JP3689180B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
固体撮像装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3689180B2 JP3689180B2 JP15536096A JP15536096A JP3689180B2 JP 3689180 B2 JP3689180 B2 JP 3689180B2 JP 15536096 A JP15536096 A JP 15536096A JP 15536096 A JP15536096 A JP 15536096A JP 3689180 B2 JP3689180 B2 JP 3689180B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid
- state imaging
- imaging device
- resin
- sealing resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/50—Tape automated bonding [TAB] connectors, i.e. film carriers; Manufacturing methods related thereto
Landscapes
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
- Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
- Wire Bonding (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡に内蔵される固体撮像装置、および固体撮像装置等に用いられる封止樹脂の選定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、開腹手術を避けて、点型手術を施術することが行われつつある。このような点型手術には、固体撮像装置を内蔵した内視鏡が広く使用されている。
【0003】
図6を参照して内視鏡に内蔵される従来の固体撮像装置40の構成を説明する。この固体撮像装置40は、撮像面41が透明保護板(ガラス板)42によって覆われた固体撮像素子43と、回路モジュール44と、セラミックベース板45とを順次ステンレスの収納枠46内に収納して構成されている。固体撮像素子43と回路モジュール44とは、TABリード47、セラミックべース板45の配線パターン(図示省略)、および電極ピン52を介して接続されている。なお、図中符号48はTABリード47に設けられたバンプであり、49はTABリード47を挟持した状態で透明保護板42と固体撮像素子43とを接着するアクリル樹脂からなる接着樹脂であり、50は透明保護板42および固体撮像素子43と収納筒46との間に充填されたエポキシ樹脂からなる封止樹脂であり、51は収納筒46の回路モジュール側端面を封止する封止板である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、医療用に用いられる機材には滅菌処理を施すことが必要不可欠であり、内視鏡の滅菌処理には、蒸気滅菌法(以下、オートクレーブと呼ぶ)が、最も一般的で、且つ確実な方法として採用されている。内視鏡では、通常、約140℃の飽和水蒸気中に20分程度晒すことでオートクレーブを行っている。
【0005】
しかしながら、内視鏡に内蔵される従来の固体撮像装置40では、オートクレーブに十分対応した防水性能を有しておらず、オートクレーブによって蒸気環境中に晒した場合、封止樹脂50に水が浸透して撮像面41と透明保護板42との間に水分(水蒸気等)が浸入することがあった。水分の侵入は、接続箇所に対する水滴の付着や接着樹脂49の変質を引き起こして接続不良の原因となったり、撮像画面上にシミを発生させて画像不良の原因となるので都合の悪いものであった。
【0006】
このような不都合を回避するためには、封止樹脂50に用いる樹脂として、オートクレーブの条件に対応して十分なる防水性能を発揮できるものを選定すればよいのであるが、種々ある樹脂材料から、封止樹脂50に適した樹脂材料を選定する方法がなく、その選定方法の確立が望まれていた。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、接続不良、撮像画像の乱れの原因となる水分の侵入を確実に防止することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、撮像面が透明保護板で覆われた固体撮像素子と、前記透明保護板の接着端縁を被覆して、前記接着端縁を介して前記透明保護板と前記固体撮像素子の隙間に水分が侵入することを防止する封止樹脂とを備えた固体撮像装置において、次の構成を有している。
【0009】
すなわち、本発明の固体撮像装置では、収納筒を備えるとともに、前記固体撮像素子を、前記透明保護板を筒端に露出させた状態で前記収納筒に収納しており、かつ、前記封止樹脂は、前記収納筒の内面と前記接着端縁との間に充填されており、前記封止樹脂は、固体撮像装置が140℃の飽和水蒸気環境に晒される1回当たり20分行うオートクレーブを所定回数行うという使用条件及び固体撮像装置が水蒸気に晒されている時間を変数としたフィックの拡散法則から求められるこの封止樹脂の水拡散距離より、前記透明保護板表面から前記接着端縁にわたる封止樹脂領域の樹脂幅が広いものであるとして、接続不良、撮像画像の乱れの原因となる水蒸気の侵入を防止した。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、撮像面が透明保護板で覆われた固体撮像素子と、前記透明保護板の接着端縁を被覆して、前記接着端縁を介して前記透明保護板と前記固体撮像素子の隙間に水分が侵入することを防止する封止樹脂とを備えた固体撮像装置であって、収納筒を備えるとともに、前記固体撮像素子を、前記透明保護板を筒端に露出させた状態で前記収納筒に収納しており、かつ、前記封止樹脂は、前記収納筒の内面と前記接着端縁との間に充填されており、前記封止樹脂は、固体撮像装置が140℃の飽和水蒸気環境に晒される1回当たり20分行うオートクレーブを所定回数行うという使用条件及び固体撮像装置が水蒸気に晒されている時間を変数としたフィックの拡散法則から求められるこの封止樹脂の水拡散距離より、前記透明保護板表面から前記接着端縁にわたる封止樹脂領域の樹脂幅が広いものであるとしており、これにより次の作用を有する。すなわち、樹脂露出面から封止樹脂内に多少の水分は浸透するが、樹脂露出面と接着端縁とにわたる樹脂幅が封止樹脂の水拡散距離より広いため、固体撮像装置が含水環境に滞留する時間を超過しても水分は封止樹脂の内側の表面、すなわち、撮像面と透明保護板との接着端縁まで達することはない。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に係る発明において、前記接着端縁および前記収納筒の内面には、その周面にわたってシランカップリング処理層ないしチタンカップリング処理層が形成されており、これにより次の作用を有する。すなわち、接着端縁と封止樹脂および収納筒内面と封止樹脂とがシランカップリング処理層ないしチタンカップリング処理層によって強固に密着されることになり、接着端縁と封止樹脂との隙間や、収納筒内面と封止樹脂との隙間から水分が浸透することがなくなる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に係る固体撮像装置において、固体撮像素子を駆動する駆動回路部品を実装して前記収納筒に収納される回路モジュールと、この回路モジュールを収納筒内に封入する充填樹脂とを更に備えており、かつ、前記充填樹脂の熱膨張係数をαとし、前記回路モジュールの熱膨張係数をβとすると、充填樹脂は、β×10≧α≧β×0.1の値を満足する樹脂材料から構成されており、これにより次の作用を有する。すなわち、充填樹脂が熱膨張する具合と回路モジュールが熱膨張する具合との間で隔たりがほとんどなくなり、充填樹脂と回路モジュールとの熱膨張具合の隔たりに起因する樹脂剥がれが発生しなくなる。
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態の固体撮像装置1の断面図である。
【0017】
この固体撮像装置1は、固体撮像素子2と、固体撮像素子2の撮像面3を若干の隙間3aを空けて密封するガラス製の透明保護板4と、固体撮像素子2を駆動する回路モジュール5と、セラミックベース板6と、セラミックベース板6から突出するリード端子7と、ステンレスの収納筒8と、封止樹脂9とを備えている。回路モジュール5の間には電極ピン13が介装されており、固体撮像素子2と回路モジュール5とは、TABリード10、セラミックべース板6の配線パターン(図示省略)、および電極ピン13を介して接続されている。また、回路モジュール5とリード端子7とは、電極ピン13およびセラミックベース板6の配線パターン(図示省略)を介して接続されている。
【0018】
固体撮像素子2、回路モジュール5およびセラミックベース板6は順次積層配置されたうえで、リード端子7を収納筒8から突出させて収納筒8に収納されている。
【0019】
封止樹脂9は、透明保護板3上を覆うことなく収納筒8の隙間に充填されている。封止樹脂9は、封止樹脂領域9aと充填樹脂領域9bとを有している。封止樹脂領域9aは、封止樹脂9のうち、収納筒8内面と透明保護板4との間に封入された領域を指しており、この封止樹脂領域9aによって、外部から固体撮像素子2と透明保護板4との接着端縁2aを介して隙間3a内に水分が侵入するのを防止している。充填樹脂領域9bは、封止樹脂領域9a以外の封止樹脂9の領域を指しており、この充填樹脂領域9bによって回路モジュール5やセラミックベース板6は収納筒8内に封入されている。封止樹脂9は、金属フィラの添加等により防水性能を高めたエポキシ樹脂から構成されている。
【0020】
なお、図中、符号11は、TABリード10に固体撮像素子2との接続用に設けられたバンプであり、12は、アクリル樹脂からなりTABリード7と透明保護板4とを接着する樹脂層であり、14は、透明保護板4、固体撮像素子2、回路モジュール5,セラミックべース板6、およびTABリード10からなる固体撮像素子ユニットである。
【0021】
次に、この固体撮像装置1の製造を順を追って説明する。
【0022】
まず、図2(a)に示すように、転写バンプ法等によりAu等によりTABリード10に形成したバンプ11と固体撮像素子2の電極パッド(図示省略)とをシングルポイントボンディング法等により接続する。そして、図2(b)に示すように、TABリード10と固体撮像素子2を接続した部分にアクリル樹脂からなる樹脂層12を塗布したうえで撮像面3上に透明保護板4を載置し、樹脂層12によって透明保護板4を固体撮像素子2に接着する。
【0023】
次に、電極ピン13を間に挟んだ状態で、回路モジュール5とセラミックベース板6とを積層配置し、さらには、回路モジュール5どうしおよび回路モジュール5とセラミックべース板6の配線パターン(図示省略)とを、介装した電極ピン13によって接続する。そして、図2(c)に示すように、回路モジュール5上に、TABリード10を接続した固体撮像素子2とを配置し、はんだによる熱圧着法等により、TABリード10をセラミックベース板6にOLB(アウターリードボンディング)し、これにより、固体撮像素子ユニット14を形成する。
【0024】
図3に示すように、このようにして形成した固体撮像素子ユニット14を収納する収納筒8を用意し、固体撮像素子14と収納筒8とにシランカップリング処理を施して、その表面にシランカップリング処理層15を形成する。シランカップリング処理は、固体撮像素子ユニット14の表面および収納筒8の表面にシラン系カップリング剤を塗布したのち、150℃で約100分焼成し、図4のモデルに示めされるような層15を形成することをいう。なお、シランカップリング処理層15は極薄い層であるので、図4にのみ図示し、その他の図では図示を省略している。また、シランカップリング処理層15に代えて、チタン系カップリング剤を用いたチタンカップリング処理を施してなるチタンカップリング処理層を形成してもよい。
【0025】
シランカップリング処理層15を形成したのち、固体撮像素子ユニット14を収納筒8内に挿入配置する。そして、収納筒8と固体撮像素子ユニット14との間の隙間に封止樹脂9となる材料樹脂(例えば、金属フィラを混入したエポキシ樹脂)を充分気泡を脱気した状態で隙間無く充填する。そして、充填した材料樹脂に対して、例えば、(130℃,30分)→(160℃,3時間)の熱処理を加えることで熱硬化させて封止樹脂9を形成する。このとき、収納筒8や固体撮像素子ユニット14の表面は、シランカップリング処理層15が形成されているので、封止樹脂9は、収納筒8に対しても、また、固体撮像素子ユニット14に対して強固に接着されることになる。そのため、収納筒8と封止樹脂9との間や、固体撮像素子ユニット14と封止樹脂9との間に、水分の侵入を許容する隙間は形成されない。このようにして、固体撮像装置1が作製される。
【0026】
ところで、固体撮像装置1において最も防水性が要求される箇所は固体撮像素子2と透明保護板6との接着端縁2aであり、接着端縁2aの防水性は封止樹脂領域9aの封止樹脂充填量によって左右される。以下、このことを説明する。
【0027】
接着端縁2aには、固体撮像装置1の透明保護板側表面1aと、セラミックべース板側表面1bとから水分が侵入するが、これら表面のうち、接着端縁2aにより近接する表面、つまり、セラミックべース板側表面1aから侵入してくる水分が、接着端縁2aの防水を維持するうえで問題となる。
【0028】
セラミックべース板表面1aと接着端縁2aとの間には、封止樹脂9の封止樹脂領域9aが介在しており、この封止樹脂領域9aによってセラミックべース板表面1aから侵入する水分を遮断している。したがって、140℃の飽和水蒸気環境で1回当たり20分行うオートクレーブを所定回数(例えば3000回)行うというオートクレーブの使用条件のもとでも、水分が封止樹脂領域9aを拡散透過しなければ、接着端縁2aの防水性は維持できる。
【0029】
そこで、封止樹脂9を構成する樹脂材料の上記オートクレーブ条件での水の拡散距離Lを算出する。そして、セラミックべース板側表面1aから接着端縁2aにわたる封止樹脂領域9aの樹脂幅(図1中,Hで表示)が、算出した上記拡散距離Lより長くなるように封止樹脂領域9aの大きさを設定する。
【0030】
図5は、封止樹脂9の材料として選定した、フィック型拡散を示すエポキシ樹脂の一種の実験結果の一例を示したものであって、横軸は時間t(ここでは、√t)を示しており、縦軸は、平板上に薄く延ばした材料樹脂(エポキシ樹脂)に所望の条件(上記したオートクレーブ条件)で水が吸脱着させたときにおける材料樹脂(エポキシ樹脂)の重量変化率を示している。
【0031】
図5の実験結果から導かれるように、フィック型拡散を示す材料樹脂(エポキシ樹脂)における水の拡散係数Dは次に示す▲1▼の実験式に従う傾きθから一般に求めることができる。
【0032】
この▲1▼式を基にして、log{1−M(t)/M(∞)}に対する時間tのプロットを作製し、作製したプロットが直線状となる領域(図5においてJで表示)の傾きθから材料樹脂(エポキシ樹脂)の拡散係数Dを求めることができる。図5の実験結果からは、上記オートクレーブ条件での材料樹脂(エポキシ樹脂)における水の拡散係数Dは10.5(μm2/min)と算出できる。
【0033】
さらに、このような拡散係数Dを有する材料樹脂(エポキシ樹脂)を、上記したオートクレーブ条件の元にt秒間晒した際の、材料樹脂(エポキシ樹脂)における水粒子の平均拡散距離Lは次の▲2▼式で表される。
【0034】
L=√(4Dt)…▲2▼
▲2▼式により、上述したオートクレーブの使用条件において、材料樹脂(エポキシ樹脂)に水が拡散する距離(平均拡散距離の平均値)Lは約1.6μmと計算できる。
【0035】
そのため、算出した拡散距離(1,6μm)より封止樹脂領域9aの幅Hが長くなるように封止樹脂領域9aの大きさを設定すれば、この材料樹脂(エポキシ樹脂)で構成された封止樹脂領域9aでは、接着端縁2aから隙間3a内に水分が侵入することはなくなる。この固体撮像装置1では、撮像素子2上に透明保護板4を載置して、透明保護板4を露出させている構造上、封止樹脂領域9aの幅Hは透明保護板4の厚みと同等となっている。したがって、透明保護板4として、500μm程度の厚みを有するガラス板を用いる固体撮像装置1において、拡散係数D=10.5μm2の材料樹脂(エポキシ樹脂)からなる封止樹脂領域9aを形成すれば、オートクレーブ処理を重ねて行っても、隙間3a内に水分が侵入することはない。
【0036】
なお、上述した説明においては、封止樹脂9の材料樹脂として、エポキシ樹脂を例に説明したが、本発明は、封止樹脂として他のシリコン樹脂等のフィック型拡散を示す樹脂を用いた場合であっても同様に適用することができる。
【0037】
また、封止樹脂9の形成にあたっては材料樹脂と被接着物(固体撮像素子ユニット14や収納筒8)との熱膨張率の差による剥がれを防止する必要がある。
【0038】
そうしないと、
・固体撮像素子ユニット14(この場合、特に、問題となるのは透明保護板4)と封止樹脂9との間で樹脂剥がれが発生した場合には、剥がれた場所から水が浸透して隙間3aに侵入してしまう、
・収納筒8と封止樹脂9との間で樹脂剥がれが発生する場合には、収納筒8内面と接着端縁2aとのわたる封止樹脂領域9aの厚み(図1でKで表示)も、上述の方法で算出した平均拡散距離Lより大きくする必要があり、封止樹脂領域9aの大きさの設計が複雑化する、
といった不都合が生じる。
【0039】
しかしながら、この固体撮像装置1では、収納筒8の内面や固体撮像素子ユニット14にシランカップリング処理層15を形成することで、収納筒8や固体撮像素子ユニット14の樹脂接着力を高めており、懸念している樹脂剥がれは発生しない。
【0040】
また、固体撮像素子ユニット14と封止樹脂9との間で樹脂剥がれが発生しないようにするためには、固体撮像素子ユニット14と封止樹脂9との間の熱膨張係数の差が重要となる。この固体撮像装置1では、封止樹脂9と固体撮像素子ユニット14との間で熱膨張係数の差が1桁以下(封止樹脂9の熱膨張係数をαとして、固体撮像素子ユニット14の熱膨張係数をβとすると、β×10≧α≧β×0.1の値を満足する)である樹脂材料を封止樹脂9として用いている。そのため、固体撮像素子ユニット14と封止樹脂9との間で樹脂剥がれが発生することはない。
【0041】
次に、本発明を、封止樹脂領域9aに用いる樹脂材料の選定方法として規定した実施の形態について、上述した固体撮像装置1を参照して説明する。すなわち、幅Hの封止樹脂領域9aを有する固体撮像装置1において、上述したオートクレーブの使用条件をクリアして、隙間3aに水分が侵入しないようにするためには、封止樹脂領域9aに充填する樹脂材料を次のように選定すればよい。すなわち、上述した▲1▼式や図5を元にしてオートクレーブ条件での各樹脂材料の拡散係数Dを算出し、算出した拡散係数Dを上記▲2▼式に代入することで拡散距離Lを算出する。そして、算出した拡散距離Lと、固体撮像装置1の封止樹脂領域9aの幅Hとを比較し、L<Hとなる樹脂材料は封止樹脂領域9aに充填する樹脂材料に適しているとして選定する一方、L≧Hとなる樹脂材料は封止樹脂領域9aに充填する樹脂材料に適していないとして除外する。このようして、樹脂材料を選定すれば、オートクレーブに起因する接続不良や画像不良を未然に防止することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、次のような効果を奏する。
【0043】
請求項1の効果
樹脂露出面と接着端縁とにわたる樹脂幅が封止樹脂の水拡散距離より広いため、固体撮像装置が含水環境に滞留する時間を超過しても水分は封止樹脂の内側の表面、すなわち、撮像面と透明保護板との接着端縁まで達することはなくなる。そのため、オートクレーブ処理を行っても、固体撮像素子の撮像面と透明保護板との間に水分が浸入することがなくなり、水の侵入に起因する接続不良、撮像画像乱れを防止することができる。
【0044】
請求項2の効果
接着端縁と封止樹脂との間の収納筒と封止樹脂との間に隙間が形成されることがなくなり、さらに防水性能を高めることができる。
【0045】
請求項3の効果
充填樹脂が熱膨張する具合と回路モジュールが熱膨張する具合との間で隔たりがほとんどなくなり、充填樹脂と回路モジュールとの熱膨張具合の隔たりに起因する樹脂剥がれが発生しなくなり、さらに防水性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における固体撮像装置の構造を示す断面図である。
【図2】一実施の形態の固体撮像装置の前半の組み立て工程をそれぞれ示す図である。
【図3】一実施の形態の固体撮像装置の製造途中の状態を示す図である。
【図4】シランカップリング処理工程の説明図である。
【図5】フィック型拡散を示すエポキシ樹脂の実験結果を示す図である。
【図6】従来例の固体撮像装置構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固体撮像装置 2 固体撮像素子
2a 接着端縁 3 撮像面
4 透明保護板 5 回路モジュール
8 収納筒 9 封止樹脂
9a 封止樹脂領域 9b 充填樹脂領域
14 固体撮像素子ユニット 15 シランカップリング処理層
Claims (3)
- 撮像面が透明保護板で覆われた固体撮像素子と、前記透明保護板の接着端縁を被覆して、前記接着端縁を介して前記透明保護板と前記固体撮像素子の隙間に水分が侵入することを防止する封止樹脂とを備えた固体撮像装置であって、
収納筒を備えるとともに、前記固体撮像素子を、前記透明保護板を筒端に露出させた状態で前記収納筒に収納しており、
かつ、前記封止樹脂は、前記収納筒の内面と前記接着端縁との間に充填されており、
前記封止樹脂は、固体撮像装置が140℃の飽和水蒸気環境に晒される1回当たり20分行うオートクレーブを所定回数行うという使用条件及び固体撮像装置が水蒸気に晒されている時間を変数としたフィックの拡散法則から求められるこの封止樹脂の水拡散距離より、前記透明保護板表面から前記接着端縁にわたる封止樹脂領域の樹脂幅が広いものであることを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1記載の固体撮像装置であって、前記接着端縁および前記収納筒の内面には、その周面にわたってシランカップリング処理層ないしチタンカップリング処理層が形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
- 請求項1記載の固体撮像装置であって、固体撮像素子を駆動する駆動回路部品を実装して前記収納筒に収納される回路モジュールと、この回路モジュールを収納筒内に封入する充填樹脂とを更に備えており、
かつ、前記充填樹脂の熱膨張係数をαとし、前記回路モジュールの熱膨張係数をβとすると、充填樹脂は、β×10≧α≧β×0.1の値を満足する樹脂材料から構成されていることを特徴とする固体撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15536096A JP3689180B2 (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 固体撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15536096A JP3689180B2 (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 固体撮像装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH104185A JPH104185A (ja) | 1998-01-06 |
JP3689180B2 true JP3689180B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=15604216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15536096A Expired - Fee Related JP3689180B2 (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 固体撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3689180B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4855168B2 (ja) * | 2006-07-27 | 2012-01-18 | オリンパス株式会社 | 固体撮像装置 |
JP2008109378A (ja) | 2006-10-25 | 2008-05-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光学デバイスモジュールとその製造方法および光学デバイスユニットとその製造方法 |
JP6602255B2 (ja) * | 2016-05-09 | 2019-11-06 | オリンパス株式会社 | 医療機器用電子基板 |
JP6980159B1 (ja) * | 2021-02-08 | 2021-12-15 | 三菱電機株式会社 | 表示装置および表示装置に接続される制御装置 |
-
1996
- 1996-06-17 JP JP15536096A patent/JP3689180B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH104185A (ja) | 1998-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI278121B (en) | FBGA and COB package structure for image sensor | |
JP4834412B2 (ja) | 固体撮像装置およびこれを用いた電子内視鏡 | |
US20040041221A1 (en) | Leadless packaging for image sensor devices and methods of assembly | |
CN108604574A (zh) | 半导体装置及制造方法、成像装置、以及电子设备 | |
TWI591368B (zh) | Radiation detector and manufacturing method thereof | |
JP2005101711A (ja) | 固体撮像装置およびその製造方法 | |
TW200903746A (en) | Image sensor package utilizing a removable protection film and method of making the same | |
CN108140648A (zh) | 固态成像器件封装和制造方法,及电子装置 | |
JP4234304B2 (ja) | 放射線検出器 | |
JP3689180B2 (ja) | 固体撮像装置 | |
JP3885670B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP3827310B2 (ja) | 固体撮像装置の製造方法 | |
JPH0621414A (ja) | 固体撮像装置とその製造方法 | |
JP2001068654A (ja) | 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 | |
JP4446977B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP4746811B2 (ja) | 医用イメージング・デバイス用の封止式検出器の製造方法及び装着方法 | |
JPH056989A (ja) | 撮像装置およびその製造方法 | |
JPS6027176A (ja) | 固体撮像装置 | |
KR101479963B1 (ko) | 스크린된 샌드위치 구조를 갖는 열 방출을 감지하기 위한 장치, 및 상기 장치의 사용 | |
JPH10144898A (ja) | 固体撮像装置 | |
JP4234305B2 (ja) | 放射線検出器 | |
JP2005217322A (ja) | 固体撮像装置用半導体素子とそれを用いた固体撮像装置 | |
JP2750254B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP6357732B2 (ja) | 固体撮像装置及び電子カメラ | |
JPS61174766A (ja) | 固体撮像装置とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050405 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050418 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050610 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |