JP3690499B2 - 機器の基礎構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的大重量で振動を伴う機器を支える、機器の基礎構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型の輪転機は、大重量で、しかも回転部分を有する関係上振動を伴う。
従来一般に、このような大重量でかつ振動を伴う機器を支える基礎構造として図5および図6に示すように、杭10の上側にフラットスラブからなるマット基礎11を設け、該マット基礎11の上方に機器12を支える機器基礎13を設け、マット基礎11と機器基礎13との間に複数の防振材14を、機器基礎13の全面にわたって均等に介装してなるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の機器の基礎構造にあっては、次の問題があった。
すなわち、機器基礎13は防振用として質量効果を持たせるため、ある程度重量を重くする必要があり、この重量が嵩む機器基礎13と大重量の機器12の荷重を、均等配置された防振材14を介して下側のマット基礎11で受け、マット基礎11に係る荷重を局所的に配置された下側の杭10で受けることとなる。
このとき、マット基礎11は機器12等の荷重をほぼ上面全域で受け、該荷重を下側の局所的に配置された杭10の頭部に伝えるため、強度上ある程度の厚さTbが必要になり、結果的にマット基礎11を一定値以上に薄くすることができない。この結果、厚めのマット基礎11を施工するため根伐量が多くなったり、またマット基礎11を打設するため大量のコンクリートが必要となっていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、マット基礎の厚さを薄くすることができ、これに伴い、根伐量とコンクリートの使用量を減少させるとともに、工期並びに工費の低減が図れる機器の基礎構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため請求項1にかかる発明では、大重量で振動を伴う機器を支える機器の基礎構造であって、杭の上側に、マット基礎より増厚されたマット基礎増厚部と、前記機器を支える機器基礎とが順に設けられ、前記マット基礎増厚部と前記機器基礎との間に防振材が介装され、該防振材が、前記杭の真上位置に集中配置されていることを特徴としている。
【0006】
この発明によれば、機器基礎は、上面で上側の機器の荷重をうけて下方の局所的に配置された防振材に伝え、さらに杭に伝える。
この結果、防振材の下側に配置するマット基礎の厚さを薄くできる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の機器の基礎構造の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明にかかる機器の基礎構造の実施の形態を示している。図1において符号1は杭である。杭1の上側には、マット基礎2より増厚されたマット基礎増厚部2aと、例えば輪転機等の機器3を支える機器基礎4とが順に設けられている。マット基礎増厚部2aと機器基礎4との間には防振材5が介装されている。
【0008】
前記防振材5は、杭1の真上位置に集中配置されている。ここで真上位置とは、マット基礎3の厚さをTaとしたとき、この厚さTaの値と同程度(あるいは0.5倍程度)杭1の外周位置1Aからはみ出したものも含むものとする。
防振材5は、前記図5および図6で説明した防振材14と同じ機能をもつものが使用され、その数も従来と同程度にされており、したがって、防振材1個あたりが受け持つ荷重は従来のものと同程度である。
【0009】
防振材5の具体的構造の一例について説明すると、図3および図4に示すように、ここでは、防振材5として、上板6と底板7との間にゴム材8が挟み込まれた一般的なものを用いている。上板6のゴム材8からはみ出した部分6aは下方に斜めに折り曲げられており、ゴム材8の上端部の変形を若干拘束する構造になっている。また、ゴム材8の上面部には複数の空所8aが形成されており、この空所8aの容量や位置によって防振材5の特性が決定される。したがって、ここでは、ゴム材8の空所8aの容量や位置は輪転機等の機器3および機器基礎4の重量や、機器3の振動の振幅、周波数等によって決定される。
【0010】
また、輪転機等の機器3が脚部を有する場合には、該脚部を配置する個所は、防振材5の真上、言い換えれば、杭1の真上が好ましい。機器基礎4に加わる剪断荷重を減少させられるからである。
【0011】
上記構成の機器の基礎構造によれば、機器3の重量や振動等の荷重は機器基礎4に伝わり、機器基礎4の下側に配置された防振材5を介して下方マット基礎増厚部2aに伝わり、さらにその下側の杭1に伝わる。
この結果、防振材5の下側に配置するマット基礎2の厚さTaを薄くできる。
【0012】
ちなみに、輪転機等機器3の重量や振動の特性によっても異なるが、図5、図6で示した従来のマット基礎11では、厚さTbが1500mm程度必要であったものが、本願発明の基礎構造を採用することにより、厚さTaが1/3の500mmで足りることとなっり、マット基礎増厚部2aの厚さは700mmとなる。
【0013】
上述した発明の実施の形態の機器の基礎構造によれば、防振材として主にゴム材を用いたものを例に挙げたが、これに限られることなく、他の減衰材料を主とした防振材を用いる場合でも、本発明は適用可能である。
また、上述した発明の実施の形態では、機器基礎4としてコンクリート製のものを用いたが、勿論他の材料からなる機器基礎4を用いた場合にも本発明は適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
請求項1にかかる発明によれば、杭の上側に、マット基礎より増厚されたマット基礎増厚部と、前記機器を支える機器基礎とが順に設けられ、前記マット基礎増厚部と前記機器基礎との間に防振材が介装され、該防振材が、前記杭の真上位置に集中配置されているから、防振材の下側に配置するマット基礎増厚部のみの厚さを厚くし、その他のマット基礎の厚さが少なくできる。この結果、マット基礎を施工する際の根伐量を少なくでき、かつ、コンクリートの使用量を減少させることもできる。さらに、工期並びに工費の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機器の基礎構造の実施の形態を示すもので、同基礎構造の断面図である。
【図2】 図1のXーX線に沿う矢視図である。
【図3】 同基礎構造の中で用いられる防振材の平面図である。
【図4】 同防振材の断面図である。
【図5】 従来の機器の基礎構造を示すもので、同基礎構造の断面図である。
【図6】 図5のYーY線に沿う矢視図である。
1 杭
2 マット基礎
3 機器
4 機器基礎
5 防振材
6 上板
7 底板
8 ゴム材

Claims (1)

  1. 大重量で振動を伴う機器を支える機器の基礎構造であって、 杭の上側に、マット基礎より増厚されたマット基礎増厚部と、前記機器を支える機器基礎とが順に設けられ、前記マット基礎増厚部と前記機器基礎との間に防振材が介装され、該防振材が、前記杭の真上位置に集中配置されていることを特徴とする機器の基礎構造。
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