JP3690079B2 - 車間距離警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車間距離警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自車の前方に向けてレーザビームを前方に放射し、自車の前方を送光する前車の後部のリフレクタに当たって反射してくる反射光を受光し、この送光タイミングから受光タイミングまでの時間差に基づいて前車までの車間距離を演算し、また計測した車間距離の時間変化に基づいて前車との相対速度も演算し、自車速と相対速度との関連で設定される警報車間距離よりも実際の車間距離が短くなった時に車間距離警報を出力してドライバに注意を促す車間距離警報装置が知られている。
【0003】
このような従来の車間距離警報装置では、前車を確実に検出し、またカーブなどの道路形状を推定するために、細かく絞られたレーザビームを一定のステップ角度ずつ水平方向にスキャンさせることによって、ある程度の広さのエリアを検出する構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車間距離警報装置では次のような問題点があった。すなわち、自車と前車との車間距離及び前車のリフレクタの幅によってリフレクタに対して、ステップ角度ずつずらして放射される多数本のレーザビームのうちの1本のレーザビームしか対応しない状況が発生することがある。このような状況で、振動などによってレーザビームが前車のリフレクタから外れると、距離検出に失敗して前車との車間距離データが得られなくなる。
【0005】
このような状況を補うために、1回の測定結果だけで車間距離を計測するのではなく、複数回の測定結果を平均化処理するなどにより、常に車間距離を計測できるように工夫しているが、結果として演算処理時間が長くなり、特にわずかな時間の遅れが重要となる大きな相対速度で前車に接近する場合に、車間距離警報の出力タイミングが若干遅れる問題点があった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、前車との相対速度が大きい場合に相対速度と自車速とから計算される警報車間距離付近まで接近した時には、レーザビームをスキャンする際のステップ角度を通常時よりも細かくすることによって確実に前車のリフレクタに照射してその反射光を受光できるようにすると共に、測定回数を減らして演算処理時間を短くすることにより、車間距離警報の出力タイミングを常に的確なものにできる車間距離警報装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の車間距離警報装置は、自車の前方に向けて、一定ステップ角度ずつずらしながら所定のスキャン角度になるまで複数ステップでレーザビームを送光する送光手段と、前記送光手段により送光されたレーザビームが前方の物標に反射して戻ってくる反射光を受光する受光手段と、前記レーザビームの送光タイミングから受光タイミングまでの時間差に基づいて前方の物標までの車間距離を計測する車間距離計測手段と、前記車間距離計測手段が計測した車間距離の時間変化に基づいて前記前方の物標との相対速度を算出する相対速度演算手段と、自車速と、前記相対速度演算手段の算出する相対速度とに基づいて車間距離警報の出力を必要とする警報車間距離を算出する警報車間距離演算手段と、前記車間距離計測手段の計測した車間距離と、前記警報車間距離演算手段の算出した警報車間距離とを比較し、車間距離警報出力の要否を判定する車間距離警報判定手段と、前記送光手段の送光方向のステップ角度の大きさを変化させるステップ角度変更手段と、前記車間距離計測手段の計測した車間距離が、前記警報車間距離付近に設定された所定の第1車間距離以下になったときに、前記送光手段の送光方向のステップ角度の大きさを通常より小さくなるように切替える指令を前記ステップ角度変更手段に与えるステップ角度変更判定手段とを備えたものである。
【0008】
請求項1の発明の車間距離警報装置では、自車の前方に向けて、一定ステップ角度ずつずらしながら所定のスキャン角度になるまで複数ステップでレーザビームを送光し、前方の物標に反射して戻ってくる反射光を受光し、レーザビームの送光タイミングから反射光の受光タイミングまでの時間差に基づいて前方の物標までの車間距離を計測する。また計測した車間距離の時間変化に基づいて前方の物標との相対速度を算出すると共に、自車速と、算出された相対速度とに基づいて車間距離警報の出力を必要とする警報車間距離を算出する。
【0009】
そして計測された車間距離と警報車間距離とを比較して車間距離警報出力の要否を判定し、車間距離警報出力が必要な時には警報指令を出力し、警報音や表示によってドライバに車間距離警告を与える。
【0010】
この車間距離警報の出力の要否判定と共に、ステップ角度変更判定手段は、計測された車間距離が警報車間距離付近に設定された所定の第1車間距離以下に近づいている時には、レーザビームの送光方向のステップ角度を通常より小さくなるように切替える指令をステップ角度変更手段に与え、ステップ角度変更手段はレーザビーム送光手段の送光方向のステップ角度を切替え、指定されたステップ角度ずつずらしながらスキャンさせるようにする。
【0011】
これによって特に車間距離に注意を払う必要がある警報車間距離近くまで前車に接近しているような状況では、1回1回のスキャンで確実に前車のリフレクタを捕らえて車間距離計測ができるようにし、平均化処理をせずとも、あるいは平均化処理するスキャン回数を従来よりも少なくして確実に車間距離計測を行う。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の車間距離警報装置において、前記ステップ角度変更手段が前記ステップ角度変更判定手段から前記送光手段の送光方向のステップ角度の切替え指令を受けた時に、当該送光手段の全体のステップ数を保持したまま、ステップ角度の大きさを変更するようにしたものであり、これによって、レーザビームのスキャンステップ角度を変更しても、1回1回のスキャンに要する時間は変化させず、前車に対する車間距離計測に要する時間も変化させずに車間距離警報の出力判定を行う。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2の車間距離警報装置においてさらに、前記ステップ角度変更判定手段は、前記相対速度演算手段が算出する相対速度が所定の値以上の急接近状態である場合に前記切替えを行うようにしたものであり、これによって、特に車間距離に注意を払う必要がある状況、つまり大きな相対車速で警報車間距離近くまで前車に接近しているような状況では、スキャンステップ角度を細かくする処理を行うことによって、1回のスキャンで複数本のレーザビームを前車のリフレクタに当ててその反射光を受光できるようにし、1回1回のスキャンごとに確実に車間距離を計測し、平均化処理をしなくても、あるいは従来よりも少ないスキャン回数の平均化処理によって正しい車間距離データを得、的確なタイミングに車間距離警報を出力する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3の車間距離警報装置において、前記ステップ角度変更判定手段は、前記第1車間距離よりも小さな第2車間距離以下になったときに、前記ステップ角度を通常の状態に戻すようにしたものである。
【0015】
請求項4の発明の車間距離警報装置では、車間距離が第1車間距離よりも小さな第2車間距離以下になったときには、通常のステップ角度でも前車のリフレクタに複数本のレーザビームを当てることができるので、スキャンステップ角度を通常の状態に戻す処理を行う。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、特に車間距離に注意を払う必要がある状況、つまり警報車間距離近くまで前車に接近しているような状況では、1回1回のスキャンで確実に前車のリフレクタを捕らえて車間距離計測ができ、平均化処理をせずとも、あるいは平均化処理するスキャン回数を従来よりも少なくして確実に車間距離計測ができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、レーザビームのスキャンステップ角度を変更しても1回1回のスキャンに要する時間は変化させず、前車に対する車間距離計測に要する時間も変化させずに、1回1回の車間距離計測によって確実に車間距離警報の出力判定ができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、特に車間距離に注意を払う必要がある状況、つまり所定値以上の相対速度で前車に急接近しているような状況で前記ステップ角度の切替を行うことにより1回1回のスキャンで確実に前車のリフレクタを捕らえて車間距離計測ができ、平均化処理をせずとも、あるいは平均化処理するスキャン回数を従来よりも少なくして確実に車間距離計測ができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、さらに車間距離が近づいて、第1車間距離よりも小さな第2車間距離以下になった場合、送光手段から前車のリフレクタを見込む角度が大きくなるとともに、反射光の強度が高くなるので、前記ステップ角度を通常の状態にも戻しても、確実な車間距離計測ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1に示すように、本発明の車間距離警報装置は、自車1のフロントに装着されたレーザレーダシステム2によって前方に向けてレーザビーム3を発する。自車1の前方の距離Dの位置に前車4が存在すると、前車4のリアに装着されているリフレクタ5でレーザビーム3は反射され、その反射光6がレーザレーダシステム2に戻ってくる。これをレーザレーダシステム2で検出し、レーザビーム3の発射タイミングから反射光6の受光タイミングまでの時間差tから前車4との車間距離Dを次の式に基づいて算出する。
【0021】
【数1】
D=(c×t)/2
ここで、c:光速度である。
【0022】
レーザレーダシステム2は図2に示す構成である。レーザレーダシステム2は制御演算処理回路(MPUで構成されている)7と、レーザ発光ダイオード(LED)8、このLED8が発光する光を収束させる送光用レンズ9、光方向を変更するミラー10、前方にレーザビーム3を発射させるための送光用スキャンミラー11、この送光用スキャンミラー11と一体化され、前方からの反射光6を受光するた受光用スキャンミラー12、小刻みな回転、停止ができるステッピングモータ13、このモータ13にスキャンミラー11,12を接続しているステー14、受光用スキャンミラー12の受光した反射光6を収束する受光用レンズ15、フォトダイオード(PD)16から構成されている。
【0023】
制御演算処理回路7は、イグニッションスイッチなどによるオン/オフ信号を受けてLED8の駆動信号を出力し、LED8が発光する。そしてこの光は送光用レンズ9を通過した後、ミラー10及び送光用スキャンミラー11で反射されて前方へパルス状のレーザビーム3として放射される。制御演算処理回路7は、LED8の駆動信号に同期させてステッピングモータ13の駆動信号を発し、ステッピングモータ13は決められたあるステップ角度φずつ回転し、ステー14を介して送光用スキャンミラー11及び受光用スキャンミラー12を動かす。この結果、レーザビーム3はステップ角度φずつ水平方向にずれながら前方をスキャンすることになる。
【0024】
前方に放射されるレーザビーム3は、前方に前車4が存在していればそのリアのリフレクタ5に当たった時に反射されて反射光6として戻ってきて、受光用スキャンミラー12で反射された後、受光用レンズ15で集光され、PD16で検出される。そして制御演算処理回路7では、LED8への駆動信号の出力タイミングとPD16による受光タイミングとの時間差tを検出し、上述した数1式で前車4までの車間距離Dを算出する。
【0025】
このようにして車間距離Dを算出すると、制御演算処理回路7は車間距離Dを表示装置(図示せず)に出力して表示させる。また制御演算処理回路7は、前回までのスキャン時に計測した車間距離データと今回の車間距離データとに基づいて単位時間あたりの車間距離変化を、前車との相対速度Vrとして演算し、車速センサ(図示せず)から与えられる自車速Vfとこの相対速度Vrとから前車4に接近していることをドライバに警告する距離である警報車間距離Dsを後述する数2式に基づいて算出する。そして、計測した車間距離Dと警報車間距離Dsを比較し、D=Dsとなれば警報信号を表示装置やブザー(図示せず)に送信する。表示装置やブザーはこの車間距離警報指令を受けると、表示の点滅や警報音によってドライバに前車に接近していることを警告する。
【0026】
警報車間距離Dsを算出するための計算式としては、次の数2式を用いることができる。
【0027】
【数2】
Figure 0003690079
ここで、Tsはペダルの踏み代えなどを考慮した余裕時間、Vfは自車速、Vrは相対速度、αは減速度である。
【0028】
この数2式で、Ts=1秒、α=0.3G(=約3m/平方秒)とした場合に、警報車間距離Dsを計算した結果は図3のようになる。例えば、自車速Vf=100km/hで、相対速度Vr=30km/hで近づいている場合、前車との車間距離Dが約40mになった時に車間距離警報を出力することになる。
【0029】
ところで、レーザビーム3はステップ角度φずつ水平方向にずらしながらスキャンしており、図4に示すようにレーザビームのスキャンエリア17は、レーザレーダシステム2を中心とするスキャン角θで示すことができる。スキャン角θはステップ角度φとステップ数nで決まり、例えば、φ=0.15度、n=80ステップであれば、スキャン角θ=12度である。
【0030】
1つのステップ角度φに対応する弧の長さLは、レーザレーダシステム2からの距離Dによって異なり、次の数3しきで求められる。
【0031】
【数3】
Figure 0003690079
図5には、数3式によりステップ角度φが0.15度である場合の弧の大きさLを計算により求めた結果が示されている。距離Dが大きくなると共に1ステップ角度φに相当する弧の大きさLは直線的に増加する。例えば、自車速Vf=100km/h、相対速度Vr=30km/hの時の警報車間距離Dsである40mの距離における弧の大きさLは約10cmである。これは、前車4のリフレクタ5の幅wが10cm以下であれば、80本あるレーザビームのうち、リフレクタ5に1本のレーザビームしか当たらない場合があることを示している。すなわち、リフレクタ5の反射により得られる距離データが、最悪の場合、1データしかないことを意味している。このような状況で、路面の凹凸により車両が振動したりすると、場合によっては1回のスキャンでは前車4との車間距離Dの検出ができない場合が発生する。
【0032】
これを避けて常に車間距離を計測できるようにするために、従来から計測回数を増やして複数回の車間距離データの平均化処理によって検出ミスを補う方法が採用されている。しかし、このような検出ミスが発生するとその時点での現実の車間距離が計測されず、前回までの車間距離から推定して今回の車間距離を算出することになるので、前車が急ブレーキをかけた直後のように相対速度が急激に大きくなる瞬間にこのような検出ミスが重なると、現実の車間距離と推定車間距離とは大きくずれることが予想され、次のスキャンタイミングまで待たなければより正確な車間距離が得られず、その間に車間距離がいっそう接近するという事態も考えられる。そこで、検出ミスの発生を低減し、車間距離、相対速度の演算処理時間を短縮することは、適切なタイミングで車間距離警報を出力するために望ましいことである。
【0033】
検出ミスを低減するには、ステップ角度φを細かくして、前車4のリフレクタ5に当たるレーザビームの本数を増やせばよい。しかしながら、スキャン角θを通常のままにしてステップ角度φを細かくすると、ステップ数nが増加し、1回のスキャンに要する時間が増加してしまう。またステップ数nを通常のままにしてステップ角度φを細かくすれば、スキャン角θが狭くなり、道路のカーブ形状の推定などに影響を及ぼすことになる。
【0034】
そこで、本発明では車間距離がある程度長い場合、また相対速度が比較的小さい場合には従来と同様の条件で車間距離計測を行い、車間距離が警報車間距離に近づき、また相対速度が大きくなった時にはステップ角度φを細かくする処理を行い、これらの問題点を解決し、1回のスキャンで複数本のレーザビームを前車4のリフレクタ5に当ててその反射光を受光できるようにして、1回1回のスキャンごとに確実に車間距離を計測し、平均化処理をしなくても、あるいは従来よりも少ないスキャン回数の平均化処理によって正しい車間距離データが得られ、的確なタイミングに車間距離警報が出力できるようにするのである。
【0035】
図6(a)〜(d)には、本発明の車間距離警報装置における前車4との車間距離Dとスキャン角θとの関係を示している。まず、同図(a)は自車1の前方に車両が存在しない状態を示しており、この状態では、通常のスキャンモードとしてステップ角度φ=0.15度、ステップ数n=80でスキャンを行う。したがって、スキャン角度θ1=12度である。
【0036】
次に、同図(b)は自車1が100km/hで走行していて、70km/h(相対速度30km/h)で走行する前車4に接近している状態を示しており、この状態では、前車4は警報車間距離Dsよりも十分に遠方で検出されるが(例えば、D1=80m)、検出時点ではスキャン角θ1は図6(a)の場合と同様に12度である。なお、前車4のリフレクタ幅w=10cmであると想定する。この場合、1回のスキャンでは車間距離データを選られない状況が発生し得るので、車間距離測定を複数回行い、平均化処理を行う。例えば、1回のスキャンに0.15秒かかり、かつ測定(スキャン)回数を4回とすると、演算処理時間は0.6秒となる。
【0037】
次に図6(c)に示すように、自車速100km/h、相対速度30km/hを維持したまま前車4に接近していき、車間距離D2が警報車間距離Ds(=40m)よりも若干大きい距離45mになった時点で、ステップ角度φをより狭い角度、0.05度に変更する。但し、1スキャンのステップ数nは通常と同じ80に維持する。これによってスキャン角θ2は4度となる。
【0038】
この場合、ステップ角度φは通常の1/3であり、1ステップに対応する弧の大きさLは45mの距離では約4cmとなる。このL=4cmという長さは、前車4のリフレクタ5の幅w=10cmの半分以下であり、したがって1回のスキャンで少なくとも2本のレーザビームをリフレクタ5に当てることができる。この結果、振動などによって1本のレーザビームが検出に失敗したとしても、残る少なくとも1本のレーザビームで距離検出が可能である。そこで、この実施の形態では、ステップ数n=80に維持したまま、ステップ角度φを0.05度とすると共にスキャン回数を2回に減らすことによって、平均化処理も含めた演算処理時間を0.3秒とする。
【0039】
さらに同図(d)に示すように、前車4に更に接近して車間距離D3が警報車間距離Ds以下になったら警報指令を出力して、警報音や表示によって車間距離警報を出力し、ドライバに前車に接近し過ぎていることを警告する。
【0040】
この車間距離警報によりドライバがアクセルを緩めたり、ブレーキを踏むことによって車間距離を広げ、警報車間距離Ds以上に車間距離Dが広くなると車間距離警報を停止する。
【0041】
ステップ角度φを通常時に戻すタイミングとしては、相対速度Vrが所定値以下まで小さくなった時、前車4のリフレクタ5に複数本のレーザが当たる程度まで車間距離が短くなった時、または車間距離Dが前述のステップ角度切替距離 (本実施の形態ではDs+5m)以上に広がった時を設定する。
【0042】
図7は、ステップ角度φの大きさを車間距離Dと相対速度Vrとの組み合わせによって場合分けした例を示している。相対速度Vrが小さい場合には急接近の恐れがないので、車間距離Dの大小に関わりなく、常に通常のステップ角度φ=0.15度を維持する。そして、相対速度Vrが大きく、前車4に急接近する恐れがある場合には、車間距離Dが警報車間距離Ds+5mよりも大きい時には通常のステップ角度φ=0.15度とし、警報車間距離Ds+5m以下〜20mまでの車間距離ではステップ角度φ=0.05度という通常よりも細かい角度に切り替え、さらに車間距離が狭まり、20m以下になれば再び通常のステップ角度φ=0.15度に戻すのである。この最後の車間距離Dで20m以下になるとステップ角度φ=0.15度に戻す理由は、車間距離が小さい時には通常のステップ角度でも前車4のリフクレタ5に複数本のレーザビームを当てることができるからである。
【0043】
なお、車間距離Dの条件は、警報車間距離Dsを算出する計算式に何を用いるか、リフレクタ5の幅wの最小値をいくらに仮定するかなどによって変化するが、ここでは、警報車間距離Dsの計算式は数2式にとし、リフクレタ幅wの最小値を10cmと仮定している。またステップ角度φを変更する車間距離は、警報車間距離Dsに余裕量としての5mを加算して決定している。この余裕量については、ステップ角度φを小さくしている間は、ほとんど前車4しか検出していないことになるので、道路のカーブ推定性能などへの影響を考えると、可能な限り短くしたいが、警報タイミングを遅らせないためにはある程度の大きさにする必要があり、これらの要素を加味して実験的、経験的に決定することになる。
【0044】
相対速度Vrの条件決定のベースとて、通常時の演算処理時間を考慮する。すなわち、ステップ角度を変更しなかったと仮定した場合に、演算処理時間分の後れが引き起こす実質の警報車間距離の短縮を考慮して決定するのである。例えば、前述したように演算処理時間が0.6秒である場合には、相対速度Vr=20km/hでは、この0.6秒の間に前車4との車間距離は約3.3m短くなる。
【0045】
すなわち、最適な車間距離警報の出力タイミングから警報が最大で0.6秒遅れる可能性があり、この場合には警報が出力された時点で警報車間距離Dsよりも3.3m前車により近づいていることになる。
【0046】
通常、警報車間距離Dsはある程度の余裕を見て設定されているので、この3.3mの警報出力の遅れが運転上の問題となることはないが、ここでは一例として、相対速度Vr≧20km/hを相対速度が大きい場合とした。
【0047】
以上の本実施の形態の車間距離警報装置の動作は、図8のフローチャートのようなる。本装置の電源オンでスタートすると、初期設定としてステップ角度φ=0.15度、ステップ数n=80、したがってスキャン角θは12度に設定され、さらに4回のスキャンそれぞれで検出した距離データの平均化処理を行う設定とする(ステップS1)。そしてこの初期設定で車間距離計測が周期的に繰り返され、まず車間距離Dを計測し(ステップS2)、前回の車間距離計測値と今回の車間距離計測値との単位時間当たりの変化から相対速度Vrも演算する(ステップS3)。さらに、自車速Vfを入力し、相対速度Vrと自車速Vfとに基づき、数2式の計算によって警報距離Dsを演算する(ステップS4)。
【0048】
この後、相対速度Vrが20km/h以上であるかどうか判断し(ステップS5)、急接近していると判断すれば、車間距離Dが20m≦D≦Ds+5mの範囲にあるかどうか判断し(ステップS6)、この範囲にあればステップ角度φを通常よりも細かい角度である0.05度に変更し、またスキャン2回の距離計測結果を平均化処理して車間距離Dを得る設定に変更し、以後、継続して車間距離計測を繰り返す(ステップS7)。
【0049】
このようにして、上記の実施の形態の車間距離警報装置によれば、前車との相対速度が大きい場合には相対速度と自車速とから計算される警報車間距離付近まで接近したならレーザビームでスキャンする際のステップ角度を通常時よりも細かく設定すると共に、演算処理時間も短くすることにより、道路のカーブ形状推定性能などに大きな影響を及ぼすことなく、適切なタイミングで車間距離警報の出力を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態による車間距離警報動作の説明図。
【図2】上記の実施の形態の機械的な構成を示す説明図。
【図3】上記の実施の形態において使用する自車速と警報車間距離との関係を示すグラフ。
【図4】上記の実施の形態におけるレーザレーダシステムのスキャン角とスキャンエリアを示す説明図。
【図5】上記の実施の形態におけるレーザビームの1ステップ角度に対応する弧の大きさと距離との関係を示すグラフ。
【図6】上記の実施の形態の動作を示す説明図。
【図7】上記の実施の形態で採用する相対速度と車間距離に依存したレーザビームのステップ角度の切替規準を示す表。
【図8】上記の実施の形態のステップ角度切替動作のフローチャート。
【符号の説明】
1 自車
2 レーザレーダシステム
3 レーザビーム
4 前車
5 リフクレタ
6 反射光
7 制御演算処理回路
8 レーザ発光ダイオード
16 フォトダイオード

Claims (4)

  1. 自車の前方に向けて、一定ステップ角度ずつずらしながら所定のスキャン角度になるまで複数ステップでレーザビームを送光する送光手段と、
    前記送光手段により送光されたレーザビームが前方の物標に反射して戻ってくる反射光を受光する受光手段と、
    前記レーザビームの送光タイミングから受光タイミングまでの時間差に基づいて前方の物標までの車間距離を計測する車間距離計測手段と、
    前記車間距離計測手段が計測した車間距離の時間変化に基づいて前記前方の物標との相対速度を算出する相対速度演算手段と、
    自車速と、前記相対速度演算手段の算出する相対速度とに基づいて車間距離警報の出力を必要とする警報車間距離を算出する警報車間距離演算手段と、
    前記車間距離計測手段の計測した車間距離と、前記警報車間距離演算手段の算出した警報車間距離とを比較し、車間距離警報出力の要否を判定する車間距離警報判定手段と、
    前記送光手段の送光方向のステップ角度の大きさを変化させるステップ角度変更手段と、
    前記車間距離計測手段の計測した車間距離が、前記警報車間距離付近に設定された所定の第1車間距離以下になったときに、前記送光手段の送光方向のステップ角度の大きさを通常より小さくなるように切替える指令を前記ステップ角度変更手段に与えるステップ角度変更判定手段とを備えて成る車間距離警報装置。
  2. 前記ステップ角度変更手段は、前記ステップ角度変更判定手段から前記送光手段の送光方向のステップ角度の切替え指令を受けた時に、当該送光手段の全体のステップ数を保持したまま、ステップ角度の大きさを変更することを特徴とする請求項1に記載の車間距離警報装置。
  3. 前記ステップ角度変更判定手段は、前記相対速度演算手段が算出する相対速度が所定の値以上の急接近状態である場合に前記切替えを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の車間距離警報装置。
  4. 前記ステップ角度変更判定手段は、前記第1車間距離よりも小さな第2車間距離以下になったときに、前記ステップ角度を通常の状態に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車間距離警報装置。
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