JP3686595B2 - 掃除口用蓋のカバーおよびカバー取付け構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は排水管路における掃除口用蓋のカバーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
排水管路には所定箇所に排水桝が配置され、該排水桝からは上方に向けて掃除口が差出されており、該掃除口には蓋(1C)が被着されている。この蓋(1C)には排水管路に大気圧を導入するための通気口(8C)が設けられている。しかし蓋(1C)に通気口(8C)を設けると該通気口(8C)から掃除口に雨水等が侵入するおそれがある。
そこで従来、例えば図１３に示すような空気抜き体(2C)を蓋(1C)に取付けていた（特開平９−３２８７９３号）。この空気抜き体(2C)は水平方向に通気路(7C)を内設した本体(4C)と、該本体(4C)の下側から差出され該通気路(7C)に連通する通気管部(81C) とからなり、該通気管路を掃除口に被着した蓋(1C)の通気口(8C)に挿着することによって、該空気抜き体(2C)を該蓋(1C)の上側に取付ける。
こうすると該蓋(1C)の通気口(8C)は該空気抜き体(2C)に覆われて雨水等の侵入が阻止される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この空気抜き体(2C)には水平方向に通気路(7C)が内設されているために有底であって厚みが大きくなり、蓋(1C)から大きく突出して周りに干渉すると云う問題点があった。また、該蓋(1C)上に雨水等が溢れた場合に、該空気抜き体(2C)の通気路(7C)から該雨水等が掃除口内に侵入すると云う問題点もあった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、排水管路の掃除口用蓋(1,1A,1B) の上側に被着されるカバー(2,2A,2B) であって、カバー本体部(4,3A,3B) の周りには通気口(7,9A,9B) が配され、該カバー(2,2A,2B) を該掃除口用蓋(1,1A,1B) に取付けた状態で、該掃除口用蓋(1,1A,1B) の通気口(81,11A,11B)と該カバー(2,2A,2B) の通気口(7,9A,9B) とが連通状態にある掃除口用蓋 (1,1A,1B) のカバー (2,2A,2B) を該掃除口用蓋 (1,1A,1B) に取付け、該掃除口用蓋 (1,1A,1B) の通気口 (81,11A,11B) と該カバー (2,2A,2B) の通気口 (7,9A,9B) との間に形成される連通口 (12) 内に該連通口 (12) を開閉するフロート (11) を介装せしめたカバー取付け構造を提供するものである。
該カバー(2,2A)からは該掃除口用蓋(1,1A)の取付孔(8,10A) に挿入される係合片(6,8A)が差出されていることが好ましい。
該カバー本体部(4) の下面中央部には凹部(3) が設けられ、該係合片(6,6) は該凹部(3) の内側に配置され、該凹部(3) の周壁からは、該カバー本体部(4) の周縁に開口する通気口(7,7) を有する通気溝(71,71) が放射状に設けられていることが好ましい。
更に、掃除口用蓋(1) の取付孔(8) には上側に突出するカラー(9) を周設し、上記掃除口用蓋(1) のカバー(2) の係合片(6,6) を該蓋(1) のカラー(9) に挿入係合し、該蓋(1) のカラー(9) と該カバー(2) の凹部周壁との間に上下可動にフロート(11)を介装せしめたカバー取付け構造を提供するものである。
また更に、排水管路の掃除口用蓋 (1,1A,1B) の上側に被着されるカバー (2A,2B) であって、カバー (2A,2B) 本体部の周りには通気口 (11A,11B) が配され、該カバー(2A,2B) 下面中央部には連通口(5A,5B) を設けた囲壁(4A,4B) が設けられ、該囲壁(4A,4B) の外側にはガイド溝(6A,6B) で案内されて上下して該連通口(5A,5B) を開閉するフロート(7A,7B) が取付けられ、該カバー(2A,2B) を該掃除口用蓋(1A,1B) に取付けた状態で、該掃除口用蓋(1A,1B) の通気口(11A,11B) と該カバー(2A,2B) の通気口(9A,9B) とは、該カバー(2A,2B) の囲壁(4A,4B) の連通口(5A,5B) を介して連通状態にある掃除口用蓋のカバーを提供するものである。該囲壁(4A)下縁所定箇所からは該掃除口用蓋(1A)の取付孔(10A) に挿入される係合片(8A,8A) が差出されていることが好ましい。
【０００５】
【作用】
掃除口用蓋(1,1A,1B) にカバー(2,2A,2B) を取付ける。こうすると排水管路には該カバー(2,2A,2B) の通気口(7,9A,9B) を介して蓋(1,1A,1B) の通気口(81,11A,11B)より大気圧が導入される。
雨水等は該カバー(2,2A,2B) の本体(4,3A,3B) によって該蓋(1,1A,1B) の通気口(81,11A,11B)より掃除口に侵入することを阻止される。該カバー(2,2A,2B) は無底であり、その分厚みが縮小される。
更に、該蓋(1,1A,1B) 上に雨水等が溢れた場合、フロート(11,7A,7B)が浮上して連通口(12,5A,5B)を塞ぎ、該雨水等が該蓋(1,1A,1B) の通気口(81,11A,11B)から掃除口内に侵入することを阻止する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
〔実施例１〕
本発明を図１〜図５に示す一実施例によって説明する。図１および図２に示すように排水管路の掃除口用蓋(1) の上側に被着されるドーム形状のカバー(2) は、下面中央部に凹部(3) を設けたカバー本体部(4) と、該本体部(4) の凹部(3) の中央から下側に差出され先端爪部(5,5) を有する複数個の係合片(6,6) と、該本体の凹部(3) の周壁から水平方向に向けて放射状に設けられ該カバー本体部(4) の周縁に開口する通気口(7,7) を有する複数条の通気溝(71,71) とからなる。
【０００７】
図３に示すように排水管路の掃除口用蓋(1) の中央には通気口(81)を有する取付孔(8) が貫通して設けられ、該取付孔(8) には上側に突出する円筒状のカラー(9) が周設され、該カラー(9) の内周にはカラー突出部分(10)が突設形成されている。該蓋(1) のカラー(9) 突出部分と該カバー(2) の凹部(3) 周壁との間に上下可動に環状フロート(11)を介装せしめた状態で、該カバー(2) の係止片を該カラー(9) に挿入すると、図４に示すように該係止片の先端爪部(5,5) が該カラー(9) のカラー突出部分(10)に係合し、このようにして該カバー(2) は蓋(1) 上に取付け固定される。
【０００８】
該環状フロート(11)は例えば発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、エチレン−プロピレンゴム等の発泡体等の独立気泡を有する発泡樹脂を材料とすることが望ましい。または、該環状フロート(11)は合成樹脂を材料とする中空体であることが望ましい。発泡樹脂を材料とする場合、該環状フロート(11)の密度は０．０２〜０．４g/mlであることが望ましく、好ましくは０．０４〜０．２g/mlであることが望ましい。
【０００９】
上記のようにして該カバー(2) を蓋(1) 上に取付け固定すると、図４に示すように、該カバー(2) の通気口(7,7) と該蓋(1) の通気口(81)との間には連通口(12,12) が形成される。図４において矢印で示すように、排水管路には該カバー(2) の通気溝(71,71) の通気口(7,7) および該連通口(12,12) を介して蓋(1) の通気口(81)より大気圧が導入されため、排水管路内が負圧状態や加圧状態となることがなく管詰まりが発生することもない。また、雨水等は該カバー(2) の本体によって該蓋(1) の通気口(81)より掃除口に侵入することを阻止される。
更に、該蓋(1) 上に雨水等が溢れた場合、図５に示すように該環状フロート(11)が浮上して該カバー(2) の内面に密着し、該連通口(12,12) を塞ぎ、該雨水等が該蓋(1) の通気口(81)から掃除口内に侵入することを阻止する。
【００１０】
〔実施例２〕
図６および図７には本発明の他の実施例が示される。この実施例ではドーム形状のカバー(2A)の本体部(3A)の下面中央部には四角形状の囲壁(4A)が設けられ、該囲壁(4A)の対向する一対の側壁(41A,41A) には連通口(5A,5A) が設けられている。更に該囲壁(4A)の他の対向する一対の側壁(42A,42A) の両端からはガイド溝(6A,6A) が延設されている。そして該ガイド溝(6A,6A) には前実施例と同様な発泡樹脂を材料とするフロート(7A,7A) が上下動可能に挿着されている。
更に該囲壁(4A)の両側壁(42A,42A) の下面からは係合片(8A,8A) が差出されており、また該カバー(2A)の本体部(3A)の周縁には切欠き状の通気口(9A,9A) の複数個が形成されている。
【００１１】
該カバー(2A)は掃除口用蓋(1A)の一対の取付孔(10A,10A) に該係合片(8A,8A) をそれぞれ嵌着することによって該蓋(1A)上に取付けられ、大気圧は該カバー(2A)の周縁通気口(9A,9A) から該囲壁(4A)の側壁(41A,41A) の連通口(5A,5A) を介して該蓋(1A)の通気口(11A) より排水管路に導入される。
雨水が該カバー(2A)内に侵入した場合、フロート(7A,7A) が浮上して連通口(5A,5A) を塞ぎ、該連通口(5A,5A) を介して雨水が蓋(1A)の通気口(11A) から掃除口内に侵入することが阻止される。
【００１２】
〔実施例３〕
図８には更に他の実施例が示される。この実施例では実施例１のカバー(2) において、係合片(6) を短くし、一方蓋(1) のカラー(9) の上縁に係合段部(91)を形成し、該カラー(9) の係合段部(91)に該カバー(2) の係合片(6) の先端爪部(5) を係合する。
【００１３】
〔実施例４〕
図９および図１０には更に他の実施例が示される。この実施例では実施例２のカバー(2A)において、本体部(3A)下面の囲壁(4A)から係合片(8A)が差出されていたのに対し、本体部(3A)の周縁に複数個の耳部(81A) を突設し、各耳部(81A) から係合片(8A)を垂設する。
該カバー(2A)にあっては、蓋(1A)の周縁部に設けた取付孔(10A) に該カバー(2A)の係合片(8A)を係合する。
【００１４】
〔実施例５〕
図１１および図１２には更に他の実施例が示される。この実施例も実施例２の変形であり、通気口(9B)はカバー本体部(3B)の周縁よりも上側に配置されている。更に該カバー本体部(3B)の耳部(81B) は蓋(1B)の周縁部に設けた逆Ｌ形係止具(10B) に係合される。即ち該カバー(2B)を蓋(1B)の上に置き、図１２において矢印で示すように該カバー(2B)を若干回動させれば、該カバー(2B)の耳部(81B) が該蓋(1B)の係止具(10B) に係合する。
【００１５】
【発明の効果】
本発明のカバーにあっては、本体部の下面に通気路を設けるから無底となり、その分カバーの厚みを縮小することが出来、その分周りへの干渉が少なくなり、更に、溢れた雨水等が該通気路から掃除口内に浸入することもない。
【図面の簡単な説明】
図１〜図５は本発明の一実施例を示すものである。
【図１】カバーの下側斜視図である。
【図２】カバーの斜視図である。
【図３】掃除口用蓋および環状フロートの斜視図である。
【図４】カバーを蓋に取付けた状態を示す説明側断面図である。
【図５】カバーを蓋に取付けた状態（環状フロート浮上状態）を示す説明側断面図である。
図６および図７は本発明の他の実施例を示すものである。
【図６】カバーの下側斜視図である。
【図７】図６におけるＡ−Ａ断面図である。
図８は本発明の更に他の実施例を示すものである。
【図８】カバーを蓋に取付けた状態を示す説明側断面図である。
図９および図１０は本発明の更に他の実施例を示すものである。
【図９】カバーを蓋に取付けた状態を示す説明側断面図である。
【図１０】カバーの平面図である。
図１１および図１２は本発明の更に他の実施例を示すものである。
【図１１】カバーを蓋に取付けた状態を示す説明側断面図である。
【図１２】カバーの平面図である。
【図１３】従来例の説明側断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 掃除口用蓋
2,2A,2B カバー
3 凹部
4,3A,3B カバー本体部
4A,4B 囲壁
6A,6B ガイド溝
6,8A 係合片
81A,81B 耳部
7,9A,9B カバーの通気口
71 通気溝
8,10A 取付孔
81,11A,11B 掃除口用蓋の通気口
9 カラー
10B 逆Ｌ形係止具
11,7A,7B フロート
12,5A,5B 連通口

Claims (6)

1. 排水管路の掃除口用蓋の上側に被着されるカバーであって、カバー本体部の周りには通気口が配され、該カバーを該掃除口用蓋に取付けた状態で、該掃除口用蓋の通気口と該カバーの通気口とが連通状態にある掃除口用蓋のカバーを、該掃除口用蓋に取付け、該掃除口用蓋の通気口と該カバーの通気口との間に形成される連通口内に該連通口を開閉するフロートを介装せしめたことを特徴とするカバー取付け構造。
2. 該カバーからは該掃除口用蓋の取付孔に挿入される係合片が差出されている請求項１に記載の掃除口用蓋のカバー取付け構造。
3. 該カバー本体部の下面中央部には凹部が設けられ、該係合片は該凹部の内側に配置され、該凹部の周壁からは、該カバー本体部の周縁に開口する通気口を有する通気溝が放射状に設けられている請求項２に記載の掃除口用蓋のカバー取付け構造。
4. 掃除口用蓋の取付孔には上側に突出するカラーを周設し、請求項２または請求項３に記載の掃除口用蓋のカバーの係合片を該蓋のカラーに挿入係合し、該蓋のカラーと該カバーの凹部周壁との間に上下可動にフロートを介装せしめたカバー取付け構造。
5. 排水管路の掃除口用蓋の上側に被着されるカバーであって、カバー本体部の周りには通気口が配され、該カバー下面中央部には連通口を設けた囲壁が設けられ、該囲壁の外側にはガイド溝で案内されて上下して該連通口を開閉するフロートが取付けられ、該カバーを該掃除口用蓋に取付けた状態で、該掃除口用蓋の通気口と該カバーの通気口とは、該カバーの囲壁の連通口を介して連通状態にある請求項１に記載の掃除口用蓋のカバー。
6. 該囲壁下縁所定箇所からは該掃除口用蓋の取付孔に挿入される係合片が差出されている請求項５に記載の掃除口用蓋のカバー。

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