JP3801448B2 - シールドコネクタ組立体 - Google Patents

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    • H01R13/6581Shield structure
    • H01R13/6582Shield structure with resilient means for engaging mating connector

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  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)
  • Multi-Conductor Connections (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドコネクタ組立体に関し、特に高速伝送に適したシールドコネクタ組立体、例えば家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ等に使用されるシールドコネクタ組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電気信号の高速伝送を行なうコネクタ組立体においては、隣接する伝送経路間をシールド(遮蔽)して、伝送経路同士が影響を及ぼし合わないようにすることが好ましく、従来、種々の構成が考えられている。このような、シールドコネクタ組立体(以下、単に組立体という)として、特許第2583839号公報に開示された組立体が知られている。この従来技術の組立体は、絶縁ハウジング内に複数列に配置された接触子、即ちコンタクトの、列方向の隣接するコンタクト間にシールド板を配置して、伝送線に対する特性インピーダンスの整合を図ろうとするものである。コンタクトおよびシールド板の各タインの結線部は、絶縁ハウジングとは別体に、絶縁ハウジングに取り付けられた取付壁に挿入されている。
【0003】
また、特開平6-196224号公報には、端子(コンタクト)間に配置されたクロストーク防止用のシールド板を有するシールドコネクタ組立体が開示されている。このシールドコネクタ組立体は、ケーブル(電線)の端部に取り付けられる、所謂、データリンクコネクタと称されるタイプのコネクタであり、基板取付型ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者の特許第2583839号公報に開示された組立体においては、隣接するコンタクトの取付ピッチが小さくなればなるほど、取付基板に実装するための導体パッド、或いはランドの形成が困難になってくる。特に、コンタクトのタイン部が、取付基板のスルーホール(貫通孔)に挿入されてはんだ付けされるものにあっては、スルーホールの間隔が小さいと、はんだ付けの際、スルーホールの周辺に形成されたランド間に、はんだブリッジが生じて不良品となる割合が増大する。その為、リペア(補修)の必要が生じ、その工数、費用も増大するという問題がある。
【0005】
さらに、高速伝送用のコネクタのコンタクトは一般的に極数が多く、コンタクトが狭ピッチになると、その間にクロストーク防止用のシールド板を配置することが困難となる。
【0006】
さらに、コンタクトのタインを取付ける取付壁が、絶縁ハウジングと別体であり、部品点数が多く、組立に工数を要するという問題がある。また、絶縁ハウジング全体が、シールドシェルにより覆われた、即ち電磁妨害(EMI)の構造になっていない。
【0007】
また、後者の特開平6-196224号公報に開示されたコネクタは、基板取付型ではなく、コンタクトも電線に接続されたものである。この従来技術の場合にあっても、コンタクトが狭ピッチになるほど、コンタクト間にシールド板を取り付けることが困難になるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、狭ピッチに配設されたコンタクトであっても、隣接するコンタクト間にシールド板を配置することができるクロストーク防止用のシールドコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、部品点数を増やすことなく、コンタクトおよびシールド板のタイン部を整列させることができるシールドコネクタ組立体を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、クロストーク防止機能に加えてEMI防止機能を有するシールドコネクタ組立体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のシールドコネクタ組立体は、絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に少なくとも一列に保持されたコンタクトと、コンタクト間に配置されたシールド板とを備えた、基板取付型のシールドコネクタ組立体において、列方向に隣接するコンタクトのうち一方のコンタクトのタイン部は、他方のコンタクトのタイン部の方へ列と直交する方向にタイン部同士が整列するようオフセットされ、絶縁ハウジングに、タイン部の先端部を整列して保持するタイン保持部がハウジングと一体に設けられ、シールド板が、列と直交する方向に延びる遮蔽面を有し、タイン部のオフセットにより列と直交する方向に整列したタイン部の間に形成された空間内に遮蔽面が配置されるよう絶縁ハウジングに取りつけられることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明のシールドコネクタ組立体は、絶縁ハウジングに、金属製のシェルが外装され、このシェルにシールド板が電気的に接触するよう構成することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明のシールドコネクタ組立体は、列方向に隣接するコンタクトのうち一方のコンタクトのタイン部は、他方のコンタクトのタイン部の方へ列と直交する方向にタイン部同士が整列するようオフセットされ、絶縁ハウジングに、タイン部の先端部を整列して保持するタイン保持部がハウジングと一体に設けられ、シールド板が、列と直交する方向に延びる遮蔽面を有し、タイン部のオフセットにより列方向に形成されたタイン部近傍の空間内に遮蔽面が配置されるよう絶縁ハウジングに取りつけられるので、次の効果を奏する。
【0014】
即ち、狭ピッチのコンタクトであっても、隣接するコンタクト間にシールド板を配置することができるクロストーク防止用のシールドコネクタ組立体が得られる。さらに、部品点数を増やすことなく、コンタクトおよびシールド板のタイン部を整列させることができるシールドコネクタ組立体が得られる。
【0015】
また、絶縁ハウジングに、金属製のシールドシェルが外装され、このシェルにシールド板が電気的に接触するよう構成した場合には、クロストーク防止機能に加えてEMI防止機能を有するシールドコネクタ組立体が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシールドコネクタ組立体(以下、単に組立体という)の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の組立体1を分解して、その構成の概略を説明する概略分解斜視図である。以下、図1を参照して説明する。なお、図1は構成の概略を示すものであり、細部の形状については、後述する構成とは必ずしも一致しない。また、説明中で前後方向というときには、相手方のコネクタが接続される側を前側とし、反対側を後側とする。
【0017】
組立体1は、雌型コネクタ部(以下、単にコネクタ部という)4、6を有する略直方体の絶縁ハウジング(以下、単にハウジングという)2と、コネクタ部4、6に対してハウジング2の後部から夫々装着される複数のコンタクト14、16と、コネクタ部4、6の前部に夫々取付けられるメタルシェル10、12とを有する。組立体1は、さらに、隣接するコンタクト14の間に配置されるように、ハウジング2の後部に取付けられるシールド板19と、ハウジング2の前部に取付けられるフロントシェル20と、ハウジング2の後部からハウジング2に装着されるリアシェル22とを有する。フロントシェル20には、ハウジング2の開口24およびメタルシェル12の開口28に対応する開口29が形成されてコネクタ部6の嵌合部を構成している。
【0018】
本実施形態では、メタルシェル10、12は、夫々、板厚0.2mm、0.3mmの金属板で形成され、フロントシェル20、リアシェル22は、夫々0.5mm、0.3mmの板厚の金属板から打ち抜き、折り曲げ形成されている。また、コンタクト14の取付ピッチは0.8mmであり、コンタクト16は、それより大きい取付ピッチとなっている。
【0019】
図1について、更に説明すると、コネクタ部4は、IEEE1394の規格を満足するよう構成されており、コネクタ部6はUSBの規格を満足するよう構成されている。コネクタ部4には、コンタクト14の接触部18が一列になるようにコンタクト14が配置されている。コンタクト14は、L字状に曲げ形成されており、コンタクト14aとコンタクト14bが交互に1列に配設されている。
【0020】
コンタクト14bの接触部18bは、コンタクト14aの接触部18aより長いので、コンタクト14bのタイン部40bは、コンタクト14aのタイン部40aより後方に位置する。そしてタイン部40bは、タイン部40aに整列するように、即ち、列と直交した前後方向に整列するようにオフセットされている(図8参照)。シールド板19は、前後方向に延びる遮蔽面42を有する。この遮蔽面42は、タイン部がオフセットされることにより、列と直交する方向に整列したタイン部の間に形成された空間内に配置されて、隣接するコンタクト14間のクロストークを防止する。
【0021】
また、メタルシェル10は、断面コ字状を呈し、上壁62の前端に両側にスロット64を形成することにより切り起こされて、斜め内方に折り曲げられた接地舌片(舌片)60を有する。この舌片60は、図示しない相手方の雄コネクタのシェルと接触して接地接続される。このメタルシェル10は、コネクタ部4の上部に形成された、ハウジング2の切欠き66に挿入されて取付けられる。この時、メタルシェル10の前端とハウジング2の前面70は略面一となる。メタルシェル10の外側に位置する一方の側壁68は、ハウジング2の外部に露出する。この露出した側壁68は、後述するフロントシェル20と接触する。
【0022】
コネクタ部6は、上下に相手方の雄コネクタ(図示せず)を受容する開口24がハウジング2に形成され、上側の開口24には、コンタクト16bが、下側の開口にはコンタクト16aがそれぞれ配置されている。コネクタ部6に取り付けられるメタルシェル12は、開口24に対応して2つの矩形の開口28が形成された面板26と、この面板26から後方に一体に延出する4つのタブ30、32を有する。タブ30は矩形の開口38を有し、この開口38がハウジング2の側面34に突設された矩形の突起36に係合する。なお、図1では、反対側のタブ30は、このタブ30に対応するハウジング2の溝65内の突起(図示せず)に係合するようになっている。この係合によりメタルシェル12が、ハウジング2に固定される。メタルシェル12の開口28は、ハウジング2の開口24と同様な形状であり、各開口28の下縁には2つの接地舌片(以下、単に舌片という)71が、斜め内向きに形成され、上縁には、1つの舌片72(図1では隠れて見えない)が同様に斜め内向きに形成されている。これらの舌片71、72は相手方コネクタが接続されたときに、相手方コネクタの外部シェル(図示せず)に接触して接地接続される。
【0023】
フロントシェル20は、ハウジング2に外装されるときに、メタルシェル12に接触して電気的に導通する。この導通は、メタルシェル12の前面とフロントシェル20の内面との間の接触によりなされてもよいし、メタルシェル12の頂部側のタブ32に、突起46および/或いは切起し舌片(舌片)44を設けて、フロントシェル20と積極的に接触させることによりなされてもよい。
【0024】
次に、図2乃至図7を合わせて参照して、本発明の組立体1について更に詳細に説明する。図2は、組立体1の正面図、図3は、図1の組立体1の平面図、図4、図5、図6、図7は、夫々右側面図、左側面図、底面図、背面図である。
【0025】
図2に最もよく示すように、フロントシェル20の平坦な主面のコネクタ部4に対応する位置には、略矩形の嵌合部50が突設されている。嵌合部50には、相手方のコネクタが嵌合される開口52が形成されている。開口52内には、コネクタ部4内で、水平方向に延びる平板部54と、この平板部54に配設されたコンタクト14が見える。また、嵌合部50の下方の主面48に、切り起こされて後方に延びる舌片56が形成されている。この舌片56は、ハウジング2の長穴58に圧入されて、フロントシェル20の図2における上下左右方向の位置決めに供されると共に、嵌合部50に挿抜される相手方のコネクタのこじりにより、嵌合部50とハウジング2との位置ずれが生じないようにしている(図9)。これは、コネクタ部4の嵌合部50が、ハウジング2と別体のフロントシェル20によって構成されるため、正確な位置決めが必要となるためである。
【0026】
図2に示すように、コネクタ部6の各開口24内には、開口24の幅方向即ち図2において水平方向に広がる平板部74が前方に向けて突設されている。この平板部74の上面には、前述のコンタクト16(16a、16b)が配置されているのが明瞭に示されている。なお、各開口24の上下縁には、舌片71、72が開口24内に僅かに突出しているのが明瞭に示されている。フロントシェル20の主面48には、細長い凹部76および主面48の下部で主面48の略全幅に亘って延びる凹んだビード78が形成されている。これらの凹部76およびビード78は、ハウジング2の前面70に形成された対応する溝(図示せず)と係合して、フロントシェル20の、ハウジング2に対する位置決めに供される。
【0027】
図3乃至図6に示すように、フロントシェル20は、上壁78,側壁80、82を有する。これらの壁78〜82は、ハウジング2の前部外側に位置し、これらの壁78〜82の一部が、部分的に加締められてハウジング2に固定される。以下にこの加締めの態様について、図3乃至図6を参照して説明する。上壁78の中央から僅かに片側にずれた位置に、後方に延びる小片92が形成されている。小片92の両側には、切欠き84および86が形成されて、小片92を折り曲げ可能としている。側壁80にも同様に切欠き86、86により小片94が形成され、側壁82にも同様に小片96が形成されている。また、フロントシェル20の下端100には小片98が突設されている。
【0028】
これらの小片92〜98の略中央には、前後方向に延びるスロット90が形成されている。各小片92〜98に対応するハウジング2の前面70には、夫々、対応する位置に凹み102〜108が形成され、各小片92〜98は、この凹み102〜108に対し折り曲げるように加締められて固定されている。この各小片92〜98のスロット90に対応するハウジング2の部分には、スロット90に係合する長さの突条110が形成されているので、固定と共にフロントシェル20の位置決めが確実になされている。フロントシェル20をハウジング2に固定後、ハウジング2の外壁とフロントシェル20の上壁78,側壁80、82との間には、リアシェル22を受容するだけの間隙が確保されている。
【0029】
フロントシェル20の板厚は、前述の如く0.5mmあって強度的に十分なので、加締め後、その折り曲げ状態は、弛むことなく確実に維持される。前述のメタルシェル12の舌片71、72の代わりに、フロントシェル20により舌片を構成したとすると、0.5mmもの板厚を有する舌片の弾性は、小さく、或いはほとんどなくなるので、相手方のコネクタの挿抜に対して適切に弾性変形することができず、雄コネクタの挿抜および電気的接続が不可能となる。従って、ここにメタルシェル12とフロントシェル20を別体に作る理由がある。フロントシェル20のハウジング2への固定は、必ずしも加締めによらなくても、例えば、ラッチ係合による固定でもよい。
【0030】
また、前述の如く、このフロントシェル20の装着により、前述のメタルシェル10の露出した側壁68は、フロントシェル20の側壁82の内面と接触してフロントシェル20に電気的に接続される。このフロントシェル20は、詳細には後述するが、リアシェル22とも電気的に接続して、ハウジング2を覆うシールドシェル21を構成する。これにより、コネクタ部4は、クロストーク防止に加えて、EMIに対しても保護されることが可能となる。
【0031】
図3乃至図5に示すように、フロントシェル20の上壁78および側壁80、82に、僅かに前後方向に延びる小さな矩形の係合孔112が、各々2つ形成されている。これらの係合孔112は、後述するようにリアシェル22との機械的係合に供されるものである。
【0032】
次にこのリアシェル22について、図3乃至図7を参照して説明する。リアシェル22は、フロントシェル20と同様に主面113(図7)と、この主面113から前方に延びる上壁114,側壁116、118を有する。上壁114および側壁116、118には、リアシェル22をハウジング2に取り付けたときに、前述の係合孔112に対応する位置に、係合孔112より僅かに小さいラッチアーム120が形成されている。ラッチアーム120は、切り起こしにより、後方に向けて斜め上方に形成されている。従ってリアシェル22の各壁を、フロントシェル20の対応する壁の内側に配置すると、ラッチアーム120は、係合孔112と係合してリアシェル22がフロントシェル20に固定される。また、リアシェル22の側壁116、118には、フロントシェル20の側壁80、82の後端124に位置する突部122が打ち出しにより突設されている。この凸部122によってもリアシェル22の位置決めが確実になされる。このフロントシェル20とリアシェル22との機械的な係合により両シェルは、電気的にも接続してハウジング2を覆う一体のシールドシェル21となる。
【0033】
側壁116、118に形成された前後方向に延びて内方に突出する突条128は、ハウジング2へ装着するときに、対応するハウジング2の前後方向に延びるガイド溝(図示せず)内を摺動して、リアシェル22が円滑にハウジング2に装着できるようにするためのものである。
【0034】
リアシェル22の上壁114に切り起こされて、斜め後方に延びる接触片130は、組立体1が実装される図示しない装置の筐体に接触して、接地接続される。リアシェル22の側壁116、118の下端縁には、各々2個の取付脚132が突設されている。取付脚132は、外向きに湾曲する略く字状に折り曲げられて、図示しない取付基板の対応する孔に挿入されて保持される。図5に示されるように、前方に位置する取付脚132の真上のリアシェル22の部分が、板厚の大きなフロントシェル20により支持されているので、取付脚132は容易には外方に開かず、取付脚132が挿入される基板の孔との整合を保つことができる。
【0035】
図3に最もよく示すように、リアシェル22の上壁114にはハウジング2の上壁3に形成された角穴136に対応して、開口138が形成されている。この角穴136(開口138)には、図示しない装置の一部が係合して組立体1を支え、相手方コネクタを挿抜するときに、組立体1の基板取付部即ちタインはんだづけ部(図示せず)に過大な力が掛からないようにしている。
【0036】
図7に最もよく示すように、リアシェル22の主面113には、前述のコネクタ部4のシールド板19に対応する位置に開口142により形成された接触片140が、側壁118に向けて、水平に且つ内向き(前方方向)に延びて形成されている。この接触片140は、シールド板19の後端と弾性的に接触して、シールド板19と電気的に接続される。これにより、シールド板19とハウジング2を覆うシールドシェル21とが一体になるので、コネクタ部4はEMIに対しても保護されることになる。
【0037】
次に、図8および図9を参照して、シールド板19とコンタクト14との位置関係の詳細について説明する。図8は、コンタクト14、16を取り付けたハウジング2を後部から見た背面図であり、図9は図2の組立体1を9−9線に沿って切断した組立体1の断面図である。図8に示されるように、コネクタ部4の後方側のコンタクト14bのタイン部40bは、前方側のコンタクト14aのタイン部40a(図9)の方に折曲部15近傍でオフセットされて、タイン部40aの後方に整列しているのが明瞭に示されている。これにより、タイン部40b同士の間隔とタイン部40a同士の列方向、即ち図8における左右方向の間隔が同じとなり、しかも左右方向のピッチPが、接触部18におけるピッチの2倍となる。従って、このオフセットにより得られたタイン部40bの空間にシールド板19を挿入することが可能になる。図9には、コンタクト14bの接触部18bが、コンタクト14aの接触部18aより長いことが明瞭に示されている。そしてシールド板19の遮蔽面42が、コンタクト14のタイン部40の間に配置されているのが明瞭に示されている。
【0038】
シールド板19の形状は、図9に示すように、略矩形の平板状の遮蔽面42と、この遮蔽面42の後部側から上下に夫々延びる延長部146、148が、1枚の金属板から一体に打ち抜き形成されている。延長部146は、延長部148より長く、形成されている。延長部146の略中央には、遮蔽面42と同じ方向に延びるタブ150が形成されている。他方、延長部148には、その下端から下方に延出する基板取付用のタイン152が形成されている。また、遮蔽面42には、その先端からタブ150と同様のタブ154が形成されている。シールド板19をハウジング2の後部から前方に向けて取り付けると、タブ150はハウジング2の内壁156に係合し、タブ154は、ハウジング2の凹部158に圧入され、遮蔽面42の前端下部はハウジング2の段部160に着座する。これにより、シールド板19は、遮蔽部42がタイン部40a、40bを部分的に遮蔽するようにハウジング2に固定される。シールド板19の後部は、高さ方向の略中央から上端にかけてL字状に遮蔽面42と直交する接触面162が形成されることが好ましい。この接触面162は、前述のリアシェル22の接触片140と接触してリアシェル22と電気的に接続される。なお、図9にはメタルシェル10の舌片60およびフロントシェル20の舌片56が明瞭に示されている。
【0039】
次に図10を参照して、コネクタ部6の内部構造について説明する。図10は、図2の10−10線に沿って断面した組立体1の断面図である。コネクタ部6の上下の各開口24に、前述の平板部74がハウジング2と一体に突設されているのが明瞭に示されている。各平板部74には、前後方向に延びるコンタクト収容溝164が形成されている。L字状のコンタクト16は、その接触部17がコンタクト収容溝164内に収容される。このとき、接触部17は先端が収容溝164の内壁168に係止しており、接触部17は上方に付勢された状態に保持されている。従って、相手方のコネクタの挿抜により上下に弾性的に撓むことが可能になっている。またメタルシェル12の舌片72が、開口24内に斜め内側に向けて配置されているのが明瞭に示されている。メタルシェル12の下端のタブ170が、ハウジング2の溝172内に挿入されてメタルシェル12の位置決めがなされている。また、フロントシェル20とメタルシェル12が、重なって互いに接触しているのが示されている。
【0040】
次に図11を参照してフロントシェル20の加締について説明する。図11は図2の11−11線に沿って断面した組立体1の断面図である。フロントシェル20の上下の小片92、98が、夫々、ハウジング2の凹み102、108内に折り曲げられて加締られている状態が明瞭に示されている。他の小片94、96に付いても同様な状態に加締がなされているが、断面図は省略する。
【0041】
次にタイン保持部について説明する。タイン保持部180(図8、図9)は、ハウジング2の下部にハウジング2の底壁184と一体に成形され、コンタクト14のタイン部40を保持する。また、タイン保持部182(図8、図10)は、コンタクト16のタイン部41を保持する。これらのタイン保持部180、182は、タイン部40、41を、基板のスルーホールに対応する位置に保持する、後方に開放する保持溝186を有する。タイン部40、41は、このタイン保持部180、182により基板の貫通孔(図示せず)に対応して整列される。
【0042】
また、コネクタ部4については、2つの保持溝186の間にシールド板保持部188が形成されている。このシールド板保持部188は、保持溝186と同様に後方に開放する保持溝190(図8)を有し、この保持溝190内に前述のシールド板19の下方に延びる延長部148が受容されて、延長部148に連続して下方に延びるタイン152の位置決めがなされる。隣接するコンタクト14のタイン部40b、40bの間は、タイン部40bのオフセットにより0.8mmから1.6mmに間隔が拡大しているので、シールド板19は、隣接するコンタクト14と接触することなく適切に配置してクロストークを防止することができる。
【0043】
次に、本発明を構成するシールド板19の詳細について、図12を参照して更に説明する。図12は、シールド板19の単品を示す図であり、(a)および(b)は、夫々、シールド板19の背面図、側面図である。シールド板19の接触面162には、リアシェル22との接触を確実にするために、打ち出しにより形成した3角形の突起192が、上下に離隔して2個形成されている。また、遮蔽面42のタブ154には、ハウジング2と干渉係合して確実に固定されるようバーブ194が両側縁に形成されている。さらに、タイン152にはタイン152の長手方向に沿って、補強の為のビード196が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立体を分解して、その構成の概略を説明する概略分解斜視図
【図2】図1の組立体の正面図
【図3】図1の組立体の平面図
【図4】図1の組立体の右側面図
【図5】図1の組立体の左側面図
【図6】図1の組立体の底面図
【図7】図1の組立体の背面図
【図8】コンタクトを取り付けたハウジングを後部から見た背面図
【図9】図2の組立体を9−9線に沿って切断した組立体の断面図
【図10】図2の組立体を10−10線に沿って断面した組立体の断面図
【図11】図2の組立体を11−11線に沿って断面した組立体の断面図
【図12】シールド板の単品を示す図であり、(a)は、シールド板19の背面図、(b)は側面図である
【符号の説明】
1 シールドコネクタ組立体
2 絶縁ハウジング
14a 他方のコンタクト
14b 一方のコンタクト
19 シールド板
20 フロントシェル
21 シールドシェル
22 リアシェル
40a、40b タイン部
42 遮蔽面
180、182 タイン保持部

Claims (2)

  1. 絶縁ハウジングと、該絶縁ハウジング内に少なくとも一列に保持されたコンタクトと、該コンタクト間に配置されたシールド板とを備えた、基板取付型のシールドコネクタ組立体において、
    前記列方向に隣接する前記コンタクトのうち一方のコンタクトのタイン部は、他方のコンタクトのタイン部の方へ前記列と直交する方向に前記タイン部同士が整列するようオフセットされ、
    前記絶縁ハウジングに、前記タイン部の先端部を整列して保持するタイン保持部が前記ハウジングと一体に設けられ、
    前記シールド板が、前記列と直交する方向に延びる遮蔽面を有し、前記タイン部のオフセットにより前記列と直交する方向に整列した前記タイン部の間に形成された空間内に前記遮蔽面が配置されるよう前記絶縁ハウジングに取りつけられることを特徴とするシールドコネクタ組立体。
  2. 前記絶縁ハウジングに、金属製のシェルが外装され、該シェルに前記シールド板が電気的に接触していることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ組立体。
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