JP3689291B2 - ロック金具付き電気コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気コネクタ、更に言えば、相手コネクタとの嵌合をロックし得るロック金具を有したロック金具付き電気コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロック金具付き電気コネクタとして、例えば、実開平6−19280号に開示されているものがある。このコネクタは、いわゆるライトアングルタイプ、即ち、基板固定時に相手コネクタとの嵌合側を基板に対して垂直に向けるタイプである。このライトアングルタイプに対して、後述する従来例に挙げられているストレートタイプ、即ち、基板固定時に相手コネクタとの嵌合側を基板に対して水平に向けるタイプがある。
【0003】
この従来例に開示されたロック金具付き電気コネクタは、信号端子が配列される相手コネクタとの嵌合部を有した絶縁性コネクタハウジングと、コネクタハウジングの嵌合部付近に固定されて嵌合部内の信号端子を覆うことで、シールド効果を得るシールド金具と、コネクタハウジングに固定されて相手コネクタとの嵌合をロックし得るロック金具から成る。
【0004】
この従来例では、特に、ロック金具が折り曲げ加工容易な比較的薄い平らな板金から形成されている。このような板材を用いることにより、ダイキャスト成形が不要とされており、また、簡単な作業によってロック爪を形成することが可能とされている。コネクタハウジングにロック金具を固定する際、ロック金具は、比較的大きなロック爪を設けた側から、コネクタハウジングの貫通穴へ挿入される。挿入方向は、後方(相手コネクタとの嵌合側の反対側)から前方(相手コネクタとの嵌合側)に向かう方向、即ち、相手コネクタとの嵌合方向とは逆方向、である。貫通穴へのロック金具の挿入が完了したとき、ロック爪は、コネクタハウジングの前方に突出した状態とされる。
【0005】
ロック金具付き電気コネクタの他の従来例として、特開平10−228961号に開示されたストレートタイプのコネクタがある。基本構成は先の従来例と同じであるが、ここでは、ロック金具が、比較的大きなロック爪を設けた先端側からではなく、平板状の後端側から、コネクタハウジングの貫通穴へ挿入される。挿入方向も、先の従来例と異なり、前方(相手コネクタとの嵌合側)から後方(相手コネクタとの嵌合側の反対側)に向かう方向、即ち、相手コネクタとの嵌合方向、である。ロック金具の挿入側および挿入方向を変えたことにより、この従来例では、折り曲げ加工された比較的大きなロック爪をコネクタハウジングに貫通させることが不要とされ、比較的厚い板金を板状態のままコネクタハウジングに挿入することができる。貫通穴へのロック金具の挿入が完了したとき、ロック金具の前端部、即ち、ロック爪を設けた側は、先の従来例と同様、前方に突出した状態とされ、一方、ロック金具の後端部は、後方から突出した状態とされる。この後端部は先細の二股形状とされており、基板への取付時にアース接続のために基板の所定穴に半田付けされ得る。この半田付けによって、ロック金具は、基板に固定されるとともに、アースとしての役目も果たす。このアース接続されたロック金具に対して、シールド金具が(電気的に)接触される。シールド金具は、ロック金具を介してアースに接続されることになる。この従来例では、これらシールド金具とロック金具の(電気的)接触は、コネクタハウジングに対するシールド金具の押し付け力、即ち、コネクタハウジングにシールド金具を圧入する際の圧入力のみを利用して維持されており、また、シールド金具とロック金具を一部表面接触させることによってのみ達成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に挙げた従来例のように、ロック金具を比較的薄い板金から形成した場合には、ロック爪に十分な強度を確保することができないという問題もある。
【0007】
また、後に挙げた従来例のように、シールド金具とロック金具の電気的接触を、コネクタハウジングに対するロック金具の押し付け力のみによって維持し、また、シールド金具とロック金具を一部表面接触させることによって達成したのでは、シールド金具とロック金具の電気的接触が不確実であるといった問題もある。
【0008】
更に、両者に共通する問題として、これらの従来例では、相手コネクタからロック金具にこじり力が生じた場合に、ロック金具に生じたこじり力がそのまま直にコネクタハウジングに伝達されてしまうことから、ハウジングに設けた信号端子の接触部に不要な力が加わってしまうといった問題もある。
【0009】
本発明はこれらの従来技術を解決するためになされたものであり、固定金具に十分な強度を維持しつつ、ロック金具とシールド金具の電気的接触の信頼性を向上させること、更には、電気コネクタを小型化、組み立て容易にし、コネクタの基板取付強度を向上させることをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によれば、信号端子が配列される相手コネクタとの嵌合部を有したコネクタハウジングと、前記嵌合部付近に固定されるシールド部材と、前記コネクタハウジングに固定されて相手コネクタとの嵌合をロックし得るロック金具と、を備えたロック金具付き電気コネクタにおいて、前記ロック金具は、少なくとも、相手コネクタとの嵌合をロックするために先端側に設けたロック爪を有するロック部と該ロック部の後方に延びる係止部とを有し、前記ロック爪を除いて全体として略平板状とされており、
前記コネクタハウジングは、相手コネクタとの嵌合側に開放されたロック金具挿入部を有しており、前記シールド部材は、ロック金具と接触し得る接触部を有しており、
前記コネクタハウジングにシールド部材が固定される際、前記シールド部材は、該シールド部材の前記接触部を前記ロック金具挿入部に挿入しつつ、相手コネクタとの嵌合側から前記コネクタハウジングに固定され、前記コネクタハウジングにロック金具が固定される際、前記ロック金具は、前記ロック金具の後端側を相手コネクタとの嵌合側から前記コネクタハウジングのロック金具挿入部へ挿入され、前記シールド部材の接触部が前記ロック金具の係止部と接触し得るようになっており、前記シールド部材の接触部の弾性変位部が、前記ロック金具挿入部内に位置し、且つ、前記弾性変位部の先端側が、前記ロック金具の前記ロック金具挿入部への挿入方向に向かって延出していることを特徴とするロック金具付き電気コネクタが提供される。
【0015】
本発明の一つの実施形態によれば、前記シールド部材の接触部の先端部を前記相手コネクタとの嵌合側に曲げ、前記ロック金具の係止部に、前記コネクタハウジングにロック金具が固定される際に、前記接触部の先端部が嵌まり込む凹部を設けている。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、前記コネクタハウジングのロック金具挿入部の、前記シールド部材の接触部が設けられている側とは前記ロック金具を挟んだ反対側の内壁に、前記ロック金具を前記ロック金具挿入部内において位置決めする突起が設けられている。また、前記ロック金具挿入部の内壁に前記接触部を収容する収容溝が形成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の第1の実施形態によるロック金具付き電気コネクタ、特にライトアングルタイプのコネクタの一例を分解斜視図で示す。この電気コネクタ1は、信号端子2が配列されるコネクタハウジング3と、このコネクタハウジング3に固定されるシールド金具4と、コネクタハウジング3に固定されて相手コネクタ(図示されていない)との嵌合をロック等し得るロック金具5から成る。シールド金具4とロック金具5は、この順番で、コネクタハウジング3に固定される。
【0018】
コネクタハウジング3は、プラスチック等の絶縁部材でモールド成形されている。相手コネクタ(図示されていない)との嵌合側には、内部に複数の接触端子2が配列される嵌合突出部31が設けられている。図示の例は、既に接触端子2が配列された状態を示す。各接触端子2は垂直下方にそれぞれ折り曲げられており、それらの各端部は、コネクタハウジング3の底部から多少飛び出している。飛び出た各端部を、基板(図示されていない)の対応個所に半田付けすることにより、各接触端子2と基板は電気的に接続される。
【0019】
コネクタハウジング3の嵌合突出部31の左右各側に1つずつ、ロック金具5が挿入されるロック金具挿入部32が設けられている。これらのロック金具挿入部32は、互いに同じ形状(対称の形状)を有し、また、少なくとも相手コネクタハウジング3との嵌合側(前側)およびその底面側(下側)に開放されている。これらのロック金具挿入部32には、シールド金具4の固定後に、ロック金具5が挿入される。
【0020】
コネクタハウジング3の相手コネクタとの嵌合部付近に、シールド金具4が固定される。シールド金具4は、相手コネクタのシールド部材と電気接続すると共に、後述する方法で、ロック金具5との接触を通じて基板のアース回路に確実に電気接続されることにより、シールド効果が得られる。
【0021】
シールド金具4には、コネクタハウジング3の形状に対応して、前板41とこの前板41から突出する嵌合部用の突出板42が設けられている。更に、シールド金具4の前板41には、嵌合突出板の左右各側に1つずつ(図面には1つのみしか表れていない)、舌片(接触部)43が設けられている。これらの舌片43は、コネクタハウジング3の前方(相手コネクタとの嵌合側)から後方(相手コネクタとの嵌合側とは反対側)に向かう方向に延出されており、また、外側に向かって多少山型に折り曲げることによって弾性変位可能な状態とされている。これらの舌片43は、シールド金具4とロック金具5の(電気的)接触を確実にするために重要な役割を果たす。
【0022】
シールド金具4は、コネクタハウジング3の前側からコネクタハウジング3の前面および嵌合突出部31を覆う状態でそこに固定される。シールド金具4のコネクタハウジング3への接近に伴って、シールド金具4の舌片43は、コネクタハウジング3の挿入部32の内壁に設けた収容溝36に沿って進み、上部を多少突出させた状態でそこに収容される(後述する図4によく現されている)。
【0023】
シールド金具4をコネクタハウジング3に固定するため、シールド金具4の上側に2個、下側(図示されていない)に1個、係合穴44が設けられている。これらの係合穴に対応して、コネクタハウジング3の上側および下側の対応位置にも、係合突起40が同数ずつ設けられている。これらの係合穴44と係合突起40を互いに係合させることにより、コネクタハウジング3とシールド金具4は互いに固定され得る。
【0024】
シールド金具4の固定後に、ロック金具5をコネクタハウジング3に固定する。ロック金具5は、平らな金属板を抜き加工し、端部を折り曲げることで、ロック爪51を形成しており、全体として略平板状に形成されている。その結果、複雑な加工が不要となり、又比較的厚い板材を用いることが出来る。比較的厚い板材を用いることによって、ロック金具(ロック爪)に十分な強度を持たせることができ、また、アース回路接続部たる固定部54にコネクタを半田固定する十分な強度を持たせることもできる。
【0025】
図2、図3にそれぞれ、コネクタハウジング3の断面形状とコネクタハウジング3に対するロック金具5の固定方法を示す。ここで、図2は、シールド金具固定後で且つロック金具固定前における図1のコネクタハウジングのA−A線断面図であり、図3は、シールド金具固定後で且つロック金具固定後における図2に対応する断面図である。以下、これらの図を参照して、ロック金具5の詳細とコネクタハウジング3に対するロック金具5の固定方法を説明する。
【0026】
図2から明らかなように、コネクタハウジング3の挿入部32には、挿入孔33とコネクタハウジングの底面側が開放された挿入溝34が形成されており、更に、挿入孔33と挿入溝34の間に突出部35が形成されている。挿入孔33は、相手コネクタとの嵌合側に開放されている。挿入溝34は、挿入孔33との間に突出部35を形成しつつ挿入孔33と略並行に相手コネクタとの嵌合側に開放されており、また、コネクタハウジング3の底面側にも開放されている。突出部35は、挿入孔33と略並行に、相手コネクタとの嵌合側に突出している。
【0027】
各ロック金具5は、コネクタハウジング3の前側からその挿入部32へ、図示矢印方向、即ち、相手コネクタとの嵌合方向へ、その後端部、即ち、ロック爪51を設けた側とは反対側から挿入される。
【0028】
ロック金具5は、機能的に、ロック部52と、ロック部52の後方に位置する係止部53と、このロック部から係止部に向かう方向と交差する方向に延出された固定部54と、更に、これらを連結する連結部(55等)に、分けて考えることができる。
【0029】
ロック部52は、相手コネクタとの嵌合時に、相手コネクタの対応ロック片(図示されていない)と係合して、相手コネクタとの嵌合をロックする部分である。ロック部52は、ロック金具5において最も先端側に位置する。ロック部52の先端に設けたロック爪51は、略平板状の他の部分に比べて、比較的大きな大きさを有する。このような大きさを有するにもかかわらず、前述したように、ロック金具5は、それらの後端部から、コネクタハウジング3の前方から後方に向かって(図3の矢印)挿入部32に挿入されるため、ロック爪51をコネクタハウジング3に挿入する必要がなくなり、したがって、コネクタハウジング3の大きさ、特に、コネクタハウジング3の幅方向の大きさが小型化され得る。
【0030】
係止部53は、コネクタハウジング3の挿入部32、特に、その挿入孔33に挿入されて、ロック金具5をコネクタハウジング3に対して係止固定する部分である。図2から明らかなように、挿入孔33の外側の内壁に、内側に向かって突出された位置決め突起37(紙面垂直上方に突出している)が2個設けられている。この位置決め突起37の働きにより、挿入孔33に挿入されてきた係止部53は、外側の内壁、即ち、舌片43(図1参照)とは反対側の内壁に押し当てられてコネクタハウジング3の幅方向において正確に位置決めされると共に、舌片との接触も適切な間隔に保つことができる。
【0031】
係止部53は、多少先細の状態でロック部52の後方、即ち、ロック部52から係止部53に向かう方向に延出されており、また、その中間部に4個の歯57を有する。係止部53のこのような形状に対応して、挿入孔33も、その前方から後方に向かって多少先細とされており、また、その中間部に圧入段差部38を有する。尚、係止部53を挿入孔33に圧入することができるように、挿入孔33の大きさは係止部53よりも若干小さい。圧入時に、係止部53に設けた4個の歯57は、コネクタハウジング3の挿入孔33に食い込み、また、これらの歯57と挿入孔33に設けた圧入段差部38の関わり合いによって固定がより確実なものとされる。尚、これらの歯57の歯先58は、ロック金具5の前側への抜け防止のため、相手コネクタとの嵌合側に対抗する方向に形成されている。係止部53の末端59は二股形状とされており、係止部53の圧入後に、この二股部分59を挿入孔33の扇状端部39よりも大きく外側へ押し広げることによって、ロック金具5の前側への抜けをより有効に防止することができるようにされている。
【0032】
固定部54は、ロック部52から係止部53に向かう方向と交差する方向に延出されている。ここでは、2本の固定部54が設けられている。固定部54とロック部52は連結部55によって連結されており、連結部55と係止部53との間に、係止部53と隣接し略並行に、ロック金具5の外部、特にその後方に開放された空間62が形成されている。係止部53と略並行に空間62を設けたことにより、換言すれば、連結部55を係止部53と略並行に並べて配置したとしたことにより、相手コネクタとの嵌合方向におけるロック金具5の長さは、それらを直列に並べたときよりも短くなっている。この結果、コネクタの小型化、特に、コネクタの長手方向における小型化が図られる。
【0033】
ロック金具5をコネクタハウジング3へ挿入する際、固定部54は、コネクタハウジング3の底面から常に飛び出した状態で挿入され、また、挿入後も飛び出した状態とされる。一方、連結部55は、挿入溝34に沿って挿入され、また、挿入後はその略全体が挿入溝34に収まる。更に、係止部53と略並行に設けた空間62には、コネクタハウジング3の突出部35が組み付けられる。空間62に突出部35を組み付けることにより、係止部53はコネクタハウジング3の圧入段差部38と突出部35の対向部に狭持的に圧入係止され、コネクタハウジング3とロック金具5の結合が強化されている。また、固定部54をコネクタハウジング3の底面から突出させることにより、更にまた、連結部55を係止部53と略並行とし、この連結部55から固定部54を延出させたことにより、ロック部52と固定部54の配置距離を任意に設計可能とされている。また、ロック金具5の係止部53と連結部55(固定部54)とを別々の分肢として設けたことにより、更には、突出部35を係止部53側の面のみロック金具と係止させたことにより、ロック部52、特にそのロック爪51で受けた過度のこじり力を、コネクタハウジング3を介さずに連結部55や固定部54へ逃すことができるため、コネクタハウジング3に配列された信号端子の接触部に不要な力が加わることを防止することができる。
【0034】
尚、固定部54は最終的には、基板の所定位置に半田付けされ、ロック金具5やこのロック金具5が固定されたコネクタハウジング3を基板(図示されていない)に固定するとともに、ロック金具5とシールド金具4との接触を通じて、シールド金具4をアースに接続する役目も果たす。
【0035】
次に、図4を参照して、ロック金具5とシールド金具4の接触方法、更に言えば、ロック金具5とシールド金具4の舌片43の接触方法を説明する。ここでは、図4は、シールド金具4の固定後であって且つ固定金具5の固定前における図1のB−B線断の概略図を示す。
【0036】
この図に示されているように、シールド金具4がコネクタハウジング3に固定されたとき、シールド金具4の舌片43は、コネクタハウジング3の挿入部32内、更に言えば、挿入孔33の内壁に設けた収容溝36に沿って配置される。舌片43は外側に向かって多少山型に折り曲げられており、収容溝36から外部に多少はみ出した状態で、且つ、コネクタハウジング3の中心方向に向かって弾性変位可能な状態で設けられている。このような舌片43を設けたことにより、図示矢印に示す方向でロック金具5が挿入部32に挿入された際に、舌片43をロック金具5との衝突を通じて内側へ弾性変位させるとともに、舌片43をロック金具5に、更に言えば、シールド金具4をロック金具5に、確実に(電気的に)接触させることができる。これにより、ロック金具5をコネクタハウジング3に組立てる際、挿入孔に位置させたシールド金具の舌片がロック金具と接触するようにして、ロック金具の挿入位置が若干ずれたとしてもロック金具と舌片との接触は確実になるようにされている。
【0037】
図5、図6を参照して、ロック金具5とシールド金具4の接触方法の他の実施形態を示す。図5は、図4に対応する図であり、図6は、この実施形態に用いるロック金具5'の斜視図である。この実施形態では、図4の実施形態と異なり、舌片の端部を大きく、即ち、外側に向かって180度、折り曲げて、舌片43'の先端部が相手コネクタの嵌合側を向く形状とされている。尚、舌片43'の一部が収容溝36'に収まることは上の実施形態と同様である。このような舌片43'の形状に対応して、ロック金具5'には凹部60'が設けられている。この構成により、図示矢印に示す方向でロック金具5'が挿入部32'に挿入されたときに、舌片43'の端部或いは突部がロック金具5’の凹部60'にパチンと嵌まり込むようにして、シールド金具4’の外れやがたつきを確実に防止することができる。更に、このような構成により、コネクタハウジング3'からのロック金具5'の抜けをより有効に防止することができる。
【0038】
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。この図は、第1の実施形態で示した図3の断面図に相当する。本実施形態のコネクタハウジング3Aには、挿入孔33Aは設けられているが、挿入溝(図2の34)は設けられておらず、また、突出部35Aの底面側に部材は存在しない。この結果、コネクタハウジング3Aに固定されるロック金具5A、特にその連結部55Aは、コネクタハウジング3Aへの挿入時、および、その挿入後に、コネクタハウジング3Aの底面側で完全に露出された状態となる。
【0039】
この場合、ハウジングの高さを更に低くすることができる。また、連結部55Aの底面全てが露出するので、この底面全てを半田固定面として使用することもできる。
【0040】
次に、図8、図9を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図8は、図7と同様、第1の実施形態の図3に相当する断面図である。図9は、この実施形態で用いるシールド金具4Bとコネクタハウジング3Bを示す斜視図である。
【0041】
第3の実施形態と第1、第2の実施形態との大きな相違は、第3の実施形態では、ロック金具5Bの挿入側および挿入方向が第1、第2の実施形態とは異なる点にあり、またこの結果、ロック金具自体の構造、および、このロック金具5Bを挿入するコネクタハウジング3Bやこれに固定されるシールド金具4Bの構造がそれらと異なる点にある。以下に詳細を説明する。
【0042】
図8から明らかなように、この第3の実施形態では、ロック金具5Bは、コネクタハウジング3Bに対し、コネクタハウジング3Bの底面側から相手コネクタとの嵌合方向と交差する方向、特にここでは直交方向に挿入される。この挿入方向に対応して、コネクタハウジング3Bの挿入部32Bは、第1、第2の実施形態等と同様に、相手コネクタとの嵌合側に開放されているとともに、コネクタハウジング3Bの底面側にも開放されている。しかしながら、この第3の実施形態の挿入部32Bには、第1、第2の実施形態のそれのように、挿入溝(図2の34)は設けられておらず、挿入孔33Bとこの挿入孔33Bと略並行に延出された突出部35Bのみ設けられている。また、これら挿入孔33Bと突出部35Bは、コネクタハウジング3Bの挿入方向に対応してそれぞれ、コネクタハウジング3Bの底面側から上方に延びる方向、或いは、下方に延びる方向とされている。
【0043】
第3の実施形態で用いるロック金具5Bも、第1の実施形態等と同様に、機能的に、ロック部52Bと、ロック部52Bの後方に位置する係止部53Bと、このロック部から係止部に向かう方向と交差する方向に延出された固定部54Bと、更に、これらを連結する連結部55Bに、分けて考えることができる。
【0044】
ロック部52Bは、第1の実施形態等におけるそれと同様の働きをし、また、それと同様の形状を有する。したがって、ここでは説明を省略する。
【0045】
係止部53Bの形状は、第1、第2の実施形態と同様であるが、その延出方向は全く異なる。即ち、この実施形態における係止部53Bは、多少先細の状態で、ロック部52Bから係止部53Bに向かう方向と交差する方向(ここでは特に垂直方向)であって、固定部54Bの延出方向とは逆側に延出されている。この向きに対応して、係止部53Bは、コネクタハウジング3Bの挿入孔33Bにその底面側から垂直方向に挿入される。
【0046】
固定部54Bは、ロック部52Bから係止部53Bに向かう方向と交差する方向(ここでは特に直交方向)であって、係止部53Bの延出方向とは逆側に延出されている。尚、この第3の実施形態では、固定部54Bは1本とされている。固定部54Bとロック部52Bは連結部によって連結されており、また、係止部53Bと略並行に、ロック金具5Bの外部、特にその上方に開放された空間62Bが形成されている。空間62Bを係止部53Bと略並行に設けたことにより、また、係止部53Bを交差方向(垂直方向)に延出させたことにより、相手コネクタとの嵌合方向におけるロック金具5Bの長さは比較的短くなっている。この結果、コネクタの小型化、特に、コネクタの長手方向における小型化が図られる。
【0047】
ロック金具5Bをコネクタハウジング3Bへ挿入する際、固定部54Bは、コネクタハウジング3Bの底面から常に飛び出した状態で挿入され、また、挿入後も飛び出した状態とされる。一方、連結部55Bは、挿入孔33Bに沿って挿入され、また、挿入後はその略全体が挿入部32Bに収まる。このとき、係止部53Bと略並行に設けた空間62Bには、コネクタハウジング3Bの突出部35Bが組み付けられる。第1、第2の実施形態と同様に、空間62Bに突出部35Bを組み付けることにより、係止部53Bはコネクタハウジング3Bの圧入段差部38Bと突出部35Bの対向部に狭持的に圧入係止され、コネクタハウジング3Bとロック金具5Bの結合を強化することができる。また、固定部54Bをコネクタハウジング3Bの底面から突出させるように配置したことにより、ロック部52Bと固定部54Bの配置距離を任意に設計可能とされている。
【0048】
第1、第2の実施形態と同様に、固定部54Bは最終的には、基板の所定位置に半田付けされ、ロック金具5Bやこのロック金具5Bが固定されたコネクタハウジング3Bを基板(図示されていない)に固定するとともに、ロック金具5Bとシールド金具4Bとの接触を通じて、シールド金具4Bをアースに接続する役目も果たす。
【0049】
図9を参照して、第3の実施形態で用いるシールド金具4Bについて説明する。この第3の実施形態では、ロック金具5Bの挿入方向に対応して、シールド金具4Bの舌片(接触部)43Bの先端が下方に向けられている。舌片43Bの形状を明らかにするため、図9では、舌片付近の前板の一部が省略されている。舌片43Bは、コネクタハウジング3Bの前方(相手コネクタとの嵌合側)から後方(相手コネクタとの嵌合側とは反対側)へその後、底面側に向かう方向に延出されており、全体として略L字状を成す。その先端は外側下方に向かって多少山型に折り曲げられることによって弾性変位可能な状態とされている。舌片43Bの形状をL字とし、舌片43Bの先端側、特に、その弾性変位部をロック金具5Bへの挿入方向に向けることにより、後に挿入されるロック金具5Bとシールド金具4Bとの(電気的)接触はより確実なものとされている。
【0050】
シールド金具4Bは、第1の実施形態等と同様に、コネクタハウジング3Bの前側からコネクタハウジング3Bの前面および嵌合突出部31Bを覆う状態でそこに固定される。特に図示しないが、このとき、シールド金具4BのL字舌片43Bは、第1、第2の実施形態と同様、上部を多少突出させた状態で、コネクタハウジング3Bの垂直挿入部32Bの内壁に設けたL字収容溝36Bに収まる。
【0051】
また、前述した図5の実施形態と同様に、ロック金具5Bに、L字舌片43Bの弾性突出部が嵌まる凹部(図5の60’)を設けて、この凹部に弾性突出部をパチンと嵌まり込むようにしてシールド金具4Bの外れやがたつきを確実に防止することもできる。
【0052】
最後に、図10を参照して、本発明をストレートタイプのコネクタに応用した一例を示す。この図10は、第1の実施形態の図2に対応する。ここでは、上の第1乃至第3の実施形態と異なり、連結部に相当する部分がないことから、コネクタの小型化やロック部52Cにおけるこじり力の回避といった効果は得られないが、その他の構成については上の実施形態と同様に考えることができる。例えば、この実施形態においても、舌片(図1の43等)をシールド金具に設けることができ、この舌片の働きによってシールド金具(図1の4)とロック金具5Cの(電気的)接触を確実にすることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、固定金具に十分な強度を維持しつつ、電気コネクタを小型化、組み立て容易にし、また、ロック金具とシールド金具の電気的接触の信頼性を向上させ、更には、コネクタの基板取付強度を向上させることができる。また、コネクタのロック部におけるこじり力を固定部に逃すことにより、接触端子と基板の接続を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のライトアングルタイプのロック金具付き電気コネクタの一例の分解斜視図。
【図2】 シールド金具固定後で且つロック金具固定前における図1のコネクタハウジングのA−A線断面図。
【図3】 シールド金具固定後で且つロック金具固定後における図2に対応する断面図。
【図4】 ロック金具とシールド金具の接触方法を示す図であって、シールド金具の固定後であって且つロック金具の固定前における図1のB−B線断の概略図。
【図5】 ロック金具とシールド金具の接触方法の他の実施形態を示す図。
【図6】 図5の実施形態に用いるロック金具の斜視図。
【図7】 本発明の第2の実施形態を示す図であり、第1の実施形態の図3に相当する断面図。
【図8】 本発明の第3の実施形態を示す図であり、第1の実施形態の図3に相当する断面図。
【図9】 第3の実施形態で用いるシールド金具とコネクタハウジングを示す斜視図。
【図10】 本発明をストレートタイプのコネクタに応用した一例を示す図。
【符号の説明】
1 電気コネクタ
3 コネクタハウジング
5 ロック金具
32 ロック金具挿入部
33 ロック金具挿入孔
34 ロック金具挿入溝
35 突出部分
43 舌片
51 ロック爪
52 ロック部
53 係止部
54 固定部
62 空間
Claims (4)
- 信号端子が配列される相手コネクタとの嵌合部を有したコネクタハウジングと、前記嵌合部付近に固定されるシールド部材と、前記コネクタハウジングに固定されて相手コネクタとの嵌合をロックし得るロック金具と、を備えたロック金具付き電気コネクタにおいて、
前記ロック金具は、少なくとも、相手コネクタとの嵌合をロックするために先端側に設けたロック爪を有するロック部と該ロック部の後方に延びる係止部とを有し、前記ロック爪を除いて全体として略平板状とされており、
前記コネクタハウジングは、相手コネクタとの嵌合側に開放されたロック金具挿入部を有しており、
前記シールド部材は、ロック金具と接触し得る接触部を有しており、
前記コネクタハウジングにシールド部材が固定される際、前記シールド部材は、該シールド部材の前記接触部を前記ロック金具挿入部に挿入しつつ、相手コネクタとの嵌合側から前記コネクタハウジングに固定され、
前記コネクタハウジングにロック金具が固定される際、前記ロック金具は、前記ロック金具の後端側を相手コネクタとの嵌合側から前記コネクタハウジングのロック金具挿入部へ挿入され、前記シールド部材の接触部が前記ロック金具の係止部と接触し得るようになっており、
前記シールド部材の接触部の弾性変位部が、前記ロック金具挿入部内に位置し、且つ、前記弾性変位部の先端側が、前記ロック金具の前記ロック金具挿入部への挿入方向に向かって延出していることを特徴とするロック金具付き電気コネクタ。 - 前記シールド部材の接触部の先端部を前記相手コネクタとの嵌合側に曲げ、前記ロック金具の係止部に、前記コネクタハウジングにロック金具が固定される際に、前記接触部の先端部が嵌まり込む凹部を設けた請求項1記載の電気コネクタ。
- 前記コネクタハウジングのロック金具挿入部の、前記シールド部材の接触部が設けられている側とは前記ロック金具を挟んだ反対側の内壁に、前記ロック金具を前記ロック金具挿入部内において位置決めする突起が設けられている請求項1または2記載の電気コネクタ。
- 前記ロック金具挿入部の内壁に前記接触部を収容する収容溝が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の電気コネクタ。
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