JP3689544B2 - 光分岐結合器及びそれを用いた光伝送装置 - Google Patents

光分岐結合器及びそれを用いた光伝送装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光分岐結合器及びそれを用いた光伝送装置に係わり、特に、光分岐結合器を用いた光信号の双方向伝送時に、光伝送線路から供給される受信光信号を効率的に光信号受信部に伝達させることを可能にした光分岐結合器及びそれを用いた光伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光信号を双方向に伝送させる光分岐結合器としては、種々のものが知られているが、その中に、特開平9−159863号において合成樹脂光分岐結合器が提案されている。
【0003】
特開平9−159863号に提案されている合成樹脂光分岐結合器は、一端部で分岐結合されている2本のコア部がクラッド部によって包囲されている光伝送路を有するもので、一方のコア部からなる第1の光伝送路が光伝送方向に沿って断面積が順次絞られるテーパー形状のものであり、他方のコア部からなる第2の光伝送路が光伝送方向に沿って断面積が不変のストレート形状のものであって、第2の光伝送路の光信号出射端面がレンズ形状に構成されているものである。
【0004】
この合成樹脂光分岐結合器は、第1の光伝送路をテーパー形状に構成したことにより、光信号を発生する発光素子(光信号送信部)と第1の光伝送路との間の光結合効率を高めることができ、また、第2の光伝送路の光信号出射端面をレンズ形状に構成したことにより、第2の光伝送路と受光素子(光信号受信部)との間の光結合効率を高めることができるものである
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平9−159863号に提案されている合成樹脂光分岐結合器は、第1の光伝送路が光伝送方向に沿って断面積が順次絞られるテーパー形状になっているため、第1の光伝送路内を光信号が伝送する場合、光信号がテーパー部に当たって反射する確率が大きく、しかも、光信号がテーパー部で反射する度毎に、コア部とクラッド部との界面への入射角が大きくなり、入射角が臨界角を超えると、光信号がコア部で反射されずにコア部からクラッド部内に伝送されるようになり、その分、光信号の損失が大きくなってしまうという問題がある。
【0006】
また、前記特開平9−159863号に提案されている合成樹脂光分岐結合器は、分岐結合されている部分の第1及び第2の光伝送路の断面積比がほぼ1対1になるように構成されているため、光受信信号が第2の光伝送路側に伝送される割合が比較的低いだけでなく、第2の光伝送路側に伝送された後においても、受光素子に入射される割合が比較的低くなるので、第2の光伝送路の光信号出射端面をレンズ形状に構成しても、受光素子に供給される受信光信号がかなり少なくなるという問題がある。
【0007】
即ち、分岐結合されている部分の第1及び第2の光伝送路の断面積比をほぼ1対1にした場合、光受信信号の50%程度が第1の光伝送路側に伝送され、残りの光受信信号の50%程度が第2の光伝送路側に伝送されるに過ぎない。その上に、光分岐結合器は、その分岐結合されている部分における固有の光信号損失の発生があり、第2の光伝送路側に伝送された光信号も、コア部とクラッド部との界面への入射角が大きくなり、入射角が臨界角を超えると、光信号がコア部で反射されずにコア部からクラッド部内に伝送されることによる光信号損失が発生する等によって、受光素子に入射される光信号は、光分岐結合器に入力される受信光信号の50%以下になってしまう。
【0008】
これらの点から、前記特開平9−159863号に提案されている合成樹脂光分岐結合器は、光信号の送信時だけでなく、光信号の受信時に比較的大きな光信号損失が発生するので、この光分岐結合器を、双方向に光信号を伝送する光伝送装置に用いた場合、通信距離の短い光伝送装置だけに使用可能であるという問題もある。
【0009】
これに対して、断面積の大きなマルチモード導波路(受信光信号伝送路)に、断面積の小さなシングルモード導波路(送信光信号伝送路)を結合させ、双方向光信号伝送路を伝送してきた受信光信号の大部分をマルチモード導波路(受信光信号伝送路)側に伝送させ、光分岐損失を少なくするようにした光分岐結合器が特開昭62−291604号によって提案されている。
【0010】
前記特開昭62−291604号に提案されている光分岐結合器は、出力端面におけるマルチモード導波路(受信光信号伝送路)の断面積が大きなままであるので、マルチモード導波路(受信光信号伝送路)の断面積に対応した大きさの受光部を持った光信号受信部を配置する必要があり、光信号受信部の受光部をマルチモード導波路(受信光信号伝送路)の断面積よりも小さい受光素子によって構成した場合、光信号を受光部に収斂させるレンズを別途配置する必要があり、その結果、光分岐結合器の構成が複雑になってしまう等の問題がある。
【0011】
本発明は、これらの問題点を有効に解決するもので、その主たる目的は、送信光信号及び受信光信号に対する損失が少なく、簡単な構成により受信光信号を効率的に光信号受信部に供給可能にした光分岐結合器を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、光分岐結合器における送信光信号及び受信光信号に対する損失を少なくし、通信可能距離を長くすることが可能な光伝送装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記主たる目的を達成するために、本発明による光分岐結合器は、送信光信号伝送路となる第1光導波路と、受信光信号伝送路となる第2光導波路と、第1及び第2光導波路を分岐結合し、送受信光信号伝送路となる共通光導波路とを備えており、第1、第2、共通光導波路の各結合部において、第1光導波路の断面積は第2光導波路の断面積よりも小さく、第2光導波路の断面積は、結合部が最大であり、出力端面方向に行くに従って順次小さくなっている第1の手段を具備する。
【0014】
また、前記他の目的を達成するために、本発明による光伝送装置は、送信光信号伝送路となる第1光導波路と、受信光信号伝送路となる第2光導波路と、第1及び第2光導波路を分岐結合し、送受信光信号伝送路となる共通光導波路とを備え、第1、第2、共通光導波路の各結合部において、第1光導波路の断面積は第2光導波路の断面積よりも小さく、第2光導波路の断面積は、結合部が最大であり、出力端面方向に行くに従って順次小さくした光分岐結合器を用い、共通光導波路の開口数が光ファイバーの開口数よりも大きい第2の手段を具備する。
【0015】
前記第1の手段によれば、第1、第2、共通光導波路の各結合部における第1光導波路の断面積を第2光導波路の断面積よりも小さくし、第2光導波路の断面積を、結合部が最大であって、出力端面方向に行くに従って順次小さくしているので、共通光導波路に供給された受信光信号の大部分が第2光導波路側に導かれ、そのまま、出力端面を通して信号光受信部に供給することができるもので、簡単な構成により、光分岐結合器における光受信信号の損失を大幅に低減することができる。
【0016】
また、前記第2の手段によれば、送受信光信号の結合分岐に前記第1の手段による光分岐結合器を用いているので、光ファイバーを介してこの光分岐結合器に受信光信号が供給された際に、光分岐結合器における受信光信号の損失を大幅に低減させることが可能になり、その結果として、光伝送装置の有効通信距離を長く設定する可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態において、光分岐結合器は、光信号送信部に対向する入力端面と、光信号受信部に対向する出力端面と、光伝送線路に結合される入出力端面と、一端が入力端面に結合される第1光導波路と、一端が出力端面に結合される第2光導波路と、一端が入出力端面に結合され、他端が第1及び第2光導波路の各他端に結合される共通光導波路とを有するものであって、第1、第2、共通光導波路の各結合部における第1光導波路の断面積が第2光導波路の断面積よりも小さく、かつ、第2光導波路の断面積は、結合部が最大で、出力端面方向に行くに従って順次小さくなっているものである。
【0018】
本発明の第1の実施の形態の1つにおいて、光分岐結合器は、前記第1、第2、共通光導波路がクラッド部内に配置されたコア部によって構成され、コア部の屈折率をnco、クラッド部の屈折率をnCLとしたとき、波長570乃至1550nmの範囲内の光信号に対して、
【0019】
【数1】
Figure 0003689544
【0020】
を満たすものである。ここで、上記式の左辺は、√nCO 2−nCL 2 と記すこともある。
【0021】
本発明の第1の実施の形態の具体例において、光分岐結合器は、第2光導波路の出力端面の断面積が結合部の断面積の0.25倍以下であり、前記第1光導波路の結合部の断面積が共通光導波路の結合部の断面積の0.1倍以下の大きさである。
【0022】
本発明の第1の実施の形態の他の具体例において、光分岐結合器は、共通光導波路の断面積が、第2光導波路の断面積の減少に引き続いて、入出力端面が最大で、結合部方向に行くに従って順次小さくなっているものである。
【0023】
また、本発明の第2の実施の形態において、光分岐結合器の製造方法は、一端から他端に行くに従って断面積がテーパー状に減少するとともに、一端側からテーパー状に壁面まで達する小径のピン孔を有する大径の円筒状第1スライドピンと、ピン孔に嵌め込み可能な小径の円筒状第2スライドピンをそれぞれ用意し、第1スライドピンのピン孔に第2スライドピンを嵌め込む工程と、第2スライドピンを嵌め込んだ第1スライドピンの周囲に、射出成形によってクラッド部を形成する工程と、クラッド部から第2スライドピンを嵌め込んだ第1スライドピンを引き抜く工程と、第1及び第2スライドピンを引き抜いた後の中孔部に、クラッド部よりも高屈折率のコア材を射出し、クラッド部の中孔部にコア部を形成する工程とを経て光分岐結合器を製造しているものである。
【0024】
さらに、本発明の第3の実施の形態において、光伝送装置は、少なくとも、光信号送信部と、光信号受信部と、光ファイバーと、光信号送信部からの送信光信号を第1光導波路及び共通光導波路を介して光ファイバーに伝達し、光ファイバーからの受信光信号を共通光導波路及び第2光導波路を介して光信号受信部に伝達する光分岐結合器とを備え、光分岐結合器は、光信号送信部に対向する入力端面と、光信号受信部に対向する出力端面と、光ファイバーに結合される入出力端面とを有し、第1光導波路の一端が入力端面に、第2光導波路の一端が出力端面に、共通光導波路の一端が入出力端面に、その他端が第1及び第2光導波路の各他端にそれぞれ結合され、第1、第2、共通光導波路の各結合部における第1光導波路の断面積が第2光導波路の断面積よりも小さく、かつ、第2光導波路の断面積は、結合部が最大で、出力端面方向に行くに従って順次小さくなっており、共通光導波路の開口数が光ファイバーの開口数よりも大きくなっているものである。
【0025】
本発明の第3の実施の形態の具体例において、光伝送装置は、共通光導波路の開口数が光ファイバーの開口数の1.5倍以上になっているものである。
【0026】
本発明の第1の実施の形態のそれぞれによれば、第1、第2、共通光導波路が互いに結合されている結合部において、第1光導波路の断面積は、第2光導波路の断面積よりも小さくなるように構成され、第2光導波路の断面積は、結合部が最大であって、出力端面方向に行くに従って順次小さくなるように構成されているので、光伝送線路を介して共通光導波路に供給された受信光信号は、その大部分が第2光導波路側に導かれ、その後、比較的低損失で第2光導波路を伝わり、出力端面を通して光信号受信部に供給されるもので、簡単な構成により、光分岐結合器における光受信信号の損失を大幅に低減させることが可能になる。
【0027】
また、本発明の第2の実施の形態によれば、第1スライドピンのピン孔内に第2スライドピンを嵌め込んだ状態の2本のスライドピンを用い、その2本のスライドピンの配置部分を中孔部としたクラッド部を射出成形し、2本のスライドピンを引き抜いた後で、クラッド部の中孔部内にコア材を射出充填して、クラッド部内に第1、第2、共通光導波路となるコア部を配置形成するようにしたので、結合部において第1、第2、共通光導波路が互いに分岐結合された構成の光分岐結合器を、精密に、かつ、簡単に製造することが可能になる。
【0028】
さらに、本発明の第3の実施の形態のそれぞれによれば、送受信光信号の結合分岐を行う際に、本発明の第1の実施の形態によって得られた光分岐結合器、即ち、受信光信号の損失を大幅に低減させることを可能にした光分岐結合器を用いているので、光ファイバーを介して受信光信号が光分岐結合器に供給された際、光分岐結合器を伝わる受信光信号の損失が大幅に低減された状態で信号光受信部に供給することが可能になり、その結果、光伝送装置の有効通信距離を長く設定することができるようになる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0030】
図1(a)、(b)は、本発明による光分岐結合器の第1実施例を示す構成図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【0031】
図1(a)、(b)において、1は光分岐結合器、2は送信光信号伝送用第1光導波路(コア部)、3は受信光信号伝送用第2光導波路(コア部)、4は送受信光信号伝送用共通光導波路(コア部)、5は第1、第2、共通光導波路2、3、4が相互結合される結合部、6はクラッド部、7は入力端面、8は出力端面、9は入出力端面、10は半導体レーザー素子(光信号送信部)、11は受光素子(光信号受信部)、12は光ファイバー、12aは光ファイバー12のコア部、12bは光ファイバー12のクラッド部である。
【0032】
そして、光分岐結合器1は、全体が略直方体形状のクラッド部6と、クラッド部6内にそれぞれ形成され、長さ方向の断面積が一定である長円筒状の第1光導波路2と、長さ方向の断面積がテーパー状に変化する略円錐形状の第2光導波路3と、第2光導波路3に連結され、第2光導波路3とともに長さ方向の断面積がテーパー状に変化する略円錐形状の共通光導波路4と、第1光導波路2の光信号入力端に設けられた入力端面7と、第2光導波路3の光信号出力端に設けられた出力端面8と、共通光導波路4の光信号入出力端に設けられた入出力端面9とからなっている。
【0033】
この場合、結合部5においては、第1光導波路2の断面積が第2光導波路3の断面積よりも小さくなるように、具体的には、第1光導波路2の断面積が第2光導波路3の断面積の0.1倍またはそれ以下になるように構成され、第2光導波路3及び共通光導波路4は、入出力端面9から出力端面8に行くに従って断面積がテーパー状に減少するように構成されている。
【0034】
また、光分岐結合器1は、入力端面7と対向する位置に半導体レーザー素子(光信号送信部の発光素子)10が、出力端面8と対向する位置には受光素子(光信号受信部の受光素子)11がそれぞれ近接配置され、入出力端面9に光ファイバー12のコア部12aが結合され、入出力端面9の周縁のクラッド部6に光ファイバー12のクラッド部12bが結合された構成になっている。
【0035】
前記構成において、半導体レーザー素子10の発光により得られた光信号は、それに対向する光分岐結合器1の入力端面7を通して第1光導波路2に入力された後、第1光導波路2及び共通光導波路4内をそれぞれ伝送し、入出力端面9を通して光ファイバー12に供給され、送信光信号として光ファイバー12内を伝送される。一方、光ファイバー12を通して伝送されてきた受信光信号は、入出力端面9を通して共通光導波路4に入力された後、共通光導波路4及び第2光導波路3内をそれぞれ伝送し、出力端面8を通して対向する受光素子11に供給される。
【0036】
次に、図2(a)、(b)は、図1(a)、(b)に図示の第1実施例の光分岐結合器1における光信号の伝送状態を説明するための断面図であって、(a)は主として第2光導波路3に関係する部分の説明図、(b)は第1光導波路2に関係する部分の説明図である。
【0037】
図2(a)、(b)において、3cは第2光導波路3の中心線、αは第2光導波路3の中心線3cと第2光導波路3のテーパー面とがなす角度、βは第2光導波路3のテーパー面と第1光導波路2とがなす角度、lは光分岐結合器1の光路長、Rは入出力端面9における共通光導波路4の半径、rは出力端面8における第2光導波路3の半径、sは入力端面7における第1光導波路2の半径、ψは光ファイバー12中を伝播可能な光信号の光ファイバー12の中心線12cに対する最大角度であり、その他、図1(a)、(b)に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0038】
図2(a)に示されるように、第2光導波路3は、共通光導波路4との結合部5から入力端面8側に行くに従って断面積がテーパー状に順次小さくなっているもので、このテーパー状の断面積の減少によって、受信光信号の伝送路が順次絞られる。このため、比較的断面積の大きなコア部12aを有する光ファイバー12を用い、受光面積の比較的小さい受光素子11を用いた場合であっても、受信光信号を光ファイバー12から受光素子11に高効率で伝送供給させることが可能になる。
【0039】
この場合、第2光導波路3は、中心線3cが光ファイバー12の中心線12cとほぼ同位置にあるように配置されるもので、光ファイバー12中を伝播する光信号は、光ファイバー12のコア部12aとクラッド部12bとの界面で全反射しながら伝播し、光ファイバー12の中心線12cに対してある角度以下の角度で進行する光信号だけが光ファイバー12内を伝播することができる。
【0040】
いま、光ファイバー12の開口数をNAf 、光ファイバー12のコア部12aの屈折率をncfとし、光ファイバー12中を伝播可能な光信号の光ファイバー12の中心線12cに対する最大角度をψとすると、最大角度ψは、下記(1)式
【0041】
【数2】
Figure 0003689544
【0042】
で表される。この(1)式は、光ファイバー12中を最大角度ψ以内での角度で伝播してきた受信光信号が、光分岐結合器1に入力され、共通光導波路4及び第2光導波路3を伝播する際に、共通光導波路4及び第2光導波路3で全反射して伝播される条件を示すものである。
【0043】
また、光分岐結合器1において、開口数NAは、第1光導波路2、第2光導波路3及び共通光導波路4(コア部)の屈折率をnco、クラッド部6の屈折率をnCLとすると、下記(2)式
【0044】
【数3】
Figure 0003689544
【0045】
で表される。
【0046】
光ファイバー12中を伝播してきた受信光信号が光分岐結合器1に入力され、共通光導波路4及び第2光導波路3を伝播される際、受信光信号の共通光導波路4への入射角度は、
π−(ψ+α)
で表される。そして、光ファイバー12の開口数NAf と光分岐結合器1の共通光導波路4の開口数NAW が等しければ、受信光信号は、共通光導波路4及び第2光導波路3で全反射を起こさずに、大部分が共通光導波路4及び第2光導波路3から伝播透過する。
【0047】
ところが、第1実施例においては、光分岐結合器1の共通光導波路4の開口数NAW を光ファイバー12の開口数NAf よりも大きくなるように構成しているものである。ここで、共通光導波路4及び第2光導波路3を構成するコア部とクラッド部6との界面で受信光信号がn回目の反射を起こしたとき、受信光信号の前記界面への入射角度は、
π−{ψ+(2n−1)α}
で表される。受信光信号が前記界面で全反射を起こすためには、共通光導波路4及び第2光導波路3のコア部の屈折率をnCWとすれば、下記(3)式
【0048】
【数4】
Figure 0003689544
【0049】
を満たす必要がある。光ファイバー12の中心線12cに対して角度ψで伝播してきた受信光信号が前記界面の反射回数がn回以下となるためには、光分岐結合器1の光路長lは、下記(4)式
【0050】
【数5】
Figure 0003689544
【0051】
を満たす必要がある。ここで、光ファイバー12と光分岐結合器1との接合面、即ち、入出力端9の半径Rを求めると、(4)式のdiは、
ζ=ψ+(2i−1)α… …(5)としたとき、下記(6)式
【0052】
【数6】
Figure 0003689544
【0053】
のように表され、yiは下記漸化(7)、(8)式
【0054】
【数7】
Figure 0003689544
【0055】
を用いて求められる。このとき、光分岐結合器1の出力端面8の半径rは、下記(9)式
【0056】
【数8】
Figure 0003689544
【0057】
となリ、半径rができるだけ小さくなるように角度αや光路長lを設定する。
【0058】
第1実施例において、(3)式及び(4)式を満たすように共通光導波路4及び第2光導波路3の形状及び光学定数を選ぶようにすれば、理想的な場合、光ファイバー12から光分岐結合器1に入射した受信光信号は、共通光導波路4及び第2光導波路3で全反射を起こしながら伝播し、大部分が受光素子11に供給されるので、光利用効率を大きくすることができる。
【0059】
また、第1実施例の光分岐結合器1は、結合される光ファイバー12のコア部12aの径が大きい程、受信光信号の伝播路縮小による光受信感度の向上の度合いが大きく、特に、コア部12aの径が0.5乃至1.0mmのプラスチック光ファイバー12と結合させれば、良好な結果を得ることができる。
【0060】
次に、図3は、第1実施例の光分岐結合器1における光導波路の開口数NAf と光信号の伝播路縮小率との関係を示す特性図である。
【0061】
図3において、縦軸は光信号の伝播路縮小率であり、横軸は光導波路の開口数であって、光信号の反射回数nをパラメータとして表したものである。
【0062】
図3に示されるように、光導波路の開口数NAf が大きい程、光信号の伝播路縮小率が大きくなる。また、同じ光導波路の開口数NAf に対しては、光信号の反射回数nが小さい程、光信号の伝播路縮小率が大きくなる。
【0063】
続く、図4は、第1実施例の光分岐結合器1における光導波路のテーパー角度αと光信号の伝播路縮小率との関係を示す特性図である。
【0064】
図4において、縦軸は光信号の伝播路縮小率であり、横軸は光導波路のテーパー角度であって、光信号の反射回数nをパラメータとして表したものである。
【0065】
図4に示されるように、同じ光信号の伝播路縮小率を得るには、光信号の反射回数nが大きい程、光導波路のテーパー角度を小さくすることができる。テーパー角度が小さい場合、光分岐結合器1の製造が容易になるので好ましい。
【0066】
図3及び図4に示された特性から、光信号の反射回数nは、望ましくは1乃至3回であり、特に、反射回数nを2回にするのが好適である。
【0067】
また、図3において、光信号の反射回数nが1回の場合、光分岐結合器1の光導波路の開口数を光ファイバー12のコア部12aの開口数の1.5倍以上になるように選べば、光信号の伝播路縮小率を0.5以下、面積比で0.25以下にすることができる。同じく、光信号の反射回数nが1回の場合、光分岐結合器1の光導波路の開口数を光ファイバー12のコア部12aの開口数の2.0倍以上になるように選べば、光信号の伝播路縮小率を面積比で0.1以下にすることができて好ましい。なお、光ファイバー12がプラスチック光ファイバーであって、通信用として開口数が0.3のものを用いた場合には、光分岐結合器1の光導波路の開口数を0.45以上、できれば0.6以上のものにすることが好ましい。
【0068】
続いて、図2(b)を用いて、第1光導波路2における送信光信号の伝播について述べる。
【0069】
第1光導波路2を伝播した送信光信号が共通光導波路4を経て光ファイバー12に入射伝送された場合、光ファイバー12に入射された送信光信号がコア部12aとクラッド部12bとの界面で全反射する条件を求める。ここで、送信光信号の半導体レーザー素子10からの拡がり角をΘとし、
NAs =sinΘ… …(10)
とすれば、拡がり角Θの送信光信号が光ファイバー12に入射されたときの拡がり角をθとすれば、下記(11)式
【0070】
【数9】
Figure 0003689544
【0071】
となり、この送信光信号が光ファイバー12の前記界面で全反射するためには、下記(12)式
【0072】
【数10】
Figure 0003689544
【0073】
を満たす必要がある。ここで、角度βを大きくすれば、半導体レーザー素子10と受光素子11との配置間隔を広くすることができるので、半導体レーザー素子10及び受光素子11を実装することが容易になる。これに対して、拡がり角θは小さくする必要があるので、半導体レーザー素子10から放射された送信光信号の中で、光分岐結合器1に入射される送信光信号の拡がり角Θは小さいことが好ましい。この場合、使用するのに好適な半導体レーザー素子10としては、面発光型半導体レーザーを挙げることができる。そして、半導体レーザー素子10に端面発光型半導体レーザーや発光ダイオードを用いた場合のように、半導体レーザー素子10からの光信号の拡がり角Θが大きいときは、半導体レーザー素子10と光分岐結合器1との間にレンズを設け、光信号の拡がり角Θが小さくなるようにしてもよい。このレンズは、光分岐結合器1側に形成しても、半導体レーザー素子10側に形成しても良く、半導体レーザー素子10と光分岐結合器1との間に設けても良い。
【0074】
第1実施例においては、第1光導波路2の径sを入出力端面9の径Rよりも小さくすることにより、光ファイバー12から光分岐結合器1に入射される受信光信号の中で、結合部5から第2光導波路3側に結合伝送される受信光信号の割合を大きくすることができる。この場合、受信光信号の結合伝送比は、第1光導波路2と第2光導波路3の断面積比にほぼ比例することから、例えば、第1光導波路2の径を第2光導波路3の径の1/4にすれば、結合部5から第1光導波路2側に伝播される受信光信号と第2光導波路3側に伝播される受信光信号との割合は、ほぼ1対9になる。このように、第1光導波路2の径を第2光導波路3の径の1/4以下にすることにより、受信光信号の損失は10%以下になって好ましい結果が得られる。さらに、第1光導波路2の径を第2光導波路3の径の1/10以下にすれば、受信光信号の損失は1%以下になってより好ましい結果が得られる。
【0075】
次に、図5は、本発明による光分岐結合器の製造方法に用いられる金型及びスライドピンの構成を示す断面図である。
【0076】
図5において、13は金型、14は注入口、15はテーパー形状のスライドピン、15Hは孔部、16は長い筒状のスライドピンである。
【0077】
そして、金型13は、中空体のもので、一端に樹脂を注入するための注入口14が設けてある。テーパー形状のスライドピン15は、長い筒状のスライドピン16の一部が挿入可能な孔部15Hが設けられ、金型13側に、テーパー形状のスライドピン15に長い筒状のスライドピン16を挿入した状態で嵌め込み可能な孔が開けられている。
【0078】
ここで、図5を用いて、光分岐結合器1の製造方法について説明する。
【0079】
まず、金型13の孔に、テーパー形状のスライドピン15と長い筒状のスライドピン16とが差し込まれる。このとき、テーパー形状のスライドピン15の孔部15Hに、長い筒状のスライドピン16の一部が挿入される。
【0080】
次に、溶融したクラッド材(溶融樹脂)を注入口14から金型13内に注入する。注入後、金型13を冷却し、クラッド材(溶融樹脂)を固化する。
【0081】
クラッド材(溶融樹脂)が固化した後、テーパー形状のスライドピン15及び長い筒状のスライドピン16を金型13から引き抜く。
【0082】
続いて、固化したクラッド材をコア材注入用金型(図示なし)に入れ、テーパー形状のスライドピン15及び長い筒状のスライドピン16を引き抜いた孔に溶融したコア材(溶融樹脂)を注入する。注入後、この金型を冷却し、コア材(溶融樹脂)を固化する。
【0083】
最後に、コア材を注入した部分の端面を研磨したり、または熱処理したりして、コア材端面を平面化処理する。
【0084】
本発明の光分岐結合器1の製造方法においては、コア材としてポリスチレン(屈折率1.59)、クラッド材としてポリメチルペンテン系(屈折率1.46)を用いている。
【0085】
得られた光分岐結合器1は、光波長650nmにおいて、開口数0.63である。
【0086】
なお、本発明の光分岐結合器1の製造方法としては、前述の製造方法の他にも、紫外線硬化法、ウエットエッチング法、反応性イオンエッチング法、光重合法等の製造プロセスを用いても良く、各部を別途製造した後でそれらを接合する製造プロセスを用いても良い。
【0087】
また、本発明の光分岐結合器1の製造方法で用いているコア材やクラッド材は、前述の材料に限定されるものではなく、使用される光信号の波長において、透明でコア材の屈折率がクラッド材の屈折率よりも大きい材料であれば、他の材料、即ち、アクリル系、メタクリル系、カルボネート系、非晶質オレフィン系、スルホン系、ビニル系、フッ素化合物等を適宜組み合わせて用いたり、酸化珪素のような無機材を用いたりしてもよい。
【0088】
次いで、図6は、本発明による光分岐結合器の第2実施例の構成を示す斜視図であって、各光導波路の構成部分のみを示すものである。
【0089】
図6において、17は第1光導波路、18は第2光導波路、19は共通光導波路であって、20は入力端面、21は出力端面、22は入出力端面、23は結合部である。
【0090】
図6に示されるように、第1光導波路17、第2光導波路18及び共通光導波路19は、断面が4角形状のもので、第1光導波路17は全体が入力端面20と同じ断面形状のものであり、第2光導波路18は、結合部23から出力端面21に行くに従って横幅及び縦幅がテーパー状に小さくなっているものであり、共通光導波路19も、入出力端面22から結合部23に行くに従って横幅及び縦幅がテーパー状に小さくなっているものである。そして、第1光導波路17は、第2光導波路18よりも横幅及び縦幅が小さいもので、第2光導波路18の中心軸に対して横幅方向に一定角度をなすように構成配置されており、入出力端面22から間隔dを隔てた位置に接合された構成になっている。このとき、間隔dは、第1光導波路17を伝播する送信光信号が全部円形状の光ファイバー12のコア部12a(図示なし)に入射されるような長さに選ばれる。
【0091】
第2実施例の光分岐結合器は、前述の第1実施例の光分岐結合器1と同じように動作するもので、それによって、第1実施例の光分岐結合器1と同じような作用効果を奏するものであり、しかも、第1光導波路17の共通光導波路19に対する接合部を入出力端面22から間隔dを隔てた位置に選んだことにより、それぞれ断面が4角形状の第1光導波路17、第2光導波路18及び共通光導波路19を用いたとしても、断面が円形状の光ファイバー12のコア部12aとの間で効率よく光信号を結合させることができる。この場合、入出力端面22の縦幅及び横幅は、光ファイバー12のコア部12aの直径よりも大きくてもよい。
【0092】
続く、図7は、本発明による光分岐結合器の第3実施例の構成を示す斜視図であって、各光導波路の構成部分のみを示すものである。
【0093】
図7において、24は第1光導波路、25は第2光導波路、26は共通光導波路であって、27は入力端面、28は出力端面、29は入出力端面、30は結合部である。
【0094】
図7に示されるように、第1光導波路24、第2光導波路25及び共通光導波路26は、断面が4角形状のもので、第1光導波路24は全体が入力端面27と同じ断面形状のものであり、第2光導波路25は、結合部30から出力端面28に行くに従って横幅だけがテーパー状に小さくなっているものであり、共通光導波路26も、入出力端面29から結合部30に行くに従って横幅だけがテーパー状に小さくなっているものである。そして、第1光導波路24と第2光導波路25は、縦幅が等しいもので、第2光導波路25の中心軸に対して横幅方向に一定角度をなすように構成配置されている。
【0095】
第3実施例の光分岐結合器も、前述の第1実施例の光分岐結合器1と同じように動作するもので、それによって、第1実施例の光分岐結合器1と同じような作用効果を奏するものであり、製造時に、エッチングを用いた製造方法を適用して好適なものであり、同時に大量に製造することができるという利点がある。
【0096】
続いて、図8は、本発明による光分岐結合器の第4実施例の構成を示す上面図であって、光分岐結合器が5角形状に構成された例を示すものである。
【0097】
図8において、31は第1光導波路、32は第2光導波路、33は共通光導波路、34は入力端面、35は出力端面、36は入出力端面、37は結合部であって、その他、図1(a)、(b)に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0098】
図8に示されるように、第1光導波路31、第2光導波路32及び共通光導波路33は、断面が円形状のもので、第1光導波路31は全体が入力端面34と同じ断面形状のものであり、第2光導波路32は、結合部37から出力端面35に行くに従って断面がテーパー状に小さくなっているものである。また、第2光導波路32及び共通光導波路33は中心線が直線状であるのに対して、第1光導波路31は中心線が第2光導波路32に対して外側方向に円弧状に曲がっているものである。
【0099】
この第4実施例の光分岐結合器も、前述の第1実施例の光分岐結合器1と同じように動作するもので、それによって、第1実施例の光分岐結合器1と同じような作用効果を奏するものであり、その上に、入力端面34と半導体レーザー素子10との結合が容易になるという利点がある。
【0100】
次に、図9は、本発明による光分岐結合器の第5実施例の構成を示す上面図であって、半導体レーザー素子10と受光素子11との間の干渉をなくすようにした例を示すものである。
【0101】
図9において、38は第1光導波路、39は第2光導波路、40は共通光導波路、41は入力端面、42は出力端面、43は入出力端面、44は結合部、45は反射面であって、その他、図1(a)、(b)に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0102】
図9に示されるように、第1光導波路38、第2光導波路39及び共通光導波路40は、断面が円形状のもので、第1光導波路38は全体が入力端面41と同じ断面積のものであり、第2光導波路39は、結合部44から出力端面39に行くに従って断面がテーパー状に小さくなっているものである。また、第2光導波路39及び共通光導波路40は中心線が直線状であるのに対して、第1光導波路38は中心線が途中で外側方向に略直角状に屈曲しているもので、その屈曲部に反射面45が形成されているものである。
【0103】
この第5実施例の光分岐結合器も、前述の第1実施例の光分岐結合器1と同じように動作するもので、それによって、第1実施例の光分岐結合器1と同じような作用効果を奏するものであり、その上に、入力端面34と半導体レーザー素子10との結合が容易になり、かつ、半導体レーザー素子10と受光素子11との間の干渉をなくすことができるという利点がある。
【0104】
次いで、図10は、第1乃至第5実施例の中のいずれかの光分岐結合器1を用いた光伝送装置の一実施例の要部構成を示すブロック図である。
【0105】
図10において、46は第1光伝送装置、47は第2光伝送装置、48は伝送媒体(光ファイバー)、49は光通信装置、50は駆動部、51は検出部、52はコネクタ、53は変調部、54は復調部であり、その他、図1(a)、(b)に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0106】
そして、第1光伝送装置46は、光分岐結合器1と、半導体レーザー素子10と、受光素子11と、半導体レーザー素子10に接続された駆動部50と、受光素子11に接続された検出部51と、光分岐結合器1と伝送媒体48との間に結合されるコネクタ53とからなっており、第2光伝送装置47も、第1光伝送装置46と同じ構成になっている。また、光通信装置49は、第1光伝送装置46と、変調部53と、復調部54とを具備している。
【0107】
前記構成を有する第1光伝送装置46は、概略、次のように動作する。
【0108】
第2光伝送装置47から伝送媒体48を通して伝播されてきた受信光信号は、コネクタ53を通して光分岐結合器1に入射され、光分岐結合器1の第2光導波路3(図示なし)を伝播して受光素子11に供給される。受光素子11は入射した光信号を対応する電気信号に変換し、検出部51はこの電気信号を波形整形したデジタル信号を復調部54に供給し、復調部54はこのデジタル信号を復調してデータ信号を抽出し、利用回路(図示なし)に供給する。一方、変調部53はデータ信号が供給されると、このデータ信号を変調してデジタル信号に変換して駆動部50に供給し、駆動部50はこのデジタル信号で半導体レーザー素子10を駆動し、半導体レーザー素子10からデジタル信号に対応した光信号を発生させ、光分岐結合器1に入射される。次いで、この光信号は、光分岐結合器1の第1光導波路2(図示なし)を伝播した後、コネクタ53を通して伝送媒体48に供給され、送信光信号として伝送媒体48を伝播し、第2光伝送装置47に供給される。
【0109】
この場合、変調部53と復調部54との間で光信号の送受信のタイミングが図られ、伝送媒体48中での送信光信号と受信光信号との衝突を回避している。
【0110】
ここで、図11は、本実施例の光伝送装置において、第1光伝送装置46と第2光伝送装置47との間の各種信号の授受の状態の一例を示す説明図である。
【0111】
図11に示されるように、第1光伝送装置46と第2光伝送装置47との間で光信号の送受信が行なわれていないとき、即ち、伝送媒体48が開いているとき、例えば、第1光伝送装置46側から第2光伝送装置47側にアイドラ信号を一定時間にわたって送信する。第2光伝送装置47は、このアイドラ信号の送信が終了するのを待って、今度は第2光伝送装置47側から第1光伝送装置46側にアイドラ信号を一定時間にわたって送信する。その後、再び、第1光伝送装置46側から第2光伝送装置47側にアイドラ信号を一定時間にわたって送信し、このようなアイドラ信号の授受が繰り返し実行される。そして、このようなアイドラ信号の授受が行なわれている間に、第1光伝送装置46側から第2光伝送装置47側に光データ信号を送信する必要が生じた場合、第1光伝送装置46は、第2光伝送装置47から供給されるアイドラ信号の送信が終わるのを待って、送信許可信号を第2光伝送装置47側に送信する。第2光伝送装置47は、送信許可信号を受けたとき、受信可能であれば、送信許可要求信号を第1光伝送装置46側に送信する。第1光伝送装置46は、送信許可要求信号の受信が確認されると、光データ信号を第2光伝送装置47側に送信し、光データ信号の送信が終了すると、再び、第2光伝送装置47側に伝送媒体48が開いていることを示すアイドラ信号を送信する。
【0112】
このように、本実施例の光伝送装置は、伝送媒体48が開いているとき、第1光伝送装置46と第2光伝送装置47との間で、常時、アイドラ信号の授受を行なっているので、伝送媒体48上で送信光データ信号と受信光データ信号とが衝突するのを未然に回避することができる。また、アイドラ信号の授受によって同期信号の再生を行なうことにより、第1光伝送装置46と第2光伝送装置47との間の同期をとることが可能になる。
【0113】
また、本実施例の光伝送装置は、前述のような光信号の衝突回避手段の他にも、CSMA/CD方式のように、光信号の衝突を検出した場合、または、送信許可要求信号に対して何等の応答がない場合、ランダムな時間だけ待った後、再度、信号等の送信を開始をしてもよい。
【0114】
さらに、光分岐結合器1における半導体レーザー素子10と受光素子11との間のクロストークが少ない場合、1つの光伝送装置が伝送媒体48を通して光信号の送信を行なっているとき、伝送媒体48から供給される光信号を受光素子11で検出するようにしても良い。
【0115】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光分岐結合器によれば、第1光導波路の断面積を第2光導波路の断面積よりも小さく構成し、第2光導波路の断面積を、結合部が最大で出力端面方向に行くに従って順次小さく構成しているので、光伝送線路を介して共通光導波路に供給された受信光信号は、大部分が第2光導波路側に導かれ、その後、比較的低損失で第2光導波路を伝わり、出力端面を通して光信号受信部に供給されるもので、簡単な構成によって、光分岐結合器における光受信信号の損失を大幅に低減可能になるという効果がある。
【0116】
また、本発明の光分岐結合器の製造方法によれば、第1スライドピンのピン孔内に第2スライドピンを嵌め込んだ状態の2本のスライドピンを用い、2本のスライドピンの配置部分を中孔部としたクラッド部を射出成形し、2本のスライドピンを引き抜いた後、クラッド部の中孔部内にコア材を射出充填し、クラッド部内に第1、第2、共通光導波路となるコア部を配置形成しているので、結合部で第1、第2、共通光導波路が互いに分岐結合された構成の光分岐結合器を、精密に、かつ、簡単に製造可能になるという効果がある。
【0117】
さらに、本発明の光伝送装置によれば、送受信光信号の結合分岐を行う際、本発明の受信光信号の損失を大幅に低減可能な光分岐結合器を用いているので、光ファイバーを介して受信光信号が光分岐結合器に供給された際、光分岐結合器を伝わる受信光信号の損失を大幅に低減した状態で信号光受信部に供給可能になり、その結果、光伝送装置の有効通信距離を長く設定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光分岐結合器の第1実施例を示す構成図である。
【図2】第1実施例の光分岐結合器における光信号の伝送状態を説明するための断面図である。
【図3】第1実施例の光分岐結合器における光導波路の開口数 と光信号の伝播路縮小率との関係を示す特性図である。
【図4】第1実施例の光分岐結合器における光導波路のテーパー角度と光信号の伝播路縮小率との関係を示す特性図である。
【図5】本発明による光分岐結合器の製造方法に用いられる金型及びスライドピンの構成を示す断面図である。
【図6】本発明による光分岐結合器の第2実施例の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明による光分岐結合器の第3実施例の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明による光分岐結合器の第4実施例の構成を示す上面図である。
【図9】本発明による光分岐結合器の第5実施例の構成を示す上面図である。
【図10】第1乃至第5実施例の中のいずれかの光分岐結合器を用いた光伝送装置の一実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図11】本実施例の光伝送装置において、第1光伝送装置と第2光伝送装置との間の各種信号の授受の状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光分岐結合器
2、17、24、31、38 第1光導波路(コア部)
3、18、25、32、39 第2光導波路(コア部)
4、19、26、33、40 共通光導波路(コア部)
5、23、30、37、44 結合部
6 クラッド部
7、20、27、34、41 入力端面
8、21、28、35、42 出力端面
9、22、29、36、43 入出力端面
10 半導体レーザー素子(光信号送信部)
11 受光素子(光信号受信部)
12、48 光ファイバー(伝送媒体)
12a コア部
12b クラッド部
13 金型
14 注入口
15 テーパー形状のスライドピン
15H 孔部
16 長い筒状のスライドピン
45 反射面
46 第1光伝送装置
47 第2光伝送装置
48 伝送媒体
49 光通信装置
50 駆動部
51 検出部
52 コネクタ
53 変調部
54 復調部

Claims (3)

  1. 光信号送信部に対向する入力端面と、光信号受信部に対向する出力端面と、光伝送線路に結合される入出力端面と、一端が前記入力端面に結合される第1光導波路と、一端が前記出力端面に結合される第2光導波路と、一端が前記入出力端面に結合され、他端が前記第1及び第2光導波路の各他端に結合される共通光導波路とを有する光分岐結合器において、
    前記光伝送線路が開口数0.3の光ファイバーであり、
    前記第1、第2、共通光導波路の各結合部における前記第1導波路の断面積は前記第2光導波路の断面積よりも小さく、前記入力端面に行くまで同じであり、 前記結合部における前記第2光導波路の断面積は、前記結合部で最大で、前記出力端面に行くに従って順次小さくなっており、
    前記第1光導波路と前記第2光導波路及び前記共通光導波路が一体のクラッド部の中に配置したコア部で形成され、前記コア部の屈折率をnCO、前記クラッド部の屈折率をnCL としたとき、波長570nm乃至1550nmの範囲の光信号に対して、
    √nCO 2−nCL 2 ≧0.45
    を満たすものであり、
    前記共通光導波路は、その断面積が、前記第2光導波路の断面積の減少に引き続いて、前記入出力端面が最大で、前記結合部に行くに従って順次小さくなっていることをを特徴とする光分岐結合器。
  2. 少なくとも、光信号送信部と、光信号受信部と、光ファイバーと、前記光信号送信部からの送信光信号を第1光導波路及び共通光導波路を介して前記光ファイバーに伝達し、前記光ファイバーからの受信光信号を前記共通光導波路及び第2導波路を介して前記光信号受信部に伝達する光分岐結合器とを備え、前記光分岐結合器は、前記光信号送信部に対向する入力端面と、前記光信号受信部に対向する出力端面と、前記光ファイバーに結合される入出力端面とを有し、前記第1光導波路の一端が前記入力端面に、前記第2光導波路の一端が前記出力端面に、前記共通光導波路の一端が前記入出力端面に、その他端が前記第1及び第2光導波路の各他端にそれぞれ結合され、前記第1、第2、共通光導波路の各結合部における前記第1導波路の断面積が前記第2光導波路の断面積よりも小さく、前記入力端面に行くまで同じであり、前記結合部における前記第2光導波路の断面積は、前記結合部で最大で、前記出力端面に行くに従って順次小さくなっており、
    前記第1光導波路と前記第2光導波路及び前記共通光導波路が一体のクラッド部の中に配置したコア部で形成され、前記コア部の屈折率をnCO、前記クラッド部の屈折率をnCL としたとき、波長570nm乃至1550nmの範囲の光信号に対して、
    NA=√nCO 2−nCL 2
    で決まる前記共通光導波路の開口数NAが前記光ファイバーの開口数よりも大きくなっており、
    前記共通光導波路は、その断面積が、前記第2光導波路の断面積の減少に引き続いて、前記入出力端面が最大で、前記結合部に行くに従って順次小さくなっていることを特徴とする光伝送装置。
  3. 前記共通光導波路の開口数は、前記光ファイバーの開口数の1.5倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
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