JP3687470B2 - 車両用モータアシスト装置の防磁構造 - Google Patents

車両用モータアシスト装置の防磁構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車両用モータアシスト装置の防磁構造に係り、特に、発電動機のモータステータから洩れ出た磁束や電波ノイズによる回転位置センサへの悪影響を無くし得て、回転位置センサの検出信号にノイズが発生することを低減し得る車両用モータアシスト装置の防磁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、動力源として燃料の燃焼によって駆動するエンジンに発電動機(モータ)を直結し、エンジンの駆動力を発電動機の駆動力によりアシストする車両用モータアシスト装置を設けた、いわゆるハイブリッド車両がある。
【0003】
車両用モータアシスト装置は、電気エネルギで駆動して発電機能を有する発電動機を設け、この発電動機の回転位置を検出する回転位置センサを設けている。車両用モータアシスト装置は、制御手段によりエンジン及び発電動機の運転状態を関連して制御し、要求される性能(燃費や排気有害成分値、動力性能等)を高次元で達成している。
【0004】
このような車両用モータアシスト装置としては、特開平11−78556号公報、特開平11−78558号公報に開示されるものがある。特開平11−78556号公報に開示されるものは、クラッチ機構で発生した金属粉がモータジェネレータに侵入することを阻止する阻止部材を設けたものである。特開平11−78558号公報に開示されるものは、エンジンとモータジェネレータとの間にモータジェネレータからの電流や磁束を遮蔽する遮蔽部材を設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用モータアシスト装置は、発電動機の駆動運転時や発電運転時にモータステータから磁束や電波ノイズが洩れ出て、周囲の機器に悪影響を及ぼす問題がある。
【0006】
そこで、前述特開平11−78558号公報に開示される車両用モータアシスト装置においては、エンジンとモータジェネレータとの間に遮蔽部材を設けることにより、モータジェネレータのコイルからの漏洩電流や漏洩磁束によって金属体から構成されるエンジンのクランク軸の回転動作に悪影響が生じることを防止し、回転動作の安定を図っている。
【0007】
ところが、前述特開平11−78558号公報の車両用モータアシスト装置においては、モータジェネレータのステータに対するロータの回転位置を検出する位置検出センサをステータに近接して配設しているため、ステータから洩れ出た磁束や電波ノイズが位置検出センサに悪影響を与える問題があり、位置検出センサの検出信号にノイズを発生させ、発電動機の制御精度を低下させる不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、燃料の燃焼によって駆動するエンジンのシリンダブロックに取付けられたモータケースの内部にクランク軸の出力側端に取付けられたフライホイールを配設し、このフライホイールの内周側に比べて外周側をクランク軸の長手方向で突出させて厚肉な慣性部分を設け、前記エンジンのクランク軸の出力側端に電気エネルギで駆動して発電機能を有する発電動機を直結して設け、この発電動機をモータロータとこのモータロータに対応して配置されたモータステータとから構成し、前記モータステータに対して前記モータロータの回転位置を検出するようにセンサロータとこのセンサロータに対応して配置されたセンサステータとからなる回転位置センサを設け、前記エンジンのシリンダブロックに取付けられたモータケースに前記モータステータ及びセンサステータを夫々取付けて設け、前記エンジンのクランク軸に取付けられたロータ取付部材に前記モータロータ及びセンサロータを夫々取付けて設けた車両用モータアシスト装置において、前記モータケースの内側周面にモータステータ取付部を設け、このモータステータ取付部に取付けられたモータステータのモータステータコア部をモータケースの外周側に配設し、前記モータステータコア部よりクランク軸の長手方向に突出させてモータステータのモータステータコイル部を設け、前記モータケースの内側周面に設けられたセンサステータ取付部をフライホイールに沿って内周側に延出させ、このセンサステータ取付部をモータステータコイル部とフライホイールとの間に配設するとともにセンサステータ取付部に取付けられたセンサステータをモータケースの内周側に配設し、前記発電動機のモータロータ及びモータステータと前記回転位置センサのセンサステータ及び/またはこのセンサステータに接続される信号線との間に前記モータステータから洩れ出た磁束及び/または電波ノイズを遮蔽する防磁部材を設け、この防磁部材をセンサステータ取付部に取付け、前記防振部材の内周側にはモータロータとセンサステータコイル部との間でモータステータコイル部と径方向において重なるように配設される厚肉部分を設けるとともに前記防磁部材の外周側にはモータステータコイル部とセンサステータ取付部との間でフライホイールの厚肉な慣性部分の側方に配設される薄肉部分を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の車両用モータアシスト装置の防磁構造は、発電動機のモータステータのモータステータコア部をモータケースの外周側に配設し、モータステータコア部よりクランク軸の長手方向に突出させてモータステータのモータステータコイル部を設け、回転位置センサのセンサステータをモータケースの内周側に配設し、発電動機のモータロータ及びモータステータと回転位置センサのセンサステータ及び/またはこのセンサステータに接続される信号線との間にモータステータから洩れ出た磁束及び/または電波ノイズを遮蔽する防磁部材を設けてセンサステータ取付部に取付け、防振部材の内周側にはモータロータとセンサステータコイル部との間でモータステータコイル部と径方向において重なるように配設される厚肉部分を設けるとともに防磁部材の外周側にはモータステータコイル部とセンサステータ取付部との間でフライホイールの厚肉な慣性部分の側方に配設される薄肉部分を設けたことにより、回転位置センサ及び/または信号線を発電動機から洩れ出た磁束や電波ノイズから遮蔽することができ、回転位置センサのみならず回転位置センサの検出信号が流れる信号線に対しても発電動機から洩れ出た磁束や電波ノイズによる悪影響を回避することができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図4は、この発明の第1実施例を示すものである。図4において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4は車両用モータアシスト装置、6はトランスミッションである。このエンジン2は、燃料の燃焼によって駆動するものであり、車両用モータアシスト装置4を介してトランスミッション6を連結している。
【0011】
エンジン2は、シリンダブロック8とシリンダヘッド10とヘッドカバー12とロアケース14とオイルパン16とを有し、シリンダブロック8の下部にクランク軸18をロアケース14により軸支して設けている。クランク軸18には、シリンダ20に摺動可能に内装したピストン22をコンロッド24により連絡して設けている。
【0012】
また、エンジン2は、シリンダヘッド10にクランク軸18と同期して回転される吸気カム軸26及び排気カム軸28を軸支して設けている。吸気カム軸26及び排気カム軸28は、各シリンダ20の吸気弁30及び排気弁32を夫々駆動する。
【0013】
エンジン2のクランク軸18の出力側には、前記車両用モータアシスト装置4を設けている。車両用モータアシスト装置4は、クランク軸18の出力側端のシリンダブロック8にモータケース34を取付けて設け、クランク軸18の出力側端にロータ取付部材36を取付けて設けている。
【0014】
前記モータケース34は、図2・図3に示す如く、シリンダブロック8に後述するミッションケース110とともに取付ボルト38により取付けて設けている。モータケース34は、トランスミッション6側に円筒形状のモータステータ取付部40を設け、モータステータ取付部40の外周にトランスミッション6側に開放する冷却水通路42を形成する通路壁部44を設け、エンジン2側に円環形状のセンサステータ取付部46を設けている。モータケース34は、通路壁部44のトランスミッション6側に冷却水通路42を閉塞する閉塞部材48を取付ボルト50により取付けて設け、冷却水通路42の長手方向両端に後述する発電動機78を冷却する冷却水を流出入させる冷却水パイプ52・54を設けている。
【0015】
前記ロータ取付部材36は、クランク軸18の出力端のクランク軸側フランジ部56に第1フライホイール58とともに位置決めピン60により位置決めされて取付ボルト62により取付けて設けている。第1フライホイール58は、外周縁にスタータドリブンギヤ64を設けている。スタータドリブンギヤ64には、図示しないスタータモータのスタータドライブギヤが噛合される。
【0016】
ロータ取付部材36は、前記クランク軸側フランジ部56に取付られる円環形状のモータ側フランジ部66を設け、このモータ側フランジ部66の外縁円周方向にセンサロータ取付部68を設け、モータ側フランジ部66の内縁からトランスミッション6側に延びる内筒部70を設け、モータ側フランジ部66の外縁から内筒部70と同軸心にトランスミッション6側に延びる外筒部72を設け、外筒部72の外周円周方向にモータロータ取付部74を設け、外筒部72のトランスミッション6側端に円環形状の第2フライホイール76を径外方向に突出させて設けている。
【0017】
車両用モータアシスト装置4は、クランク軸18の出力側端に電気エネルギで駆動して発電機能を有する発電動機(モータ)78を直結して設け、発電動機78の回転位置を検出する回転位置センサ80を設けている。
【0018】
発電動機78は、モータロータ82とこのモータロータ82に対応して配置されたモータステータ84とからなる。モータステータ84は、モータステータコア部86とモータステータコイル部88とを有し、モータステータコイル部88に電力線90を接続して設けている。
【0019】
発電動機78は、モータロータ82をロータ取付部材36のモータロータ取付部74に位置決めして取付ボルト92により取付けて設け、モータステータ84のモータステータコア部86をモータケース34のモータステータ取付部40に位置決めして取付ボルト94により取付けて設けている。
【0020】
回転位置センサ80は、モータステータ84に対してモータロータ82の回転位置を検出するように、センサロータ96とこのセンサロータ96に対応して配置されたセンサステータ98とからなる。センサステータ98は、センサステータコア部100とセンサステータコイル部102とを有し、センサステータコイル部102に信号線104を接続して設けている。
【0021】
回転位置センサ80は、センサロータ96をロータ取付部材36のセンサロータ取付部68に位置決めして取付具106により取付けて設け、センサステータ98のセンサステータコア部100をモータケース34のセンサステータ取付部46に位置決めして取付ボルト108により取付けて設けている。
【0022】
車両用モータアシスト装置4には、第2フライホイール76側にトランスミッション6を連結して設けている。トランスミッション6は、ミッションケース110をモータケース34とともに取付ボルト38によりエンジン2のシリンダブロック8に取付けて設けている。
【0023】
トランスミッション6は、図4に示す如く、ロータ取付部材36の内筒部70とミッションケース110とに入力軸受112により軸支される入力軸114を設け、この入力軸114と平行にミッションケース110に出力軸受116により軸支される出力軸118を設け、入力軸114及び出力軸118と平行にミッションケース110に支持されるリバースアイドラ軸120を設けている。
【0024】
トランスミッション6は、入力軸114の車両用モータアシスト装置4側端とロータ取付部材36の第2フライホイール76との間にクラッチ122を設けている。クラッチ122は、第2フライホイール76に設けたクラッチ面部材124に入力軸114に軸方向移動可能且つ回転不可能に設けたクラッチディスク126をプレッシャプレート128により押圧・離間させ、エンジン2及び発電動機78の駆動力をトランスミッション6に伝達・遮断する。
【0025】
トランスミッション6は、クラッチ122を介して入力する駆動力の回転速度及びトルクを入力軸114及び出力軸118とリバースアイドラ軸120との間に設けた前進段及び後進段の変速ギヤ列130により変換し、終減速ギヤ列132によりミッションケース110に軸支した差動機134に伝達し、図示しない左右の駆動車軸に伝達する。
【0026】
このように、この車両用モータアシスト装置4は、エンジン2に電気エネルギで駆動して発電機能を有する発電動機78を直結して設け、発電動機78の回転位置を検出する回転位置センサ80を設け、モータケース34及びロータ取付部材36に発電動機78及び回転位置センサ80を取付けて設けている。
【0027】
この車両用モータアシスト装置4は、発電動機78のモータロータ82及びモータステータ84と回転位置センサ80のセンサステータ98及び/またはこのセンサステータ98に接続される信号線104との間に、モータステータ84から洩れ出た磁束及び/または電波ノイズを遮蔽する防磁部材136を設けている。
【0028】
防磁部材136は、防磁性を有する非磁性体のアルミニウム、ステンレス、鋼、銅等の素材により形成して設けている。また、防磁部材136は、内周側のモータロータ82とセンサステータ98のセンサステータコイル部102との間に位置される厚肉部分138と、外周側のモータステータ84とセンサステータ98のセンサステータコア部100及びセンサステータ取付部46との間に位置される薄肉部分140とから、略円環板形状に形成して設けている。
【0029】
防磁部材136は、センサステータ98及びセンサステータ取付部46と対向する側に収納溝部142を径方向に指向させて形成して設けている。この収納溝部142には、センサステータ98に接続される信号線104を収納する。この防磁部材136は、最薄部、例えば収納溝部142の形成により薄くなった薄肉部分140の最薄部140aの厚さを2mm以上の厚さに形成して設け、発電動機78のモータロータ82と対向する部位の厚肉部分138に最厚部138aを形成して設けている。
【0030】
防磁部材136は、センサステータ98及び/または信号線104を覆うように、センサステータ98とともにモータケース34のセンサステータ取付部46に前記取付ボルト108により共締めして取付けて設けている。この取付ボルト108は、アルミニウムやステンレス等の非磁性体の素材により形成して設ける。また、モータケース34とロータ取付部材36とは、防磁性を有する非磁性体のアルミニウムにより形成して設ける。
【0031】
なお、回転位置センサ80のセンサステータ98に接続される信号線104は、モータケース34の透孔144から空間146を通り外部に導かれ、制御手段(図示せず)に接続される。また、発電動機78のモータステータ84に接続される電力線90は、信号線104と離間してモータケース34の空間146を通り外部に導かれ、制御手段(図示せず)に接続される。
【0032】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0033】
車両用モータアシスト装置4は、燃料の燃焼によって駆動するエンジン2に発電動機78を直結し、制御手段によりエンジン2及び発電動機78の運転状態を関連して制御することにより、エンジン2の駆動力を発電動機78の駆動力によりアシストするとともに、エンジン2の余剰の駆動力により発電し、要求される性能(燃費や排気有害成分値、動力性能等)を高次元で達成する。
【0034】
この車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、回転位置検出センサ80のセンサステータ98及び/または信号線104を覆う防磁部材136を設けている。発電動機78の駆動運転時や発電運転時にモータステータ84から漏れ出る磁束及び/または電波ノイズは、回転位置検出センサ80のセンサステータ98及び信号線104を覆う防磁部材136により遮蔽され、回転位置検出センサ80や信号線104に到ることがない。
【0035】
これにより、この車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、回転位置センサ80のみならず、回転位置センサ80の検出信号が流れる信号線104に対しても、発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズによる悪影響を回避することができる。
【0036】
このため、この車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することを低減することができ、発電動機78の制御精度を向上することができる。
【0037】
また、この車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、防磁部材136をセンサステータ98とともにモータケース34に取付ける取付ボルト108を非磁性体の素材により形成して設け、モータケース34とロータ取付部材36とを防磁性を有する非磁性体のアルミニウムにより形成して設けていることにより、発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズによる回転位置センサ80への悪影響をさらに確実に回避することができ、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することをさらに低減することができる。
【0038】
さらに、この車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、発電動機78の電力線90と回転位置センサ80の信号線104とを離間してモータケース34の空間146を通り外部に導いていることにより、発電動機78の電力線90のノイズが回転位置センサ80の出力する検出信号に進入するのを阻止することができ、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することを低減することができる。
【0039】
図5は、第2実施例を示すものである。第2実施例の車両用モータアシスト装置4は、発電動機78のモータロータ82及びモータステータ84と回転位置センサ80のセンサステータ98及び/または信号線104との間に第1の防磁部材148を設け、この第1の防磁部材148に一部を重ならせて発電動機78のモータロータ82と回転位置センサ80のセンサロータ96及びセンサステータ98のセンサステータコイル部102との間に第2の防磁部材150を設けている。
【0040】
第1の防磁部材148は、厚肉部分152と薄肉部分154とから略円環板形状に形成し、信号線104の収納溝部156を形成し、厚肉部分152にモータロータ82から離間するように段差部158を形成して設ける。第2の防磁部材150は、モータ側フランジ部66にセンサロータ96により支持される支持部160と外筒部72に沿うように嵌合される嵌合部162とモータロータ82及び段差部154間に位置される突出部164とから略断面ハット形状に形成して設ける。
【0041】
第2実施例の車両用モータアシスト装置4は、センサステータ98及び/または信号線104を覆う第1の防磁部材148によってモータステータ84から漏れ出る磁束及び/または電波ノイズが遮蔽することができ、センサステータ98及び信号線104に至ることがなく、また、第1の防磁部材148に一部を重ならせてセンサロータ96及びセンサステータ98を覆う第2の防磁部材150によってモータステータ84から漏れ出てセンサロータ96側から回り込む磁束及び/または電波ノイズを遮蔽することができ、センサステータ98に到ることがない。
【0042】
これにより、第2実施例の車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、回転位置センサ80及び信号線104に対する発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズによる悪影響をさらに確実に回避することができ、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することをさらに低減することができ、発電動機78の制御精度を向上することができる。
【0043】
図6は、第3実施例を示すものである。第3実施例の車両用モータアシスト装置4は、モータケース34のセンサロータ取付部46のモータステータ84と対向する側に収納溝部166を径方向に指向させて形成して設け、収納溝部166の径方向中心側にセンサロータ取付部46の第1フライホイール58と対向する側に貫通する貫通孔168を形成して設け、信号線104を収納溝部166に収納するとともに貫通孔168により第1フライホイール58と対向する側に貫通させ、回転位置センサ80のセンサステータコイル部102に第1フライホイール58側から接続して設けたものである。
【0044】
第3実施例の車両用モータアシスト装置4は、信号線104をセンサロータ取付部46に設けた収納溝部166に収納して貫通孔168に貫通し、回転位置センサ80のセンサステータコイル部102に第1フライホイール58側から接続して設けたことにより、信号線104をモータステータ84から離間させて配置することができ、発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズの影響を受けにくくすることができ、また、防磁部材170の厚肉部172及び薄肉部174に信号線104用の収納溝部142(図1参照)を設ける必要がないことにより、防磁部材170を厚く形成することができ、発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズの遮蔽機能を向上することができる。
【0045】
これにより、第3実施例の車両用モータアシスト装置4の防磁構造は、回転位置センサ80及び信号線104に対する発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズによる悪影響をさらに確実に回避することができ、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することをさらに低減することができ、発電動機78の制御精度を向上することができる。
【0046】
なお、上述実施例においては、モータケース34やロータ取付部材36、取付ボルト108を防磁性を有する非磁性体により形成して設けたが、信号線104を覆う被覆材176を防磁性を有する非磁性体により形成して設けることによって、発電動機78から漏れ出た磁束や電波ノイズによる信号線104への悪影響をさらに確実に回避することができ、回転位置センサ80の検出信号にノイズが発生することをさらに低減することができる。
【0047】
【発明の効果】
このように、この発明の車両用モータアシスト装置の防磁構造は、発電動機と回転位置センサ及び/または信号線との間に防磁部材を設けたことにより、回転位置センサ及び信号線を発電動機から洩れ出た磁束や電波ノイズから遮蔽することができ、回転位置センサのみならず回転位置センサの検出信号が流れる信号線に対しても発電動機から洩れ出た磁束や電波ノイズによる悪影響を回避することができる。
【0048】
このため、この車両用モータアシスト装置の防磁構造は、回転位置センサの検出信号にノイズが発生することを低減することができ、発電動機の制御精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す車両用モータアシスト装置の発電動機及び回転位置センサの要部拡大断面図である。
【図2】車両用モータアシスト装置の断面図である。
【図3】図2の矢印3による車両用モータアシスト装置の正面図である。
【図4】車両用モータアシスト装置を設けたエンジンの断面図である。
【図5】第2実施例を示す発電動機及び回転位置センサの要部拡大断面図である。
【図6】第3実施例を示す発電動機及び回転位置センサの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
4 車両用モータアシスト装置
6 トランスミッション
8 シリンダブロック
18 クランク軸
34 モータケース
36 ロータ取付部材
78 発電動機
80 回転位置センサ
82 モータロータ
84 モータステータ
96 センサロータ
98 センサステータ
104 信号線
136 防磁部材

Claims (3)

  1. 燃料の燃焼によって駆動するエンジンのシリンダブロックに取付けられたモータケースの内部にクランク軸の出力側端に取付けられたフライホイールを配設し、このフライホイールの内周側に比べて外周側をクランク軸の長手方向で突出させて厚肉な慣性部分を設け、前記エンジンのクランク軸の出力側端に電気エネルギで駆動して発電機能を有する発電動機を直結して設け、この発電動機をモータロータとこのモータロータに対応して配置されたモータステータとから構成し、前記モータステータに対して前記モータロータの回転位置を検出するようにセンサロータとこのセンサロータに対応して配置されたセンサステータとからなる回転位置センサを設け、前記エンジンのシリンダブロックに取付けられたモータケースに前記モータステータ及びセンサステータを夫々取付けて設け、前記エンジンのクランク軸に取付けられたロータ取付部材に前記モータロータ及びセンサロータを夫々取付けて設けた車両用モータアシスト装置において、前記モータケースの内側周面にモータステータ取付部を設け、このモータステータ取付部に取付けられたモータステータのモータステータコア部をモータケースの外周側に配設し、前記モータステータコア部よりクランク軸の長手方向に突出させてモータステータのモータステータコイル部を設け、前記モータケースの内側周面に設けられたセンサステータ取付部をフライホイールに沿って内周側に延出させ、このセンサステータ取付部をモータステータコイル部とフライホイールとの間に配設するとともにセンサステータ取付部に取付けられたセンサステータをモータケースの内周側に配設し、前記発電動機のモータロータ及びモータステータと前記回転位置センサのセンサステータ及び/またはこのセンサステータに接続される信号線との間に前記モータステータから洩れ出た磁束及び/または電波ノイズを遮蔽する防磁部材を設け、この防磁部材をセンサステータ取付部に取付け、前記防振部材の内周側にはモータロータとセンサステータコイル部との間でモータステータコイル部と径方向において重なるように配設される厚肉部分を設けるとともに前記防磁部材の外周側にはモータステータコイル部とセンサステータ取付部との間でフライホイールの厚肉な慣性部分の側方に配設される薄肉部分を設けたことを特徴とする車両モータアシスト装置の防磁構造。
  2. 前記回転位置センサのセンサステータと前記防磁部材とは、前記モータケースに非磁性体から形成される取付ボルトにより取付けて設けたこと特徴とする請求項1に記載の車両用モータアシスト装置の防磁構造。
  3. 前記モータケースとロータ取付部材とは、アルミニウムにより形成して設けたこと特徴とする請求項1に記載の車両用モータアシスト装置の防磁構造。
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