JP2014527016A - 熱膨張係数が調節可能な薄型ガラスシートおよび製造プロセス - Google Patents

熱膨張係数が調節可能な薄型ガラスシートおよび製造プロセス Download PDF

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Abstract

ロール・トゥ・ロールのガラススート堆積および焼結プロセスを用いてガラスシートが成形される。このガラスシート成形は、スート受け機器(120)の堆積表面(122)に第1ガラススート層(152)を形成するステップ、第1ガラススート層(152)を堆積表面(122)から取り外すステップ、および支持されていない第1ガラススート層上に第2ガラススート層(162)を形成するステップを含む。得られた複合ガラススートシート(174)を加熱して、焼結ガラスシートを成形する。このガラスリートは、実質的に均質なガラスシート、または層固有の挙動を有する複合ガラスシートとなり得る。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2011年8月23日に出願された米国特許出願第13/215526号の優先権の利益を米国特許法第120条の下で主張するものである。
本開示は、一般にガラスシートに関し、より具体的には、所望の組成および熱膨張係数を有する均一なガラスシートを成形する、ガラススート堆積および焼結プロセスに関する。
ガラスシート材料は、様々な異なる方法で成形することができる。例えばフロートガラスプロセスは、溶融ガラスを溶融金属のベッドに浮かべることによって固体のガラスシートを作製する。このプロセスを使用すると、厚さが均一で非常に平坦な表面を有するガラスシートを成形することができる。しかしながらフロートガラスプロセスでは、ガラス溶融物と溶融金属との間の直接の接触が必ず必要となり、これが接触面での望ましくない汚染に繋がって、清浄な表面品質が得られないことがある。両主表面に清浄な表面特性を備えた高品質のフロートガラスシートを製造するために、典型的には1以上の表面研磨ステップがフロートガラスに施される。この処理で、さらに費用が追加される。さらにフロートプロセスは、巻回可能な(すなわち、極薄い)ガラスシートを作製するために使用されたことはないと考えられる。
ガラスシート材料を成形するさらなる方法は、フュージョンドロープロセスである。このプロセスでは、溶融ガラスが「アイソパイプ」と呼ばれるトラフの中に供給され、これがいっぱいになると溶融ガラスがその両面上に一様に流れる。溶融ガラスは、その後トラフの下部で再結合し、すなわち融合し、ここで延伸されて連続した平坦なガラスのシートが成形される。このガラスシートの両主表面は成形プロセス中にいかなる支持材料とも直接接触しないため、両主表面で高い表面品質を得ることができる。
フュージョンドロープロセスの動的な本質のため、フュージョンドローに適したガラス組成の数は、溶融相で必須の性質(例えば、液相粘度、歪点など)を所有しているものに限定される。最後に、フュージョンドロープロセスで使用される装置は高価になり得る。
熱膨張係数(CTE)がシリコンと厳密に一致している薄型ガラスシートは、従来のフロートプロセスおよびフュージョンドロープロセスで成形することができる。しかし、得られるガラスで特定の熱膨張係数を得るためにこれらのプロセスでガラス組成を変更することは、特定のガラス組成がフュージョンドロー可能であると判定されたと仮定しても現実的ではない。特に、新しい各ガラス組成のために、溶解タンク、フュージョンアイソパイプ、およびガラス搬送設備を含め、フュージョンドロープロセス装置を再構成すると、時間と費用が掛かることになる。さらに二次汚染の可能性の問題で、所望の熱膨張係数を有する薄型ガラスシートを製造するために、フュージョンドロープロセスでガラス組成を定期的に変更することを考慮することさえ難しい。
前述したことを考慮して、高い表面品質と調整された熱膨張係数とを有する、経済的で均一な薄型ガラスシートが非常に望ましい。本書で開示されるプロセスは、成形後のラッピングまたは研磨を必要とすることなく、特定の厚さおよび組成のガラスシートを製造することができる。このガラスシートは、1以上の、層、成分、または相を含むものでもよい。このようなガラスシートは、例えばマイクロエレクトロニクス用の基板として、また超伝導体材料を形成するための基板などとして使用することができる。
ガラスシートを成形する方法は、ガラススートの堆積および焼結プロセスを含む。種々の実施形態によれば、このプロセスは、第1ガラススート粒子をスート受け機器の堆積表面に堆積させて、支持されたスート層を形成するステップ、スート層を堆積表面から取り外して第1スートシートを形成するステップ、および、第2ガラススート粒子を第1スートシートの少なくとも一方の表面に堆積させて、複合スートシートを形成するステップを含む。第1ガラススート粒子を焼結しない焼結ステップで、第2ガラススート粒子を焼結し、ガラスシートを成形することができる。得られるガラスシートは第1スートシートから分離させることができ、薄型で巻回可能なガラスシート、あるいはより厚いガラスシートとなり得る。
明らかであろうが、堆積表面から解除される支持されたスート層は、2つの対向する主表面を有している。「接触表面」は、スート受け機器の堆積表面に接触して形成された表面であり、一方「自由表面」はその対向する表面である。さらなる実施形態では、支持されたスート層を堆積表面から解除して第1スートシートを形成した後、第2ガラススート粒子を「接触表面」または「自由表面」の一方または両方に堆積させてもよい。こうして形成された複合スートシートに関し、界面とは1つのスート層と続いて堆積されたスート層との間の表面を意味し、一方自由表面は、別のスート層に直接接触することなく形成された表面を意味する。
実施形態では、第1ガラススート粒子および第2ガラススート粒子の焼結温度の違いによって、第2ガラススート粒子を、第1スートシートの対向する主表面の一方と接触している間に焼結することができる。第1ガラススート粒子の焼結温度がより高いことで、第2ガラススート粒子のみが焼結してガラスシートが成形される。前述のやり方で作製されたガラスシートの平均厚さは200μm以下となり得、その2つの対向する主表面の少なくとも一方に亘る平均表面粗さは1nm以下となり得る。第2ガラススート粒子の組成を制御することによって、得られるガラスシートのCTEも制御することができる。
本発明のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、請求項、さらに添付の図面を含め、本書において説明された本発明を実施することにより認識されるであろう。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本発明の実施形態を示していること、そして請求される本発明の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供することが意図されていることを理解されたい。添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は本発明の種々の実施形態を示し、そしてその説明とともに、本発明の原理および動作の説明に役立つ。
薄型ガラスシートを成形する装置の概略図 複合スートシートの概略図
一実施の形態によるガラスシートを成形するための装置が、図1に概略的に示されている。この装置100は、一対のスート供給機器110、116、スート受け機器120、スートシート誘導機器130、およびスートシート焼結機器140を含んでいる。
以下でさらに詳細に開示するが、本開示の実施形態は、第1スートシート上に形成された第2スートシートから、薄型で高CTEのガラスシートを成形するものに関する。第2スートシートを焼結する加熱ステップの間、第1スートシートはおおむね加熱による影響を受けない。すなわち、事前に形成されたスート層(第1スート層)を第2スートシートの形成および緻密化のための使い捨ての担体として用いる、スートに基づく開示のプロセスを使用して、典型的には相対的に低い溶融(および焼結)温度を有する高CTEガラスを成形することができる。担体としての第1スートシートがない場合、第2スートシートを形成する第2ガラススート粒子が焼結すると、自立するスートシートを形成するのではなく、望ましくないことにスート受け機器に接合してしまうことになる。すなわち本開示の実施形態は、2つのスートシートの連続形成に関する。担体のシートを形成する第1スートシートは、溶融温度が高く焼結温度が高い材料を含み、第2スートシートは、相対的に溶融温度が低く焼結温度が低い材料を含む。
最初の堆積ステップでは、第1スート供給機器110で形成された第1ガラススート粒子150を、スート受け機器120の堆積表面122に堆積させる。スート受け機器120は、回転可能なドラムまたはベルトの形のものでもよく、すなわち連続的な堆積表面122を含むものでもよい。スート粒子150を堆積表面122に、スート層152を形成するように堆積させる。スート層152を、接触表面155と自由表面157とを有した自立する連続的なスートシート154として、堆積表面122から解除することができる。スート層152を堆積表面122から解除する作業は、例えば、スート層と堆積表面との間での熱的な不整合または熱膨張係数の不整合によって、および/または重力の影響下で、物理的介入なしで行うことができる。
第1スートシート154をスート受け機器120から解除した後、スートシート誘導機器130が第1スートシート154の動きを誘導してもよい。一実施の形態において、第2堆積ステップでは、第2スート供給機器116で形成された第2ガラススート粒子160を第1スートシート154の接触表面155に堆積させて第2スート層162を形成する。第1スートシート154に対して第2スート層162および任意の続くスート層(図示なし)を追加することで、複合スートシート174が形成される。スートシート誘導機器130は、複合スートシート174がスートシート焼結機器140を通る動きをさらに誘導することができ、このスートシート焼結機器140で複合スートシート174の一部が焼結および強化されてガラスシート156が成形される。実施形態では、第2スート層をスートシート154の接触表面155上に形成するのに加え、またはその代わりに、第2スート層をスートシート154の自由表面157上に堆積させてもよい。
すなわち、ガラスシートを成形するプロセスは、ガラススート粒子をスート受け機器の堆積表面に堆積させて、支持されたスート層を形成するステップ、スート層を堆積表面から取り外して第1スートシートを形成するステップ、および追加のガラススート粒子を第1スートシートの少なくとも一方の表面に堆積させて、複合スートシートを形成するステップを含む。複合スートシートを加熱して、第2ガラススート粒子160から焼結ガラスシートを成形することができる。このプロセスおよび装置のさらなる態様を、本書において以下で詳細に開示する。
様々な機器を使用してガラススート粒子を形成することができるが、例としてスート供給機器110、116は、外部蒸着法(OVD)、気相軸付け法(VAD)、および平面堆積法で使用されるような、1以上の火炎加水分解バーナを含み得る。適切なバーナ構成は、その内容がその全体を参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第6,606,883号明細書、同第5,922,100号明細書、同第6,837,076号明細書、同第6,743,011号明細書、および同第6,736,633号明細書に開示されている。
スート供給機器110、116は、単一のバーナまたは多数のバーナを含み得る。一例のバーナの出力表面は、長さlおよび幅wを有している。この出力表面はN列のガスオリフィスを含み、ここでNは1から20以上の範囲とし得る。一実施の形態において、各オリフィスは直径0.076cmの孔を含む。出力表面の長さlは約2.5から30.5cm以上の範囲でもよく、またその幅は0.1から7.5cmの範囲でもよい。随意的には、多数のバーナを、その長さおよび幅に亘って実質的に連続したスート粒子の流れを生み出すことが可能な、バーナアレイに構成してもよい。
例えばバーナアレイは、時間的および空間的に均一なガラススートの層を形成および堆積するように構成された、複数の(例えば、端と端とを合わせて置かれた)個別のバーナを含み得る。すなわち各スート供給機器を使用して、実質的に均質な化学組成と実質的に均一な厚さとを有した個別のスートの層を形成することができる。「均一な組成」および「均一な厚さ」とは、所与のエリアに亘る組成および厚さの変動が、平均の組成および厚さの20%以下であることを意味する。特定の実施形態では、スートシートの組成および厚さの変動の一方または両方が、スートシートに亘るその各平均値の10%以下となり得る。
一例のバーナは9列のガスオリフィスを含む。例えば、一実施の形態によるシリカガラススートの形成において、中心線の列(例えば、列5)は、シリカガス前駆体/キャリアガスの混合物を提供する。そのすぐ隣接する列(例えば、列4および列6)は、シリカガス前駆体を化学量論的に制御するための酸素ガスを提供する。中心線の両側のガスオリフィスの、その次の2列(例えば、列2、3、7、および8)は、その流量を使用して化学量論およびスート密度を制御することが可能な追加の酸素を提供し、さらに点火炎に対して酸化剤を提供する。オリフィスの最も外側の列(例えば、列1および列9)は、例えばCH4/O2またはH2/O2の点火混合ガスを提供してもよい。この9列の直線バーナに対するガス流量範囲の例を表1に開示する。シリコン含有ガス状前駆体を使用して第1スートシートを形成することができ、この上に第2スートシートを形成することができる。
Figure 2014527016
スート供給機器を、スート粒子の形成および堆積の間に固定したまま保持してもよいし、あるいはスート供給機器を堆積表面に対して動かして(例えば、振動させて)もよい。バーナの出力表面から堆積表面までの距離は、約20mmから100mmの範囲(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100mm)としてもよい。
スート供給機器の動作は、典型的には、ガラススート粒子を形成するための前駆的化学物質(例えば、ガス状化合物、または火炎中で蒸発した霧状液体など)間の化学反応を含む。随意的には、この化学反応を、プラズマなどの補助的なエネルギー源または補助的な加熱機器でさらに助けてもよい。
例えばシリコン含有前駆体化合物を使用して、シリカスート粒子を含むスートシートを形成することができる。一例のシリコン含有前駆体化合物は、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)である。OMCTSは、これを酸化および加水分解してシリカスート粒子を生成する場合、H2、O2、CH4、または他の燃料とともにバーナまたはバーナアレイに導入され得る。
製造されたままの、または堆積されたままのスート粒子は、実質的に単一相(例えば、単一の酸化物)から成るものでもよく、これを焼結して、例えばアンドープの高純度ガラスを成形することができる。あるいは、スート粒子は2以上の成分または2以上の相を含むものでもよく、これを焼結して、例えばドープガラスを成形することができる。多層ガラスシートは、例えば、酸化チタン前駆体または酸化リン前駆体をOMCTSガス流に取り込むことによって作製することができる。酸化チタン前駆体および酸化リン前駆体の例としては、リンのハロゲン化物およびチタン(IV)イソプロポキシドなど、種々の可溶性金属塩および金属アルコキシドが挙げられる。
火炎加水分解バーナの例において、ドーピングは、火炎加水分解プロセス中にドーパント前駆体を火炎中に導入することでその場で行うことができる。プラズマ加熱されたスート噴霧器の場合など、さらなる例では、噴霧器から噴霧されたスート粒子をプレドープしてもよいし、あるいはスート粒子をプラズマ中でドープするように、噴霧されたスート粒子をドーパント含有プラズマ雰囲気に曝してもよい。さらなる例ではドーパントを、スートシートの焼結前または焼結中にスートシートに取り込んでもよい。ドーパントの例としては、元素周期表のIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB族や希土類元素系の元素が挙げられる。
スート粒子は、実質的に均質な組成、サイズ、および/または形状を有し得る。あるいは、スート粒子の組成、サイズ、および形状のうちの1以上は、変化してもよい。例えば、ガラスの主成分のスート粒子を1つのスート供給機器で提供すると同時に、ドーパント組成のスート粒子を異なるスート供給機器で提供してもよい。特定の実施形態では、複合粒子を形成するスート粒子を形成および堆積する作業の間、スート粒子は互いに混合および/または付着し得る。堆積表面上に堆積される前またはその間に、スート粒子を実質的に互いに付着しないようにして混合粒子を形成することも可能である。
さらに図1を参照すると、堆積表面122はスート受け機器120の周囲部分を含み、かつ耐火性材料から形成してもよい。一実施の形態において堆積表面122は、第1スート粒子150および堆積されたスート層152の両方に化学的および熱的に適合し、かつスート層を容易に取り外すことができるような、材料から形成される。スート受け機器120の例は、例えば、鋼、アルミニウム、または金属合金のコア材料上に形成された、耐火性材料(例えば、シリカ、炭化ケイ素、黒鉛、ジルコニアなど)のコーティングまたはクラッディングを含む。さらにスート受け機器は、石英などの適切な耐火性材料から実質的に成る、単体部品を含み得る。
スート受け機器120、および特に堆積表面122は、様々な異なる手法で構成することができ、かつ様々な形状および/または寸法を有したものとすることができる。例えば、堆積表面の幅は約2cmから2mの範囲とし得るが、より小さい寸法およびより大きい寸法も可能である。スート受け機器120の断面形状は、円形、長円形、楕円形、三角形、四角形、六角形などでもよく、またスート受け機器120の対応する断面寸法(直径または長さなど)も変化させてもよい。例えば、円形の断面を有するスート受け機器の直径は、約2cmから50cmの範囲としてもよい。一例のスート受け機器120は、内径250mm、外径260mm、および堆積表面幅24cmの石英円筒を含む。
堆積表面122は、円形または長円形の断面の例では閉じた連続表面を含み得、一方、楕円形、三角形、四角形、または六角形の断面の例では、堆積表面は区分された表面を含み得る。スート受け機器120のサイズおよび寸法を適切に選択することによって、連続的または半連続的なスートシートを形成することができる。
堆積表面122は滑らかな表面でもよいし、あるいは随意的には、長さスケールの範囲に亘って隆起してまたは窪んで突出した形の、規則的または不規則なパターニングを含むものでもよい。滑らかな表面は、追加の研磨なしで使用することができ、あるいは1以上の形成後研磨ステップ後に使用することができる。パターニングは、1以上の別々のファセットから、一般的な表面粗さまで及び得る。堆積されたスート層は、堆積表面のパターニングに従い得る。第1スートシートに形成されたパターンは、堆積表面から離れたときに第1スートシート内で保持され得、さらに第2スートシートの焼結表面に転写され保存されて、エンボスガラスシートをもたらすことができる。
上述の堆積表面で得られるエンボス加工の変形形態では、第1スートシートの接触表面および自由表面の一方または両方に、堆積表面から取り外した後の焼結前にパターンを形成してもよい。さらに、第2スートシートが第1スートシート上に形成された後の焼結前に、第2スートシートの表面にパターン形成してもよい。例えば、出願者はスートシートの表面に静かに触れることで、スートシートの表面に指紋でパターンを形成した。このスートシートを焼結すると、得られたガラスシートに指紋のパターンが保持される。
特定の実施形態では、スート受け機器120上にスート層152を形成するためにスート粒子150を堆積させる作業中、スート受け機器120を回転させる。この回転は、例えば時計回りまたは反時計回りなど、一方向性のものでもよい。一実施の形態による回転の方向が、図1に矢印Aで示されている。随意的には、スート受け機器をスート堆積プロセス中に振動させてもよく、すなわち回転方向を間欠的に変更してもよい。スート受け機器120の堆積表面122の直線速度は、0.1mm/secから10mm/secの範囲(例えば、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、または10mm/sec)でもよい。スケールアップすると、堆積表面の直線速度は最大1m/sec以上まで増加させ得ると考えられる。
スート粒子150は堆積表面122の一部のみに堆積され、堆積されたスート層152は取り外されると、長さLの自立する連続的または半連続的な第1スートシート154を形成する。堆積された層152の(および名目上はスートシート154の)幅はWである。
特定の実施形態では、スート層を堆積表面上に連続的に形成してもよく、さらに堆積表面から連続的に取り外してもよい。スート層の形成中、スート粒子は互いに、そして堆積表面に、ある程度まで接合する。スート粒子を堆積させるときのスート粒子の平均温度が高くなればなるほどスート粒子は互いに接合し易くなり、高密度で機械的に強固なスートシートが形成される。しかしながら、堆積温度が高くなるとスート粒子と堆積表面と間の接合も促進され、これによりスートシートの解除が妨げられる可能性がある。
スート粒子と堆積表面との間の接合は、スート粒子が堆積される位置と、第1スートシート154を形成するためにスート層152が解除される位置との間の温度勾配を制御することによって制御することができる。例えば、スート層および堆積表面の熱膨張係数(CTE)が十分に異なる場合、温度勾配により生じる応力によって解除は自発的に行われ得る。特定の実施形態では、堆積されたスート層の堆積表面からの取外しは、堆積表面122の幅よりも短い幅Wを有するスート層を形成することによって、より容易に行うことができる。堆積表面を横切って実質的に均一な温度を得るために、スート受け機器を、内側、または外側、あるいは両方から、加熱または冷却してもよい。
スート層を堆積表面から分離させる作業の際、分離されたスートシートの運動の方向は、堆積表面の解除点に対し実質的に接線方向になり得る。「実質的に接線方向」とは、堆積表面上の解除点でのスートシートの運動の方向が、その解除点での堆積表面の接線の方向から約10°未満(例えば、10°、5°、2°、または1°未満)だけ逸れていることを意味する。実質的に接線方向の解除角度を維持すると、解除点でスートシートに与えられる応力を減少させることができる。
円形または長円形の断面を有するスート受け機器では、堆積表面の曲率はスート受け機器の断面直径の関数である。直径が増加すると曲率半径が増加し、堆積されたスートシートの形状が平坦で平面的なシートに近づくにつれて、堆積されたスートにおける応力が減少する。
実施形態において第1スートシートは、(すなわち、堆積表面からの取外し、ハンドリング、さらなるガラススートの堆積および焼結の作業中)破砕したりあるいは裂けたりすることなくそれ自体の質量を支持するのに十分な機械的完全性を有している。第1スートシートの物理的および機械的性質に影響を与え得るプロセス変数として、とりわけ、スートシートの厚さおよび密度、堆積表面の曲率、および形成中のスート層および第1スートシートの温度が挙げられる。
第1スートシート154は2つの主表面を含み、その一方のみがスート層の形成中に堆積表面に接触する。すなわち第1スートシート154の2つの主表面は、「接触表面」と、対向する「自由表面」として、特徴付けかつ識別することができる。
図1に示されているように、第1スートシート154は接触表面155と自由表面157とを有している。図示の実施形態によれば、第2スート供給機器116が、接触表面155上に堆積される第2ガラススート粒子160の流れを形成する。図2に示されているように、第1スートシート154と、第2ガラススート粒子160を含む第2スート層162とが合わさって、複合スートシート174を形成する。図2にさらに示されているように、複合スートシートを加熱した結果、第2ガラススート粒子160が焼結してガラスシート156を成形し得、一方第1ガラススート粒子は焼結されず、第1スートシート154は加熱によって実質的に変化しない。
図示されていない実施形態によれば、第1スートシート154が堆積表面から解除された後、多数の追加のスート層をその上に堆積させてもよい。追加のスート層は、第1スートシート154の片面または両面に(すなわち、接触表面155または自由表面157に直接接触して、あるいは接触表面または自由表面上に形成された事前に堆積された1以上のスート層に直接接触して)、同時にまたは連続して堆積させてもよい。
一実施の形態では、第1スートシートの接触表面に堆積される第2ガラススート粒子の組成は、第1スートシートの自由表面に堆積される第2ガラススート粒子の組成と実質的に同一である。別の実施形態では、第1スートシートの接触表面に堆積される第2ガラススート粒子の組成は、第1スートシートの自由表面に堆積される第2ガラススート粒子の組成と異なる。第2スート層を第1スートシート154の両面に形成することによって、単一の加熱ステップ中に、同じまたは異なる組成を有する2つのガラスシートを同時に成形することができる。
一実施の形態によれば、複合スートシートは少なくとも2つのガラススート層を含み、かつ一対の露出した対向する主表面を有している。ガラススート層の少なくとも1つを元のスートシートの接触層に堆積させることで、複合スートシートの露出表面の両方が自由表面となる。
少なくとも90モル%のシリカを含む一例の第1スートシートにおいて、スートシートの平均スート密度は、約0.3から1.5g/cm3、例えば約0.4から0.7g/cm3、または約0.8から1.25g/cm3の範囲でもよく、かつ第1スートシート154の平均厚さは、10から600μm、例えば20から200μm、50から100μm、または300から500μmの範囲でもよい。
続いて堆積された各スート層(すなわち、接触表面および自由表面の少なくとも一方に堆積されたガラススート粒子から形成されるスート層162)の平均厚さは、例えば20から200μm、50から100μm、または300から500μmなど、10から600μmになり得る。得られる複合スートシートの総厚さは、100μmから5cmの範囲になり得る。
第2スートシートの組成は、最大で50wt%のシリカを含み得、さらに例えば、約20wt%の酸化ゲルマニウム、約20wt%のP25、および10wt%のアルミナを含み得る。
特定の実施形態、特に連続的なスートシートおよび/または焼結ガラスシートの製造を含む実施形態では、第1スートシート154が堆積表面から解除された後に堆積表面から離れる第1スートシート154の連続的な動きを、スートシート誘導機器130で助けてもよい。スートシート誘導機器130は、スートシートの動きを助けかつスートシートに機械的な支持を提供するために、スートシート154の少なくとも一部に直接接触し得る。
第1スートシート154の高い表面品質を維持するために、スートシート誘導機器130は第1スートシート154の一部(例えば、エッジ部分)にのみ接触し得る。特定の実施形態においてスートシート誘導機器は、スートシートのエッジ部分を握持してスートシートをスートシート焼結機器に通して誘導することが可能な、一対のクランプローラを含む。
同じように、堆積表面から離れる複合スートシート174の連続的な動きを、スートシート誘導機器130で促してもよい。スートシート誘導機器130は、その動きを助けかつ機械的な支持を提供するために、複合スートシート174の少なくとも一部に直接接触し得る。図1に示されているように、複合スートシート174の高い表面品質を維持するために、スートシート誘導機器130はその一部(例えば、エッジ部分)にのみ接触し得る。
スートシート誘導機器を使用して、連続的な複合スートシート174を、複合スートシートの少なくとも一部を、部分的にまたは完全に緻密化されたガラスに変質させるのに十分な温度および時間で加熱するスートシート焼結機器140の焼結/アニールゾーン内に供給してもよい。例えば、高純度シリカの第1スートシートと第2スートシートとを含む複合スートシートを、第2スートシートを焼結して高密度ガラスシートを成形すると同時に第1(シリカ)スートシートを焼結しないように、例えば約700℃から1000℃までなど、1200℃未満の温度で加熱してもよい。焼結温度および焼結時間は、焼結ガラスシート内の空隙および/または気泡の形成を制御するために制御することができる。一例として焼結温度および焼結時間を、空隙および気泡を本質的に含まない焼結ガラスシートを成形するために制御することができる。
本書において焼結とは、第2ガラススート粒子を互いに付着するまでその溶融点未満で加熱する(固体焼結)プロセスを称する。アニールは、ガラスが成形された後に、ガラスを冷却して内部応力を開放するプロセスである。焼結およびアニールは、同じ装置または異なる装置を用いて順に実行することができる。
実施形態では、第2スートシートを緻密化させる焼結ステップの結果、第1スートシートの密度は実質的に変化しないままである。第2スートシートが焼結されて高密度のガラスシートが成形されると、例えば各層間のCTE不整合または熱的不整合によって、この焼結ガラスシートを第1スート層から分離させることができる。焼結されていない第1スートシートは廃棄してもよいし、あるいは随意的には、高温(例えば、約1200℃から1700℃)で焼結して別のガラスシートを成形してもよい。
ガラスシート成形プロセスは、スートシートと得られるガラスシートとの両方の歪み(撓みなど)を最小にするために制御することができる。歪みを最小にする1つの手法は、焼結中に複合スートシートを実質的に鉛直に配向することである。実施形態によれば、鉛直配向に対するスートシートの配向角度を、15°未満(例えば、10°または5°未満)としてもよい。
焼結は、複合ガラススートシートをスートシート焼結機器の焼結ゾーンに通過させるものを含む。焼結中、焼結された材料と焼結されていない材料との間の境界を表す焼結前部は、スートシートのエッジまたは別の焼結前部に到達するまで第2スートシートを横断して進む。一実施の形態によれば、第2ガラススートシートはその幅を横切る最大90%(例えば、その幅の20、50、または75%)まで加熱および焼結される。
焼結を行うための適切なスートシート焼結機器は、例えば、ガス酸素トーチ、誘導加熱器、抵抗加熱器、およびレーザなど、様々な設計のうちの1つを含み得る。これらの設計の1つの特徴は、事前に焼結されたスート、または幅方向に沿った焼結されていないガラススートシートのいずれかに、焼結されているセグメントが接触し得るように、すなわち焼結されているセグメントをこれらのいずれかで支持し(例えば、張力をかけ)得るように、第2ガラススートシートの幅の一部のみを所与の時間で焼結する能力であろう。
抵抗加熱機器および誘導加熱機器などの様々な異なるスートシート焼結機器を使用して、スートシートを焼結してもよい。スートシートおよびガラスシートの両方の熱履歴は、最終厚さ、組成、組成の均質性、および最終製品の他の化学的および物理的特性に影響を与えることがある。ガラスシートは、第2スートシートの主表面の一方または両方に熱を加えることによって成形することができる。焼結中、温度および温度プロファイル、時間、および雰囲気を含め、種々のパラメータを制御してもよい。
焼結温度は、例えば焼結される第2スートシートの組成に基づいて当業者が選択することができるが、焼結温度の範囲は約700℃から1200℃とし得る。さらに、抵抗加熱源および誘導加熱源の両方を含めた種々の加熱源で得ることができる均質な温度プロファイルを利用して、最終的なガラスシート内の均質性を生み出すことができる。「均質な温度プロファイル」とは、既定のサンプルエリアまたはサンプル容積に亘って、20%未満(例えば、10または5%未満)だけ変化する焼結温度を意味する。
複合スートシート174のエッジ部分がスートシート誘導機器で保持および誘導される実施形態では、エッジ部分は典型的には焼結機器で焼結されない。例えば一実施の形態において、平均厚さが約400μmでありかつ全幅が24cmであるスートシートの中心10cmを加熱して、幅約10cmかつ平均厚さ約100μmの焼結ガラスシートを生成した。焼結前、スートシートの平均密度は約0.5g/cm3である。
焼結中に温度および温度プロファイルを制御するのに加え、スートシート/ガラスシートを包囲しているガス環境も制御することができる。具体的には、適切な焼結ガスの全圧や分圧の両方を、焼結プロセスを制御するために選択することができる。特定の実施形態において、制御されたガス混合物は、例えばHe、O2、CO2、N2、Cl2、Ar、またはこれらの混合物など、1以上の活性ガスまたは不活性ガスを含み得る。
焼結作業中、複合スートシートを、焼結ゾーン内で固定して保持してもよいし、あるいはこのゾーンを通じて連続的または半連続的に動かしてもよい。例えば、連続的なガラスシート成形プロセスでは、スートシートがスート堆積表面から解除されるときのスートシートの製造速度は、複合スートシートが焼結ゾーンを通って移動する速度と実質的に等しいものでもよい。焼結は、同じまたは異なる焼結条件を用いた焼結ゾーンを1以上通過することによって実行され得る。焼結ゾーンを通るスートシートの直線速度は、0.1mm/secから10mm/secの範囲(例えば、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、または10mm/sec)でもよい。スケールアップすると、堆積表面の直線速度は、最大1m/sec以上まで増加させ得ると考えられる。加熱器からスート表面までの距離は、約1mmから200mmの範囲(例えば、1、5、10、20、50、100、または200mm以上)とし得る。
種々の実施形態の開示されるプロセスは、高い熱膨張係数を有する薄型ガラスシートを成形するために使用することができる。このような材料は、その対応する低溶融温度および低焼結温度のため、堆積表面から直接解除される第1スートシートとして形成するのは困難であろう。むしろ本手法によれば、溶融温度がより高くかつすなわち焼結ステップ中に焼結しない焼結温度がより高い材料を含む事前に形成されたスートシート上に、ガラスシートを形成する、第2ガラススート粒子が形成される。例えば、熱膨張係数が約5×10-7/℃の溶融シリカまたはガラス状シリカを含むスートシート上に、第2ガラススート粒子を形成してもよい。実施形態によれば、得られるガラスシートの熱膨張係数は6×10-7/℃超になり得る(例えば焼結ガラスシートの熱膨張係数は、6×10-7、8×10-7、10×10-7、12×10-7、15×10-7、30×10-7/℃、または40×10-7/℃超でもよい)。例えばガラスシートの熱膨張係数は、6×10-7/℃と30×10-7/℃との間、あるいは32×10-7/℃と50×10-7/℃との間でもよい。
形成されると、ガラスシートを適切な切断機器で別々の断片に分割してもよい。例えば、レーザを用いてガラスシートを、より小さい断片に切断するまたは切り取ることができる。さらなる例ではレーザを用いて、焼結されていないスートシートからガラスシートを切り取ってもよい。さらに焼結されたガラスに、切断前または切断後に、エッジ除去、コーティング、プリント、研磨など、1以上の焼結後プロセスを施してもよい。長いリボンの焼結ガラスシートを、巻取り機器により巻き取ってロールにしてもよい。随意的には、紙のシート、布、コーティング材料などのスペーサ材料を、ロール内の隣接するガラス表面間に挿入し、それらの間で直接接触しないようにしてもよい。
本書で開示されるプロセスおよび装置は、例えば「低シリカ」ガラスシートなど、シリカを含有している割合が低いスートシートおよび焼結ガラスシートを作製するのに適している。「低シリカ」とは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、または45モル%未満のシリカなど、50モル%未満のシリカガラスを含むガラス組成を意味する。一例の低シリカガラスは、アルミノホウケイ酸塩ガラスである。随意的に第2ガラススート粒子は、(例えば、1以上の酸化物の形の)チタン、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リン、希土類金属、および/または、アルカリ性またはアルカリ土類金属を含み得る。
長いガラスリボンを含め、柔軟な焼結ガラスシートを成形することができる。低シリカガラスシートなどの焼結ガラスシートの平均厚さは、200μm以下(例えば、150、100、50、または25μm未満)となり得る。しかしながら実施形態によれば、焼結ガラスシートの厚さは、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10,000、または12,500μmとなり得る。堆積されたスート層の幅、焼結ゾーンの幅、および堆積時間量を制御することによって、焼結ガラスシートの幅および長さの両方を独立して制御することが可能である。ガラスシートの長さは約2.5cmから10kmの範囲になり得る。ガラスシートの幅は約2.5cmから2mの範囲になり得る。
このプロセスを用いて、高い表面品質のガラスシート(例えば、表面のうねりが少ない、表面粗さが小さい、および引っ掻き傷を本質的に含まないガラスシート)を成形することができる。ロール上にスートシートを形成する最初のステップと、焼結された柔軟なガラスシートをロール上に巻き取る最終ステップとを含み得る、上で開示したプロセスは、「ロール・トゥ・ロール」プロセスと称され得る。低シリカガラスシートを含む、得られるガラスシートは、組成、厚さ、表面粗さ、表面均一性、CTE、および平坦度を含む、いくつかの性質で特徴付けることができる。
本書において「スート層」または「スートの層」は、本質的に均質に分布した、随意的に互いに接合するガラス粒子の層を称する。この層の平均総厚さは一般に、個別の粒子の平均直径以上である。さらにスート層は、本質的に均質な組成を有する単一のスート層、または夫々本質的に均質な組成を有する多数のスート層を含み得る。
第2スート層が多数の層を含む実施形態では、ある種類のガラス粒子が1つのスート層を形成し得、一方これに隣接する別のスート層を第2の種類のガラス粒子が形成し得る。すなわち、各スート層は独特の組成および/または他の性質を有し得る。さらに、隣接する層間の界面領域では、接触している層の接触面での組成および/または性質が夫々の層のバルクの値から逸脱する可能性があるように、2つの種類の粒子の混合が生じ得る。
本書において「ガラスシート」に言及する場合には、複数のガラススート粒子を含むシート材料(すなわち、スートシート)と焼結されたガラスから作製されたシート材料との両方を含む。当技術において典型的に理解されるように、シートの2つの対向する主表面は典型的には実質的に互いに平行であり、その夫々の面積は他の表面の面積よりも大きい。特定の位置での2つの主表面間の距離は、その特定の位置でのシートの厚さである。シートの主表面間の厚さは実質的に均一でもよく、あるいはその厚さは空間的に均一または非均一に変化してもよい。特定の他の実施形態において、2つの主表面は平行でなくてもよく、また主表面の一方または両方は、平面的であってもよいし、あるいは湾曲していてもよい。ガラスシートは実質的に均質なガラスシートでもよいし、あるいは層固有の挙動を有する複合ガラスシートでもよい。
本書において「焼結されたガラス」は、同じ化学組成および微細構造を有するガラス材料に対する標準温度および標準気圧(STP)(273Kおよび101.325kPa)条件下での理論密度(Dmax)の、少なくとも95%の密度を有するガラス材料を称する。特定の実施形態では、焼結されたガラスの密度が、STP下でのDmaxの少なくとも98%、99%、または99.9%であることが望ましい。
ガラススート堆積および焼結プロセスを用いたガラスシート成形のさらなる態様は、その内容がその全体を参照することにより本書に組み込まれる、2007年5月7日および2009年5月15日に夫々出願された、本出願人が所有する米国特許出願第11/800,585号明細書および同第12/466,939号明細書に開示されている。
本書では、文脈が明らかに他に指示していなければ、単数形は複数の指示対象を含む。すなわち、例えば「金属」に言及したときには、文脈が明らかに他に指示していなければ、2以上のこの金属を有する例を含む。
本書では範囲を、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと表現することがある。このように範囲が表現されるとき、いくつかの例が、そのある特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を用いて近似値で表されるとき、その特定の値は別の態様を形成することを理解されたい。各範囲の端点は、他方の端点との関連において重要であるし、また他方の端点と無関係に重要でもあることをさらに理解されたい。
他に明確に述べられていなければ、本書に明記されるいずれの方法も、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることを全く意図していない。したがって、方法の請求項においてこれらのステップが行われる順序が実際に述べられていない場合、あるいは請求項または説明の中でこれらのステップが特定の順序に限定されるべきであると具体的に述べられていない場合には、任意の特定の順序が推定されることは全く意図されていない。
本書における記述は、特定のやり方で機能するように「構成」または「適合」されている本発明の構成要素に言及することも留意されたい。この点において、この構成要素は特定の性質を具現化するように、あるいは特定の様態で機能するように、「構成」または「適合」されたものであり、このときこの記述は、意図されている用途に関する記述ではなく構造の記述である。より具体的には、ある構成要素が「構成」または「適合」された様態に本書で言及したとき、この言及はその構成要素の実在する物理的条件を示したものであり、したがってその構成要素の構造的特性に関する明確な記述と受け取られるべきである。
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。本発明の精神および本質を取り入れている開示された実施形態の、改変、コンビネーション、サブコンビネーション、および変形が、当業者には思い付き得るため、本発明は添付の請求項およびその同等物の範囲内の全てのものを含むと解釈されるべきである。
110、116 スート供給機器
120 スート受け機器
122 堆積表面
130 スートシート誘導機器
140 スートシート焼結機器
150、160 ガラススート粒子
152、162 スート層
154 スートシート
155 接触表面
156 ガラスシート
157 自由表面
174 複合スートシート

Claims (10)

  1. ガラスシートを作製する方法において、
    第1ガラススート粒子を堆積表面に堆積させて、支持されたスート層を形成するステップ、
    前記スート層を前記堆積表面から取り外して、接触表面と自由表面とを有した第1スートシートを形成するステップ、
    第2ガラススート粒子を前記接触表面と前記自由表面とのうちの少なくとも一方に堆積させて、複合スートシートを形成するステップ、および、
    前記複合スートシートの一部を加熱して前記第2ガラススート粒子を焼結し、前記第1スートシート上に形成されたガラスシートを成形するステップ、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第2ガラススート粒子が、前記第1スートシートの前記自由表面に堆積されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記第2ガラススート粒子が、前記第1スートシートの前記接触表面と前記自由表面との両方に堆積されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記接触表面に堆積される前記第2ガラススート粒子の組成が、前記自由表面に堆積される前記第2ガラススート粒子の組成と実質的に同一であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記複合スートシートが、第1平均組成を有する前記第1ガラススート粒子の層と、第2平均組成を有する前記第2ガラススート粒子の層とを含み、前記第1平均組成および前記第2平均組成が異なるものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記複合スートシートが、第1平均熱膨張係数を有する前記第1ガラススート粒子の層と、第2熱膨張係数を有する前記第2ガラススート粒子の層とを含み、前記第1熱膨張係数が前記第2熱膨張係数よりも小さいものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記ガラスシートが組成的に均質であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記第1スートシートの平均厚さが、50μmから600μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記複合スートシートの平均厚さが、100μmから5cmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 前記ガラスシートの平均厚さが、25μmから1.25cmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
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