JP3687163B2 - ビデオカメラ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板(LCD)や陰極線管(CRT)を有して構成されたモニタ用の映像表示装置を備えたビデオカメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮像レンズ及び撮像素子を有して構成されたカメラ装置とビデオテープレコーダ装置とを一体的に構成したビデオカメラ装置がある。そして、このようなビデオカメラ装置は、液晶表示板(LCD)や陰極線管(CRT)を有して構成された映像表示装置を備えているものがある。
【0003】
ビデオカメラ装置において、映像表示装置は、カメラ装置により撮像されている映像、又はビデオテープレコーダ装置により再生された映像を表示する装置である。したがって、この映像表示装置は、ビデオカメラ装置による撮影を行う場合のファインダとして使用されるとともに、ビデオテープレコーダ装置により再生された映像を観賞する場合のモニタとしても使用される。
【0004】
映像表示装置は、映像を表示する表示画面を有しており、この表示画面をビデオカメラ装置の外筐体の後方側に向けた状態で、外筐体の背面部に配設されている。このビデオカメラ装置は、カメラ装置が、外筐体の前方側を撮影するように配設されている。したがって、このビデオカメラ装置の使用者は、このビデオカメラ装置を使用者自身の正面側に構えた際、映像表示装置の表示画面を見ながら、カメラ装置による撮影を行うことができる。
【0005】
そして、上述したビデオカメラ装置に設けられた映像表示装置は、このビデオカメラ装置の外筐体に対して、表示支持機構を介して取り付けられることによって、撮影状態に応じて移動可能に支持されているものがある。
【0006】
上述した表示支持機構を備えるビデオカメラ装置について、図面を参照して説明する。まず、図13に示すように、ビデオカメラ装置101は、本体101Aと、この本体101Aの背面部に配設される映像表示装置101Bと、この映像表示装置101Bを揺動自在に支持する表示支持機構101Cとを備え構成されている。表示支持機構101Cは、本体101Aの背面側に取り付けられる支持ベース101Dと、この支持ベース101Dに基端部が揺動自在に支持されるとともに先端部に映像表示装置101Bを揺動自在に支持する一組の第1の支持部材101Fと、一端部が第1の支持部材101Fを揺動自在に支持するとともに他端部が支持ベース101Dに揺動自在に支持された一組の第2の支持部材101Gとを備えて構成されている。
【0007】
また、この支持ベース101Dには、第1の支持部材101Fの基端部をスライド移動自在に支持するガイドスリット101Eが設けられている。そして、このビデオカメラ装置101は、表示支持機構101Cを介して映像表示装置101Bの表示画面が上方側及び下方側とにそれぞれ傾斜される。
【0008】
つぎに、ビデオカメラ装置102は、図14に示すように、本体102Aと、この本体102Aの背面側に上方側の側端部が揺動自在に支持された映像表示装置102Bとを備えて構成されている。そして、このビデオカメラ装置102は、本体102Aに対して映像表示装置102Bを回動させることによって、映像表示装置102Bの表示画面が上方側に傾斜されるとともに、映像表示装置102Bの表示画面が本体102Aの前方側に向けられる。
【0009】
また、ビデオカメラ装置103は、図15に示すように、本体103Aと、この本体103Aの背面側に基端部が揺動自在に支持された支持部材103Cと、この支持部材103Cの先端部に回動自在に支持された映像表示装置103Bとを備えて構成されている。このビデオカメラ装置103は、本体103Aに対して支持部材103Cを揺動させることによって、映像表示装置103Bを引き出し操作する。そして、このビデオカメラ装置103は、支持部材103Cに対して映像表示装置103Bが、支持部材103Cが揺動された方向と直交する方向に回動されることによって、映像表示装置103Bの表示画面が上方側及び下方側とにそれぞれ傾斜されるとともに、映像表示装置103Bの表示画面が本体103Aの前方側に向けられる。
【0010】
最後に、ビデオカメラ装置104は、図16に示すように、本体104Aと、この本体104Aに固定されて設けられた映像表示装置104Bと、本体104Aの一側面部に回動自在に配設されたカメラ装置104Cとを備えて構成されている。このビデオカメラ装置104は、カメラ装置104Cに対して、映像表示装置104Bが設けられた本体104Aを回動させることによって、映像表示装置104Bの表示画面が上方側及び下方側とにそれぞれ傾斜される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ビデオカメラ装置101は、本体101Aに対して映像表示装置101Bを回動させて、本体101Aの前方側に映像表示装置101Bの表示画面を向けることができないという問題があった。
【0012】
また、ビデオカメラ装置102は、本体102Aに対して映像表示装置102Bを回動させて、映像表示装置102Bの表示画面を下方側に傾斜させることができないという問題があった。
【0013】
また、ビデオカメラ装置103は、映像表示装置103Bを傾斜させたり回動させる際、複数の動作が必要となり回動操作が煩雑であるという問題があった。
【0014】
また、ビデオカメラ装置104は、カメラ装置104Cに対して、本体104Aに固定された映像表示装置104Bを傾斜させるため、比較的大きな動作と力が必要なる。このため、このビデオカメラ装置104は、映像表示装置104Bを傾斜させる動作が煩わしいという問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、本体部に対して映像表示装置の表示画面を上方側及び下方側に容易に傾斜させることができるとともに、本体部の前方側に映像表示装置の表示画面を容易に向けることが可能とされたビデオカメラ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係るビデオカメラ装置は、撮影方向を前方側として配設された撮像レンズとこの撮像レンズが形成する像を撮像する撮像手段とを有する本体部と、表示画面を本体部の後方側に向けて配設される映像表示装置と、一端部が本体部の背面側の上方縁部との間の第1のヒンジ部材を介して本体部に回動自在に支持されるとともに他端部が映像表示装置との間の第2のヒンジ部材を介して映像表示装置を回動自在に支持することにより、本体部の背面側に対して映像表示装置を揺動自在に支持する略矩形板状に形成された表示支持機構とを備え、上記映像表示装置は、上記表示支持機構に、映像を表示する表示画面を上方側及び下方側に傾斜自在に支持されるとともに、上記本体部の前方側に映像を表示する表示画面が向くように支持されたビデオカメラ装置であって、上記表示支持機構は、上記第1のヒンジ部材の下方で上記本体部の背面に略平行な第1の位置から、上記第1のヒンジ部材の上方で上記本体部の背面に略平行な第2の位置までの略180度回動自在に構成され、上記第2の位置においては、上記映像表示装置を上記本体部の上面よりも上方に保持すると共に、この状態で上記第2のヒンジ部材により上記映像表示装置の表示画面が上記本体部の前方側又は後方側に向くように選択自在に回動するよう構成されたことを特徴とする。
【0019】
以上のように構成したビデオカメラ装置は、表示支持機構が有するヒンジ部材を介して、映像表示装置が、映像を表示する表示画面を上方側及び下方側に傾斜自在とされるとともに、本体部の前方側に映像を表示する表示画面が向くようにされている。
【0020】
また、このビデオカメラ装置は、本体部に対してヒンジ部材が揺動された際、ヒンジ部材の各端部に設けられた第1の操作部及び第2の操作部によって、第1の切替えスイッチ及び第2の切替えスイッチがそれぞれ操作される。したがって、このビデオカメラ装置は、揺動されたヒンジ部材の傾斜角に応じて、映像表示装置に表示される映像の向きを切り替えられる。
【0021】
さらに、ビデオカメラ装置は、映像表示装置の背面側に設けられた収納凹部にヒンジ部材の一端部側が収納される。すなわち、ヒンジ部材の一端部側は、映像表示装置の厚さ領域内に収納される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、ビデオカメラ装置を図面を参照して説明する。本実施の形態のビデオカメラ装置1は、図1及び図2に示すように、本体部3と、この本体部3に実装されて撮像レンズ4A及び撮像手段として撮像素子を有して構成されるカメラ部4と、本体部3に実装されて映像の記録及び再生を行う図示しないビデオテープレコーダ部と、撮影中の映像又は再生された映像を表示する映像表示部5と、この映像表示部5を揺動自在に支持する表示支持機構部6と、この表示支持機構部6の近傍位置に配設され映像表示部に表示させる映像の向きを切り替える第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8とを備えて構成されている。
【0023】
そして、本体部3の正面側には、図1に示すように、カメラ部4が有する撮像レンズ4Aと、外部音声を録音するためのマイク9、図示しないリモートコントローラからの光信号を受光するリモコン受光部10、撮影中に点灯する録画ランプ11、ズームレンズをズーム動作させるためのズームレバー12、本体部3を保持するためのグリップラバー13とがそれぞれ配設されている。
【0024】
また、本体部3の背面側には、図2に示すように、映像表示部5、この映像表示部5に各種メニューを表示させて操作するメニュー操作ボタン群14、撮影する映像に日付や時刻を挿入するための日付ボタン、時刻ボタン等を有するボタン群15、撮影中に点灯する録画ランプ16とがそれぞれ配設されている。
【0025】
また、本体部3の上方側には、図1及び図2に示すように、各種操作ボタン、液晶表示板を有する操作パネル18、主電源スイッチ19、撮影環境に応じて撮影状態を切り替えるプログラムAEダイヤル20とがそれぞれ配設されている。また、本体部3の右側面側には、図1及び図2に示すように、本体部3を保持する手を引っかけるグリップベルト23が配設されている。
【0026】
また、本体部3の左側面側には、図2に示すように、録音された音声を出力するスピーカ24、外部電源用接続端子25、外部機器用接続端子群26、ショルダーベルト取付け用フック27とがそれぞれ配設されている。
【0027】
映像表示部5は、図4及び図6に示すように、映像を表示する表示画面を構成する液晶パネル5Aと、この液晶パネル5Aを発光させる光源5Bと、この光源5Bからの光を液晶パネル5Aへ導く導光板5Cと、液晶パネル5Aを制御する回路基板5Dと、この回路基板5D上に配設された電子素子群5Eと、表示部筐体5Fとから構成されている。
【0028】
また、本体部3の背面側には、図3及び図4に示すように、映像表示部5が収納される収納部3Aが凹設されている。この収納部3Aは、映像表示部5の背面側の外形形状と略同一形状に形成されている。したがって、映像表示部5は、映像を表示する表示画面側が外方に臨んだ状態で、本体部3の収納部3Aに収納される。
【0029】
また、本体部3に凹設された収納部3Aには、係合ピン28が配設されており、また映像表示部5の背面上には、断面略U字状の係合凹部29Aを有する係合部材29が立設されている。したがって、本体部3の収納部3Aに収納された映像表示部5は、この収納部3Aに配設された係合ピン28と、この映像表示部5の背面上に立設された係合部材29の係合凹部29Aとが互いに係合することによって、収納状態が保持されて確実に収納される。
【0030】
以上のように構成された映像表示部5は、カメラ部4により撮影されている映像、又はビデオテープレコーダ部により再生された映像を表示する。したがって、ビデオカメラ装置1は、映像表示部5が、カメラ部4による撮影を行う場合のビューファインダとして使用されるとともに、ビデオテープレコーダ部により再生された映像を観賞する場合のモニタとしても使用される。
【0031】
表示支持機構部6は、図5及び図6に示すように、本体部3と映像表示部5とを揺動自在に連結するヒンジ部材30と、このヒンジ部材30の両端部を揺動自在にそれぞれ支持する支持ピン31及び支軸32と、映像表示部5に設けられて支持ピン31を支持する一対の支持片33A、33Bと、本体部3の背面側の上方縁部に設けられて支軸32を支持する支持部材34とを備えている。
【0032】
ヒンジ部材30は、本体部3と映像表示部5とを揺動自在に連結するヒンジベース35と、このヒンジベース35の主面側に重ね合わされて配設される主面側外筐36と、ヒンジベース35の背面側に重ね合わされて配設される背面側外筐37とを備えている。
【0033】
ヒンジ部材30は、略矩形板状に形成されており、一端部に映像表示部5を回動自在に支持する一対の第1のヒンジ部30A、30Aがそれぞれ形成されており、また他端部に本体部3の背面側の上方縁部に回動自在に支持される一対の第2のヒンジ部30B、30Bがそれぞれ形成されている。
【0034】
背面側外筐37には、本体部3側の端部に第1の切替えスイッチ7を押込み操作する第1の操作部41が断面円弧状に膨出形成されている。主面側外筐36には、主面上に、映像表示部5を操作するメニュー操作ボタン群14が配設されており、また映像表示部5側の端部に第2の切替えスイッチ8を押込み操作する断面円弧状の第2の操作部42が膨出形成されている。
【0035】
支持ピン31は、ヒンジ部材30の第1のヒンジ部30Aの軸穴に挿通されており、支持片33A、33Bに両端部が支持されている。支軸32は、ヒンジ部材30の第2のヒンジ部30Bの軸穴に挿通されており、また両端部にブッシュ38A、38Bがそれぞれ配設されている。
【0036】
支持部材34には、相対向する一対の支持片34A、34Bがそれぞれ立ち上がり形成されている。そして、この支持部材34は、支持片34A、34Bに、ヒンジ部材30の第2のヒンジ部30Bに挿通された支軸32の両端部をそれぞれ支持している。
【0037】
したがって、ヒンジ部材30は、第1のヒンジ部30Aが映像表示部5を回動自在に支持するとともに第2のヒンジ部30Bが本体部3の背面側の上方縁部に回動自在に支持されている。
【0038】
そして、映像表示部5の表示部筐体5Fには、背面部に、映像表示部5に対してヒンジ部材30が回動された際、ヒンジ部材30の背面側外筐37が突き当てられる突当面43が形成されている。また、本体部3の背面側の上方縁部には、支持部材34の近傍位置に、本体部3に対してヒンジ部材30が回動された際、ヒンジ部材30の主面側外筐36が突き当てられる突当部44が設けられている。
【0039】
また、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側には、この背面側にヒンジ部材30の主面側外筐36が突き合わされた際、ヒンジ部材30の一端部側を収納する収納凹部39が形成されている。
【0040】
第1の切替えスイッチ7は、押込み操作される作動片7Aを有しており、この作動片7Aがヒンジ部材30に設けられた第1の操作部41に臨んだ状態で、本体部3に配設されている。そして、この第1の切替えスイッチ7は、ヒンジ部材30が回動された際、このヒンジ部材30の第1の操作部41によって作動片7Aが押込み操作される。
【0041】
第2の切替えスイッチ8は、押込み操作される作動片8Aを有しており、この作動片8Aがヒンジ部材30に設けられた第2の操作部42に臨んだ状態で、映像表示部5に配設されている。そして、この第2の切替えスイッチ8は、ヒンジ部材30が回動された際、このヒンジ部材30の第2の操作部42によって作動片8Aが押込み操作される。
【0042】
また、これら第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8は、映像表示部5に表示される映像の向きの切り替えを制御する図示しない制御回路部とそれぞれ接続配線されている。
【0043】
上述した表示支持機構部6について、本体部3に対して映像表示部5を傾斜させる動作を図6を参照して説明する。表示支持機構部6は、映像表示部5に対してヒンジ部材30が回動された際、このヒンジ部材30の第1のヒンジ部30Aを介して、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側に設けられた突当面43に、ヒンジ部材30の背面側筐体37が突き当てられる位置から、ヒンジ部材30の主面側外筐36が突き当てられる位置との回転角145度の範囲内を揺動することができる。
【0044】
また、表示支持機構部6は、本体部3に対してヒンジ部材30が回動された際、このヒンジ部材30の第2のヒンジ部30Bを介して、本体部3の背面にヒンジ部材30の背面側外筐37が突き当てられる位置から、本体部3に形成された突当部44に突き当てられる位置との回転角180度の範囲内を揺動することができる。
【0045】
つぎに、上述した第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8について、ヒンジ部材30が揺動されることによって押込み操作されて、映像表示部5に表示される映像の向きが切り替わる状態を図7及び図8を参照して説明する。
【0046】
第1の切替えスイッチ7は、図7に示すように、ヒンジ部材30に対して映像表示部5が傾斜角θ1傾斜された際、このヒンジ部材30に設けられた第1の操作部41によって押込み操作されてONにされる。なお、ビデオカメラ装置1において、傾斜角θ1は、30度に設定されている。
【0047】
第2の切替えスイッチ8は、図8に示すように、本体部3に対してヒンジ部材30が傾斜された際、このヒンジ部材30に設けられた第2の操作部42によって押込み操作されてONとされる。なお、ビデオカメラ装置1において、傾斜角θ2は、160度に設定されている。
【0048】
映像表示部5に表示される映像は、第1の切替えスイッチ7がOFF状態及び第2の切替えスイッチ8がOFF状態の場合、第1の切替えスイッチ7がOFF状態及び第2の切替えスイッチ8がON状態の場合、並びに第1の切替えスイッチ7がON状態及び第2の切替えスイッチ8がON状態の場合、同一の向きに表示される。
【0049】
そして、映像表示部5に表示される映像は、第1の切替えスイッチ7がON状態及び第2の切替えスイッチ8がOFF状態の場合、上下逆さに倒立された向きに切り替えられて表示される。
【0050】
以上のように構成されたビデオカメラ装置1について、本体部3に対して映像表示部5が傾斜された状態を図面を参照して説明する。まず、ビデオカメラ装置1は、図9に示すように、本体部3の収納部3Aに映像表示部5が収納された位置の場合、映像表示部5の表示画面が本体部3の背面と平行とされた第1の状態とされている。
【0051】
また、この第1の状態において、第1の切替えスイッチ7は、OFFにされており、また第2の切替えスイッチ8は、OFFにされている。したがって、このビデオカメラ装置1の使用者は、撮影を行いながら、本体部3の収納部3Aに収納されている映像表示部5の表示画面によって、撮影されている映像を見ることができる。
【0052】
また、ビデオカメラ装置1は、図10に示すように、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側に形成された突当面43にヒンジ部材30の背面側外筐37を突き当てるとともに、本体部3の収納部3Aに映像表示部5の一側端部を突き当てることによって、本体部3の背面に対して映像表示部5の表示画面を、下方側に所定の傾斜角θ3度傾斜させた第2の状態にすることができる。
【0053】
なお、ビデオカメラ装置1において、傾斜角θ3は、およそ55度に設定されている。また、この第2の状態において、第1の切替えスイッチ7は、OFFにされており、また第2の切替えスイッチ8は、ONにされている。すなわち、この第2の状態において、映像表示装置5に表示される映像は、上述した第1の状態で表示される映像と同一の向きとされている。したがって、ビデオカメラ装置1の使用者は、使用者の目の高さより上方からいわゆるハイアングル撮影を行いながら、下方側に傾斜された映像表示部5の表示画面によって撮影されている映像を見ることができる。
【0054】
さらに、ビデオカメラ装置1は、図11に示すように、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側に形成された突当面43にヒンジ部材30の背面側外筐37を突き当てるとともに、本体部3に設けられた突当部44にヒンジ部材30の主面側外筐36を突き当てることによって、本体部3の背面に対して映像表示部5の表示画面を、上方側に所定の傾斜角θ4度傾斜させた第3の状態にすることができる。
【0055】
なお、ビデオカメラ装置1において、傾斜角θ4は、およそ45度に設定されている。また、この第3の状態において、第1の切替えスイッチ7は、ONにされており、また第2の切替えスイッチ8は、ONにされている。すなわち、この第3の状態において、映像表示装置5に表示される映像は、上述した第1及び第2の状態で表示される映像と同一の向きとされている。したがって、ビデオカメラ装置1の使用者は、使用者の目の高さより下方からいわゆるロウアングル撮影を行いながら、撮影されている映像を見ることができる。
【0056】
さらにまた、ビデオカメラ装置1は、図12に示すように、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側にヒンジ部材30の主面側外筐36を突き当てるとともに、本体部3に設けられた突当部44にヒンジ部材30の主面側外筐36を突き当てることによって、撮像レンズ4Aが配設された本体部3の正面側に表示画面を向けた第4の状態にすることができる。
【0057】
また、この第4の状態において、第1の切替えスイッチ7は、ONにされており、また第2の切替えスイッチ8は、OFFにされている。すなわち、この第4の状態において、映像表示装置5に表示される映像は、上述した第1、第2及び第3の状態で表示される映像と上下逆さに倒立された向きに切り替えられる。したがって、ビデオカメラ装置1の使用者は、撮像レンズ4Aを使用者側に向けて、例えば使用者自身の撮影を行いながら、撮影されている映像を見ることができる。
【0058】
上述したように、実施の形態のビデオカメラ装置1は、第1のヒンジ部30Aが映像表示部5を回動自在に支持するとともに第2のヒンジ部30Bが本体部3の背面側の上方縁部に回動自在に支持されるヒンジ部材30を有する表示支持機構部6を備えることによって、本体部3に対して映像表示部5の表示画面を上方側及び下方側に容易に傾斜させることができるとともに、撮像レンズ4Aが配設された本体部3の正面側に映像表示部5の表示画面を容易に向けることが可能とされる。したがって、このビデオカメラ装置1は、使用者の目の高さより上方側及び下方側を撮影しながら映像表示部5の表示画面を見ることができるとともに、使用者自身の方向を撮影しながら映像表示部5の表示画面を見ることができる。
【0059】
また、このビデオカメラ装置1は、表示支持機構部6を構成するヒンジ部材30の両端部に臨んで第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8がそれぞれ配設されるとともに、ヒンジ部材30の両端部に、第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8を押込み操作する第1の操作部41及び第2の操作部42がそれぞれ形成されたことによって、本体部3の背面に対する映像表示部5の傾斜角に応じて、映像表示部5に表示される映像の向きを適宜切り替えることができる。
【0060】
したがって、このビデオカメラ装置1によれば、使用者の目の高さの上方側及び下方側を撮影している状態で、映像表示部5の表示画面を見ることができるとともに、使用者側を撮影しながら映像表示部5の表示画面を見ることができる。
【0061】
さらに、このビデオカメラ装置1は、映像表示部5の表示部筐体5Fの背面側に収納凹部39が形成されることによって、この表示部筐体5Fの背面側にヒンジ部材30の一端部側が突き当てられて重ね合わされた際、収納凹部39にヒンジ部材30の一端部側が収納されるため、装置全体を小型化することができる。
【0062】
なお、本実施の形態に係るビデオカメラ装置1は、映像表示装置5に対するヒンジ部材30の傾斜及び本体部3に対するヒンジ部材30の傾斜をそれぞれ検出するために、押込み操作される第1の切替えスイッチ7及び第2の切替えスイッチ8を備える構成とされたが、例えば回転角検出スイッチ等の他のスイッチを備える構成としても良い。
【0063】
【発明の効果】
上述したように本発明に係るビデオカメラ装置によれば、一端部が本体部の背面側の上方縁部に回動自在に支持されるとともに他端部が映像表示装置を回動自在に支持するヒンジ部材を有し本体部の背面側に対して映像表示装置を揺動自在に支持する表示支持機構とを備えることによって、映像表示装置の表示画面を上方側及び下方側に向けて傾斜させることが容易にできるとともに、映像表示装置の表示画面を本体部の前方側に向けることが容易にできる。したがって、このビデオカメラ装置によれば、使用者の目の高さの上方側及び下方側を撮影している状態で、映像表示装装置の表示画面を見ることができるとともに、使用者側を撮影しながら映像表示装置の表示画面を見ることができる。
【0064】
また、このビデオカメラ装置によれば、映像表示装置に表示される映像の向きを切り替える第1の切替えスイッチ及び第2の切替えスイッチがヒンジ部材の両端部にそれぞれ設けられたことによって、移動された映像表示装置の位置に応じて、表示する映像の向きを確実に切り替えることが可能とされる。
【0065】
さらに、このビデオカメラ装置は、映像表示装置の背面側に設けられた収納凹部に、ヒンジ部材の一端部側が収納されることによって、装置全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のビデオカメラ装置を正面側から示す斜視図である。
【図2】上記ビデオカメラ装置を背面側から示す斜視図である。
【図3】上記ビデオカメラ装置を背面側から示す平面図である。
【図4】上記ビデオカメラ装置が備える映像表示部を説明するために示す左側面図である。
【図5】上記ビデオカメラ装置が備える表示支持機構部を示す分解斜視図である。
【図6】上記ビデオカメラ装置が備える表示支持機構部の動作を説明するために示す側面図である。
【図7】上記ビデオカメラ装置が備える第1の切替えスイッチを説明するために示す側面図である。
【図8】上記ビデオカメラ装置が備える第2の切替えスイッチを説明するために示す側面図である。
【図9】上記ビデオカメラ装置が備える映像表示部の第1の状態を説明するために示す側面図である。
【図10】上記ビデオカメラ装置が備える映像表示部の第2の状態を説明するために示す側面図である。
【図11】上記ビデオカメラ装置が備える映像表示部の第3の状態を説明するために示す側面図である。
【図12】上記ビデオカメラ装置が備える映像表示部の第4の状態を説明するために示す側面図である。
【図13】従来のビデオカメラ装置が備える映像表示装置を説明するために示す側面図である。
【図14】従来のビデオカメラ装置が備える映像表示装置を説明するために示す側面図である。
【図15】従来のビデオカメラ装置が備える映像表示装置を説明するために示す斜視図である。
【図16】従来のビデオカメラ装置が備える映像表示装置を説明するために示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ビデオカメラ装置
3 本体部
4A 撮像レンズ
5 映像表示部(映像表示装置)
6 表示支持機構部(表示支持機構)
7 第1の切替えスイッチ
8 第2の切替えスイッチ
30 ヒンジ部材
39 収納凹部
41 第1の操作部
42 第2の操作部

Claims (1)

  1. 撮影方向を前方側として配設された撮像レンズとこの撮像レンズが形成する像を撮像する撮像手段とを有する本体部と、
    表示画面を本体部の後方側に向けて配設される映像表示装置と、
    一端部が本体部の背面側の上方縁部との間の第1のヒンジ部材を介して本体部に回動自在に支持されるとともに、他端部が映像表示装置との間の第2のヒンジ部材を介して映像表示装置を回動自在に支持することにより、本体部の背面側に対して映像表示装置を揺動自在に支持する略矩形板状に形成された表示支持機構とを備え、
    上記映像表示装置は、上記表示支持機構に、映像を表示する表示画面を上方側及び下方側に傾斜自在に支持されるとともに、上記本体部の前方側に映像を表示する表示画面が向くように支持されたビデオカメラ装置であって、
    上記表示支持機構は、上記第1のヒンジ部材の下方で上記本体部の背面に略平行な第1の位置から、上記第1のヒンジ部材の上方で上記本体部の背面に略平行な第2の位置までの略180度回動自在に構成され、上記第2の位置においては、上記映像表示装置を上記本体部の上面よりも上方に保持すると共に、この状態で上記第2のヒンジ部材により上記映像表示装置の表示画面が上記本体部の前方側又は後方側に向くように選択自在に回動するよう構成されたことを特徴とするビデオカメラ装置。
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