JP3690254B2 - シリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハの表面に転位等が生じるおそれの無いシリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェーハは、CZ(チョクラルスキー)法で引上成長されたシリコン単結晶を加工して作製される。このシリコンウェーハは、酸素不純物を多く含んでおり、この酸素不純物は転位や欠陥等を生じさせる酸素析出物(BMD:Bulk Micro Defect)となる。この酸素析出物がデバイスが形成される表面にある場合、リーク電流増大や酸化膜耐圧低下等の原因になり、したがって、得られた半導体デバイスの特性に大きな影響を及ぼす。
このため、従来、シリコンウェーハ表面に対し、1150℃以上の高温で秒単位の短時間で急速加熱・急速冷却の熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)を所定の雰囲気中、例えば不活性雰囲気中で施し、内部に過剰空孔を埋設するとともに、表裏面側では酸素を外方拡散させることによりDZ層(無欠陥層)を表面に形成する方法が用いられている(例えば、国際公開公報 WO 98/38675に記載の技術)。
【0003】
このRTA処理では、図4に示すように、シリコンウェーハ1の裏面をピン2で3点支持した状態で熱処理が行われる。そして、この熱処理では、シリコンウェーハ1全体に同じ雰囲気ガスが供給されるため、表面側だけでなく裏面側にも同様の熱処理が行われる。したがって、このシリコンウェーハをさらなる熱処理で酸素析出させた場合、BMD密度の分布は、厚さ方向で対称的になると共に表裏面両方にBMDがほとんどない無欠陥層が形成される。
また、ピン2で3点支持する替わりに、シリコンウェーハ1の裏面の周辺部を円環状のサセプタで支持する構成も用いられている。
そして、上記DZ層を形成した後に上記温度より低温で熱処理を施すことで、内部の欠陥層に酸素析出核を形成・安定化する方法が採用されている。なお、RTA処理においては、不活性雰囲気とするためにアルゴンガス等の不活性ガスが用いられるが、N2、O2、あるいはそれらの混合ガスを用いてもよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したRTA処理では、シリコンウェーハ1の裏面をピン2で3点支持した状態で処理を行っているために、図5に示すように、シリコンウェーハ1の自重、熱膨張、収縮等により処理中にその裏面のピン2の先端部が当たっている部分に傷が生じ、この傷が原因で裏面にスリップ3が発生し、その結果、該スリップ3からシリコンウェーハ1の表面に向かって転位4が成長する。
【0005】
この転位4は、図6に示すように、スリップ3が大きくなるにしたがって、その発生深さdが浅くなる、すなわち転位が表面に近い位置まで成長するという性質があるので、RTA処理に要する時間が長くなればなるほど、該スリップ3から発生する転位4はシリコンウェーハ1の表面に向かって成長する。
転位4が成長してシリコンウェーハ1の表面に出てきてしまった場合、この部分にデバイスが作り込まれると、デバイスの特性が悪化し歩留まりが大きく低下することになる。
また、円環状のサセプタを用いた場合においても、図7に示すように、シリコンウェーハ1の裏面の図示しない円環状のサセプタとの境界部分に同様の円環状の傷5が発生し、当該傷5からシリコンウェーハ1の表面に向かって転位が発生する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、シリコンウェーハの表面に転位等が生じるおそれが無く、この表面に作り込まれたデバイスの特性及び信頼性が良好で、歩留まりの向上が可能なシリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のようなシリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハを採用した。
すなわち、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、窒素ドープ量を1×10 11 /cm 3 以上かつ1×10 15 /cm 3 以下として窒素をドープしたシリコンウェーハに、その裏面を円環状のサセプタで支持した状態で雰囲気ガスgを、Ar(アルゴン)、N 2 (窒素)、または、ArとN 2 との混合ガスとして温度が1100℃以上かつ1300℃以下の急速加熱・急速冷却の熱処理を施す際、
前記シリコンウェーハは、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域をI、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域をV、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域をPとするとき、該パーフェクト領域(P)から切り出され、
前記シリコンウェーハの酸素濃度が十分なゲッタリングサイトが得られる酸素析出量を確保するために1×10 17 /cm 3 以上かつ1.2×10 18 /cm 3 以下とされて、
前記急速加熱・急速冷却の熱処理の時間を、前記サセプタの端部が当たっている部分に生じた円環状の傷が原因で裏面に発生したスリップから成長した転位が前記シリコンウェーハの表面に現れるおそれが無い10秒以下とすることにより上記課題を解決した。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、窒素ドープ量を1×10 11 /cm 3 以上かつ1×10 15 /cm 3 以下として窒素をドープしたシリコンウェーハに、その裏面を円環状のサセプタで支持した状態で雰囲気ガスgを、Ar(アルゴン)、N 2 (窒素)、または、ArとN 2 との混合ガスとして温度が1100℃以上かつ1300℃以下の急速加熱・急速冷却の熱処理を施す際、
前記シリコンウェーハが、結晶に起因するパーティクル(COP: Crystal Originated Particle )を含む空孔型点欠陥が支配的に存在する領域から切り出され、
前記シリコンウェーハの酸素濃度が十分なゲッタリングサイトが得られる酸素析出量を確保するために1×10 17 /cm 3 以上かつ1.2×10 18 /cm 3 以下とされて、
前記急速加熱・急速冷却の熱処理の時間を、前記サセプタの端部が当たっている部分に生じた円環状の傷が原因で裏面に発生したスリップから成長した転位が前記シリコンウェーハの表面に現れるおそれが無い10秒以下とすることにより上記課題を解決した。
【0008】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、窒素をドープしたシリコンウェーハに急速加熱・急速冷却の熱処理を施すことを特徴とする。
この方法では、シリコンウェーハに予め窒素をドープしておくか、もしくは急速加熱・急速冷却の熱処理を施す工程の前に、イオン注入により窒素をドープする工程を設ける。前記窒素をドープしておく方法としては、CVD法によりSi上にSi3 N4 膜を堆積したウェーハを溶融Si中に混入させてSi単結晶を引き上げる方法が採られる。シリコンウェーハに窒素をドープすることにより、シリコンウェーハ内部の酸素析出量が促進され、その結果、従来より短時間で、従来と同量の酸素析出量を有する酸素析出層が形成され、後工程のアニール時間を短縮することが可能になる。これにより、裏面傷からの成長を抑制することが可能になり、転位がシリコンウェーハの表面に現れるおそれが無くなる。また、シリコンウェーハの表面に転位等が生じないので、この表面に作り込まれたデバイスの特性及び信頼性が向上することとなり、その結果、製品の歩留まりが向上する。
【0009】
シリコンウェーハに窒素をドープすると、結晶に起因するパーティクル(COP:Crystal Originated Particle)の大きさは、通常のシリコンウェーハのCOPより小さくなるので、ランプアニールの様な短時間の熱処理でも表層のCOPは十分に消滅する。このCOPは、鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニア水と過酸化水素水の混合液で洗浄したときにシリコンウェーハ表面に生じる結晶に起因したピットであり、電気的特性、例えば、酸化膜の経時絶縁破壊特性(TDDB:Time Dependent Dielectric Breakdown)、酸化膜耐圧特性(TZ
DB:Time Zero Dielectric Breakdown)等を劣化させる原因となる。
【0010】
また、このCOPがシリコンウェーハ表面に存在すると、半導体デバイスの配線工程において段差を生じ、断線の原因となる。さらに、このCOPが素子分離部分に存在すると、リーク等の原因となり、製品の歩留まりが低下する。それ故、COPを減少させることは、半導体デバイスの電気的特性及び歩留まりを向上させるのに必要である。
【0011】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、前記シリコンウェーハの熱処理方法において、前記急速加熱・急速冷却の熱処理の温度は、1100℃以上かつ1300℃以下であることを特徴とする。ここで、急速加熱・急速冷却の熱処理の温度を1100℃以上かつ1300℃以下と限定した理由は、1100℃未満ではウェーハ中に十分な原子空孔を注入することができず、したがって、酸素析出を期待することができず、また、1300℃を越えると、転位の成長速度が速くなるためにシリコンウェーハの表面に転位が生じるからである。
【0012】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、前記シリコンウェーハの熱処理方法において、前記急速加熱・急速冷却の熱処理の時間は、10秒以下であることを特徴とする。ここで、急速加熱・急速冷却の熱処理の時間を10秒以下と限定した理由は、窒素をドープしたシリコンウェーハにおいても、10秒を越えると、前記熱処理の間に転位が成長し、該転位がシリコンウェーハの表面に現れるからである。
【0013】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、前記シリコンウェーハの熱処理方法において、前記シリコンウェーハの窒素ドープ量は、1×1011/cm3 以上かつ1×1015/cm3 以下であることを特徴とする。
【0014】
ここで、シリコンウェーハの窒素ドープ量を1×1011/cm3以上かつ1×1015/cm3以下と限定した理由は、1×1011/cm3未満では酸素析出量が少なく十分なゲッタリングサイトが得られず、また、1×1015/cm3を越えるとシリコンウェーハの導電型(p型もしくはn型)が変わり、半導体ウェーハとして不適当となるからである。
【0015】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、前記シリコンウェーハの熱処理方法において、前記シリコンウェーハは、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域をI、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域をV、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域をPとするとき、該パーフェクト領域(P)から切り出されたシリコンウェーハであることを特徴とする。
【0016】
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、前記シリコンウェーハの熱処理方法において、前記シリコンウェーハは、結晶に起因するパーティクル(COP:Crystal Originated Particle)を含む空孔型点欠陥が支配的に存在する領域から切り出されたシリコンウェーハであることを特徴とする。
【0017】
本発明のシリコンウェーハは、窒素をドープしたシリコンウェーハに急速加熱・急速冷却の熱処理を施してなるシリコンウェーハであって、酸素濃度が1×1017/cm3 以上かつ1.2×1018/cm3 以下であることを特徴とする。ここで、シリコンウェーハの酸素濃度を1×1017/cm3 以上かつ1.2×1018/cm3 以下に限定した理由は、CZ法で得られるシリコンウェーハの酸素濃度の下限が1×1017/cm3 であり、また、1.2×1018/cm3 を越えると析出が過多となり、ウェーハとして不適当だからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハの一実施の形態について図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態のシリコンウェーハの熱処理方法が適用される熱処理炉であり、図において、符号11は熱処理が施されるシリコンウェーハ、12はシリコンウェーハ11を支持するピン、13は該ピン12及びそれに載置されるシリコンウェーハ11を収納する反応室、14は反応室13の外部に設けられてシリコンウェーハ11を加熱するための赤外線ランプである。
【0019】
シリコンウェーハ11は、シリコン単結晶インゴットから切り出したウェーハに窒素(N)をドープしたものであって、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域をI、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域をV、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域をPとしたとき、このパーフェクト領域(P)から切り出されたものである。
このシリコンウェーハ11は、COPを含む空孔型点欠陥が支配的に存在する領域から切り出してもよい。
このシリコンウェーハ11の窒素(N)のドープ量は、1×1012/cm3以上かつ1×1015/cm3以下である。
【0020】
ピン12は、シリコンカーバイド(SiC)、あるいは無定形炭素(C)等で形成されたピンで、シリコンウェーハ11の裏面を3点支持するように、3本のピン12が3角形状に配置されている。
反応室13には、シリコンウェーハ11の表裏面双方に雰囲気ガスgを供給するための雰囲気ガス供給口13a及び供給された雰囲気ガスgを排出するための雰囲気ガス排出口13bが設けられている。
雰囲気ガスgは、Ar(アルゴン)、N2(窒素)、ArとN2との混合ガス等の不活性ガスが好ましい。
【0021】
この熱処理炉によりシリコンウェーハ11に熱処理、特に急速加熱・急速冷却の熱処理(RTA処理)を施すには、ピン12、12、…にシリコンウェーハ11を載置した後、反応室13内に雰囲気ガス供給口13aから雰囲気ガスgを供給した状態で、赤外線ランプ14でシリコンウェーハ11を加熱することにより、1100℃以上かつ1300℃以下の温度で10秒以下のRTA処理を施す。
【0022】
このRTA処理により、シリコンウェーハ11の内部には酸素が析出して重金属をトラップするとともに、表面には酸素が外方に向かって拡散するために無欠陥層(DZ層)が形成される。
したがって、表面側にはDZ層が形成され、内部には欠陥層(BMD領域)が形成された窒素ドープのシリコンウェーハ11’が得られる。
【0023】
図2はRTA処理時間(秒)とスリップの長さとの関係を示す図、図3はRTA処理時間(秒)と酸素(O2)の析出量との関係を示す図であり、これらの図より、スリップの長さと酸素(O2)の析出量とは相反する関係にあることが分かる。
そこで、スリップの大きさをできるだけ小さくすると共に、酸素(O2)の析出量を所定量確保するために、RTA処理を最適に設定する必要がある。
この最適なRTA処理の条件は、転位がシリコンウェーハの表面に現れるおそれが無い時間、すなわち10秒以下である。また、このときの温度は、1100℃以上かつ1300℃以下である。
【0024】
このシリコンウェーハ11’では、窒素をドープすることにより、酸素濃度が1×1017/cm3以上かつ1.2×1018/cm3以下のシリコンウェーハ11’内部の酸素析出量が、窒素をドープしないシリコンウェーハと比べて多く、その結果、熱処理時間を短縮することが可能になり、転位がシリコンウェーハの表面に現れるおそれが無くなる。しかも、窒素をドープしているのでCOPが小さく、かつ、RTA処理によって表層のCOPが消滅することとなり、TDDBやTZDB等を劣化させるおそれも無い。したがって、断線、リーク等の不具合が生じるおそれが無くなり、製品の歩留まりが高まる。
【0025】
このシリコンウェーハ11’の表面からの酸素析出量を測定したところ、酸素析出量は2.1×109 /cm3 であった。一方、窒素をドープしないシリコンウェーハのRTA処理後の表面からの酸素析出量を測定したところ、酸素析出量は8.5×108 /cm3 であった。以上により、本実施形態のシリコンウェーハ11’が酸素析出量共に優れていることが分かった。
【0026】
本実施形態のシリコンウェーハの熱処理方法によれば、窒素をドープしたシリコンウェーハ11にRTA処理を施すので、シリコンウェーハ内部の酸素析出量を促進することができ、その結果、転位がシリコンウェーハの表面に現れるおそれが無くなる。
また、シリコンウェーハの表面に転位等が生じないので、この表面に作り込まれたデバイスの特性及び信頼性を向上させることができ、引いては製品の歩留まりを向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法によれば、窒素をドープしたシリコンウェーハに急速加熱・急速冷却の熱処理を施すので、シリコンウェーハ内部の酸素析出量を促進することができ、アニール時間を短縮することができる。その結果、シリコンウェーハ裏面のピンまたはサセプタの先端部が当たっている部分に傷が生じ、この傷が原因で裏面にスリップが発生し、該スリップからシリコンウェーハの表面に向かって転位が成長することを防止して、転位がシリコンウェーハの表面に現れるおそれが無くなる。また、シリコンウェーハの表面に転位等が生じないので、この表面に作り込まれたデバイスの特性及び信頼性を向上させることができ、製品の歩留まりを向上させることができ、製品のコストダウンを図ることができる。
【0028】
本発明のシリコンウェーハによれば、酸素濃度を1×1017/cm3以上かつ1 .2×1018/cm3以下としたので、表面に転位等が無く、結晶性に優れている。
このシリコンウェーハの表面にデバイスを作り込むと、デバイスの特性及び信頼性が向上し、その結果、製品の歩留まりが向上し、製品のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のシリコンウェーハの熱処理方法が適用される熱処理炉を示す概略構成図である。
【図2】 RTA処理時間(秒)とスリップの長さとの関係を示す図である。
【図3】 RTA処理時間(秒)と酸素(O2)の析出量との関係を示す図である。
【図4】 従来のRTA処理におけるシリコンウェーハの3点支持の状態を示す側面図である。
【図5】 従来の3点支持の不具合の例を示す断面図である。
【図6】 従来の転移発生深さ(d)とスリップの長さとの関係を示す図である。
【図7】 従来のサセプタ支持の不具合の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ
2 ピン
3 スリップ
4 転位
5 円環状の傷
11 シリコンウェーハ
12 ピン
13 反応室
13a 雰囲気ガス供給口
13b 雰囲気ガス排出口
14 赤外線ランプ
g 雰囲気ガス
Claims (2)
- 窒素ドープ量を1×10 11 /cm 3 以上かつ1×10 15 /cm 3 以下として窒素をドープしたシリコンウェーハに、その裏面を円環状のサセプタで支持した状態で雰囲気ガスgを、Ar(アルゴン)、N 2 (窒素)、または、ArとN 2 との混合ガスとして温度が1100℃以上かつ1300℃以下の急速加熱・急速冷却の熱処理を施す際、
前記シリコンウェーハは、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域をI、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域をV、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域をPとするとき、該パーフェクト領域(P)から切り出され、
前記シリコンウェーハの酸素濃度が十分なゲッタリングサイトが得られる酸素析出量を確保するために1×10 17 /cm 3 以上かつ1.2×10 18 /cm 3 以下とされて、
前記急速加熱・急速冷却の熱処理の時間を、前記サセプタの端部が当たっている部分に生じた円環状の傷が原因で裏面に発生したスリップから成長した転位が前記シリコンウェーハの表面に現れるおそれが無い10秒以下とすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。 - 窒素ドープ量を1×10 11 /cm 3 以上かつ1×10 15 /cm 3 以下として窒素をドープしたシリコンウェーハに、その裏面を円環状のサセプタで支持した状態で雰囲気ガスgを、Ar(アルゴン)、N 2 (窒素)、または、ArとN 2 との混合ガスとして温度が1100℃以上かつ1300℃以下の急速加熱・急速冷却の熱処理を施す際、
前記シリコンウェーハが、結晶に起因するパーティクル(COP: Crystal Originated Particle )を含む空孔型点欠陥が支配的に存在する領域から切り出され、
前記シリコンウェーハの酸素濃度が十分なゲッタリングサイトが得られる酸素析出量を確保するために1×10 17 /cm 3 以上かつ1.2×10 18 /cm 3 以下とされて、
前記急速加熱・急速冷却の熱処理の時間を、前記サセプタの端部が当たっている部分に生じた円環状の傷が原因で裏面に発生したスリップから成長した転位が前記シリコンウェーハの表面に現れるおそれが無い10秒以下とすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
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