JP3691362B2 - 歪検出器およびトルク検出器 - Google Patents

歪検出器およびトルク検出器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歪検出器およびトルク検出器に関し、特に検出性能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
歪検出器は、内燃機関等の回転駆動装置のトルクを検出するトルク検出器等に適用され、回転体の捩じれから回転体を伝達するトルクを検出するものが知られている。検出されたトルクは、自動車では内燃機関について回転数とともにトルクを検出して点火時期の制御や変速ギアの制御にフィードバックし燃費の低減や排気ガスの低減、または運動性能の向上を図っている。
【0003】
特開昭62−55533号公報には、非接触の検出が可能な磁歪式のトルク検出器が記載されている。これは、クランクシャフトのようなトルクを伝達する回転体には伝達トルクに応じた歪みが生じることに着目し、回転体を磁歪材料で構成するとともに上記歪みに応じた磁歪量を回転体に対して近接配置された磁歪検出手段により検出するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−55533号公報の技術は基本的な検出原理を開示するものではあるが、検出精度の点で必ずしも実用的とはいえない。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、簡単な構成で検出精度のよい歪検出器およびトルク検出器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、トルクを伝達する軸状の回転体の外周に磁歪材料で構成された筒状の磁歪部材を嵌着する。前記磁歪部材を有底の円筒状として前記回転体の端部外周に嵌着し、前記磁歪部材の閉鎖端部である底壁を前記回転体の端面に圧接固定する固定部、開放端部を前記回転体の外周に圧接固定する固定部とするとともに、これら固定部で挟まれた部分を、前記回転体に対して非固定の非固定部とする。該非固定部のうち、一方または両方の前記固定部に連なる端部を、前記非固定部の他の部分よりも厚肉に形成する。
前記非固定部の前記他の部分をトルク印加で相対的に大きな捩じれが発生するトルク感受部とし、前記非固定部の厚肉に形成した前記端部を相対的に小さな捩じれが発生するトルク不感部とする。
前記磁歪検出手段には、前記トルク感受部の磁歪を検出するトルク感受部検出手段と、前記トルク不感部の磁歪を検出するトルク不感部検出手段とを具備する構成とする。
かつ、前記トルク感受部検出手段の出力信号を、前記トルク不感部検出手段の出力信号により相殺補正する補正手段を具備せしめる。
【0007】
上記回転体へのトルク印加により、上記磁歪部材には回転体と同様に捩じれが生じる。回転体に対して非固定である磁歪部材の非固定部は、回転体との摩擦等の影響による異常変形が低減されて回転体の捩じれに応じた均等な捩じれ変形が生じる。この捩じれに応じた磁歪が磁歪検出手段により検出されて磁歪量から回転体の歪み(捩じれ)が検出される。
【0008】
トルク感受部検出手段の出力と、トルク不感部検出手段の出力には、いずれも、磁歪部材の初期変形に基因する成分や、回転体の偏心等に基因して磁歪部材と磁歪検出手段のエアギャップが回転角度に依存することに基因する変動成分、さらに、これらの環境温度による変動が含まれるが、これらの検出誤差成分の、トルクに応じた捩じれ量に対する割合は、非固定部のうちで捩じれが薄肉の前記他の部分に集中することで相対的に大きな捩じれを発生するトルク感受部の磁歪を検出するトルク感受部検出手段の方が、トルク不感部の磁歪を検出するトルク不感部検出手段よりも小さい。したがって、前記検出誤差成分が補正手段による相殺補正で抑えられ、検出精度の向上を図ることができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、軸体の外周に磁歪材料で構成された筒状の磁歪部材を嵌着する。前記磁歪部材を有底の円筒状として前記回転体の端部外周に嵌着し、前記磁歪部材の閉鎖端部である底壁を前記回転体の端面に圧接固定する固定部、開放端部を前記回転体の外周に圧接固定する固定部とするとともに、これら固定部で挟まれた部分を、前記軸体に対して非固定の非固定部とする。該非固定部のうち、前記磁歪部材の軸方向の中央部を、前記非固定部の他の部分よりも厚肉に形成する。
前記回転体に対して非固定の非固定部とし、
前記磁歪検出手段は、U字状のコアにコイルを巻回し該コイルから検出信号を出力する構成とする。
かつ、前記磁歪検出手段は、前記コアの一方の磁極が前記中央部を挟む一方の位置で前記磁歪部材と近接対向し、前記コアの他方の磁極が前記中央部を挟む他方の位置で前記磁歪部材と近接対向するように配置する。
【0015】
軸体へのトルク印加等により、磁歪部材の非固定部には、軸体のうち、磁歪部材の一方の固定部と圧接する一方の圧接部から他方の固定部と圧接する他方の圧接部に到る範囲の歪みと同量の歪みが生じる。この歪みに応じた磁歪が磁歪検出手段により検出されて磁歪量から軸体の歪みが検出される。
【0016】
そして、非固定部の中央部を厚肉として中央部の歪み量を小さくすることで、その分、磁歪検出手段のコアが近接する前記位置において磁歪部材が大きく歪むので、前記コアを貫通する大きな磁束変化を得ることができる。しかして、高精度に検出することができる。
【0017】
また、軸体に対して非固定である磁歪部材の非固定部は、軸体との摩擦等の影響による異常変形が低減されて軸体の捩じれに応じた均等な歪み変形が生じる。
【0018】
請求項記載の発明では、請求項の発明の構成において、前記非固定部のうち、一方または両方の前記固定部に連なる端部を、前記非固定部の前記中央部を挟む両方の位置よりも厚肉に形成する。
【0019】
磁歪検出手段のコアが近接する前記位置において磁歪部材がより大きく歪むので、さらに高い検出精度を得ることができる。
【0026】
請求項記載の発明では、トルク検出器を、請求項1ないし記載の歪検出器を具備し、該歪検出器により検出される歪みに基づいて前記回転体または回転する前記軸体に伝達されるトルクを検出する構成とする。
【0027】
高い検出精度で歪み(捩じれ)を検出することができるので、捩じれを発生せしめるトルクを高精度に検出することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1(A)、図1(B)に本発明の第1実施形態になるトルク検出器の構成を示す。トルク検出器はエンジンから出力されるトルクの検出用にエンジンに付設されたもので、トルクは、エンジンからの各気筒で発生する爆発力により回転体たるクランクシャフト81を回転せしめることで発生する。エンジンブロック80から突出するクランクシャフト81の端部には、クランクシャフト81の回転を安定化するフライホイール82が周方向の6か所の等間隔位置にてボルト83締めにより結合されている。
【0029】
トルク検出器1は、クランクシャフト81に取り付けられた磁歪部材たる検出リング2と、磁歪検出手段たるトルクセンサ3と、トルクセンサ3の検出信号に基づいてトルク値を得るセンサ信号処理回路4とを備えている。
【0030】
図2(A)に検出リング単体の縦断面を示し、図2(B)に図2(A)におけるX矢視を示している。検出リング2は磁歪材料を有底の円筒状に成形したもので、フライホイール82を取り付ける前に、クランクシャフト81の端部に嵌着される。
【0031】
検出リング2の底壁21は厚肉の環状に形成され、フライホイール82の中央に形成した取付け孔821とともに、クランクシャフト81の端面中央に形成された環状凸部811と係合するようになっている。底壁21には、フライホイール82をクランクシャフト81と結合せしめるためのボルト83よりもやや大径の孔201がボルト83挿通位置に形成してある。底壁21にはまた、2か所に、後述する検出リング2取り外し用のねじ孔202が形成してある。
【0032】
検出リング2は、フライホイール82とともに上記ボルト83により共締めされて検出リング2の端部である底壁21においてクランクシャフト81の端面に圧接固定してある。
【0033】
一方、検出リング2の開放端側の端部22は内径がクランクシャフト81と所定の締め代を有するように設定され、検出リング2が端部22でクランクシャフト81に圧接固定される。
【0034】
検出リング2は前記のごとく両端部21,22においてクランクシャフト81の外周に圧接固定されているが、底壁21(以下、適宜、固定部21という)と端部22(以下、適宜、固定部22という)とで挟まれたその他の部分23は非固定であり、この非固定部23はクランクシャフト81と非接触で、クランクシャフト81から自由である。
【0035】
非固定部23は、前記固定部21,22に連なる端部232,233よりもその他の部分231が薄肉としてある。非固定部23には、クランクシャフト81がトルク印加により捩じれた場合、クランクシャフト81の検出リング2との一方の圧接部から他方の圧接部に到る範囲の捩じれと同量の変形をするが、その変形が薄肉で変形しやすい部分231に集中するようになっている(以下、部分231をトルク感受部231と、前記端部232をトルク不感部232という)。
【0036】
検出リング2のクランクシャフト81への嵌着は、検出リング2の底壁21がクランクシャフト81の端面と当接するまで検出リング2をクランクシャフト81に沿って図1中左方向へ端部21とクランクシャフト81の圧接状態を保ちながら、前記締め代で決まる所定の圧入荷重にて送っていくことで行われる。
【0037】
トルクセンサ3は、図1(B)に示すように、第1、第2のセンサ回路31,32を図略のケーシングに格納したもので、センサ回路31,32はそれぞれ励磁部312,322と出力部311,321とからなる。両励磁部312,322は、U字状のコア(以下、適宜、励磁コアという)3121,3221にコイル(以下、適宜、励磁コイルという)3122,3222を巻装してなる同じ構成のものである。励磁コア3121,3221は高透磁材料の電磁鋼帯やパーマロイをU字形の板状に成形して積層してものである。また、両出力部311,321は同じ構成のもので、励磁コア3121,3221よりも一回り小型のU字状のコア(以下、適宜、出力コアという)3111,3211にコイル(以下、適宜、出力コイルという)3112,3212を巻装してなる。出力コア3111,3211も高透磁材料の電磁鋼帯やパーマロイをU字形の板状に成形して積層したものである。出力部311,321はそれぞれ対応する励磁部312,322のコア3121,3221の内側に配置される。
【0038】
励磁部312,322、出力部311,321は、コア3121,3221,3111,3211の磁極が検出リング2と近接対向するように、かつ励磁コア3121,3221がクランクシャフト81と平行で出力コア3111,3211が直交するように取り付けられる。第1のセンサ回路31の励磁コア3121、出力コア3111はその同方向を向いた磁極面が検出リング2のトルク感受部231と近接対向するように配置されて、それぞれトルク感受部231を含む磁気回路を形成している。一方、第2のセンサ回路32の励磁コア3221、出力コア3211はその同方向を向いた磁極面が検出リング2のトルク不感部232と近接対向するように配置されて、それぞれトルク不感部232を含む磁気回路を形成している。
【0039】
トルクセンサ3と検出リング非固定部23との距離は近い方が出力感度が大きくなる点では望ましいが、あまり近づけすぎると検出波形が歪むこと、また組付け精度やクランクシャフト81の軸振れ等を考慮して設定するのがよい。
【0040】
図3にトルクセンサ3およびセンサ信号処理回路4の構成を示す。センサ信号処理回路4は、10k〜100kHzの正弦波を発生する発振器41とその発振信号を増幅する交流増幅器42とを有し、励磁コイル3122,3222を交流駆動する。これにより、トルクセンサ3の出力コイル3112,3212に微弱な電圧が発生する。発生した出力電圧はそれぞれ増幅器431,432で増幅された後、検波器441,442で包絡線検波がなされる。検波器出力のうち、第2センサ回路32の出力コイル3212の検波出力はゲイン補正器45で所定倍(以下、適宜、k倍という)に増幅される。
【0041】
第1のセンサ回路31の出力コイル(以下、適宜、検出用コイルという)3112の検波出力と、ゲイン補正された第2のセンサ回路32の出力コイル(以下、適宜、補正用コイルという)3212の検波出力とは減算器46に入力し、両検波出力の差分出力がトルクに対応した検出信号として得られる。トルク検出信号は図示しないECUに入力し、制御に供される。
【0042】
本トルク検出器1の作動を説明する。エンジン8のクランクシャフト81が回転しトルク変動が生じると、クランクシャフト81にはその軸方向に対して±45°方向にトルク変動の大きさに応じた捩じれトルクが加わり剪断歪みを生じる。一方、検出リング2では、非固定部23に、クランクシャフト81の検出リング2との一方の圧接部から他方の圧接部に到る範囲の捩じれと同量の歪みが生じ、この歪みに応じた磁歪がトルクセンサ3により検出される。
【0043】
トルクセンサ3の第1のセンサ回路31では励磁コア3121、出力コア3111がトルクによる歪みが発生する検出リング2のトルク感受部231と磁気回路を形成し、前記のごとく捩じれトルクは45°の方向に発生するから、出力コイル3112にはトルクに応じた出力変化が現れる。一方、トルクセンサ3の第2のセンサ回路32では励磁コア3221、出力コア3211が、トルクによる歪みがトルク感受部231よりも小さい検出リング2のトルク不感部232と磁気回路を形成しているから、出力コイル3212にはトルクに応じた出力変化は殆ど現れない。
【0044】
図4はトルク検出用コイル3112の検波後の出力Aおよび補正用コイル3212の検波後の出力Bを示すもので、トルクが印加されると、トルク検出用コイル3112では、信号値がトルク非印加時の信号値からトルクの分、大きく変化するのに対し、補正用コイル3212では印加前後で信号値は殆ど変化しない。しかし、補正用コイル3212でも信号値が検出リング2の取り付け時の不均一等に基因してクランクシャフト81の回転角度位置によって検出リング2と出力コア3211のエアギャップ等が変化して周期的に変動する。また、信号値は、雰囲気温度の変動等でも変動する。このトルク印加とは無関係の信号値変化はトルク検出用コイル3112でも同様に現れ、トルク検出用コイル3112の検波出力Aのオフセット変動をもたらす。
【0045】
ここで、両センサ回路31,32は磁気回路の一部が一方はトルク感受部231で他方はトルク不感部232と異なるから、補正用コイル3212の検波出力Bをゲイン補正器でk倍することで、トルク検出用コイル3112の検波出力Aおよび補正用コイル3212の検波出力Bのレベル合わせを行うことができる。しかして減算器46により前記トルク印加とは無関係の信号値変化が相殺され、減算器46の出力(A−kB)は、図5に示すように、エンジントルクを高精度に反映した信号となる。なお、kの値は予め検出リングの形状等に基づいて実験等により設定しておく。
【0046】
センサ信号処理回路4のセンサ出力は、ECUにおいて、エンジンの各気筒ごとの爆発変動の状況等、例えば失火の有無を判断しエンジン8の制御等にフィードバックする。
【0047】
本トルク検出器1では、検出リング2は機械的強度の要求されるクランクシャフト81とは別体なので、検出リング2に用いられる磁歪材料は、高感度のニッケルコバルト合金、鉄アルミニウム合金、電磁ステンレススティールのような磁歪定数の大きな金属を使用することができる。
【0048】
また、検出リング2は、非固定部23が、クランクシャフト81に対して非固定であるから、クランクシャフト81との摩擦等の影響による変形異常が低減されてクランクシャフト81の捩じれに応じた均等な捩じれ変形が生じる。しかして、さらに高い検出精度を得ることができる。
【0049】
(第2実施形態)
図6に本発明の第2の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、検出リングとトルクセンサを別の構成に代えたもので、図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。検出リング2Aは実質的に第1実施形態の検出リングと同じ構造を有し、クランクシャフト81と非接触の非固定部24が固定部21,22に連なる端部242,243が厚肉でトルク不感部242,243としてあり、非固定部24の他の部分241が薄肉でトルク感受部241としてある。
【0050】
トルクセンサ3Aは、励磁部332が第1、第2のセンサ回路33,34で共通であり、この共通の励磁コア3321の内側に出力部311,321が配置される。第1のセンサ回路33の出力コア3111の磁極は検出リング2Aの薄肉のトルク感受部241と近接対向し、第2のセンサ回路34の出力コア3211の磁極は検出リング2Aの厚肉のトルク不感部242と近接対向している。励磁部332がひとつで済むのでトルクセンサの構成が簡単になり、装置の小型化と低コスト化が可能である。
【0051】
(第3実施形態)
図7に本発明の第3の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、検出リング、トルクセンサを別の構成に代えたもので、図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。検出リング2Bは実質的に第1実施形態の検出リングと同じ構造を有し、クランクシャフト81と非接触の非固定部25が固定部21,22に連なる端部252,253が厚肉でトルク不感部252,253としてあり、非固定部25の他の部分251が薄肉でトルク感受部251としてある。
【0052】
トルクセンサ3Bの、第1のセンサ回路35の出力部351は、出力コイル3512を巻回した出力コア3511の磁極が検出リング2Bの軸方向に配置され、トルク感受部251と近接対向している。第2のセンサ回路36の出力部361は、出力コイル3612を巻回した出力コア3611の磁極が検出リング2Bの軸方向に配置され、トルク不感部252と近接対向している。
【0053】
励磁部352は第2実施形態と同様に第1、第2のセンサ回路35,36で共通であり、両出力部351,361の間に励磁コア3521が出力コア3511,3611に対して直交配置され、励磁コア3521に励磁コイル3522を巻回してなる。かかる構成でも構成が簡単になり、トルクセンサの小型化と低コスト化が可能である。
【0054】
(第4実施形態)
図8、図9に本発明の第4の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、検出リング、トルクセンサおよび信号処理回路を別の構成に代えたもので、図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。検出リング2Cはクランクシャフト81と非接触の非固定部26が固定部21,22に連なる端部262,263が厚肉としてある。非固定部26の他の部分261は、軸方向の中央部2611が、内周面に環状の凸部が形成されて厚肉に形成されている(以下、非固定部26の他の部分261の中央部2611を厚肉部2611と、厚肉部2611の両側部分2612,2613を薄肉部2612,2613という)。
【0055】
トルクセンサ3Cは、出力コア3011に出力コイル3012を巻回してなる出力部301と、励磁コア3021に励磁コイル3022を巻回してなる励磁部302とからなり、出力コア3011の2つの磁極が薄肉部2612,2613と1対1に近接対向し、励磁コア3021は出力コア3011に対し直交配置されている。
【0056】
信号処理回路4Aは、発振器41および交流増幅器42とにより励磁コイル3022を交流駆動する。トルクセンサ3Cの出力コイル3012からの検出信号は増幅器43で増幅された後、検波器44で包絡線検波がなされ、トルク信号として出力される。
【0057】
検出リング2Cは、その厚肉部2611および薄肉部2612,2613が出力コア3011と磁気回路を形成する。クランクシャフト81を伝達するトルクによるクランクシャフト81の捩じれに対し、検出リング2Cの捩じれは厚肉部2611では殆ど生じずに薄肉部2612,2613に集中する。したがって、軸線方向の単位長さ当たりの大きな捩じれ量が得られ、前記磁気回路における磁束変化は大きなものとなる。しかして、高い検出感度を得ることができる。なお、非固定部261のうち、固定部262,263に連なる端部は、要求される検出感度等によっては薄肉部2612と同等の厚さとすることもできる。
【0058】
なお、本実施形態の特徴部分は、第1、第2のセンサ回路を備えた第3実施形態の構成に適用でき、検出リング2B(図7)の、第1のセンサ回路35の出力コア3511の磁極と近接対向する2ヶ所を薄肉にし、この2ヶ所で挟まれた部分を厚肉とすればよい。
【0059】
(第5実施形態)
図10、図11、図12、図13に本発明の第5の実施形態の構成を示す。第1実施形態において、検出リング、トルクセンサおよび信号処理回路を別の構成に代えたもので、図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動をするので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図示しないクランクシャフト81(図1参照)に嵌着される検出リング2Dは、固定部21,22ではさまれた非固定部27がクランクシャフト81と非接触で自由である。
【0060】
非固定部27には、その外周面に多数の凹部である細長の溝271,272が検出リング2Dの周方向に略等間隔で全周にわたり形成してある。溝271,272は放電加工等により形成し得る。溝271,272は長さ方向を軸方向および周方向に対して45°に傾斜せしめてある。
【0061】
検出リング2Dの周方向に形成された多数の溝271,272は、軸方向の2ヶ所に形成される。ここで、図中、左側の溝271と右側の溝272とは、その長さ方向が軸方向に対して逆方向に傾斜せしめてある。
【0062】
また、磁歪検出手段であるトルクセンサ5は、検出リング2Dの外周に筒状のコイルボビンが検出リング2Dからギャップをおいて配設され、軸方向の2箇所にコイル51,52がそれぞれ巻回してある。第1のコイル51は第1の溝271形成位置に配置され、第2のコイル52は第2の溝272形成位置に配置されている。
【0063】
信号処理回路6は、図13に示すように、第1、第2のコイル51,52と、2つの抵抗器621,622でブリッジ回路6aが形成され、両コイル51,52の接続端子と両抵抗器621,622の接続端子から交流発生部61が交流電圧を印加する。交流発生部61は第1実施形態の発振器と増幅器とからなる構成が用いられ得る。コイル51,52と抵抗器621,622を接続する接続端子間の出力電圧は、検波器63により包絡線検波されてトルク信号として出力される。
【0064】
本トルク検出器の作動を説明する。交流発生部61からの電圧印加により、コイル51,52に検出リング2Dを貫通する磁束が発生する。この磁束は、前記溝271,272の側縁に沿って透磁率の不連続面が形成されることから、溝271,272の長さ方向を向く。一方、前記各実施形態と同様に、検出リング2Dは、クランクシャフト81に伝達されるトルクによる捩じれで前記45°の方向に剪断歪みが生じる。これによりトルクの大きさに応じて、高感度に磁束の変化が生じる。ここで、溝271と溝272とで、長さ方向の軸線方向に対する傾斜が逆方向にしてあるから、一方の溝271(272)では長さ方向と剪断歪みの方向とが平行で他方の溝272(271)では直交する。
【0065】
このため、第1のコイル51と第2のコイル52とで磁束の増減が逆に現れ、これは、前記ブリッジ回路6aにおいて両コイル51,52のインダンクタンスL1 ,L2 が大きくアンバランスすることを意味する。ブリッジ回路6aの前記出力電圧は、その振幅が両コイル51,52のインダンクタンスL1 ,L2 のアンバランスの大きさに依存するから、高感度でトルク信号を得ることができる。
【0066】
なお、トルク信号のオフセット調整は、図例のごとく抵抗器621,622を可変抵抗器で構成しておき、抵抗値R1,R2の調整で行い得る。
【0067】
なお、本実施形態では高感度を得るべく出力変化が逆方向に現れる2つのコイルを備えているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、単一のコイルでそのインダクタンス変化が検出し得る構成であればよい。
【0068】
また、溝271,272の深さは、深い方が検出感度が高くなるが、検出リング2Dの強度が低下するので強度を考慮する必要がある。コイル51,52による磁場は交流であり、検出リング2Dに表皮効果を生じるので、表皮効果による磁束の形成深さ以上であればよい。
【0069】
(第6実施形態)
図14、図15、図16に本発明の第6の実施形態の構成を示す。第5実施形態において、トルクセンサおよび信号処理回路を別の構成に代えたもので、図中、第5実施形態と同じ番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動をするので、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図示しないクランクシャフト81(図1参照)に嵌着される検出リング2Eは、固定部28,29ではさまれた非固定部27がクランクシャフト81と非接触で自由である。トルクセンサ5Aは検出リング2Eを略カバーする長さのコイルボビン500が検出リング2Eとギャップをおいて配設されている。コイルボビン500には、溝271,272形成位置で第1、第2の検出用のコイル51,52が巻回されてトルク感受部検出手段である第1のセンサ回路5Aaを構成し、検出リング2Eの固定部28,29位置で第1、第2の補正用のコイル53,54が巻回されてトルク不感部検出手段である第2のセンサ回路5Abを構成している。
【0070】
信号処理回路6Bは、図16に示すように、検出用のコイル51,52、抵抗器621,622により検出用のブリッジ回路6aを形成し、補正用のコイル53,54、抵抗器623,624により補正用のブリッジ回路6bを形成しており、それぞれ、出力電圧が検波器631,632に入力している。そして補正用のブリッジ回路6bの検波出力はゲイン補正器64でk倍されて減算器65に入力し、減算器65からトルク信号が出力される。
【0071】
第1のセンサ回路5Aaと第2のセンサ回路5Abとでは、コイル51〜54が近接する検出リング2Eの外周面に溝271,272があるか否かで相違する。検出用のコイル51,52は溝271,272の作用で前記のごとくクランクシャフト81の捩じれに応じて大きな出力が得られるのに対し、補正用のコイル53,54では、検出用のコイル51,52と共通に現れる、検出リング2Eの初期変形や環境温度変動に基因する出力しか得られない。このように、検出用のブリッジ回路6aの方が補正用のブリッジ回路6bよりも大きなトルク感受性を示すので、検出用のブリッジ回路6aの出力が環境温度の変動等でオフセットがずれても、このオフセットは補正用のブリッジ回路6bの出力により相殺補正され、高い検出精度を得ることができる。
【0072】
なお、上記各実施形態はエンジンのクランクシャフトを伝達するトルクの検出用として説明したが、本発明の適用範囲は本実施形態に限定されるものではなく、軸状の回転体を伝達するトルクの検出用として広く適用することができる。
【0073】
また、上記各実施形態はクランクシャフトの歪みからトルク検出を行うものであり、したがって、軸体の歪みの検出用に適用することができる。特に第4実施形態の構成は、捩じれだけではなく、軸方向の圧縮/膨張歪みについても検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態になるトルク検出器を搭載した車両の動力伝達系の要部断面図であり、(B)は前記トルク検出器の要部断面図である。
【図2】(A)は上記トルク検出器の検出リングの断面図であり、(B)は(A)におけるX矢視図である。
【図3】上記トルク検出器のトルクセンサとその信号処理回路の構成図である。
【図4】上記トルク検出器の作動を説明する第1のグラフである。
【図5】上記トルク検出器の作動を説明する第2のグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態になるトルク検出器の要部断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態になるトルク検出器の要部断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態になるトルク検出器の要部断面図である。
【図9】前記トルク検出器の電気回路の構成図である。
【図10】本発明の第5実施形態になるトルク検出器の要部断面図である。
【図11】前記トルク検出器の検出リングの斜視図である。
【図12】(A)は図12の一部拡大図であり、(B)は(A)のXIIB−XIIB線に沿う断面図である。
【図13】前記トルク検出器の電気回路の構成図である。
【図14】本発明の第6実施形態になるトルク検出器の要部断面図である。
【図15】前記トルク検出器の検出リングの斜視図である。
【図16】前記トルク検出器の電気回路の構成図である。
【符号の説明】
1 トルク検出器
2,2A,2B,2C,2D,2E 検出リング(磁歪部材)
21,22,28,29 固定部
23,24,25,26,27 非固定部
231,241,251,27 トルク感受部
232,242,252,28 トルク不感部
2611 厚肉部(中央部)
262,263 端部
271,272 溝(凹部)
3,3A,3B,3C,5,5A トルクセンサ(磁歪検出手段)
3011 コア
3012 コイル
31,33,35,5Aa 第1のセンサ回路(トルク感受部検出手段)
32,34,36,5Ab 第2のセンサ回路(トルク不感部検出手段)
51,52,53,54 コイル
4,6A,6B センサ信号処理回路
46,65 減算器(補正手段)
80 エンジンブロック
81 クランクシャフト(回転体、軸体)

Claims (4)

  1. トルクを伝達する軸状の回転体の外周に磁歪材料で構成された筒状の磁歪部材を嵌着し、該磁歪部材の捩じれに応じた磁歪量を磁歪検出手段により検出して磁歪量から前記回転体の歪みを検出する歪検出器であって、
    前記磁歪部材を有底の円筒状として前記回転体の端部外周に嵌着し、前記磁歪部材の閉鎖端部である底壁を前記回転体の端面に圧接固定する固定部、開放端部を前記回転体の外周に圧接固定する固定部とするとともに、これら固定部で挟まれた部分を、前記回転体に対して非固定の非固定部とし、
    該非固定部のうち、一方または両方の前記固定部に連なる端部を、他の部分よりも厚肉に形成して、相対的に小さな捩じれが発生するトルク不感部とし、
    前記非固定部の前記他の部分をトルク印加で相対的に大きな捩じれが発生するトルク感受部とし、
    前記磁歪検出手段には、前記トルク感受部の磁歪を検出するトルク感受部検出手段と、前記トルク不感部の磁歪を検出するトルク不感部検出手段とを具備する構成とし、
    かつ、前記トルク感受部検出手段の出力信号を、前記トルク不感部検出手段の出力信号により相殺補正する補正手段を具備せしめたことを特徴とする歪検出器。
  2. 軸体の外周に磁歪材料で構成された筒状の磁歪部材を嵌着し、磁歪部材の歪みに応じた磁歪量を磁歪検出手段により検出して磁歪量から前記軸体の歪みを検出するようになした歪検出器であって、
    前記磁歪部材を有底の円筒状として前記回転体の端部外周に嵌着し、前記磁歪部材の閉鎖端部である底壁を前記回転体の端面に圧接固定する固定部、開放端部を前記回転体の外周に圧接固定する固定部とするとともに、これら固定部で挟まれた部分を、前記回転体に対して非固定の非固定部とし、
    該非固定部のうち、前記磁歪部材の軸方向の中央部を、前記非固定部の他の部分よりも厚肉に形成し、
    前記磁歪検出手段は、U字状のコアにコイルを巻回し該コイルから検出信号を出力する構成とするとともに、前記コアの一方の磁極が前記中央部を挟む一方の位置で前記磁歪部材と近接対向し、前記コアの他方の磁極が前記中央部を挟む他方の位置で前記磁歪部材と
    近接対向するように配置したことを特徴とする歪検出器。
  3. 請求項2記載の歪検出器において、前記非固定部のうち、一方または両方の前記固定部に連なる端部を、前記非固定部の前記中央部を挟む両方の位置よりも厚肉に形成した歪検出器。
  4. 請求項1ないし3記載の歪検出器を具備し、該歪検出器により検出される歪みに基づいて前記回転体または回転する前記軸体に伝達されるトルクを検出する構成としたトルク検出器。
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