JP3691641B2 - レゾルバを備えた回転位置検出装置及びそれにおける回転位置検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾルバを備えた回転位置検出装置及びそれにおける回転位置検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16に基づいて、従来におけるレゾルバを備えた回転位置検出装置及びそれによる回転位置検出方法を説明する。
【0003】
図16に例示された従来の回転位置検出装置61は、大別してモータ本体62側と制御装置63側とからなる。モータ本体62には、1回転検出レゾルバ64、多極レゾルバ65及び両レゾルバ64,65を回転させるモータ66がそれぞれ組み込まれている。一方、制御装置63は、位置検出回路基板67を備えている。この位置検出回路基板67上には、切換スイッチ68、レゾルバ/デジタルコンバータ(RDコンバータ)69、発振回路70及び記憶手段としてのE2 PROM71が構成されている。また、前記制御装置63は、そのほかにも演算手段としてのCPU73、PROM74及びRAM75を有するコンピュータ72及びドライブ回路76を備えている。CPU73は、ドライブ回路76を介してモータ66を回転制御する。また、位置検出回路基板67の発振回路70は、両レゾルバ64,65に所定の2種類の位置測定用信号を与える。両レゾルバ64,65は、その角度位置に対応した位置検出信号を切換スイッチ68を介してRDコンバータ69に出力する。RDコンバータ69はこれらの信号を12ビットのデジタル信号に変換することにより、所定の位置検出データを生成する。これらの位置検出データは、CPU73内に取り込まれる。そして、CPU73は、前記位置検出データを用いて演算によりモータ66の絶対位置を求めるようになっている。
【0004】
しかしながら、RDコンバータ69が生成する位置検出データは、ある程度の誤差を含んでいる。この誤差としては、位置検出回路基板67上の回路自体に起因するもののほか、モータ本体62側の機器に起因するものがある。よって、従来ではこのような誤差を解消すべくあらかじめ補正データを作成し、それを位置検出回路基板67上のE2 PROM71に格納していた。そして、電源投入時にその補正データを用いることにより、毎回位置検出データの補正を行なっていた。なお、本願出願人は、同様の補正データの作成方法を特公平8−1388号公報において既に開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記補正データは、モータ本体62側及び位置検出回路基板67側の1セットでまとめて作成されるため、使用時に両者62,67の組み合わせが変更されると、補正データそのものが意味をなさなくなる。ゆえに、この場合にはモータ66の絶対位置を精度よく検出することができなくなる。
【0006】
また、従来装置61では、前述のようにモータ本体62側及び位置検出回路基板67側の組み合わせに制約があるため、一対一で使用せざるを得ない。そのため、モータ本体62側及び位置検出回路基板67側のうちの片方が故障したときには、残りの一方も使用不能になってしまう。即ち、結果的に両者62,67をともに交換しなくてはならず、極めて不経済であった。
【0007】
また、仮に故障発生時に両者62,67のうちのいずれかを交換して使用した場合、動作不良やさらなる故障を引き起こすことが予想される。また、動作不良等を起こすに至らなくても、モータ66の絶対位置検出の精度の悪化が予想されていた。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、故障発生時における交換作業が簡単で、しかもアクチュエータの絶対位置検出の精度に優れた、レゾルバを備えた回転位置検出装置及びそれにおける回転位置検出方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の別の目的は、アクチュエータ本体と制御装置との交換間違いに起因する動作不良や故障を未然に防止することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、1回転検出レゾルバ、多極レゾルバ及び前記各レゾルバを回転させるアクチュエータを有するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体を駆動させる駆動手段、前記各レゾルバから出力される位置検出信号を変換して位置検出データを生成する位置検出回路及び前記位置検出データを用いて演算により前記アクチュエータの絶対位置を求める演算手段を有する制御装置とを備える回転位置検出装置において、前記制御装置側に設けた第1の記憶手段に、前記位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データを格納させるとともに、前記アクチュエータ本体側に設けた第2の記憶手段に、同アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを格納させ、前記両補正データを併用して前記位置検出データを補正することを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置をその要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記第2の記憶手段と前記演算手段とは通信手段を介して電気的に接続され、前記第2の記憶手段に格納されている前記第2の補正データはこの通信手段を介して前記制御装置側に取り込まれることとした。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、前記第2の記憶手段は、前記第2の補正データに加えて、前記アクチュエータの機番に関するデータを格納しているとした。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記第2の記憶手段は、前記第2の補正データに加えて、前記アクチュエータに通電する際の位相に関するデータを格納しているとした。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記制御装置は、前回の位置検出データの補正に用いた補正用既存データを一時的に格納しておくための第3の記憶手段を備えることとした。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項5において、前記制御装置は第1の読出手段、第2の読出手段及び機番比較判定手段を備え、前記第1の読出手段は、電源投入時に前記通信手段を介して前記第2の記憶手段から前記機番に関するデータのみを読み出し、かつ前記補正用既存データのうち前記機番に関するデータを前記第3の記憶手段から読み出すことと、前記機番比較判定手段は、読み出された前記2つの機番に関するデータに基づいて機番の異同を比較・判定することと、前記第2の読出手段は、機番が異なると判定した場合には前記第2の補正データを読み出してそれを前記第3の記憶手段に新たに格納し、機番が同じであると判定した場合には前記第2の補正データを読み出すことなく前記補正用既存データをそのまま保持することとからなるとした。
【0016】
請求項7に記載の発明では、1回転検出レゾルバ、多極レゾルバ及び前記各レゾルバを回転させるアクチュエータを有するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体を駆動させる駆動手段、前記各レゾルバから出力される位置検出信号を変換して位置検出データを生成する位置検出回路及び前記位置検出データを用いて演算により前記アクチュエータの絶対位置を求める演算手段を有する制御装置とを備える回転位置検出装置における回転位置検出方法であって、前記位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データを前記制御装置側に保持させるとともに、前記アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを同アクチュエータ本体側に保持させ、前記両補正データを併用して前記位置検出データを補正することを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置における回転位置検出方法をその要旨とする。
【0017】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1〜6に記載の発明によると、位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データ、及びアクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを併用して、制御装置の演算手段が位置検出データを補正する。このため、いずれか一方の補正データのみを用いて補正を行う場合に比べて、アクチュエータの絶対位置検出の精度が確実に高くなる。また、前記補正データは制御装置側の記憶手段のみならず、アクチュエータ本体側の記憶手段も保持している。従って、アクチュエータ本体と位置検出回路との組み合わせを変更したときでも、補正データそのものが意味をなさなくなることはない。
【0018】
さらに、本発明の回転位置検出装置では、アクチュエータ本体と位置検出回路との組み合わせに特に制約がなくなることにより、片方が故障したときには残りの一方のみを交換することが可能となる。よって、両者をともに交換する必要があった従来とは異なり、経済的でありかつ交換作業が簡単になる。
【0019】
請求項2に記載の発明によると、アクチュエータ本体側の保持する第2の補正データが通信手段を介して制御装置側に取り込まれ、かつ第1の補正データと併用されることで、位置検出データが補正される。
【0020】
請求項3に記載の発明によると、第2の記憶手段の保持するアクチュエータの機番に関するデータがあると、制御装置側との組み合わせの適否を判断する際に利用できるため、交換時に組み合わせを間違うことも少なくなる。ゆえに、組み合わせ間違いに伴う動作不良やさらなる故障を引き起こす心配もない。
【0021】
請求項4に記載の発明によると、第2の記憶手段の保持するアクチュエータに通電する際の位相に関するデータを用いることにより、最適な極に通電することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によると、必要に応じて、前回の位置検出データの補正に用いた補正用既存データを再利用して位置検出データを補正することにより、処理の効率化が図られる。
【0023】
請求項6に記載の発明によると、電源投入時に第1の読出手段によって、第2の記憶手段から機番に関するデータのみが読み出され、かつ補正用既存データのうち機番に関するデータが第3の記憶手段から読み出される。前記2つのデータは、機番比較判定手段が機番の異同を比較・判定する際の判断材料となる。そして、機番比較判定手段が機番が異なると判定した場合、第2の読出手段は、第2の記憶手段から第2の補正データを読み出してそれを第3の記憶手段に新たに格納する。従って、演算手段はこの新たな第2の補正データと第1の補正データとを併用して位置検出データを補正することにより、アクチュエータの絶対位置を検出する。なお、補正用既存データは、このとき消去されてもよく、そのまま保持されてもよい。
【0024】
一方、機番比較判定手段が機番が同じであると判定した場合、第2の読出手段は、第2の補正データを読み出すことなく補正用既存データをそのまま保持する。従って、演算手段はその補正用既存データを再利用して位置検出データを補正することにより、アクチュエータの絶対位置を検出する。つまり、機番の異同にかかわらず第2の補正データを読み出してくる方式に比べて、電源投入時から絶対位置検出開始までに要する時間が短くなる。このため、確実に処理の効率化が図られ、アクチュエータを短時間で駆動開始することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によると、位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データ、及びアクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを併用して、制御装置の演算手段が位置検出データを補正する。このため、いずれか一方の補正データのみを用いて補正を行う場合に比べて、アクチュエータの絶対位置検出の精度が確実に高くなる。また、前記補正データは制御装置側の記憶手段のみならず、アクチュエータ本体側の記憶手段も保持している。従って、アクチュエータ本体と位置検出回路との組み合わせを変更したときでも、補正データそのものが意味をなさなくなることはない。
【0026】
さらに、本発明の方法では、アクチュエータ本体と位置検出回路との組み合わせに特に制約がなくなることにより、片方が故障したときには残りの一方のみを交換することが可能となる。よって、両者をともに交換する必要があった従来とは異なり、経済的でありかつ交換作業が簡単になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態のレゾルバを備えた回転位置検出装置及びそれにおける回転位置検出方法を図1〜図15に基づき詳細に説明する。
[モータ本体側の機械的構成]
図1に示されるように、本実施形態の回転位置検出装置1は、大別してアクチュエータ本体としてのモータ本体2側と、制御装置3側とからなる。モータ本体2を構成するハウジング7内には、1回転検出レゾルバ4、多極(132極)レゾルバ5及び両レゾルバ4,5を回転させるサーボモータ6がそれぞれ組み込まれている。各レゾルバ4,5はロータ4a,5a及びステータ4b,5bをそれぞれ備えている。前記両ロータ4a,5aは、回転側である出力軸1aに止着されている。固定側である前記ステータ4b,5bは、ロータ4a,5aを包囲するようハウジング7の内壁面に固定されている。ハウジング7の側面には、コネクタボックス8が突設されている。このコネクタボックス8には、制御装置3側との電気的接続を図るためのコネクタケーブル(図示略)の一方の端部が挿抜可能な挿抜口9が形成されている。コネクタボックス8の内壁面には回路基板10が固定されている。そして、この回路基板上10には半導体パッケージ11等の電子部品が搭載されている。前記半導体パッケージ11の内部にある半導体チップは、後述する第2の記憶手段としての第2のE2 PROM(Electrically Erazable Programmable Read Only Memory) 32の機能を有している。ロータ4a,5a及びステータ4b,5bと、コネクタボックス8内にある端子12とは、前記回路基板10を介して電気的に接続されている。本実施形態では、前記半導体パッケージ11として8ピンのDIP(Dual Inline Package )タイプのものを使用している。なお、これ以降は説明の便宜上、1回転検出レゾルバ4を「×1レゾルバ4」と表記し、多極レゾルバ5を「×132レゾルバ5」と表記する。[電気的構成]
図2に示されるように、制御装置3はコンピュータ21を備えている。前記コンピュータ21は、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit) 22、PROM(Programmable Read Only Memory) 23及びRAM(Random Access Memory)24を有している。PROM23,RAM24は、データ補正の際の演算処理手順に関する制御プログラムを格納している。CPU22は、駆動手段としてのドライブ回路20を介してサーボモータ6に接続されている。ドライブ回路20は、CPU22からの指令に基づいて、サーボモータ6を回転制御するための駆動電流を同サーボモータ6に出力する。
【0028】
制御装置3を構成する位置検出回路基板25上には、切換スイッチ26、RDコンバータ27、発振回路28等によって位置検出回路が構成されている。発振回路28は、×1レゾルバ4及び×132レゾルバ5に電気的に接続されている。発振回路28は、絶対回転角を検出するための2種類の基準信号を発生する。第1の基準信号は正弦波信号からなる信号であり、第2の基準信号はその信号と位相が180°ずれた信号である。これらの基準信号は、それぞれ×1レゾルバ4及び×132レゾルバ5のステータ4b,5b側に出力される。
【0029】
×1レゾルバ4は、一対の位置検出信号を切換スイッチ26に出力する。前記一対の位置検出信号は、出力軸の1回転に対応して1周期となるものであり、互いに位相が90°ずれている。同様に×132レゾルバ5は、一対の位置検出信号を切換スイッチ26に出力する。前記一対の位置検出信号は、出力軸の1/132の回転に対応して1周期となるものであり、互いに位相が90°ずれている。なお、前記切換スイッチ26の前段に、ゲイン調整のための増幅回路が設けられていてもよい。
【0030】
両レゾルバ4,5からの位置検出信号は、切換スイッチ26を介してRDコンバータ27に出力される。切換スイッチ26はCPU22からの指令を受けて切換動作を行い、×1レゾルバ4の位置検出信号または×132レゾルバ5の位置検出信号のうちのいずれかを一方を出力する。RDコンバータ27は入力した位置検出信号をデジタル信号に変換する。その結果、本実施形態では12ビットの位置検出データが生成され、その位置検出データはCPU22に取り込まれる。具体的にいうと、×1レゾルバ4からの位置検出信号は、出力軸1aの1回転に対応して0から4095まで変化する12ビットの信号となる。×132レゾルバ5からの位置検出信号は、出力軸1aの1/132回転に対応して0から4095まで変化する12ビットの信号となる。
【0031】
そして、CPU22は、RDコンバータ27からの位置検出データを用いて演算によりサーボモータ6の絶対位置を求める。なお、このような絶対位置の検出は、制御装置3の電源が投入された場合にドライブ回路20への通電に先立って行われる。なお、詳細については後述する。
【0032】
図2に示されるように、位置検出回路基板25上には、第1の記憶手段としての第1のE2 PROM29や、DC/DCコンバータ30等が構成されている。第1のE2 PROM29には、位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データRCD3 ,RCD4 があらかじめ格納されている。CPU22は、第1のE2 PROM29に格納されているデータを必要に応じて読み出す。なお、第1の補正データRCD3 ,RCD4 の作成手順については後に詳細に説明する。DC/DCコンバータ30は、電圧が変換された直流電流をモータ本体2側の機器に出力する。
【0033】
前述のようにモータ本体2は、第2の記憶手段としての第2のE2 PROM32を備えている。このE2 PROM32には、モータ本体2側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データRCD1 ,RCD2 があらかじめ格納されている。ここでモータ本体2側の機器に固有の誤差とは、例えば両レゾルバ4,5のステータ4b,5bを構成する励磁コイルの巻回ばらつきに起因して生じる固有の誤差等を指す。なお、第2の補正データRCD1 ,RCD2 の作成手順については後に詳細に説明する。また、前記第2のE2 PROM32には、第2の補正データRCD1 ,RCD2 に加えて、モータ6の機番に関するデータと、モータ6に通電する際の位相に関するデータとがあらかじめ格納されている。前者のデータ(以下、単に機番データと呼ぶ。)は、具体的にはモータ6に付されたシリアル番号である。後者のデータ(以下、単に通電位相データと呼ぶ。)は、具体的には0°≦θ<360°の電気角を決めるためのオフセット量である。
【0034】
第2のE2 PROM32は、前記DC/DCコンバータ30から直流電源の供給を受けることにより動作する。
第2のE2 PROM32とCPU22とは、通信手段としてのラインドライバ/レシーバ33を介して電気的に相互に接続されている。ラインドライバ/レシーバ33は、読み出し専用ライン、書き込み専用ライン及び同期用ラインからなる。ラインドライバ/レシーバ33を構成する一方の入出力回路は、位置検出回路基板25上に形成されている。同じくラインドライバ/レシーバ33を構成する他方の入出力回路は、第2のE2 PROM32が搭載されている回路基板10上に形成されている。第2のE2 PROM32に格納されている第2の補正データRCD1 ,RCD2 は、読み出し専用ラインを介してCPU22に取り込まれる。同様に、機番データ及び通電位相データについても、読み出し専用ラインを介してCPU22に取り込まれる。かかるラインドライバ/レシーバ33を用いる利点は、ノイズに対して強くなるため、第2のE2 PROM32から正確に各種データ等を読み出せることである。このことは絶対位置検出の高精度化にも貢献する。
【0035】
コンピュータ21は、PROM23,RAM24とは別に、第3の記憶手段としての第3のE2 PROM31を備えている。このE2 PROM31には、前回の位置検出データの補正に用いた補正用既存データが一時的に格納される。また、E2 PROM31には、CPU22に取り込まれた前記各データ(第2の補正データRCD1 ,RCD2 、機番データ、通電位相データ)も必要に応じて一時的に格納される。
【0036】
第1の読出手段、第2の読出手段及び機番比較判定手段でもあるCPU22は、E2 PROM32から読み出した第2の機番データと、補正用既存データのうちの機番データとを比較することにより、機番の異同を判定する。そして、その異同の判定結果に基づいて、第2のE2 PROM32から第2の補正データRCD1 ,RCD2 を読み出すか否かを決定する。
[1回転検出レゾルバ及び多極レゾルバの補正データの作成手順]
図3には、補正データRCD1 ,RCD2 を作成する際に用いられる補正治具41が概略的に示されている。この補正治具41は、両レゾルバ4,5を回転させるための測定用モータ42と基準エンコーダ43とを備えている。測定用モータ42の出力軸、基準エンコーダ43の軸及びサーボモータ6の出力軸1aは、みな同軸上にある。従って、測定用モータ42を作動することによって、サーボモータ6及び基準エンコーダ43がそれと同期回転する。
【0037】
最初に×1レゾルバ4の補正データRCD1 の作成手順について説明する。
1)まず、前記補正治具41に補正対象であるモータ本体2をセットする。
2)この後、基準エンコーダ43の0°の位置まで原点復帰を行う。0°の位置は、モータ本体2を補正治具41に組み付けたときに決まる位置である。
【0038】
3)次いで、測定用モータ42の駆動により×1レゾルバ4を回転させ、×1レゾルバ4のデータが変化するたびに基準エンコーダ43の角度を読み出し、4096個のデータを得る(図4参照)。
【0039】
4)図4に示すデータを132/128倍する(図5(a) ,(b) 参照)。その理由は、上位8ビットを×132レゾルバ5の極数に合わせるためである。
5)基準エンコーダ43の0°の位置から×132レゾルバ5を回転させ、レゾルバデータに対する基準エンコーダ43の角度を読み出す。
【0040】
6)×1レゾルバ4のデータD1 に対する基準エンコーダ43の角度Aを求める。さらに、図6(a)のデータテーブルから、角度Aに近い値A’を求め、A’に対する×132レゾルバ5のデータD2 を求める。
【0041】
7)前記データD1 ,D2 の差を計算し、×1レゾルバ4の補正データRCD1 とする。図6〜図8には、このことが概略的に示されている。差を求める計算のときには、前記両データD1 ,D2 の有効桁を合わせておく。
【0042】
次に、×132レゾルバ5の補正データRCD2 の作成手順について説明する。
×132レゾルバ5の値から作成した1回転分のパルスD2 と基準エンコーダ43の角度データとを、540672(パルス)/360(°)倍して得たパルスD4 の差を計算し、×132レゾルバ5の補正データRCD2 とする。その際、前もって基準エンコーダ43の0°と×132レゾルバ5の0とが合うように、基準エンコーダ43の角度にオフセット分を加算しておく。図9(a),図9(b)には、このことが概略的に示されている。
【0043】
なお、両レゾルバ4,5の補正データ(即ち、第2の補正データ)RCD1 ,RCD2 の作成における基本的な考え方は、特公平8−1388号公報のそれと同じである。
【0044】
前記第2の補正データRCD1 ,RCD2 は、ラインドライバ/レシーバ33の一部である入出力回路を介して第2のE2 PROM32に読み出し可能に書き込まれる。機番データ及び通電位相データも、同様に前記入出力回路を介して第2のE2 PROM32に読み出し可能に書き込まれる。
[位置検出回路の補正データの作成手順]
次に、位置検出回路の補正データRCD3 ,RCD4 の作成手順を図10,図11に基づいて説明する。
【0045】
図11は、D/Aコンバータ46、基準用位置検出回路基板47、後に製品となる被測定用の位置検出回路基板25及びCPU51の接続を示すブロック図である。基準用位置検出回路47は、ゲイン調整用の増幅回路48と切換スイッチ49とR/Dコンバータ50とを備えている。CPU51は切換スイッチ49を切換制御するとともに、R/Dコンバータ50からのデジタルデータを取り込む。CPU51は、当初、切換スイッチ26,49をともに×1側に設定する。
【0046】
D/Aコンバータ46は、位相の90°ずれた一対の基準信号を、基準用位置検出回路基板47上に構成された増幅回路48にそれぞれ出力する。また、D/Aコンバータ46は、前記一対の基準信号を同様に被測定用の位置検出回路基板25の切換スイッチ26にもそれぞれ出力する。このとき、D/Aコンバータ46は、θを0°から360°まで変化させる。その結果、レゾルバ分解能に応じた1周期分のデジタルデータ(本実施形態では12ビット)が得られる。CPU51は、このようにして得られたデータAに対するBの差をとり、位置検出回路基板25の単体での×1補正データRCD3 を求める(図10参照)。
【0047】
CPU51は、次に切換スイッチ26,49をともに×132側に設定する。このとき、D/Aコンバータ46は、θを0°から360°まで変化させる。その結果、レゾルバ分解能に応じた1/132周期分のデジタルデータ(本実施形態では12ビット)が得られる。CPU51は、このようにして得られたデータA’に対するB’の差をとり、位置検出回路基板25の単体での×132補正データRCD4 を求める。
【0048】
以上のようにして作成された位置検出回路基板25の単体での×1補正データRCD3 及び×132補正データRCD4 (即ち、第1の補正データ)は、被測定用の位置検出回路基板25の第1のE2 PROM29にCPU51を介して読み出し可能に書き込まれる。
[絶対位置を演算により求める手順]
次に、電源投入時においてサーボモータ6の絶対位置を演算により求める手順を図12〜図15に基づいて説明する。
【0049】
図12のフローチャートに示されるように、ステップS1 においてCPU22は、所定の制御プログラムに基づいて第2のE2 PROM32内のデータ(第2の補正データ、機番データ、通電位相データ)を読み出す。その際、状況に応じて一部のデータのみが読み出されたり、全てのデータが読み出される。その詳細については後述する(図15のフローチャート参照)。
【0050】
ステップS2 においてCPU22は、RDコンバータ27から出力される×1レゾルバ4の位置検出データを読み出す。この位置検出データは上述のとおり12ビットのデジタルデータである。
【0051】
ステップS3 においてCPU22は、第1のE2 PROM29から第1の補正データRCD3 ,RCD4 を読み出すとともに、その一部である補正データRCD3 を前記位置検出データに加算する(図14のP1 を参照)。この補正データRCD3 は上述のとおり8ビットのデジタルデータである。
【0052】
ステップS4 においてCPU22は、前記ステップS3 において得たデータを132/128倍し、13ビットのデジタルデータとする。
ステップS5 においてCPU22は、第2の補正データRCD1 ,RCD2 の一部である補正データRCD1 を、前記13ビットのデジタルデータに加算する(図14のP2 を参照)。
【0053】
ステップS6 においてCPU22は、切換スイッチ26を×132側に切り換えるとともに、RDコンバータ27から出力される×132レゾルバ5の位置検出データを読み出す。この位置検出データは上述のとおり12ビットのデジタルデータである。
【0054】
ステップS7 においてCPU22は、上位8ビットの繰り上げ・繰り下げ計算を行う。その際、CPU22は、図14のP3 におけるa部位及びb部位のデータを参照する。繰り上げ・繰り下げ計算の意義は、b部位のデータからa部位のデータを引いた値が所定値以上であるときに×1に対して×132の近いほうを特定することである(図14のP3 を参照)。
【0055】
ステップS8 においてCPU22は、第2の補正データRCD1 ,RCD2 の一部である×132レゾルバ5の補正データRCD2 を、前記ステップS7 で得られたデータに加算する(図14のP4 を参照)。
【0056】
ステップS9 においてCPU22は、ステップS8 で得られたデータに、さらに第1の補正データRCD3 ,RCD4 の一部、即ちRCD4 を加算する。その結果、CPU22は1回転の絶対位置を決定する。
【0057】
以降、CPU22は、次いで×132レゾルバ5の位置検出データのみを読み出し、1サンプリングあたりの最大変化量を超えるか否かに基づいて、上位8ビットの繰り上げ・繰り下げ計算を行う。図13にはその詳細なフローチャートが示されている。
【0058】
ステップS10においてCPU22は、×132レゾルバ5の位置検出データのみをRDコンバータ27を介して読み出す。
ステップS11においてCPU22は、今回の×132レゾルバ5の位置検出データと前回の×132レゾルバ5の位置検出データとの差ΔDをとる。
【0059】
ステップS12においてCPU22は、ΔDが正の最大変化量VMAX の値を超えているか否かを判断する。ΔD>VMAX であるときには、ステップS16に移行し、1回転の位置データから4096を減じることで繰り下げが実行され、その後にステップS14に移行する。ΔD>VMAX でないときには、ステップS16に移行することなく、次のステップS13に移行する。
【0060】
ステップS13においてCPU22は、ΔDが負の最大変化量VMIN の値未満であるか否かを判断する。ΔD<VMIN であるときには、ステップS17に移行し、1回転の位置データに4096を加えることで繰り上げが実行される。ΔD<VMIN でないときには、ステップS17に移行することなく、次のステップS14に移行する。
【0061】
ステップS14においてCPU22は、×132レゾルバ5の補正データRCD2 を、前段のステップS13,S16,S17において得られたデータに加算する。
ステップS15においてCPU22は、前記ステップS14で得られたデータに補正データRCD4 を加算し、1回転の絶対位置を決定する。その後、CPU22は、ステップS10に戻り、それ以降の各ステップ繰り返す。
【0062】
次に、図15のフローチャートについて説明する。
同フローチャートに示す処理は、電源投入後に直ちに実行される。ステップS21において、第1の読出手段であるCPU22は、ラインドライバ/レシーバ33を介して第2のE2 PROM32から機番データのみを選択的に読み出す。
【0063】
ステップS22においてCPU22は、前回用いた補正用既存データのうち機番データを第3のE2 PROM31から読み出す。
ステップS23において、機番比較判定手段であるCPU22は、読み出された前記2つの機番データ同士を所定の制御プログラムに基づいて比較する。機番が異なると判定した場合、CPU22はステップS24に移行する。機番が同じであると判断した場合、CPU22はステップS24に移行することなく、ステップS26に移行する。
【0064】
ステップS24においてCPU22は、補正用既存データを第3のE2 PROM31から消去し、新たなデータの書き込みに備える。
ステップS25において、第2の読出手段であるCPU22は、第2のE2 PROM32から第2の補正データRCD1 ,RCD2 及び通電位相データを読み出し、それらをデータがクリアされた第3のE2 PROM31に新たに格納する。この後、CPU22は図12のフローチャートのステップS2 に移行し、それ以降の処理を実施する。
【0065】
ステップS26においてCPU22は、第2のE2 PROM32から第2の補正データRCD1 ,RCD2 を読み出すことなく、前回用いた補正用既存データを第3のE2 PROM31にそのまま保持する。即ち、この場合には第3のE2 PROM31のデータクリアは実施されない。この後、CPU22は図12のフローチャートのステップS2 に移行し、それ以降の処理を前記補正用既存データを用いて実施する。
[効果]
さて、以下に本実施形態において特徴的な効果を列挙する。
【0066】
(イ)この実施形態では、位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データRCD3 ,RCD4 を制御装置3側に保持させ、モータ本体2側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データRCD1 ,RCD2 をモータ本体2側に保持させている。そして、これらの補正データRCD1 〜RCD4 を併用して、CPU22に位置検出データの補正を行わせている。このため、いずれか一方の補正データRCD1 〜RCD4 のみを用いて補正を行う場合に比べて、サーボモータ6の絶対位置検出の精度が確実に高くなる。また、モータ本体2と位置検出回路基板25との組み合わせを変更したときでも、補正データRCD1 〜RCD4 そのものが無意味になることもなくなる。
【0067】
(ロ)また、本実施形態の回転位置検出装置1では、モータ本体2と位置検出回路基板25との組み合わせに特に制約がなくなることにより、片方が故障したときには残りの一方のみを交換することが可能となる。よって、両者2,25をともに交換する必要があった従来とは異なり経済的なものとなる。また、組み合わせの制約がなくなることにより、交換作業も簡単になる。
(ハ)この実施形態の回転位置検出装置1は、電源投入時に機番の比較・判定を行い、機番が同じであると判定した場合には第2の補正データRCD1 ,RCD2 を読み出すことなく前回用いた補正用既存データをそのまま保持する。そして、その補正用既存データを再利用して位置検出データを補正することにより、サーボモータ6の絶対位置を検出する。つまり、機番の異同にかかわらず第2の補正データRCD1 ,RCD2 を読み出してくる方式に比べて、電源投入時から絶対位置検出の開始までに要する時間が短くなる。このため、確実に処理の効率化が図られ、サーボモータ6を短時間で駆動開始することができる。
【0068】
さらに、モータ本体2側にある機番データは、制御装置3側との組み合わせの適否を判断する際の好適な材料となることから、モータ本体2または位置検出回路基板25の交換時に両者2,25の組み合わせを間違うことも極めて少なくなる。ゆえに、本実施形態であれば、このような組み合わせ間違いに伴う動作不良やさらなる故障を引き起こす心配もない。
【0069】
(ニ)本実施形態では、ハウジング7に突設されたコネクタボックス8内に、第2の記憶手段であるE2 PROM32が収容されている。この構成であると、E2 PROM32がハウジング7自身の内部に収容されている場合とは異なり、ロータ4a,5aやステータ4b,5bからの離間距離が大きくなる。よって、サーボモータ6の回転による温度変化による影響が小さくなり、E2 PROM32の誤作動等を未然に防止することができる。このことはサーボモータ6の絶対位置検出の高精度化にも貢献することを意味する。また、E2 PROM32であれば必要に応じてデータの消去や書き込みが自在であるという利点がある。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、例えば次のような別の形態に変更することが可能である。
◎ 1回転検出レゾルバ(×1レゾルバ)4及び多極レゾルバ(×132レゾルバ)5、を各々1つずつ(合計2つ)用いた前記実施形態に代えて、次のように構成しても勿論よい。例えば、レゾルバ4,5を合計3つ以上(3,4,5,6,7,8 …)使用する。この場合、多極レゾルバ5を複数個使用してもよい。また、多極レゾルバ5は132極のみに限定されることはない。
【0071】
◎ 制御装置3側のDC/DCコンバータ30からの電源供給を受ける実施形態の構成に代えて、モータ本体2側自身に電源回路を保有させてもよい。
◎ 第1の記憶手段である第1のE2 PROM29の一部の領域に、第3の記憶手段が記憶すべきデータを一時的に書き込むこととしてもよい。ただし、位置検出回路基板25の交換がありうることを考慮すると、第3の記憶手段は同基板25とは別個に設けられていることが好ましい。
【0072】
◎ 第2の記憶手段としてE2 PROM32を用いた実施形態に代えて、読み出しのみが可能な単なるROMを用いてもよい。
◎ 位置検出回路基板25とコンピュータ21とを別個に構成した実施形態に代え、それらの機能を1ボードまたは1チップに集約させるようにして構成してもよい。
【0073】
◎ 実施形態では、第2のE2 PROM32に第2の補正データRCD1 ,RCD2 、機番データ及び通電位相データの3種を保持させていた。これに代え、例えば第2の補正データRCD1 ,RCD2 及び通電位相データの2種を保持させることとしてもよい。また、第2の補正データRCD1 ,RCD2 の1種のみを保持させることとしてもよい。
【0074】
◎ モータ本体2側の第2のE2 PROM32に、実施形態において示した各種データ以外のものを格納させてもよい。
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0075】
(1) 1回転検出レゾルバ、多極レゾルバ、前記各レゾルバを回転させるアクチュエータ及び記憶手段を有するアクチュエータ本体であって、前記記憶手段には同アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための補正データが格納されていることを特徴としたアクチュエータ本体。このような構成のアクチュエータ本体であると、請求項1〜7に記載の発明の実現に極めて適したものとすることができる。
【0076】
(2) 少なくとも1つのレゾルバと、それを回転させるアクチュエータを有するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体を駆動させる駆動手段、前記レゾルバから出力される位置検出信号を変換して位置検出データを生成する位置検出回路及び前記位置検出データを用いて演算により前記アクチュエータの絶対位置を求める演算手段を有する制御装置とを備える回転位置検出装置における回転位置検出方法であって、
前記アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための補正データを同アクチュエータ本体側に保持させ、その補正データを加味して前記位置検出データを補正することを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置における回転位置検出方法。この方法であると、故障発生時における交換作業が簡単になり、しかもアクチュエータの絶対位置検出の高精度化を図ることができる。
【0077】
(3) 請求項1〜6のいずれか1項において、前記アクチュエータ本体を構成するハウジングにはコネクタボックスが突設され、前記第2の記憶手段はそのコネクタボックス内に収容されていることを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置。この構成であると、アクチュエータの回転による温度変化による影響が小さくなり、誤作動等が未然に防止されるため、絶対位置検出のさらなる高精度化を図ることができる。
【0078】
(4) 請求項1〜6のいずれか1項において、前記第2の記憶手段はE2 PROMであることを特徴とする記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。この構成であると、必要に応じて、データの消去や書き込みを自在に行うことができるので、便利なものとなる。
【0079】
(5) 技術的思想3において、前記第2の記憶手段はE2 PROMの機能を有する半導体チップを備えるパッケージであり、同パッケージは回路基板に搭載された状態で前記コネクタボックスの内壁面に固定されていることを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置。この構成であると、実装等が簡単になりしかも信頼性が高くなる。
【0080】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「パッケージ: DIPをいうほか、SIP,SOP,QFP,PGA等を含む。」
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、故障発生時における交換作業が簡単で、しかもアクチュエータの絶対位置検出の精度に優れた、レゾルバを備えた回転位置検出装置を提供することができる。
【0082】
請求項3に記載の発明によれば、アクチュエータ本体と制御装置との交換間違いに起因する動作不良や故障を未然に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、アクチュエータの絶対位置検出の精度がより高くなる。
【0083】
請求項5に記載の発明によれば、データの再利用が可能であるため、位置検出データの補正を行う際の処理の効率化が図られる。
請求項6に記載の発明によれば、電源投入時から絶対位置検出開始までに要する時間が短くなるため、確実に処理の効率化が図られ、アクチュエータを短時間で駆動開始することができる。
【0084】
請求項7に記載の発明によれば、故障発生時における交換作業が簡単で、しかもアクチュエータの絶対位置検出の精度に優れた、レゾルバを備えた回転位置検出装置における回転位置検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のレゾルバを備えた回転位置検出装置におけるモータ本体の概略断面図。
【図2】同じくレゾルバを備えた回転位置検出装置のブロック図。
【図3】補正データを作成する際に用いられる補正治具を示す概略図。
【図4】×1レゾルバの補正データの作成手順を説明するためのデータテーブル。
【図5】(a)は同補正データの作成手順を説明するためのデータテーブル、(b)は検出信号のグラフ。
【図6】(a)は同補正データの作成手順を説明するためのデータテーブル、(b)は検出信号のグラフ。
【図7】同補正データの作成手順を説明するためのデジタルデータの概略図。
【図8】同補正データの作成手順を説明するための検出信号のグラフ。
【図9】(a)は×132レゾルバの補正データの作成手順を説明するためのデータテーブル、(b)はデジタルデータの概略図。
【図10】位置検出回路の補正データの作成手順を説明するためのデータテーブル。
【図11】同じくその補正データの作成手順を説明するためのブロック図。
【図12】絶対位置を演算により求める手順を説明するためのフローチャート。
【図13】絶対位置を演算により求める手順を説明するためのフローチャート。
【図14】絶対位置を演算により求める手順を説明するためのデジタルデータの概略図。
【図15】絶対位置を演算により求める手順を説明するためのフローチャート。
【図16】従来技術のレゾルバを備えた回転位置検出装置を示すブロック図。
【符号の説明】
1…レゾルバを備えた回転位置検出装置、2…アクチュエータ本体としてのモータ本体、3…制御装置、4…1回転検出レゾルバとしての×1レゾルバ、5…多極レゾルバとしての×132レゾルバ、6…アクチュエータとしてのサーボモータ、20…駆動手段としてのドライブ回路、21…制御装置としてのコンピュータ、22…演算手段、第1の読出手段、第2の読出手段、機番比較判定手段としてのCPU、25…位置検出回路を備える位置検出回路基板、29…第1の記憶手段としてのE2 PROM、31…第3の記憶手段としてのE2 PROM、32…第2の記憶手段としてのE2 PROM、33…通信手段としてのラインドライバ/レシーバ、RCD1 ,RCD2 …第1の補正データ、RCD3 ,RCD4 …第2の補正データ。
Claims (7)
- 1回転検出レゾルバ、多極レゾルバ及び前記各レゾルバを回転させるアクチュエータを有するアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体を駆動させる駆動手段、前記各レゾルバから出力される位置検出信号を変換して位置検出データを生成する位置検出回路及び前記位置検出データを用いて演算により前記アクチュエータの絶対位置を求める演算手段を有する制御装置とを備える回転位置検出装置において、
前記制御装置側に設けた第1の記憶手段に、前記位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データを格納させるとともに、前記アクチュエータ本体側に設けた第2の記憶手段に、同アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを格納させ、前記両補正データを併用して前記位置検出データを補正することを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置。 - 前記第2の記憶手段と前記演算手段とは通信手段を介して電気的に接続され、前記第2の記憶手段に格納されている前記第2の補正データはこの通信手段を介して前記制御装置側に取り込まれることを特徴とする請求項1に記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。
- 前記第2の記憶手段は、前記第2の補正データに加えて、前記アクチュエータの機番に関するデータを格納していることを特徴とする請求項1または2に記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。
- 前記第2の記憶手段は、前記第2の補正データに加えて、前記アクチュエータに通電する際の位相に関するデータを格納していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。
- 前記制御装置は、前回の位置検出データの補正に用いた補正用既存データを一時的に格納しておくための第3の記憶手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。
- 前記制御装置は第1の読出手段、第2の読出手段及び機番比較判定手段を備え、前記第1の読出手段は、電源投入時に前記通信手段を介して前記第2の記憶手段から前記機番に関するデータのみを読み出し、かつ前記補正用既存データのうち前記機番に関するデータを前記第3の記憶手段から読み出すことと、前記機番比較判定手段は、読み出された前記2つの機番に関するデータに基づいて機番の異同を比較・判定することと、前記第2の読出手段は、機番が異なると判定した場合には前記第2の補正データを読み出してそれを前記第3の記憶手段に新たに格納し、機番が同じであると判定した場合には前記第2の補正データを読み出すことなく前記補正用既存データをそのまま保持することとからなることを特徴とする請求項5に記載のレゾルバを備えた回転位置検出装置。
- 1回転検出レゾルバ、多極レゾルバ及び前記各レゾルバを回転させるアクチュエータを有するアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体を駆動させる駆動手段、前記各レゾルバから出力される位置検出信号を変換して位置検出データを生成する位置検出回路及び前記位置検出データを用いて演算により前記アクチュエータの絶対位置を求める演算手段を有する制御装置とを備える回転位置検出装置における回転位置検出方法であって、
前記位置検出回路に固有の誤差を補正するための第1の補正データを前記制御装置側に保持させるとともに、前記アクチュエータ本体側機器に固有の誤差を補正するための第2の補正データを同アクチュエータ本体側に保持させ、前記両補正データを併用して前記位置検出データを補正することを特徴としたレゾルバを備えた回転位置検出装置における回転位置検出方法。
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