JP3686211B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内に吹き出される空気の加熱と冷却とを1つの熱交換器により行ない、車室内の温度を所望の温度に制御するようにした自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用空気調和装置は、空気を冷却するエバポレータ(クーラ)と、高温のエンジン冷却水が流通するヒータコア(ヒータ)とを有しており、制御の方式によってヒータ/クーラ独立方式、ヒータ/クーラ切換方式、セミ・エアコン方式、フル・エアコン方式、そしてリヒート方式などがある。
【0003】
ヒータ/クーラ独立方式は、エバポレータとヒータコアとがそれぞれ独立して配置され、配風時にエバポレータ又はヒータコアだけを使用するタイプである。
【0004】
ヒータ/クーラ切換方式は、機能的にはヒータ/クーラ独立式と同様であるが、吹き出し口に設けられた切換ドアによってエバポレータを使うかヒータコアを使うかを選択するようにしたタイプである。
【0005】
セミ・エアコン方式は、空気をすべてエバポレータに案内し、冷房時はヒータコアを通さずにそのまま吹き出し、暖房時にはエバポレータで冷却除湿された空気を、ヒータコア(内部を流れる温水の流量が調節されるようになっている)により暖めるようにしたタイプである。
【0006】
フル・エアコン方式は、エアミックス方式とも呼ばれ、エバポレータを通過した空気をヒータコアに入る空気と入らない空気とに分岐し、吹き出し口の手前で両方の空気を混合するようにしたタイプである。
【0007】
リヒート方式は、エバポレータを通った空気を全てヒータコア(内部を流れる温水の流量が調節されるようになっている)に通して再度加熱してから各吹き出し口から車室内に供給するようにしたタイプである。
【0008】
なお、現在では、これらの方式のうち、フル・エアコン方式が多用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したフル・エアコン方式の自動車用空気調和装置にあっては、エバポレータは、クーラユニットに、そしてヒータコアは、ヒータユニットにそれぞれ組み込まれ、インテークユニット内のファンにより取り入れられた空気は、除湿を行なうために、まず、エバポレータにより冷却された後にヒータコアにより加熱されるようになっている。
【0010】
フル・エアコン方式では、エバポレータを通過した空気をヒータコアに入る空気と入らない空気との割合を調整するためにエアミックスドアが必要となるが、リヒート方式ではそのようなドアが不要となる利点がある。しかしながら、リヒート方式では、車室内を暖房する時の温度調節をヒータコアに流れるエンジン冷却水の量を調節することにより行なっているので、中間期などのように暖房能力を高める必要がないときには、ヒータコアに供給されるエンジン冷却水を絞る必要があり、ヒータコア内でのエンジン冷却水の温度分布にばらつきが発生することになる。
【0011】
このため、車室内への各吹き出し口の温度差が発生して、温度制御特性を向上させることができないという問題がある。
【0012】
また、多くの自動車用空気調和装置は、インテークユニットとクーラユニットとヒータユニットとが、この順に、車両の車幅方向に直列的に接続されているので、大きな設置スペースが必要となり、しかも3つのユニットケースが別個に必要となるため、部品点数が多く、コストの低減を図ることも難しい。
【0013】
本発明は、1つの熱交換器により車室内に吹き出される空気の温度を制御して車室内の暖房と冷房とを行なうことにより、車室内の温調特性に優れた自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車室内に吹き出される空気の温度を制御する室内側熱交換器の流入口とエンジン冷却水流出口との間に、エンジンにより加熱されたエンジン冷却水を前記室内側熱交換器に供給する供給管路を接続し、前記室内側熱交換器の流出口とエンジン冷却水流入口との間に、前記室内側熱交換器から流出するエンジン冷却水をエンジン側に戻す帰還管路を接続し、前記帰還管路と前記供給管路との間にバイパス管路を接続して、前記室内側熱交換器から前記帰還管路に流出したエンジン冷却水をエンジン側に戻すことなく前記供給管路にバイパスさせる閉流路を形成し、冷房サイクルを構成する冷却器内に、前記閉流路の前記供給管路に形成された熱交換部を配置し、前記供給管路の前記冷却器と前記エンジン冷却水流出口との間に、室内側熱交換器に供給するエンジン冷却水の流量を制御する流量制御手段を設け、当該流量制御手段を制御し、前記室内側熱交換器(2)内に供給されるエンジン冷却水の温度を可変にして車室内の暖房と冷房とを行なうようにしたことを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、1つの室内側熱交換器によって車室内に吹き出される空気の温度を制御して車室内の暖房と冷房とを行なうことができるので、自動車用空気調和装置を構成する機器の車内への設置スペースを大幅に減少させることができる。また、車室とエンジンルームとに渡る冷媒配管をなくすこともできる。これにより、安価な熱交換器とすることができ、システム全体がコンパクトになる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記流量制御手段が、前記エンジン冷却水を循環させる循環ポンプと、前記エンジン冷却水流出口と前記閉流路とを連通する前記供給管路に設けた流量制御弁とを有し、前記室内側熱交換器に供給されるエンジン冷却水の流量を制御するようにしたことを特徴とする。
このようにすれば、車室内に吹き出される空気の温度を任意の温度に設定することができる。また、室内側熱交換器内の温度分布のばらつきの発生を防止し、各吹き出し口から車室内に吹き出される空気の温度差の発生を防止することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、エンジン冷却水流出口とエンジン冷却水流入口との間にリターン管路を設け、このリターン管路内を流れるエンジン冷却水により駆動される駆動部を前記循環ポンプに連結し、前記駆動部により前記循環ポンプを駆動するようにしたことを特徴とする。
このようにすれば、エンジン冷却水流出口とエンジン冷却水流入口との間にリターン管路内を流れるエンジン冷却水により駆動される駆動部により循環ポンプを駆動するので、特段の駆動機構が不要となり、構造が簡単でコンパクトな空気調和装置が得られる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記流量調整弁は、制御手段により制御されて前記供給管路を開閉し、エンジン冷却水を前記供給管路から前記室内側熱交換器に供給した後に前記帰還管路を経てエンジン側に戻す暖房モードと、バイパス管路を介して前記室内側熱交換器内のエンジン冷却水をエンジン側に戻すことなく前記閉流路内を循環させる冷房モードとを切換るようにしたことを特徴とする。
このようにすれば、エンジン冷却水を供給管路から熱交換器に供給した後に帰還管路を経てエンジン側に戻す暖房モードと、バイパス管路を介して前記熱交換器内のエンジン冷却水をエンジン側に戻すことなく前記閉流路内を循環させる冷房モードとの切換制御を、供給管路に設けられた流量調整弁が制御手段により制御されて供給管路を開閉して行うので、自動的に暖房モードか冷房モードに切り換わり、乗員が設定した所定の温度に車室内を保持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態である自動車用空気調和装置を示す概略図である。この自動車用空気調和装置は、エンジンにより加熱された高温のエンジン冷却水が循環ポンプPにより循環されるエンジン冷却水サイクルEと、冷媒が循環する冷房サイクルRとを有している。
【0024】
まず、冷却水サイクルEは、エンジン1側の流出口1aと室内側熱交換器2の入口2aとの間を供給管路4により、室内側熱交換器2の流出口2bとエンジン1側の流入口1bとの間を帰還管路5により連結されている。したがって、車室PR内には、室内側熱交換器2と冷却水が流通する配管のみが存在し、他の大部分の機器はエンジンルームER内に存在することになっており、従来から存在している自動車用空気調和装置のように冷媒配管が車室PR内に存在していない点に特徴を有している。
【0025】
この冷却水サイクルEにおいては、連結部4aと連結部5aとの間にバイパス管路6が接続され、このバイパス管路6によって、室内側熱交換器2から流出したエンジン冷却水をエンジン1側に戻すことなく供給管路4を介して室内側熱交換器2に戻すようにしている。
【0026】
また、前記連結部5aよりもエンジン1側に設けられた連結部5bと連結部4bとの間には、リターン管路7が接続されており、このリターン管路7によって、エンジン1側から吐出したエンジン冷却水を室内側熱交換器2に案内することなく、再度エンジン側に戻すようにしている。
【0027】
供給管路4には、両接続部4a,4bの間に流量調整弁8が設けられ、供給管路4を流れて室内側熱交換器2に流入するエンジン冷却水の流量を制御している。この供給管路4には、流量調整弁8に加えて、室内側熱交換器2に流入するエンジン冷却水の流量を制御するために、循環ポンプPが供給管路4に設けられているが、循環ポンプPのみにより、流量を制御するようにしても良い。
【0028】
一方、冷房サイクルRは、通常の冷房サイクルと同様に、エンジン1により駆動されるコンプレッサ11、エンジンルームER内に配置され、ファン13等により冷却されるコンデンサ12、膨張弁14及び冷却器15を有している。
【0029】
なお、ここで使用するコンプレッサ11としては、固定容量式コンプレッサを用いても良く、可変容量式コンプレッサを用いても良い。
【0030】
この冷却器15内には、供給管路4内を流れるエンジン冷却水と、冷房サイクルR内を流れる冷媒とを熱交換させるように熱交換部16が設けられている。この熱交換部16は、例えば、図示のように、管路4を蛇行させたものであっても良いが、さらに熱交換効率を高めるには、いわゆるインタークーラのように熱交換器内に熱交換器が設けられたものを使用することが好ましい。ただし、本発明は、これのみでなく他の方式のものでも良い。
【0031】
また、熱交換部16を設ける位置に関して、図示する場合には、供給管路4に設けているが、閉流路を形成する部分であれば、バイパス管路6や、帰還管路5のうち流出口2bと連結部5aの間に設けても良い。前記バイパス管路6に関しても、ここの流路を開閉する開閉弁を設けても良い。
【0032】
次に、作用を説明する。
車室PR内を暖房する場合には、エンジンとコンプレッサ11との間に設けられているクラッチ(図示せず)を切り、コンプレッサ11の作動を停止し、循環ポンプPを駆動することによりエンジン冷却水を供給配管4から室内側熱交換器2内に供給する。このエンジン冷却水の供給量は、流量調整弁8の開度により制御され、これにより所定量のエンジン冷却水が室内側熱交換器2に導入される。
【0033】
この室内側熱交換器2においては、ファン3により車室外空気が導入されているので、前記高温のエンジン冷却水と空気が熱交換し、車室PR内に吹き出される。なお、室内側熱交換器2の出口2bから流出したエンジン冷却水は、帰還管路5よりエンジン1側の流入口1bを通ってエンジン1に帰還する。
【0034】
図4は流量調整弁8の開度を暖房時と冷房時とについて示すグラフである。この図4に示すように、前記車室PR内に吹き出される吹出し空気温度は、流量調整弁8の開度により任意の温度に設定される。暖房能力を最大に設定する場合、つまりフルホット時には、流量調整弁8の開度は全開に制御され、多量のエンジン冷却水が室内側熱交換器2内を流通し、これにより加熱される空気は、フルホットに見合った高温のものとなる。
【0035】
また、フルホット以外の暖房モードHにあっては、車室PR内に設けられているコントローラを乗員が操作することにより設定された温度に応じて流量調整弁8の開度は、自動的に制御され、これにより空気は、設定された温度に見合ったものとなる。なお、流量調整弁8は、中間温度(例えば25℃程度)の冷房モードM時も、後述するより低温の冷房モードCの際にも閉じられる。
【0036】
この流量調整弁8を使用することなく、あるいはこれと共に循環ポンプPの作動を制御する場合には、所定量のエンジン冷却水が確実に室内側熱交換器2内に供給されるように、循環ポンプPの作動が図4に示すタイミングで制御される。
【0037】
次に、車室PR内を冷房する場合には、流量調整弁8が全閉状態となり、流出口1aから流出したエンジン冷却水は、リターン管路7によってエンジン側に戻されて室内側熱交換器2には供給されない。しかし、循環ポンプPは、駆動されるので、循環ポンプP→熱交換部16→室内側熱交換器2→帰還管路5→バイパス管路6により形成された閉流路内のエンジン冷却水は、当該閉流路内を熱媒体として流れる。
【0038】
この状態で、前記クラッチが入り、エンジンによりコンプレッサ11が駆動されると、周知の冷房サイクルRが作動し、冷却器15には低温低圧の冷媒が流通することになる。したがって、この冷却器15内の熱交換部16を流れているエンジン冷却水の熱媒体は、前記冷媒により冷却され、低温の熱媒体となって室内側熱交換器2内に供給され、室内空気が冷却される。この熱媒体の温度を制御すれば、車室PR内に吹き出される空気の温度を任意の温度に制御することができる。
【0039】
図5はエンジン冷却水つまり熱媒体の温度状態を、暖房時と冷房時とについて示すグラフであり、循環ポンプPの流量を制御することにより、図5において実線で示すように、冷房温度を制御することができる。ここにおいて、エンジン冷却水流出口1aにおける熱媒体の温度をEとすると、この温度Eを最高温度として流量調整弁8の開度を制御することにより室内側熱交換器2内に流れる熱媒体の温度を任意の温度に設定することができる。なお、エンジン冷却水として、0℃以下でも凍結しない不凍液を使用すれば、熱媒体の温度を0℃以下に設定することもできる。
【0040】
ただし、吹出し空気の温度の制御は、風量と熱媒体の温度によって変化させることができるので、風量と熱媒体の温度の両者により車室内空気の温度を制御しても良い。つまり、これは、本自動車用空気調和装置が2通りの制御ができることを意味する。
【0041】
第1の制御方法としては、熱媒体の温度を変化させる方法である。例えば、容量可変式コンプレッサを使用して、コンプレッサからの吐出量を変化させる場合に使用することができるが、図5の実線で示すように、熱媒体の温度が次第に低下するように変化させ、これに応じて風量も次第に低下するように変化させると、車室内空気の温度を所定の値に保持しつつ、車室PR内に吹き出す風量の制御幅を調節することができる。
【0042】
また、前記のように閉流路を流れる熱媒体の温度を変動させる場合において、冷房負荷が小さいときに、熱媒体の温度を上げると、吹き出し温度の低下を押さえつつ、風量を確保することができ、車室PR内の温度分布を良好にすることができる。
【0043】
第2の制御方法としては、風量を変化させる方法である。例えば、固定容量式のコンプレッサを使用して、コンプレッサからの吐出量を一定とする場合に使用することができるが、図5において破線で示すように、熱媒体の温度を一定に保持する場合には、車室PR内に吹き出される空気の量を制御することによって温調制御を行うことができる。このように、一定温度の熱媒体を循環させる場合には、冷風の吹き出し温度は、風量により制御され、風量が大きい程冷房能力は高く、小さい程吹き出し温度が低下する傾向となる。
【0044】
なお、前記第1の方法である熱媒体の温度制御の場合は、冷房サイクルをオンオフ制御することにより熱媒体の温度制御を行う方法でも良いが、コンプレッサ11から吐出される冷媒量の制御を行なうことができる容量可変式コンプレッサの使用や、電子式の膨張弁により冷房サイクルを流れる冷媒量を制御する方が、より安定性があり、省エネルギが確保できるので好ましい。
【0045】
図6は自動車用空気調和装置の作動を制御するための制御回路を示すブロック図であり、制御部20には、室内側熱交換器2内の熱媒体の温度を検出する液温センサ21、車両に照射される日射量を検出する日射センサ22、車室PR内の温度を検出する車室温センサ23,車外の温度を検出する外気温センサ24からの検出信号が送られるようになっており、さらに、コントローラに設けられた温度設定部25を乗員が操作することにより入力された設定温度の信号が制御部20に送られるようになっている。
【0046】
制御部20からは、流量調整弁8及び循環ポンプPに作動信号が送られるようになっており、さらに、電子式の膨張弁14の作動を制御する制御信号、ファン3の回転数を制御して車室PR内に吹き出される風量を制御するための制御信号、およびコンプレッサ11の作動を制御するための制御信号がそれぞれ制御部20から送られるようになっている。
【0047】
コンプレッサ11として固定容量コンプレッサが使用される場合には、コンプレッサクラッチのオンオフ制御と、車室PR内に吹き出される風量制御とを行なうことにより、冷房時の車室内温度が制御される。また、可変容量コンプレッサが使用される場合には、電子式の膨張弁14の制御と、風量制御とによって冷房時の車室内温度が制御される。
【0048】
図7は図6に示す制御回路によって行なわれる自動車用空気調和装置の作動手順を示すフローチャートである。
【0049】
まず、自動車用空気調和装置が起動されると、ステップS1において制御部20内のCPUなどで初期設定される。次で、ステップS2において液温センサ21などの各センサからの検出値が読み込まれ、ステップS3〜S7においてそれぞれの補正値が演算されて、室内側熱交換器2内に供給されるべき熱媒体の温度がステップS8において設定される。
【0050】
この設定温度に応じて車室PR内を暖房するか、あるいは冷房するかが、ステップS9により判断される。このステップS9で冷房モードであると判断された場合には、冷房モードとなり、ステップS10において流量調整弁8が閉じられて、コンプレッサ11などの冷房サイクルを構成する機器が作動される。
【0051】
一方、暖房すると判断された場合には、コンプレッサ11の作動は停止され、ステップS11において流量調整弁8の開度が制御される。
【0052】
図2は本発明の他の実施の形態である自動車用空気調和装置を示す図であり、この場合には、リターン管路7にこの中を流れるエンジン冷却水により回転駆動されるインペラなどからなる駆動部Tが設けられており、この駆動部Tの回転により循環ポンプPを駆動するようにしている。したがって、この場合には、循環ポンプPを駆動するための駆動源として、リターン管路7を流れる液体が使用されるので、外部に駆動手段を設けることなく、循環ポンプPを駆動することができ、ポンプの構造を軽量コンパクトにし、故障しにくく耐久性に優れた循環ポンプが得られる。
【0053】
図3は本発明のさらに他の実施の形態である自動車用空気調和装置を示す図であり、この場合には、帰還管路5に室内側熱交換器2の流出口2bからエンジン1側の流入口1bに向かう流れを許容し、逆方向の流れを阻止するための逆止弁9が設けられている。この逆止弁9を図2に示す場合にも設けるようにしても良い。
【0054】
図2および図3において、図1に示された部材と共通する部材には同一の符号が付されている。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、1つの熱交換器を車室内に配置することによって車室内の暖房と冷房とを行なうことができるので、自動車用空気調和装置の占有スペースを有効に利用することができる。
【0056】
1つの熱交換器によって車室内の暖房と冷房とを行なうことができ、自動車用空気調和装置の構成機器の部品点数を低減し、車室内の占有スペースを少なくすることができる。これにより、安価な熱交換器とすることができ、システム全体がコンパクトになる。熱交換器に供給される熱媒体の温度を制御することにより、熱交換器内における熱媒体の温度分布のばらつきの発生を防止することができ、車室内への各吹き出し口からの温度差の発生を防止することがきる。
【0057】
さらに、車室内への冷媒配管がなくなるので、組立てが容易となり、メンテナンス的にも優れたものとなり製品品質、サービス性等が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す概略図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態を示す概略図である。
【図3】 本発明の更に他の実施の形態を示す概略図である。
【図4】 暖房時及び冷房時の流量調整弁の開度を示すグラフである。
【図5】 暖房時及び冷房時の熱媒体の温度を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施の形態における制御回路を示すブロック図である。
【図7】 同実施の形態の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、
1a…エンジン冷却水流出口、
1b…エンジン冷却水流入口、
2…室内側熱交換器、
2a…流入口、
2b…流出口、
4…供給管路、
5…帰還管路、
6…バイパス管路、
7…リターン管路、
8…流量調整弁、
9…逆止弁、
11…コンプレッサ、
12…コンデンサ、
14…膨張弁、
20…制御部、
ER…エンジンルーム、
PR…車室、
R…冷房サイクル。
Claims (4)
- 車室(PR)内に吹き出される空気の温度を制御する室内側熱交換器(2)の流入口(2a)とエンジン冷却水流出口(1a)との間に、エンジン(1)により加熱されたエンジン冷却水を前記室内側熱交換器(2)に供給する供給管路(4)を接続し、
前記室内側熱交換器(2)の流出口(2b)とエンジン冷却水流入口(1b)との間に、前記室内側熱交換器(2)から流出するエンジン冷却水をエンジン側に戻す帰還管路(5)を接続し、
前記帰還管路(5)と前記供給管路(4)との間にバイパス管路(6)を接続して、前記室内側熱交換器(2)から前記帰還管路(5)に流出したエンジン冷却水をエンジン側に戻すことなく前記供給管路(4)にバイパスさせる閉流路を形成し、
冷房サイクル(R)を構成する冷却器(15)内に、前記閉流路の前記供給管路 (4)に形成された熱交換部(16)を配置し、
前記供給管路 (4) の前記冷却器 (15) と前記エンジン冷却水流出口 (1a) との間に、前記室内側熱交換器(2)に供給するエンジン冷却水の流量を制御する流量制御手段(P,8)を設け、
当該流量制御手段(P,8)を制御し、前記室内側熱交換器(2)内に供給されるエンジン冷却水の流量を可変にして車室(PR)内の暖房と冷房とを行なうようにしたことを特徴とする自動車用空気調和装置。 - 前記流量制御手段(P,8)は、前記エンジン冷却水を循環させる循環ポンプ(P)と、前記エンジン冷却水流出口(1a)と前記閉流路とを連通する前記供給管路(4)に設けた流量制御弁(8)とを有し、前記室内側熱交換器(2)に供給されるエンジン冷却水の流量を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用空気調和装置。
- エンジン冷却水流出口(1a)とエンジン冷却水流入口(1b)との間にリターン管路(7)を設け、このリターン管路(7)内を流れるエンジン冷却水により駆動される駆動部(T)を前記循環ポンプ(P)に連結し、前記駆動部(T)により前記循環ポンプ(P)を駆動するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用空気調和装置。
- 前記流量調整弁 (8) は、制御手段 (20) により制御されて前記供給管路 (4) を開閉し、エンジン冷却水を前記供給管路(4)から前記室内側熱交換器(2)に供給した後に前記帰還管路(5)を経てエンジン(1)側に戻す暖房モードと、バイパス管路(6)を介して前記室内側熱交換器内(2)のエンジン冷却水をエンジン(1)側に戻すことなく前記閉流路内を循環させる冷房モードとを切換るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用空気調和装置。
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