JP2001228038A - トルク検出装置 - Google Patents

トルク検出装置

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JP2001228038A
JP2001228038A JP2000041423A JP2000041423A JP2001228038A JP 2001228038 A JP2001228038 A JP 2001228038A JP 2000041423 A JP2000041423 A JP 2000041423A JP 2000041423 A JP2000041423 A JP 2000041423A JP 2001228038 A JP2001228038 A JP 2001228038A
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Yoshimichi Ito
義通 伊藤
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
Shinji Ikeda
慎治 池田
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各磁歪センサの励磁コイルと検出コイルとの
間の位置関係に工夫を凝らし、軸状磁性回転部材に生ず
るトルクを精度よく検出するようにしたトルク検出装置
を提供する。 【解決手段】 両磁歪センサ30、40において、検出
コイルのコイル面は励磁コイルの軸に対し所定角度+θ
をなしている。マイクロコンピュータ54は、両磁歪セ
ンサ30、40の検出出力を同一の出力−トルク特性上
にのるように補正し、これら両補正出力に基づきクラン
ク軸のトルクを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの磁性回
転軸その他各種の軸状磁性回転部材のトルクを磁気歪み
の利用により検出するトルク検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトルク検出装置において
は、例えば、特開昭61−127953号公報にて示す
ように、複数の磁歪センサを、エンジンの出力軸の外周
に沿い複数配設して、トルク検出装置としての出力変動
に対する出力軸の周方向における偏心誤差や形成材料の
ばらつきの影響を減少させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記トルク
検出装置において、出力軸の周方向に沿う出力変動を減
少させて十分に高い精度の出力を得るためには、各磁歪
センサの検出出力特性を相互に同一にする必要がある。
【0004】ここで、各磁歪センサの検出出力特性を同
一にするには、各磁歪センサが備える励磁コイルと検出
コイルとの間の位置関係を、全磁歪センサについて全く
同一にしなければならない。
【0005】しかし、スペース上の制約で各磁歪センサ
の外形寸法を小さくする必要がある場合や、磁歪センサ
の数が多いためにスペース上の制約が大きくなる場合に
は、各磁歪センサの励磁コイルと検出コイルとの間の位
置関係を、相互に同一にすることができず、その結果、
トルク検出装置としてのトルク検出精度が低下するとい
う不具合がある。
【0006】これに対し、本発明者は各磁歪センサの検
出特性につき検討を加えてみたところ、各磁歪センサの
検出コイルのトルクに対する検出出力方向が相互に異な
ると、複数の磁歪センサを用いたことによる上記不具合
が生じることが分かった。例えば、トルクに対して検出
出力が増加するように構成した磁歪センサと、トルクに
対して検出出力が減少するように構成した磁歪センサと
を、出力軸の外周に沿い複数配設すれば、トルク検出装
置としての検出出力に上記不具合が生じることが認めら
れる。
【0007】そして、その理由は、各磁歪センサにおい
て励磁コイルと検出コイルとのなす角度によることも分
かった。従って、各磁歪センサにおいて、励磁コイルの
検出コイルに対する角度を同一方向に向けて同一にとる
ことが、各磁歪センサの出力特性を同一にするに必要で
あると認められる。
【0008】そこで、本発明は、以上のようなことに着目
して、各磁歪センサの励磁コイルと検出コイルとの間の
位置関係に工夫を凝らし、軸状磁性回転部材に生ずるト
ルクを精度よく検出するようにしたトルク検出装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、請求項1に記載の発明に係るトルク検出装置は、軸
状磁性回転部材(11、20、21a)の外周面に沿い
互いに間隔をおいて配設されて励磁コイル及びこの励磁
コイル(33、43)による励磁に応じて回転部材の磁
歪によるトルクを検出する検出コイル(32、42)を
それぞれ有する複数の磁歪センサ(30、40)と、各
励磁コイルを励磁する励磁手段(51)と、各検出コイ
ルの検出出力を処理する処理手段(52、53、61乃
至64)とを備え、この処理手段の出力をトルクとして
検出する。
【0010】当該トルク検出装置では、各磁歪センサに
おいて、検出コイルは励磁コイルに対し同一方向に傾い
て位置しており、処理手段は、各検出コイルの検出出力
を同一出力特性となるように補正し、これら補正出力に
基づきトルクを算出する。
【0011】上述のように、各磁歪センサにおける検出
コイルと励磁コイルとの間の同一の傾きのもと各検出コ
イルの検出出力を同一出力特性となるように補正するの
で、スペース上の制約で各磁歪センサの外形寸法を小さ
くしたために、各磁歪センサにおいて、励磁コイル及び
検出コイルの間の配置関係が、相互にずれていても、こ
れに影響されることなく、高精度にてトルクを算出でき
る。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、各磁歪センサにおいて、検出コイル
がそのコイル面にて励磁コイルの軸に対し所定角度同一
方向に傾いていることを特徴とする。これにより、請求
項1に記載の発明の作用効果をより一層確実に達成でき
る。
【0013】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につき
図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るトルク
検出装置が自動車に搭載したエンジン10に適用された
例を示している。エンジン10においては、クランク軸
11が、エンジンブロック10aから突出する出力端部
11aにて、フライホイール(図示しない)の中央部と
同軸的に連結されている。
【0015】当該トルク検出装置は、図1及び図2にて
示すごとく、検出リング20と、両磁歪センサ30、4
0と、電気回路50とを備えている。検出リング20
は、図1にて示すごとく、円筒状周壁21と、環状底壁
22とを有するように、磁歪材料により一体的に形成さ
れている。この検出リング20は、その周壁21にて、
クランク軸11の出力端部11aに同軸的に嵌装され
て、その底壁22にて、出力端部11aに同軸的に固定
されている。
【0016】また、円筒状周壁21は、その開口端部に
て、クランク軸11の出力端部11aの外周部に移動不
能に圧入固定されている。ここで、周壁21のうち開口
端部以外の部分は、磁歪部21aとして変形し易いよう
に自由状態に維持されている。
【0017】これにより、クランク軸11がそのトルク
の発生により出力端部11aにてその周方向に捻れ応力
を生じたとき、検出リング20の周壁21がその磁歪部
21aにて周方向へ捻れて捻れ応力を生じさせる。な
お、当該磁歪部21aの捻れ量は、クランク軸11に発
生するトルクに比例する。また、検出リング20は、機
械的強度を必要としないため、ニッケルコバルト、鉄ア
ルミニウム合金等の磁歪定数の大きい磁歪材料で形成さ
れる。
【0018】両磁歪センサ30、40は、図1にて示す
ごとく、クランク軸11の出力端部11aを介し対向す
るようにエンジンブロック10aに支持されている。換
言すれば、両磁歪センサ30、40は、クランク軸11
の回転軸中心に対し、互いに、180度角度ずれし対向
して位置するようにエンジンブロック10aに支持され
ている。また、両磁歪センサ30、40は、クランク軸
11の回転軸中心に対し、軸対称となるように支持され
ている。
【0019】磁歪センサ30は、図2にて示すごとく、
励磁コア31、検出コア32、励磁コア31及び検出コ
ア32にそれぞれ巻装した励磁コイル33及び検出コイ
ル34を備えている。励磁コア31及び検出コア32
は、共に、磁性材料によりU字状に形成されている。こ
こで、励磁コア31は、その両脚部にて、検出リング2
0の磁歪部21aの外周面に直角に対向するように配設
されている。
【0020】また、検出コア32は、励磁コア31の内
側にて位置しており、この検出コア32は、その両脚部
にて、検出リング20の磁歪部21aの外周面に直角に
対向するように配設されている。なお、磁歪センサ30
は、クランク軸11にその軸方向に対し±45°方向の
応力±δがかかったときに磁歪効果を生ずるように、励
磁コア31及び検出コア32が配置されている。
【0021】また、励磁コイル33は、励磁コア31の
連結部に巻装されており、この励磁コイル33は、その
励磁により、励磁コア31を介し、検出リング20の磁
歪部21aをその軸方向に磁化する。検出コイル34
は、検出コア32の連結部に巻装されている。ここで、
磁歪部21aの磁化状態において、磁歪部21aにその
捻れ応力に応じた磁歪効果により磁気抵抗の変化が上記
磁化方向に直角に磁歪成分として生じると、この磁歪成
分が検出コイル34により検出コア32を介し検出され
る。
【0022】磁歪センサ40は、図2にて示すごとく、
励磁コア41、検出コア42、励磁コア41及び検出コ
ア42にそれぞれ巻装した励磁コイル43及び検出コイ
ル44を備えている。励磁コア41及び検出コア42
は、共に、磁性材料によりU字状に形成されている。こ
こで、励磁コア41は、その両脚部にて、検出リング2
0の磁歪部21aの外周面に直角に対向するように配設
されている。
【0023】また、検出コア42は、励磁コア41の内
側にて位置しており、この検出コア42は、その両脚部
にて、検出リング20の磁歪部21aの外周面に直角に
対向するなるように配設されている。なお、磁歪センサ
40は、クランク軸11にその軸方向に対し±45°方
向の応力±δがかかったときに磁歪効果を生ずるよう
に、励磁コア41及び検出コア42が配置されている。
【0024】また、励磁コイル43は、励磁コア41の
連結部に巻装されており、この励磁コイル43は、その
励磁により、励磁コア41を介し、検出リング20の磁
歪部21aをその軸方向に磁化する。検出コイル44
は、検出コア42の連結部に巻装されている。ここで、
磁歪部21aの磁化状態において、磁歪部21aにその
捻れ応力に応じた磁歪効果により磁気抵抗の変化が上記
磁化方向に直角に磁歪成分として生じると、この磁歪成
分が検出コイル44により検出コア42を介し検出され
る。
【0025】ところで、クランク軸11の外周方向にお
ける偏心誤差の影響を減少させるために、両磁歪センサ
30、40を上述のようにクランク軸11の外周方向に
沿い設けているが、クランク軸11の外周方向の出力変
動を減少して十分に高い精度を得るためには、両磁歪セ
ンサ30、40の出力特性を同一にする必要がある。こ
のためには、両磁歪センサ30、40において、磁歪セ
ンサ毎の励磁コイルと検出コイルとの間の位置関係を、
共に全く同一にしなければならない。
【0026】しかし、スペース上の制約等に起因して磁
歪センサの外形寸法を小さくする必要がある場合には、
両磁歪センサの励磁コイルと検出コイルとの間の位置関
係を同一にすることができない。その結果、両磁歪セン
サ30、40の各出力方向が相互に異なる場合、即ち、
両磁歪センサ30、40が、トルクに対して出力が増加
するセンサと出力が減少するセンサとからなる場合、こ
れら両磁歪センサをクランク軸11の周方向に上述のよ
うに設けても、磁歪センサを2個設けたトルク検出装置
としての相乗的効果である高い精度のトルクを得ること
ができない。
【0027】従って、本実施形態では、両磁歪センサ3
0、40の出力特性を同一にするための第1の条件とし
て、各磁歪センサ30、40における励磁コイルと検出
コイルとの間の角度を図3(a)、(b)にて示すよう
にとった。
【0028】即ち、磁歪センサ30では、図3(a)に
て示すごとく、励磁コイル33の軸33a(励磁コイル
33の中心を通る励磁コイル33のコイル面に対する法
線)に対し検出コイル34のコイル面のなす角度を所定
角度+θ°とした。このことは、励磁コイル33の軸と
検出コイル34の軸とのなす角度が(90−θ)°であ
ることを意味する。
【0029】また、磁歪センサ40では、図3(b)に
て示すごとく、励磁コイル43の軸43a(励磁コイル
33の中心を通る励磁コイル33のコイル面に対する法
線)に対し検出コイル44のコイル面のなす角度を上記
所定角度+θ°とした。このことは、励磁コイル43の
軸と検出コイル44の軸とのなす角度が(90−θ)°
であることを意味する。
【0030】上述のように、両磁歪センサ30、40に
おいて、検出コイルを励磁コイルに対し同一方向に同一
角度傾斜させることで、両磁歪センサ30、40の各出
力特性は、図4にて示すごとく、トルクの増減に対し同
一方向に変化する。図4において、V30−Tは、磁歪
センサ30の出力−トルク特性を示し、V40−Tは、
磁歪センサ40の出力−トルク特性を示す。
【0031】電気回路50は、図2にて示すごとく、励
磁回路51と、両信号処理回路52、53と、マイクロ
コンピュータ54とを備えている。励磁回路51は、所
定周波数(例えば、10kHz乃至50kHzの範囲内
の周波数)の発振信号に基づき正弦波状の交流の励磁信
号を発生する。これにより、励磁回路51は、励磁信号
により両励磁コイル33、43を交流的に励磁する。こ
のことは、各励磁コイル33、43が、対応の各励磁コ
ア31、41を介し磁歪部21aを交流的に磁化するこ
とを意味する。
【0032】信号処理回路52は、磁歪センサ30の検
出コイル34の検出出力を検波増幅等の処理をし信号処
理信号を発生する。一方、信号処理回路53は、磁歪セ
ンサ40の検出コイル44の検出出力を検波増幅等の処
理をし信号処理信号を発生する。
【0033】マイクロコンピュータ54は、図5にて示
すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実
行し、この実行中において、両信号処理回路52、53
の各出力に基づき、トルク算出処理をする。なお、上記
コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ54の
ROM内に予め記憶されている。
【0034】以上のように構成した本実施形態におい
て、励磁回路51が励磁信号により両励磁コイル33、
43を交流的に励磁すれば、これら励磁コイル33、4
3は、対応の各励磁コア31、41を介し検出リング2
0の磁歪部21aを交流的に磁化する。なお、エンジン
10は動作状態にあるものとする。
【0035】このような状態において、エンジン10に
負荷がかかると、クランク軸11にトルクが発生する。
このため、上記磁化状態にある検出リング20の磁歪部
21aには上記トルクに応じた捻れ応力が発生する。こ
れに伴い、検出リング20は、磁歪部21aにて、上記
捻れ応力に応じた磁歪効果に基づき磁歪成分を発生す
る。すると、検出コイル34、44は、対応の各検出コ
ア32、42を介し上記磁歪成分を検出する。このこと
は、各磁歪センサ30、40は、トルクを表す検出信号
を発生することを意味する。
【0036】これに伴い、信号処理回路52は、磁歪セ
ンサ30の検出出力に基づき信号処理信号を発生し、ま
た、信号処理回路53は、磁歪センサ40の検出出力に
基づき信号処理信号を発生する。すると、マイクロコン
ピュータ54は両信号処理回路52、53の各出力に基
づき図5のフローチャートに従いコンピュータプログラ
ムを実行する。ここで、ステップ60にて、両信号処理
回路52、53の各出力がマイクロコンピュータ54に
入力される。
【0037】ついで、ステップ61において次のように
無負荷補正がなされる。即ち、信号処理回路52の出力
はその半周期分(図6(a)にて符号A30参照)積分
され、この積分値がエンジン10の無負荷時の磁歪セン
サ30の出力に対応する信号処理回52の無負荷時出力
の半周期分(図6(b)にて符号B30参照)の積分値
との間で減算処理される。これにより、信号処理回路5
2の出力が無負荷補正データA30mとして補正され
る。ここで、当該無負荷時出力の半周期分B30の積分
値は、マイクロコンピュータ54のROMに予め記憶さ
れている。
【0038】また、信号処理回路53の出力はその半周
期分積分され、この積分値がエンジン10の無負荷時の
磁歪センサ40の出力に対応する信号処理回53の無負
荷時出力の半周期分の積分値との間で減算処理される。
これにより、信号処理回路53の出力が無負荷補正デー
タA40mとして補正される。ここで、当該無負荷時出
力の半周期分の積分値は、マイクロコンピュータ54の
ROMに予め記憶されている。
【0039】ついで、ステップ62において、次の数1
の式に基づき、各磁歪センサ30、40の出力が、図7
にて示すように同一の直線L上に乗るように補正され
る。
【0040】
【数1】Y=αX+F この数1の式において、αは直線Lの勾配である。Fは
直線Lの切片であって磁歪センサのオフセット出力を表
すが、磁歪センサ30では、F=F30であり、磁歪セ
ンサ40では、F=F40である。両切片F30、F4
0は、両磁歪センサ30、40の内部配置構成の相違を
考慮して設定されている。また、Xは、上記無負荷補正
データであり、両磁歪センサ30、40のいずれかの出
力に対応する。Yは信号処理回路の補正出力であり、磁
歪センサ30、40のいずれかの補正出力に対応する。
なお、数1の式及び各切片F30、F40はマイクロコ
ンピュータ54のROMに予め記憶されている。
【0041】以上により、ステップ62における補正で
は、各磁歪センサ30、40の出力を直線Lを満たすよ
うに補正すべく、各信号処理回路52、53の出力が数
1の式に基づき補正出力Yとしてそれぞれ補正される。
【0042】然る後、ステップ63において、ステップ
62における両補正出力Yの和Ysが算出される。つい
で、ステップ64において、トルクTが、両補正出力和
Ysに基づき図8にて示すトルク−出力和直線データT
−Ysに応じて算出される。但し、トルク−出力和直線
データT−Ysは、クランク軸11のトルクとトルク検
出装置の出力である両補正出力和Ysとの関係を表し、
予めマイクロコンピュータ54のROMに記憶されてい
る。
【0043】以上説明したように、本実施形態では、両
磁歪センサ30、40において、励磁コイルの軸と検出
コイルのコイル面とのなす角度を同一の所定角度+θと
し、かつ両磁歪センサ30、40の各検出コイルの検出
出力(各磁歪センサ30、40の検出出力)、即ち両信
号処理回路52、53の各出力を数1の式により同一の
直線Lに乗るように補正した上で、両補正出力和Ysに
基づきトルク−出力和直線データT−Ysを用いてトル
クを算出するようにした。
【0044】従って、スペース上の制約で各磁歪センサ
30、40の外形寸法を小さくしたために、両磁歪セン
サ30、40において、励磁コイル及び検出コイルの間
の配置関係が、相互にずれていても、これに影響される
ことなく、高精度にてトルクを算出できる。その結果、
このような算出結果を、当該自動車の低燃費、排気ガス
低減や自動車運転性能向上のために、フィードバック物
理量として利用すれば、エンジンの最適制御が可能とな
る。
【0045】図9は、上記実施形態の第1変形例を示し
ている。この第1変形例では、上記実施形態のように両
磁歪センサ30、40において励磁コイルと検出コイル
とのなす角度を同一方向に向けるのではなく、図9にて
示すような信号処理をする。即ち、磁歪センサ30、4
0の各々について、励磁回路51の励磁出力レベル(図
9(a)にて符号V1参照)と同期してこのレベルと磁
歪センサの出力レベルとの差の半周期分(図9(a)に
て符号A1参照)をとった後、両磁歪センサ30、40
の出力特性を同一にするようにしても、上記実施形態と
同様の作用効果を達成できる。なお、図9(b)にて、
符号B1は磁歪センサの無負荷時出力の半周期分を示し
ており、この無負荷時出力の半周期分も図9(a)と同
様の処理がなされている。そして、当該無負荷時出力の
半周期分はステップ61での処理に利用される。
【0046】図10は上記実施形態の第2変形例を示し
ている。この第2変形例では、上記実施形態にて述べた
各検出コア32、42と検出リング20の磁歪部21a
との間隔が狭くなり、各磁歪センサ30、40の出力波
形が歪む場合を考慮して、励磁回路51の励磁出力と角
度φだけずらせて同期してこの励磁出力のレベル(図1
0(a)にて符号V1参照)と磁歪センサの出力レベル
との差の半周期分(図10(a)にて符号A2参照)を
とった後、両磁歪センサ30、40の出力特性を同一に
するようにすれば、上記実施形態と同様の作用効果の達
成にあたり、効率よくトルク発生時の磁歪センサの出力
変化分を検出できる。なお、図10(b)にて、符号B
2は磁歪センサの無負荷時出力の半周期分を示してお
り、この無負荷時出力の半周期分も図10(a)と同様
の処理がなされている。そして、当該無負荷時出力の半
周期分はステップ61での処理に利用される。
【0047】なお、本発明の実施にあたり、上記実施形
態にて述べたように磁歪センサの出力を面積積分するの
ではなく、磁歪センサの出力のピーク値や励磁出力レベ
ルと所定角度ずらした位相(トルク発生により磁歪セン
サの出力が大きく変わる位相)をサンプリングしてもよ
い。
【0048】また、本発明の実施にあたり、上記実施形
態のように磁歪センサを2個採用するのではなく、この
磁歪センサの数を増大してもよい。
【0049】なお、本発明の実施にあたり、クランク軸
11自体が磁歪特性のよい材料等の磁性材料で形成され
ていれば、検出リング20を廃止しても、上記実施形態
と同様の作用効果を達成できる。
【0050】また、本発明の実施にあたり、クランク軸
11に限ることなく、各種の軸状回転部材のトルクの検
出にあたり本発明を適用してもよい。
【0051】また、上記実施形態では、検出リング20
をトルク検出装置の構成部材としたが、これに代えて、
検出リング20をクランク軸11の付属部材としてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るトルク検出装置の一実施
形態を適用したエンジンの概略側面図であり、(b)
は、図1(a)の両磁歪センサ及び検出リングの端面図
である。
【図2】上記実施形態の両磁歪センサ及びその電気回路
を示す図である。
【図3】(a)は磁歪センサ30の励磁コイル及び検出
コイルの位置関係を示す図であり、(b)は磁歪センサ
40の励磁コイル及び検出コイルの位置関係を示す図で
ある。
【図4】両磁歪センサの各出力特性を示すグラフであ
る。
【図5】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図6】(a)は信号出力回路52の出力のタイミング
チャートであり、(b)は磁歪センサ30の無負荷時に
おける信号出力回路52の出力のタイミングチャートで
ある。
【図7】両磁歪センサの各出力を同一直線上にのせるよ
うに補正するためのグラフである。
【図8】トルクTと補正出力和Ysとの関係を示すグラ
フである。
【図9】(a)は上記実施形態の第1変形例を示す磁歪
センサの出力のタイミングチャートであり、(b)は当
該第1変形例における無負荷時の磁歪センサの出力のタ
イミングチャートである。
【図10】(a)は上記実施形態の第2変形例を示す磁
歪センサの出力のタイミングチャートであり、(b)は
当該第2変形例における無負荷時の磁歪センサの出力の
タイミングチャートである。
【符号の説明】
11…クランク軸、20…検出リング、21a…磁歪
部、30、40…磁歪センサ、33、43…励磁コイ
ル、34、44…検出コイル、36…補正コイル、51
…励磁回路、52、53…信号処理回路、54…マイク
ロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 豊 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 池田 慎治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状磁性回転部材(11、20、21
    a)の外周面に沿い互いに間隔をおいて配設されて励磁
    コイル(33、43)及びこの励磁コイルによる励磁に
    応じて前記回転部材の磁歪によるトルクを検出する検出
    コイル(32、42)をそれぞれ有する複数の磁歪セン
    サ(30、40)と、 前記各励磁コイルを励磁する励磁手段(51)と、 前記各検出コイルの検出出力を処理する処理手段(5
    2、53、61乃至64)とを備え、この処理手段の出
    力をトルクとして検出するトルク検出装置であって、 前記各磁歪センサにおいて、検出コイルは励磁コイルに
    対し同一方向に傾いて位置しており、 前記処理手段は、前記各検出コイルの検出出力を同一出
    力特性となるように補正し、これら補正出力に基づきト
    ルクを算出するようにしたトルク検出装置。
  2. 【請求項2】 前記各磁歪センサにおいて、前記検出コ
    イルがそのコイル面にて前記励磁コイルの軸に対し所定
    角度同一方向に傾いていることを特徴とする請求項1に
    記載のトルク検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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