JP2006290708A - 光ファイバ母材およびその製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した線引作業と線引立上時間の短縮を可能とし、さらに線引炉の耐久性を向上させることができるようにされたクラッド原層が半透明ガラス状態とされている光ファイバ母材を得る。
【解決手段】コアロッド3の外周に、クラッド原層5Bが形成されてなる光ファイバ母材において、クラッド原層5Bは内部に独立気泡を含む半透明ガラス状態であり、クラッド原層5Bの線引開始側の先端部は独立気泡を含まない透明ガラス状態である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、線引されて光ファイバとなる光ファイバ母材およびその製造方法に関するものである。
昨今、光ファイバの光伝送特性の向上に加えて、光ファイバの価格低減に対する要求が益々高まっている。光ファイバの価格低減のためには、大型の光ファイバ母材を短時間で製造し、原材料や加工コストを低減することが効果的である。光ファイバの大部分を占めるクラッド層に形成において、外側気相堆積法(Outside Vapor Deposition method:OVD法)のような気相合成で生成したシリカガラス微粒子をコアロッドの外周に堆積させて多孔質層を形成して、この多孔質層を熱処理して透明ガラス母材層にする方法は、高品質で大型の光ファイバ母材の製造方法として優れた方法である。
しかし、OVD法のような気相合成で形成した多孔質層を熱処理して透明ガラス母材層とする透明ガラス化装置は、発熱体から発生する不純物の混入を防ぐ目的で、シリカガラスからなる炉心管を有する加熱炉を使用することが一般的である。しかしこの炉心管は、多孔質層の透明ガラス化に必要な1600℃近い温度では軟化して変形しやすくなる。そして、特に大型の光ファイバ母材を透明ガラス化するためには太径の炉心管を必要とするが、この太径の炉心管では耐久性に問題が残る。この問題を解決するため、不透明ガラス母材を製造し、これをそのまま紡糸して光ファイバとする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2565712号公報
しかしながら、上記不透明ガラス母材を線引炉に挿入した場合、急激に2000℃以上の高温に加熱されてしまうため、母材先端部が溶融して錘となって落下するまでの時間が短く、そのため、独立気泡が消滅して透明化するための十分な時間が取れず、内部に気泡を含んだ状態で線引されてしまう。一方、先端から所定の長さだけ後退した位置以降の領域は、線引炉内で所定時間以上加熱されるため、気泡が消滅して透明なガラスになる。
しかしながら、内部に気泡を含んだガラスと、気泡を含まない透明ガラスとでは溶融状態が異なる。そのため、内部に気泡を含んだ状態で線引が開始されると、そのまま連続して線引を続行することは困難で、安定した立上げができないという未解決の問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クラッド原層が半透明ガラス状態とされているものでも安定した線引作業と線引立上時間の短縮を可能とし、さらに線引炉の耐久性を向上させることができる光ファイバ母材およびこの光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の発明にかかる光ファイバ母材は、コアロッドの外周に、クラッド原層が形成されてなる光ファイバ母材であって、クラッド原層は内部に独立気泡を含む半透明ガラス状態であり、このクラッド原層の線引開始側の先端部は独立気泡を含まない透明ガラス状態であることを特徴とする。
また、本発明の第2の発明にかかる光ファイバ母材は、第1の発明にかかる光ファイバ母材において、半透明ガラス状態部分の平均密度が、2.0g/cm3以上2.2g/cm3未満であることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の発明にかかる光ファイバ母材は、第1の発明または第2の発明にかかる光ファイバ母材において、線引開始側先端部の透明ガラス状態部分は、少なくとも先端テーパ部の全域を含んでいることを特徴とする。
さらにまた、本発明の第4の発明にかかる光ファイバ母材は、第1から第3の発明のいずれか一つの光ファイバ母材において、線引開始時に、前記光ファイバ母材を線引炉に配置した際、前記線引開始側先端部の透明ガラス状態部分は、すべて前記線引炉内に収納されることを特徴とする。
また、本発明の第5の発明にかかる光ファイバ母材の製造方法は、コアロッドの外周囲にシリカガラス微粒子を堆積させて多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、多孔質層が独立気泡を含む半透明ガラス層になるまで脱水処理及び焼結処理を行う脱水・焼結工程と、半透明ガラス層の線引開始側先端部を加熱して透明化する先端透明化工程とを有することを特徴とする。
さらに、本発明の第6の発明にかかる光ファイバ母材の製造方法は、第5の発明の光ファイバ母材の製造方法において、脱水・焼結工程は、減圧下、不活性ガスとハロゲンガスの雰囲気中、および不活性ガスとハロゲン系化合物ガスの雰囲気中のいずれかにて、多孔質層を脱水処理した後、減圧下にて、多孔質層が実質的に真空の独立気泡を含む半透明ガラス層になるまで焼結させることを特徴とする。
さらにまた、本発明の第7の発明にかかる光ファイバ母材の製造方法は、第5または第6の発明の光ファイバ母材の製造方法において、先端部透明化工程の半透明ガラス層の線引開始側先端部の加熱方法として、電気炉による加熱、可燃性ガス火炎の放射による加熱、及びプラズマ火炎の放射による加熱のいずれかを用いることを特徴とする。
また、本発明の第8の発明にかかる光ファイバ母材の製造方法は、第5から第7の発明のいずれか一つの光ファイバ母材の製造方法において、先端部透明化工程においては、線引開始側先端部の透明化と同時に、線引開始側先端部のテーパ状加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、大型の光ファイバ母材を線引する際、線引の立上げ作業を短時間に削減することができる。そのため、光ファイバの製造コストを低減することができる。
以下に、本発明にかかる光ファイバ母材およびその製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施例1)
[コアロッド作製工程]
本実施例においては、まず、気相軸付け法(Vapor-phase Axoal Depoition methpd:VAD法)にて、コア層とクラッド層の一部を含む多孔質母材を形成して、ついで、この多孔質母材を脱水・焼結して透明ガラス状態として、コアロッドを作製した。次いで、このコアロッドを外径約50mmになるように加熱・延伸した。
[多孔質層形成工程]
続いて、延伸されたコアロッドの外周に、OVD法を用いて石英系ガラス微粒子を堆積させ、直径300mmの多孔質層を形成した(多孔質層形成工程)。図1はOVD法による多孔質層5Aの形成の様子を説明する模式図であり、多孔質層5Aの部分を縦断面としている。OVD法ではバーナ11を通じて、気化させた四塩化珪素(SiCl4)、酸素(O2)及び水素(H2)を含むガス12を送り込み、点火燃焼させる。そして、火炎中で加水分解反応させて、ガラス微粒子を得る。このガラス微粒子を、回転するコアロッド3に吹き付け、コアロッド3の周囲に堆積させてゆく。1回に堆積するガラス微粒子の層の厚さはあまり厚くないので、バーナ11を繰り返し往復させながら、充分な太さの多孔質層5Aになるまでそれを繰り返す。このようにして形成した多孔質層5Aの平均密度(即ち、全体積からコアロッド3の体積を引いた値を、多孔質層5Aの重量で除した値)は約0.7g/cm3であった。
[脱水・焼結工程]
図2は脱水・焼結工程の様子を示す脱水・焼結炉の側断面図である。上記のようにして作成された中間部材、すなわち、コアロッド3の外周に多孔質層5Aが形式されたものを、図2に示した脱水・焼結炉20内に設置して、表1の条件で脱水・焼結させて、多孔質層5Aを、独立気泡を含む半透明ガラス状態の半透明ガラス層5Bとした(脱水・焼結工程)。この半透明ガラス層5Bは、後にガラス化されてクラッドとなるクラッド原層である。
Figure 2006290708
ここで、「半透明ガラス状態」とは、所謂「独立気泡を含む状態」のことを言い、詳細には、全体的にほぼ均一に独立気泡を含んでいる状態であり、外観上白濁しており不透明である状態をいう。これに対して、「透明ガラス状態」とは、所謂「独立気泡を含まない状態」のことを言い、詳細には、一部の不良状態の部分に残る微少な独立気泡を除いて全体的にほぼ均一に独立気泡を含んでいない状態で、外観上透明である状態をいう。またここで、「独立気泡」とは、半透明ガラス層5Bの内部に形成され周囲雰囲気と物理的に隔離された気泡、あるいは空間をいう。
脱水・焼結炉20は、石英ガラス製の密閉可能な容器である石英炉心管22と、この石英炉心管22の周囲に複数設けられた発熱体である環状のマルチヒータ23と、さらに石英炉心管22及びヒータ23を全体的に覆うとともに脱水・焼結炉20の外装をなす炉体27と、石英炉心管22及びマルチヒータ23と炉体27との間に充填された断熱材26とを有している。
脱水・焼結工程においては、石英炉心管22内部には、図示しないガス導入口から塩素ガス(Cl2)及びヘリウムガス(He)が表1に示す所定の流量導入されるとともに、図示しないガス排出口から適量のガスを排出することにより、石英炉心管22内の圧力を所定の値に保っている。
従来のように、多孔質層5Aを完全に透明なガラス状態とする方法では、先ず焼結の進まない1200℃以下の温度で一度加熱して十分に脱水を行った後、高温条件に曝して透明化を行う2段階の工程を行うのが一般的である。しかし、この方法では、炉心管が損傷しやすくなり、加熱のエネルギ−コストも嵩む。そこで、本発明では、脱水処理後、半透明ガラス状態を実現する程度の温度範囲で焼結を行う方法を導入した。
この段階で、半透明ガラス層5Bの平均密度は、透明化された上記透明ガラス状態のもの密度(2.2g/cm3)の95%(2.1g/cm3)であった。多孔質層5Aの焼結プロセスでは、加熱により微粒子間の結合が増大し、気孔が減少して密度が高くなり、最終的にほとんど気泡を含まない透明ガラス状態へと変化する。焼結の進行速度は、温度と時間、微粒子の粒径に依存して変化するが、加熱炉で焼結を行う場合は、ヒータ23に近い多孔質層5Aの表面の方が焼結の進行速度が速い。様々な温度、加熱時間で多孔質層を脱水焼結させた結果、独立気泡を有する半透明ガラス層5Bを直接線引した場合、線引での気泡残留を防止するためには半透明ガラス層5Bの平均密度が2.0g/cm3以上であれば良いことがわかった。
上記脱水・焼結工程において、両端部は形状的にヒータからの輻射が届きにくく、半透明ガラス層5Bの平行部表面はほぼ焼結が完了した場合でも、両端部は焼結が完了していないことがある。線引開始端は、後述する先端透明化工程にて透明ガラス化されるが、線引終了端の焼結が不十分であると、線引終了端から内部に外気が侵入し、線引後に気泡として残留する恐れがある。そのため、線引終了端の焼結が完了していない場合は、追加工程として、電気炉や酸水素、メタン等の可燃性ガス火炎あるいはプラズマ火炎により加熱する熱処理を行い、少なくとも表面の焼結を完全に完了させることが好ましい。また、この観点から、図3に示したような、母材両端部のテーパ部に対応する部分に独立した特別ヒータ23A,23Bを持つ脱水・焼結炉21を用いることにより、炉心管22の最上部と最下部の設定温度を他の部分のヒータよりも高めにして焼結を行ってもよい。
[先端透明化工程]
次に、半透明ガラス層5Bの線引開始側の先端部を透明ガラス化した。つまり、半透明ガラス層5Bの線引開始側の先端部を、図4に示した加熱炉30に挿入し、ヒータ33により加熱する熱処理をして、線引開始側の先端のテーパ部5Cとこれに続く平行部5Dを含む先端から約150mmの長さの部分を透明ガラス化した。加熱炉30は、外装を構成している炉体37を有し、炉体37とヒータ33との間には断熱材36が充填されている。半透明ガラス層5Bの透明ガラス化された部分の母材直径は170mmであり、透明ガラス化されなかった部分の母材直径は173mmであった。このときの熱処理条件を以下に示す。このようにして、本願発明にかかる光ファイバ母材の1実施例を作製した。
Figure 2006290708
[線引工程]
このようにして作製した先端部が透明ガラス化された光ファイバ母材を、図5に示した線引炉40に挿入して線引を行った。線引炉40は、光ファイバ母材を収容する炉心管42および炉心管42を上下に延長する延長筒48と、炉心管42の周囲に配設されたカーボン製のヒータ43と、線引炉40の外装を形成する炉体47と、ヒータ43と炉体47との間に充填された断熱材46とを有している。通常炉心管42はカーボンまたはジルコニアから成り、延長筒48としては金属筒の内側にカーボンまたは石英から成る管が設置されたものが用いられる。種々の試作を重ねた結果、線引開始側の先端部の透明ガラス化する部分の長さ(母材先端部から半透明ガラス状態部分までの長さ)は、半透明ガラス状態とされている母材本体平行部の直径の0.5倍〜1倍の長さであれば、所定の効果を得られることが判った。すなわち、この長さ分だけ透明ガラス状態とすれば、半透明ガラス状態の部分の独立気泡が消滅する前に線引されてしまうようなことがないことが判った。この時、先端部の長さとは、コアロッド3に積層された石英系ガラス微粒子(クラッド原層)が付着している部分の端部からの距離である。これは、線引開始時にヒータ43の中心に位置する母材位置からの距離とほぼ一致する。そして、図5に示されるように、透明ガラス状態とされる部分の長さL1は、ヒータ43の中心から延長筒48上端までの長さL2よりも短くなっている。すなわち、透明ガラス状態部分は、すべて線引炉40内に収納される。このような構成とすることにより、線引炉40の上部開口部から逃げる熱量を少なくし、電力コストを低減することができる。線引炉40の炉心管径が200mm、線引時の張力が80g、線速が1500m/min、線引時の炉温が2200℃、電力が50kWのとき、炉心管の寿命は3ヶ月、ヒータの寿命は1年であった。
線引開始側の先端部に形成されたテーパ部5Cの長さが非常に長いとき、例えば、母材本体平行部の直径より長いときには、透明ガラス化する部分の長さは、上記母材本体平行部の直径の0.5倍〜1倍によらず、テーパ部5Cの全てが透明ガラス化されることが好ましい、なお、この明細書にてテーパ部とする部分は、母材直径が母材本体平行部の直径より3パーセント以上細くなった部分を指している。
(実施例2)
実施例2においては、まず、実施例1と同様に作製した多孔質層5Aを含む母材を表3の条件で脱水・焼結した。焼結工程においては、石英炉心管22に接続された真空ポンプ25を用いて炉心管内部を減圧している。多孔質層5Aは、石英炉心管22の内部にて脱水処理及び焼結処理されて内部が実質的に真空の独立気泡を含む半透明ガラス層5Bとなる。内部が実質的に真空の独立気泡を含む半透明ガラス状態の半透明ガラス層5Bとした。なお、本明細書において、「真空」とは、JIS Z 8126における以下の定義、すなわち、「大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態」の状態のことをいう。
Figure 2006290708
この段階で、多孔質層5Aは、周囲雰囲気とは物理的に隔離された内部が実質的に真空の独立気泡を有する半透明ガラス状態の半透明ガラス層5Bとなっており、半透明ガラス状態とされた部分の平均密度は、前述の算術計算の結果、透明ガラス状態とされたものの密度(2.2g/cm3)の95%(2.1g/cm3)であった。
線引次に、このようにして作製したコアロッドを含む半焼結状態の半透明ガラス母材の先端部を、図6に示した加熱炉30に挿入して熱処理し、テーパ部と平行部を含む母材先端から約150mmを透明ガラス化し、さらに母材先端部を溶融して不要なテーパ部分を落とす先端加工を行った。図6は加熱炉にて半透明ガラス層の線引開始側の先端部を透明ガラス化するとともに溶断により先端テーパ部5Eを形成する様子を示す図である。透明ガラス化した部分の母材直径は170mm、半透明部の母材径は173mmであった。熱処理条件を以下に示す。
Figure 2006290708
本実施例においても、母材線引終了端部は焼結が完了していないことがあるので、追加工程として、電気炉や酸水素、メタン等の可燃性ガス火炎あるいはプラズマ火炎により加熱する熱処理を行い、少なくとも表面の焼結を完全に完了させることが好ましい。また、同様に図3に示す特別ヒータ23A,23Bを持つ脱水・焼結炉21を用いることにより、表面の焼結を完全に完了させてもよい。
このようにして作製した先端テーパ部と平行部の一部が透明ガラス化された光ファイバ母材を、図5に示した線引炉40内に設置して線引を行った。このとき、先端透明部の長さ(線引開始時にヒータ43中心に位置する母材先端から半透明ガラス状態とされている部分までの長さ)L1は、ヒータ43中心から延長筒48上端までの長さL2よりも短くなるようにしておく。
本実施例においては、線引炉40の炉心管径が200mm、線引時の張力が80g、線速が1500m/min、線引時の炉温が2200℃、電力が50kWのとき、炉心管の寿命は3ヶ月、ヒータの寿命は1年であった。なお、実施例1では線引作業開始から良品が取れるまでに2時間を要したが、本実施例では線引作業開始から30分で良品が取れ、線引開始までの不良ファイバ長とロスタイムを大幅に改善することができた。
(比較例1)
実施例1と同様に作製したコアロッドの外周に多孔質層が形式されたものを透明ガラス状態になるまで脱水・焼結させて、透明ガラス状態の光ファイバ母材を作製した。得られた光ファイバ母材を、実施例1と同様な図5に示した線引炉40に挿入して線引を行った。線引炉40の炉心管径が200mm、線引時の張力が80g、線速が1500m/min、線引時の炉温が2250℃、電力が55kWのとき、炉心管の寿命は1ヶ月、ヒータの寿命は6ヶ月であった。
以上、説明したように本発明によれば、大型の光ファイバ母材を線引する際の電力コストと線引炉部品の消耗を低減できるとともに、線引の立上げ作業を短時間で行うことができる。
以上のように、本発明にかかる光ファイバ母材およびその製造方法は、大型の光ファイバ母材を作製する際に用いられて好適なものである。
多孔質層形成工程を説明するコアロッドの外周に多孔質層が形成された様子を示す側面図である。 脱水・焼結工程の様子を示す脱水・焼結炉の側断面図である。 母材両端部のテーパ部に対応する部分に特別ヒータを持つ脱水・焼結炉の側断面図である。 加熱炉にて半透明ガラス層の線引開始側の先端部を透明ガラス化する様子を示す図である。 線引炉にて線引を行う様子を示す図である。 加熱炉にて半透明ガラス層の線引開始側の先端部を透明ガラス化するとともに溶断により先端テーパ部を形成する様子を示す図である。
符号の説明
5A 多孔質層
5B 半透明ガラス層(クラッド原層)
5C テーパ部
5D 平行部
5E 先端テーパ部
11 バーナ
20 脱水・焼結炉
21 脱水・焼結炉(特別ヒータ付き)
22 石英炉心管
23 マルチヒータ
23A,23B 特別ヒータ
25 真空ポンプ
26,36,46 断熱材
27,37,47 炉体
30 加熱炉
33 ヒータ
40 線引炉
42 炉心管
43 ヒータ
48 延長筒

Claims (8)

  1. コアロッドの外周に、クラッド原層が形成されてなる光ファイバ母材であって、前記クラッド原層は内部に独立気泡を含む半透明ガラス状態であり、前記クラッド原層の線引開始側の先端部は独立気泡を含まない透明ガラス状態である
    ことを特徴とする光ファイバ母材。
  2. 前記半透明ガラス状態部分の平均密度が、2.0g/cm3以上2.2g/cm3未満であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材。
  3. 前記線引開始側先端部の透明ガラス状態部分は、少なくとも先端テーパ部の全域を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ母材。
  4. 線引開始時に、前記光ファイバ母材を線引炉に配置した際、前記線引開始側先端部の透明ガラス状態部分は、すべて前記線引炉内に収納される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材。
  5. コアロッドの外周囲にシリカガラス微粒子を堆積させて多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、
    前記多孔質層が独立気泡を含む半透明ガラス層になるまで脱水処理及び焼結処理を行う脱水・焼結工程と、
    前記半透明ガラス層の線引開始側先端部を加熱して透明化する先端透明化工程とを有することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記脱水・焼結工程は、減圧下、不活性ガスとハロゲンガスの雰囲気中、および不活性ガスとハロゲン系化合物ガスの雰囲気中のいずれかにて、前記多孔質層を脱水処理した後、減圧下にて、前記多孔質層が実質的に真空の独立気泡を含む半透明ガラス層になるまで焼結させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記先端部透明化工程の前記半透明ガラス層の線引開始側先端部の加熱方法として、電気炉による加熱、可燃性ガス火炎の放射による加熱、及びプラズマ火炎の放射による加熱のいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記先端部透明化工程においては、前記線引開始側先端部の透明化と同時に、前記線引開始側先端部のテーパ状加工を行う
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
JP2005117310A 2004-11-29 2005-04-14 光ファイバ母材およびその製造方法 Active JP4776263B2 (ja)

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