JP3687932B2 - 石英ガラス製板材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、石英ガラス製板材の製造方法に関し、詳しくは、半導体ウエハの製造工程で用いられるフォトマスク等の石英ガラス製板材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハの製造工程では高温状態での処理作業が多く、その製造工程での細部において用いられるフォトマスク等の板状ガラス材にあっても、高温特性に優れたものが要求されている。そのため現在においては、高温特性に優れている石英ガラス製板材がこの役割を担っている。
一般的な石英ガラス製板材は、例えば、四塩化珪素等の珪素塩化物を気化し高温化学反応によりシリカ微粉をスートとして所定のバルク体に堆積して石英ガラスインゴットを製造した後、得られた石英ガラスインゴットをフォトマスク等の角形状に加工して製造される。インゴットを板状体に加工するためには、通常、1900℃以上の高温下で再溶融して角形状とした後、バンドソー等の切断機を用いて板状に切断する。その後、必要に応じてラッピング等の工具を用いて研削や研磨して仕上げている。石英ガラスは、融点が1900℃以上と高く、一般の板状ガラスの製造方法として広く用いられているフロート方法やフュージョン方法を用いることができないためである。
【0003】
また、シリカ系光ファイバー製造用に開発されたスート法、即ちVAD(vaporphase axial deposition) 法がある。このVAD法は多重火炎バーナを用い、シリカ微粉を生成して光ファイバー用の円柱棒を形成するものである。例えば、図5に光ファイバー製造用VAD法の概略説明図を示す。図5において、酸水素バーナ20、20’の上方に、出発棒21の球底形の先端部ターゲット22を配置し、出発棒21を回転しながらその先端部ターゲット22に、酸水素バーナ20、20’で、原料SiCl4 を火炎加水分解反応により生成するシリカ微粉を吹き付け、出発棒21を引上げながら先端部ターゲット22に多孔質シリカ材23を成長させて、電気炉24で焼結透明化する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のVAD方法は、光ファイバー用として開発されたこともあり、均一な円柱体を得ることを目的として種々の開発がなされてはいるが、このスート法で板状体を製造することは未だなされていない。また、前記したように、得られた石英ガラスインゴットをフォトマスク等の平板角形状とするため、1900℃以上の高温下に再溶融する必要があり、エネルギーを大量に使用するため製造コスト的な点で問題となっていた。更に、高温下での成形工程では、使用される治具や炉等から金属不純物元素が飛散するため、石英ガラスインゴットが汚染され、高純度な石英ガラス製板材を得ることが困難であった。この汚染を防止するためには、使用する治具や炉等を金属不純物元素の少ない部材とする必要もあり、生産コストを増大させることになり工業的にはより多くの問題点を有する。更にまた、大きな断面形状を有する石英ガラス製板材を作成する場合には、原材料のインゴットとして大きなものを得る必要もあり、別途大型炉等を要する等の問題もあった。
【0005】
本発明は、上記従来の石英ガラス製板材の製造方法での種々の問題点を鑑み、連続的、且つ、直接的に石英ガラス製板材を製造する方法及びその装置の提供を目的とする。また、それにより、従来の複数の成形工程を省略して生産効率を上げ、また、高温下での成形工程を省略してエネルギー使用量を削減すると共に、金属不純物元素による石英ガラス汚染がなく高純度な合成石英ガラス製板材を製造することを目的とする。発明者らは、上記目的のため、光ファイバー製造用に開発されたVAD法が、比較的簡便な操作及び装置で高純度の石英ガラスを製造することに着目し、VAD法を石英ガラス板材の製造に適用するために鋭意検討した。その結果、その基本的な原理を用いつつ、板材とするための必要な条件を見出し本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、酸水素炎により原料珪素化合物を加水分解して生成するシリカ微粉のスートを堆積させ石英ガラス材を製造する方法であって、(1)回転ローラ表面上にスートを層状に堆積させるスート層形成工程、(2)前記スート層形成工程で所定厚さに形成されたスート層を平板状にローラ表面から剥離するスート層剥離工程、及び(3)前記スート層剥離工程からの平板状スート層を焼結・透明化して石英ガラス板状体とする焼結・透明化工程を有することを特徴とする石英ガラス製板材の製造方法が提供される。本発明の石英ガラス製板材の製造方法において、スート層形成工程で形成される初期形成スート層が加熱されて高密度化されると共に、前記スート層剥離工程ではスート層表面が加熱され高密度化されて、同時にスート層が剥離することが好ましい。
【0007】
本発明の石英ガラス製板材の製造方法は上記のように構成され、所定幅の回転ローラ上に層状にシリカ微粉のスート層を形成し、スート層を平坦状態で剥離するため、平板状のスート層を得ることから、そのスート層を平板状を保持して加熱して焼結・透明化することにより平板状の石英ガラスとすることができる。従って、所定の厚さ、所定の幅及び所定の長さの石英ガラス製板材を製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき説明する。但し、本発明は下記実施形態に制限されるものではない。図1は本発明の石英ガラス製板材の製造方法を実施するための装置の一例の斜視説明図であり、図2はその断面説明図である。また、図3は加熱焼結炉の概略断面説明図である。
図1及び図2において、第1工程であるスート形成部は、低速で所定方向(図面では矢印で示した)に回転する主ローラ1、その主ローラ1の下部に配置した同心円状の多重管バーナ2、主ローラ1の外表面に接するように多重管バーナ2から流出するガスにより形成される火炎3、火炎先端部から主ローラ1が回転した位置に対応して主ローラ1表面を加熱して低温の火炎先端部で形成される低密度スート層上に形成される最終的に中間スート層となる中密度スート層4を緻密にして高密度化するヒータ5が設置されている。
また、主ローラ1の上方部には、バーナ2のガス流出口とその吸入口6とが、ローラ表面を中心に対向するように配設される排気装置7が設けられている。上記のようにセットされて、多重管バーナ2は図2に矢印で示すように主ローラの回転軸との平行線上を左右に往復移動して、ローラ表面上を火炎3が複数回往復してスート層の厚みを増大させながら、堆積スートを加熱して内側層が高密度で表面層が中密度のスート層を形成させる。
また、主ローラ1は、表面に堆積するスート層の純度を高め、かつ、耐熱性に優れる石英ガラス製が好ましい。また通常、熱変形を防止するため内部に冷却手段を設けることが好ましい。冷却手段としては、空冷あるいは水冷等の公知の各種冷却方式が採用できる。更に、堆積したスート層の剥離を円滑に行うため、主ローラ1の表面にはショットブラスト等の処理を施すことが好ましい。
【0012】
第2工程であるスート層剥離部は、主ローラ1が回転し、主ローラ1の外周部がほぼ水平方向となる位置に対応してその下方に設けられたヒータ6により形成される。即ち、所定の厚さに形成されたスート層は、主ローラ1の回転に伴い火炎3に接する領域から外れ、その表面スートは充分に加熱されていないため中密度表面層を有する中密度表面スート層8となり、中密度表面スート層8はヒータ9により加熱され表面外側層が緻密となると同時に熱収縮し、主ローラ1の回転と逆方向の力が働き堆積形成されたスート層が主ローラ1上から剥離される。
【0013】
剥離されたスート層は、次いで第3工程である焼結・透明化部に送られる。焼結・透明化部において、剥離されたスート層が、加熱焼結炉10を通過しながら上下に配設されたヒータ11、11により加熱焼結され透明な石英ガラスとなる。この場合、図3に示すように加熱焼結炉10の下部に設けたガス導入口12よりヘリウム等の不活性ガスを導入しスート層導入口から排気させるようにして炉内を流通させて、炉内を不活性ガス雰囲気とする。加熱焼結炉10は、上記ヒータ8が設けられる主ローラ1の外周部の接線方向に設けられ、剥離したスート層が加熱焼結炉10に自動的に誘導されるようにすることが好ましい。また、スタート時は、要すれば、例えば石英等耐熱性に優れた耐熱性板または棒状体(図示せず)で支持しスート剥離部から加熱焼結炉出口まで誘導するようにしてもよい。スート層は、加熱焼結炉10で石英ガラス化され送出されて、次いで、搬送手段の耐熱性ローラ13により搬送される。耐熱性ローラ13は、加熱焼結炉10の後方に設置され、主ローラ1の回転と同期して回転するようにすることにより、剥離スートを、順次、円滑且つ連続的に加熱焼結炉10を経て平板状の透明な石英ガラス板として搬送することができる。
【0014】
次ぎに、上記のように構成された石英ガラス製板材の製造装置を用い石英ガラス製板材の製造について説明する。
上記装置において、酸水素炎を形成しシリカ微粉を生成しスートを主ローラ1に付着させる多重管バーナ2として、例えば、4重管の同心円環状酸水素バーナを用い、最内管より原料ガスとして四塩化珪素等の珪素化合物を、その外側の2つの円環状管より熱源ガスの酸素ガス及び水素ガスを流出する。また、最外円環状管からはセパレートガスとして不活性ガスを流出して高温からバーナ本体を保護する。多重管バーナ2で形成される酸水素火炎中において、原料ガス珪素化合物は加水分解されシリカ微粉が生成され、火炎と接する主ローラ1の表面にはシリカ微粉のスートが堆積してスート層が形成される。この場合、主ローラ1の回転は、形成される酸水素火炎の先端方向と逆方向に回転するようにし、主ローラ1の表面が所定時間火炎に接するようにすると共に、回転速度も非常にゆっくり、例えば0.5〜2rpmとすることにより、通常、5〜30mmの所定厚さのスート層を得ることができる。主ローラ1の回転速度は、主ローラの径及びバーナの原料供給量、得ようとする透明石英ガラス板の板厚によって適宜選択することができる。
また、多重管バーナ2は、燃料及び原料ガスの流出を開始すると同時に、主ローラ1表面の軸方向のスート堆積量を均一にするため、主ローラ1の回転軸との平行線上を往復移動させる。この往復移動により、主ローラ1の軸方向の長さが酸水素炎幅よりも広い場合であっても、主ローラ1表面全域に均一な厚さのスート層を形成することができる。多重管バーナ2の往復移動速度及びバーナ火炎流量は、主ローラ1の回転速度を勘案し、所望するスート層の厚み等により適宜選択することができる。
【0015】
上記のようにして多重管バーナ2の酸水素炎で形成されるスート層は、先ず、火炎温度が比較的低い火炎先端と接する主ローラ1の回転軸より上方の表面にスートが堆積する。この酸水素炎先端で堆積するスートは、最終的なスート層の最内層となる。この場合、低温で形成されるスート層は、緻密化されず低密度層となり、主ローラ1の回転と共に、その上に更にスートが堆積されることになる。低密度スート層上に堆積するスートは、高温火炎下を通過すると共に火炎にも接近するため、最内層を形成する低密度スート層より高密度で中密度スート層が形成される。主ローラ1の回転と共に、この中密度スート層上にも、更にスートが同様に中密度で堆積する。しかし、低密度スートの最内層上に所定厚みの中密度スート層が形成された場合、本発明の加熱処理して表面スート層の高密度化に伴う熱収縮による剥離が円滑に行うことができない。中間部に中密度層が存在するために中間部から剥離されるおそれがあるためである。
本発明においては、最終的スート層の剥離を加熱処理で簡便に行うために、低密度の最内側スート層上に形成され最終的に低密度の最内層上の中間層となる中密度スート層を高密度化すると共に、外側層をそれより低密度の中密度層に保持する。そのため、上記したように低温の火炎先端部で主ローラ1の表面に初期形成された低密度スート層上に形成される中密度層4をヒータ5で、通常約900℃以上、好ましくは約1100〜1400℃に加熱して中密度層を高密度化する。この加熱温度が900℃未満であると高密度化されず、また、剥離後のスート層の反り等の変形を生じるおそれがあり好ましくない。更に、主ローラ1が回転し、高密度化したスート層上に、更に、中密度スート層が形成される。本発明において、主ローラ1表面に形成される最終的スート層は、低密度の最内スート層、高密度の中間スート層及び中密度の外側層の3層構造となり、例えば、最終的なスート層の厚さが約5〜30mmとして、低密度の最内層が約1〜15mm、高密度の中間層は約1〜15mm、剥離時に加熱処理され高密度化される表面の外側層が約1〜8mmとなるようにする。
【0016】
所定の厚さとなった上記3層からなるスート層は、主ローラ1表面に形成保持された状態で主ローラ1の下部まで搬送され、主ローラ1の下方に設けたヒータ8により、スート層表面温度が約1000〜1300℃となるように加熱する。この加熱温度は、表面層の高密度化と剥離を行い易くするためであり、また、剥離による変形の際の破損等を防止するためである。1000℃未満では緻密化されにくく、また、破損防止できない。一方、1300℃を超えると実用的でなく、また、収縮が大きくなると層間で分離するおそれがあるためである。ヒータ8により加熱された中密度の外側スート層は、緻密化され高密度層となると同時に、熱収縮して矢印x方向への力が働くことになり、主ローラ1からスート層が平板状に剥離される。剥離されたスート層は、次いで加熱焼結炉10に送入され、上下ヒータ11、11により約1400〜1600℃の温度に保持され、不活性ガス雰囲気下の炉内を通過して、シリカ微粉で形成される平板状のスート層が加熱焼結されて、透明にガラス化され石英ガラス平板が形成される。加熱炉10から搬送された石英ガラス平板は、耐熱性ローラ13の搬送先に設置するダイアモンドカッター等の切断機(図示せず)により切断し、任意の長さの石英ガラス製板材とすることができる。
【0017】
図4は、本発明の石英ガラス製板材の製造方法を実施するための装置の他の態様の装置の斜視説明図である。図4において、2本の多重管バーナ2、2'を配設する以外は図1の装置と同様である。2本の多重管バーナ2、2'を用いることにより、主ローラ1の回転速度及びバーナ2の往復移動速度を上げて、製造効率を向上することができる。また、本発明の石英ガラス製板材の製造装置は、多重管バーナの配設本数は1〜2本に限定することなく、主ローラ1の回転速度等に合わせて適宜本数を選択することができる。
【0018】
本発明の石英ガラス製板材の製造は上記のように構成され、基本的に酸水素炎により原料珪素化合物を加水分解して生成するシリカ微粉のスートを堆積させ石英ガラス材を製造するものであり、スート層形成の第1工程、スート層剥離の第2工程及びスート層を焼結・透明化する第3工程の3つの工程により構成され、従来法のスートを先ずインゴットに製造し、その後、インゴットの溶融、成形、切断等の独立した各種工程を経由する方法とは異なり、石英ガラス製板材を連続して直接的に製造することができる。従って、高温下での成形工程も省略できることから、使用エネルギー量が削減できると共に、使用治具や炉等からの金属元素等の不純物汚染のおそれもなく、高純度な石英ガラス製板材を簡便に得ることができる。
【0019】
【実施例】
本発明について実施例に基づき、更に詳細に説明する。なお、本実施例では、図1及び2に示した石英ガラス製板材の製造装置と同様な装置を用い、下記するように各種操作条件を変化させて石英ガラス板材を製造した。
実施例1
原料ガスとして四塩化珪素を50g/分、燃料ガスとして水素ガス100リットル/分及び酸素ガス50リットル/分、セパレートガスとしてアルゴンガス10リットル/分を4重円環状バーナ2から流出すると共に、バーナ2の左右往復移動速度を400mm/分、ヒータ5の温度を950℃として、主ローラ1の回転速度を5mm/分(周速)として、主ローラ1表面に幅300mm、厚さ約10mmのスート層を生成した。主ローラ1の表面に形成したスート層は、主ローラ1に保持され下部まで回転されてヒータ9で1200℃に加熱され主ローラ1から剥離され、その後、ゾーンシンター炉10に導入、通過させて幅150mm、厚さ約5mmの石英ガラス製平板が約2.5mm/分で耐熱ローラ13に送出された。ゾーンシンター炉10は、1450℃に維持し、ガス導入口12からヘリウムガスを5リットル/分で供給して内部はヘリウム雰囲気とした。得られた石英ガラス板は、平滑なガラス表面を有する良好なものであった。
【0020】
実施例2
主ローラ1の回転速度を8mm/分(周速)、ヒータ5の温度を950℃とした以外は実施例1と同様に幅300mm、厚さ約6mmのスート層を形成した。また、ヒータ9の温度を1100℃、ゾーンシンター炉10の温度を1400℃とした以外は実施例1と同様に幅150mm、厚さ3mmの石英ガラス平板を得た。得られた石英ガラス板は平滑なガラス表面を有する良好なものであった。
【0021】
比較例1〜3
ヒータ5の温度を800℃とした以外は実施例2と同様にして、幅300mm、厚さ6mmのスート層を形成したが、剥離後にスート層が反り、平板が得られなかった(比較例1)。
ヒータ5の温度を1200℃とした以外は実施例2と同様にして、幅300mm、厚さ6mmのスート層を形成しようとしたが、スート層生成中に主ローラ1からスート層が剥離してしまった(比較例2)。
主ローラ1の表面をファイヤポリッシュにより平滑化し、ヒータ5の温度を900℃とした以外は実施例2と同様にして、幅300mm、厚さ6mmのスート層を形成したが、ヒータ9の剥離部でスート層の剥離に偏りができ安定して石英ガラス板を得られなかった(比較例3)。
【0022】
上記実施例及び比較例より明らかなように、所定に中間スート層が高密度化され、また、中密度の外側スート層が所定に加熱されて熱収縮されることによりスート層形成のローラ表面から円滑に平板状に剥離されて、焼結・透明化され石英ガラス平板が得られることが分かる。一方、比較例1のようにヒータ5の温度が800℃と低いため十分に加熱できず、中間スート層が充分に高密度化されず、一方、ヒータ9の剥離部では1100℃で加熱したため、外側層が高密度層となり熱収縮してしまい、外側層とその内側の中間層が共に高密度層とならないことにより、両層のバランスが崩れて剥離したスート層に反りが発生することが分かる。また、比較例2のようにヒータ5の温度が1200℃と高い場合には、中間スート層が極度に高密度化されるため熱収縮が激しすぎ、スート形成の主ローラ1の表面から剥離することが分かる。従って、均一な石英ガラス板状体を作成するためには、中間スート層の高密度化のための加熱が重要であることが分かる。更に、ローラ表面が平滑過ぎるとスートの付着がばらつき均一なスート層が得られないことも分かった。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る石英ガラス製板材の製造方法は、VAD法を改良することによって、半導体ウエーハの製造工程で用いられるフォトマスク等の石英ガラス製板材を、直接的に連続して簡便に製造することができる。また、従来の高温下での成形工程を省略することができるため、使用するエネルギー量を削減することができ、工業的製造コストを低減できると共に、使用治具や炉等による金属元素等不純物の拡散による石英ガラスへの汚染もなく、高純度の石英ガラス板材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石英ガラス製板材の製造方法を実施するための装置の一例の斜視説明図
【図2】図1の石英ガラス製板材の製造装置の断面説明図
【図3】加熱焼結炉の概略断面説明図
【図4】 本発明の石英ガラス製板材の製造方法を実施するための装置の他の態様の斜視説明図
【図5】光ファイバー製造用VAD法の概略説明図
【符号の説明】
1 主ローラ
2 多重管バーナ
3 火炎
4 中密度スート層
5 高密度化用ヒータ
6 吸入口
7 排気装置
8 中密度表面スート層
9 剥離用ヒータ
10 加熱焼結炉
11 ヒータ
12 ガス導入口
13 耐熱ローラ
20、20’ 酸水素バーナ
21 出発棒
22 先端部ターゲット
23 多孔質シリカ材
24 電気炉

Claims (2)

  1. 酸水素炎により原料珪素化合物を加水分解して生成するシリカ微粉のスートを堆積させ石英ガラス材を製造する方法であって、(1)回転ローラ表面上にスートを層上に堆積させるスート層形成工程、(2)前記スート層形成工程で所定厚さに形成されたスート層を平板状にローラ表面から剥離するスート層剥離工程、及び(3)前記スート層剥離工程からの平板状スート層を焼結・透明化して石英ガラス板状体とする焼結・透明化工程を有することを特徴とする石英ガラス製板材の製造方法。
  2. 前記スート層形成工程において初期形成スート層が加熱され高密度化されると共に、前記スート層剥離工程においてスート層表面が加熱され高密度化されると同時にスート層が剥離されてなる請求項1記載の石英ガラス製板材の製造方法。
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