JP3691376B2 - 圧力調整器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス供給側からガス使用側へ供給されるガスの圧力を調整する圧力調整器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、特許第2971874号公報に開示されている従来の圧力調整器の断面図である。この圧力調整器は、ガス供給側であるLPガスボンベから、ガス使用側であるガスレンジなどの燃焼器に、LPガスを供給するガス供給通路の途中に設けられるものである。
【0003】
図中で左側のガス入口通路1と、同右側のガス出口通路3との間には、0.07〜1.56MPaで導入されるガスの圧力を、0.06MPa程度に減圧する中圧減圧部5と、それをさらに2.55〜3.3KPa程度に減圧する低圧減圧部7とが設けられている。
【0004】
中圧減圧部5では、燃焼器側でガスが使用されることで、中圧用減圧室9の圧力が低下し、中圧スプリング11により中圧ダイヤフラム13が下方に押圧されて変位すると、これに伴い中圧弁15が下方に移動して中圧ノズル部17を開放する。これにより、ガス入口通路1から導入されたガスが中圧用減圧室9に流入する。中圧用減圧室9の圧力が上昇し、この圧力が中圧スプリング11の弾性力に打ち勝つと、中圧弁15が上昇移動して中圧ノズル部17の流路を狭め、中圧用減圧室9へのガスの流入を制御する。このように、中圧弁15が中圧ノズル部17の流路を開閉制御して中圧用減圧室9に流入するガスの圧力を制御する。
【0005】
一方、低圧減圧部7においては、燃焼器側でガスが使用されることで、低圧用減圧室19の圧力が低下し、低圧スプリング21により低圧ダイヤフラム23が下方に押圧されて変位すると、これに伴い低圧弁25が右方向に移動して低圧ノズル部27を開放する。これにより、中圧用減圧室9側のガスが、ガス連通路29を経てガス出口通路3側に流れる。低圧用減圧室19の圧力が上昇し、この圧力が低圧スプリング21の弾性力に打ち勝つと、低圧ダイヤフラム23が上方に向けて変位し、低圧弁25が左方向へ移動して低圧ノズル部27の流路を狭め、低圧用減圧室19へのガスの流入を制御する。このように、低圧弁25が低圧ノズル部27の流路を開閉制御して低圧用減圧室19に流入するガスの圧力を制御する。
【0006】
上記した低圧減圧部7の下方には、供給用低圧減圧部31が設けられ、供給用低圧減圧部31と低圧減圧部7との間のガス連通路29には、オリフィス33が設けられている。
【0007】
ここで、中圧ノズル部17から低圧ノズル部27に向けてガス連通路29を流れるガスの流量が少ないときは、オリフィス33を境にしてその上流側のガス連通路29の圧力Pと同下流側の低圧ノズル部27の圧力Pとの間で圧力差がほとんど発生しない。上記圧力Pは、ガス連通路29と出口バイパス通路35を通して連通している供給用低圧減圧室37の圧力Pと同等であり、圧力Pは、低圧ノズル部27と小孔39を通して連通しているスプリング室41の圧力と同等である。
【0008】
上記したような圧力Pと圧力Pとの間で圧力差がほとんどない状態、言い換えればスプリング室41の圧力(P)と供給用低圧減圧室37の圧力P(=P)とがほぼ等しい状態では、供給用低圧スプリング43の荷重により供給用低圧ダイヤフラム45が下方に変位する。これに伴いレバー47が反時計方向に回動してバイパス弁49がバイパスノズル部51を閉じ、供給用低圧減圧室37からガス出口通路3へのガスの流出が停止され、図に示す状態となる。
【0009】
上記ガス連通路29を流れるガスの流量が多くなり流速が増してくると、オリフィス33の前後で圧力損失が発生してP>Pとなり、スプリング室41の圧力(P)が低下して供給用低圧減圧室37の圧力P(=P)より低くなる。供給用低圧減圧室37の圧力P(=P)がスプリング室41の圧力(P)より、例えば0.01MPa高くなると、供給用低圧スプリング43が撓んで供給用低圧ダイヤフラム45が上方に変位し、これに伴いレバー47が時計方向に回動する。これによりバイパス弁49がバイパスノズル部51を開放し、中圧用減圧室9側のガスが、出口バイパス通路35を通り、供給用低圧減圧室37からバイパスノズル部51を経てガス出口通路3へ流れる。
【0010】
このようなガスの流れが発生する圧力調整器では、低圧減圧部7が、主にガス出口通路3側の圧力を調整する役目を果たす圧力制御部となり、一方供給用低圧減圧部31は、主にガス出口通路3にガスを供給する役目を果たす流量制御部となる。この流量制御部から放出されるガスの圧力は、圧力制御部に帰還されて調整圧力を制御する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような従来の圧力調整器は、ガス出口通路3が、低圧減圧部7の低圧ノズル部27から流出するガスと、供給用低圧減圧部31のバイパスノズル部51から流出するガスとが合流するほぼ中間位置に設定してあり、主にガスを供給するためのバイパスノズル部51から流出したガスが、その正面に位置する内壁52に当たり、ここで乱流が発生してしまう。このため、この部位で圧力損失が生じ、主に圧力を調整する低圧減圧部7との間で圧力差が生じる結果、流量の増加に従って低圧減圧室19における調整圧力が設計値より下がる傾向となり、圧力調整器として安定した性能が得られないという問題がある。
【0012】
このため本出願人は、図13に示すように、供給用低圧減圧部31のバイパスノズル部51から流出したガスが、ガス出口通路3に向けて直線状に流れるよう構成して上記問題の解消を図っている。ただし、上記図13に示す圧力調整器は、前記図12に示した圧力調整器の中圧減圧部5は省略してある。
【0013】
しかしながら、図13に示す構成においては、流量制御部(供給用低圧減圧部31)からのガスの流速(流量)が増してくると、流量制御部から流れるガスと、圧力制御部(低圧減圧部7)から流れるガスとの合流部Aにおいて、ガスの流れに乱れが生じ、圧力制御部からのガスの流れが阻害されてしまう。流量制御部からガスが流れる機構は、圧力制御部からガスが流れる際に生じる圧力損失によって弁の開度を調整する構造になっているため、上記したように圧力制御部からのガスの流れが阻害されると、低圧減圧室7における調整圧力が、図14に示すように、許容下限値PLより低下し、圧力調整器自身の容量が、容量点(単位時間あたりのガス供給能力)Qに達せず低下してしまうという問題がある。PUは許容上限値である。
【0014】
そこで、この発明は、ガス流量が増大しても、圧力制御部および流量制御部から流出するそれぞれのガスの流れをスムーズに合流させることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、ガス入口通路とガス出口通路とを連通する第1のノズル部を開閉可能な第1の弁体および、この第1の弁体の開閉動作を、前記ガス出口通路側の圧力変化に基づき変位することで行わせる第1のダイヤフラムを備えた第1の減圧手段と、前記ガス入口通路と前記第1のノズル部との間に設けられ、ガスの流れに伴って圧力を低下させる差圧発生手段と、この差圧発生手段の下流側の圧力低下部に対し、前記差圧発生手段の上流側に連通する減圧室を画成するとともに、前記圧力低下部と前記減圧室との圧力差に基づき変位する第2のダイヤフラム、前記減圧室と前記ガス出口通路とを連通する第2のノズル部、この第2のノズル部を、前記第2のダイヤフラムの動作に連動して開閉可能な第2の弁体をそれぞれ設けて構成した第2の減圧手段とを有する圧力調整器において、前記第1,第2の各ノズル部から前記ガス出口通路に流出する際のそれぞれのガスの流れ方向が互いにほぼ同方向となるように、前記第1,第2の各ノズル部のガス出口部の少なくともいずれか一方にガスの流出を案内するガス案内部を設けた構成としてある。
【0016】
このような構成の圧力調整器によれば、少流量時には、ガス出口通路側の圧力変化に応じて第1のダイヤフラムが変位し、これに基づき第1の弁体が第1のノズル部を開閉してガス出口通路側の圧力を調整する。この少流量時には、差圧発生手段の上流側と下流側とでは、圧力差はほとんどなく、このため第2の減圧手段における第2のダイヤフラムは、第2の弁体を第2のノズル部を閉塞するよう変位している。ガス流量が増大し、流速が増してくると、差圧発生手段の上下流間で圧力損失が生じ、下流側が圧力低下して圧力低下部となる。この圧力低下部と、差圧発生手段の上流側と連通している減圧室との間の圧力差によって、第2のダイヤフラムが変位し、これに伴い第2の弁体が作動して第2のノズル部を開放する。第2のノズル部の開放により、ガス入口通路から減圧室に流入したガスは、減圧室から第2のノズル部を経てガス出口通路に流出する。このとき、第1のノズル部からガス出口通路へのガスの流出方向と、第2のノズル部からガス出口通路へのガスの流出方向とが、ガス案内部によってほぼ同方向となる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、第2のノズル部からガス出口通路へ至るガスの流れ方向を直線状とし、このガス流れ方向に対し、第1のノズル部から前記ガス出口通路へ流出するガスの流れ方向がほぼ同方向となるように、前記第1のノズル部のガス出口部にガスの流出を案内するガス案内部を設けた構成としてある。
【0018】
上記構成によれば、第2のノズル部からガス出口通路に向けて直線状に流出するガスの流れ方向に対し、第1のノズル部からガス出口通路に流出するガスはガス案内部を経てほぼ同方向に向けて流れる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項2の発明の構成において、ガス案内部は、第2のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第2のノズル部側空間と、前記第1のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第1のノズル部側空間とを相互に隔てる遮蔽部材で形成し、前記第1のノズル部と前記第1のノズル部側空間との間と、前記第2のノズル部側空間とを連通する圧力帰還通路を設けた構成としてある。
【0020】
上記構成によれば、第2のノズル部からガス出口通路へ流出したガスの一部は、遮蔽部材に案内されて第2のノズル部側空間に入り込み、圧力帰還通路を通して第1のノズル部下流に帰還される。
【0021】
請求項4の発明は、請求項3の発明の構成において、遮蔽部材は、第1のノズル部側空間と第2のノズル部側空間とを隔てる隔壁板の周縁にガイド側壁を設けた構成としてある。
【0022】
上記構成によれば、第2のノズル部から流出したガスの一部は、ガイド側壁によってガス出口通路へ逃げにくくなる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明の構成において、 圧力低下部を、差圧発生手段側と第1のノズル部側とを直接連通する連通路と、第2のダイヤフラムを減圧室側に押圧するスプリングが収容される調圧室とに分離形成するよう、これら両者間に仕切部材を設け、この仕切部材に前記連通路と調圧室とを連通する連通孔を設けた構成としてある。
【0024】
上記構成によれば、差圧発生手段を通過したガスは、連通路を経て第1のノズル部へ向けて流れるとともに、仕切部材の連通孔を通して調圧室に動圧を直接付与することなく作用する。
【0025】
請求項6の発明は、請求項5の発明の構成において、仕切部材は、スプリングの第2のダイヤフラムと反対側の端部が当接する底部と、この底部周縁から第2のダイヤフラム側へ延長される円筒部とを備え、連通路は前記円筒部周囲に形成されるとともに、連通孔はこの円筒部に形成される構成としてある。
【0026】
上記構成によれば、差圧発生手段を通過したガスは、円筒部の周囲を通って第1のノズル部へ向けて流れるとともに、円筒部の連通孔を通して調圧室に動圧を直接付与することなく作用する。
【0027】
請求項7の発明は、請求項6の発明の構成において、仕切部材は、第2のダイヤフラムの上部に配置され、前記仕切部材の円筒部に形成してある連通孔は、第1のノズル部側に位置している構成としてある。
【0028】
上記構成によれば、円筒部周囲の連通路に流入したガスは、より長い距離を流れて連通孔に達し、これによりガスに含まれる異物が連通孔まで達する量が低減される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0030】
図1は、この発明の実施の一形態を示す圧力調整器の断面図であり、この圧力調整器も前記従来のものと同様に、LPガスボンベからガスレンジなどの燃焼器にLPガスを供給するガス供給通路の途中に設けられるものである。ハウジング53は、ガス入口通路55を備えた入口部下ボディ57と、入口部下ボディ57の上部に装着される入口部上ボディ59と、ガス出口通路61を備えた出口部下ボディ63と、出口部下ボディ63の上部に装着される出口部上ボディ65と、入口部上ボディ59および出口部上ボディ65の上部にそれぞれ被せられる入口部カバー67および出口部カバー69とから主として構成されている。
【0031】
ガス入口通路55とガス出口通路61との間には、前記図12に示した従来のものと同様に、0.07〜1.56MPaで導入されるガスの圧力を、0.06MPa程度に減圧する中圧減圧部71と、それをさらに2.55〜3.3KPa程度に減圧する第1の減圧手段としての低圧減圧部73とが設けられている。
【0032】
中圧減圧部71は、大気圧室75側から中圧スプリング77にて中圧用減圧室79側に押圧される中圧ダイヤフラム81を備えている。中圧ダイヤフラム81は、周縁が入口部下ボディ57と入口部上ボディ59との間に挟持固定され、大気圧室75と中圧用減圧室79とを気密に区画している。
【0033】
中圧ダイヤフラム81には、その中心に中圧連動子83が貫通して設けられ、中圧用減圧室79側に装着した弁開閉用円盤85およびスペーサ87と、大気圧室75側に設けたダイヤフラム受板89とで、中圧ダイヤフラム81を挟持するようナット91を締結することで、中圧連動子83が中圧ダイヤフラム81に固定される。中圧連動子83の上部は、入口部上ボディ59と入口部カバー67との間に介装されているガイド部材93にガイドされて上下動可能である。大気圧室75は、入口部上ボディ59に形成した貫通孔59aを通して入口部カバー67の大気連通室67a内に連通し、大気連通室67aは図示しない大気連通孔を通して大気に開放されている。
【0034】
弁開閉用円盤85の周囲1カ所には、下方に向けて突出する押圧部85aが形成され、押圧部85aは、下端に中圧弁95を備えた弁棒97の上端に接触している。中圧弁95は、中圧弁ノズル99の中圧ノズル部101を開閉するもので、中圧弁押さえスプリング103によって中圧弁ノズル99に向けて押圧されている。中圧弁ノズル99は、中圧弁ノズル押さえ105によって、押さえ用スペーサ107を介して入口部下ボディ57に固定されている。
【0035】
低圧減圧部73は、大気圧室109側から低圧スプリング111によりダイヤフラム受板113を介して低圧用減圧室115側に押圧される第1のダイヤフラムとしての低圧ダイヤフラム117を備えている。低圧ダイヤフラム117は、周縁が出口部上ボディ65と出口部カバー69との間に挟持固定され、大気圧室109と低圧用減圧室115とを気密に区画している。大気圧室109は、貫通孔69aにより、出口部カバー69に装着された補助カバー119内に連通し、補助カバー119内は図示しない大気開放孔を通して大気に開放されている。
【0036】
低圧ダイヤフラム117の中心には、作動桿121が上下に貫通して設けられており、この作動桿121の下部にはレバー123の一端が摺動可能に交叉係合している。レバー123は、ピン125を中心として出口部上ボディ65に対し回動可能に軸支されており、その他端は第1の弁体としての低圧弁127に連結されている。
【0037】
出口部上ボディ65には、中圧減圧室79と低圧用減圧室115とを連通するガス連通路129が形成されている。ガス連通路129の低圧用減圧室115側の端部の開口部129aには、低圧弁ケース131が挿入固定されている。前記した低圧弁127は、この低圧弁ケース131内に、図中で左右方向に移動可能に収容され、低圧弁ケース131に形成された第1のノズル部としての低圧ノズル部133を開閉し、これにより低圧用減圧室115とガス連通路129とを連通遮断する。
【0038】
ガス連通路129の中圧減圧室79側は、水平通路129bと鉛直通路129cとから構成され、鉛直通路129cの下端は、出口部下ボディ63に形成した通路135および入口バイパス通路137を通して中圧減圧室79に連通している。鉛直通路129cには、差圧発生手段としてのオリフィス139が設けられている。このオリフィス139をガスが通過することで、その上下流間で圧力損失が生じ、下流側の低圧ノズル部133側が圧力低下部となる。
【0039】
作動桿121の大気圧室109内に突出した先端には、膨大部121aが形成されており、この膨大部121aの下部のばね受け座141と低圧ダイヤフラム117の中心部との間には、安全弁調整スプリング143が介装されている。安全弁調整スプリング143は、作動桿121に一体に形成された安全弁の弁体121bを、低圧ダイヤフラム117に当接する方向に常時付勢している。
【0040】
ガス連通路129の水平通路129bと開口部129aとの間には、図2(b)に斜視図として示してある仕切部材としてのドレン防止キャップ145が、ねじ147により出口部上ボディ65に固定されている。ドレン防止キャップ145は、低圧減圧部73の下部に位置している、後述する第2の減圧部としての供給用低圧減圧部149における第2のダイヤフラムとしての供給用低圧ダイヤフラム151上に、ガス中に含まれるドレンなどの異物が溜まるのを防止する役目を果たす。
【0041】
ドレン防止キャップ145は、下部側が開口した状態で上部側が、出口部上ボディ65に形成したキャップ収容部153に、シール材155を介して収容されている。このキャップ収容部153における出口部上ボディ65の、ねじ147より図中で右側の一部には、開口孔65aが形成され、この開口孔65aは、ドレン防止キャップ145がキャップ収容部153に収容されることで密閉される。
【0042】
ドレン防止キャップ145の周囲側部に対向する出口部上ボディ65の内壁面には、環状の凹部157が形成され、これによりドレン防止キャップ145の周囲側部と出口部上ボディ65の凹部157との間に、ガス連通路129における開口部129aと水平通路129bとを連通する連絡路159が形成されることになる。また、連絡路159および開口部129aは、図中で上下方向の長さが互いにほぼ同等であり、開口部129aの上部側のほぼ半分に対向する部分のドレン防止キャップ145の円筒部145bには、連絡路159とドレン防止キャップ145の内側のガス導入空間161とを連通する連通孔163が形成されている。
【0043】
図2は、(a)が出口部上ボディ65におけるキャップ収容部153の内壁面形状および、凹部157に連通するガス連通路129の形状を示す斜視図で、(b)が(a)の下方から装着されるドレン防止キャップ145の斜視図である。図3は、ドレン防止キャップ145をキャップ収容部153に収容した状態の斜視図である。中圧減圧室79側からガス連通路129に流入したガスは、連絡路159に流入した後、図3中で矢印B,Cで示すように、左右に分かれ、ドレン防止キャップ145の周囲を通って開口部129aにて合流する。図4は、図1に示した圧力調整器の平面図で、上記したドレン防止キャップ145周囲の連絡路159を流れるガスの流通経路を、2点鎖線の矢印で示している。
【0044】
図2(b)に示すように、ドレン防止キャップ145は、後述する供給用低圧スプリング167の供給用低圧ダイヤフラム151と反対側の上端部が当接する底部145aと、この底部145aの周縁から供給用低圧ダイヤフラム151側へ延長される円筒部145bとを備えている。
【0045】
また、ドレン防止キャップ145は、前記した圧力低下部を、オリフィス139と低圧ノズル部133側とを直接連通する連通路としての連絡路159と、上記供給用低圧ダイヤフラム151を後述する供給用低圧減圧室165側に押圧する供給用低圧スプリング167が収容される調圧室としてのガス導入空間161とに分離形成している。
【0046】
供給用低圧減圧部149における供給用低圧ダイヤフラム151は、出口部下ボディ63と出口部上ボディ65との間に周縁が固定されており、この供給用低圧ダイヤフラム151は、ドレン防止キャップ145の内側のガス導入空間161と、出口部下ボディ63の減圧室としての供給用低圧減圧室165とを気密に区画するもので、ガス導入空間161に収容された供給用低圧スプリング167により供給用低圧減圧室165側に押圧されている。
【0047】
供給用低圧ダイヤフラム151の中心には、ダイヤフラム軸169が上下に貫通して設けられている。このダイヤフラム軸169は、供給用低圧減圧室165側にて一体に形成されているフランジ169aを備え、このフランジ169aと、供給用低圧ダイヤフラム151の上下両側に設けられる保持具171,173とにより、供給用低圧ダイヤフラム151に保持固定される。
【0048】
ダイヤフラム軸169の下端には、レバー175の一端が摺動可能に交叉係合している。レバー175は、ピン177を中心として出口部下ボディ63に対し回動可能に軸支されており、その他端は第2の弁体としてのバイパス弁179に連結されている。
【0049】
供給用低圧減圧室165は、中圧減圧室79を通してガス入口通路55に連通可能であるとともに、ガス出口通路61にも連通可能となっており、供給用低圧減圧室165とガス出口通路61との間には、第2のノズル部としてのバイパスノズル部181を備えたバイパスノズル183が装着されている。このバイパスノズル部181を開閉可能となるように、前記バイパス弁179が、供給用低圧減圧室165内にて左右方向に移動可能に収容されている。
【0050】
上記したバイパスノズル部181は、このバイパスノズル部181から流出するガスの流れ方向がガス出口通路61に向けて直線状となるよう設定されている。また、低圧減圧部73の低圧用減圧室115は、低圧弁ケース131内を通してガス流出空間187に連通し、ガス流出空間187は蓋189によって閉塞されている。
【0051】
上記ガス流出空間187と、ガス出口通路61のバイパスノズル部181近傍部分とを隔てるように、ガス案内部材191が、図1中で紙面に直交する2カ所にてねじ193により出口部上ボディ65に取り付けられている。ガス案内部材191は、上部の左端面が、低圧弁ケース131が収容される開口部129aの端面に密着し、上下方向ほぼ中央の右側端面が、ガス出口通路61を構成する出口部下ボディ63の上部左端面63aに密着している。ガス案内部材191の下端は、ガス出口通路61の上下方向ほぼ中央部に位置している。
【0052】
上記したガス案内部材191は、低圧弁ケース131内とガス出口通路61とを連通するガス案内部となるガス案内通路195を形成している。ガス案内通路195のガス出口通路61側の流出口195aは、バイパスノズル部181からガス出口通路61にわたる直線状の流路とほぼ同方向に向けて開口している。
【0053】
次に作用を説明する。中圧減圧部71では、燃焼器側にてガスが使用されることで、中圧用減圧室79の圧力が低下し、中圧スプリング77により中圧ダイヤフラム81が下方に押圧されて変位すると、これに伴い中圧弁95が下方に移動して中圧ノズル部101を開放する。これにより、ガス入口通路55から導入されたガスが中圧用減圧室79側に流れる。中圧用減圧室79の圧力が上昇し、この圧力が中圧スプリング77の弾性力に打ち勝つと、中圧弁95が上昇移動して中圧ノズル部101の流路を狭め、中圧用減圧室79へのガスの流入を制御する。このように、中圧弁95が中圧ノズル部101の流路を開閉制御して中圧用減圧室79に流入するガスの圧力を制御する。
【0054】
一方、低圧減圧部73においては、燃焼器側にてガスが使用されることで、低圧用減圧室115の圧力が低下し、低圧スプリング111により低圧ダイヤフラム117が下方に押圧されて変位すると、これに伴いレバー123が反時計方向に回動するとともに、低圧弁127が右方向に移動して低圧ノズル部133を開放する。これにより、中圧用減圧室79側のガスが、ガス連通路129および連絡路159を経て低圧ノズル部133を通り、低圧弁ケース131内に流出した後、ガス案内通路195を経てガス出口通路61に流出する。
【0055】
低圧用減圧室115の圧力が上昇して低圧スプリング111の弾性力に打ち勝つと、低圧ダイヤフラム117が上方に向けて変位し、低圧弁127が左方向へ移動して低圧ノズル部133の流路を狭め、低圧用減圧室115へのガスの流入を制御する。このように、低圧弁127が低圧ノズル部133の流路を開閉制御して低圧用減圧室115に流入するガスの圧力を制御する。
【0056】
ここで、中圧ノズル部101から低圧ノズル部133に向けてガス連通路129を流れるガスの流量が少ないときには、オリフィス139を境にしてその上流側の圧力Pと同下流側の低圧ノズル部133の圧力Pとの間で圧力差がほとんど発生しない。上記圧力Pは、ガス連通路129と、通路135および入口バイパス通路137を通して連通している供給用低圧減圧室165の圧力Pと同等であり、圧力Pは、低圧ノズル部133と連通孔163を通して連通しているガス導入空間161の圧力と同等である。
【0057】
上記したような圧力Pと圧力Pとの間で圧力差がほとんどない状態、言い換えればガス導入空間161の圧力(P)と供給用低圧減圧室165の圧力P(=P)とがほぼ等しい状態では、供給用低圧スプリング167の荷重により供給用低圧ダイヤフラム151が下方に変位する。これに伴いレバー175が反時計方向に回動してバイパス弁179がバイパスノズル部181を閉じ、供給用低圧減圧室165からガス出口通路61へのガスの流出が停止される。
【0058】
上記ガス連通路129を流れるガスの流量が多くなり流速が増してくると、オリフィス139の前後で圧力損失が発生してP>Pとなり、ガス導入空間161の圧力(P)が低下して供給用低圧減圧室165の圧力P(=P)より低くなる。供給用低圧減圧室165の圧力P(=P)がガス導入空間161の圧力(P)より、例えば0.01MPa高くなると、供給用低圧スプリング167が撓んで供給用低圧ダイヤフラム151が上方に変位し、これに伴いレバー175が時計方向に回動する。これによりバイパス弁179が図中で左方向に移動してバイパスノズル部181を開放し、中圧用減圧室79側のガスが、供給用減圧室165からバイパスノズル部181を経てガス出口通路61へ流出する。
【0059】
このようなガスの流れが発生する圧力調整器では、前記図12に示した従来のものと同様に、低圧減圧部73が主にガス出口通路61側の圧力を調整する役目を果たす圧力制御部となり、一方供給用低圧減圧部149は、主にガス出口通路61にガスを供給する役目を果たす流量制御部となる。
【0060】
バイパス弁179の図中で左方向への移動により開放状態となったバイパスノズル部181から流出するガスの流れは、ガス出口通路61に向けて直線状となっている。一方、前述した低圧減圧部73側の低圧ノズル部133からガス案内通路195を経てガス出口通路61に流出する際のガスの流れ方向は、上記したバイパスノズル部181から流出するガスの流れとほぼ同方向となっている。
【0061】
このため、流量制御部(バイパスノズル部181)からガス出口通路61に流出するガスに対し、圧力制御部(低圧ノズル部133)からガス出口通路61に流出するガスはここでスムーズに合流し、図5に示すように、流量が高まっても、調整圧力は少なくとも容量点Qに至る範囲においては上限許容値PUと下限許容値PL との間に安定して確保でき、より高流量のガスを安定して供給することができる。
【0062】
なお、上記実施の形態では、ガス出口通路61がバイパスノズル部181の前方に直線状に形成されているために、低圧ノズル部133から流出するガスをガス案内部材191によってガス出口通路61に案内するようにしているが、ガス出口通路61が低圧ノズル部133の前方に直線状に形成されている場合には、バイパスノズル部181から流出するガスをガス出口通路61に案内するようにガス案内部材191を取り付ける必要がある。また、ガス出口通路61が、低圧ノズル部133のガス流出方向と、バイパスノズル部181のガス流出方向との中間位置にある場合には、各ノズル部133,181から流出するそれぞれのガスをガス出口通路61に案内するよう、ガス案内部材を双方に設ける必要がある。要するに、低圧ノズル部133から流出するガスと、バイパスノズル部181から流出するガスとの合流部で乱流が発生しないように、両流出ガスがガス出口通路61にてスムーズに合流する構成とすればよい。
【0063】
また、圧力低下部にドレン防止キャップ145を設けることで、ガス通路(連絡路159)と調圧機構(ガス導入空間161側の供給用低圧スプリング167や供給用低圧ダイヤフラム151)とが分離された構造となり、ドレン防止キャップ145の周囲の連絡路159を通過したガスが、この連絡路159への入口部と反対側の開口部129aで、図4で示されるように静圧Psとなってガス導入空間161に作用して調圧するので、調圧部においては、流通するガスの温度の影響も受けにくく、安定した調整圧力が得られる。さらに、供給用低圧スプリング167は、ガス導入空間161内に設けられていて連絡路159には障害物が設けられていないので、ガスが連絡路159をスムーズに流れるものとなる。
【0064】
また、連絡路159とガス導入空間161とを連通する連通孔163は、連絡路159へのガス入口側となる水平通路129bと反対側の、低圧ノズル部133側の開口部129aに対向した位置に形成されているので、連絡路159に流入したガスは、より長い距離を流れて連通孔163に達し、これによりガスに含まれる異物が連通孔163まで達する量が低減され、ガス導入空間161への異物の流入が回避される。
【0065】
この結果、供給用低圧ダイヤフラム151上へ異物が堆積しにくくなり、供給用低圧ダイヤフラム151の上下変位動作が正常になされるとともに、異物がガス充填時に使用するコンプレッサの潤滑油や、ゴムホースの可塑剤などの油分であっても、ゴム製で構成されている供給用低圧ダイヤフラム151の膨潤が回避されてダイヤフラムの有効面積変化も防止でき、これらにより圧力調整器としての性能悪化が回避される。
【0066】
以上より、オリフィス139から低圧ノズル部133に至るガス通路構造として、極めて信頼性の高いものとなる。
【0067】
図6は、図1のガス案内部材191に代えて遮蔽部材196を設けた例を示している。遮蔽部材196は、低圧ノズル部133からガス出口通路61へ向けてガスが流出する直後の第1のノズル部側空間となるガス流出空間187と、バイパスノズル部181からガス出口通路61へ向けてガスが流出する直後の第2のノズル部側空間となる圧力帰還用空間198とを隔てるように、ねじ193により出口部上ボディ65に取り付けられている。
【0068】
図7は、上記した遮蔽部材196単体の側面図で、図8は図7のC−C断面図、図9は図7の左側面図、図10は図7の右側面図、そして図9のD−D断面図となる遮蔽部材196が図6に示されている。この遮蔽部材196は、ガス流出空間187と圧力帰還用空間198とを隔てる隔壁板197を備え、隔壁板197上部の圧力帰還用空間198側には、低圧弁ケース131が収容されている出口部上ボディ65の円筒形状部位65bに整合する半円筒部199が形成されている。
【0069】
隔壁板197の圧力帰還用空間198側における外周縁部には、上記半円筒部199の下端付近位置から下部側に、圧力帰還用空間198側に突出するガイド側壁としての圧力帰還用ガイド側壁201が形成されている。この圧力帰還用ガイド側壁201は下端部が最も突出量が多く上部ほど突出量が小さくなっている。また、図9に示すように隔壁板197の左右方向中央部には、半円筒部199から下端付近まで延長されるリブ203が形成されている。
【0070】
一方、隔壁板197のガス流出空間187側における外周縁部には、ガス流出空間187側に突出する流出ガス用ガイド側壁205が形成されている。また、流出ガス用ガイド側壁205の上端には、図8中で左右側方に突出する取付部207が形成され、この取付部207に形成した、図8に示されている取付孔207aを介して、前記したねじ193により、遮蔽部材193が出口部上ボディ65に固定される。
【0071】
上記した隔壁板197および流出ガス用ガイド側壁205に囲まれたガス案内通路195は、遮蔽部材196を間に挟んで圧力帰還用空間198と反対側に形成され、このガス案内通路195のガス出口通路61に対する流出口195aが、バイパスノズル部181からガス出口通路61に向かう直線状の流路とほぼ同方向に向けて開口している。
【0072】
このため、上記図6の圧力調整器においても、図1の圧力調整器と同様に、流量制御部(バイパスノズル部181)からガス出口通路61に流出するガスに対し、圧力制御部(低圧ノズル部133)からガス出口通路61に流出するガスはここでスムーズに合流する。
【0073】
出口部上ボディ65における円筒形状部位65bの圧力帰還用空間198に対応する部位には、低圧用減圧室115に連通する圧力帰還通路としての貫通孔211が、図6中で紙面に直交する部位2カ所に形成されている。図6で示してある貫通孔211は、低圧弁ケース131に対応する位置に形成されていて、圧力帰還用空間198と低圧用減圧室115とを連通していないような状態となっているが、実際にはこの位置より紙面に直交する方向の両側に位置している。
【0074】
上記図6に示した圧力調整器においては、バイパス弁179の図中で左方向への移動により開放状態となったバイパスノズル部181から流出するガスの流れは、ガス出口通路61に向けて直線状となっており、その一部は遮蔽部材196に案内されて圧力帰還用空間198に入り込む。このとき遮蔽部材196は、圧力帰還用ガイド側壁201を備えていることから、ガスの流れがガス出口通路61に逃げにくく、ガスの流れを包み込むようして圧力帰還用空間198から貫通孔211を通して低圧用減圧室115に帰還させる。
【0075】
これにより、バイパスノズル部181から流出するガス流量が増大しても、流量制御部(バイパスノズル部181)からのガス圧を、圧力制御部(低圧ノズル部133)に確実に帰還させることができ、図11に示すように低流量域から容量点Q付近の高流量域まで、前記図1に示した圧力調整器に比べてより安定した調整圧力を確保することができ、信頼性の高い圧力調整器となる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、第1の減圧手段における第1のノズル部および第2の減圧手段における第2のノズル部からガス出口通路に流出する際のそれぞれのガスの流れ方向が互いにほぼ同方向となるように、第1,第2の各ノズル部のガス出口部の少なくともいずれか一方にガスの流出を案内するガス案内部を設けたため、両ノズル部から流出するそれぞれのガスは、ガス出口通路にてスムーズに合流して合流部での乱流発生を防止することができ、特に圧力を制御する第1の減圧手段からのガスの流れが阻害されずにスムーズに流出することから、より高流量のガスを安定して供給することができる。
【0077】
請求項2の発明によれば、第2の減圧手段における第2のノズル部からガス出口通路へ至るガスの流れ方向を直線状とし、このガス流れ方向に対し、第1のノズル部からガス出口通路へ流出するガスの流れ方向がほぼ同方向となるように、第1のノズル部のガス出口部にガスの流出を案内するガス案内部を設けたため、圧力を制御する第1の減圧手段から流出するガスは、その流れが阻害されずにガス出口通路にて第2の減圧手段からのガスとスムーズに合流し、より高流量のガスを安定して供給することができる。
【0078】
請求項3の発明によれば、ガス案内部は、第2のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第2のノズル部側空間と、前記第1のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第1のノズル部側空間とを相互に隔てる遮蔽部材で形成し、前記第1のノズル部と前記第1のノズル部側空間との間と、前記第2のノズル部側空間とを連通する圧力帰還通路を設ける構成としたため、第2のノズル部から流出するガス流量が増大しても、第2のノズル部からのガス圧を、第1のノズル部側に確実に帰還させることができ、低流量域から高流量域まで、安定した調整圧力を確保することができる。
【0079】
請求項4の発明によれば、遮蔽部材は、第1のノズル部側空間と第2のノズル部側空間とを隔てる隔壁板の周縁にガイド側壁を設ける構成としたため、第2のノズル部から流出したガスの流れが、ガイド側壁によってガス出口通路に逃げにくくなり、第1のノズル部側へのガス圧の帰還を確実に行わせることができる。
【0080】
請求項5の発明によれば、圧力低下部を、差圧発生手段側と第1のノズル部側とを直接連通する連通路と、第2のダイヤフラムを減圧室側に押圧するスプリングが収容される調圧室とに分離形成するよう、これら両者間に仕切部材を設け、この仕切部材に前記連通路と調圧室とを連通する連通孔を設けたため、調圧室には動圧が作用しにくくなり、安定した調整圧力が得られるとともに、第2のダイヤフラムを押圧するスプリングは調圧室内に設けられていて連通路には障害物が設けられていないので、ガスが連通路をスムーズに流れるものとなる。
【0081】
請求項6の発明によれば、仕切部材は、スプリングの第2のダイヤフラムと反対側の端部が当接する底部と、この底部周縁から第2のダイヤフラム側へ延長される円筒部とを備え、連通路は前記円筒部の周囲に形成されるとともに、連通孔はこの円筒部に形成されているため、調圧室には動圧が作用しにくくなり、安定した調整圧力が得られるとともに、第2のダイヤフラムを押圧するスプリングは調圧室内に設けられていて連通路には障害物が設けられていないので、ガスが連通路をスムーズに流れるものとなる。
【0082】
請求項7の発明によれば、仕切部材は、第2のダイヤフラムの上部に配置され、前記仕切部材の円筒部に形成してある連通孔は、第1のノズル部側に位置しているため、円筒部周囲の連通路に流入したガスは、より長い距離を流れて連通孔に達し、これによりガスに含まれる異物が連通孔まで達する量が低減され、第2のダイヤフラムの上部の調圧室への異物の侵入を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示す圧力調整器の断面図である。
【図2】(a)は、図1の圧力調整器におけるドレン防止キャップが装着される上ボディのキャップ収容部の内壁面形状を示す斜視図、(b)は、ドレン防止キャップの斜視図である。
【図3】ドレン防止キャップが上ボディに装着された状態の斜視図である。
【図4】図1に示した圧力調整器の平面図である。
【図5】図1の圧力調整器におけるガス流量と調整圧力との相関図である。
【図6】図1のガス案内部材に代えて遮蔽部材を設けた圧力調整器の断面図である。
【図7】図5の圧力調整器に使用される遮蔽部材単体の側面図である。
【図8】、図7のC−C断面図である。
【図9】図7の左側面図である。
【図10】図7の右側面図である。
【図11】図6の圧力調整器におけるガス流量と調整圧力との相関図である。
【図12】従来例を示す圧力調整器の断面図である。
【図13】図12の従来の圧力調整器を改良した圧力調整器の断面図である。
【図14】図12の圧力調整器におけるガス流量と調整圧力との相関図である。
【符号の説明】
55 ガス入口通路
61 ガス出口通路
73 低圧減圧部(第1の減圧手段)
117 低圧ダイヤフラム(第1のダイヤフラム)
127 低圧弁(第1の弁体)
133 低圧ノズル部(第1のノズル部)
139 オリフィス(差圧発生手段)
145 ドレン防止キャップ(仕切部材)
145a 底部
145b 円筒部
149 供給用低圧減圧部(第2の減圧手段)
151 供給用低圧ダイヤフラム(第2のダイヤフラム)
159 連絡路(連通路)
161 ガス導入空間(調圧室)
163 連通孔
165 供給用低圧減圧室(減圧室)
167 供給用低圧スプリング(スプリング)
181 バイパスノズル部(第2のノズル部)
183 バイパス弁(第2の弁体)
187 ガス流出空間(第1のノズル部側空間)
195 ガス案内通路(ガス案内部)
196 遮蔽部材
197 隔壁板
198 圧力帰還用空間(第2のノズル部側空間)
201 圧力帰還用ガイド側壁(ガイド側壁)
211 貫通孔(圧力帰還通路)

Claims (7)

  1. ガス入口通路とガス出口通路とを連通する第1のノズル部を開閉可能な第1の弁体および、この第1の弁体の開閉動作を、前記ガス出口通路側の圧力変化に基づき変位することで行わせる第1のダイヤフラムを備えた第1の減圧手段と、
    前記ガス入口通路と前記第1のノズル部との間に設けられ、ガスの流れに伴って圧力を低下させる差圧発生手段と、
    この差圧発生手段の下流側の圧力低下部に対し、前記差圧発生手段の上流側に連通する減圧室を画成するとともに、前記圧力低下部と前記減圧室との圧力差に基づき変位する第2のダイヤフラム、前記減圧室と前記ガス出口通路とを連通する第2のノズル部、この第2のノズル部を、前記第2のダイヤフラムの動作に連動して開閉可能な第2の弁体をそれぞれ設けて構成した第2の減圧手段とを有する圧力調整器において、
    前記第1,第2の各ノズル部から前記ガス出口通路に流出する際のそれぞれのガスの流れ方向が互いにほぼ同方向となるように、前記第1,第2の各ノズル部のガス出口部の少なくともいずれか一方にガスの流出を案内するガス案内部を設けたことを特徴とする圧力調整器。
  2. 第2のノズル部からガス出口通路へ至るガスの流れ方向を直線状とし、このガス流れ方向に対し、第1のノズル部から前記ガス出口通路へ流出するガスの流れ方向がほぼ同方向となるように、前記第1のノズル部のガス出口部にガスの流出を案内するガス案内部を設けたことを特徴とする請求項1記載の圧力調整器。
  3. ガス案内部は、第2のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第2のノズル部側空間と、前記第1のノズル部から前記ガス出口通路へ向けてガスが流出する直後の第1のノズル部側空間とを相互に隔てる遮蔽部材で形成し、前記第1のノズル部と前記第1のノズル部側空間との間と、前記第2のノズル部側空間とを連通する圧力帰還通路を設けたことを特徴とする請求項2記載圧力調整器。
  4. 遮蔽部材は、第1のノズル部側空間と第2のノズル部側空間とを隔てる隔壁板の周縁にガイド側壁を設けたことを特徴とする請求項3記載の圧力調整器。
  5. 圧力低下部を、差圧発生手段側と第1のノズル部側とを直接連通する連通路と、第2のダイヤフラムを減圧室側に押圧するスプリングが収容される調圧室とに分離形成するよう、これら両者間に仕切部材を設け、この仕切部材に前記連通路と調圧室とを連通する連通孔を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧力調整器。
  6. 仕切部材は、スプリングの第2のダイヤフラムと反対側の端部が当接する底部と、この底部周縁から第2のダイヤフラム側へ延長される円筒部とを備え、連通路は前記円筒部の周囲に形成されるとともに、連通孔はこの円筒部に形成されていることを特徴とする請求項5記載の圧力調整器。
  7. 仕切部材は、第2のダイヤフラムの上部に配置され、前記仕切部材の円筒部に形成してある連通孔は、第1のノズル部側に位置していることを特徴とする請求項6記載の圧力調整器。
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