JP3689128B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気ディスク、相変化型光ディスクなどの可換記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置に関し、特に、マスター媒体に記録された情報を他の複数の媒体にコピーする情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、小型コンピュータなどにおいて、媒体の交換や持ち運びが可能な可換型の情報記録媒体として、フロッピーディスク等が広く用いられている。また、最近では画像データなどの大量のデータを記録可能な情報記録媒体として、光磁気ディスクとか相変化型光ディスクなどの光学式の可換記録媒体が用いられている。
【0003】
このような可換記録媒体は、媒体における全情報の複写(コピー)を行うことにより、原版の媒体(マスター)から同一の情報が記録された媒体を得ることも可能となっている。例えば情報内容を頒布する場合などに、マスター媒体から複数の媒体にコピーすることが行われている。
【0004】
光磁気ディスクやフロッピーディスク等を用いた記録再生装置において、マスターディスクに記録された情報を複数のディスクにコピーし、同一の情報内容のディスクを複数同時に作成できるようにした可換記録媒体コピー装置が種々提案されている。
【0005】
本出願人は、特願平6−121565号において、マスター媒体に記録された情報を複数のコピー先媒体にコピーする情報記録再生装置として、マスター媒体再生手段にマスター媒体が装着されたことを検出し、マスター媒体の装着によってコピー処理を開始するコピー制御手段を備えたものを提案している。この装置によれば、媒体を装置に挿入するだけでコピー処理を容易に開始でき、簡単な操作で複数の媒体に情報をコピーすることが可能となる。
【0006】
このような情報記録再生装置は、例えば媒体として光磁気ディスクを用いたものでは、複数のコピー先ディスクを各々コピー先媒体記録手段となるコピー先用ディスクドライブユニットに装着した後、マスターディスクをマスター媒体再生手段となるマスター用ディスクドライブユニットに装着することによってコピー処理を開始する。このとき、コピー制御手段はマスターディスク及びコピー先ディスクの挿入状態を検出して、コピー先ディスクが装着されたコピー先用ディスクドライブユニットに対応する表示LEDを消灯するようにし、マスターディスクがマスター用ディスクドライブユニットに装着されるまで待機状態となる。また、電源投入以前にマスターディスクまたはコピー先ディスクがドライブユニットに挿入されていた場合は、ディスクドライブユニットより媒体を排出するようにする。そして、コピー制御手段はコピー処理中の異常の発生を検出して、コピー処理を終了するときに、コピー処理が正常に終了したマスター及びコピー先ディスクをディスクドライブユニットから排出し、コピー処理中に異常があった媒体はディスクドライブユニットから排出しないようになっている。
【0007】
前述した特願平6−121565号の装置では、コピー処理を開始する際に、コピー制御手段はコピー元ディスクがコピー元用ドライブユニットに挿入されたことを検出して、媒体が装着されたディスクドライブユニットに対応する表示LEDを消灯し、待機状態とするようになっている。この機能構成では、以下のような問題点が発生する。
【0008】
媒体として高密度記録により記録容量を大きくした2倍密ディスク等を使用可能なディスクドライブユニットを用いる場合、コピー先用ディスクドライブユニットに倍密でないディスクが挿入されたり、またはマスターディスクが倍密でないディスクであったときには、コピー先用ディスクに2倍密で記録するのか、通常の記録密度で記録するのか、判断ができず、適切なコピー処理が行えない問題点がある。
【0011】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、効率的に適切なコピー処理を行うことが可能な情報記録再生装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報記録再生装置は、マスター媒体に記録された情報を読み出す情報読み込み用光ヘッド部を有するマスター媒体再生手段と、前記読み出されたマスター媒体の情報をコピー先媒体に書き込む情報書き込み用光ヘッド部をそれぞれ有する複数のコピー先媒体記録手段とを備え、マスター媒体に記録された情報を複数のコピー先媒体にコピーする情報記録再生装置であって、前記複数のコピー先媒体記録手段のうち少なくともひとつのコピー先媒体記録手段に所定のコピー先媒体が装着されると共に、当該コピー先媒体記録手段が、前記情報書き込み用光ヘッド部を作動させることでフォーカスサーチを行いフォーカスエラー信号が最小になったときにサーチ動作を停止してフォーカスサーボをオンにしフォーカス制御を開始する処理及びコントロールトラックの再生処理を行って待機状態となった後、前記マスター媒体再生手段に所定のマスター媒体が装着され、当該マスター媒体再生手段が、前記情報読み込み用光ヘッド部を作動させることでフォーカスサーチを行いフォーカスエラー信号が最小になったときにサーチ動作を停止してフォーカスサーボをオンにしてフォーカス制御を開始する処理及びコントロールトラックの再生処理を行って待機状態となった際、当該コピー先媒体記録手段に装着されたコピー先媒体の記録容量と当該マスター媒体再生手段に装着されたマスター媒体の記録容量とを比較し、当該コピー先媒体の記録容量が当該マスター媒体の記録容量より大きいかまたは一致したときに当該マスター媒体に記録された情報を当該コピー先媒体にコピーする処理を開始するよう制御するコピー制御手段を備えることを特徴とする。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1及び図2は本発明の一実施例に係り、図1は情報記録再生装置の構成を示すブロック図、図2は情報記録再生装置におけるコピー処理開始までの動作を示すフローチャートである。
【0019】
本実施例は、可換記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置として、マスター媒体の情報を複数のコピー先媒体にコピーする機能を有する可換記録媒体コピー装置の構成例を示したものである。本実施例では、可換記録媒体に光磁気ディスクを用いた光磁気ディスク装置を例にとり説明する。なお、可換媒体としては光磁気ディスクに限らず、相変化型光ディスク、光サーボを用いたフロッピーディスクなどの媒体を用いた装置においても本実施例を適用可能である。
【0020】
図1に示すように、本実施例の情報記録再生装置は、コピー元のマスターディスクを装着しマスターディスクに記録されたデータを読み出すマスター媒体再生手段としてのマスターディスク読み出し用のディスクドライブユニット1aと、コピー先ディスクを装着しコピー先ディスクへデータを書き込むコピー先媒体記録手段としてのコピー先ディスク書き込み用の複数のディスクドライブユニット1b,1c,…とを備えている。これらのマスター用及びコピー先用のディスクドライブユニット1a,1b,1cは、それぞれに自身のドライブを制御するドライブ制御ユニット2を有している。
【0021】
また、情報記録再生装置は、前記複数のディスクドライブユニット1a,1b,1cを制御するコピー制御手段としての制御部4を備えており、マスター用及びコピー先用のディスクドライブユニット1a,1b,1cが2系統のSCSI(Small Computer System Interface )バス3a,3bを介して制御部4に接続されている。図1の例では、ディスクドライブユニット1a,1bはSCSIバス(1) 3aに接続され、ディスクドライブユニット1cはSCSIバス(2) 3bに接続されており、各SCSIバス3a,3bを介して制御部4との間で制御コマンドやデータの転送がなされるようになっている。なお、図ではコピー先用のディスクドライブユニットは1bと1cの2つしか示していないが、各SCSIバス3a,3bに複数のコピー先用のディスクドライブユニットを接続するようにしても良い。
【0022】
ドライブ制御ユニット2は、マイクロプロセッサ(MPU)から構成されるドライブコントローラ(DRVC)10と、ディスクを回転させるスピンドルモータ11や光ヘッド12のボイスコイルモータを駆動制御するモータ制御部13と、光ヘッド12から読み出されたリードパルスよりディスクのコントロールトラック中のSFP(Standard Format Part)を検出するSFP検出部14と、光ヘッド12の発光制御やフォーカス制御を行う発光/フォーカス制御部15とを有している。ドライブコントローラ10は、光ヘッド12から読み出されたリードパルスを入力してリードデータを復調したり、前記モータ制御部13,SFP検出部14,発光/フォーカス制御部15に制御信号を送出してスピンドルモータ11の回転制御,光ヘッド12の半導体レーザの発光調整,フォーカスサーボ引き込み調整,コントロールトラックの再生などの初期化処理を行うよう構成されている。
【0023】
制御部4は、各部の制御を行うCPU5と、コピー動作時にマスター用のディスクドライブユニット1aより所定量のブロックずつ読み出したマスターディスクのデータを記憶するバッファメモリ6と、SCSIバス(1) 3a及びSCSIバス(2) 3bの各バス上のシーケンス制御を行うSCSIプロトコルコントローラ(SPC)(1) 7,(2) 8とを備えて構成されている。また、装置の動作状態の表示等を行う表示操作パネル9が設けられ、制御部4のCPU5に接続されている。この表示操作パネル9には、コピー進捗度表示、マスターディスクやコピー先ディスクの全容量表示、あるいはディスクドライブユニットの故障表示などを設けるようにしてある。
【0024】
制御部4において、図1中の矢印で示すようにCPU5から制御信号がSPC(1) 7,SPC(2) 8,バッファメモリ6,表示操作パネル9に送られ、各部が制御されるようになっている。CPU5によって、SPC(1) 7,SPC(2) 8を介してSCSIバス3a,3b上の各ディスクドライブユニット1a〜1cにおける記録再生動作の制御が行われ、マスター用のディスクドライブユニット1aによってマスターディスク21のデータが所定量のブロックずつ読み出されてバッファメモリ6に記憶されると共に、このバッファメモリ6のデータがコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cに送られて各コピー先ディスク22に記録される。また、装置の状態に応じてCPU5により表示操作パネル9の表示制御が行われる。
【0025】
前記バッファメモリ6は、コピー処理時の時間効率を考慮して、例えば2MBの容量の半導体メモリから構成され、マスターディスク21から読み出された一部のデータを一時記憶するようになっている。本実施例の装置では、コピー処理を高速化するためにドライブ稼働率を向上させるように2系統のSCSIバスを有した構成となっている。SCSIバスの数は2つに限らず、配設するディスクドライブユニットの数に応じて適宜増減させればよい。
【0026】
次に、本実施例の情報記録再生装置における、マスターディスクのデータを複数のコピー先ディスクに同時にコピーするコピー処理の動作を以下に説明する。ここでは、コピー処理の開始までの動作を図2のフローチャートに示して詳しく説明する。
【0027】
コピーを行う際に、ユーザは、まずステップS1(以降はステップを省略して単にS1のように記す)で、コピー先のディスクを必要な枚数だけコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cに挿入することでドライブ内にコピー先ディスクをセットする。CPU5は、S2でコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cにおけるディスクの挿入状態を検出し、コピー先ディスクが挿入されていない場合はS1に戻ってディスクが挿入されるまで待機する。なお、電源投入以前にマスターディスクあるいはコピー先ディスクが挿入されていた場合は該当するディスクドライブユニットよりディスクを排出する。
【0028】
S2でコピー先ディスクの挿入が検出され、コピー先用のディスクドライブユニット1b,1c内にディスクが装着されると、S3に進んで各コピー先用のディスクドライブユニットの初期化処理が行われる。この初期化処理はディスクドライブユニットのドライブコントローラ10の制御により行われる。
【0029】
初期化処理において、まずドライブコントローラ10は、ディスクローディング完了を検出すると、モータ制御部13にモータオン信号を出力し、スピンドルモータ11を起動する。スピンドルモータ11は、予め設定された回転速度(例えば4200rpm)に向けて立ち上げられ、この所定の回転速度4200rpmに達するとモータ制御部13からドライブコントローラ10に定速制御開始信号が出力され、以降は前記所定の回転速度で定速制御される。
【0030】
次に、ドライブコントローラ10はモータ制御部13にボイスコイルモータ制御信号を送出し、光ヘッド12の図示しないボイスコイルモータを駆動する。これにより、光ヘッド12がボイスコイルモータによりコピー先ディスク22の内周方向へ移動する。
【0031】
その後、ドライブコントローラ10は発光/フォーカス制御部15に制御信号を出力し、光ヘッド12内の図示しない半導体レーザの発光調整を行う。この半導体レーザ発光調整のために、ドライブコントローラ10にはディスクドライブユニットに使用するコピー先ディスクに対応して予め定められた、再生、記録、消去時の各発光量がセットされている。発光/フォーカス制御部15は、ドライブコントローラ10からの各アクセス毎における発光量データを受けて光ヘッド12の半導体レーザを発光駆動し、発光/フォーカス制御部15内に設けたAPC回路によって各発光量制御を行う。そして、前記発光量制御により補正された発光量の値がドライブコントローラ10に送られてセットされ、以降はこの発光量値で発光量制御が行われる。
【0032】
また、ドライブコントローラ10は発光/フォーカス制御部15に制御信号を出力し、光ヘッド12のフォーカスサーボの調整を行う。発光/フォーカス制御部15は、ドライブコントローラ10によりスタート信号が与えられると光ヘッド12の対物レンズを予め定めたサーチ範囲で移動してフォーカスサーチを行い、フォーカスエラー信号が最小になったときにサーチ動作を停止してフォーカスサーボをオンにし、フォーカス制御を開始する。
【0033】
続いて、SFP検出部14によりコピー先ディスクの内周に設けられたコントロールトラック中のSFPを検出し、ドライブコントローラ10はSFP検出部14からのコントロールトラック信号(SFPのデータ)を入力して装着されたコピー先ディスクの媒体情報を検出する。コピー先ディスクの内周及び外周にはコントロールトラックが形成されており、このコントロールトラックにディスクのフォーマット形式,変調形式,1セクタ内のユーザデータのバイト数などの媒体情報が記録されている。ドライブコントローラ10は、コントロールトラックのSFPまたはPEP(Phase Encode Part )を光ヘッド12から出射される光ビームで走査して再生することにより、前記媒体情報を検出し、CPU5に送出する。これにより、コピー先ディスクが通常の記録密度のディスクか、あるいは2倍密,3倍密ディスクかなど、ディスクの仕様を識別することができる。
【0034】
以上でコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cにおける初期化処理が終了となり、ドライブコントローラ10は自身のディスクドライブユニットをリード/ライト可能なレディ状態とする。なお、前記初期化処理は各々のコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cにおいて独立して並列に行われる。
【0035】
このとき、CPU5は、S4でコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cがレディ状態となっているか否かを判断し、レディ状態となるまで待つ。そして、S5でCPU5は表示操作パネル9に制御信号を出力し、コピー先ディスクの記録容量(ディスクの記録容量が通常のもの/2倍密のものなど容量表示)などの前記識別したディスク情報を表示操作パネル9に表示する。この状態で、CPU5はコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cをレディ状態で待機させる。
【0036】
なお、コピー先ディスクは挿入するときにディスクカートリッジに設けられた書き込み保護機構としてのライトプロテクトのスライドスイッチをオフにしてライトプロテクトをかけないようにする。コピー先ディスクにライトプロテクトがかかっている場合などコピー先ディスクの挿入誤りがあった場合は、表示操作パネル9に異常表示を行う。これにより、ユーザが表示操作パネル9の表示部の異常表示を目視し、コピー先ディスクの挿入誤りを認識して、コピー先用のディスクドライブユニット1b,1cの対応するいずれかのイジェクトボタンを操作し、コピー先ディスクの排出を行うことも可能となる。あるいは誤りのあったコピー先ディスクを自動的に排出するようにしても良い。
【0037】
次いで、ユーザは、S6で、マスターディスクをマスター用のディスクドライブユニット1aに挿入することでドライブ内にマスターディスクをセットする。CPU5は、S7でマスター用のディスクドライブユニット1aにおけるディスクの挿入状態を検出し、マスターディスクが挿入されていない場合はS6に戻ってディスクが挿入されるまで待機する。
【0038】
S7でコピー先ディスクの挿入が検出され、マスター用のディスクドライブユニット1a内にディスクが装着されると、S8に進んでマスター用のディスクドライブユニットの初期化処理が行われる。
【0039】
このマスター用のディスクドライブユニットにおける初期化処理は、マスター用のディスクドライブユニット1aのドライブコントローラ10によって、ディスクローディング完了を検出した後に前述のコピー先用の場合と同様にモータ制御等の処理が行われる。この初期化処理において、マスターディスクのコントロールトラック中のSFPが検出されて媒体情報が検出され、マスターディスクの記録容量などディスクの仕様が識別される。マスター用のディスクドライブユニット1aにおける初期化処理が終了すると、ドライブコントローラ10は自身のディスクドライブユニットをリード/ライト可能なレディ状態とする。
【0040】
前述したコピー先用及びマスター用のディスクドライブユニットの初期化処理において、情報記録再生装置から完全にマスターあるいはコピー先ディスクを抜かないとき(前回と同一のディスクが装着されたとき)は、SFPデータを格納した図示されないメモリを読み出し、レディ状態とする。または、再度各ディスクを挿入したときに、CAVかZCAVかのディスクの方式のみが異なるときは上記同様の処理を行う。このように初期化処理の一部を省略することにより、無駄な処理時間をなくすことができる。
【0041】
このとき、CPU5は、S9でマスター用のディスクドライブユニット1aがレディ状態となっているか否かを判断し、レディ状態となるまで待つ。そして、CPU5はマスター用のディスクドライブユニット1aをレディ状態で待機させる。なおこのとき、マスターディスクの記録容量などのディスク情報をコピー先ディスクと同様に表示操作パネル9に表示するようにしても良い。
【0042】
続いて、S10でCPU5はマスターディスクの記録容量とコピー先ディスクの記録容量とを比較し、コピー先ディスクの容量に対してコピー元のマスターディスクの容量が大きいとき(NGのとき)はS11に進んで、表示操作パネル9にエラー表示を行うと共に、マスターディスク及びエラーに該当するコピー先ディスクの排出を行う。その後、S12で排出したディスクがコピー先ディスクか否かを判断し、コピー先ディスクの場合はS1に戻り、マスターディスクの場合はS6に戻る。
【0043】
なお、マスターディスクは挿入するときにディスクカートリッジに設けられた書き込み保護機構としてのライトプロテクトのスライドスイッチをオンにしてライトプロテクトをかけておくようにする。マスターディスクにライトプロテクトがかかっていない場合などマスターディスクの挿入誤りがあった場合は、表示操作パネル9に異常表示を行う。これにより、ユーザが表示操作パネル9の表示部の異常表示を目視し、マスターディスクの挿入誤りを認識して、マスター用のディスクドライブユニット1aのイジェクトボタンを操作し、マスターディスクの排出を行うことも可能となる。あるいは誤りのあったマスターディスクを自動的に排出するようにしても良い。
【0044】
S10でマスターディスクの記録容量とコピー先ディスクの記録容量とが一致した場合、あるいはコピー先ディスクの記録容量がマスターディスクの記録容量より大きい場合などコピー処理を行う際のコピー元及びコピー先のディスク容量に異常がない場合は、S13でCPU5はマスター用及びコピー先用の両方のディスクドライブユニットがレディ状態か否かを判断し、共にレディ状態で待機しているときにS14に進んでコピー処理を開始する。
【0045】
すなわち、ユーザがコピー先ディスク(1枚以上)をコピー先用のディスクドライブユニットに挿入したあとにマスターディスクをマスター用のディスクドライブユニット挿入するだけでコピー処理が開始されることになるが、このときCPU5は、各ディスクドライブユニットにおいて初期化処理が行われ、この初期化処理において得られるマスターディスク及びコピー先ディスクからのコントロールトラック情報(SFPの情報)を検出して双方のディスクの仕様を識別し、コピー処理を行うにあたってディスク記録容量等に異常がないことを認識すると共に、各ディスクドライブユニットがレディ状態で待機していることを検出したのち、コピー処理を開始する。
【0046】
コピー処理において、まず全てのディスクドライブユニット1a〜1cのイジェクトボタンをロックし、コピー処理中のディスクの誤排出を防止する。その後、マスターディスクの全面のデータをコピー先ディスクにコピーする。
【0047】
CPU5は、マスター用のディスクドライブユニット1aにコマンドを送り、マスターディスクの全データのうち所定量のブロックのデータをマスターディスク21から読み出し、SCSIバス3aを介して転送してバッファメモリ6に読み込む。そして、コピー先用のディスクドライブユニット1b,1cにコマンドを送り、バッファメモリ6のデータをSCSIバス3a,3bを介して転送してコピー先ディスク22に書き込む。そして、マスターディスクの全てのデータをコピー先ディスクにコピー終了するまで前記データのコピー動作を繰り返す。このとき、表示操作パネル9に制御信号を送ってコピー処理の進捗度を表示操作パネル9の表示部に%などで表示する。
【0048】
なお、コピー動作中にエラーが生じた場合は、表示操作パネル9にエラー表示を行うと共に、エラーがあったマスター用あるいはコピー先用のディスクドライブユニットを処理から外し、コピー処理続行不可能なときはコピー処理を中止する。
【0049】
全てのデータのコピーが終了すると、全てのディスクドライブユニット1a〜1cのイジェクトボタンのロックを解除し、マスター用及びコピー先用のディスクドライブユニット1a〜1cのうちコピー動作時にエラーが生じなかったドライブにコマンドを送り、コピーが正常終了したマスター及びコピー先ディスクのみを自動的に排出し、エラーがあったディスクは排出しないようにする。このとき、ユーザは表示操作パネル9のエラー表示によってディスクコピー時のエラーを認識し、ディスクドライブユニットのイジェクトボタンを押すことによって、エラーの生じたマスターあるいはコピー先ディスクを排出する。従って、ユーザ自身がエラーを確認してエラーの生じたディスクを排出しない限り、次の処理に進まないようになっている。
【0050】
なお、コピー処理前に、マスター用あるいはコピー先用のディスクドライブユニットにおいて半導体レーザの故障など装置のハード的な異常(機械的故障、電気的故障を含む)が発生した場合は、ディスクドライブユニットがレディ状態とならないのでコピー処理が開始されず、誤って故障のディスクドライブユニットに対してコピー処理の指示がなされることはない。よって、装置に故障が発生したときに無駄なコピー処理の実行を防止することができる。また、コピー処理中にディスクドライブユニットのハード的な異常が発生した場合は、CPU5はコピー処理を中止してエラー表示を行うと共に各ディスクを排出する。
【0051】
同一のマスターディスクのコピーをさらに行う場合は、ディスクドライブユニットから排出されたコピー済みのディスクを取り出し、新たなコピー先ディスクをコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cに挿入した後、再度同一のマスターディスクをマスター用のディスクドライブユニット1aに挿入してコピーを行う。また、他のマスターディスクのコピーを行う場合は、新たなコピー先ディスクをコピー先用のディスクドライブユニット1b,1cに挿入した後、他の異なるマスターディスクをマスター用のディスクドライブユニット1aに挿入してコピーを行う。
【0052】
本実施例の構成によれば、コピー先ディスク及びマスターディスクを挿入し、コピー先用及びマスター用のディスクドライブユニットにおいて初期化処理を行って記録再生可能なレディ状態となったことを認識してからコピー処理を開始することにより、コピー開始動作時に待ち時間がなく、効率的にコピー処理を開始することができる。
【0053】
また、前記初期化処理においてコピー先ディスク及びマスターディスクのコントロールトラックを再生して各ディスクの情報を検出し、双方のディスクの容量を比較確認してからコピー処理を開始することにより、同一の装置で記録容量の異なる2倍密ディスクまたは3倍密ディスクをユーザが選択して使用することができ、この場合に、コピー先ディスク及びマスターディスクの容量の大きさ等の媒体情報をコピー開始前にチェックすることができるため、媒体に応じた適切なコピー処理を行うことができる。これにより、媒体の記録容量に不具合がある場合に誤ったコピー処理を防止でき、無駄なコピー作業をなくすことができる。
【0054】
また、ディスクドライブユニットに故障が発生した場合などに、コピー処理にかかる動作を中止して迅速に各ディスクを排出し、コピー処理を開始しないようになっているため、装置に不具合がある場合に誤ってコピー処理を行ってしまうことを防止できる。
【0055】
以上により、効率的に適切なコピー処理を行うことが可能となる。
【0056】
[付記]
以上詳述したように本発明の実施態様によれば、以下のような構成を得ることができる。すなわち、
(1) マスター媒体に記録された情報を読み出すマスター媒体再生手段と、前記読み出されたマスター媒体の情報をコピー先媒体に書き込む複数のコピー先媒体記録手段とを備え、マスター媒体に記録された情報を複数のコピー先媒体にコピーする情報記録再生装置であって、
前記コピー先媒体記録手段にコピー先媒体が装着され該コピー先媒体記録手段が初期化処理を行って待機状態となり、かつ、前記マスター媒体再生手段にマスター媒体が装着され該マスター媒体再生手段が初期化処理を行って待機状態となったことを検出してコピー処理を開始するコピー制御手段を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
【0057】
(2) 前記コピー先媒体記録手段及びマスター媒体再生手段のそれぞれにおいて、前記初期化処理を制御するドライブコントローラを備えた前記付記(1)に記載の情報記録再生装置。
【0059】
(4) マスター媒体に記録された情報を読み出すマスター媒体再生手段と、前記読み出されたマスター媒体の情報をコピー先媒体に書き込む複数のコピー先媒体記録手段とを備え、マスター媒体に記録された情報を複数のコピー先媒体にコピーする情報記録再生装置であって、
前記コピー先媒体記録手段にコピー先媒体が装着され初期化処理が行われて該コピー先媒体記録手段が記録再生可能な待機状態となり、前記マスター媒体再生手段にマスター媒体が装着され該マスター媒体再生手段において初期化処理が行われたのちにコピー処理を開始するコピー制御手段を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、効率的に適切なコピー処理を行うことが可能な情報記録再生装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1及び図2は本発明の一実施例に係り、図1は情報記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本実施例の情報記録再生装置におけるコピー処理開始までの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1a…ディスクドライブユニット(マスター再生用)
1b,1c…ディスクドライブユニット(コピー先記録用)
2…ドライブ制御ユニット
3a,3b…SCSIバス
4…制御部
5…CPU
6…バッファメモリ
7,8…SCSIプロトコルコントローラ(SPC)
9…表示操作パネル
10…ドライブコントローラ
21…マスターディスク
22…コピー先ディスク
Claims (1)
- マスター媒体に記録された情報を読み出す情報読み込み用光ヘッド部を有するマスター媒体再生手段と、前記読み出されたマスター媒体の情報をコピー先媒体に書き込む情報書き込み用光ヘッド部をそれぞれ有する複数のコピー先媒体記録手段とを備え、マスター媒体に記録された情報を複数のコピー先媒体にコピーする情報記録再生装置であって、
前記複数のコピー先媒体記録手段のうち少なくともひとつのコピー先媒体記録手段に所定のコピー先媒体が装着されると共に、当該コピー先媒体記録手段が、前記情報書き込み用光ヘッド部を作動させることでフォーカスサーチを行いフォーカスエラー信号が最小になったときにサーチ動作を停止してフォーカスサーボをオンにしフォーカス制御を開始する処理及びコントロールトラックの再生処理を行って待機状態となった後、前記マスター媒体再生手段に所定のマスター媒体が装着され、当該マスター媒体再生手段が、前記情報読み込み用光ヘッド部を作動させることでフォーカスサーチを行いフォーカスエラー信号が最小になったときにサーチ動作を停止してフォーカスサーボをオンにしてフォーカス制御を開始する処理及びコントロールトラックの再生処理を行って待機状態となった際、当該コピー先媒体記録手段に装着されたコピー先媒体の記録容量と当該マスター媒体再生手段に装着されたマスター媒体の記録容量とを比較し、当該コピー先媒体の記録容量が当該マスター媒体の記録容量より大きいかまたは一致したときに当該マスター媒体に記録された情報を当該コピー先媒体にコピーする処理を開始するよう制御するコピー制御手段を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
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