JP3692327B2 - 電離イオン化浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業廃水や生活廃水を電離イオン化によって浄化する電離イオン化浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業廃水や生活廃水、家畜等の糞尿が混合した廃水(以下、総称して「廃水」という)は、直接河川や下水等に放出したり再利用できないため、一旦浄化を行なう必要がある。
廃水に含まれる汚濁物質には、コロイド状の微細粒子や、リン成分、COD、SS等がある。これら汚濁物質は、一般に正又は負に帯電しており、同種の電荷を帯びた粒子どうしが反発しあうため凝集し難く、回収が困難である。
【0003】
電荷を帯びた汚濁物質の処理方法として、電離イオン化法が知られている。電離イオン化法は、図5に示すように、浄化槽(90)中に一対の電極(92)(94)を配置し、両電極(92)(94)間に直流電圧を印加して、廃水中の汚濁物質の電荷を中和、消失又は低下させて、汚濁物質を相互に凝集させるものである。凝集した汚濁物質(フロック)にはバブリングによる微細気泡を当てることによって、フロックに微細気泡が吸着し、フロックを浮上分離できる。
電極として、アルミニウムやアルミニウム合金等から構成される電極と、ステンレス、酸化鉄等から構成される電極が用いられ、これら電極間に直流電圧を印加すると、アルミニウム電極からアルミニウムイオンが電離し、この電離したアルミニウムイオンの凝集作用により廃水中の汚濁物質が凝集してフロックとなる。
【0004】
電離イオン化法は、特に廃水中のリン、ノルマルヘキサン、COD、脱色等の成分を除去するのに有効な方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記電離イオン化法は、電極成分のイオン電離によって反応が進行するため、長期の使用により電極が薄くなったり、汚濁物質がスケールとして電極表面に付着し、電極間に流れる電圧が低下する問題があり、通常、1〜3ヶ月毎に電極を交換する必要があった。
また、汚濁物質の除去効率を高めるには、電極間に約6〜40V、約30〜100Aの電流を流す必要がある。
【0006】
本発明の目的は、電極に付着するスケールを除去しつつ、廃水からの汚濁物質の除去を図ることにより、電極の長寿命化を図り、且つ、汚濁物質の除去効果を高めることのできる電離イオン化浄化装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電離イオン化浄化装置は、
廃水を含む浄化槽中に配置された主電極間に直流電圧を印加することによって、廃水中の汚濁物質を除去する電離イオン化浄化装置において、
主電極間に自由転動可能に配備され、主電極間に印加された直流電圧によって電荷を帯びる外径3〜10cmの複数の補助電極と、
補助電極を主電極間で回転させつつ移動させる補助電極移動手段と、を具え、
補助電極移動手段の駆動によって、補助電極を転動させ極性変化を生じさせると共に、補助電極どうしを衝突させて、補助電極の表面に付着したスケールを除去するものである。
【0008】
【作用及び効果】
浄化槽中に配置された補助電極は、回転移動可能であるから、補助電極の回転によって、補助電極の極性が変化し、表面に付着したスケールが除去される。また、回転移動の際に、補助電極どうしが擦り合わされ且つ衝突することにより、表面に付着したスケールが除去される。
汚濁物質の除去作業中に、補助電極表面に付着したスケールも除去されるから、補助電極表面の導電性が低下することなく、長期に亘って高い電極反応を維持することができ、廃水中の汚濁物質を効果的に除去できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>
図1は、本発明の電離イオン化浄化装置(10)の一実施例を示す斜視図である。
電離イオン化浄化装置(10)は、廃水が投入される浄化槽(12)の内部に一対の主電極(20)(22)を配置し、該主電極(20)(22)間に複数の補助電極(30)(30)を配置して構成される。補助電極(30)は、後述のとおり、補助電極移動手段(32)に収容される。
【0010】
浄化槽(12)は、FRP(繊維強化プラスチック)等の材料から作製される筐体であって、廃水を浄化槽(12)に流入させる流入管(14)と、浄化後の廃水が排出される排水管(16)が形成されている。流入管(14)は、浄化槽(12)の下部近傍で開口することが望ましく、排水管(16)は、浄化槽(12)の上部近傍で開口することが望ましい。
【0011】
主電極(20)(22)は、直流電圧を供給する電源装置(18)に電気的に接続され、廃液中に一部又は全部が浸漬するよう配置されている。主電極(20)(22)の大きさ、形状は、特に限定されるものではないが、後述する補助電極移動手段(32)のケース(34)の端面と同程度の大きさとすることが望ましい。主電極(20)(22)の材質は、FeやAl又はこれらの合金、さらには強度を高めるためにセラミック等を含有した材料から作製できる。
【0012】
主電極(20)(22)間に配備される補助電極(30)(30)は、Al−Fe合金等の材料から作製できる。補助電極(30)の形状は、球状が望ましいが、球状以外の形状、例えば、楕円状、円柱状、角柱状のものや、金属塊を破砕したものなどでもよい。補助電極(30)(30)の表面には、水酸化被膜等の被膜を形成しておくことが望ましい。水酸化被膜は、Al、Mg及びCaを主成分とし、その他Fe、Ni、Cr等を少量含む構成とすることができる。
補助電極(30)の外径は、3〜10cm程度、望ましくは5cm前後が適当であり、同一外径のものだけでもよいが、外径の異なるものを混ぜて用いると、補助電極(30)どうしの接触効率が高まり、スケール除去効果を高めることができる。
また、収容される補助電極(30)の個数は、補助電極(30)を収容するケース(34)(後述する)の大きさに応じて異なるが、ケース(34)の内部で補助電極(30)が自由に移動でき得る程度の量を収容することが望ましい。
【0013】
上記補助電極(30)(30)は、主電極(20)(22)間に配備された補助電極ケース(34)に収容される。該ケース(34)は、主電極(20)(22)に端面が接近して配置された筒状体であり、軸心に回転軸(36)が取り付けられ、該回転軸(36)が、モータ等を駆動源とする回転駆動手段(38)に連繋されている。ケース(34)の両端面と主電極(20)(22)との間隔は、接近させるほど好ましく、数mm〜数cm程度とすることが望ましい。
ケース(34)は、Al−Fe合金から作製することができる。ケース(34)の周壁又は側壁に、廃水をケース(34)の内部に流入させるための孔(35)(35)が複数開設されている。
【0014】
補助電極(30)(30)に付着するスケールを効率よく除去し、凝集したフロックを浮上させ、また、浄化槽(12)の内部の廃水を循環させるために、ケース(34)の内部にバブリング手段(13)を配備することが望ましい。なお、補助電極(30)(30)のスケール除去には、補助電極(30)(30)に超音波を照射することも効果的である。
また、ケース(34)内の補助電極(30)の移動を促進するために、ケース(34)内に1又は複数の突起又は突条(図示せず)を設けてもよい。
【0015】
上記構成の電離イオン化浄化装置(10)による廃水浄化工程について説明する。
まず、流入管(14)から浄化槽(12)に廃水を導入する。
主電極(20)(22)及びケース(34)がほぼ廃水に浸漬した状態で、主電極(20)(22)間に電源装置(18)から直流電圧を印加するとともに、回転駆動手段(38)を駆動して、ケース(34)を回転させる。主電極(20)(22)間には、4〜30Vの電圧を印加する。なお、これよりも高電圧で作動させることも勿論可能である。主電極(20)(20)間に流れる電流値は、補助電極(30)(30)の存在により、従来よりも低く抑えることができる。
【0016】
主電極(20)(22)間に直流電圧を印加することにより、負に荷電している主電極(20)から金属イオン(例えばアルミニウムイオン)が溶出し、廃水中の汚濁物質(コロイド状の粒子であって、一般に負に荷電している)の電位を中和、低下又は消失させる。この電極反応により、汚濁物質が相互に凝集してフロックとなる。
主電極(20)(22)間に配備された補助電極(30)(30)は、主電極(20)(22)間に直流電圧を印加すると残余電流が発生し、補助電極(30)(30)は、マイナス側の主電極(20)に近い側が正に荷電し、プラス側主電極(22)に近い側が負に荷電する。その結果、各補助電極(30)においても、電極反応が生じ、汚濁物質の電位が中和、低下又は消失し、汚濁物質が相互に凝集する。
上述のように、主電極(20)(22)だけでなく補助電極(30)(30)による電極反応により、廃水中の汚濁物質が凝集してフロックとなり、バブリング手段(13)によってフロックに微細気泡を吸着させることにより、汚濁物質を浮上分離させることができる。
【0017】
補助電極(30)(30)での電極反応が進むにつれて、補助電極(30)(30)の表面にスケールが付着する。スケールが補助電極(30)(30)の表面に付着すると、電極反応が低下し、浄化能力が大きく低下する。
しかしながら、本発明では、補助電極(30)(30)をケース(34)に収容し、該ケース(34)を回転させている。その結果、内部に収容された補助電極(30)(30)は、ケース(34)内で回転する。補助電極(30)の転動により、各補助電極(30)は、電気的な極性が変わるから、その極性変化により付着したスケールが除去される。また、回転に伴い、補助電極(30)(30)は互いに又はケース(34)の内面に衝突しながら移動する。その結果、補助電極(30)(30)の表面に付着したスケールが剥離し、バブリングによる微細気泡に吸着されて、汚濁物質と共に浮上して分離される。
つまり、補助電極(30)(30)へのスケールの付着を避けることができるから、長期に亘って高効率の電極反応を行なうことができ、また、補助電極(30)(30)の交換、清掃等の間隔も長くすることができる。
なお、補助電極ケース(34)の回転は、補助電極(30)(30)のスケール付着具合や、廃水の汚濁程度に合わせて、連続的に行なってもよいし、間欠的に行なってもよい。
【0018】
上記構成の電離イオン化浄化装置(10)は、例えば、図2に示すような浄化システム(60)に組み込んで用いることができる。
浄化システム(60)は、循環槽(62)と、該循環槽(62)に接続された本発明の電離イオン化浄化装置(10)と、循環槽(62)の下流側に配備された高分子反応槽(68)と、該高分子反応槽(68)の下流側に配備された浮上槽(69)とを具えた構成とすることができる。
【0019】
循環槽(62)は、ステンレス鋼等から作製される筐体であって、廃水が導入される廃水導入管(63)と、浄化装置(10)の流入管(14)に接続され、廃水の一部を電離イオン化浄化装置(10)に導く配管(64)と、浄化された廃水を高分子反応槽(68)に導出する排水管(65)を具える。循環槽(62)には、浄化効率を高めるために、直流電源に接続された一対又は複数対の電極を配備してもよい。また、循環槽(62)の底部に、汚濁物質を浮上分離させるためのバブリング手段(67)を配置してもよい。さらに、循環槽(62)に、ポリ塩化アルミニウムや、硫酸バンド、塩化第1鉄、塩化第2鉄等の薬品を投入し、廃水中の汚濁物質を中和して凝集させて回収し、浄化効率を高めてもよい。
【0020】
循環槽(62)に導入された廃水の一部は、配管(64)を通って、電離イオン化浄化装置(10)に流入する。配管(64)には、経路中にポンプ手段(66)が挿入されており、ポンプ手段(66)の駆動によって、循環槽(62)から浄化装置(10)に廃水が送給される。
【0021】
浄化装置(10)に流入した廃水は、上記のとおり、主電極(20)(22)及び補助電極(30)(30)による電極反応により浄化され、排水管(16)から循環槽(62)に戻される。
【0022】
循環槽(62)及び浄化装置(10)で浄化された廃水は、循環槽(62)の下流側に設けられた高分子反応槽(68)に送られる。
高分子反応槽(68)では、高分子凝集剤(例えばアニリン系等)を投入し、薬剤処理を行なう。必要に応じて、高分子反応槽(68)には、内部の廃水を撹拌する手段を設けてもよい。
【0023】
高分子反応槽(68)における薬剤処理により汚濁物質が除去された廃水は、反応槽(68)の下流側に設けられた浮上槽(69)に送られる。
浮上槽(69)では、フロックにバブリングを施し、フロックを浮上分離させて回収する。回収された浮上物は、廃棄又は植物の肥料等として利用できる。
【0024】
上記浄化システム(60)で廃水を浄化することにより、廃水中に含まれるリン成分、窒素成分、有機成分、無機成分等の汚濁物質をほとんど除去できる。
【0025】
異なる実施形態として、図3に示すように、補助電極ケース(34)を円筒状に形成し、該円筒状のケース(34)の内面下部に、補助電極(30)(30)を撹拌により移動させる撹拌部材(40)を具えたものを例示できる。撹拌部材(40)として、羽根状のものを例示できる。ケース(34)の底部に非導電性部材(42)を介在させて主電極(20)を配備し、ケース(34)の上部には主電極(22)が配備される。非導電性部材(42)を配備したのは、補助電極(30)と主電極(20)が直接接触しないようにするためである。
撹拌部材(40)は、中心位置が回転軸(44)に接続され、モータ(46)によって回転可能となっている。
ケース(34)の周面及び/又は底面には廃水が流通可能な孔が複数開設されており、ケース(34)内に廃水を導入した状態で、撹拌部材(40)を回転させると、主電極(20)(22)間に配備された補助電極(30)(30)が、撹拌部材(40)によってケース(34)内で回転しながら移動する。これにより、廃水の電離イオン分解が行なわれると共に、補助電極(30)(30)の転動による電気的な極性変化と、補助電極(30)(30)どうしの擦り合わせにより、補助電極(30)(30)の表面に付着したスケールの除去を行なうことができる。
なお、主電極(20)(22)は、円筒状又は半円筒状に形成して、ケース(34)の内面又は外周面に配備してもよい。
【0026】
さらに異なる実施形態として、螺旋状の羽根を具えた筒状部材を補助電極ケースの側部に配備し、補助電極(30)を移動させる構成とすることもできる。補助電極ケースの下面から1つずつ補助電極(30)を筒状部材の内部に送り込み、螺旋状の羽根の上を転動させつつ上昇させることによって、補助電極に付着したスケールは剥離し除去される。補助電極(30)が筒状部材の上部まで移動すると、補助電極(30)は筒状部材の上端から重力作用によって補助電極ケースに落下する。
補助電極(30)は、ケース内での移動により電気的な極性が変化すると共に、補助電極(30)(30)どうしが擦り合わされ、さらに、筒状部材の内部を通過する間に羽根や筒状部材と接触するから、表面にスケールが除去される。従って、補助電極(30)を取り替えずに、長期に亘って高い電極反応を維持することができる。
【0027】
<実施形態2>
上記実施例では、主電極(20)(22)間に補助電極(30)(30)を配置し、補助電極(30)(30)を回転移動可能として、補助電極(30)(30)に付着するスケールを除去したが、本実施形態では、補助電極を用いず、主電極(20)(22)自体を移動可能な構成とし、主電極(20)(22)の一部を順に廃水から外部に露出させ、露出箇所に付着したスケールをスケール除去手段(76)によって除去するようにしたものである。
本実施形態における電離イオン化浄化装置(10)は、浄化槽(12)の内部に一対の主電極(20)(22)を具える。浄化槽(12)には、上記実施形態1と同様、廃水の流入管と排水管(図示せず)を具え、浄化槽(12)の底部にバブリング手段(13)を具える。
主電極(20)(22)は、直流電圧を印加する電源装置(18)に接続され、主電極(20)(22)の一部が順次廃水から露出した状態で移動できるように、電極移動手段(70)に連繋される。主電極(20)(22)を、例えば図4に示すように円盤状に形成して、主電極(20)(22)の一部が廃水から露出した状態で、主電極(20)(22)の中心に回転軸(72)(72)を連繋し、該回転軸(72)(72)をモータ等の回転駆動手段(74)に繋ぐ構成とすることができる。モータを駆動すると、主電極(20)(22)は、一部が順次廃水から露出した状態で回転する。
【0028】
主電極(20)(22)の廃水からの露出部分には、主電極(20)(22)に付着したスケールを除去するスケール除去手段(76)が接近して配備する。スケール除去手段(76)として、主電極(20)(22)の露出部分に向けて水を放射する水放射手段を例示できる。主電極(20)(22)の露出部分に水を放射することによって、表面に付着したスケールが剥離し、除去される。なお、露出部分だけでなく、廃水中でのスケールの付着予防と剥離効果を高めるために、主電極(20)(22)に超音波を照射したり、主電極(20)(22)に向けてバブリングを施してもよい。
【0029】
上記構成の電離イオン化浄化装置(10)について、流入管(14)から浄化槽(12)に廃水を導入し、バブリング手段(13)から廃水中に微細気泡を供給する。また、主電極(20)(22)が廃水に浸漬した状態で、電源装置(18)から直流電圧を主電極(20)(22)に印加して、回転駆動手段(74)を駆動すると共に、スケール除去手段(76)から主電極(20)(22)に向けて水を放射する。
直流電圧の印加により主電極(20)(22)間で電極反応が生じて、廃水中の汚濁物質が凝集してフロックとなり、バブリング手段(13)によって供給された微細気泡がフロックに吸着して、フロックが浮上分離し、排水管(16)から排出される。
主電極(20)(22)に直流電圧を印加することにより、主電極(20)(22)の表面にスケールが付着するが、主電極(20)(22)の一部が順次廃水から露出したときに、スケール除去手段(76)によって主電極(20)(22)に向けて水を放射することによって、主電極(20)(22)に付着したスケールは除去される。従って、主電極(20)(22)には、スケールが堆積することなく、電極反応を進めることができ、主電極(20)(22)を取り外して清掃したり、交換する必要がない。
なお、主電極(20)(22)の回転及びスケール除去手段(76)の作動は、主電極(20)(22)のスケール付着具合や廃水の汚濁程度に合わせて、連続的に行なってもよいし、間欠的に行なってもよい。
【0030】
上記実施形態2では、実施形態1の補助電極(30)(30)を用いていないが、主電極(20)(22)間に補助電極を移動可能に配備して、主電極(20)(22)だけでなく、補助電極によっても電極反応を進めることによって、効率よく汚濁物質を除去できる。
【0031】
【実施例】
<実施例1>
図1に示す実施形態1の電離イオン化浄化装置(10)を用い、廃水(以下原水A〜Dという)の浄化を試みた。なお、補助電極(30)(30)は、直径3〜5cmの球状のものを80個投入した。
[その他条件]
原水の量:10リットル
処理時間:60分
電圧値:30V
電流値:2A
【0032】
なお、原水A〜Dについて、外観と臭いを調べたところ、以下のような結果であった。
原水A:見た目は澄んだきれい。臭いもない。
原水B:茶色く濁っている。エビの腐敗臭が強い。
原水C:薄茶色に濁っている。僅かにエビの腐敗臭がある。
原水D:薄黄色く濁っている。僅かに臭いがある。
また、原水A〜Dについて、リン濃度を調べたところ表1に示す結果であった。
【0033】
【表1】
【0034】
原水A〜Dを本発明の電離イオン化浄化装置(10)を用いて浄化した結果を表1に示している。
【0035】
表1を参照すると、浄化水A〜Dは浄化後のリン濃度がすべて低下しており、除去率が非常に高いことが判る。これは、主電極(20)(22)だけでなく、主電極(20)(22)間に配置された補助電極(30)(30)による電極反応によって、効果的にリンが除去されたことを示している。
【0036】
上記処理をリン濃度の高いその他の原水に施したところ、リン濃度は、原水23ppmから浄化水0.14ppmと同様に低減できた。
【0037】
<実施例2>
図1に示すように、主電極(20)(22)間に補助電極(30)(30)を移動可能に配置した本発明の電離イオン化浄化装置(10)と、図5に示すように、主電極(92)(94)間に補助電極を具えていない浄化装置(10)を作製し、CODの高い廃水(糖分を多量に含んだCODの高い廃水)を用いて、直流電圧30Vを印加し浄化運転を行なった。浄化運転開始直後の主電極間の電流値は共に約2Aであった。
その後、経時的に主電極間の電流値を測定したところ、本発明の浄化装置(10)は、2ヶ月経過しても主電極(20)(22)間に流れる電流を約2Aに維持できた。これは、補助電極(30)(30)の転動による極性変化と、補助電極(30)(30)どうしがぶつかり合うことによって、表面にスケールが付着するのを防止できたためである。
一方、比較例の浄化装置は、3日で電流値が約0.1〜0.3Aに低下し、1週間で殆んど電流が流れなくなり、主電極(92)(94)を廃水から取り出してみると、主電極の周りにスケールが固まった状態で付着していた。
【0038】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の電離イオン化浄化装置の斜視図である。
【図2】本発明の電離イオン化浄化装置を具えた浄化システムを示す説明図である。
【図3】電離イオン化浄化装置の他の実施形態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の電離イオン化浄化装置の斜視図である。
【図5】従来の浄化装置の断面図である。
【符号の説明】
(10) 電離イオン化浄化装置
(12) 浄化槽
(20) 主電極
(22) 主電極
(30) 補助電極
(34) ケース
Claims (5)
- 廃水を含む浄化槽中に配置された主電極間に直流電圧を印加することによって、廃水中の汚濁物質を除去する電離イオン化浄化装置において、
主電極間に自由転動可能に配備され、主電極間に印加された直流電圧によって電荷を帯びる外径3〜10cmの複数の補助電極と、
補助電極を主電極間で回転させつつ移動させる補助電極移動手段と、を具え、
補助電極移動手段の駆動によって、補助電極を転動させ極性変化を生じさせると共に、補助電極どうしを衝突させて、補助電極の表面に付着したスケールを除去することを特徴とする電離イオン化浄化装置。 - 補助電極移動手段は、主電極間に回転可能に配備され、内部に廃水が流通可能な補助電極ケースであって、補助電極は、補助電極ケースに収容され、補助電極ケースの回転によって、補助電極が補助電極ケース内で回転しつつ移動し、補助電極の表面に付着したスケールが互いの衝突及び補助電極表面の極性変化によって除去される請求項1に記載の電離イオン化浄化装置。
- 補助電極移動手段は、浄化槽の下面に回転可能に配置された撹拌部材であって、撹拌部材を回転させることによって、浄化槽内部に収容された補助電極が回転しつつ移動し、補助電極の表面に付着したスケールは互いの衝突及び補助電極表面の極性変化によって除去される請求項1に記載の電離イオン化浄化装置。
- 補助電極はAl−Fe合金であって、表面には、予め水酸化被膜が形成されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電離イオン化浄化装置。
- 補助電極は、直径3〜10cmの球体である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電離イオン化浄化装置。
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