JP2005015215A - 画像形成装置および方法 - Google Patents

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恵一 田口
Toru Nibu
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Abstract

【課題】ユーザの操作が適合しないときに、ユーザに対して注意を促す。
【解決手段】CPU100は、印字指令信号に含まれる画像信号に基づき、該画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報を判定する。また、CPU100は、カセット伸縮センサ360により検出されるカセットの伸縮状態に対応して、カセットに収容可能なシートに関するシート情報を判定する。そして、CPU100は、画像の寸法情報と、カセットの伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定し、不適合と判定したときは、画像形成動作を禁止するとともに、表示駆動回路105を介して表示パネル106に不適合である旨を表示してユーザに報知する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置では、シート収容部に収容されているシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に対応する画像を形成し、形成した画像を転写位置でシートに転写するようにしている。この種の画像形成装置では、一般に、ユーザの便宜を考慮して種々のサイズのシートを収容可能なシート収容部を備えている。
【0003】
このような種々のサイズのシートを収容可能なシート収容部として、従来、シートの搬送方向に伸縮可能にしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置は、収容するシートの搬送方向の長さ寸法に合わせてユーザが伸縮させ、その伸縮状態でストッパにより固定するようにしたシート収容部を備えている。この固定位置として、シートの長さ寸法に対応して複数の位置が予め設定されており、いずれの位置で固定されているかが、装置本体に設けた複数のセンサにより検出可能になっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−51136号公報(第3頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような、ユーザが操作して伸縮することが可能なシート収容部を備えた画像形成装置では、次のような問題が生じる。すなわち、シート収容部の伸縮は、収容するシートに合わせてユーザが操作することによって行われるため、例えばユーザがシート収容部に収容するシートのサイズや向きを誤るなどユーザの操作内容によっては、画像信号に対応する画像の寸法とシート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しない事態が生じ得る。そこで、このような事態が生じたときは、例えば再操作ができるよう、ユーザに対して注意を促すことが望ましい。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ユーザの操作が適合しないときに、ユーザに対して注意を促すことができる画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、収容するシートの搬送方向に伸縮可能に構成されたシート収容部からシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に対応する画像を形成し、形成した画像を転写位置でシートに転写する画像形成装置において、シート収容部の伸縮状態を検出する伸縮検出手段と、シート収容部の伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシートに関するシート情報を判定するシート情報判定手段と、画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報を判定する寸法情報判定手段とを備え、寸法情報とシート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定し、不適合と判定したときはユーザに不適合である旨を報知することを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成方法は、シートの搬送方向に伸縮可能に構成されたシート収容部に収容されたシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に対応する画像を形成し、形成した画像を転写位置でシートに転写する画像形成方法において、シート収容部の伸縮状態を検出する工程と、シート収容部の伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシートに関するシート情報を判定する工程と、画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報を判定する工程と、寸法情報とシート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定する工程と、不適合と判定したときはユーザに不適合である旨を報知する工程とを備えたことを特徴としている。
【0009】
この種の画像形成装置では、シート収容部に収容されるシート情報に基づき動作を制御しているが、この発明ではシート情報をユーザが操作したシート収容部の伸縮状態から得ている。すなわち、この発明のシート収容部はシートの搬送方向に伸縮可能に構成されているので、収容するシートに合わせてユーザがシート収容部を操作して伸縮させることができるため、その伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシート情報が得られることとなる。したがって、シート収容部に収容するシートのサイズや向きをユーザが誤るなど、ユーザの操作内容によっては、シート収容部の伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシートと画像信号に対応する画像の寸法とが互いに適合しないような事態が生じ得る。
【0010】
そこで、この発明によれば、シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報と画像の寸法に関する寸法情報とが適合しているか否かを判定し、不適合と判定したときはユーザに不適合である旨を報知しているため、ユーザに対してユーザの操作が適合していないことについて注意を促すことができる。その結果、ユーザは、シート収容部の伸縮の再操作を行うなど、不適合に対応した処理を行うことが可能になる。
【0011】
また、シート収容部は、所定の伸張状態と短縮状態とのいずれかのみに設定可能に構成され、伸縮検出手段は、シート収容部が伸張状態と短縮状態とのいずれに設定されているかを検出するとしてもよい。このように構成された発明によれば、伸縮検出手段を、シート収容部の伸張状態を検出可能な位置に配設した検出素子で構成するか、またはシート収容部の短縮状態を検出可能な位置に配設した検出素子で構成すればよいため、一つの検出素子からなる最小限の部品で伸縮検出手段を構成することができる。
【0012】
また、シート収容部は、伸張状態に設定されているときと短縮状態に設定されているときとで、収容可能なシートの搬送方向の長さ寸法がそれぞれ規制されているとしてもよい。例えば、シート収容部は、伸張状態に設定されているときは搬送方向の長さ寸法が所定の下限値以上のシートのみが収容可能であり、短縮状態に設定されているときは搬送方向の長さ寸法が所定の上限値以下のシートのみが収容可能であるとすることができる。
【0013】
このように構成された発明によれば、伸縮状態の検出結果が伸張状態であって、かつ画像の搬送方向の長さ寸法が上記下限値未満のときは、不適合と判定され、その旨がユーザに報知される。また、伸縮状態の検出結果が短縮状態であって、かつ画像の搬送方向の長さ寸法が上記上限値を超えるときは、不適合と判定され、その旨がユーザに報知される。これによって、いずれの場合も、ユーザに対してユーザの操作が適合していないことについて注意を促すことができる。
【0014】
また、画像のサイズや向きとシートのサイズや向きとが不適合のときは、画像をシートに好適に転写できないおそれがある。そこで、画像の寸法情報とシート情報とが不適合と判定したときに、画像信号に対応する画像形成の動作を禁止するようにすると、画像をシートに好適に転写できないことによる無駄な画像形成やシートの無駄を未然に防止することができる。
【0015】
また、シート収容部に収容されるシートに関するシート情報をユーザが操作して設定するシート情報設定手段と、シート情報設定手段の設定状態を検出する設定検出手段とをさらに備え、シート情報設定手段の設定状態に対応するシート情報が、寸法情報とシート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定し、それらの判定結果のうち少なくとも1つが不適合のときは、その旨をユーザに報知するとしてもよい。
【0016】
このように構成された発明によれば、シート情報設定手段の設定をユーザが操作しているので、例えばシート情報設定手段の設定をユーザが誤操作するなど、ユーザの操作内容によっては、シート情報設定手段の設定状態に対応するシート情報が、シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報や画像信号に対応する画像の寸法情報に、それぞれ適合しないような事態が生じ得る。そこで、この発明によれば、シート情報設定手段の設定状態に対応するシート情報が、シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報と画像の寸法情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定し、それらの判定結果のうち少なくとも1つが不適合のときは、その旨をユーザに報知するようにしているため、ユーザに対して、ユーザの操作が適合していないことについて注意を促すことができる。これによって、シート収容部の伸縮やシート情報設定手段の設定について再操作を行うなど、ユーザが不適合に対応した処理を行うことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がCPU100(図6参照)に与えられると、このCPU100からの指令に応じて装置本体1に設けられたエンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0018】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。また、これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2が一体として装置本体1に対し着脱自在となっている。
【0019】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じた光ビームLにより感光体22上を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0020】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、現像ユニット4は、回転軸4aを中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、CPU100により制御されている。そして、このCPU100からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともに、これらの現像器4Y,4C,4M,4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に現像ユニット4が位置決めされると、当該現像器(図1では現像器4K)に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ(図1では現像ローラ41K)から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0021】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。中間転写ベルト71は、複数のローラ72〜75に掛け渡されており、ローラ73が駆動モータ(図示省略)により回転駆動されることで、所定の回転方向D2に回転するように構成されている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、下方のカセット11から1枚ずつ取り出され搬送路Fに沿って二次転写位置TR2まで搬送されてくるシートSを二次転写ローラ86と中間転写ベルト71とで挟みつつ搬送することで、該シートS上にカラー画像を二次転写する。このように、搬送路Fは、カセット11から二次転写位置TR2まで、ほぼ鉛直方向に延設されている。
【0022】
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写位置TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、転写ユニット7に後述する垂直同期センサ76(図6)が設けられ、搬送路F上において二次転写位置TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写位置TR2に給紙される。
【0023】
また、こうしてカラー画像が転写されたシートSは、定着ユニット9によって搬送されつつシートS上のカラー画像が定着され、さらに排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体1の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送路Fに乗せられるが、このとき、二次転写位置TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0024】
さらに、図1に示すように、装置本体1の下端には、シートSを収容するためのカセット11が装着されている。このカセット11は箱型に形成され、装置本体1に対して着脱可能になっている。また、カセット11は、互いに別体で形成され、シートSの搬送方向D4に直交する方向の幅寸法がほぼ同一のメインカセット部11aとサブカセット部11bとからなる。サブカセット部11bは、収容するシートSのサイズに応じて、メインカセット部11aに対して、伸張位置(図1中、破線)と短縮位置(図1中、実線)との間で摺動可能に構成されている。なお、カセット11の構成については後に詳述する。そして、カセット11に収容されているシートSは、捌き部材113により捌かれつつ、ピックアップローラ111が当接する最上段のシートSのみがカセット11から搬送路Fに送り出され、フィードローラ112によりさらに搬送されて、ゲートローラ81に到達する。
【0025】
また、ゲートローラ81の近傍であってフィードローラ112側の搬送路F上にはゲート前シートセンサ84が配設されている。また、フィードローラ112の近傍であってピックアップローラ111側(ゲートローラ81と反対側)の搬送路F上にはフィード前シートセンサ85が配設されている。ゲート前シートセンサ84およびフィード前シートセンサ85は、搬送路Fに沿って搬送されてきたシートSを検出するもので、検出信号はそれぞれCPU100(図6)に送出される。このように、この実施形態では、カセット11が本発明の「シート収容部」に相当し、二次転写位置TR2が本発明の「転写位置」に相当する。
【0026】
図2、図3はそれぞれカセットの構成を示す図である。図2はサブカセット部が短縮位置に位置決めされている状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。また、図3はサブカセット部が伸張位置に位置決めされている状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。なお、図2、図3において、矢印方向D4はシートSが送り出される方向、すなわち搬送方向であり、矢印方向D5は該搬送方向に直交する幅方向である。
【0027】
メインカセット部11aは、ほぼ矩形の底板200と、この底板200の右端(図1中、搬送路F側の先端)に立設され、シートSの先端を規制して揃えるための先端規制部210と、底板200の幅方向D5の両端(図2、図3中、上端および下端)にそれぞれ立設された規制部220,230とから形成されており、左端側は開放されている。この規制部220,230には、それぞれガイド部221,231が形成されている。
【0028】
また、サブカセット部11bは、ほぼ矩形の底板300と、この底板300の左端に立設された規制部310と、底板300の幅方向D5の両端(図2、図3中、上端および下端)にそれぞれ立設された規制部320,330とから形成されており、右端側は開放されている。
【0029】
そして、サブカセット部11bの規制部320,330は、それぞれメインカセット部11aのガイド部221,231に嵌合しており、これによって、サブカセット部11bは、メインカセット部11aに対して短縮位置(図2)と伸張位置(図3)との間で左右方向に摺動可能に、メインカセット部11aにより保持されている。また、サブカセット部11bは、メインカセット部11aのストッパ240によって、短縮位置と伸張位置とのいずれかにのみ位置決め可能になされている。以下では、サブカセット部11bが短縮位置に位置決めされた状態を「カセット11の短縮状態」と言い、サブカセット部11bが伸張位置に位置決めされた状態を「カセット11の伸張状態」と言う。
【0030】
また、サブカセット部11bの底板300には、後端ガイド340が立設されている。この後端ガイド340は、サブカセット部11bが短縮位置および伸張位置のいずれの位置にあっても、スライド板341に沿って左右方向にスライド可能になっている。そして、後端ガイド340をシートSの搬送方向D4の長さ寸法に合わせてスライドさせることによって、シートSの後端を規制して揃えることができる。
【0031】
このスライド板341によって決められる後端ガイド340のスライド可能な範囲に基づき、カセット11に収容可能なシートSの寸法が規制されている。すなわち、カセット11が短縮状態のときは、搬送方向D4の長さ寸法L1(この実施形態では例えばL1=270mm)以下のシートが収容可能になっており、カセット11が伸張状態のときは、搬送方向D4の長さ寸法L2(この実施形態では例えばL2=271mm)以上のシートが収容可能になっている。図2に長さ寸法L1を示し、図3に長さ寸法L2を示している。
【0032】
また、サブカセット部11bの規制部320の後端側には、突起部350が、図2、図3中、上方に向けて突設されている。この突起部350は、カセット11の伸縮状態を検出するためのものである。次に、このカセット11の伸縮状態検出のための構成について説明する。
【0033】
図4はカセット11の伸縮状態検出のための構成を説明する図で、(a)は装置本体に設けられたカセット伸縮センサの回動部を示す斜視図、(b)、(c)はそれぞれカセット11の伸張状態および短縮状態を示す平面図である。
【0034】
装置本体1の、サブカセット部11bが短縮位置に位置決めされたときの突起部350に対向する位置には、カセット伸縮センサ360が配設されている。このカセット伸縮センサ360の支持部361は装置本体1に固定されており、この支持部361により回動部362の一端が支持されている。この回動部362は、支持部361を中心に回動自在で、ばね363によりカセット11側に付勢されている。そして、図4(b)に示すように、サブカセット部11bが伸張位置に位置決めされているときは、回動部362がカセット11側に突出しており、カセット伸縮センサ360からオフ信号がCPU100(図6)に出力される。一方、サブカセット部11bが短縮位置に位置決めされると、図4(c)に示すように、サブカセット部11bの規制部320に形成された突起部350により回動部362が押し込まれて、カセット伸縮センサ360からオン信号がCPU100(図6)に出力される。このように、この実施形態では、カセット伸縮センサ360が本発明の「伸縮検出手段」に相当し、長さ寸法L1が本発明の「上限値」に相当し、長さ寸法L2が本発明の「下限値」に相当する。
【0035】
図5は中間転写ベルト71上に転写される画像を説明するための中間転写ベルト71の展開図である。中間転写ベルト71は、図5に示すように、ほぼ矩形のシート体が継ぎ目711で継ぎ合わされて形成された無端ベルトからなる。図5において、矢印D6は回転駆動方向を示し、矢印D7は回転軸方向を示している。この中間転写ベルト71には、回転軸方向D7の一端側(図5中、上側)に突起部712が設けられている。
【0036】
また、この中間転写ベルト71は、転写禁止領域713と転写許可領域714とを有している。転写禁止領域713は、継ぎ目711の両側所定寸法の範囲に、回転軸方向D7に一端から他端に亘って設定されている。転写許可領域714は、転写禁止領域713以外の領域であって、回転軸方向D7の一端部および他端部を除く矩形の領域に設定されている。この転写許可領域714は、回転駆動方向D6に長辺方向のA3判より大きいサイズを有している。そして、図5(A)に示すように、回転駆動方向D6に長辺方向となるA3判サイズの画像715が転写可能になっている。また、図5(B)に示すように、転写許可領域714を2つのサブ領域714A,714Bに分割設定し、中間転写ベルト71の一周で、回転駆動方向D6に短辺方向となるA4判サイズの画像716が2枚転写可能になっている。
【0037】
図6はこの画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置には、図6に示すように、エンジン部EGなどの各部の動作を制御するCPU100が設けられており、メモリ101などが接続されている。メモリ101は、CPU100の制御プログラムが格納されたROM部や、外部装置から送られてくる画像信号その他のデータを一時的に格納するRAM部を備える。
【0038】
垂直同期センサ76は、中間転写ベルト71に形成された突起部712を例えば光学的に検出するもので、中間転写ベルト71の一周を検出する。この垂直同期センサ76が検出する垂直同期信号Vsyncは、画像形成動作におけるエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。表示パネル106は、装置本体1の表面適所に設けられ、例えば液晶からなり、ユーザに対するメッセージなどを表示するものである。
【0039】
シート情報設定ダイアル116は、装置本体1のカセット11の近傍に配設され、ユーザが回転操作してシート情報を設定するものである。複数のシート情報としてカセット11に収容するシートのサイズおよび向き(例えばA4サイズで搬送方向が短辺の向き、A3サイズで搬送方向が長辺の向きなど)が、シート情報設定ダイアル116の周囲の装置本体1の表面に表示されている。そして、ユーザは、ダイアルの指示部がカセット11に収容するシートSのサイズおよび向きを指示する位置までシート情報設定ダイアル116を回転操作して、シート情報を設定する。シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応する信号は、CPU100に送られる。
【0040】
CPU100は、外部装置から印字指令信号が入力されると、垂直同期センサ76からの垂直同期信号Vsyncに基づき感光体カートリッジ2、露光ユニット6、現像ユニット4、転写ユニット7などの動作を制御して、印字指令信号に含まれる画像信号に対応する画像を形成する画像形成動作を実行する。また、CPU100は、ローラ駆動回路102を介して、ゲートローラ81、排出前ローラ82、排出ローラ83、定着ユニット9の加熱ローラ、ピックアップローラ111、フィードローラ112のオンオフを制御して、シートSを所定速度で搬送させる。
【0041】
また、CPU100は、ピックアップローラ111によるシートSの送り出し開始時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84によりシートSが検出されないときに、ジャムと判定する。また、CPU100は、ゲート前シートセンサ84のシート検出時点からの経過時間が予め設定された撓み形成時間に達した時点で、ピックアップローラ111、フィードローラ112によるシートSの搬送を停止させる。この撓み形成時間は、シートSの搬送が停止された時点で、該シートSの先端がゲートローラ81に当接した状態で該シートSに所定量の撓みが形成される値に設定されている。
【0042】
また、CPU100は、外部装置から印字指令信号が入力されると、該印字指令信号に含まれる画像信号に基づき、該画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報(この実施形態では回転駆動方向D6の長さ寸法)を判定する。例えば図5(A)の画像715であれば回転駆動方向D6の長さ寸法をL3と判定し、例えば図5(B)の画像716であれば回転駆動方向D6の長さ寸法をL4と判定する。また、CPU100は、カセット伸縮センサ360により検出されるカセット11の伸縮状態に対応して、カセット11に収容可能なシートSに関するシート情報を判定する。そして、CPU100は、画像の寸法情報と、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定し、不適合と判定したときは、画像形成動作を禁止するとともに、表示駆動回路105を介して表示パネル106に不適合である旨を表示してユーザに報知する。このように、この実施形態では、CPU100が本発明の「シート情報判定手段」および「寸法情報判定手段」に相当する。以下、この装置の動作手順の一例について、フローチャートを参照しつつ説明する。
【0043】
図7は適合判定動作を示すフローチャートである。図7のルーチンは、印字指令信号の入力時に実行される。まず、カセット伸縮センサ360からの検出信号に基づき、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報を判定し(#10)、次いで印字指令信号に含まれる画像信号に基づき、該画像信号に対応する画像の長さ寸法を判定して(#11)、シート情報と画像の長さ寸法とが互いに適合しているか否かを判定する(#12)。
【0044】
そして、適合と判定されたときは(#12でYES)、そのままこのルーチンを終了する一方、不適合と判定されたときは(#12でNO)、画像形成動作を禁止し(#13)、不適合である旨のメッセージを表示パネル106に表示出力して(#18)、このルーチンを終了する。
【0045】
例えばカセット11が短縮状態のときは、ステップ#10で、カセット11内のシートSの搬送方向D4の長さ寸法の上限値がL1と判定される。そして、ステップ#11で判定された画像の長さ寸法がL1を超えているときは、ステップ#12で不適合と判定される。
【0046】
以上説明したように、この実施形態によれば、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報と、画像信号に対応する画像の寸法情報とが適合しているか否かを判定し、不適合のときは表示パネル106に不適合である旨を表示出力してユーザに報知するようにしているので、ユーザのカセット11の伸縮操作が誤っていることについて、ユーザに対して注意を促すことができる。これによって、例えばカセット11の伸縮について再操作を行うなど、ユーザが不適合に対応する処理を実行することが可能になる。
【0047】
また、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報と画像の寸法情報とが互いに不適合のときは、画像がシートSに好適に転写できないおそれがあるが、この実施形態によれば、不適合のときは画像形成動作を禁止しているので、画像がシートSに好適に転写できないことによる無駄な画像形成やシートSの無駄を未然に防止することができる。
【0048】
また、この実施形態によれば、カセット11を短縮状態および伸張状態のいずれかにのみ位置決め可能に構成しているので、カセット11の伸縮状態を1個のカセット伸縮センサ360により検出することができる。したがって、3箇所以上に位置決め可能で複数のセンサを要する上記従来の特許文献1に記載の装置に比べて、センサの個数を削減でき、装置構成を簡素化することができる。
【0049】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報と、画像信号に対応する画像の寸法情報とが適合しているか否かを判定しているが、これに限られない。
【0050】
例えば図6において、CPU100は、さらに、シート情報設定ダイアル116からの信号に基づきユーザが操作したシート情報設定ダイアル116の設定状態を検出するようにしてもよい。そして、CPU100は、シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応するシート情報が、画像の寸法情報と、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定し、いずれか一方または双方が不適合と判定したときは、画像形成動作を禁止するとともに、表示パネル106に不適合である旨を表示してユーザに報知するようにしてもよい。このように、この変形形態では、シート情報設定ダイアル116が本発明の「シート情報設定手段」に相当し、CPU100が本発明の「設定検出手段」に相当する。
【0051】
図8はこの形態の適合判定動作を示すフローチャートである。図8のルーチンは、印字指令信号の入力時に実行される。ステップ#20,#21は図7のステップ#10,#11と同一である。続くステップ#22において、シート情報設定ダイアル116からの信号に基づき、その設定状態に対応するシート情報を判定する。そして、シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応するシート情報が、画像の寸法情報と、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定する(#23)。そして、いずれも適合と判定されたときは(#23でYES)、そのままこのルーチンを終了する一方、いずれか一方または双方が不適合と判定されたときは(#23でNO)、画像形成動作を禁止し(#24)、不適合である旨のメッセージを表示パネル106に表示出力して(#25)、このルーチンを終了する。
【0052】
例えばカセット11が短縮状態のときは、ステップ#20で、カセット11内のシートSの搬送方向D4の長さ寸法の上限値がL1と判定される。そして、ステップ#22で、シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応するシートSの長さ寸法がL1を超えるものであるときは、ステップ#23で不適合と判定される。
【0053】
この変形形態によれば、シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応するシート情報が、画像の寸法情報と、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定し、それらの判定結果のうち少なくとも1つが不適合のときは、その旨を表示パネル106に表示してユーザに報知しているので、ユーザの操作が適合していないことについて、ユーザに対して注意を促すことができる。これによって、例えばシート情報設定ダイアル116の設定やカセット11の伸縮について再操作を行うなど、ユーザが不適合に対応する処理を実行することが可能になる。
【0054】
また、シート情報設定ダイアル116の設定状態に対応するシート情報が、画像の寸法情報や、カセット11の伸縮状態に対応するシート情報に適合していないときは、画像のシートSへの転写が好適にできないおそれがあるが、この変形形態では、不適合のときに画像形成動作を禁止しているので、画像をシートSに好適に転写できないことによる無駄な画像形成やシートSの無駄を未然に防止することができる。なお、図6ではシート情報設定ダイアル116を用いているが、ダイアルに限られず、例えばタッチパネルなどの操作部により入力して設定するものなど、ユーザが操作してシート情報を設定するものであればよい。
【0055】
また、上記図7のステップ#13や上記図8のステップ#24では、画像形成動作を禁止しているが、これに限られず、画像形成動作を禁止しないようにしてもよい。また、例えば画像形成動作の禁止後所定時間だけ待機し、その間に不適合状態が解消されないときは、その不適合状態がユーザの要求であると解して、所定時間経過後に画像形成動作を許可するようにしてもよい。
【0056】
また、上記した実施形態では、カセット11は短縮状態および伸縮状態のいずれかにのみ位置決め可能にしているが、これに限られず、短縮状態および伸縮状態の中間の位置にも位置決め可能にしてもよい。
【0057】
また、上記した実施形態では、カラー画像の形成が可能なカラープリンタを用いて説明しているが、これに限られず、モノクロプリンタでもよい。また、上記した実施形態では、外部装置からの印字指令信号に応じて画像を形成するプリンタとしての画像形成装置に本発明を適用しているが、本発明を適用することができるのはこれに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置、さらにはこれらの機能を兼備した複合機に対しても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。
【図2】カセットの短縮状態を示す図。
【図3】カセットの伸張状態を示す図。
【図4】カセットの伸縮状態検出のための構成を説明する図。
【図5】中間転写ベルトの展開図。
【図6】この画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図7】適合判定動作を示すフローチャート。
【図8】別の適合判定動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…カセット(シート収容部)、100…CPU(シート情報判定手段、寸法情報判定手段、設定検出手段)、106…表示パネル、116…シート情報設定ダイアル(シート情報設定手段)、360…カセット伸縮センサ(伸縮検出手段)、S…シート、TR2…二次転写位置(転写位置)

Claims (7)

  1. 収容するシートの搬送方向に伸縮可能に構成されたシート収容部からシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に対応する画像を形成し、形成した画像を前記転写位置でシートに転写する画像形成装置において、
    前記シート収容部の伸縮状態を検出する伸縮検出手段と、
    前記シート収容部の伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシートに関するシート情報を判定するシート情報判定手段と、
    前記画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報を判定する寸法情報判定手段とを備え、
    前記寸法情報と前記シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定し、不適合と判定したときはユーザに不適合である旨を報知することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記シート収容部は、所定の伸張状態と短縮状態とのいずれかのみに設定可能に構成され、
    前記伸縮検出手段は、前記シート収容部が前記伸張状態と前記短縮状態とのいずれに設定されているかを検出する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記シート収容部は、前記伸張状態に設定されているときと前記短縮状態に設定されているときとで、収容可能なシートの前記搬送方向の長さ寸法がそれぞれ規制されている請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記シート収容部は、前記伸張状態に設定されているときは前記搬送方向の長さ寸法が所定の下限値以上のシートのみが収容可能であり、前記短縮状態に設定されているときは前記搬送方向の長さ寸法が所定の上限値以下のシートのみが収容可能である請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記不適合と判定したときに、前記画像信号に対応する画像形成の動作を禁止する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記シート収容部に収容されるシートに関するシート情報をユーザが操作して設定するシート情報設定手段と、
    前記シート情報設定手段の設定状態を検出する設定検出手段とをさらに備え、
    前記シート情報設定手段の設定状態に対応するシート情報が、前記寸法情報と前記シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とに適合しているか否かをそれぞれ判定し、それらの判定結果のうち少なくとも1つが不適合のときは、その旨をユーザに報知する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. シートの搬送方向に伸縮可能に構成されたシート収容部に収容されたシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に対応する画像を形成し、形成した画像を前記転写位置でシートに転写する画像形成方法において、
    前記シート収容部の伸縮状態を検出する工程と、
    前記シート収容部の伸縮状態に対応して該シート収容部に収容可能なシートに関するシート情報を判定する工程と、
    前記画像信号に対応する画像の寸法に関する寸法情報を判定する工程と、
    前記寸法情報と前記シート収容部の伸縮状態に対応するシート情報とが適合しているか否かを判定する工程と、
    不適合と判定したときはユーザに不適合である旨を報知する工程と
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
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