JP2000072449A - 多孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

多孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法

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JP2000072449A
JP2000072449A JP10254583A JP25458398A JP2000072449A JP 2000072449 A JP2000072449 A JP 2000072449A JP 10254583 A JP10254583 A JP 10254583A JP 25458398 A JP25458398 A JP 25458398A JP 2000072449 A JP2000072449 A JP 2000072449A
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porous glass
preheating
glass
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Tetsuya Otsusaka
哲也 乙坂
Tadakatsu Shimada
忠克 島田
Hideo Hirasawa
秀夫 平沢
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス微粒子堆積の際の微妙なガス条件の調
整等を行わなくとも、多孔質ガラス母材焼結時の層状の
気泡の発生が起こらない多孔質ガラス母材の製造装置及
び製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、出発材の回転機構、ガラス
微粒子堆積用バーナ、及びバーナの移動機構を有する多
孔質ガラス母材製造装置において、ガラス微粒子が堆積
される前に、その堆積面を予め加熱する予熱用バーナを
具備する多孔質ガラス母材の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質ガラス母材
の製造装置及び製造方法に関する。特に本発明は、多孔
質ガラス母材焼結時に層状の気泡の発生を抑制できるO
VD(外付け)法等による多孔質ガラス母材の製造装置
及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】OVD法による多孔質ガラス母材の製造
は、例えば出発材を軸回りに回転させ、ガラス微粒子堆
積用バーナを出発材の軸方向に繰り返し往復させながら
ガラス微粒子を出発材の外周面上に吹き付け、半径方向
にガラス微粒子を付着・堆積させていくことにより多孔
質ガラス母材の製造を行うものである。
【0003】しかし、OVD法にて製造した多孔質ガラ
ス母材は、焼結処理中に伝送ロス等の原因となる層状の
気泡を生じることがある。この層状の気泡は、多孔質ガ
ラス母材中の堆積層間の密着性が悪い場合や、層間の密
度差が大きい場合に起こることが判っている。そこで、
従来は多孔質ガラス母材の製造に際しガラス微粒子堆積
時のガス条件や、バーナと出発材との相対速度等を調整
することで、このような焼結時の層状の気泡の発生を抑
えていたが、原料ガス温度の変動などの微妙な環境変化
により層状の気泡が発生することがあり、これを完全に
抑制するには到っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ガ
ラス微粒子堆積の際に微妙なガス条件の調整等を行わな
くとも、多孔質ガラス母材焼結時の層状の気泡の発生を
起こさない多孔質ガラス母材を製造することができる多
孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の請求項1
に記載の発明は、少なくとも、出発材の回転機構、ガラ
ス微粒子堆積用バーナ、及びバーナの移動機構を有する
多孔質ガラス母材製造装置において、ガラス微粒子が堆
積される前に、その堆積面を予め加熱する予熱用バーナ
を具備する多孔質ガラス母材の製造装置である。
【0006】このように、多孔質ガラス母材の製造装置
が予熱用バーナを具備することで、ガラス微粒子の堆積
面を予め加熱することができ、そのためこの堆積面を介
して被堆積層を加熱することができる。その結果、被堆
積層とその層上に新たに形成される堆積層との温度差を
小さくでき、堆積層間の密着性を向上させることができ
る。それ故、多孔質ガラス母材焼結時に層状の気泡が発
生することを防ぐことができる。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、予熱用バ
ーナはガラス微粒子堆積用バーナの両側に配置される上
記多孔質ガラス母材の製造装置である。このように、多
孔質ガラス母材製造装置において予熱用バーナをガラス
微粒子堆積用バーナの両側に配置することで、例えばO
VD法等による製造装置において、堆積用バーナを出発
材の軸方向に沿って繰り返し往復させる際に、往と復の
いずれの方向にバーナを移動させる場合でも容易にかつ
効率的に予め堆積面を加熱することができ、層間の密着
性の良好な多孔質ガラス母材を連続的に製造をすること
ができる。
【0008】また、請求項3記載の発明は、上記の製造
装置を用いて多孔質ガラス母材を製造する方法である。
このように、本発明の装置を用いて多孔質ガラス母材を
製造することにより、多孔質ガラス母材中のガラス微粒
子堆積層間の密着性を向上させることができ、その結果
多孔質ガラス母材焼結時に層状の気泡の発生を防ぐこと
ができる。
【0009】また、請求項4記載の発明は、回転する出
発材外周面上にガラス微粒子を堆積して多孔質ガラス母
材を製造する方法において、予め堆積面を加熱した後に
ガラス微粒子を堆積する多孔質ガラス母材の製造方法で
ある。このような製造方法としては、例えば前述の本発
明の製造装置を用いた製造方法が挙げられる。しかし、
本発明はこれに限定されるものでなく、予め堆積面を加
熱した後にガラス微粒子を堆積する製造方法であれば、
如何なる製造方法も本発明に含まれる。そして、このよ
うな製造方法により、被堆積層とその層上に新たに形成
される堆積層との温度差を小さくでき、多孔質ガラス母
材中の堆積層間の密着性を向上させることができる。そ
の結果、多孔質ガラス母材焼結時に層状の気泡が発生す
ることを防ぐことができるのである。
【0010】更に、請求項5記載の発明は、予熱用バー
ナにより予め堆積面を加熱した後にガラス微粒子を堆積
する上記多孔質ガラス母材の製造方法である。予め堆積
面を加熱するには、具体的には予熱用バーナにより行う
のが容易且つ確実であり好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。図1は、本発明の多孔質ガラス母材
の製造装置の概略断面構造図である。
【0012】本発明の多孔質ガラス母材製造装置は、ガ
ラス微粒子が堆積される前に、その堆積面を予め加熱す
る予熱用バーナ1を具備することを特徴とする。このよ
うな予熱用バーナ1にてガラス微粒子を堆積する前に堆
積面を予熱することにより、層間の密着性がよくなり、
多孔質ガラス母材焼結時に層状の気泡の発生を防ぐこと
ができる。この予熱用バーナ1に、例えば水素及び酸素
の燃焼ガスを供給し、バーナ1より酸水素火炎を放出
し、堆積面を予熱する。予熱用バーナ1としては、石英
製バーナが挙げられる。また予熱用バーナ1の構造とし
ては、バーナ内の各ノズルに各ガスが別々に供給される
タイプのもの、例えば同心三重管バーナ等の同心多重管
バーナが挙げられる。
【0013】この予熱用バーナ1は、図1に示すよう
に、ガラス微粒子堆積用バーナ2の両側に配置するのが
好ましい。具体的には、ガラス微粒子堆積用バーナ2の
左右に50〜100mm離れた位置に配置する。このよ
うに配置することにより、例えばOVD法等による製造
装置において、堆積用バーナを出発材の軸方向に沿って
繰り返し往復させる際に、往と復のいずれの方向にバー
ナを移動させる場合でも予熱用バーナ1が堆積用バーナ
2よりも常に先に堆積面に到達するので、堆積用バーナ
2によるガラス微粒子の堆積よりも前に予熱用バーナ1
により堆積面を予熱することができる。この場合予熱用
バーナ1は、堆積用バーナ2の両側にそれぞれ存在する
のが望ましいが、その本数等は特に限定されるものでは
ない。
【0014】本発明の製造装置においては、出発材3の
回転機構5を有する。回転機構5にて出発材3を回転さ
せることで、出発材外周面上にガラス微粒子を半径方向
に均一に堆積させることができる。回転機構5として
は、例えばOVD法に用いられるものを好適に利用する
ことができる。具体的には回転機構としては、出発材3
の両端部を把持し固定するためのチャック部、及び駆動
源としての回転モータ等からなるものが挙げられる。
【0015】本発明の製造装置においては、ガラス微粒
子堆積用バーナ2を有する。このバーナ2には、ガラス
原料ガス、前記燃料ガス、その他必要に応じキャリヤガ
ス、シールガス等が供給される。このバーナ2により、
酸水素火炎中にてガラス原料を加水分解させ、ガラス微
粒子を生成させ、これを出発材3に吹き付けることによ
り、ガラス微粒子を堆積させる。バーナ2は、1本以
上、例えば図2に示すように3本である。バーナ2とし
ては、石英製バーナが挙げられる。またバーナ2の構造
としては、バーナ内の各ノズルに各ガスが別々に供給さ
れるタイプのもの、例えば同心三重管バーナ等の同心多
重管バーナが挙げられる。
【0016】本発明の製造装置においては、予熱用バー
ナ1及びガラス微粒子堆積用バーナ2等のバーナの移動
機構6を有する。このようなバーナの移動機構6によ
り、ガラス微粒子を出発材の全長に亘って均一の厚さで
且つ密着性高く堆積することができる。バーナの移動機
構6としては、例えばOVD法に用いられるものを好適
に利用することができる。具体的にはバーナの移動機構
としては、図1に示すように、各バーナを軸方向に一列
に配列させ、これらのバーナをレール上を摺動させるこ
とによって出発材の長手方向に繰り返し往復移動させる
ものである。その他、本発明の製造装置において、通常
OVD法の製造装置で使用される各種装置、例えば排気
装置、ガス整流板等を備えてもよい。
【0017】以下、本発明の製造装置を用いて多孔質ガ
ラス母材を製造する方法について説明する。本発明の製
造方法においては、OVD法等を好適に利用することが
できる。具体的には先ず、出発材3を回転機構5のチャ
ック部に取り付ける。出発材3としては、例えば石英製
ガラスロッド、石英製ガラスパイプ等が挙げられる。出
発材3を軸まわりに回転機構5で回転させる。回転速度
としては、例えば1〜50rpmである。
【0018】予熱用バーナ1に、水素及び酸素等の燃焼
ガスを供給し、バーナ1より発する火炎により堆積面を
予熱する。使用するバーナが多重管バーナの場合、水素
ガスを最外周のノズルに流すと火炎が広がってしまうの
で、酸素ガスを最外周ノズルに流すのが好ましい。ガス
流量としては、例えば水素ガス20〜50L/分、酸素
ガス10〜20L/分である。
【0019】ガラス微粒子堆積用バーナ2に、ガラス原
料ガス、及び燃焼ガス等を供給する。ガラス原料ガスと
しては、SiCl4 等のハロゲン化珪素化合物が挙げら
れる。焼結後のガラス母材に所望の屈折率等を付与する
ために、ドーパント等の添加物を含ませてもよい。添加
物としては、例えばGeCl4 等のゲルマニウム化合物
が挙げられる。ガラス原料をキャリヤガスと共に供給し
てもよい。キャリヤガスとしては、Ar、N2 等の不活
性ガス等が挙げられる。燃焼ガスとしては、前述のガス
(水素、酸素等)等が挙げられる。その他、必要に応じ
バーナ先端の焼き付けを防止するためのシールガス等を
供給する。
【0020】使用するバーナが同心多重管の場合、水素
ガスを内側ノズル、酸素ガスを最外周ノズルに流すのが
好ましい。また、ガラス原料ガスを効率的に酸水素火炎
中で加水分解させるために、ガラス原料ガスは中央ノズ
ルに流すのが好ましい。各ガス流量は、例えばガラス原
料ガス0.1〜1L/分、水素ガス1〜5L/分、酸素
ガス5〜10L/分である。
【0021】ガラス原料をバーナの酸水素火炎中にて加
水分解することによりガラス微粒子が生成する。即ち、
燃焼ガスにより酸水素火炎が形成され、この火炎中にハ
ロゲン化珪素やハロゲン化ゲルマニウム等のガラス原料
ガスを導入することにより、上記ハロゲン化合物が加水
分解され酸化物、即ちガラス微粒子に変換される。
【0022】次いで、図1に示すように、バーナの移動
機構6によってバーナを軸方向に繰り返し往復させて、
出発材3の外周上にガラス微粒子を堆積していく。ガラ
ス微粒子堆積用バーナ2の横に予熱用バーナ1を配置
し、ガラス微粒子堆積用バーナ2と同期させることによ
り、先ず予熱用バーナ1が堆積面を加熱し、その後バー
ナ2によりガラス微粒子を吹き付け堆積することができ
る。そして、バーナの移動機構6によりバーナ1及び2
を軸方向に繰り返し往復させることで、堆積面の予熱後
にガラス微粒子を堆積する作業がガラス微粒子堆積中、
連続的に繰り返し行われることになる。こうして、次々
と新たな堆積面が予熱され、予熱される毎に新たなガラ
ス微粒子が堆積されていき、多孔質ガラス母材の全堆積
層を形成していく。従って、層間の密着性はきわめて良
好なものとなり、密度差もほとんどなくなる。バーナの
移動機構の移動速度としては、例えば1〜50cm/m
inである。
【0023】以上、本発明の製造装置を用いることによ
り、ガラス微粒子が堆積される前にその堆積面を予め加
熱することを述べた。しかし、予め堆積面を加熱した後
にガラス微粒子を堆積できる方法であれば、本発明の方
法は上記装置を用いる場合に限られるものでなく如何な
る方法であってもよい。また堆積面を予熱する方法とし
て、本発明の製造装置の予熱用バーナを用いることを述
べたが、他の構成(例えばバーナの配置等)、及び他の
予熱手段、予熱方法等であっても、本発明の製造方法に
用いることができる。上記本発明の製造方法により、多
孔質ガラス母材焼結時に層状の気泡の発生が起こらない
高品質の多孔質ガラス母材4を製造することができる。
【0024】上述の通り本発明においては、ガラス微粒
子が堆積される前に予熱用バーナにより堆積面を予め加
熱する。このような構成により多孔質ガラス母材焼結時
に層状の気泡の発生を防ぐことができる。この理由につ
いては、例えば以下のように考えることができる。
【0025】即ち、図2に示す従来のOVD法による製
造装置により多孔質ガラス母材を製造する場合、バーナ
2が一方端から他方端までに進むに要する時間をTとす
ると、出発材両端部においてはバーナ2が来てからもう
一度バーナ2が来るまでの時間は2Tと長いが、出発材
中央部ではTと短い。このため、中央部ではあまり冷却
されない内に次のバーナがやって来るが、両端部はかな
り冷却されてから次のバーナがやって来る。一方、酸水
素火炎中で生成した直後のガラス微粒子により形成され
る堆積層はかなり高温である。従って両端部において
は、かなり冷却された被堆積層上に高温の新堆積層が形
成されることとなり、従ってこれらの堆積層間に大きな
温度差が生じることとなる。そのため、これらの堆積層
間の密着性が低下することとなり、その結果焼結時に層
状の気泡が発生するものと考えられる。
【0026】尚、堆積層間の温度差により堆積層間の密
着性が低下することは、実際に製造した多孔質ガラス母
材を縦(長手方向)に切断すればよく判る。即ち、縦切
断面において、バーナ1本で1つの堆積層が形成されて
おり、従って図2に示す3本バーナの構成の場合、三層
の堆積層が同時に形成されている。また、多孔質ガラス
母材両端部では三層が折り返した計六層の堆積層が1つ
のブロックを形成している。一方、多孔質ガラス母材の
中央部では、同時に形成された三層の堆積層が1つのブ
ロッを形成している。しかし、多孔質ガラス母材中央部
におけるブロック間の密着性は、両端部のブロック間の
密着性に比べて良好である。このブロック間の密着性の
差は、前記堆積層間の温度差に起因しているものと思わ
れる。
【0027】そこで、このような温度差に起因する堆積
層間、特にブロック間の密着性の低下を解消するため
に、本発明の製造装置のように例えばガラス微粒子堆積
用バーナの両側に予熱用バーナを配置し堆積前に十分に
堆積面を予熱することで、被堆積層と新堆積層との層間
温度差を大幅に縮小させる。その結果、これら堆積層間
の密着性を大幅に高めることができ、従って多孔質ガラ
ス母材焼結時の層状の気泡の発生を顕著に低減すること
ができるのである。
【0028】尚、透明ガラス母材を得るには、常法に従
い、上記本発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材
を焼結すればよい。焼結は、多孔質ガラス母材を例えば
1500℃以上に加熱することにより行う。その際、必
要に応じ、塩素ガス等のハロゲン化合物の雰囲気下に焼
結することにより、脱水を同時に行うこともできる。本
発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材を使用する
ことにより、焼結時に層状の気泡の発生を顕著に低減す
ることができる。従って、層状の気泡の発生の殆どない
伝送ロスの少ない優れた光学特性を有する透明ガラス母
材を得ることができる。
【0029】更に、光ファイバを製造するには、通常の
方法、例えば上述のようにして得た透明ガラス母材を電
気炉等にて2100℃以上に加熱溶融し、所望の径にな
るように延伸した後、紡糸することにより行えばよい。
本発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材を使用す
ることにより、気泡の非常に少ない伝送ロスの少ない長
手方向全域に亘って光学特性の安定した光ファイバを得
ることができる。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照して実施例で本発明を具体
的に説明する。 (実施例)図1に示す本発明のOVD用多孔質ガラス母
材製造装置を用い多孔質ガラス母材4を製造した。即
ち、出発材3として石英製ガラスロッドを回転機構5の
チャック部に取り付け、これを回転モータにて10rp
mで回転させた。
【0031】予熱用バーナ1を、ガラス微粒子堆積用バ
ーナ2の左右に80mm離れた位置に配置した。予熱用
バーナ1として、石英ガラス製同心三重管バーナを使用
し、内側ノズルに水素ガスを30L/分、及び外側ノズ
ルに酸素ガスを15L/分の流速でそれぞれ供給した。
また、ガラス微粒子堆積用バーナ2を、図1に示すよう
に軸方向に3本一列に並べて配置した。バーナ2とし
て、石英ガラス製同心三重管バーナを使用した。各バー
ナにおいて、中心ノズルにガラス原料ガスとしてSiC
4 ガスを0.5L/分、内層ノズルに水素ガスを3L
/分、及び外側ノズルに酸素ガスを5L/分の流速でそ
れぞれ供給した。
【0032】次いで、バーナ1及び2を取り付けたバー
ナの移動機構6により、バーナ1及び2を軸方向に移動
速度30cm/時にて繰り返し往復させて、堆積面を予
熱した後ガラス微粒子を堆積することを堆積中、連続的
に繰り返し、多孔質ガラス母材4を製造した。
【0033】得られた多孔質ガラス母材4を、塩素ガス
雰囲気下に1500℃に加熱し焼結し、透明ガラス母材
を得た。その結果、焼結時には層状の気泡の発生は認め
られなかった。また、得られた多孔質ガラス母材を縦
(長手方向)に切断すると、いずれの部分においても堆
積層はブロック状になっておらず、層間密着性が高く且
つ均等であることが確認された。
【0034】(比較例)図2に示したような、予熱用バ
ーナ1を具備しない従来のOVD用多孔質ガラス母材製
造装置を用い、実施例と同様にして多孔質ガラス母材4
を製造した。
【0035】得られた多孔質ガラス母材4を、塩素ガス
雰囲気下に1500℃に加熱し焼結し、透明ガラス母材
を得た。その結果、焼結時には層状の気泡の発生がかな
り認められた。また、得られた多孔質ガラス母材を縦
(長手方向)に切断すると、かなりの部分において堆積
層がブロック状になっており、層間密着性が悪く且つ不
均等であることが確認された。
【0036】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態
は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された
技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効
果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技
術的範囲に包含される。
【0037】例えば、上記では多孔質ガラス母材の製造
を主にOVD法による場合を中心に説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、VAD法その他の方
法で製造する場合にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明に従って、ガラス微粒子が堆積さ
れる前にその堆積面を予め加熱することにより、堆積層
間の密着性が顕著に向上した多孔質ガラス母材を製造す
ることができる。その結果、多孔質ガラス母材焼結時に
層状の気泡の発生を防ぐことができる。このようにして
得られた層状の気泡の殆どないガラス母材を使用するこ
とにより、伝送ロス等のない優れた光学特性を有する光
ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質ガラス母材製造装置の概略断面
構造図である。
【図2】従来の多孔質ガラス母材製造装置の概略断面構
造図である。
【符号の説明】
1…予熱用バーナ、 2…ガラス微粒子堆積用バーナ、
3…出発材、4…多孔質ガラス母材、 5…回転機
構、 6…バーナの移動機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 4G014 AH14 4G021 EA03 EB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、出発材の回転機構、ガラス
    微粒子堆積用バーナ、及びバーナの移動機構を有する多
    孔質ガラス母材製造装置において、ガラス微粒子が堆積
    される前に、その堆積面を予め加熱する予熱用バーナを
    具備することを特徴とする多孔質ガラス母材の製造装
    置。
  2. 【請求項2】 前記予熱用バーナはガラス微粒子堆積用
    バーナの両側に配置されることを特徴とする請求項1に
    記載の多孔質ガラス母材の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の製造装
    置を用いて多孔質ガラス母材を製造する方法。
  4. 【請求項4】 回転する出発材外周面上にガラス微粒子
    を堆積して多孔質ガラス母材を製造する方法において、
    予め堆積面を加熱した後にガラス微粒子を堆積すること
    を特徴とする多孔質ガラス母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 予熱用バーナにより予め堆積面を加熱し
    た後にガラス微粒子を堆積することを特徴とする請求項
    4に記載の多孔質ガラス母材の製造方法。
JP10254583A 1998-08-25 1998-08-25 多孔質ガラス母材の製造装置及び製造方法 Pending JP2000072449A (ja)

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