JP3687588B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タブ付転写材の両面に画像を印字することが可能な電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タブ付転写材への両面印字は、両面印字時に紙曲り等の問題が発生し易いため、極力両面に画像を印字することは回避されてきた。
【0003】
図2はタブ部を搬送方向に装填されたタブ付転写材の搬送について説明するための図である。
【0004】
図において、(1)で給紙トレイ26に装填されている搬送方向の後端部にタブ部を有する転写材Qは、横送りされて画像転写部Dで転写される。この場合、タブ部のない先端部がタイミングローラ23に挟持されるので表面のコピー時には紙曲りは発生しにくいが、両面コピーを行うに当っては、(2)の搬送ループへ送られ、(3)の反転給紙部6で反転された転写材Qはタブ部が先頭となって搬送されるため、タイミングローラ23にタブ部が先に当たり紙曲りが生じてしまう。
【0005】
それでも、オペレータが、止むを得ず、タブ付転写材へ両面印字を行う際には、片面である表面に印字後、出力されたタブ付転写材を表裏反転して再びタブ部が搬送方向の後端部になるように給紙トレイへ装填して、裏面に印字して両面印字を完成している。
【0006】
しかしながら、近年、タブ付転写材の印字需要が高まり、両面印字への要望が増加しているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、タブ付転写材への両面印字の際に、紙曲等の問題を解決し、安定した転写材搬送による両面印字プロセスを可能にした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0009】
(1)複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部とを有する画像形成装置において、転写材のサイズを自動的に決定するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向に対し垂直方向にあるタブ付転写材を選択することを特徴とする画像形成装置(第1の発明)。
【0010】
(2)複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像の方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、転写材のサイズを自動的に決定するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向に対し垂直方向にあるタブ付転写材を選択し、原稿画像の方向と前記転写材上に形成し得る画像方向が合わない場合は前記原稿画像を90度回転して、当該転写材に転写し得ることを特徴とする画像形成装置(第2の発明)。
【0011】
(3)複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像の方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、原稿画像に合った転写材のサイズをマニュアルで選択するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたとき、転写材のタブ部が搬送方向に対し垂直方向側にある給紙段を選択可能で、原稿画像の方向と転写材上に形成し得る画像方向が合わない場合は前記原稿画像を90度回転して、当該転写材に転写し得ることを特徴とする画像形成装置(第3の発明)。
【0012】
(4)複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、原稿画像に合った転写材のサイズをマニュアルで選択するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向にある転写材へのプリントを不可能にすることを特徴とする画像形成装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である両面画像形成の一例を図面に基づいて説明する。
【0014】
なお、本発明の実施の形態における説明では、本明細書に用いる用語により発明の技術範囲が限定されることはない。
【0015】
また、本発明の実施の形態を説明する中で、両面画像形成において、感光体に形成された第1のトナー像を裏面画像と呼び、第2のトナー像を表面画像と呼ぶ。
【0016】
図1は電子写真方式からなる画像形成装置の全体構成を示す模式図である。
図において、10は画像形成体である感光体、11はスコロトロン帯電器、12は画像書込手段である露光光学系、13は現像器、14は感光体10の表面を清掃するためのクリーニング装置、15はクリーニングブレード、16は現像スリーブ、17は転写器、18は感光体10に対する転写材の分離器、19は転写材の感光体10に巻き付き防止の分離爪で、感光体10、スコロトロン帯電器11、露光光学系12、現像器13、転写器17、分離器18、分離爪19およびクリーニング装置14等が画像形成手段1を構成している。
【0017】
感光体10は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、a−Si層あるいは有機感光体(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図の矢印で示す時計方向に回転される。
【0018】
20は転写材Pを収納する給紙カセット、21は送り出しローラ、22は転写材搬送ローラ、23はタイミングローラ、24は給紙ガイドである。26はタブ付転写材Qが装填されている給紙カセットである。給紙カセット20、26は給紙段2に各々セットされている。
【0019】
3は搬送手段で、複数個の穴の穿いている搬送ベルト30、当該搬送ベルト30を駆動する駆動ローラ31、従動ローラ32、前記搬送ベルト30との摺動面に複数の気孔を有する吸引箱33等から成り、当該吸引箱33は不図示の空気ダクトを介して不図示の吸引ファンにつながっており、転写材P(またはタブ付転写材Q)は前記搬送ベルト30の表面に吸引されながら搬送される。
【0020】
4は定着器で、熱ローラ41、圧着ローラ42、定着排紙ローラ43等から成っている。44は定着が完了した転写材を機外へ排出する排紙ローラである。
【0021】
50は、両面画像形成の場合、裏面画像の定着処理が完成された転写材Pをヒンジ57を介して、表面画像形成のために再度機内へ循環させるか、または、機外へ排出させるかの振り分け弁である。51はヒンジ58を介した振り分け弁、52はヒンジ59を介した振り分け弁である。これらの振り分け弁の開閉の選択は制御部Sにて行われる。53、54、55、56は搬送ローラである。
【0022】
6は表面画像形成の際、裏面画像が定着している転写材Pを反転する反転給紙部である。
【0023】
図3は搬送方向に対しタブ部を垂直方向にして装填されたタブ付転写材を示す図である。
【0024】
図において、(a)は縦(長手方向)送りされるタブ付転写材を、(b)は横送りされるタブ付転写材を示す。21は給紙ローラ、Fは搬送方向、Bはタブ部である。
【0025】
前述したように、タブ付転写材の両面に印字する場合、タブ部が搬送方向にあると紙曲りが発生し易くなる。したがって、本発明に関係するタブ付転写材への両面印字には、必ずタブ部Bが搬送方向と垂直方向になるように転写材を装填する必要がある。
【0026】
しかしながら、原稿は必ずしも給紙カセットに装填されたタブ付転写材と同方向にセットされる訳ではないので、原稿と転写材の画像方向が合わない場合の対応が必要である。本発明はこの対応に関する。
【0027】
以下、本発明の特徴であるタブ付転写材の両面印字について説明する。
図4は方向が互いに直角方向にセットされている原稿とタブ付転写材を示す図である。
【0028】
図において、転写材のサイズを自動的に決定するモードで、タブ付転写材に両面印字するモードの場合には、画像読み取り装置70(図1参照)で読み取られた原稿のサイズに合って、搬送方向と垂直方向にタブ部があるタブ付転写材(以下、単に転写材ともいう)に該当する給紙段を自動的に選択し、原稿と転写材の画像方向が直角の場合、画像処理部で原稿の画像方向を90度回転させ画像形成が行われることを本発明の特徴としている。さらに、本発明は、上述の条件のモードでは、タブ部が搬送方向にセットされた転写材に該当する給紙段は選択しないようプログラムされていることも特徴としている。すなわち、予めコントロール基板上のメモリスイッチで指定された給紙段にあるタブ部が搬送方向と垂直にある転写材を自動的に選択することになる。
【0029】
また、本発明は、転写材の給紙段あるいは転写材のサイズをマニュアルで選択するモードで、タブ付転写材に両面印字するモードの場合、原稿と転写材の画像方向が互いに直交しているときには、画像処理部で原稿の画像方向を90度回転させ画像形成が行われることを特徴としている。さらに、本発明は、マニュアル選択で選択するモードで、タブ付転写材に両面印字するモードの場合には、タブ部が搬送方向にある転写材へのプリントは不可能になるようプログラムされていることを特徴としている(本実施の形態では、操作板のディスプレイにプリント不可なる警告メッセージを表示している)。すなわち、予めコントロール基板上のメモリスイッチで指定された給紙段にあるタブ部が搬送方向と垂直にある転写材への印字のみ可能となる。
【0030】
図6は転写材のサイズの自動設定とマニュアル設定の場合のプロセスを説明するためのフローチャートである。
【0031】
自動設定の場合、図(a)において、ステップS1で自動設定を選択し、ステップS2でタブ付転写材両面転写を選択する。ステップS3でコピーボタンを押す。ステップS4で画像読み取り装置のスキャンにより原稿サイズが検知され、ステップS5で画像読み取り装置のスキャンにより原稿が読み取られ、ステップS6で原稿の向きに対する転写材の原稿と転写材の方向が確認される。ステップS7でタブ部が搬送方向に対して垂直方向にある転写材(転写段)が選択され、ステップS8で画像と転写材の方向が確認される。画像と転写材の方向が直角と判定されれば(NO)、ステップS9で画像を90度回転する画像処理が行われ、ステップS10で画像形成となる。また、画像と転写材が同方向であれば(YES)、読み取り画像に基づき、ステップS10で画像形成される。
【0032】
マニュアル設定の場合、図(b)において、ステップS1でマニュアル設定を選択し、ステップS2でタブ付転写材両面転写を選択する。ステップS3で搬送方向に垂直のタブ部の転写材(給紙段)を選択すると、ステップS4で転写材のサイズ選択をし、ステップS5で画像と転写材の方向を判断する。画像と転写材の方向が直角であれば(NO)、ステップS6の画像を90度回転する画像処理を選択し、ステップS7でコピーボタンを押すと、ステップS8で画像が読み取られ、ステップS9で画像形成される。また、画像と転写材が同方向であれば(YES)、ステップS8の読み取り画像に基づき、ステップS9の画像形成へと進む。仮に、ステップS2の次にステップS10の搬送方向にタブ部の転写材を選択すると、ステップS11で操作板に警告メッセージが表示され、プリントは不可能となる。
【0033】
次に、図1に基づいて両面画像形成プロセスを説明する。
画像形成(記録)のスタートにより不図示の駆動モータが回転を開始すると、感光体10は矢印で示す時計方向に回転する。同時にスコロトロン帯電器11により感光体10に対する電位の付与が開始される。
【0034】
電位が付与された後の感光体10上には、画像読み取り装置70からの画像データに対応する電気信号の画像書込みが露光光学系12を通して開始される。次に原稿画像の静電潜像が感光体10の表面に形成される。当該静電潜像は現像器13の現像スリーブ16で搬送される現像剤により反転現像され、第1のトナー像である裏面画像(可視像)となる。
【0035】
一方、転写材P(またはタブ付転写材Q)は、給紙カセット20(または26)から送り出しローラ21によって送り出され、転写材搬送ローラ22を経て、タイミングローラ23へ搬送され、タイミングローラ23の駆動によって送り出され、感光体10上の前記裏面画像と同期がとられ、転写器17と感光体10との間の領域へ給送される。
【0036】
前記裏面画像は、トナーと反対極性の直流の定電圧電源によるバイアス電圧が印加された転写器17によって前記転写材P(以下、またはタブ付転写材Qを省略する)上に転写される。
【0037】
その後、感光体10はクリーニング装置14によって清掃され、次の画像形成に向けられる。
【0038】
裏面画像を載せた転写材Pは、分離器18で感光体10から分離し、搬送手段3へと送られ、不図示の吸引ファンと空気ダクトにつながる吸引箱33を介して搬送ベルト30に吸引されて、定着器4へと搬送される。その後、転写材Pは熱定着ローラ41と圧着ローラ42の間のニップ部Tで挟持搬送されながら熱と圧力とが加えられることにより、裏面画像は転写材P上に溶融定着される。
【0039】
裏面画像が定着された転写材Pは、定着排紙ローラ43にて排出され、振り分け弁50にて振り分けられ、振り分け弁51を通過し、搬送ローラ53によって反転給紙部6へと搬送される(図5(a)参照)。
【0040】
図5(a)、(b)、(c)はそれぞれ両面画像形成時の転写材の搬送ルートを説明するための部分図である。
【0041】
反転給紙部6では転写材Pの後端部は搬送ローラ53に係止した状態にある(図5(b)参照)。
【0042】
次に、搬送ローラ53に係止している転写材Pは、搬送ローラ53の逆回転により反転搬送され、振り分け弁51にて機内循環の方向に振り分けられ、搬送ローラ54、55、56を経て振り分け弁52を通過し、タイミングローラ23へ搬送される。一方、感光体10には前記裏面画像の形成と同じプロセスで第2のトナー像である表面画像が形成され、裏面画像を一方の面にもつ転写材Pは当該表面画像と同期がとられ、タイミングローラ23によって転写器17と感光体10との間の領域へ給送され、前記表面画像はトナーと反対極性の直流の定電圧電源によるバイアス電圧が印加された転写器17によって前記転写材Pの他方の面に転写される(図5(c)参照)。
【0043】
両面に画像を担持した転写材Pは、不図示の吸引ファンと空気ダクトにつながる吸引箱33によって搬送ベルト30に吸引され、定着装置4へ送られる。
【0044】
定着装置4では表面画像は転写材Pの表面に定着される。両面画像形成が完成した転写材Pは、定着排紙ローラ43によって、転写材Pを機外へ導くよう選択された振り分け弁50を経て、排紙ローラ44により排紙される。
【0045】
【発明の効果】
タブ付転写材に両面印字をする際に発生しがちな紙曲りを極力防止でき、安定したタブ付転写材の搬送ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真方式からなる画像形成装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】タブ部を搬送方向に装填されたタブ付転写材の搬送について説明するための図である。
【図3】搬送方向に対しタブ部を垂直方向にして装填されたタブ付転写材を示す図である。
【図4】方向が互いに直角方向にセットされている原稿とタブ付転写材を示す図である。
【図5】(a)、(b)、(c)はそれぞれ両面画像形成時の転写材の搬送ルートを説明するための部分図である。
【図6】転写材のサイズの自動設定とマニュアル設定の場合のプロセスを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
6 反転給紙部
10 感光体
13 現像器
17 転写器
23 タイミングローラ
30 搬送ベルト
33 吸引箱
Claims (4)
- 複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部とを有する画像形成装置において、転写材のサイズを自動的に決定するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向に対し垂直方向にあるタブ付転写材を選択することを特徴とする画像形成装置。
- 複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像の方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、転写材のサイズを自動的に決定するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向に対し垂直方向にあるタブ付転写材を選択し、原稿画像の方向と前記転写材上に形成し得る画像方向が合わない場合は前記原稿画像を90度回転して、当該転写材に転写し得ることを特徴とする画像形成装置。
- 複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像の方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、原稿画像に合った転写材のサイズをマニュアルで選択するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたとき、転写材のタブ部が搬送方向に対し垂直方向側にある給紙段を選択可能で、原稿画像の方向と転写材上に形成し得る画像方向が合わない場合は前記原稿画像を90度回転して、当該転写材に転写し得ることを特徴とする画像形成装置。
- 複数の給紙段と、当該給紙段の各々に装填されている転写材のサイズを認識して所望の給紙段を選択可能であって、かつ、画像サイズにより転写材のサイズを自動的に決定することが可能な中央演算装置と、タブ付転写材を両面モードで給送可能な給紙搬送部と、形成する画像を読み取った画像方向に対して90度回転可能な画像処理手段とを有し、原稿画像に合った転写材のサイズをマニュアルで選択するモードで、タブ付転写材の両面に印字するモードが設定されたときは、タブ部が搬送方向にある転写材へのプリントを不可能にすることを特徴とする画像形成装置。
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