクモデルなど様々なモデル化手法により構築することも可能である。
【0048】
(2)至近データを用いて、各予測モデルの予測精度を検証する(S32)。
(3)予測誤差が最小である予測モデル(予測精度が最も高いモデル)に切り替え(S33)、次回予測時にそのモデルによる予測値を採用する。
【0049】
この実施形態によれば、湿潤度の計測が困難な多数の河川においても、湿潤度を間接的に考慮した高精度な予測を行うことができる。
【0050】
次に、他の発明の実施形態を説明する。
この発明は、前に説明した二発明において予測モデルを切り替えて予測していたものを、ファジー推論により複数の予測モデルの予測値を融合して予測するようにしたものである。
【0051】
以下、本発明の実施形態における処理手順を説明する。
(1)湿潤度、降雨状況(累積雨量、降雨時間、季節等)、予測精度など、複数の指標を算出する。
(2)算出した上記指標により、ファジー推論を行って予測値の融合を行う。ここで、ファジー規則は、対象河川や予測のモデル化手法により種々考えられるが、例として次のようなものが考えられる。
【0052】
・規則例1
(1)規則1
予測モデルが2つあると仮定し、そのうち予測モデル1による予測誤差が+側で大、予測モデル2による予測誤差が−側で小、ならば、予測モデル2による予測値のウェイトを多く融合する。
(2)規則2
予測モデル1による予測誤差が0、予測モデル2による予測誤差が大、ならば、予測モデル1による予測値を全体の予測値とする。
【0053】
・規則例2
(1)規則1
湿潤度が高い場合、高湿潤度用予測モデルで予測する。
(2)規則2
湿潤度が中程度の場合、高湿潤度用予測モデルによる予測値と低湿潤度用予測モデルによる予測値とをファジー融合して全体の予測値とする。
【0054】
前に説明した二発明では予測モデルの切替時に予測値が不連続になる可能性があるが、この実施形態によればそのような不都合もなく、上流域の湿潤度や各モデルの予測誤差を反映させた予測が可能になる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明は、例えば数時間先〜数日先といった将来のある時点における瞬間的な流量(通常は1時間平均値)を予測するものである。通常、水力発電の発電計画は、前日において翌日の1時間ごと24時間分の発電出力・発電使用流量が計画される。本発明では、予測モデルの入力変数として現在の自ダム流量などを考慮することで、上流域の湿潤度を反映させた高精度な予測が可能になり、効率的な発電計画を立てることができる。
【0056】
請求項2に記載した発明は、将来の所定期間、例えば数時間先〜数日先といった所定期間の総流量を予測するものである。水力発電の発電計画は、一般に前日において24時間分計画されるため1時間ごとの流量が予測できることが望ましいが、貯水容量の大きいダムが水系内に多くある場合には、1日分の総流量の予測の方が望まれることが多い。従って、本発明によれば、総流量の予測に特化した予測を行なう場合に総流量の予測精度を向上させ、より効率的な発電計画の作成に寄与することができる。
【0057】
請求項3に記載した発明は、請求項1の発明による予測値を請求項2の発明による予測値を用いて補正する方法である。これにより、瞬間的な流量の予測値を適切に補正して予測精度を高めることができ、より経済的な発電計画を立てることができる。特にこの発明は、貯水容量の小さいダムの経済性を向上させるものである。
【0058】
請求項4に記載した発明は、上流域の湿潤度を更に考慮した予測を可能にするものである。
数時間先までの予測においては、上流域の湿潤度の影響が比較的少ないが、数日先までの予測を行う場合には、上流域湿潤度を考慮しなければ良好な結果が期待できない。
この点、請求項4の発明によれば、請求項1,2の発明において、実績値判明後に至近データを逐次学習することで、予測モデル自体を逐次更新して至近の上流域湿潤度を考慮した予測を行うことができる。
【0062】
以上のように、請求項1〜請求項4の発明によれば、熟練運用者に頼ることなくダムにおける流量を予測することが可能になる。また、熟練運用者への支援としても活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項3に記載した発明の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】 他の発明の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】 他の発明の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に使用される予測モデル(ニューラルネットワーク)の概念図である。
【図5】請求項1に記載した発明の実施形態による予測結果を示す図である。
【図6】請求項4に記載した発明の実施形態を示す学習及び予測の概念図である。
【図7】3種類のデータについて、雨量と自ダム流入量との関係を示した図である。
Claims (4)
- 計算機により過去の実績値を用いて構築したニューラルネットワークからなる予測モデルに対し、自ダムの流量、雨量等を入力して将来における自ダムの流量を予測する流量予測方法において、
少なくとも、現在の自ダムの流量及び過去から将来の所定時間先までの流域の雨量が入力される予測モデルを用いて、将来の所定時間先の自ダム流量を予測することを特徴とする、ダムにおける流量予測方法。 - 計算機により過去の実績値を用いて構築したニューラルネットワークからなる予測モデルに対し、自ダムの流量、雨量等を入力して将来における自ダムの流量を予測する流量予測方法において、
少なくとも、現在の自ダムの流量及び過去から将来の所定時間先までの流域の雨量が入力される予測モデルを用いて、将来の所定期間の自ダム総流量を予測することを特徴とする、ダムにおける流量予測方法。 - 請求項1により予測した流量の積算値と、請求項2により予測した総流量とを用いて、請求項1により予測した流量を補正することを特徴とする、ダムにおける流量予測方法。
- 請求項1,2,または3記載のダムにおける流量予測方法において、
流量実績値が判明するごとに、至近の実績値データを逐次追加して予測モデルの再学習を行い、この再学習した予測モデルを用いて予測を行うことを特徴とする、ダムにおける流量予測方法。
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