JP3689374B2 - 木工用二段ギリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばボルト頭やナットが入り込む座を形成したボルト孔のように、小径の孔の開口端部分に大径孔を形成するといった二段孔を、一度の作業で穿孔することができる二段ギリの構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来、座付きボルト孔のようなニ段孔を穿孔するには、小径のボルト孔を穿孔した後で、丸棒状のガイドをボルト孔に差込み、ガイドに装着した座掘りギリによって大径孔を穿設して座を形成する方法と、図9に示すように大径ギリAの回転中心に小径ギリBを突出させて装着し、小径ギリBによる穿孔の開口部に大径ギリによって大径孔を穿孔するものが知られている。
【0003】
図9(a)に示す二段ギリは、大径ギリAと小径ギリBのいずれもがケガキ刃Cとすくい刃Dで構成するドリルであって、主に比較的大きな直径のニ段孔を穿孔する場合に使用されおり、大径ギリの中心を貫通する小径ギリの突出寸法を調節ネジEで調節している。図9(b)に示す二段ギリは先端をテーパ状とし、その傾斜面に切り刃Fを形成した大径ギリの中心に小径ギリBを装着したもので、大径ギリAによって面取り状の大径孔、すなわち皿もみ形状の大径孔を穿孔することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の小径の孔に丸棒状のガイドを差込み、ガイドに装着した座掘りギリによって大径孔を穿孔するニ段ギリは、穿孔作業に手数を要する欠点があり、皿もみ形状の二段孔を穿孔することができない。また、大径孔の側面は滑らかに穿孔することができるが、底面がきれいな切削表面にならない欠点があった。図9に示す二段ギリは、一回の作業で皿もみ形状の二段孔を穿孔することができるが、穿孔した大径孔がきれいな切削表面にはならないという欠点があった。
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は一回の作業で二段孔を穿孔することができるものであって、きれいな切削表面の大径孔を穿孔することができる二段ギリを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大径ギリ1の回転中心に小径ギリ2を突出させて装着し、小径ギリ2によって穿孔した小径孔7の開口部に大径孔8を穿孔する木工用ニ段ギリにおいて、大径ギリ1は外周の複数位置に底面すくい刃4と側面すくい刃4を連続的に形成し、底面すくい刃4の外周端と側面すくい刃3の下端を共通の切っ先5とする。この切っ先5を回転方向の前端とし回転方向の後方に向けて底面すくい刃4及び側面すくい刃3を形成し、これら底面すくい刃4及び側面すくい刃3の前方に切屑の排出溝6を形成する。
【0006】
上記構成とすることにより、底面すくい刃4と側面すくい刃3に共通する切っ先5が大径孔の外周下端をけがき刃のように鋭利に切削し、この外周下端から側面及び底面をそれぞれのすくい刃で切削する。そのため、側面及び底面がかんながけのように滑らかな表面に切削される。このとき、大径ギリ1の底面すくい刃4及び側面すくい刃3を、それぞれ切っ先5を前端として後方に向けて湾曲する形状に形成しておくと、切削がより滑らかである。大径ギリ1の底面すくい刃4は、中心側がキリの前方に向けて傾斜する傾斜方向に形成しておくと、皿もみ形状の大径孔8を穿孔することができる。また、大径ギリ1の底面すくい刃4をキリの軸心と直交する水平方向に形成しておくと、直角の段孔として大径孔8を穿孔することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る木工用二段ギリの実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は、大径ギリ1と小径ギリ2を分離させた正面図、図2は大径ギリ1に小径ギリ2をセットした穿孔に使用する状態を示す正面図である。
【0008】
大径ギリ1は、穿孔しようとする大径孔の内径と一致する円柱状形状の主体部1aと、主体部1aの上方に突出させたチャック軸1bを一体に形成し、円柱状の主体部1aの中心に小径ギリの外径と等しい内径の取付け孔9を穿設してある。この、取付け孔9に小径ギリ2の上端部を挿入し、大径ギリの側面から中心方向に向けて配置した二つのセットボルト10,10を螺着するによって大径ギリ1と小径ギリ2を固定する。小径ギリ2の上部側面には、面取り部11,11が形成されており、該面取り部11をセットボルト10が押圧することにより、大径ギリ1と小径ギリ2が妄動することなくしっかりと固定される。
【0009】
大径ギリ1に装着する小径ギリ2は、小刃12の先端にけがき刃13とすくい刃14を形成し、先ネジ15を突出させた一般的な木工用ドリルであって板や柱に貫通孔もしくは深孔を穿孔する。小径ギリ2は、目的や用途によって適当な長さのものを選択して装着する。
【0010】
大径ギリ1の下端部基本形状は、略円錐形であってその中心に取付孔9が穿孔してある。略円錐形に形成した大径ギリ下端部の対向位置の二箇所に、穿孔のための切刃を形成している。切削のための切刃は、図2に示すように側面すくい刃3と底面すくい刃4で構成し、底面すくい刃4の外周端と側面すくい刃3の下端を共通の切っ先5とし、切っ先5を回転方向の前端として後方に向けて側面すくい刃3と底面すくい刃4を形成している。側面すくい刃3と底面すくい刃4の前方には、主体部1a側面に斜め上方に向けて切除した排出溝6を設けている。
【0011】
側面すくい刃3は、図2に示すように切っ先5を前端として後方に向けて後退する湾曲形状に形成している。このとき、排出溝6を側面すくい刃3の刃先からすくい面を抉るように形成する結果、図3に示すように比較的大きなすくい角αとなる鋭利なすくい刃を形成している。このように、側面すくい刃3の刃線を後方に後退させるとともに、鋭利なすくい刃を形成する結果、穿孔した大径孔の側面は、かんなによる切削面のような滑らかな切削表面を実現することができる。
【0012】
一方、主体部1aの下端傾斜面に形成する底面すくい刃4は、図4に示すようにその刃線を回転方向の後方に向けて後退する湾曲形状に形成するとともに、比較的小さなすくい角αに加え逃げ角βをとることによって鋭角の刃先を形成している。逃げ角βをとることによって、主体部1aの下端面は厳密な円錐面ではなく、底面すくい刃4よりも後方の部分が上方に変位する変形した略円錐形となる。以上述べたように、鋭角の底面すくい刃4の刃線を後方に後退させるとともに、適度な逃げ角をとることによって、穿孔した大径孔の底面は側面と同様にかんなによる切削面のような滑らかな切削表面を実現することができる
【0013】
図1ないし図5に示す二段ギリによる穿孔工程を、図6に示している。すなわち、図6の(a)に示すように板などに小径ギリ2によって穿孔し、小径ギリ2の突出部分が板の表面に入り込んだ後、さらに推し進めて大径ギリ1よる穿孔を行わせ、大径ギリ1が予定の深さに達した時点で穿孔作業完了する。このようにして、図6の(b)に示すように、小径孔7の開口端部分に皿もみ形状の大径孔8が形成された二段孔を一回の作業で穿孔することができる。この二段孔は、主として皿ボルトを装着する場合に多く利用される。
【0014】
図7は別の実施形態を示す木工用ニ段ギリの大径ギリの下方斜視図である。この大径ギリ1の底面に形成する底面すくい刃4は、軸心と直行する方向、すなわち水平方向に形成している。この実施形態の大径ギリ1に、先に説明した小径ギリ2を装着して図8の(a)に示すように穿孔作業を行う。このように、底面すくい刃4が大径ギリ1の軸心と直交する方向、すなわち水平方向に形成されているニ段ギリでは、図8の(b)に示すように、小径孔7の開口端部分に直角の段として大径孔8が形成されるニ段孔を穿孔することができる。この二段孔は、例えば通常の六角ボルトのボルト頭やナットを、突出させないで使用する場合などに広く利用されている。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明木工用ニ段ギリによれば、回転方向の前端に位置する切っ先がけがき刃のように鋭利に切り込み、切っ先に続く側面すくい刃によって大径孔の側面が、底面すくい刃によって大径孔の底面がそれぞれかんながけのように切削され、切屑が排出溝から円滑に排除されることと相まって、大径孔の内面全体、すなわち側面及び底面を一回の穿孔作業によって滑らかな表面に仕上げることができる効果がある。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、大径孔の底面及び側面を切削する底面すくい刃及び側面すくい刃が、より円滑にそれぞれの切削面を切削し、大径孔の内面全体をより滑らかな表面に仕上げることができる効果がある。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、皿もみ形状の二段孔を一回の作業によって穿孔することができ、その側面及び底面の切削面を滑らかな表面に仕上げることができる効果がある。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、水平な段が形成される大径小径の二段孔、すなわち直角の段孔であって、その側面及び底面の切削面を滑らかな表面に仕上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明木工用ニ段ギリの、大径ギリと小径ギリを分離させた正面図、
【図2】大径ギリと小径ギリをセットした状態を示す正面図、
【図3】図2のIII-III線断面図、
【図4】大径ギリのみの底面図、
【図5】図4のV-V線断面図、
【図6】本発明木工用ニ段ギリによる穿孔状態を示す縦断面図、
【図7】別の実施形態を示す大径ギリのみの下方斜視図、
【図8】図7に示す実施形態の木工用ニ段ギリによる穿孔状態を示す縦断面図、
【図9】従来の木工用ニ段ギリの一例を示す正面図。
【符号の説明】
1…大径ギリ、 1a…主体部、 1b…チャック軸、 2…小径ギリ、 3…側面すくい刃、 4…底面すくい刃、 5…切っ先、 6…排出溝、 7…小径孔、8…大径孔、 9…取付孔、 10…セットボルト、 11…面取り部、 12…小刃、 13…けがき刃、 14…すくい刃、 15…先ネジ、 16…板。
Claims (4)
- 大径ギリの回転中心に小径ギリを突出させて装着し、小径ギリによって穿孔した小径孔の開口部に段孔として大径孔を穿孔する木工用ニ段ギリにおいて、大径ギリは外周の複数位置に底面すくい刃と側面すくい刃を連続的に形成し、底面すくい刃の外周端と側面すくい刃の下端を共通の切っ先とし、該切っ先を回転方向の前端とし回転方向の後方に向けて底面すくい刃及び側面すくい刃を形成し、これら底面すくい刃及び側面すくい刃の前方に切屑の排出溝を形成したことを特徴とする木工用ニ段ギリ。
- 大径ギリの底面すくい刃及び側面すくい刃を、それぞれ切っ先を前端として後方に向けて湾曲する形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の木工用ニ段ギリ。
- 大径ギリの底面すくい刃を、中心側がキリの前方に向けて傾斜する傾斜方向に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の木工用ニ段ギリ。
- 大径ギリの底面すくい刃をキリの軸心と直交する水平方向に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の木工用ニ段ギリ。
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