JP3692303B2 - 折畳み椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、会議室などで用いられ、ワンアクションで折り畳み可能な折畳み椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の折畳み椅子を表している。この折畳み椅子50は、座板51と、背板52と、上部に背板52を固定して逆「U」字状に形成された前脚53と、上端を前脚53の中間上部に回動自在に連結した「H」字状の後脚54とを備えている。座板51は、その後部を後脚54の上部に回動自在に軸支され、その側端部に形成したスライドガイド55で、前脚53の中間部に突設したスライドピン56が係合して位置規制されるようになっている。
このように構成された折畳み椅子50は、展開状態(開脚状態)では、背板52を固定した前脚53と後脚54とが側面視逆「y」字状に開脚し、且つ座板51が後脚54とスライドピン56とにより略水平に保持される。また、この状態から折り畳みときには、座板51を上側に回動させると、スライドガイド55とスライドピン56の作用により、後脚54が前脚53に向かって回動し、座板51の前部が背板52の下部に当接し且つ後脚54が前脚53に当接して、折り畳まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の折畳み椅子では、座板と前脚との間にスライダ(スライドガイドおよびスライドピン)を介設する必要があり、且つ構造上、座板の前部を支持することができない。このため、スライドガイドの磨耗やスライドピンの曲がり等が発生し易く、がたつきや座板のダレなどの耐久性が劣る問題があった。また、座板の後部に誤って手をつくなどすると、座板の前部が跳ね上がって折り畳まれてしまう不具合があった。
【0004】
本発明は、安定な展開状態から折畳みを円滑に行うことができると共に、耐久性を向上させることができる折畳み椅子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の折畳み椅子は、座板の後端と背板の下端とをヒンジを介して折曲げ自在に連結した椅子本体と、支軸を介して開閉脚自在に構成した略「X」字状の左右一対のX脚から成る支持脚と、各X脚の開脚状態を位置規制するストッパ部材とを備え、各X脚は、上端を、座板用枢軸を介して座板の前部側端面に回動自在に取り付けた直線状の短脚部材と、上端を、背板用枢軸を介して背板の中間部側端面に回動自在に取り付けた直線状の長脚部材とを有し、ストッパ部材は、ヒンジの前方に位置して座板と長脚部材との交差部分に設けられ、ヒンジおよび背板用枢軸との間で側面視三角形を為すように配設されていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ヒンジを介して座板と背板とを直角より幾分開いた状態では、左右の両X脚が略「X」字状に開脚し且つストッパ部材により位置規制されて、折畳み椅子は展開した状態となる。また、この状態から、座板と背板とを重ね合わせるように折り畳んでゆくと、各X脚は徐々に閉脚してゆく。座板と背板との折り畳みが進むと、ヒンジの部分が鋭角にとなり且つ上方に回動してゆき、ヒンジの部分がほぼ頂き部分に達したところで座板と背板とが重なり、且つ各X脚が閉脚状態になる。
この場合、座板用枢軸からヒンジまでの座板部分、ヒンジから背板用枢軸までの背板部分、座板用枢軸から支軸までの短脚部材部分および支軸から背板用枢軸までの長脚部材部分をそれぞれリンクとし、座板用枢軸、背板用枢軸、ヒンジおよび支軸を回り対偶とする四節リンク機構(正確には2重回転リンク機構)が構成されている。このため、折畳み椅子は、円滑に展開され且つ折り畳まれ、外力に対し安定な展開状態となり且つがたつきを生ずることがない。また、座板は、短脚部材で前部を支持され、且つ長脚部材で背板を介して後部を支持されるため、荷重をバランスよく受けることができる。さらに、座板および背板は上下がほぼ反転するように折り畳たまれるため、折畳み状態の高さが、比較的低く押えられる。
また、人間が座ったときに背板を後方へ押すことになるが、座板と長脚部材との交差部分にストッパ部材を設けることで、座板および背板の姿勢が所定の角度で安定する。したがって、着座したときに不安感が生ずることがない。
【0007】
この場合、支軸から座板用枢軸を経てヒンジに至る短脚−座板側リンク寸法と、支軸から背板用枢軸を経てヒンジに至る長脚−背板側リンク寸法とが、略同一であることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、折り畳んだ状態で、短脚−座板側リンクと長脚−背板側リンクとが重なって、ほぼ直線上に位置することになるため、折畳み椅子を薄手に折り畳むことができる。すなわち、短脚−座板側リンクを構成する、支軸から座板用枢軸までの短脚部材部分および座板用枢軸からヒンジまでの座板部分が、ほぼ直線上に延びきると共に、支軸から背板用枢軸までの長脚部材部分および背板用枢軸からヒンジまでの背板部分も、ほぼ直線上に延びきり、且つこれら短脚−座板側リンクと長脚−背板側リンクとが重なって、側面視、ほぼ直線上に折り畳まれる。なお、折り畳んだ状態では、座板と背板が重なるため、更なる回転が規制され折畳み状態は安定する。すなわち、折畳み状態からは展開方向への回転のみ許容される。
【0009】
この場合、折り畳んだ状態で、座板用枢軸および背板用枢軸のいずれか一方が、ヒンジと支軸とを結ぶ仮想線をわずかに死点越えすることが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、座板と背板が重なる折畳み状態で、座板用枢軸および背板用枢軸のいずれか一方が死点越えするため、短脚−座板側リンクおよび長脚−背板側リンクの一方(死点越えした枢軸を含む)は、わずかに逆折れ状態となり、展開方向への折れが規制される。したがって、短脚−座板側リンクおよび長脚−背板側リンクの一方は、ほぼ直線状に延びきった状態を維持し、且つこれに伴って、他方もほぼ直線状に延びきった状態を維持する。すなわち、折畳み椅子は、折り畳んだ状態を、上記の死点越えによりクリック的に規制されて、安定する。このため、持運び時などに誤って展開してしまうことがない。
【0011】
この場合、短脚−座板側リンクおよび長脚−背板側リンクのうち、死点越えする枢軸を含む一方のリンク寸法に対し、他方のリンク寸法がわずかに短いことが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、短脚−座板側リンクと長脚−背板側リンクとが直線上に重なった折畳み状態では、両リンクの微小な寸法差により、両リンクは引き合うことになる。このため例えば、長い方の短脚−座板側リンクは軸線方向に圧縮力を受け、その際、死点越えした座板用枢軸には逆折れ方向に分力が生じ、ほぼ直線状に延びきった状態で、より一層安定する。一方、短い方の長脚−背板側リンクは軸線方向に伸張力を受け、直線状に延びきった状態に安定する。すなわち、折畳み椅子は、折り畳んだ状態を、上記の死点越えと両リンクの寸法差とにより、折り畳みの最終段階で、クリック的に折り畳まれることになる。
【0013】
これらの場合、座板および背板は、平坦な板材で構成され、折り畳んで重ねた座板と背板との総厚が、長短各脚部材の幅と略同一に形成されていることが、好ましい。
【0014】
この構成によれば、折畳み椅子は、その長短各脚部材とほぼ同幅に折り畳まれることになり、折り畳んだ状態で極めて狭いスペースに収容することができる。また、これを重ねて保管する場合にも、崩れ難く、且つ無駄なスペースが生じない。
【0017】
この場合、ストッパ部材は、座板の両側端部に形成され、前方から長脚部材が当接する段部により構成されていることが、好ましい。
【0018】
この構成によれば、特別な部品を用いることなく、ストッパ部材を簡単に構成することができ、部品点数や組付工数の増大を抑制することができる。
【0019】
これらの場合、座板と背板とが、同一の平面形状に形成されていることが、好ましい。
【0020】
この構成によれば、座板と背板とを同一の部品で構成することができ、生産性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る折畳み椅子について説明する。図1の側面図、図2の正面図および図3の平面図に示すように、この折畳み椅子1は、人間が座る部分としての椅子本体2と、椅子本体2を支持する支持脚3とで構成され、椅子本体2および支持脚3が側面視、直線状に折り畳まれるようになっている(図1(b)参照)。
【0022】
椅子本体2は、平板状の座板4と、平板状の背板5と、座板4の後端および背板5の下端を折曲げ自在に連結する左右一対のヒンジ6,6とで構成されている。座板4と背板5とは、直角より幾分開いた状態で展開される一方、座板4の上面と背板5の正面が相互に密着するように折り重なって、折り畳まれる。また、座板4と背板5は、共通部品として使用できるように同一の形状を有しており、ヒンジ6部分で線対称となるように連結されている。
【0023】
支持脚3は、略「X」字状の左右一対のX脚8,8から成り、各X脚8は、支軸9と、支軸9を介して開閉脚自在に連結した短脚部材10および長脚部材11と、左右の短脚部材10,10同士および左右の長脚部材11,11同士を、それぞれの下端部で連結する短脚連結バー12および長脚連結バー13とで構成されている。また、各短脚部材10の上端と座板4の各前側端部との間には座板用枢軸14が介設され、且つ各長脚部材11の上端と背板5の各中間側端部との間には背板用枢軸15が介設されている。なお、座板用枢軸14と背板用枢軸15も、共通部品として使用できるように同一の構造を有している。
【0024】
短脚部材10および長脚部材11は、下端を揃えた状態で短脚部材10に対し長脚部材11の丈が長く形成されており、支軸9を介して相互に回動自在に連結されている。また、短脚部材10と座板4とは、座板用枢軸14を介して相互に回動自在に連結され、長脚部材11と背板5とは、背板用枢軸15を介して相互に回動自在に連結されている。さらに、詳細は後述するが、展開状態の座板4と長脚部材11との交差部分には、座板4側に位置して各X脚8の開脚状態を位置規制するストッパ16が設けられている。
【0025】
座板4は、合板などで略方形に形成され、その前端部および後端部は断面半円形に面取りされている。また、座板4の両側端部には、その前後中間位置に左右一対の第1段部21,21が、後部に左右一対の第2段部22,22がそれぞれ形成されており、第1および第2各段部21,22は、短脚部材10および長脚部材11の厚みに相当する段差を有している。これにより、座板4の幅は、前部から後部に向かって3段階で幅広となっている。そして、この第2段部22が上記のストッパ16を構成している。なお、座板用枢軸14は、最も幅狭となる座板4の前部に取り付けられている。
【0026】
背板5は、座板4と同一の材質および形状を有している。すなわち、背板5は、合板などで略方形に形成され、その両側端部には、一対の第1段部21,21および一対の第2段部22,22を有している。これにより、背板5の幅は、上部から下部に向かって3段階で幅広となっている。そして、背板用枢軸15は、第1段部21と第2段部22との間の中間幅部分となる背板5の中間部(中間下部)に取り付けられている。
【0027】
各ヒンジ6は、図4示すように、座板側ヒンジ片24と、背板側ヒンジ片25と、これらを相互に連結するヒンジピン26とで構成されている。座板側ヒンジ片24は、座板4に形成した切欠き部27に上面側から装着した状態で、座板4に埋め込んだ鬼目ナット28に上面側から複数本のねじ29を螺合することで、座板4に固定されている。同様に、背板側ヒンジ片25は、背板5に形成した切欠き部27に正面側から装着した状態で、背板5に埋め込んだ鬼目ナット28に正面側から複数本のねじ29を螺合することで、背板5に固定されている。
【0028】
この場合、ヒンジピン26は、座板4の上面と背板5の正面との延長線が交差した位置が、ほぼ軸心位置となるように配設されている。これにより、座板4と背板5とを完全に折り畳んだときに、座板4の上面と背板5の正面とが相互に密着するようになっている。なお、装着した状態で、座板側ヒンジ片24の上面および後端面は、座板4の上面および後端面と面一になるように形成され、また背板側ヒンジ片25の正面および下端面は、背板5の正面および下端面と面一になるように形成されている。
【0029】
一方、短脚部材10および長脚部材11は、方形且つ中空の同一断面形状を有し、ステンレスやスチールなどで構成されている。また、左右の短脚部材10,10は、左右の長脚部材11,11の内側に配設されている。短脚および長脚部材10,11の下端部は、図5に示すように、外側に向かって斜めに鋭角に形成され、その先端部に円形のバー取付部31が一体に形成されている。短脚部材10のバー取付部31には、上記の短脚連結バー12が突き当てるようにして溶着され、長脚部材11のバー取付部31には、上記の長脚連結バー13が突き当てるようにして溶着されている。
【0030】
この場合、短脚部材10のバー取付部31(短脚連結バー12)は、短脚部材10の幅に対しほぼ1/2の径となっており、且つ短脚部材10の前側に寄った位置に配設されている。同様に、長脚部材11のバー取付部31(長脚連結バー13)は、長脚部材11の幅に対しほぼ1/2の径となっており、且つ長脚部材11の後側に寄った位置に配設されている。したがって、短脚部材10および長脚部材11が閉脚状態となり、側面視直線状に重なったときに、短脚連結バー12と長脚連結バー13とが相互に当接し、且つ上記直線の幅内に収まるようになっている。
【0031】
同様に、短脚および長脚部材10,11の上端部は、短脚部材10を例として図6に示すように、内側に向かって斜めに鋭角に形成され、その先端部に円形の枢軸取付部32が一体に形成されている。短脚部材10の枢軸取付部32には、上記の座板用枢軸14が回動自在に取り付けられ、長脚部材11の枢軸取付部32には、上記の背板用枢軸15が回動自在に取り付けられている。
【0032】
座板用枢軸14は、座板4に固定されるブラケット34と、ブラケット34と短脚部材10の枢軸取付部32とを連結する軸ピン35とで構成されている。ブラケット34は、座板4を下側から支える支持片34aと、支持片34aから直角に延び座板4の側端面に押し当てられるピン取付片34bとで、断面「L」字状に形成されている。ヒンジ6の場合と同様にブラケット34も、座板4に埋め込んだ鬼目ナット28に下面側から複数本のねじ29を螺合することで、座板4に固定されている。軸ピン35は、枢軸取付部32を貫通し、ブラケット34のピン取付片34bに固着されている。
【0033】
同様に、背板用枢軸15は、背板5に固定されるブラケット34と、ブラケット34と長脚部材11の枢軸取付部32とを連結する軸ピン35とで構成され、ブラケット34は、支持片34aとピン取付片34bとで、断面「L」字状に形成されている。
【0034】
そして、座板用枢軸14の軸ピン35の頭部の径は座板4の厚みと同寸法となっており、且つその軸心が座板4の厚みの中心位置に合致するように配設されている。同様に、背板用枢軸15の軸ピン35の頭部の径は背板5の厚みと同寸法となっており、且つその軸心が背板5の厚みの中心位置に合致するように配設されている。このため、折り畳まれて座板4と背板5とが重なった場合に、座板用枢軸14および背板用枢軸15が邪魔になることなく、両者は完全に密着する。また、座板4および背板5の厚みは、短脚部材10および長脚部材11の幅のほぼ1/2となっている。したがって、短脚部材10および長脚部材11が閉脚状態となり、側面視直線状に重なったときに、折り重なった座板4および背板5も、上記直線延長上に位置してその幅内に収まるようになっている。
【0035】
一方、各支軸9は、図7に示すように、左右の内側に位置する短脚部材10と外側に位置する長脚部材11とを、貫通するように設けられている。支軸9の先端は、Eリング37により抜止め状態となっており、また短脚部材10と長脚部材11との間には、両者の擦れ合いを防止すべくカラー38が介設されている。そして、支軸9は、短脚部材10および長脚部材11の幅方向の中心位置に配設されている。詳細は後述するが、本実施形態の折畳み椅子1を側面視直線状に折り畳むと、その幅の中心線上に上記のヒンジ6および支軸9の軸心が位置し、その両側に片寄って(外れて)それぞれ上記の座板用枢軸14および背板用枢軸15の軸心が位置することになる(図1(b)および図10参照)。
【0036】
ここで、図8および図9を参照して、折畳み椅子1の折畳み動作について説明する。図8(a)示す展開状態では、座板4はやや後方に傾き、背板5は座板4に対し直角からやや開いた状態にある。このとき、短脚部材10および長脚部材11は「X」字状に開いて開脚状態にあり、且つ長脚部材11は座板4のストッパ(第2段部22)16に当設して開脚状態を保持されている。この状態から、座板4の前端部と背板5の上端部を持って、幾分回転力を加えながら両者折り込んでゆくと、同時に座板用枢軸14と背板用枢軸15とが接近してゆき、短脚部材10および長脚部材11が徐々に閉脚してゆく(同図(b)(c))。
【0037】
さらに、座板4に背板5が重なるように深く折り込んでゆくと、閉脚動作が更に進むと共に、座板用枢軸14と背板用枢軸15との位置関係から、鋭角となったヒンジ6部分が上方に旋回してゆく(図9(d)および(e))。そして、座板4に背板5が重なると同時に、短脚連結バー12と長脚連結バー13が相互に突き当たり、さらに短脚部材10および長脚部材11が完全に重なる(図9(f))。また、逆の手順で、座板4と背板5に、逆方向の回転力を加えながら両者を開いてゆくと、折畳み椅子1は展開される。
【0038】
次に、このように折り畳まれる折畳み椅子1を、リンク機構の動きとして考察する。図10に示すように、座板用枢軸14からヒンジ6までの座板4部分をリンクA、ヒンジ6から背板用枢軸15までの背板5部分をリンクB、背板用枢軸15から支軸9までの長脚部材11部分をリンクC、支軸9から座板用枢軸14までの短脚部材10部分をリンクDとし、且つ座板用枢軸14を対偶E、ヒンジ6を対偶F、背板用枢軸15を対偶G、支軸9を対偶Hとすると、折畳み椅子1の折畳み機構は、四節リンク機構であることがわかる。
【0039】
また、リンクAとリンクDの長さの和(ADリンク寸法)と、リンクBとリンクCの長さの和(BCリンク寸法)とが、同寸法となるように設計されており、例えば同図(a)に示すように、リンクCを静止節とする四節リンク機構が2重回転リンク機構であることがわかる。このため、リンクCを静止節として、リンクA、リンクBおよびリンクDは、同図(a)の奇跡を描いて移動し、同図(b)の状態に折り畳まれる。
【0040】
上述したように(図1(b)参照)、対偶F(ヒンジ6)と対偶H(支軸9)は、折り畳まれた折畳み椅子の側面視、中心線上に位置し、対偶G(背板用枢軸15)は中心線から前方にわずかに外れると共に、対偶E(座板用枢軸14)は中心線から後方にわずかに外れることになる。すなわち、折畳み動作の最終段階で、対偶Eは中心線を越えて落ち着く。言い換えると、対偶Eが死点越えすると共に、リンクAおよびDリンクがわずかに逆折れ状態で、折り畳みが完了する。
【0041】
したがって、対偶E(座板用枢軸14)の死点越えにより、折畳み動作の最終段階および展開動作の初期段階で、クリック感が作用し、折畳み状態が抵抗感を持って保持される。これにより、折畳み状態の折畳み椅子1が簡単に展開してしまうのを有効に防止することができる。なお、実施形態では、ADリンク寸法とBCリンク寸法とを同一としたが、ADリンク寸法に対しBCリンク寸法をわずかに短く設計してもよい。このようにすれば、両リンク寸法の差により、リンクAおよびリンクDには圧縮力が作用して、逆折れ状態が強く維持され、リンクBおよびリンクCには伸張力が作用して、リンクAおよびリンクDに押し付けられる。
【0042】
以上のように本実施形態によれば、折畳み椅子1の折畳み動作を行うリンク機構部分を、いわゆる2重回転リンク機構で構成しているため、各部にがたつき等が生ずることなく、これを円滑に折畳み且つ展開することができる。また、すべり対偶(スライダ)等を廃し、且つ支持脚3により座板4を前後バランス良く支持しているため、安定性が良好で耐久性あるものとすることができる。しかも、この折畳み椅子1は、長短脚部材10,11の幅に相当する厚みに折り畳むことができるため、運搬の際には持ち易く、保管の際には狭いスペースに収容することができる。特に、折り畳んだ状態で凹凸が生じないため、その多数個を重ねて保管する場合に、崩れ難く扱い易いものとなる。また、従来の折畳み椅子のように、座板4の一部に手をつくことがあっても、折畳み椅子1が折り畳まれてしまうことがない。
【0043】
なお、本発明の折畳み椅子は、その折畳み機構が四節リンク機構で構成される限り、各構成部品の細部の形状や材質等は任意である。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明の折畳み椅子によれば、折畳み機構部分が、四節リンク機構で構成されているので、がたつきを生ずることなく、円滑に展開且つ折り畳むことができる。また、座板をバランスよく支持することができるため、展開状態が安定すると共に、全体として耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る折畳み椅子の展開状態および折畳み状態の側面図である。
【図2】実施形態に係る折畳み椅子の展開状態の正面図である。
【図3】実施形態に係る折畳み椅子の展開状態の平面図である。
【図4】ヒンジ廻りの構造図である。
【図5】長短脚部材の下端部廻りの構造図である。
【図6】座板用枢軸(背板用枢軸)廻りの構造図である。
【図7】支軸廻りの構造図である。
【図8】折畳み椅子の折畳み動作(1)を示す説明図である。
【図9】折畳み椅子の折畳み動作(2)を示す説明図である。
【図10】折畳み椅子のリンク機構部分の動作説明図である。
【図11】従来の折畳み椅子の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 折畳み椅子、2 椅子本体、3 支持脚、4 座板、5 背板、6 ヒンジ、8 X脚、9 支軸、10 短脚部材、11 長脚部材、14 座板用枢軸、15 背板用枢軸、16 ストッパ
Claims (6)
- 座板の後端と背板の下端とをヒンジを介して折曲げ自在に連結した椅子本体と、支軸を介して開閉脚自在に構成した略「X」字状の左右一対のX脚から成る支持脚と、前記各X脚の開脚状態を位置規制するストッパ部材とを備え、
前記各X脚は、上端を、座板用枢軸を介して前記座板の前部側端面に回動自在に取り付けた直線状の短脚部材と、上端を、背板用枢軸を介して前記背板の中間部側端面に回動自在に取り付けた直線状の長脚部材とを有し、
前記ストッパ部材は、前記ヒンジの前方に位置して前記座板と前記長脚部材との交差部分に設けられ、前記ヒンジおよび前記背板用枢軸との間で側面視三角形を為すように配設されていることを特徴とする折畳み椅子。 - 前記支軸から前記座板用枢軸を経て前記ヒンジに至る短脚−座板側リンク寸法と、前記支軸から前記背板用枢軸を経て前記ヒンジに至る長脚−背板側リンク寸法とが、略同一であることを特徴とする請求項1に記載の折畳み椅子。
- 折り畳んだ状態で、前記座板用枢軸および前記背板用枢軸のいずれか一方が、前記ヒンジと前記支軸とを結ぶ仮想線をわずかに死点越えすることを特徴とする請求項2に記載の折畳み椅子。
- 前記座板および前記背板は、平坦な板材で構成され、
折り畳んで重ねた前記座板と前記背板との総厚が、前記長短各脚部材の幅と略同一に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の折畳み椅子。 - 前記ストッパ部材は、前記座板の両側端部に形成され、前方から前記長脚部材が当接する段部により構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の折畳み椅子。
- 前記座板と前記背板とが、同一の平面形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の折畳み椅子。
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JP (1) | JP3692303B2 (ja) |
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